JP2005258214A - プラネタリウム施設における投映方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プラネタリウム施設において、複数種の投映機を同時使用した場合の黒レベルの違いを解消する。
【解決手段】 数種の投映機が混在するプラネタリウム施設において、2種以上の投映装置を同時使用した際に投映像の黒レベルが一致しない場合に、黒レベルが明るい側の投映機Pに設けたフェード装置6により光学的に光量を調整して黒レベルを合致させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 数種の投映機が混在するプラネタリウム施設において、2種以上の投映装置を同時使用した際に投映像の黒レベルが一致しない場合に、黒レベルが明るい側の投映機Pに設けたフェード装置6により光学的に光量を調整して黒レベルを合致させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ドームスクリーンにおけるビデオ画像投映装置に関し、特にプラネタリウム等に最適なビデオ画像投映機を用いたビデオ画像投映装置に関する。
映写機等の単体の投映機により映像を投映する施設に対して、種類の異なる複数の投映機を協働させて映像を投映する施設が、シミュレーション的な映像を提供する球面スクリーン映像施設を中心として存在する。その代表的なものがプラネタリウム施設である。周知のように、プラネタリウム施設はドームスクリーンに恒星投映機より恒星の映像を投映することにより星空を再現することをその本質とする。一方、プラネタリウム投映装置(以下、「プラネタリウム」と略称する)は恒星とは別に、惑星を投映する惑星投映装置を有する他、演出技法の進化に伴い、地上等の風景を投映するスカイライン投映装置や星座絵、座標線、星雲、星団、ポインター等の各種映像の付属投映装置を備えるに至り、更に近年では例えば雷やオーロラ等の天空で起こる自然現象や、例えば宇宙船等の人工物を投映するためのプロジェクターも備えるに至った。そこにおいて使用する機器も従来のようなフィルムや原板を用いた光学式の機器に止まらず、ビデオ画像投映機等の電子式の機器も使用されており、ビデオ画像投映機も予めビデオテープや光学ディスクに記録された映像だけでなく、コンピュータによるグラフィックスを必要に応じてリアルタイムに生成した映像を採用している。
特開2000−66582公報
以上のように、プラネタリウム施設において複数種の投映機が混在する場合、それらが光学式のもの同士なら問題がないが、ビデオ画像投映機が混在する場合は投映像の黒レベルが相違するという問題が生じる。
例えば、光学式の投映機である恒星投映機により星空をドームスクリーンに投映しながら、液晶やDLP方式のビデオ画像投映機を使ってドームスクリーンに画像を投映するとき、後者の投映機のコントラスト比が低いために黒レベルが明るく投映されてしまって、微光星や天の川などの照度の低い演出が出来なくなってしまっていた。そこで、これを回避するためにCRT方式の投映機などの高価で明るさの暗いビデオ画像投映機を使わざるを得なかった。
しかし、CRT投映機は、プラネタリウムの大ドームに投映するためには光量が少なく、鮮やかな色彩表現をできない問題があった。やむを得ず液晶プロジェクターを使う場合には、投映しないときにレンズ全面を覆う可動式のシャッターを付けて使っていた。この場合、恒星と同時に映像を投映することはできず、無理に投映しても恒星像を著しく悪化させてしまう問題を生じた。
この発明は、以上の課題を解決するために創作されたものであり、複数種の投映機を同時使用した場合でもドームスクリーン上の投映像の黒レベルが一致する投映方法を提供することを目的とする。
この発明の投映方法は複数種の投映機が混在するプラネタリウム施設において、2種以上の投映装置を同時使用した際に投映像の黒レベルが一致しない場合に、黒レベルが明るい側の投映機に設けたフェード装置により光学的に光量を調整して黒レベルを合致させることを特徴とする。
ここでは、フェード装置に関し、上記の発明において投映機の光路上に可動式のフィルター又は絞りを配することにより光学的に光量を調整する手段とする発明も開示する。
又、フェード装置の制御方法に関し、次の各発明も開示する。
(1) 投映により投映を予定する投映像に合わせて事前に光量の調整量をプログラムし、投映シーンに合わせて光量が連続的に変化するようにする。
(2) 同時使用する各投映機に送出する映像信号から、投映画面全体の輝度レベルと投映画面全体の輝度分布を検出し、光量の調整量に反映させることにより、映像信号に合わせて自動的に黒レベルを調整する。
(3) 複数の投映機でプラネタリウムドームに1つの大画面を構成して投映する際に、個々の投映機の黒レベルにばらつきが出ないように、それぞれの投映機に送る映像信号を一括で処理し、大画面全体の黒レベルを合わせつつコントラスト比を向上させる。
(1) 投映により投映を予定する投映像に合わせて事前に光量の調整量をプログラムし、投映シーンに合わせて光量が連続的に変化するようにする。
(2) 同時使用する各投映機に送出する映像信号から、投映画面全体の輝度レベルと投映画面全体の輝度分布を検出し、光量の調整量に反映させることにより、映像信号に合わせて自動的に黒レベルを調整する。
(3) 複数の投映機でプラネタリウムドームに1つの大画面を構成して投映する際に、個々の投映機の黒レベルにばらつきが出ないように、それぞれの投映機に送る映像信号を一括で処理し、大画面全体の黒レベルを合わせつつコントラスト比を向上させる。
この発明の投映方法においては、恒星投映機等の光学式の投映機と同時使用する場合は、フェード装置により光量を絞ることにより黒レベルをそれに合わせて投映する。又、ビデオ画像投映機のみ使用する場合は、光量を制限せずに投映することによりビデオ画像投映機本来の明るく色彩豊かな映像を投映する。
ところで、ドームスクリーンの特性として、一部分に明るいイメージを投映すると、投映部分からの反射光がスクリーン全体に反射を繰り返し、スクリーンのバックグラウンドレベル(黒の度合い)が上がる相互反射という現象がある。そこで、この特性を利用し、投映像のスクリーンによる相互反射がビデオ画像投映機の黒のレベルを上回るときは全光量で投映し、これを下回る場合のみ光量を調節して見た目の黒レベルを維持する。
以上の構成よりなるこの発明の投映方法によれば、プラネタリウムにおいて光学式の投映機により星空を投映している場合でも、黒レベルの問題を気にしないで補助投映機として液晶やDLP方式のビデオ画像投映機を使用することができるので、CRT方式のビデオ画像投映機を使用せずに済み、安価でしかも鮮やかな色彩表現を行うことが可能となる。
又、ビデオ画像投映機の光量を調整する手段として、投映機の光路上に可動式のフィルター又は絞りを配することにより光学的に光量を調整する手段を採用しているので、既成のビデオ画像投映機に上記の調整手段を後付けするだけでこの発明の実施に使用できる投映機となるので、極めて低コストでこの発明を実施することが可能となる。
以下、この発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明の投映方法を実施するためのビデオ画像投映機及びその制御装置の電気回路を示すブロック図である。図中符号Pはビデオ画像投映機で、その光路上に投映光の光量を調整するための光学式のフェード装置6が配される。上記フェード装置6はフェードコントローラー5により駆動されるものであり、このフェードコントローラーには光量を調整するためのフェード量を決定する機能を有する主コントローラー1から制御信号が送られる。
主コントローラ1はフェード量を決定するためのフェードレート演算部2を有し、上記フェードレート演算部にはビデオ画像投映機Pの輝度レベルが入力されると共に、タイムコード及び外部機器のON/OFF信号又はセンサーからのドーム照度が入力され、これらの数値に基づき最適なフェード量を演算する。尚、図中符号3は信号分配器4により分配されたビデオ画像投映機Pへの映像信号の輝度レベルを、前記のフェードレート演算部2に出力するための輝度信号加算機である。
次に、前記の制御装置における制御の具体的な手順の流れを図6乃至9のフローチャートを参照しながら説明する。図6は手順の概要を示す図である。ここではビデオ画像投映機の映像出力を積算し(手順S1)、次いでバックグラウンドレベルを算出し(手順S2)、更に上記のバックグラウンドレベルをビデオ画像投映機のベース照度と比較し(手順S3)、数値に差があった場合にフェードレートを変更する(手順S4、S5)。
図7は前記の手順S1及びS2の詳細を示す図である。ここでは、ビデオ画像投映機への入力信号の輝度レベルを単位時間(1ライン、1フレーム等)で積分し、すべてのプロジェクターの映像出力を積算し、ビデオ画像投映機の出力とプラネタリウムやスライド投映機等の他の投映機の点灯状況をチェックして(手順S11)それらの映像出力を加算し(手順S12)、ドームの相互反射の割合(反射率、直径など)から、バックグラウンドレベルを算出する(手順S13)。
図8は前記の手順S4の詳細を示す図である。ここでは、前記の手順13の結果とビデオ画像投映機のベース照度を比較し、数値に差があった時に、その差をフェードレート変更処理に渡す(手順S14)。
図9は前記の手順S5の詳細を示す図である。ここでは、ビデオ画像投映機のベース照度がドームのバックグラウンドを上回る場合にのみその差に応じたフェードレートをフェード参照テーブルから読み出し(手順S15、S16)、フェードレートを出力する。又、ビデオ画像投映機のベース照度がドームのバックグラウンドを上回らない場合はフェードを全開にする(手順S17)。
次にフェード装置の具体例について説明する。図2はフェード装置の第1実施例を示す図である。このフェード装置16においては、回転によりリボルバー式に窓がビデオ画像投映機の光路に位置する円板17の各窓に異なる濃度のフィルターを配し、上記円板をフェードコントローラーからのパルス出力により駆動制御されるモータ19により回動することにより光学的に光量を調整する手段としている。
図3はフェード装置の第2実施例を示す図である。このフェード装置26においては、フェードコントローラーからのパルス出力により駆動制御されるモータ28により、ビデオ画像投映機の光路に位置する光彩絞り27を開閉することにより光学的に光量を調整する手段としている。
図4はフェード装置の第3実施例を示す図である。このフェード装置36においては、フェードコントローラーからのパルス出力により駆動制御されるモータにより、ビデオ画像投映機の光路に位置する一対の偏向板37、38からなるフィルターの相互位置を変更することにより光学的に光量を調整する手段としている。
図5はフェード装置の第4実施例を示す図である。このフェード装置46は液晶プロジェクター式のビデオ画像投映機の光源部に組み込まれるものであり、フェードコントローラーからのパルス出力により駆動制御されるモータにより、光路に位置する可動スリット51を動かすことにより光学的に光量を調整する手段としている。尚、図中符号47は光源部の放物面鏡、48はランプ、49はレンズアレイ、50はPS偏光変換素子である。
P 投映機
6 フェード装置
16 第1実施例のフェード装置
26 第2実施例のフェード装置
36 第3実施例のフェード装置
46 第4実施例のフェード装置
6 フェード装置
16 第1実施例のフェード装置
26 第2実施例のフェード装置
36 第3実施例のフェード装置
46 第4実施例のフェード装置
Claims (6)
- 複数種の投映機が混在するプラネタリウム施設において、2種以上の投映装置を同時使用した際に投映像の黒レベルが一致しない場合に、黒レベルが明るい側の投映機に設けたフェード装置により光学的に光量を調整して黒レベルを合致させることを特徴とするプラネタリウム施設における投映方法。
- フェード装置を設ける投映機はビデオ画像投映機である請求項1記載のプラネタリウム施設における投映方法。
- 投映機の光路上に可動式のフィルター又は絞りを配することにより光学的に光量を調整する手段とした請求項2記載のプラネタリウム施設における投映方法。
- 投映機により投映を予定する投映像に合わせて事前に光量の調整量をプログラムし、投映シーンに合わせて光量が連続的に変化するようにした請求項2又は3記載のプラネタリウム施設における投映方法。
- 同時使用する各投映機に送出する映像信号から、投映画面全体の輝度レベルと投映画面全体の輝度分布を検出し、光量の調整量に反映させることにより、映像信号に合わせて自動的に黒レベルを調整する請求項2又は3記載のプラネタリウム施設における投映方法。
- 複数の投映機でプラネタリウムドームに1つの大画面を構成して投映する際に、個々の投映機の黒レベルにばらつきが出ないように、それぞれの投映機に送る映像信号を一括で処理し、大画面全体の黒レベルを合わせつつコントラスト比を向上させる請求項2又は3記載のプラネタリウム施設における投映方法。
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