JP2005262662A - インクジェット用液体吸収体、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用液体吸収体、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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英輔 平岡
Toshiki Yui
俊毅 由井
Takeshi Hashimoto
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Abstract

【課題】混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても、迅速に吸収して表面における堆積物の発生を抑制したインクジェット用液体吸収体、及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】1種類以上の印字用液体を吐出する記録ヘッド3と、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を吸収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有するメンテナンスユニット14(廃液処理手段)と、を備えたインクジェット記録装置において、前記廃液貯蔵部として、表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間が0.02秒以上0.20秒以下である液体吸収体15を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非印字時に記録ヘッドから排出されたインクや処理液等のインクジェット用液体(印字用液体)を吸収して、貯蔵するためのインクジェット用液体吸収体、及びそれを備えたインクジェット記録装置に関する。
ノズル、スリット、多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布巾、フィルム等に記録するインクジェット記録方法は、小型、安価、静粛という特徴をもち、多くのプリンターに用いられている。中でも、圧電素子の変形を利用しノズルから液体インクを吐出させるピエゾインクジェット方式、熱沸騰現象を利用した熱インクジェット方式は、高解像度、高速印字性の観点から多く利用されている。
近年、特に普通紙上での高速・高画質の両立の要求が高くなっており、画像濃度向上、単色にじみ、色間にじみを改善する様々な方法が提案されている。インクセットのうち、カラーインクに浸透を速くする界面活性剤や溶媒と塩を含有させ、ブラックインクに塩の影響で増粘又は凝集をおこす成分を含有させる方法(特開平6−106735号公報参照)が提案されている。また、カラーインクのpHが5以下であり、イオン強度の弱いブラックインクとイオン強度の強いカラーインクの接触によりブラックインクの凝集を起こして、耐水性、色間にじみを改善させる方法(特開平10−272768号公報参照)が提案されており、カラーインクのイオン強度を強める薬剤として一価及び多価の塩化物、フッ化物、臭化物、硝酸塩及びアルカリ金属とアルカリ土類のトシラートが挙げられている。
一方で、インクの吐出不良を防止するメンテナンスとして、例えば、画像形成直前に各ノズルからインクや処理液を吐出させるいわゆるダミージェットを行い、画像形成時の吐出不良をなくすことが行われている。
例えば、廃液貯蔵部に直接、インクや処理液を吐出させ、当該廃液貯蔵部に廃液として回収・貯蔵することが行われている。また、記録ヘッドにキャップをした状態でポンプによりインクや処理液を吸引して、チューブを通じて廃液を貯蔵する廃液貯蔵部として排インクタンクへと回収・貯蔵することも行われている。
これら廃液貯蔵部には、ウレタンフォームのような多孔質体やポリエステルフェルトのような繊維状の吸収体を使用し、インクや処理液を吸収して回収・貯蔵している。
上述のような混合すると凝集が発生したり増粘するインク同士あるいはインク及び処理液を、混合して廃液貯蔵部としての吸収体に吸収させて回収・貯蔵させようとすると、上記吸収体上部や局部で凝集が起こってしまいインクや処理液の吸収を阻害し、吸収体及び排インクタンク中に予想していた容量よりも少量しか廃液を貯蔵できなくなる。
このような、メンテナンスの際に凝集或いは増粘が生じないようにするために、例えば、特開2000−007966には、記録上必要とされる予備吐出、吸収回復、加圧回復等の回復手段によって発生する廃インクを、1つの回復ユニットにより、インクジェット装置内を汚さずに確実に回収でき、結果的に良好な記録を、長期にわたって安定化させ得るインクセットとして、黒インクが自己分散型カーボンブラック及び水性媒体を含むインクであり、カラーインクが色材、尿素又は尿素誘導体及び水性媒体を含むインクを使用することが開示されている。また、特開2000−198956には、同様のインクセットとして、黒インクがアニオン性の自己分散型カーボンブラックインクであり、カラーインクのpHが黒インクのpHよりも高いインクを使用することが開示されている。
特開平6−106735号公報 特開平10−272768号公報 特開2000−007966 特開2000−198956
しかしながら、上記提案では十分でないのが現状であり、特開平2000−007966では、尿素やその誘導体が固体のため自身が析出して廃液貯蔵部としての吸収体へのインク浸透阻害の原因になってしまったり、特開2000−198956では、pHの高いカラーインクによってはで凝集したカーボンブラックインクの再分散化は不十分であるため、インクや処理液吸収の阻害が抑制できないのが現状である。
また、廃液貯蔵部に直接、インクや処理液を吐出させ、当該廃液貯蔵部に廃液として回収・貯蔵する場合には、当該廃液貯蔵部として構成される液体吸収体がインクを吸収し難いと、着弾させたインクが液体吸収体の表面に滞留し、そのまま固化してしまい、徐々に液体吸収体表面に堆積していく。この堆積物が記録ヘッドのノズル面に接触する高さまで堆積されると、記録ヘッドに汚れが付着し、インクの吐出不良や紙汚れが生じてしまう。特に、混合すると凝集が発生したり増粘するインク同士あるいはインク及び処理液を使用すると、混合したときに生じる凝集や増粘よって液体吸収体に良好に吸収されず、堆積物が堆積し易くなる。
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても、迅速に吸収して表面における堆積物の発生を抑制したインクジェット用液体吸収体、及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明のインクジェト用液体吸収体は、非印字時に排出される印字用液体を吸収して、これを貯蔵するためものであり、
界面活性剤を含有し、且つ表面張力72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間が0.02秒以上0.20秒以下であることを特徴としている。
本発明のインクジェット用液体吸収体においては、前記液体吸収体は、単位体積当たり、界面活性剤が0.025〜0.4g/cm3、及び水溶性有機溶媒0〜0.4g/cm3を含む処理液を含有してなることが好適である。
本発明のインクジェット記録装置は、1種類以上の印字用液体を吐出する記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を吸収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を備え、
前記廃液貯蔵部が、上記本発明のインクジェット用液体吸収体で構成されることを特徴としている。
本発明のインクジェット記録装置においては、前記印字用液体として、前記印字用液体として、2価以上の金属イオンを含む1種以上の第1の印字用液体と、該第1の印字用液体と混合した際に前記金属イオンと反応し凝集・増粘するアニオン化合物を含む1種以上の第2の印字用液体とを用いることが好適である。
本発明によれば、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても、迅速に吸収して表面における堆積物の発生を抑制したインクジェット用液体吸収体、及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同じ機能を有する部材には全図面通して同じ符号を付与して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の外観構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の内部基本構成を示す斜視図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1をインクジェット記録装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインクや処理液(以下、まとめてインクということがある:印字用液体)を吐出して画像を形成する画像形成部8(画像形成手段)とから構成されている。
搬送ローラ2はインクジェット記録装置100内に回転可能に配設された一対のローラであり、トレイ7にセットされた記録媒体1を挟持するとともに、所定量の記録媒体1を所定のタイミングで1枚毎に装置100内部に搬送する。
画像形成部8は記録媒体1の面上にインク(印字用液体)による画像を形成する。画像形成部8は、主として記録ヘッド3と、インクタンク5と、給電信号ケーブル9と、キャリッジ10と、ガイドロッド11と、タイミングベルト12と、駆動プーリ13と、メンテナンスユニット14とから構成されている。
インクタンク5はそれぞれ異なる色のインクが吐出可能に格納されたインクタンク52,54,56,58を有している。
記録ヘッド3には給電信号ケーブル9とインクタンク5が接続されており、給電信号ケーブル9から外部の画像記録情報が記録ヘッド3に入力されると、記録ヘッド3はこの画像記録情報に基づき各インクタンクから所定量のインクを吸引して記録媒体の面上に吐出する。なお、給電信号ケーブル9は画像記録情報の他に記録ヘッド3を駆動するために必要な電力を記録ヘッド3に供給する役割も担っている。
記録ヘッド3はキャリッジ10上に配置されて保持されており、キャリッジ10はガイドロッド11、駆動プーリ13に接続されたタイミングベルト12が接続されている。このような構成により、記録ヘッド3はガイドロッド11に沿うようにして、記録媒体1の面と平行でありかつ記録媒体1の搬送方向X(副走査方向)に対して垂直な方向Y(主走査方向)にも移動可能となる。
インクジェット記録装置100には、画像記録情報に基づいて記録ヘッド3の駆動タイミングとキャリッジ10の駆動タイミングとを調製する制御手段(図示せず)が備えられている。これにより、搬送方向Xにそって、所定の速度で搬送される記録媒体1の面の所定領域に画像記録情報に基づく画像を連続的に形成することができる。
そして、非印字時(例えば、画像記録直前、或いは直後)に、メンテナンスユニット14上に記録ヘッド3を搬送し、ダミージェットを行い、画像形成時の吐出不良をなくすことが行われる。
このメンテナンスユニット14(廃液処理手段)は、液体吸収体15(廃液処理部)と、これを配設される筐体16で構成されている。なお、この構成に限られず、メンテナンスユニット14は、記録ヘッド3のノズルからインクを吸引する吸引装置と、チューブなどの配管で当該吸引装置と連結された廃液タンクで構成し、この廃液タンクに液体吸収体は配設された構成でもよい。
本実施形態では、メンテナンスユニット14における液体吸収体15として、界面活性剤を含有し、且つ表面張力72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間が0.02秒以上0.20秒以下である液体吸収体15を用いる。この時間(以下、吸収時間(浸透時間)と略記する)が、上記範囲の液体吸収体15を適用することで、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体(インク)を混合した状態で廃棄しても、迅速に吸収して表面における堆積物の発生を抑制することができる。その結果、液体吸収体15の本来の吸収力を発揮させることができると共に、成長した堆積物が記録ヘッドを汚染させることもなくなる。
ここで、図3に、本実施形態に係るインクジェット記録装置における液体吸収体へダミージェットを行う様子を時系列的に示し、この本実施形態との比較のために、図4には従来の液体吸収体へのダミージェットを行う様子を時系列的に示す。
まず、従来の液体吸収体を適用した場合について説明する。図4(A)に示すように、記録ヘッド3から液体吸収体15にインク17を着弾直後は、液体吸収体の吸収時間が遅いため(インクの浸透が遅い)、液体吸収体15の表面にインク17が濡れ性が悪い状態で着弾される。次に、図4(B)に示すように、インク17の着弾初期は、インク17が液体吸収体15表面に長い間滞留するため、固化し始める。次に、図4(C)に示すように、インク17の着弾中期は、液体吸収体15の表面に滞留したインク17が完全に固化し、液体吸収体15表面にインク17が滞留・固化が繰り返されて、堆積物18が堆積される。そして、図4(D)に示すように、インク17の着弾末期は、液体吸収体15の表面の堆積物18が成長し、記録ヘッド3のノズル面まで達する高さになると、記録ヘッド3が汚染され、印字に悪影響がでる。
これに対し、本実施形態では、図3(A)に示すように、記録ヘッド3から液体吸収体15にインク17を着弾直後は、液体吸収体の吸収時間が速いため(インクの浸透が速い)、液体吸収体15の表面にインク17が濡れ性が良い状態で着弾される。次に、図3(B)に示すように、インク17の着弾初期は、インク17が液体吸収体15表面に着弾したインクが、液体吸収体15内部へすばやく浸透/拡散される。次に、図3(C)に示すように、インク17の着弾中期でも、液体吸収体15表面には堆積物が存在しないので、着弾したインク17は液体吸収体15内部へ浸透/拡散される。そして、図3(D)に示すように、インク17の着弾末期は、着弾したインク17は全て、液体吸収体15内部へ浸透/拡散されるため、堆積物は発生しない。
このような現象は、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上のインクを着弾させた場合には、個々のインクの固化と共に、凝集物が生成され、堆積物18の発生は顕著になる。
このように、本実施形態では、液体吸収体15の本来の吸収力を発揮させることができると共に、堆積した凝集体が記録ヘッドを汚染させることもなくなる。
以下、液体吸収体15と共に、インク17(印字用液体)の組成について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
[液体吸収体]
液体吸収体は、表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間が0.02秒以上0.20秒以下である液体吸収体を用いるが、好ましくは0.02秒以上0.04秒以下であり、さらに好ましくは0.02秒以上〜0.03秒以下である。吸収時間が0.20秒を超えると、インクが液体吸収体へ着弾したとき、濡れ性が悪く着弾し表面に滞留して、表面で固化(凝視)してしまい堆積物が発生してしまう。
ここで、「吸収体表面から内部へ浸透する時間」とは、液体吸収体に対して鉛直方向から液滴を着弾させ、吸収体表面に対して水平方向から観察し、着弾直後から着弾させた液滴が見えなくなる時間までのことを言う。測定は、FIBRO 1100DAT MKII Dyanamic Absorption Tester (FIBRO system社製)を用い、20℃・55%RHの環境で、表面張力72.5mN/m(20℃)以上の液体4μlを用いて、対象物表面に対して水平方向から撮影した画像の画像観察により行う。が見えなくなる時間なお、液体吸収体へ着弾させる液体の表面張力は、20℃、55%RHの環境において、例えば、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて測定される。
液体吸収体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、などを素材とするスポンジ状吸収体、アクリル繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、ポリエチレン繊維などの細い繊維を集成して形成したフェルト状吸収体、その他適当な空孔構造をもつものなどが挙げられる。
液体吸収体には、界面活性剤を含有することが必要であるが、必要に応じて水溶性有機溶媒を含有させてもよい。特に、上記範囲の吸収時間を満たすためには、液体吸収体単位体積当たり、界面活性剤が0.025〜0.4g/cm3、及び水溶性有機溶媒0〜0.4g/cm3を含有してなることが好ましく、より好ましくは界面活性剤が0.05〜0.2g/cm3及び水溶性有機溶媒0.02〜0.07g/cm3を含有してなることである。
界面活性剤は、液体吸収体へ含有させることで(特に上記範囲で)、インクが液体吸収体へ着弾されたとき、界面活性剤がインクへ溶解してインクの濡れ性を良くして、インクの液体吸収体への浸透力/拡散力を増大させることができる(図3参照)。その結果、液体吸収体の吸収時間を上記範囲に制御することが可能となる。
界面活性剤としては、その分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等のいずれを使用することが可能だが、組み合わされるインクジェット用液体(印字用液体)の構成成分に応じて使い分けることが好ましい。インクジェット用液体(印字用液体)成分との必要以上の相互作用を避けるため、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。中でも、アセチレングリコールエチレンオキサイド不可物が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
水溶性有機溶媒は、任意の成分であり、水溶性有機溶剤を含有させることで、吸収されたインクの色材や、処理液に含まれる処理剤の凝集・析出を防ぐことができ、より効果的に堆積物の発生を抑制されることができるため、必要に応じて、上記範囲内で用いることが最も好適である。水溶性有機溶媒が0.4g/cm3を越えて含有した場合は、液体吸収体の廃液貯蔵能力の低下を招くためあまり好ましくない。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルでは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等など多価アルコール誘導体が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
含硫黄溶媒としてはチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を併せて用いることも出来る。エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類も挙げられる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩が好ましい。尚、これらの詳細については「防菌・防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
これら各成分は、例えば、水に溶解或いは分散させて処理液を液体吸収体へ含浸・乾燥させることで、液体吸収体へ含有させることができる。
なお、液体吸収体の吸収時間を上記範囲とするためには、上述のように、界面活性剤を含有させることが必要であるが、他にも例えば、スポンジ状吸収体やフェルト状吸収体などの圧縮率を下げたり、空孔径を大きくしたりすることによっても、液体吸収体の吸収時間を上記範囲に調整することができる。
[印字用液体(インク)]
印字用液体としては、これを廃棄処理する際に混合される2種類の印字用液体(第1の印字用液体及び第2の印字用液体)が組み合わされて用いられることが好適である。
ここで、第1の印字用液体は、2価以上の金属イオンを少なくとも含むものであり、第2の印字用液体は、第1の印字用液体と混合された際に、これに含まれる2価以上の金属イオンと反応して凝集及び/又は増粘するアニオン化合物を少なくとも含むものである。
第1及び第2の印字用液体は、色材を含むインク、あるいは、インクが記録媒体表面に付与された際に、異なる色のインク同士の色間にじみを防止する色材を含まない処理液のいずれかとして利用される。この場合、第1の印字用液体がインク又は処理液として用いられてもよく、第2の印字用液体がインク又は処理液として用いられてもよい。
なお、印字用液体の少なくとも2種以上がインクからなるか、あるいは、少なくとも1種以上がインク、他の残りの1種以上が処理液からなることが好ましい。本発明において、印字用液体の表面張力が40mN/m以上である場合に、より高い効果が得られるので望ましい。
次に、印字用液体に含まれる各種成分、すなわち、2価以上の金属イオン、アニオン性化合物、色材、その他の成分について以下に説明する。
−2価以上の金属イオン−
第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属としては、公知の2価以上の金属であれば特に限定されず、例えば、Mg、Ca、Ba、Cu、Co、Ni、Zn、Fe、Al、La、Nd、Y、Pr、Sm、Sb、In等が挙げられる。これらの金属イオンは、第1の印字用液体中に塩化合物として供給することができる。このような塩化合物としては、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられ、第1の印字用液体中での析出を抑制するために、その溶解度が10を超えるものであることが好ましい。溶解度が10以下の場合には、記録ヘッドのノズル部の目詰まりが発生したり、インクの長期安定性が劣化する場合がある。
なお、2価以上の金属イオンとしては、上記に列挙した中でも、特にMgが好ましい。Mgは、記録ヘッドのノズル部の目詰まり発生等の2次障害が、他の金属イオンと比べて起こりにくいため、より安定した印字が可能となる。
また、第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属イオンの濃度は、100ppm以上であることが好ましく、500ppm以上であることがより好ましい。第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属の濃度が100ppmよりも小さい場合には、既述したような金属イオンを用いた場合の耐水性や色間にじみ改善効果が十分に得られなかったり、画像濃度が薄くなる場合がある。
−アニオン化合物−
第2の印字用液体に含まれるアニオン化合物としては、第1の印字用液体に含まれる2価以上の金属と反応して凝集及び/又は増粘するものであれば特に限定されないが、具体的には、アニオン性色材や、アニオン性のポリマー添加剤を挙げることができる。なお、これらの具体例については後述する。
−色材−
印字用液体がインクとして用いられる場合には、公知の色材(顔料、染料)が添加される。
染料としては、水溶性染料、分散染料いずれも使用できる。水溶性染料の具体例としてはC. I. Direct Black −2, −4, −9, −11, −17, −19, −22, −32, −80, −151, −154, −168, −171, −194, −195、 C. I. Direct Blue −1, −2, −6, −8, −22, −34, −70, −71, −76, −78, −86, −112, −142, −165, −199, −200, −201, −202, −203, −207, −218, −236, −287, −307, C. I. Direct Red −1, −2, −4, −8, −9, −11, −13, −15, −20, −28, −31, −33, −37, −39, −51, −59, −62, −63, −73, −75, −80, −81, −83, −87, −90, −94, −95, −99, −101, −110, −189, −227、 C. I. Direct Yellow −1, −2, −4, −8, −11, −12, −26, −27, −28, −33, −34, −41, −44, −48, −58, −86, −87, −88, −132, −135, −142, −144, −173、 C. I. Food Black −1, −2、 C. I. Acid Black −1, −2, −7, −16, −24, −26, −28, −31, −48, −52, −63, −107, −112, −118, −119, −121, −156, −172, −194, −208、 C. I. Acid Blue −1, −7, −9, −15, −22, −23, −27, −29, −40, −43, −55, −59, −62, −78, −80, −81, −83, −90, −102, −104, −111, −185, −249, −254、 C. I. Acid Red −1, −4, −8, −13, −14, −15, −18, −21, −26, −35, −37, −52, −110, −144, −180, −249, −257,−289、 C.I.Acid Yellow −1, −3, −4, −7, −11, −12, −13, −14, −18, −19, −23, −25, −34, −38, −41, −42, −44, −53, −55, −61, −71, −76, −78, −79, −122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow ‐3、‐5、‐7、‐8、‐42、‐54、‐64、‐79、‐82、‐83、‐93、‐100、‐119、‐122、‐126、‐160、‐184:1、 ‐186、‐198、‐204、‐224、C.I.Disperse Orange ‐13、‐29、‐31:1、‐33、‐49、‐54、‐66、‐73、‐119、‐163、C.I.Disperse Red ‐1、‐4、‐11、‐17、‐19、‐54、‐60、‐72、‐73、‐86、‐92、‐93、‐126、‐127、‐135、‐145、‐154、‐164、‐167:1、‐177、‐181、‐207、‐239、‐240、‐258、‐278、‐283、‐311、‐343、‐348、‐356、‐362、C.I.Disperse Violet ‐33、C.I.Disperse Blue ‐14、‐26、‐56、‐60、‐73、‐87、‐128、‐143、‐154、‐165、‐165:1、‐176、‐183、‐185、‐201、‐214、‐224、‐257、‐287、‐354、‐365、‐368、C.I.Disperse Green ‐6:1、‐9などが挙げられる。
顔料も使用することができる。ブラック顔料の具体例としては、Raven7000, Raven5750, Raven5250, Raven5000 ULTRAII,
Raven 3500, Raven2000, Raven1500, Raven1250, Raven1200, Raven1190 ULTRAII, Raven
1170, Raven1255, Raven1080, Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R, Regal330R, Regal660R, Mogul L, Black Pearls L, Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000, Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black 18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex35, Printex U, Printex V, Printex140U, Printex140V, Special Black 6 ,Special Black 5 ,Special Black 4A ,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25, No.33, No.40, No.47, No.52, No.900, No.2300, MCF−88, MA600, MA7, MA8, MA100(以上三菱化学社製)が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−253、IJX−266、IJX−444、IJX−273、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2、更には日本触媒社から販売されている自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
シアンインクの顔料としてはC.I.Pigment Blue−1, −2, −3, −15, −15:1, −15:2, −15:3, −15:4, −16, −22, −60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタインクの顔料としては、C.I.Pigment Red −5, −7, −12, −48, −48:1, −57, −112, −122, −123, −146 , −168, −184, −202が挙げられるがこれに限定されるものではない。
イエローインクの顔料としては、C.I.Pigment Yellow −1, −2, −3, −12, −13, −14, −16, −17, −73, −74, −75, −83, −93, −95, −97, −98, −114, −128, −129, −138, −151, −154が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また各色の色材として、色材が各種樹脂でカプセル化されたいわゆるカプセル染料・顔料を使用してもよい。
特に、良好な画像を得ることができる点では、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性表面基を有するカーボンブラックを使用したブラックインク(第2の印字用液体)と、2価以上の金属イオンを合計500ppm以上含むカラーインク(第1の印字用液体)とを組合せて使用することが好ましい。この場合、ブラックインク画像部にブラックインクとカラーインクとを併用することにより画像濃度が向上し、かつ、ブラック画像とカラー画像とが隣接する部での色間滲みが抑制され画像品位が向上する。
−その他の添加成分−
印字用液体は、上記の成分の他に、溶媒として水を含むが、更に水溶性有機溶媒を添加することができる。水溶性有機溶媒を印字用液体に添加すると、インクや処理液の保湿性及びインク中の色材の溶解性がさらに良好になり、目詰まりを防止したり、記録ヘッドから印字用液体を吐出する際の吐出安定性を維持し、さらに、印字用液体の長期の保存に対しても色材、処理液に含まれる処理剤の凝集・析出を防ぐことができる。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルでは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等など多価アルコール誘導体が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
含硫黄溶媒としてはチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を併せて用いることも出来る。エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類も使用することができる。水溶性有機溶媒の含有量としては、1〜60質量質量部、好ましくは、5〜40質量質量部で使用される。
さらに、印字用液体に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、その分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することが出来、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等のいずれを使用しても構わない。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
印字用液体中に添加する界面活性剤量は、10質量部未満であることが好ましい。添加量が10質量部以上の場合には、光学濃度、及び、印字用液体の保存安定性が悪化する場合がある。
その他、印字用液体の吐出性改善等の特性制御を目的として、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物を使用することが出来る。
その他必要に応じ、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
I)インクの調整
インクの調整は色材溶液に、水溶性有機溶媒、その他添加剤、イオン交換水を適量加え、各材料が所定量含まれるように調製したあと、混合・攪拌を行った。その後、ブラックインクについては目開き1μmフィルタを用い、カラーインク、については目開き0.5μmフィルタを用いてろ過を行い各色のインクを得た。また、凝集・増粘防止液については、必要成分が所定量含まれるように調製したあと、混合・攪拌を行い、これを目開き0.5μmフィルタでろ過を行った。
以下にブラック、シアン、マゼンタ、イエローからなるインクセット1の各色のインクの調整に用いた原料及びその使用量、並びに、凝集・増粘防止液1の調整に用いた原料及びその使用量について示す。
−インクセット1−
<ブラックインク>
・Cabojet300(キャボット社製、アニオン性色材):5.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・イオン交換水:66質量部
<シアンインク>
・C.I.AcidBlue−9:3.5質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.47質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
<マゼンタインク>
・ILM−377(ILFORD製):3.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.97質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
<イエローインク>
・C.I.Acid Yellow−23:3.0質量部
・1,5−ペンタンジオール:10質量部
・チオジエタノール:10質量部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル:2.0質量部
・チオ尿素:3.0質量部
・イソプロピルアルコール:4.0質量部
・水酸化ナトリウム:0.03質量部
・硫酸マグネシウム:1.0質量部(マグネシウム約2000ppm相当)
・イオン交換水:66.97質量部
なお、上記組成のインクには2価以上の金属としてマグネシウムイオンが含まれ、その含有量は約2000ppmである。
II)液体吸収体の作製
下記フェルト材に、下記組成の処理液を含浸させて乾燥して液体吸収体を作製した。得られた液体吸収体の浸透時間は0.02秒であった。
−フェルト材−
ポリエチレン繊維を集成して形成したフェルト状吸収体で、下記処理液を含浸させない状態における表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間は、0.16秒であった。
―処理液の組成―
・界面活性剤:20質量部(液体吸収体単位面積当たり0.4g/cm3
(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)
・水溶性有機溶剤:5質量部(液体吸収体単位面積当たり0.02g/cm3
(グリセリン)
・水:残部
III)評価
III−1)インクジェット記録装置
上記のインクセットを組み合わせを用いて、以下に説明するインクジェット記録装置により記録ヘッドのメンテナンスを行ない、メンテナンスユニットの廃液処理の異常の有無について評価した。
用いたインクジェット記録装置は、フルカラーの印字が可能な熱インクジェット方式を利用したものであり、ブラックインクを吐出する400dpi、256ノズルの試作記録ヘッドと、各カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を吐出する800dpi、512ノズルの試作記録ヘッドとを搭載したものである。
また、このインクジェット記録装置内には、メンテナンスユニットとして上記作製した液体吸収体を配置されており、記録ヘッドを液体吸収体上に移動させてダミージェットを行い、印字用液体の廃液処理を行う。
なお、ダミージェットの動作は、画像の印字に際して、記録ヘッドが非印字状態となってメンテナンスユニットに移動して適宜実施するようにプログラミングし、また、これらダミージェットの動作後にはノズル面のワイピングが行なわれるように記録ヘッド及びメンテナンスユニットの動作をプログラミングした。
III−2)廃液処理系統の異常の有無
ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを記録ヘッドから用紙に吐出して印字を行った。
その後、メンテナンスユニットにおける液体吸収体上へ記録ヘッドを移動させ、当該液体吸収体にブラックインクを全ノズルから各1000発、カラーインクを3000発ずつ打ちこむダミージェット操作を行った。
この印字−ダミージェットを交互に1000回繰り返したところで、メンテナンスユニットにおける液体吸収体の状態を調べた。評価は以下の通りである。結果を表1に示す。
−液体吸収体の状態評価−
(1)吸収体の状態を目視により、インクの広がりや吸収体表面の固化インクの有無を観察した。判定基準は以下の通りである。
〇:インクが吸収体全体に広がる、且つ吸収体表面にインクの固化物が見られない。
△:吸収体表面にインクの固化物は見られないが、インクが吸収体の一部にしか浸透していない。
×:インクが吸収体の一部にしか浸透していない、且つ吸収体表面にインクの固化物が見られる。
―評価結果―
インクが、吸収体全体に広がっており、インクが速やかに且つ効率的に浸透/拡散されている。また、吸収体表面には、インクが固化した形跡は無い状態であった。
(実施例2)
下記に示す液体吸収体を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。その結果、インクが、吸収体のほぼ全体に広がっており、インクが速やかに且つ効率的に浸透/拡散されている。また、吸収体表面には、インクが固化した形跡は無い状態であった。
−液体吸収体の作製−
下記フェルト材に、下記組成の処理液を含浸させて乾燥して液体吸収体を作製した。得られた液体吸収体の浸透時間は0.04秒であった。
−フェルト材−
ポリエチレン繊維を集成して形成したフェルト状吸収体で、下記処理液を含浸させない状態における表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間は、0.24秒であった。
−処理液の組成−
・界面活性剤:10質量部(液体吸収体単位面積当たり0.2g/cm3
(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)
・水溶性有機溶剤:5質量部(液体吸収体単位面積当たり0.02g/cm3
(グリセリン)
・水:残部
(実施例3)
下記に示す液体吸収体を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。その結果、吸収体の表面にはインクの固化物は見られないが、インクは吸収体の7割程度の領域しか広がっていなかった。
−液体吸収体の作製−
下記フェルト材に、下記組成の処理液を含浸させて乾燥して液体吸収体を作製した。得られた液体吸収体の浸透時間は0.20秒であった。
−フェルト材−
ポリエチレン繊維を集成して形成したフェルト上吸収体で、下記処理液を含浸させない状態における表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間は、0.50秒であった。
−処理液の組成−
・界面活性剤:2.5質量部(液体吸収体単位面積当たり0.05g/cm3
(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)
・水溶性有機溶剤:5質量部(液体吸収体単位面積当たり0.02g/cm3
(グリセリン)
・水:残部
(比較例1)
下記に示す液体吸収体を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。その結果、インクは、吸収体のダミージェットの着弾位置を中心とするほぼ5割程度の領域にしか広がっていない。また、その表面には、徐々に堆積したものと見られるインクの固化物の層が確認された。
−液体吸収体の作製−
下記フェルト材に、下記組成の処理液を含浸させて乾燥して液体吸収体を作製した。得られた液体吸収体の浸透時間は0.42秒であった。
−フェルト材−
ポリエチレン繊維を集成して形成したフェルト状吸収体で、下記処理液を含浸させない状態における表面張力が72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間は、0.50秒であった。
―処理液の組成―
・水溶性有機溶剤:2質量部(液体吸収体単位面積当たり0.02g/cm3
(プロピレングリコール)
・水:残部
Figure 2005262662
表1の結果から、吸収速度が特定の範囲となる液体吸収体は、迅速に吸収して表面における堆積物の発生を抑制していることがわかる。また、混合すると凝集や増粘が発生する2種以上の印字用液体を混合した状態で廃棄しても、同様に堆積物の発生を抑制していることがわかる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の内部基本構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置における液体吸収体へダミージェットを行う様子を時系列的に示す説明図である。 従来の液体吸収体へのダミージェットを行う様子を時系列的に示す説明図である。
符号の説明
1 記録媒体
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
5 インクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット

Claims (2)

  1. 非印字時に排出される印字用液体を吸収して、これを貯蔵するためのインクジェット用液体吸収体であって、
    界面活性剤を含有し、且つ表面張力72.5mN/m(20℃)以上の液体が、吸収体表面から内部へ浸透するまでの時間が0.02秒以上0.20秒以下であることを特徴とするインクジェット用液体吸収体。
  2. 1種類以上の印字用液体を吐出する記録ヘッドと、非印字時に前記記録ヘッドから排出される前記印字用液体を吸収し、これを貯蔵する廃液貯蔵部を有する廃液処理手段と、を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記廃液貯蔵部が、前記請求項1に記載のインクジェット用液体吸収体で構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
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