JP2005258051A - 光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用基板 - Google Patents

光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用基板 Download PDF

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Shinsuke Niiyama
慎介 仁井山
Hiroki Itakura
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Abstract

【課題】 光ファイバの破損、応力集中を防止でき、かつ光ファイバの接着信頼性の高い光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用の基板を提供すること。
【解決手段】 光ファイバ4の裸部41を載置して位置決めするV溝26を、V溝26が形成されるV溝形成部21と光ファイバ4の被覆部42を載置固定する平面部22との間に形成される段差面23側で、前記V溝26αの開き角度θが徐々に広がるように形成されるとともに、前記V溝26αの内壁面の表面粗さが最大高さRz=0.1μm以下に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用基板に関し、更に詳しくは、光ファイバを位置決めして固定し、光ファイバを他の光学機器などと接続するために用いられる光ファイバアレイ及びその光ファイバアレイ用として好適に用いることができる光ファイバアレイ用基板に関する。
光ファイバ同士あるいは光ファイバと他の光学機器等と接続するための部品として、例えば光ファイバアレイが用いられている。
図8は、従来一般の光ファイバアレイ101を示した外観斜視図であり、図8(a)は組立て前の状態を示し、図8(b)は組立て後の状態を示す。従来一般の光ファイバアレイ101は、光ファイバ104を載置する基板102と、光ファイバ104を載置した基板102に装着する押さえ蓋103とを有する。基板102は、平板状の平面部122と、この平面部122より延設され、高さ方向寸法が高く台地状に形成されるV溝形成部121とを有し、平面部122とV溝形成部121との境界には段差面123が形成される。そしてV溝形成部121の上面125には、基板102の端面124(図8においては見えない背面側の面)から段差面123に至る断面がV字状の溝126が平行して複数形成される。
そして、光ファイバ104の先端近傍の被覆材を除去して裸の光ファイバ141を露出させ、この裸の部分を断面がV字状の溝126に整列載置し、上方から押さえ蓋103を被せて押圧することにより光ファイバ104の位置決めをする。これにより光ファイバ104は、断面がV字状の溝126の内壁面の2点と押さえ蓋103の下面の3点で位置決めされる。この後、基板102の段差面123あるいは端面124に現れる断面がV字状の溝126の開口部から、光ファイバ104、断面がV字状の溝126及び押さえ蓋103の間に形成される間隙に接着剤を注入する。接着剤は毛管作用によりこの間隙に浸入して充填され、光ファイバ104、基板102及び押さえ蓋103を一体に固着する。
更にこの後、V溝形成部121から平面部122へ延びる光ファイバ104の被覆材で覆われる部分142についても、光ファイバ104の被覆材で覆われる部分142の先端近傍を含むように接着剤を塗布等して、光ファイバ104を固定し保護する。
このような構成では、溝形成部121と平面部122との段差面123で接着剤の収縮などにより応力集中が発生して損失増加を生じる。また、光ファイバ104が段差面123のエッジ129に接触していることから、光ファイバ104に傷が付きやすく断線するおそれもある。
基板の段差面での光ファイバの損失増加や破損を防止するため、例えばこの段差面を凸状に湾曲した形状に形成する構成が提案されている(特許文献1参照)。そしてこの特許文献1には、具体的な形状の例として、R状に形成する構成が開示されている。この特許文献1に開示される構成によれば、段差面において光ファイバにかかる応力が緩やかに変化することになるため、応力集中を緩和することができる。また、光ファイバが上下左右に動いた場合には応力支点が移動するため、やはり応力集中を緩和できる。そして光ファイバへの応力集中を緩和することにより、損失増加や破損を防止できる。
しかしながら特許文献1に記載の構成では、光ファイバが基板の段差面のエッジに接触しているという構成は従来と同様である。このため、光ファイバアレイの組立て時において光ファイバを傷つけるおそれがある。また、組立て後においても、光ファイバと接着剤の熱膨張係数が相違すると、温度変化により光ファイバが動き、やはり段差面のエッジで傷を付けるおそれもある。
また、この構成では、接着剤を基板、押さえ蓋及び光ファイバの間隙に毛管作用を用いて浸透させているが、この間隙の横断面積が小さいため、気泡等が混入すると接着力が低下して基板が剥離するおそれもある。
更に、基板のV溝の内壁面や押さえ蓋など、光ファイバとの接触面の表面性状については何ら考慮がなされておらず、これらの表面性状のいかんによっては、光ファイバの表面に傷を付けるおそれもある。
特開2000−275478号公報
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、光ファイバが基板や押さえ蓋のエッジに接触せず、光ファイバの表面に傷が付くことを防止できること、あるいは基板の段差部における応力集中を緩和して光ファイバを破損しないこと、あるいは接着剤を充填する間隙に気泡が生じないようにして接着性を高めること、あるいは光ファイバと基板あるいは押さえ蓋との接触面における傷を防止することができる光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用基板を提供することである。
前記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、光ファイバが装着される複数のV溝を有するV溝部が平面部より段差面を介して延設形成されるV溝基板と、該V溝基板の光ファイバが装着されるV溝部に被着されるファイバ押さえ蓋とからなり、これらのV溝基板及び/又はファイバ押さえ蓋の光ファイバとの接触面の表面粗さが最大高さRzで0.1μm以下であることを要旨とするものである。
ここで、請求項2に記載の発明のように、前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が、平面部側に向かって徐々に広がっていることが好ましい。
また、請求項3に記載の発明のように、前記V溝基板に形成されるV溝の深さが、平面部側に向かって徐々に深くなっているものであっても良い。
請求項4に記載の発明は、光ファイバアレイ用基板であって、光ファイバが装着される複数のV溝を有するV溝部が平面部より段差面を介して延設形成されるV溝基板であって、該V溝基板の前記V溝部の光ファイバとの接触面の表面粗さが最大高さRzで0.1μm以下であることを要旨とするものである
ここで請求項5に記載の発明のように、前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が、平面部側に向かって徐々に広がっていることが好ましい。
更に請求項6に記載のように、前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が一定である部分を有することが好ましい。
また前期請求項4に記載の発明は、請求項7に記載のように、前記V溝基板に形成されるV溝の深さが、平面部側に向かって徐々に深くなっていること好ましい。
更に請求項8に記載のように、前記V溝基板に形成されるV溝の深さが一定である部分を有することが好ましい。
請求項9に記載の発明は、前記請求項4から請求項8に記載の発明において、光ファイバアレイ用基板はガラスモールドにより形成されていることを要旨とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、V溝基板やファイバ押さえ蓋の光ファイバが接触する面の表面粗さが、最大高さRzで0.1μm以下に形成されることから、光ファイバが接触しても、光ファイバの表面に傷が付きにくい。したがって光ファイバの破損や断線を抑制できる。
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、V溝に装着された光ファイバは、平面部との間に形成される段差面に向かうにつれて、徐々にV溝の表面から離れていくことになる。このため段差面での光ファイバの応力集中を緩和して損失増加を抑制することができる。また、段差面近傍では光ファイバがV溝の内壁面から浮いた状態になることから、光ファイバの表面が段差面のエッジに接触して傷が付くことが抑制される。このため、段差面で光ファイバが破損や断線することが防止される。
また、このような構成では、光ファイバ、V溝の内壁面及び押さえ蓋との間に形成される間隙は、段差面側に向かうにしたがってその断面積が大きくなる。このため、段差面側からこの間隙内に光ファイバとファイバ押さえ蓋を固定する接着剤を注入すると、接着剤が浸入しやすく、気泡の発生が抑制されて接着強が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、V溝基板やファイバ押さえ蓋の光ファイバが接触する面の表面粗さが、最大高さRzで0.1μm以下に形成されることから、このような基板を用いて光ファイバアレイを組み立てると、光ファイバが接触しても、光ファイバの表面に傷が付きにくい。したがって光ファイバの破損や断線を抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、V溝に装着された光ファイバは、平面部との間に形成される段差面に向かうにつれて、徐々にV溝の表面から離れていくことになる。このため段差面での光ファイバの応力集中を緩和して損失増加を抑制することができる。また、段差面近傍では光ファイバがV溝の内壁面から浮いた状態になることから、光ファイバの表面が段差面のエッジに接触して傷が付くことが抑制される。このため、段差面で光ファイバが破損や断線することが防止される。
そして、このような構成では、光ファイバ、V溝の内壁面及び押さえ蓋との間に形成される間隙は、段差面側に向かうにしたがってその断面積が大きくなる。このため、段差面側からこの間隙内に光ファイバとファイバ押さえ蓋を固定する接着剤を注入すると、接着剤が浸入しやすく、気泡の発生が抑制されて接着強が向上する。
ここで、請求項6に記載のように、前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が一定の部分を有すると、この部分で光ファイバの位置決めを行うことができる。このため、この部分以外でV溝の開き角度を変化させたとしても光ファイバの位置決め精度が悪化させることなく、請求項5に記載の発明の作用効果を奏することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。そしてこの場合において請求項8に記載のように、V溝の深さが一定である部分を有すると、この部分で光ファイバの位置決めを行うことができ、請求項6に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項9に記載のように、光ファイバアレイ用基板をガラスモールドにより形成すると、表面性状を均一で滑らかにして、表面粗さを最大高さRzで0.1μm以下に形成することが容易となる。また、一旦金型を製造すれば生産性を向上させることができ、研削加工等に比較して製造が容易である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る光ファイバアレイの概略構造を示した外観模式図であり、図1(a)は組み付け前の状態を示した斜視図、図1(b)は組み付け後の状態を示した斜視図である。
第1の実施の形態に係る光ファイバアレイ1αは、光ファイバ4を載置する基板2αと、この基板2αの上方から覆い被せて蓋をする押さえ蓋3とを有する。また、固定する光ファイバ4は、端部から所定の距離の間の被覆材を除去して裸の光ファイバ41を露出させて用いる。図中の矢印mは光ファイバ4の裸部41を載置する向きを、矢印nは押さえ蓋3を載置する向きを示す。以下、本明細書においては、光ファイバ4の被覆材で覆われた部分を「光ファイバの被覆部42」と、被覆材を除去して露出させた部分を「光ファイバの裸部41」と称する。
基板2αは、平板状に形成される平面部22と、この平面部22より延設され、高さ方向寸法が高く台地状に形成されるV溝形成部21とを有し、この平面部22とV溝形成部21との境界には段差面23が形成される。そしてV溝形成部21の上面25には、基板2αの端面24(図1においては見えない背面側の面を指す)から段差面23に至る複数のV字状の溝26αが平行して形成される。本明細書においては、断面がV字状の溝を「V溝」と略して称する。このV溝26αの詳細な形態については後述する。なお、図は模式図であって実際の形状寸法を示したものではない。また、V溝26αの条数も図に示す6条に限られるものではなく、単数から5条以下、あるいは7条以上であっても良い。
押さえ蓋3は略方形の板状に形成され、基板2αのV溝形成部21の上面25に載置して蓋をする部材である。その形状寸法は、基板2αのV溝形成部21の形状寸法と略同一に形成される。そしてV溝形成部21の上面25に載置した場合において、V溝形成部21の上面25と対向する面32(図1においては見えない下側の面、以下「装着面」と称する)の辺の端縁のうち、少なくとも基板2の段差面23と対向する辺の端縁31は、拡大図に示すように、隅部が鋭くない形状、具体的には例えば円弧状に形成される。
この基板2α及び押さえ蓋3は、熱膨張係数が固定する光ファイバ4と同一あるいは近似する材料から形成されることが好ましい。具体的には、例えば石英ガラスやパイレックス(登録商標)ガラスなどのガラス、あるいはセラミックス等が挙げられる。
また、基板2α及び押さえ蓋3の少なくとも光ファイバ4と接触する面、具体的には基板1αのV溝26αの内壁面及び押さえ蓋3の装着面32は、表面粗さ(最大高さ)Rzが0.1μm以下に形成される。最大高さRzを0.1μm以下とすることにより、光ファイバ4の裸部41がV溝26αの内壁面や押さえ蓋3の装着面32に接触しても、光ファイバ4の裸部41の表面に傷がつくことが抑制できる。また、間隙内への接着剤の流れ性も良くなることから、信頼性の高い光ファイバアレイ1α及び光ファイバアレイ用基板2αを製造することができる。
このため、これら基板2α及び押さえ蓋3は、ガラスモールドにより形成されることが好ましい。ガラスモールドによれば、表面性状を均一で滑らかに形成することができるため、表面粗さRzを0.1μm以下に形成しやすい。なお、ガラスモールドでは金型コストはかかるものの、一旦金型を作製すればよいため、生産性の問題が生じることはない。一方、従来一般には砥石を用いた研削加工により製造されているが、研削加工は高度の制御を要する精密加工となり、生産性が良くない。また、研削加工では、加工面にチッピングが生じやすいため、光ファイバ4の裸部41の表面に傷を付けやすい。
次いで、V溝形成部21に形成されるV溝26αについて説明する。図2(a)は、V溝形成部21を示した部分拡大図である。第1の実施形態では、V溝26αの開き角度θが、基板2αの端面24の側に比較して段差面23の側の方が大きく形成される。具体的には、基板2αの端面24から所定の距離、例えば基板2αの端面24からV溝形成部21の中央近傍までの間は一定で、V溝26αは直線状に形成される。一方、基板2αの段差面23から所定の距離、例えば段差面23からV溝形成部21の中央近傍までの間は、中央近傍から段差面23に向かうに従って徐々に滑らかに大きくなるように形成される。なお、図中において符号Xαは開き角度θが変化する部分を示している。また、図に示す例においては、V溝形成部21の上面25からV溝の溝底28αまでの寸法は、V溝26αの全長にわたり一定に形成される。なお、光ファイバ4の裸部41の位置決めは、V溝26αの開き角度θが一定に形成される部分で行われる。
図2(b)はV溝26αの軸線方向に沿った断面形状の変化を示した図であり、具体的には、断面Aは図2(a)に示したa−a線断面、断面Bはb−b線断面、断面Cはc−c線断面の各断面におけるV溝26αの断面形状を示し、光ファイバ4の裸部41の位置も併せて示している。図に示すように、各断面線でのV溝26αの開き角度θの大小関係は、(断面Aの開き角度θ)<(断面Bの開き角度θ)<(断面Cの開き角度θ)、となる。
このような形態では、V溝形成部21の上面25から溝底28αまでに深さ寸法がV溝26αの全長に亘って一定とすれば、光ファイバ4(光ファイバ4の裸部41)の配列ピッチが小さく、V溝26αの頂部27αが先鋭状となる場合には、V溝26αの開き角度θが大きくなるに従ってV溝26αの頂部27αが次第に低くなる。そして、頂部27αから溝底28αまでの高さ寸法Iが、I、I、Iの順に低くなり、頂部27αと溝底28αの高さが近づいてV溝26αが浅くなる形態となる。一方、光ファイバ4(光ファイバ4の裸部41)の配列ピッチが大きく、V溝26αの頂部27αが平坦となる場合には、開き角θが変化する部分Xαに示すように、V溝26αの間の平坦な部分(すなわちV溝形成部21の上面25)が段差面23に向かうにつれて徐々に狭くなる形状となる。
このような構成を有する光ファイバアレイ1αの組立て操作は次のとおりである。図3は、組立後の光ファイバアレイ1αの部分断面図であり、(a)は光ファイバ4の軸線方向に直角に切断した断面図、(b)は光ファイバ4の軸線方向に平行に切断した断面図である。
まず光ファイバ4の裸部41をV溝26に、光ファイバ4の被覆部42を平面部22に載置する。そして光ファイバ4の裸部41の上方から押さえ蓋3を載置して光ファイバ4の位置決めをする。覆い被せた押さえ蓋3を矢印qの向き押圧すると、光ファイバ4の裸部41の外周面がV溝26αの内壁面の2点と押さえ蓋3の装着面32の1点の合計3点(実際には点ではなく線)に当接して位置決めされる。
光ファイバ4の裸部41を位置決めした状態で、基板2αの段差面23から接着剤5を注入する。注入した接着剤5は、毛管作用によって、光ファイバ4の裸部41、V溝26αの内壁面及び押さえ蓋3の装着面32の間に形成される間隙に浸入して充填される。そして接着剤が固化すると、光ファイバ4の裸部41、基板2α及び押さえ蓋3が一体化する。なお、組立て操作時においては、押さえ蓋3は光ファイバ4の裸部41を位置決めできる程度に軽く押圧し、接着剤5により接着して一体化した後は押圧力を開放する。
この間隙に充填する接着剤としては、例えば硬化前の粘度が2.0Pa・s程度の紫外線硬化型エポキシ樹脂系接着剤を適用できる。
V溝26αに収納された光ファイバ4の裸部41が接着剤5により固定された後、光ファイバ4の被覆部42にも接着剤を塗布等し、光ファイバ4の被覆部42を基板2αに固定する。
図3から明らかなように、V溝26αをこのような形状に形成すると、V溝形成部21の中央近傍から段差面23の側に向かうにしたがって、光ファイバ4の裸部41はV溝26αの内壁面から徐々に離れ、段差面23でV溝26αの内壁面から浮いた状態となる。また、押さえ蓋3の装着面32の段差面23側の端縁を円弧状に形成することにより、光ファイバ4の裸部41が押さえ蓋3の端縁のエッジと接触することもなくなる。このため、組立て操作時や温度変化による接着剤の膨張収縮等により光ファイバ4の裸部41が上下左右に移動したとしても、光ファイバ4の裸部41の表面が段差面23のエッジ29に接触することはなく、段差面23のエッジ29で傷が付くことが防止できる。また、段差面23が緩やかに変化するため、光ファイバ4の被覆部42に塗布等される接着剤による応力集中を軽減し、損失増加を防止できる。
なお、光ファイバ4の裸部41の位置決めはV溝26αの開き角度θが一定に形成される部分で行われる。
また、段差面23における間隙の開口部面積が大きく、基板2αの端面24に向かって徐々に断面積が小さくなることから、段差面23から接着剤が浸入しやすくなる。このため、接着剤5を段差面23の側から基板2の端面24に向けて毛管作用により浸入させることにより、間隙内に気泡が生じることなくスムーズに接着剤を充填することができ、接着力の低下を防止できる。
更に、V溝26αの内壁面及び押さえ蓋3の装着面の表面粗さRz=0.1μm以下とすることにより、光ファイバの装着面において光ファイバに傷が付くことが防止できる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係る光ファイバアレイ用の基板のV溝形成部の構成を示した図である。なお、第2の実施形態に係る光ファイバアレイ1β及び光ファイバアレイ用の基板2βは、第1の実施の形態に係る光ファイバアレイ及び光ファイバアレイ用の基板とはV溝形成部の形態が異なるのみであり、その他は略同一の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して用い、詳細な説明は省略する。
図4(a)は、第2の実施形態に係る基板2βのV溝形成部21の部分斜視図である。この図に示すように、V溝形成部21の上面25からV溝26βの溝底28βまでの深さ寸法は、基板2βの端面24の側に比較して段差面23の側が深く形成される。この図4に示す例は、V溝26βの開き角度θは軸線方向にわたって一定とし、V溝形成部21の上面25から溝底28βまでの深さ寸法は次第に大きくなるように形成される。具体的には、基板2βの端面から所定の距離、例えば基板2βの端面からV溝形成部21の中央近傍までの間は一定で、V溝26βは直線状に形成される。一方、V溝形成部21の中央近傍から段差面23までの間は、段差面23の側に向かうに従って徐々に滑らかに深くなるように形成される。図4中の符号Xβは溝底26βの深さ位置が変化する部分を示す。
なお、光ファイバ4の裸部41の位置決めは、V溝形成部21の上面25からV溝26βの溝底28βまでの深さが一定に形成される部分で行われる。
このような形態においては、光ファイバ4の配列ピッチが小さく、V溝26βの頂部27βが先鋭形状となる場合には、段差面23の側に向かうに従って(言い換えると上面25から溝底28βまでの深さ寸法が大きくなるに従って)、頂部27βの高さもV溝形成部21の上面25から次第に低くなる。ただし、頂部27βから溝底28βまでの深さ寸法はほぼ一定のままで、V溝26βの横断面積もほぼ一定である。一方、光ファイバ4の裸部41の配列ピッチが大きく、頂部27βが平坦となる場合には、V溝26βの深さが変化する部分Xβに示すように、頂部の平坦な部分(すなわちV溝形成部21の上面25)の幅が、段差面23の側に向かうに従って徐々に狭くなる形状となる。
図4(b)は光ファイバの軸線方向に沿ったV溝の断面形状の変化を模式的に示した断面図であり、それぞれ断面Dは図4(a)のd−d線断面、断面Eは同じくe−e線断面、断面Fは同じくf−f線断面におけるV溝26βの深さ方向の位置及び断面形状を示し、併せて光ファイバ4の裸部41の位置を示す。図4(b)に示すように、各断面線におけるV溝26βの開き角度θは一定であるが、V溝形成部21の上面25から溝底28βまでの深さHは、(断面Dにおける深さH)<(断面Eにおける深さH)<(断面Fにおける深さH)、という関係を有する。
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、段差面23の側に向かうに従ってV溝26βの内壁面と押さえ蓋3の装着面32との間隔が次第に拡大する。このため、光ファイバ4の裸部41はV溝26βの内壁面から徐々に離れ、段差面23においてはV溝26βの内壁面から浮いた状態となる。また、段差面23に対応する押さえ蓋3の装着面32の辺の端縁を円弧状に形成することにより、光ファイバ4の裸部41が押さえ蓋3の端縁と接触することもなくなる。このため、組立て操作時や温度変化による接着剤の膨張収縮等により光ファイバ4の裸部41が上下左右に移動したとしても、光ファイバ4の裸部41の表面が段差面23のエッジ29に接触せず、傷が付くことが防止される。なお、光ファイバ4の裸部41の位置決めはV溝26βの深さHが一定の直線状の部分で行われる。
また、光ファイバ4の裸部41、V溝26βの内壁面及び押さえ蓋3の装着面32の間に形成される間隙の断面積は、段差面23での開口部が大きく、基板2βの端面24側に向かって徐々に小さくなることから、段差面23から接着剤が浸入しやすくなる。このため、接着剤を段差面23から基板2βの端面24に向けて毛管作用により浸入させることにより、間隙内に気泡が生じることなくスムーズに接着剤を充填することができ、接着力の低下を防止できる。
このほか、従来技術と同様に段差面が緩やかに変化するため、被覆部及び被覆部載置部に塗布等される接着剤による応力集中を緩和し、損失増加を防止することができる。
次いで、本発明の実施例について説明する。図5(a)は、ガラスモールドにより作製された本発明の実施例に係る基板のV溝の顕微鏡写真、図5(b)は研削加工により作製された基板のV溝の内壁面の顕微鏡写真である。図より明らかなように、研削加工で作製された基板のV溝の表面は微細な凹凸が多く、光ファイバの裸部が接触すると、この凹凸により傷が付きやすいものと考えられる。これに対しガラスモールドにより作製された本発明に係る基板は、V溝の表面が滑らかであり、光ファイバの裸部が接触しても傷が付きにくいものと考えられる。
図6(a)は、ガラスモールドにより作製された本発明に係る基板のV溝の表面プロフィールを、図6(b)は研削加工により作製された基板のV溝の表面プロフィールを示す。この図から明らかなように、本発明に係る基板のV溝の表面粗さ(最大高さ)Rzは、0.1以下にある。これに対し、研削加工により作製された基板のV溝の内壁面の表面粗さ(最大高さ)Rzは、約0.5μmである。
なお、これら表面プロフィールの測定条件は次のとおりである。測定にはveeco Japan社製の触針式表面性状測定器(型番:DEKTAK−3030)を用いた。触針はダイヤモンド製で先端曲率半径は12.5μmである。測定距離は15μmとし、測定時の針圧は20mgとしている。
これらの基板を用いて、本発明の効果を検証する実験を行った。図7は、本発明の効果を検証する実験の概略を示した模式図である。図に示すように、光ファイバ4を基板2のV溝26に載置し、段差面23からL=100mm突出させる。そして光ファイバ4を矢印pに示すように左右に1回ずつ振り、光ファイバ4が断線に至るまでの回数を計測する。ここで、光ファイバ4の振れ角ηは22.5degとし、光ファイバ4を振る回数は最大で20回とした。
表1は、検証実験の結果を示す。なお、V溝形状の効果及びV溝内壁面の表面性状の効果を検証するため、比較例として、研削加工で作製した従来形状の基板と、ガラスモールドで作製した従来形状の基板を用いた。実験はそれぞれ10回ずつ行っている。研削加工により作製した従来形状の基板では、平均0.6回で断線し、ガラスモールドにより作製した従来形状の基板では平均13.7回で断線した。これに対し本発明の実施例では、20回以内に断線することはなかった。
このように、研削加工で形成された表面粗さRzの大きい従来形状の基板は、光ファイバが断線しやすい。また、ガラスモールドで作製して表面粗さを小さくした従来形状の基板では、断線に至る回数が増加するが、本発明に係る基板には及ぶものではない。このことから、基板を本発明に係る形状とし、V溝内壁面の表面粗さRzを0.1μm以下とすることにより、光ファイバが基板の段差面で破損しにくくなることが確認された。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記実施形態に何ら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。例えば、上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた構成としても良い。すなわち、V溝形成部の段差面側に向かうにつれて、V溝の開き角度θ及びV溝の深さが共に次第に大きくなるなるように形成してもよい。このような構成によれば、V溝の形状は多少複雑になるものの、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第1の実施の形態に係る光ファイバアレイの外観模式図であり、(a)は組立て前の状態を示した分解斜視図、(b)は組立て後の状態を示した結合斜視図である。 第1の実施の形態に係る光ファイバアレイ用の基板のV溝形成部の構成を示した図であり、(a)はV溝形成部の部分拡大図、(b)はV溝の断面形状を模式的に示した断面図である。 組立て後の光ファイバの位置状態を示した図であり、(a)はV溝形成部を光ファイバの軸線に直角に切断した断面図、(b)はV溝形成部を光ファイバの軸線方向に平行に切断した断面図である。 第2の実施の形態に係る光ファイバアレイ用の基板のV溝形成部の構成を示した図であり、(a)はV溝形成部の部分拡大図、(b)はV溝の断面形状を模式的に示した断面図である。 (a)は本発明に係る基板のV溝の顕微鏡写真、(b)は研削加工により作製された基板のV溝の顕微鏡写真である。 (a)は本発明に係る基板のV溝の内壁面の表面プロフィール、(b)は研削加工により作製された基板のV溝の内壁面の表面プロフィールである。 本発明の効果を検証する実験を模式的に示した図である。 従来一般の光ファイバアレイの外観模式図であり、(a)は組立て前の状態を示した分解斜視図、(b)は組立て後の状態を示した結合斜視図である。
符号の説明
1α 第1の実施形態に係る光ファイバアレイ
2α 第1の実施形態に係る基板
3 押さえ蓋
4 光ファイバ
21 V溝形成部
22 平面部
23 段差面
24 端面
25 上面
26α 第1の実施形態に係るV溝
27α 第1の実施形態に係るV溝の頂部
28α 第1の実施形態に係るV溝の溝底
29 段差面のエッジ
31 段差面に対応する端縁
32 装着面
41 裸ファイバ
42 被覆ファイバ
Xα 第1の実施形態に係るV溝断面形状の変化部分

Claims (9)

  1. 光ファイバが装着される複数のV溝を有するV溝部が平面部より段差面を介して延設形成されるV溝基板と、該V溝基板の光ファイバが装着されるV溝部に被着されるファイバ押さえ蓋とからなり、これらのV溝基板及び/又はファイバ押さえ蓋の光ファイバとの接触面の表面粗さが最大高さRzで0.1μm以下であることを特徴とする光ファイバアレイ
  2. 前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が、平面部側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ
  3. 前記V溝基板に形成されるV溝の深さが、平面部側に向かって徐々に深くなっていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ
  4. 光ファイバが装着される複数のV溝を有するV溝部が平面部より段差面を介して延設形成されるV溝基板であって、該V溝基板の前記V溝部の光ファイバとの接触面の表面粗さが最大高さRzで0.1μm以下であることを特徴とする光ファイバアレイ用基板
  5. 前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が、平面部側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバアレイ用基板
  6. 前記V溝基板に形成されるV溝の開き角度が一定である部分を有することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバアレイ用基板
  7. 前記V溝基板に形成されるV溝の深さが、平面部側に向かって徐々に深くなっていることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバアレイ用基板
  8. 前記V溝基板に形成されるV溝の深さが一定である部分を有することを特徴とする請求項7に記載の光ファイバアレイ用基板
  9. 前記請求項4から請求項8に記載の光ファイバアレイ用基板はガラスモールドにより形成されていることを特徴とする光ファイバアレイ用基板
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