JP2005264123A - 回折格子顔料及びその製造方法、塗料、並びに樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料や樹脂成形物などに配合されて、塗膜中や樹脂成形物中に回折格子構造を効果的に実現し、塗膜や成形物の外観に、虹色発色を付与することを可能とする回折格子顔料、及びその連続的な大量製造を可能とする製造方法を提供する。
【解決手段】屈折率の異なる2種以上のポリマーが積層された第1のポリマー積層構造が、第2のポリマー中に含まれることを特徴とする回折格子顔料、及びその製造方法、塗料、並びに樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】屈折率の異なる2種以上のポリマーが積層された第1のポリマー積層構造が、第2のポリマー中に含まれることを特徴とする回折格子顔料、及びその製造方法、塗料、並びに樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗料や樹脂組成物などに配合して、それらに虹色の光輝性を付与する回折格子顔料及びその製造方法に関する。また、その回折格子顔料を含有する塗料、及び樹脂組成物に関する。
ある一定の間隔(数μm)を有する回折格子に光が入射するとその反射光は分光され、虹色を発色する。最近、この光の回折原理を顔料に応用したものがいくつか提案され、これまでにはない全く新しい意匠効果が生まれている。
塗膜や成型物に虹色を付与する回折格子顔料についてはいくつか知られており、下記特許文献1には、顔料の片面に回折格子状の溝を構築したものを混入した塗料が開示され、この顔料はホログラムシートを粉砕して製造される。また下記特許文献2には、溶融複合紡糸技術により高屈折率ポリマーと低屈折率ポリマーを交互に積層した多層干渉性顔料の製造方法が開示されている。
特開昭63―172779
特開2000―246829
しかしながら、従来の特許文献1等に記載されている回折格子顔料の最大の問題点は量産性であり、シートから剥離させる工程や真空蒸着工程等複雑な工程を必要とする。従って意匠効果には優れるものの、顔料の価格が非常に高価なものとなってしまい、汎用的に使用することができないのが実状であった。
本発明の回折格子顔料及びその製造方法、塗料、並びに樹脂組成物は上記課題に鑑みて完成されたものである。その目的とするところは、塗料や樹脂成形物などに配合されて、塗膜中や樹脂成形物中に回折格子構造を効果的に実現し、塗膜や成形物の外観に虹色発色を付与することを可能とする回折格子顔料、及びその連続的な大量製造を可能とする製造方法を提供することにある。これにより、従来技術に比べはるかに安価且つ大量に回折格子顔料を製造することを可能とし、回折格子顔料の汎用性を高めることにある。更には、この回折格子顔料を用いた塗料や樹脂組成物等を提供することにある。
本発明者は、特定のポリマー積層構造と特定のポリマーを用いることによって、数μmの格子間隔を有する回折格子顔料を製造することに成功し、本発明に至った。
即ち、第1に、本発明は回折格子顔料の発明であり、屈折率の異なる2種以上のポリマーが積層された第1のポリマー積層構造が、第2のポリマー中に含まれることを特徴とする。
ここで、前記第1のポリマー積層構造において、隣接するポリマー層との屈折率差が0.05以上となるようにポリマーが積層されることが好ましく、0.1〜0.3で積層されることが更に好ましい。屈折率差が0.05未満であると、十分な虹色が発現されない。
また、前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種以上のポリマーが10層以上積層されることが好ましく、25〜99であることが更に好ましい。2種以上のポリマーが10層未満であると、十分な虹色が発現されない。
また、前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種のポリマーが交互に積層されることが好ましい。本構成は、前記第1のポリマー積層構造を屈折の異なる2種のポリマーを交互に積層させて形成することにより、多種類のポリマーを用いることなく簡易的に且つ安価に積層構造を形成させることができる。
また、前記第1のポリマー積層構造において、前記第2のポリマーと隣接する最も外側のポリマー層と、前記第2のポリマー層との屈折率差が0.05以上であることが好ましく、0.1〜0.3であることが更に好ましい。屈折率差が0.05未満であると、十分な虹色が発現されない。
第2に、本発明は回折格子顔料の製造方法の発明であり、屈折率の異なる2種以上のポリマーを、該ポリマーの融点以上で加熱・溶融させて溶融物とし第1のポリマー積層構造を得る工程と、前記第1の溶融物の周囲から第2のポリマーを融点以上で加熱・溶融させた第2の溶融物を複合溶融紡糸する工程と、得られた複合溶融紡糸物を延伸・裁断する工程とを含むことを特徴とする回折格子顔料の製造方法である。
第1の発明と同様に、前記第1のポリマー積層構造において、隣接するポリマー層との屈折率差が0.05以上となるようにポリマーが積層されることが好ましく、0.1〜0.3で積層されることが更に好ましい。屈折率差が0.05未満であると、十分な虹色が発現されない。
また、前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種以上のポリマーが10層以上積層されることが好ましく、25〜99であることが更に好ましい。2種以上のポリマーが10層未満であると、十分な虹色が発現されない。
また、前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種のポリマーが交互に積層されることが好ましい。本構成は、前記第1のポリマー積層構造を屈折率の異なる2種のポリマーを交互に積層させて形成することにより、多種類のポリマーを用いることなく簡易的に且つ安価に積層構造を形成させることができる。
また、前記第1のポリマー積層構造において、前記第2のポリマーと隣接する最も外側のポリマー層と、前記第2のポリマー層との屈折率差が0.05以上であることが好ましく、0.1〜0.3であることが更に好ましい。屈折率差が0.05未満であると、十分な虹色が発現されない。
第3に、本発明は塗料の発明であり、上記の回折格子顔料を含有する塗料である。本発明の塗料は、各種用途に用いることが可能であるが、特にその優れた光輝性から自動車用塗料として適している。
ここで、前記第2のポリマーと塗料樹脂との屈折率差が0.1以上であることが、虹色を発現する上で好ましい。
第4に、本発明は樹脂組成物の発明であり、上記の回折格子顔料を含有する樹脂組成物である。本発明の樹脂組成物は、各種成型方法を用いて各種成型物に用いることができる。
ここで、前記第2のポリマーと樹脂組成物の主成分である樹脂との屈折率差が0.1以下であることが、虹色を発現する上で好ましい。
本発明によれば、屈折率の異なる2種以上のポリマーが積層して成るポリマー積層構造が回折格子を構成する新規な構造の回折格子顔料が、連続的に大量製造が可能であり、塗膜中や成形物中に回折格子構造を効果的に発現し、塗膜や成形物概観に虹色発色を付与することが可能とする。本発明により、従来のものに比べはるかに安価かつ大量に回折格子顔料を製造することが可能となり、このタイプの顔料の汎用性を大きく高めることができる。
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。尚、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
本発明で回折格子を形成する材料として用いられる第1のポリマー積層構造を構成するポリマー、及び第2のポリマーとしては、複合溶融紡糸が可能であれば特に制限されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS、AS、AES、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルホンまたはポリブタジエン、或いはこれらポリマーの共重合体、混合物または変性物等が挙げられる。第1のポリマー積層構造を構成するポリマーとしては、例えば上記列挙したものの中から、隣接するポリマー層との屈折率差が0.05以上となるように適宜任意のポリマーを2種以上選択すればよいが、多種類のポリマーを用いることなく簡易的に且つ安価に積層構造を形成させるためには、前記条件を満たす任意のポリマーを2種選択し、これら2種のポリマーを交互に積層させて積層構造を構成することが好ましい。更に隣接するポリマー層との屈折率差が0.1〜0.3となるように適宜ポリマーを選択することが好ましい。第2のポリマーとしては、例えば上記列挙したものの中から、第1のポリマー積層構造の両端のポリマー層との屈折率差が0.05以上となるように適宜任意のポリマーを選択すればよいが、多種類のポリマーを用いることなく簡易的に且つ安価に回折格子顔料を得るためには、前記条件を満たし、且つ第1のポリマー積層構造を構成するポリマーとして用いられる任意のポリマーを併用してもよい。
また、本発明の回折格子顔料は、複合溶融紡糸法を用いて製造されることを考慮すると、第1のポリマー積層構造と第2のポリマーとの溶解性パラメーター(SP値)の比、及び第1のポリマー積層構造において、隣接するポリマー間の溶解性パラメーター(SP値)の比が、それぞれ1.3以下であることが好ましく、0.9〜1.1であることが更に好ましい。
本発明の回折格子顔料の形状は、使用用途によって多少異なるが、一般的には複合溶融紡糸法によって製造された糸状物を、延伸、裁断して製造されるため、平均粒径10〜100μm、好ましくは10〜30μm、特に好ましくは20μm程度で、平均厚さ0.5〜10μm、好ましくは2μm程度である。
本発明の回折格子顔料は、従来から顔料を利用してきた各種用途において、特に表面処理などを施すことなくそのまま使用することができる。しかし、強酸性/強アルカリ性の溶液を利用する用途においては、耐薬品性をさらに向上させるため、透明な光輝性を製品に付与するというこの発明の目的を阻害しない範囲で、シリカやアルミニウムなどからなる保護膜を設けてもよい。同様に、耐水性や樹脂との混練性を高めるためにカップリング剤で表面処理してもよく、耐光性を向上させるために紫外線吸収被膜を成形してもよい。
本発明の回折格子顔料は、ビヒクルや樹脂中に適量配合され、また他の着色顔料と併用されて、塗料、樹脂組成物等の各種用途に利用される。
例えば、塗料組成物に含まれるビヒクルは、本発明の回折格子顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。上記ビヒクルを構成する上記塗膜形成用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。特にアクリル樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
上記アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合体に使用可能なアクリル系モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等がある。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等がある。
上記ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、ニ価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、ニ価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が50〜90重量%、架橋剤が10〜50重量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が60〜85重量%、架橋剤が15〜40重量%である。架橋剤が10重量%未満では、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50重量%を超えると、光輝性塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
本発明の回折格子顔料を含む塗料組成物は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤及び/又は水を使用することができる。有機溶剤としては、塗料用として常用されているものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等が挙げられる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
本発明の回折格子顔料を含む塗膜層の膜厚は、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。10μm未満では回折格子顔料による光輝感が十分に発現できず、100μmを越えると塗膜外観が不十分となる恐れがある。
本発明の回折格子顔料を含む塗膜形成方法における好ましい態様は、回折格子顔料含有クリヤー塗膜層が、回折格子顔料含有クリヤー塗膜と回折格子顔料を含んでいないクリヤー塗膜とからなる2層構造からなるものであり、この2層の塗膜が、ウェットオンウェットの2コート1ベークで形成されることが好ましい。この2層構造からなる場合には、光輝感及び塗膜外観を一層向上させることができるため、平滑性が高く、深み感のある光輝性塗膜を得ることができる。この場合の回折格子顔料含有光輝性クリヤー塗膜の膜厚は、上記回折格子顔料を含む塗膜層を一層で形成する場合と同じであり、クリヤー塗膜は、20〜100μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が不十分となる恐れがある。
塗料中における回折格子顔料の含有率は、乾燥硬化後の塗膜において0.1〜30重量%となるように調整することが好ましく、1〜20重量%であることが更に好ましい。回折格子顔料の含有率が0.1重量%よりも少ない場合は、塗膜に十分な虹色の発現がなく、一方30重量%よりも多いと、含有率の割には光輝性の向上が小さくなり、逆に素地の色調を損なってしまう恐れが生じる。この回折格子顔料は、素地の色調を損なうことがないので、各色の塗料に利用することができる。
本発明の回折格子顔料を樹脂組成物中に配合する場合は、母材樹脂に上記の各種熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を利用することができる。特に、熱可塑性樹脂に使用すれば、射出成形が可能となるため、複雑な形状の成形品も得ることが可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリカーボネートと、屈折率1.48のポリメチルメタクリレートとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.48のポリメチルメタクリレートを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は25とした。
(実施例1)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリカーボネートと、屈折率1.48のポリメチルメタクリレートとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.48のポリメチルメタクリレートを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は25とした。
この顔料をアクリルメラミン塗料にPWC(顔料重量比)10%で混合してベース塗料とした。中塗りを塗装した鋼板に、上述のベース塗料を約15μm塗装し、焼付けせずにアクリルメラミン系のクリヤー塗料を30μm塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
製造された顔料は、分光された虹色を発色し、優れた意匠効果を有することを確認した。
(実施例2)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートと、屈折率1.53のポリアミドとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.53のポリアミドを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は50とした。
(実施例2)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートと、屈折率1.53のポリアミドとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.53のポリアミドを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は50とした。
実施例1と同様の方法で塗膜を作製したところ、製造された顔料は、分光された虹色を発色し、優れた意匠効果を有することを確認した。
(比較例1)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートと、屈折率1.53のポリアミドとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.53のポリアミドを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は7とした。
(比較例1)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートと、屈折率1.53のポリアミドとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.53のポリアミドを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は7とした。
実施例1と同様の方法で塗膜を作製したところ、製造された顔料は、分光された虹色を発色しなかった。
(比較例2)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリカーボネートと、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は25とした。
(比較例2)
第1のポリマー積層構造として、屈折率1.58のポリカーボネートと、屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートとの積層物を使用し、第2のポリマーとして屈折率1.58のポリエチレンテレフタレートを使用し、複合溶融紡糸した糸状物を、延伸裁断して回折格子顔料を作製した。顔料のサイズは、厚み2μm,粒径20μmであり、回折格子の間隔は2μm、第1のポリマー積層構造の積層数は25とした。
実施例1と同様の方法で塗膜を作製したところ、製造された顔料は、分光された虹色を発色しなかった。
Claims (15)
- 屈折率の異なる2種以上のポリマーが積層された第1のポリマー積層構造が、第2のポリマー中に含まれることを特徴とする回折格子顔料。
- 前記第1のポリマー積層構造において、隣接するポリマー層との屈折率差が0.05以上となるようにポリマーが積層されることを特徴とする請求項1記載の回折格子顔料。
- 前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種以上のポリマーが10層以上積層されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回折格子顔料。
- 前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種のポリマーが交互に積層されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回折格子顔料。
- 前記第1のポリマー積層構造において、前記第2のポリマーと隣接する両端のポリマー層と、前記第2のポリマー層との屈折率差が0.05以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回折格子顔料。
- 屈折率の異なる2種以上のポリマーを、該ポリマーの融点以上で加熱・溶融させて溶融物とし第1のポリマー積層構造を得る工程と、前記第1の溶融物の周囲から第2のポリマーを融点以上で加熱・溶融させた第2の溶融物を複合溶融紡糸する工程と、得られた複合溶融紡糸物を延伸・裁断する工程とを含むことを特徴とする回折格子顔料の製造方法。
- 前記第1のポリマー積層構造において、隣接するポリマー層との屈折率差が0.05以上となるようにポリマーが積層されることを特徴とする請求項6記載の回折格子顔料の製造方法。
- 前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種以上のポリマーが10層以上積層されることを特徴とする請求項6又は7に記載の回折格子顔料の製造方法。
- 前記第1のポリマー積層構造は、屈折率の異なる2種のポリマーが交互に積層されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の回折格子顔料の製造方法。
- 前記第1のポリマー積層構造において、前記第2のポリマーと隣接する一番外側に位置するポリマー層と、前記第2のポリマー層との屈折率差が0.05以上であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の回折格子顔料の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の回折格子顔料を含有する塗料。
- 前記第2のポリマーと塗料樹脂との屈折率差が0.1以下であることを特徴とする、請求項11に記載の塗料。
- 請求項1から5のいずれかに記載の回折格子顔料を含有する自動車用塗料。
- 請求項1から5のいずれかに記載の回折格子顔料を含有する樹脂組成物。
- 前記第2のポリマーと樹脂組成物の主成分である樹脂との屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項14に記載の樹脂組成物。
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