JP2005262273A - 差厚鋼板の制御冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦度に優れた差厚鋼板を制御冷却にて得る方法について提案する。
【解決手段】長手方向に厚みが異なる差厚鋼板を熱間圧延した後、直ちに制御冷却を行うに際して、該制御冷却設備の入側に設けたローラー矯正機において、制御冷却設備での通板速度と同調した通板速度の下で矯正を施すに当り、前記矯正機におけるロールの位置を、当該矯正機を通板する鋼板の厚みに応じて調整する。
【選択図】図2
【解決手段】長手方向に厚みが異なる差厚鋼板を熱間圧延した後、直ちに制御冷却を行うに際して、該制御冷却設備の入側に設けたローラー矯正機において、制御冷却設備での通板速度と同調した通板速度の下で矯正を施すに当り、前記矯正機におけるロールの位置を、当該矯正機を通板する鋼板の厚みに応じて調整する。
【選択図】図2
Description
本発明は、鋼板の長手方向に厚みを変化させた差厚鋼板、特に厚みのある差厚鋼板を高速で均一に冷却する際に、該冷却前に矯正を行う制御冷却方法に関するものである。
熱間圧延後の厚鋼板に、直ちに冷却を行って材質を調整する、いわゆる制御冷却が実施されている。特に、船舶や橋梁などの構造材として供される差厚鋼板では、材質の調整に制御冷却を適用することが有効な手立てとなる。ここで、差厚鋼板とは、主に部分によって強度を異ならせるために、長手方向に厚みの異なる部分がテーパー部を介して連続する厚鋼板、または鋼板の先端から後端に向かって厚みが漸減(漸増)するテーパー状の厚鋼板を意味し、これらを差厚鋼板と総称する。
この差厚鋼板を熱間圧延後に制御冷却を行う場合、冷却後の鋼板が平坦であることが重要である。なぜなら、平坦でないと需要家での加工等に支障がでるからであり、鋼板の起伏が許容範囲内であることが要求される。
制御冷却後の鋼板の平坦度を確保するには、均一な冷却を実現することが基本であるが、この冷却に先立って予め鋼板を平坦にしておくことも肝要である。
制御冷却後の鋼板の平坦度を確保するには、均一な冷却を実現することが基本であるが、この冷却に先立って予め鋼板を平坦にしておくことも肝要である。
冷却前の平坦度を確保する方法としては、例えば特許文献1に、レベリングロールに作用する矯正反力を一定に保ち、テーパー鋼板の板厚に基づいて矯正速度を調整することが、また特許文献2に、差厚鋼板を熱間で製造する方法において、パス間で差厚形成部(薄部)を再加熱して平坦度を得ること、等が提案されている。
特開平8−257637号公報
特開昭62−50004号公報
特許文献1にて提案された、レベリングロールに作用する矯正反力を一定に保ち、テーパー鋼板の板厚に基づいて矯正速度を調整する方法は、確かに矯正効果は得られると考えられる。しかしながら、制御冷却の入側で矯正を行う場合、矯正後直ちに制御冷却を連続して実施するため、矯正速度は冷却に律則した通板速度となる。従って、鋼板の平坦度を確保する為に矯正速度を板厚に応じて変化させることは、実際には困難であり、この方法は制御冷却材には不向きである。
また、特許文献2にて提案された、差厚鋼板を熱間で製造するに当り、パス間で差厚形成部(薄部)を再加熱して平坦度を得る方法は、再加熱により材質が変化する可能性がある為好ましくない。
さらに、これらの従来技術は、差厚鋼板の平坦度確保のみに関する記述にとどまっており、平坦度に優れた差厚鋼板を制御冷却にて安定製造するという観点からは不十分な内容である。なぜなら、差厚鋼板の圧延方法のみを考慮しており、少ない合金元素で要求材質を得るために必要な、制御冷却との組合せは考慮されていなかったからである。
上記の通り、差厚鋼板の平坦度を確保しかつ材質の均一化を低コストで実現するためには、差厚鋼板に制御冷却を適用することが必要不可欠であるが、上記の2つの先行技術は、ともにこれらを実現出来ないという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、平坦度に優れた差厚鋼板を制御冷却にて得る方法について提案することを目的とする。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、平坦度に優れた差厚鋼板を制御冷却にて得る方法について提案することを目的とする。
すなわち、本発明は、長手方向に厚みが異なる差厚鋼板を熱間圧延した後、直ちに制御冷却を行うに際して、該制御冷却設備の入側に設けた、ローラー矯正機において、制御冷却設備での通板速度と同調した通板速度の下で矯正を施すに当り、前記矯正機におけるロールの位置を、当該矯正機を通板する鋼板の厚みに応じて調整することを特徴とする差厚鋼板の制御冷却方法である。
なお、ローラー矯正機とは、レベラーに代表されるような、鋼板長手方向にくり返し曲げを施すことにより矯正を施す装置であり、長手方向および上下方向に離間して配置される複数個のロールから構成されている。
なお、ローラー矯正機とは、レベラーに代表されるような、鋼板長手方向にくり返し曲げを施すことにより矯正を施す装置であり、長手方向および上下方向に離間して配置される複数個のロールから構成されている。
本発明によれば、差厚鋼板の制御冷却において、ローラー矯正機におけるロール位置を、そこを通る鋼板の厚みに応じて変更して適切な矯正を行うため、制御冷却後の平坦度に優れた差厚鋼板を安定して製造することが可能となる。
以下に、本発明の詳細について説明する。
さて、差厚鋼板は、その圧延形状が乱れることが不可避である。特に、板厚差の大きな差厚鋼板や、図1(a)、(b)および(c)に断面形状を示す、一方向二段、凸型または凹型の差厚鋼板では、所望形状の確保が困難である。
さて、差厚鋼板は、その圧延形状が乱れることが不可避である。特に、板厚差の大きな差厚鋼板や、図1(a)、(b)および(c)に断面形状を示す、一方向二段、凸型または凹型の差厚鋼板では、所望形状の確保が困難である。
従って、かような差厚鋼板の制御冷却後の形状を確保するには、その制御冷却において、まず当然の事ながら高速かつ均一に冷却することが要求される。例えば、上部および下部の冷却ノズル対を複数対配置するとともに、各冷却ノズル対の出側に該鋼板を上下から挟む上部および下部の水切りロール対を配置した、制御冷却設備にて冷却を行う際に、鋼板の表裏面で均一な冷却を行う必要がある。
さらに、冷却前の形状確保も重要であり、そのために図2に示すように、熱間圧延機1を出た差厚鋼板(以下、単に鋼板と示す)2を制御冷却設備3に導入するに先立ち、この設備3入側のローラー矯正機4にて、鋼板2の形状を整えて平坦にしておく必要がある。なお、図2において、符号5は、制御冷却後の鋼板2の形状をさらに整える矯正機であり、必要に応じてさらに矯正することも可能である。
そこで、上記の矯正機4において、そのロールの位置を、当該矯正機を通板する鋼板2の厚みに応じて調整することが肝要である。
すなわち、例えば図3に示すように、矯正機4は、複数個、図示例で7個のロール4a〜4gを、鋼板2の通板ラインを交互に挟むように配置し、これらロール4a〜4g群に鋼板2を通して、くり返し曲げを行うことによって、鋼板2の形状を矯正することができる。
すなわち、例えば図3に示すように、矯正機4は、複数個、図示例で7個のロール4a〜4gを、鋼板2の通板ラインを交互に挟むように配置し、これらロール4a〜4g群に鋼板2を通して、くり返し曲げを行うことによって、鋼板2の形状を矯正することができる。
かような構成の矯正機4に、鋼板2を、後工程の制御冷却設備3における通板速度に同調させた通板速度で送り込み矯正を行う際、図3に示すように、鋼板2のトラッキングに応じて、上側に配置したロール4a〜4cの位置を上下に連続して調整することにより、板厚変動にかかわらず同じ曲げ歪を与えて制御冷却前の鋼板の矯正を確実に行うところに、本発明の最大の特徴がある。
図3の例では、長手方向に二段の差厚部(テーパ部)を有する差厚鋼板2の場合を示しているが、同図(a)に示すように、板厚の薄部から厚部へ変化するテーパ部T1では、ロール4a〜4cの位置を順次に上方向にシフトし、平行部ではそのままに保持したのち、板厚が厚部から薄部へ変化するテーパ部T2では、同図(b)に示すように、位置を下方向にシフトして、鋼板厚みの変化に追随してロール位置を制御し、一定の曲げ歪を付与する。特に、差厚鋼板の圧延仕上形状は、薄部が腹伸びになることが多いことから、全長に渡り鋼板形状を確保する為には薄部の矯正は必須である。
ここで、鋼板の平坦形状を確保するには、ロール押込量を6mmから2mmとすることが望ましく、これらのロール押込量設定値は鋼板の形状、板厚および板幅により変化させることが望ましい。なお、矯正機におけるロール押込量とは、板厚−(隣り合う上ロール下端と下ロール上端の高さの差)で定義される。また、通常は上流から下流に従いロール押込量を小さくして、曲げ歪がだんだん小さくなるようにして平坦な形状の鋼板を得る。
ちなみに、ローラー矯正機におけるロール押込量の調整は、通板ラインの上側に配置したロール、図3においてロール4a〜4cの位置を、油圧あるいは機械駆動により上下させ、下ロール位置は一定として行う。
図2に示した制御冷却ラインにおいて、図4に形状および寸法を示す鋼板2Aおよび図5に形状および寸法を示す鋼板2Bに、鋼板2Aは表1そして鋼板2Bは表2に示す条件に従って、入側矯正を含む制御冷却を施した。なお、表1および表2における、上ロール位置とは複数個の上ロールのパスラインを基準とする高さの平均、そして冷却開始および停止温度とは冷却設備入側での鋼板表面温度の長手方向平均値および冷却設備出側での鋼板表面温度の長手方向平均値である。
次いで、各制御冷却後の鋼板について、その幅方向中央部温度の長手方向における最高温度と最低温度との差である、長手方向温度偏差について調査した。その調査結果を表1に併記するように、矯正機の上ロール位置調整を行った発明法では、長手方向温度偏差が10℃と均一冷却が実現出来たが、上ロール位置を一定とした従来法では、40℃と大きな値となった。すなわち、発明法では、矯正機の上ロール位置を通板鋼板の厚みに応じて連続して調整することにより、鋼板の全長にわたる矯正が可能であったために、均一な冷却が実現出来た。一方、従来法では最厚部のみの矯正となったため、薄部での形状不良により均一冷却が実現出来なかった。
以上の評価結果は、表2に示した鋼板2Bの場合も同様である。
以上の評価結果は、表2に示した鋼板2Bの場合も同様である。
また、図6に、発明法と従来法とによる冷間矯正率の比較を示す。対象材は、図4に示した造船用の一方向差厚鋼板であり、これを表1に示す条件にて、制御冷却に先立って矯正を行った。従来法では約65%の矯正率であったが、発明法では約35%と低減を実現した。
ここで、冷間矯正率とは、形状不良につき、冷間矯正機にて矯正を実施した鋼板の枚数比率である。
ここで、冷間矯正率とは、形状不良につき、冷間矯正機にて矯正を実施した鋼板の枚数比率である。
このように本発明法は、従来法と比較して優れた平坦度を得ることが可能である。
また、材質についても当然のことながら、本発明法により製造した鋼板は従来法により製造した鋼板よりも板内のばらつきが小さく良好な値であった。
また、材質についても当然のことながら、本発明法により製造した鋼板は従来法により製造した鋼板よりも板内のばらつきが小さく良好な値であった。
1 熱間圧延機
2 鋼板
3 制御冷却設備
4 矯正機
4a〜4g ロール
2 鋼板
3 制御冷却設備
4 矯正機
4a〜4g ロール
Claims (1)
- 長手方向に厚みが異なる差厚鋼板を熱間圧延した後、直ちに制御冷却を行うに際して、該制御冷却設備の入側に設けたローラー矯正機において、制御冷却設備での通板速度と同調した通板速度の下で矯正を施すに当り、前記矯正機におけるロールの位置を、当該矯正機を通板する鋼板の厚みに応じて調整することを特徴とする差厚鋼板の制御冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004078321A JP2005262273A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 差厚鋼板の制御冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004078321A JP2005262273A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 差厚鋼板の制御冷却方法 |
Publications (1)
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JP2005262273A true JP2005262273A (ja) | 2005-09-29 |
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JP2004078321A Pending JP2005262273A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 差厚鋼板の制御冷却方法 |
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JP (1) | JP2005262273A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011073007A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 長手方向に板厚がテーパ状に変化したテーパ鋼板の矯正方法 |
-
2004
- 2004-03-18 JP JP2004078321A patent/JP2005262273A/ja active Pending
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