JP2005269564A - 高周波モジュール及び通信機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】インピーダンス調整回路を、多層基板内に内装された容量素子と誘導素子で構成することにより、送信用フィルタ、受信用フィルタの電気特性を劣化させずに全体の小型化を実現した高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュールの基板を多層基板で構成し、インピーダンス調整回路として、2つの接地間容量素子C1,C2と、前記2つの接地間容量素子C1,C2の間に接続される誘導素子L1で構成される回路を採用し、かつ前記接地間容量素子C1,C2と前記誘導素子L1とを多層基板内に内装した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、高周波電力増幅回路、送受信用フィルタなどを誘電体多層基板に実装した高周波モジュール、及びその高周波モジュールを搭載する携帯電話機などの通信機器に関するものである。
近年、携帯電話機の普及が進みつつあり、携帯電話機の機能、サービスの向上が図られている。このような携帯電話機では各送受信系の構成に必要な高周波信号処理回路を基板に搭載している。
従来の、高周波信号処理回路の一般的構成では、アンテナから入力された受信信号とアンテナに給電する送信信号とを切り替えるための送信用及び受信用フィルタが設けられている。
アンテナから入ってきた受信信号は、受信用フィルタの前段に設けられたインピーダンス調整回路を通って受信用フィルタに入力され、ここで受信信号が選択的に通過される。通過した受信信号は、低雑音増幅器で増幅され、信号処理回路に供給される。
一方、送信信号は、所定の送信通過帯域内の送信信号を通過させる高周波フィルタを通ってノイズを落とされ、高周波電力増幅回路に伝えられる。高周波電力増幅回路は、この送信信号を電力増幅し、前記送信用フィルタに供給する。
前記インピーダンス調整回路は、送受信共用端子と受信用フィルタの間に接続されて、受信用フィルタの阻止域インピーダンスを開放状態付近まで位相回転させる役割を担うものである。
従来、インピーダンス調整回路に1本のストリップラインを用いて、位相回転させる方式を適用している。
また、通過域のインピーダンスは50Ωに位置しているので、ストリップラインを50Ωに設計することでストリップラインの長さに依らず、整合状態を保つことが出来る。
これにより、送信用フィルタ及び受信用フィルタをインピーダンス整合させてかつ送信信号が受信側に流れないように、また受信信号が送信側に流れないようにすることができる。
特開2002−171137号公報
しかしながら、上記の構成においてはストリップラインが長くなってしまうので誘電体層内の占有面積が大きくなる。
これに加えて、インピーダンス調整回路として機能させるためにストリップラインを50Ωに設計する必要があるので、ストリップラインを挟む上下の誘電体層は、他の導体パターンのない誘電体のみの領域を必要とする。
このため、送信用フィルタと受信用フィルタとを設置した多層基板の下部の領域に、他回路の導体パターンを配置することが出来ず、高周波モジュールの小型化の弊害になっている。
本発明は、インピーダンス調整回路を、多層基板内に内装された容量素子と誘導素子で構成することにより、送信用フィルタ、受信用フィルタの電気特性を劣化させずに全体の小型化を実現した高周波モジュール及びそれを搭載した通信機器を提供することを目的とする。
本発明の高周波モジュールは、モジュールの基板を多層基板で構成し、インピーダンス調整回路として、2つの接地間容量素子と、前記2つの接地間容量素子の間に接続される誘導素子で構成される回路を採用し、かつ前記接地間容量素子と前記誘導素子とを前記多層基板内に内装したものである。
また、本発明の高周波モジュールは、モジュールの基板を多層基板で構成し、インピーダンス調整回路として、2つ直列接続された容量素子と、一方の端子が前記2つの容量素子の間に接続され、かつ他方の端子が接地された誘導素子とで構成される回路を採用し、前記容量素子と前記誘導素子とを前記多層基板内に内装したものである。
前記の各構成によれば、インピーダンス調整回路を容量素子と誘導素子との組み合わせで構成するので、ストリップラインのみで構成する場合に比べて、高周波モジュールにおけるインピーダンス調整回路の占有面積を小型化できる。これによって、高周波モジュール全体を小型化できる。
前記誘導素子は、多層基板内の1又は複数の誘電体層に形成された伝送線路によって構成するのが好ましく、前記容量素子は、多層基板内の誘電体層を挟んで形成された一対のキャパシタ電極によって構成するのが好ましい。
また、前記容量素子と前記誘導素子とを、前記送信用フィルタと前記受信用フィルタとを設置した多層基板の下部の領域に内装すれば、多層基板の内部に、分波回路や方向性結合器など他の回路の導体パターンを実装する面積が確保でき、全体として、コンパクトな高周波モジュールすることができる。
前記多層基板には、セラミック誘電体層を含む多層セラミック基板を用いることができる。従来の樹脂基板ではインピーダンス調整回路を内装するには、面積が大きくなり高周波モジュール全体の小型化には困難があった。セラミック誘電体の比誘電率は、樹脂基板に比べて高く、通常9から25である。このため、誘電体層を薄くでき、誘電体層に内装されたインピーダンス調整回路の素子のサイズを小さくでき、素子間距離も狭くすることができる。したがって、樹脂基板を用いる場合に比べて、いっそうの小型化、集積化を実現できる。
また本発明は、上に説明した高周波モジュールを搭載した、全体として小型化を実現した携帯電話機などの通信機器に係るものである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、携帯電話機等の移動体通信機器に用いられる、CDMAデュアルバンド方式の高周波信号処理回路のブロック構成図を示す。
このCDMAデュアルバンド方式では、セルラー方式800MHz帯及びPCS方式1.9GHz帯の周波数バンドを持った2つの送受信系と、GPS(Global Positioning System)による測位機能を利用するためGPSの受信バンド1.5GHz帯を持った1つの受信系とから構成される。
図1において、1はアンテナ、2は周波数帯を分けるための低域通過フィルタLPF,高域通過フィルタHPFを含む分波回路、3aは1.9GHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、3bは同受信系を分離する受信用フィルタ、4aは800MHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、4bは同受信系を分離する受信用フィルタである。また、12は前記分波回路2から取り込まれるGPS信号を通過させるためのフィルタである。3c,4cは、受信信号の位相を回転させるインピーダンス調整回路である。
前記送信用フィルタ3a,4a及び受信用フィルタ3b,4bは、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ素子からなるものである。
送信系における信号の流れを説明する。送信信号処理回路RFIC17から出力されるセルラー送信信号は、帯域通過フィルタBPF9でノイズが削減され、高周波電力増幅回路7に伝えられる。送信信号処理回路RFIC17から出力されるPCS送信信号は、帯域通過フィルタBPF10でノイズが削減され、高周波電力増幅回路8に伝えられる。
高周波電力増幅回路7,8は、それぞれ800MHz帯,1.9GHz帯の周波数帯の送信信号を電力増幅する。増幅された送信信号は、方向性結合器5,6を通り、前記送信用フィルタ4a,3aに入力される。
方向性結合器5,6は、高周波電力増幅回路7,8からの出力信号のレベルをモニタして、そのモニタ信号に基づいて高周波電力増幅回路のオートパワーコントロールするためのものである。そのモニタ出力は、検波用回路11に入力される。
一方受信系は、受信用フィルタ4b,3bで分離された受信信号を増幅する低雑音増幅器LNA14,13と、受信信号からノイズを除去する高周波フィルタ16,15とを備えている。高周波フィルタ16,15を通った受信信号は、受信信号処理回路RFIC18に伝えられ信号処理される。また、前記GPS用フィルタ12で分離されたGPS信号は、受信信号処理回路RFIC18に入力され信号処理される。
前記各フィルタの構成は限定されないが、好ましくは、36°Yカット−X伝搬のLiTaO3結晶、64°Yカット−X伝搬のLiNbO3結晶、45°Xカット−Z伝搬のLiB47結晶などからなる基板上に、櫛歯状のIDT(Inter Digital Transducer)電極が形成されたSAWフィルタである。
前記高周波電力増幅回路7,8の構成も限定されないが、好ましくは、小型化、高効率化を図るためにGaAsHBT(ガリウム砒素ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ)構造、又はP−HEMT構造のトランジスタ、具体的にはGaAsトランジスタ、シリコン若しくはゲルマニウムトランジスタを含む半導体素子で形成されたものである。
以上のような構成の高周波信号処理回路を搭載した移動体通信機器においては、各部に対する小型化、軽量化の要求が大きく、これらの要求を考慮して、高周波信号処理回路は、所望の特性が達成できる単位でモジュール化されている。
すなわち、図1で実線22で示したように、分波回路2、送受信用フィルタ3a,3b,4a,4b、高周波電力増幅回路7,8、方向性結合器5,6などを含む分波系回路及び送信系回路が、1つの基板に形成された1つの高周波モジュール22を形成している。
なお、高周波モジュール22を、800MHz帯の高周波モジュールと、1.9GHz帯の2つの高周波モジュールに分けるという実装方法も可能である。さらに低雑音増幅器LNA13,14と受信用高周波フィルタ15,16を含んだモジュールを追加して形成してもよい。
以下、800MHz帯と、1.9GHz帯の2つの周波数帯を含む1つの高周波モジュール22に基づいて説明する。
図2に、高周波モジュール22の平面図を示し、図3にその断面図を示し、図4に外観斜視図を示す。
高周波モジュール22は、同一寸法形状の複数の誘電体層が積層された多層基板構造を有している。40は最下層に設けられたグランド層である。28は、グランド層40の周辺に設けられた信号入出力用の外部端子である。
多層基板23の表層には、各種のパターン、各種チップ部品のほか、BPF9,10、GPS用のフィルタ12、検波用回路11、送受信用フィルタ3a,4a,3b,4b、及び高周波電力増幅回路7,8の一部を構成する電力増幅用半導体素子24,25などが搭載され、これらは半田などで誘電体層上の導体パターンに接合されている。
電力増幅用半導体素子24,25は、多層基板23上の導体パターンとワイヤーボンディングで接続されている。電力増幅用半導体素子24,25の周囲には、同じく高周波電力増幅回路7,8の一部を構成する出力整合回路26,27がチップ部品や導体パターンで形成されている。
なお、電力増幅用半導体素子24,25、出力整合回路26,27などは、多層基板の裏面に搭載するようにしてもよい。
多層基板23の内部には、インピーダンス調整回路3c,4c(総称するときは「インピーダンス調整回路C」という)と、分波回路2と、方向性結合器5,6とが内装されている。
構造的にいえば、これらの内部素子を構成する、分布定数線路、結合線路、分布型キャパシタ、抵抗などの導体パターンが、誘電体層中にそれぞれ形成されている。
そして、各誘電体層には複数の層にわたって、回路を縦に接続するため必要なビア導体が形成されている。特に、図3における50は、電力増幅用半導体素子24,25で発生する熱をグランド層40に逃がすため設けられた、誘電体層を上下に貫通するサーマルビア導体である。
それぞれの誘電体層は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって導体パターンを形成し、積層して熱硬化させたもの、又は、セラミック材料などの無機系誘電体層に種々の導体パターンを形成し、これらを積層後同時に焼成したものが用いられる。
特に、セラミック材料を用いれば、セラミック誘電体の比誘電率は通常7から25と、樹脂基板に比べて高いので、誘電体層を薄くでき、誘電体層に内装された回路の素子のサイズを小さくでき、素子間距離も狭くすることができる。
とりわけ、ガラスセラミックスなどの低温で焼成が可能なセラミック材料を用いると、導体パターンを低抵抗の銅、銀などによって形成することができるので望ましい。また、ビア導体は誘電体層に形成した貫通孔にメッキ処理するか、貫通孔に導体ペーストを充填するかして形成される。
図5はインピーダンス調整回路Cの一実施形態を示す回路図である。図5において、図1のフィルタ3a又は4aに対応するフィルタを「送信用フィルタA」と表示している。図1のフィルタ3b、4bに対応するフィルタを「受信用フィルタB」と表示している。
このインピーダンス調整回路Cは、分波回路2の出力端子と受信用フィルタBとの間に挿入されている。
このインピーダンス調整回路Cは、直列誘導素子L1と、直列誘導素子L1の両端と接地との間に設けられた2つの容量素子C1,C2とから構成される。
図6は、受信用フィルタBの入力点からインピーダンス調整回路Cを見たインピーダンスを記したスミスチャートである。
同図において、黒丸が受信用フィルタBの通過域のインピーダンスを示し、黒三角が受信用フィルタBの阻止域のインピーダンスを示している。インピーダンス調整回路Cにより変化する通過域のインピーダンスの軌跡を破線矢印で、阻止域のインピーダンスの軌跡を実線矢印で示す。
インピーダンス調整回路Cがなく、分波回路2と受信用フィルタBとが短絡されている場合では、阻止域のインピーダンスがリアクタンス0の状態から容量性側に約40°の位置にあるが、インピーダンス調整回路Cを接続すると右回りに開放状態付近まで位相回転できる。
また通過域では、図6中の2つの容量素子C1,C2、誘導素子L1の各値を調整することにより、通過域のインピーダンスが、中心の50Ωの点から破線矢印に示す軌跡を描き、再度50Ωに位置するように回転させる。
これにより、インピーダンス整合状態を保つことができる。したがって、送信用フィルタAと受信用フィルタBとを整合させ、かつ送信信号が受信側に流れないように、また受信信号が送信側に流れないようにすることができる。
図7は、図5のインピーダンス調整回路Cの、多層基板の内装線路パターンを示す平面透視図であり、多層基板の内装線路パターンを実線で、表層の端子パターンを点線で示している。
図7に示すように、多層基板23の表層には、送信フィルタ入力端子609、送信フィルタ出力端子610、受信フィルタ入力端子612、受信フィルタ出力端子613、GND接続端子611a,611bが形成されている。
多層基板の内部には、インピーダンス調整回路Cの誘導素子L1を構成する伝送線路614a,614b,614cと、誘導素子L1の端につながれるビア導体622b,622cと、容量素子C1,C2の電極615,616とが形成されている。
次に図8を参照して、インピーダンス調整回路Cの多層基板内の素子構造を説明する。
多層基板23は、誘電体層601〜606を順次積層してなるものである。表層の誘電体層601には送信用フィルタAを接続するための送信フィルタ入力端子609と送信フィルタ出力端子610と、受信用フィルタBを接続するための受信フィルタ入力端子612と受信フィルタ出力端子613と、GND接続端子611a,611bとが導体パターンで形成されている。
GND接続端子611a,611bはビア導体622f〜622iを介して裏面導体40に接続される。
誘電体層606の裏面には、GNDに接続される裏面導体40と、受信信号外部出力端子619と、アンテナ端子621とが形成されている。
インピーダンス調整回路Cを構成する誘導素子L1は、複数の誘電体層602,603,604に設けられた伝送線路614a,614b,614cと、これらの伝送線路間を接続するためのビア導体622b,622cからなる。伝送線路614a,614b,614cは、ビア導体622b,622cで接続されることによって周回する形状となる。
インピーダンス調整回路Cを構成する容量素子C1は、誘電体層605に形成されたキャパシタ電極615と裏面導体40との間に形成され、容量素子C2は誘電体層605に形成されたキャパシタ電極616と裏面導体40との間に形成される。
容量素子C1と誘導素子L1との接続は誘電体層間を貫くビア導体622aでなされ、誘導素子L1と容量素子C2との接続は誘電体層間を貫くビア導体622dでなされる。
以上のインピーダンス調整回路Cにおける信号の流れはつぎのとおりとなる。
電力増幅回路から出力された送信信号は、送信フィルタ入力端子609、送信用フィルタA、送信フィルタ出力端子610、ビア導体622a、分波回路接続線路617の順番に伝送された後に分波回路2に入力される。分波回路2を経由した送信信号は、分波回路接続線路618、ビア導体622j、アンテナ端子621の順番に伝送されて外部出力される。
次に、受信信号の伝送順路について説明する。まずアンテナ端子621に複数の送受信系が含まれた信号が受信された場合、ビア導体622j、分波回路接続線路618の順番で分波回路2に入力される。
分波回路2で所望の送受信系の周波数信号のみ通過された受信信号は、分波回路接続線路617を経てインピーダンス調整回路Cに接続される。インピーダンス調整回路Cにおいて、受信信号は、誘導素子L1を構成する伝送線路614a、ビア導体622b、伝送線路614b、ビア導体622c、伝送線路614c、ビア導体622dを介して受信フィルタ入力端子612に接続される。なお、分波回路接続線路617は、ビア導体622aを通してキャパシタ電極615とつながれており、キャパシタ電極615と裏面導体40との間に容量C1が形成される。さらに、ビア導体622dはキャパシタ電極616とつながれており、キャパシタ電極616と裏面導体40との間に容量C2が形成される。そして、受信フィルタ入力端子612、受信用フィルタB、受信フィルタ出力端子613、ビア導体622eを経て受信信号外部出力端子619に伝送される。
一方、インピーダンス調整回路Cにストリップ線路を用いた比較例を図13に示す。図13では、一誘電体層上に、折り曲げたストリップ線路を形成している。
図7と図13とを比べて明らかなように、図7のインピーダンス調整回路Cの配置の方が占有容積を約1/4に小型化できることが分かる。また、図13と異なり、本発明ではインピーダンス調整回路Cの周辺に他回路のパターンを配しても、形成するリアクタンス値や容量値に与える影響がとても小さいので、分波回路や方向性結合器などの他回路のパターンを送信用フィルタAと受信用フィルタBの下部の多層基板内領域に配置することができる。これにより、高周波モジュールの小型化が可能になる。
次に、本発明のインピーダンス調整回路Cの他の実施形態を図9に示す。
このインピーダンス調整回路Cは、分波回路2の出力端子と受信用フィルタBとの間に挿入されている。インピーダンス調整回路Cは、直列容量素子C3,C4と、直列容量素子C3,C4の接続点と接地との間に設けられたインダクタ素子L2とから構成される。
図10は、受信用フィルタBの入力点からインピーダンス調整回路Cをみたインピーダンスを記したスミスチャートである。
同図において、黒丸が受信用フィルタBの通過域のインピーダンスを示し、黒三角が受信用フィルタBの阻止域のインピーダンスを示している。インピーダンス調整回路Cにより変化する通過域のインピーダンスの軌跡を破線矢印で、阻止域のインピーダンスの軌跡を実線矢印で示す。
インピーダンス調整回路Cがなく、分波回路2と受信用フィルタBとが短絡されている場合では、阻止域のインピーダンスがリアクタンス0の状態から容量性側に約40°の位置にあるが、インピーダンス調整回路Cを接続すると左回りに開放状態付近まで位相回転できる。
また通過域では、図9の2つの容量素子C3,C4、誘導素子L2の各値を調整することにより、通過域のインピーダンスが、中心の50Ωの点から破線矢印に示す軌跡を描き、再度50Ωに位置するように回転させる。
これにより、インピーダンス整合状態を保つことができる。したがって、送信用フィルタAと受信用フィルタBとを整合させ、かつ送信信号が受信側に流れないように、また受信信号が送信側に流れないようにすることができる。
図11は、図9のインピーダンス調整回路Cの多層基板内の内装線路パターンを示す平面透視図であり、多層基板の内装線路パターンを実線で、表層の端子パターンを点線で示している。
図11に示すように、多層基板23の表層には、送信フィルタ入力端子909、送信フィルタ出力端子910、受信フィルタ入力端子912、受信フィルタ出力端子913、GND接続端子911a,911bが形成されている。
多層基板23の内装には、インピーダンス調整回路Cの誘導素子L2を構成する伝送線路917a,917bとビア導体923c,923d,923e、キャパシタ電極914a,914b,915a,915b、接続線路916、ビア導体923a、923bが形成されている。
次に図12を参照して、インピーダンス調整回路Cの多層基板内の素子構造を説明する。
多層基板23は誘電体層901〜906を順次積層してなるものである。
表層の誘電体層901には送信用フィルタAを接続するための送信フィルタ入力端子909と送信フィルタ出力端子910と、受信用フィルタBを接続するための受信フィルタ入力端子912と受信フィルタ出力端子913と、GND接続端子911a,911bが導体パターンで形成されている。
GND接続端子911a,911bはビア導体923g〜923jを介して裏面導体40に接続される。誘電体層906の裏面には、GNDに接続される裏面導体40と受信信号外部出力端子920とアンテナ端子922が形成される。
裏面には、GNDに接続される裏面導体40と受信信号外部出力端子920とアンテナ端子922とが形成されている。
インピーダンス調整回路Cを構成する誘導素子L2は、複数の誘電体層904,905に設けられた伝送線路917a,917bと、これらの伝送線路間を接続するためのビア導体923dとからなる。伝送線路917a,917bは、ビア導体923dで接続されることによって周回する形状となる。
インピーダンス調整回路Cを構成する容量素子C3は、誘電体層902に形成されたキャパシタ電極914aと誘電体層903に形成されたキャパシタ電極914b間で形成される。容量素子C4は誘電体層902に形成されたキャパシタ電極915aと誘電体層903に形成されたキャパシタ電極915b間で形成される。容量素子C3とC4は、誘電体層903に形成された接続線路916により接続される。
容量素子C3,C4と誘導素子L2との接続は、接続線路916とインダクタンスを構成する伝送線路917a間を、誘電体層903を貫くビア導体923cで接続することによりなされる。誘導素子L2のGND接続は、誘導素子L2を構成する線路917bと裏面導体40間にビア導体923eを接続することでなされる。
以上のインピーダンス調整回路Cにおける信号の流れはつぎのとおりとなる。
電力増幅回路から出力された送信信号は、送信フィルタ入力端子909、送信用フィルタA、送信フィルタ出力端子910、ビア導体923a、キャパシタ電極914a、分波回路接続線路918の順番に伝送された後に分波回路2に入力される。分波回路2を経由した送信信号は分波回路接続線路919、ビア導体923k、アンテナ端子922の順番に伝送されて外部出力される。
次に、受信信号の伝送順路について説明する。まずアンテナ端子922に複数の送受信系が含まれた信号が受信された場合、ビア導体923k、分波回路接続線路919を通り分波回路2に入力される。
分波回路2で所望の送受信系の周波数信号のみ通過された受信信号は、分波回路接続線路918を経てインピーダンス調整回路Cに入力される。インピーダンス調整回路Cにおいて、受信信号は、キャパシタ電極914aからキャパシタンスC3を介してキャパシタ電極914bに結合し、接続線路916を通り、キャパシタ電極915bからキャパシタンスC4を介してキャパシタ電極915aに結合する。そして、ビア導体923bを介して受信フィルタ入力端子912に接続される。なお、接続線路916は、ビア導体923c、インダクタ素子L2を構成する伝送線路917a,917bを通して接地される。
そして受信信号は、受信フィルタ入力端子912、受信用フィルタB、受信フィルタ出力端子913、ビア導体923fを経て受信信号外部出力端子920に伝送される。
図11と図13を比較して明らかなように、図11のインピーダンス調整回路Cの配置の方が占有容積が約1/4に小型化できることが分かる。また、インピーダンス調整回路Cにストリップラインを用いた従来例と異なり、本発明ではインピーダンス調整回路Cの周辺に他回路のパターンを配しても、形成するリアクタンス値や容量値に与える影響がとても小さいので分波回路や方向性結合器などの他回路のパターンを送信用フィルタAと受信用フィルタBの下部の多層基板内領域に配することができる。これにより、高周波モジュールの小型化が可能になる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、前記高周波モジュールにおいて、フィルタの構造はFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator: 圧電薄膜共振器)フィルタであってもよい。また、本発明ではCDMA方式の高周波モジュールの実施形態を示したが他の通信方式であっても適用することが出来る。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
CDMAデュアルバンド方式の高周波信号処理回路のブロック構成図である。 多層基板23に実装した高周波モジュール22の全体を示す平面図である。 同断面図である。 同斜視図である。 インピーダンス調整回路Cの一実施形態を示す回路図である。 受信用フィルタBの入力点からインピーダンス調整回路Cを見た場合のインピーダンスを記したスミスチャートである。 インピーダンス調整回路Cを多層基板に実装した場合の、内部線路パターンを示す平面透視図である。 インピーダンス調整回路Cを実装した多層基板の分解斜視図である。 インピーダンス調整回路Cの他の実施形態を示す回路図である。 受信用フィルタBの入力点からインピーダンス調整回路Cを見た場合のインピーダンスを記したスミスチャートである。 インピーダンス調整回路Cを多層基板に実装した場合の、内部線路パターンを示す平面透視図である。 インピーダンス調整回路Cを実装した多層基板の分解斜視図である。 インピーダンス調整回路Cにストリップ線路を用いた比較例を示す、誘電体層の平面図である。
符号の説明
1:アンテナ
2:分波回路
3a,4a,A:送信用フィルタ
3b,4b,B:受信用フィルタ
3c,4c,C:インピーダンス調整回路
5、6:方向性結合器(カプラ)
7、8:電力増幅回路
9、10:BPF
11:検波回路
12:GPSフィルタ
13、14:LNA
15、16:受信用SAWフィルタ
17:送信用RFIC
18:受信用RFIC
19:べースバンドIC
22:高周波モジュール
23:多層基板
24、25:電力増幅用半導体素子
26、27:出力整合回路
28:外部端子
601〜606、901〜906:誘電体層

Claims (7)

  1. アンテナ端子に直接又は分波回路を通して接続され、送信系と受信系とを切り替える送信用フィルタ及び受信用フィルタと、受信用フィルタの入力側に挿入されるインピーダンス調整回路と、送信用フィルタに接続され、所定の送信通過帯域の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路とを、複数の誘電体層を積層した多層基板に実装してなる高周波モジュールであって、
    前記インピーダンス調整回路は、2つの接地間容量素子と、前記2つの接地間容量素子の間に接続される誘導素子で構成され、かつ前記接地間容量素子と前記誘導素子とを前記多層基板内に内装したことを特徴とする高周波モジュール。
  2. アンテナ端子に直接又は分波回路を通して接続され、送信系と受信系とを切り替える送信用フィルタ及び受信用フィルタと、受信用フィルタの入力側に挿入されるインピーダンス調整回路と、送信用フィルタに接続され、所定の送信通過帯域の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路とを、複数の誘電体層を積層した多層基板に実装してなる高周波モジュールであって、
    前記インピーダンス調整回路は、2つ直列接続された容量素子と、一方の端子が前記2つの容量素子の間に接続され、かつ他方の端子が接地された誘導素子とで構成され、前記容量素子と前記誘導素子とを前記多層基板内に内装したことを特徴とする高周波モジュール。
  3. 前記誘導素子が、多層基板内の1又は複数の誘電体層に形成された伝送線路によって構成される請求項1又は請求項2記載の高周波モジュール。
  4. 前記容量素子が、多層基板内の誘電体層を挟んで形成された一対のキャパシタ電極によって構成される請求項1又は請求項2記載の高周波モジュール。
  5. 前記容量素子と前記誘導素子とを、前記送信用フィルタと前記受信用フィルタとを設置した多層基板の下部の領域に内装している請求項1から請求項4のいずれかに記載の高周波モジュール。
  6. 前記多層基板が、セラミック誘電体層を積層した多層セラミック基板である請求項1から請求項5のいずれかに記載の高周波モジュール。
  7. 前記請求項1から請求項6のいずれかに記載の高周波モジュールを搭載する通信機器。
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