JP2005255927A - 熱可塑性樹脂プリプレグとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、トータル目付け斑が改善されて、均一性に優れたプリプレグを提供することを目的とする。
【解決手段】
かかるプリプレグは、(1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、このシート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入する前に、このストランドの幅が下記式を満足し、且つストランドピッチのバラツキ値が7%以下となるように調整し、
W/0.7 ≧ 1000×Y/F
(但し、W:ストランド幅(mm)、F:シート状物の目付(g/m)、Y:ストランドの単位長さ当たりの重量(g/m)を意味する。)
次いで、(2)このシート状物を処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させ、その後、(3)処理浴から導出したシート状物に拡幅処理を行ことを特徴とする方法で得られる。

Description

本発明は、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、均一性に優れたプリプレグとその製造方法に関する。
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる強化繊維複合材料は種々の分野・用途に広く利用されるようになってきた。そして、高度の機械的特性や耐熱性等を要求される航空・宇宙分野や、一般産業分野では、従来、マトリックス樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されてきた。しかし、特に航空・宇宙分野では、これらのマトリックス樹脂は、脆く、耐衝撃性に劣るという欠点を有するため、その改善が求められてきた。また、熱硬化性樹脂の場合、これをプリプリグとしたとき、樹脂のライフ等によるプリプレグの保存管理上の問題点や、成形時間が長く生産性が低い等の問題もあった。
これに対して、熱可塑性樹脂プリプレグの場合は、複合材料としたときの耐衝撃性が優れ、プリプレグの保存管理が容易で、かつ成形時間が短く、成形コスト低減の可能性もある。熱可塑性樹脂プリプレグの製造法としては、従来、例えば、フイルム状の樹脂を加熱溶融して強化繊維材料に含浸させる方法(溶融含浸法)、粉末状の樹脂を流動床法や懸濁法によって強化繊維材料に塗布・融着させる方法(パウダー法)、樹脂を溶液化し、強化繊維材料に含浸後溶媒を除去する方法(溶液含浸法)が知られている。しかしながら、溶融含浸法は、樹脂の溶融粘度が高いため繊維材料の内部にまで均一に樹脂を含浸させるのが困難であり、パウダー法では、樹脂の付着量を調整するのが難しく、溶液含浸法では、使用できる樹脂や溶媒の種類が制限されるという問題点・欠点があった。
従来技術を改良したプリプレグの製造方法として、熱可塑性樹脂の粉末をアルコール等の有機溶媒又は有機溶媒と水との混合溶媒に分散させてサスペンジョンとし、かかるサスペンジョンに炭素繊維のストランド又はシートを浸漬し、樹脂粉末をストランド又はシートに付着させた後加熱して、樹脂を溶融させて熱可塑性樹脂と炭素繊維のストランド又はシートを一体化させる方法が提案されている。この方法によると、樹脂が比較的均一に含浸したプリプレグ(含浸樹脂量のバラツキ値が4.2〜5.0)が得られること、更にサスペンジョンに通電処理を行う方法を組合わせると、バラツキ値が2.8〜3.8のものも得られたことが例示されている。
特公平4−12894
しかしながら、最近の特に航空・宇宙分野の材料としては、より一層均一性等に優れたプリプレグが求められるようになっており、しかもその製造法も出来るだけシンプルなものである必要がある。
本発明は、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、トータル目付け(繊維材料の目付け+樹脂の目付け)の斑が少なく、均一性に優れたプリプレグを提供することを目的とするものである。
本発明の目的は、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなるプリプレグであって、プリプレグのトータル目付けのバラツキ値が7%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂プリプレグによって達成される。なお、ここで含浸とは、強化繊維材料に付着した樹脂が、一旦融解し、繊維間又は繊維表面に樹脂が実質的に連続層として存在する状態をいう。また、トータル目付けとはプリプレグの目付け、即ち、繊維材料の目付けと樹脂の目付けの合計を意味し、プリプレグのトータル目付けのバラツキ値とは、プリプレグの幅方向(シート状物の長さ方向に対して幅方向)でのバラツキ値を意味する。
そして本発明者は、かかるプリプレグを製造するに際して、シート状の強化繊維材料の幅方向の目付け斑を低減すれば、プリプレグのトータル目付け斑も改善できることを見出した。即ち、かかるプリプレグは、強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、(1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、このシート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入する前に、このストランドの幅が下記式を満足し、且つストランドピッチのバラツキ値が7%以下となるように調整し、
W/0.7 ≧ 1000×Y/F
(但し、W:ストランド幅(mm)、F:シート状物の目付(g/m)、Y:ストランドの単位長さ当たりの重量(g/m)を意味する。)
次いで(2)このシート状物を処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させ、その後このシート状物を処理浴から導出することを特徴とする方法で得られる。
また、かかるプリプレグは、強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、(1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、このシート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入・浸漬し、このシート状物に熱可塑性樹脂を付着させ、その後(2)このシート状物を処理浴から導出した後に、このシート状物に拡幅処理を行うことを特徴とする方法でも得られる。
あるいはまた、前記した様な、処理浴への導入前のストランド幅とストランドピッチのバラツキ値の調整と、処理浴からの導出後の拡幅処理を併用する方法はより好ましい方法である。
本発明によれば、強化繊維材料に熱可塑性樹脂を均一にかつ内部にまで含浸させることができ、トータル目付けの斑が少なく、均一性に優れたプリプレグが得られる。そして、得られたプリプレグは、これを用いて色々な用途の強化繊維複合材料に成形でき、プリプレグの均一性が高いが故に、得られた複合材料の機械的特性や耐熱性等の物性が非常に優れたものとなる。
本発明は、シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなる、トータル目付けの斑が少ない、即ち、そのバラツキ値が7%以下、好ましくは5%以下の均一性に優れたプリプレグであるが、また、プリプレグ中の熱可塑性樹脂の含有率が10〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%のものである。
本発明において、シート状の強化繊維材料とは、繊維材料のストランド(モノフィラメントの集合体)を一方向に引き揃えたシート状物を意味する。強化繊維材料としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維又はそれらの混合からなる繊維材料がある。具体的には、無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維を挙げることが出来る。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。好ましいのは、炭素繊維とアラミド繊維である。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂は、特に制限されないが、融点又はガラス転移温度が、150℃以上の結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。好ましい樹脂の具体例は、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドである。これらの樹脂は、2種以上併用しても良い。
本発明のプリプレグは以下の方法によって製造される。即ち、強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、(1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、このシート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入する前に、このストランドの幅が下記式を満足し、且つストランドピッチのバラツキ値が7%以下となるように調整し、
W/0.7 ≧ 1000×Y/F
(但し、W:ストランド幅(mm)、F:シート状物の目付(g/m)、Y:ストランドの単位長さ当たりの重量(g/m)を意味する。)
次いで(2)このシート状物を処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させ、その後このシート状物を処理浴から導出することを特徴とする方法で得られる。
本発明者は、目的とする仕様のプリプレグを得るためには、製造工程中で保つべきストランドの幅とストランドのピッチの均一性が重要であることを知見し、かつストランドの幅は、強化繊維材料の目付けF(シート状物の目付)と、ストランドの単位長さ当たりの重量Yと関連し、上記式を満足すべきであることを見出したものである。かかる関係を満足しない場合には、トータル目付けのバラツキ値が7%以下の均一性に優れたプリプレグは得られない。
図1には、強化繊維材料の複数のストランドが一方向に引き揃えられた状態を模式的に示した。図1において、1はモノフィラメントの集合体であるストランドである。上記式のストランド幅とは、図1における2を意味し、ストランドピッチとはストランド間の間隔3を意味する。そして、ストランドピッチのバラツキ値とは、任意に10カ所で測定した値の平均値に対する偏差値を意味する。
本発明において、ストランド幅とストランドピッチの調整方法・手段は特に制限されるものではないが、例えば、ストランドが処理浴に導入される直前の工程に、櫛ガイド等の糸道の調整ガイドを設けておくのが便利である。ガイドの幅を調節することによって、ストランド幅とストランドピッチを任意に設定することができる。
次いで、複数のストランドが一方向に引き揃えられた状態のシート状物は、熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させられる。処理浴は熱可塑性樹脂の溶液、サスペンジョン、乳化液等であれば良いが、好ましいのは、熱可塑性樹脂粉末のサスペンジョン浴である。中でも、熱可塑性樹脂粉末を分散媒である、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭素類から選ばれた1種若しくは2種以上の有機溶媒又はかかる有機溶媒と水との混合溶媒に分散させたサスペンジョンが好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ等が、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が、ハロゲン化炭化水素類としては、塩化メチレン、ジクロロエタン等が挙げられる。中でも好ましいのは、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンあるいはそれらと水との混合溶媒である。かかる分散媒は、シート状の強化繊維材料を浸漬させたとき繊維材料を適度に開繊させるという作用もあるので、サスペンジョン中の樹脂粉末が繊維材料に均一に付着するのに効果的である。
樹脂粉末は、強化繊維材料への良好な付着(繊維間あるいは繊維表面に樹脂粉末が保持された状態)を考慮すると、樹脂粉末の粒子径は50μm以下で、取扱性の点からは1μmを下回らないのが良く、平均粒子径が5〜20μmの範囲のものが好ましい。
サスペンジョン中の熱可塑性樹脂の濃度((熱可塑性樹脂重量/分散媒重量+熱可塑性樹脂重量)×100)は、1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
シート状の強化繊維材料を浸漬させるときのサスペンジョンの温度は、樹脂の分散状態が良好に保たれる限り特に制限はなく、また、用いられる熱可塑性樹脂や分散媒の種類、濃度によって異なるが、通常は5〜50℃、好ましくは5〜30℃、さらに好ましくは15〜30℃である。浸漬時間は、熱可塑性樹脂の付着量にも依存するが、通常は5〜180秒間で十分である。
前記の様な条件の下で、シート状の強化繊維材料には10〜70重量%(繊維材料と熱可塑性樹脂の合計量に対して)の熱可塑性樹脂が付着するが、プリプレグの製造上は20〜50重量%程度が好ましい。
その後、この熱可塑性樹脂を付着せしめられたシート状物は、処理浴から引き出される(導出される)。通常、かかるシート状物は、熱可塑性樹脂が分解又は反応しない温度下で乾燥される。一般的には、80〜200℃で1〜20分間乾燥される。次いで、乾燥された強化繊維材料は加熱ゾーンで樹脂が溶融する程度に加熱される。加熱は、100〜400℃に加熱されたローラー間、又はスリット間を通すか、あるいはかかる温度の雰囲気中を通すことによって行うことができる。かかる処理によって付着した樹脂が溶融する。
本発明のプリプレグは、また、強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、(1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、該シート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入・浸漬し、該シート状物に熱可塑性樹脂を付着させ、その後(2)該シート状物を処理浴から導出した後に、該シート状物に拡幅処理を行うという方法によっても製造することができる。
本発明において、シート状物を広げるための拡幅処理の方法・手段は特に特定されないが、例えば、処理浴への導入・含浸工程に引き続いてブロワーを設置しておき、そこでシート状物に圧空等を吹き付ける方法が便利である。圧空等を吹き付ける場合、その圧力や風量等は特に制限されるものではなく、シート状物に不都合なダメージを与えない範囲内で、所望の拡幅効果が得られる条件を任意に設定することができる。かかる拡幅処理によって、ストランドの収束が防止でき幅方向の目付けが安定し、結果的にシート状物の目付けの斑と含浸した樹脂の付着斑が改善される。また、シート状物の表面に余分に付着している樹脂が除去されるという効果も得られる。
本発明においては、前記した様な、処理浴への導入前のストランド幅とストランドピッチのバラツキ値の調整と、処理浴からの導出後の拡幅処理を併用する方法はより好ましい方法である。
本発明において、強化繊維材料からなるシート状物と熱可塑性樹脂の接着力をより高めるためには、強化繊維材料のストランドに繊維の集束剤、油剤、糊剤等が付着している場合には、事前にこれらを除去しておく方が望ましい。
本発明の製造方法の一例を、図2を参照しながら説明する。図2において、クリール4から取り出された強化繊維材料のストランド1は、糸道調整ガイド5を経てシート状物6を形成し、熱可塑性樹脂を含む処理浴7に導入される。シート状物6が処理浴7を通過する間に、樹脂がシート状物6に付着せしめられる。次いで、処理浴7から取出されたシート状物6は、乾燥機9に導入され溶媒又は分散媒を除去することによって乾燥される。次いで、シート状物6は加熱ゾーン10で樹脂を溶融する程度に加熱され、樹脂は溶融し繊維材料表面及び繊維間に含浸せしめられる。次いでシート状物6は引取りローラー11を経て巻取りローラー12に巻き取られる。
以下、具体的な実施例により本発明を説明する。各実施例及び比較例において、得られたプリプレグの均一性の評価は、トータル目付けのバラツキ値で評価した。バラツキ値は、シート状のプリプレグの幅方向で、20mm×100mm四方の試験片を10mm間隔で10点切り取り、トータル目付けを測定し、その平均値からの偏差値(%)で示した。
ポリイミド樹脂(三井化学製PIXA−M)粉末(平均粒子径12μm)をアセトンに分散させ、7%濃度のサスペンジョンを調整した。サスペンジョン浴に炭素繊維のストランド(東邦テナックス社製IM6000、単繊維直径5μmのフィラメントが24,000本集合したもの、ストランドの単位長さ当たりの重量(Y):0.8g/m)を平行に50本引き揃えたシート状物(目付け(F):133g/m)を30〜60秒間浸漬し、樹脂の付着量が35重量%になるように調整した。サスペンジョン浴の導入部に隣接して、糸道調整ガイドとして櫛ガイド(ピッチ3.8mm、線径1.8mm)を設け、サスペンジョン浴に導入・浸漬される直前のストランドを、このガイドに通すことによって、ストランド幅(W)を5.8mmに、ストランドピッチとそのバラツキ値をそれぞれ5.0mmと6.8%に調節した。(W/0.7 ≧ 1000×Y/Fの式において、W ≧ 4.2)。
サスペンジョン浴の導出部に隣接して圧空を用いたブロワーを設置しておき、サスペンジョン浴から取り出(導出)された、樹脂が付着したシート状物に5kg/cmの圧空を1〜2秒付与し、シート状物の拡幅処理を行った。引き続いて、シート状物を150℃で1〜2分間乾燥させ、次いで、表面温度が320〜340℃のヒートローラー間を通し、樹脂を加熱溶融させ炭素繊維材料に含浸させることにより、一体化した強化炭素繊維のプリプレグを得た。得られたプリプレグのトータル目付けは205g/m、バラツキ値は4.2%であった。
実施例1において、ブロワーによる拡幅処理を省略し、サスペンジョン浴に導入・浸漬される直前のストランドを、櫛ガイドに通すことによって、ストランド幅(W)を4.3mmに、ストランドピッチとそのバラツキ値をそれぞれ5.1mmと6.5%に調節し、その他は実施例1の場合と同様にして、熱可塑性樹脂プリプレグを得た。得られたプリプレグのトータル目付けは205g/m、バラツキ値は6.9%であった。
実施例1において、糸道調整ガイドによるストランドの調整は省略し、その他は実施例1の場合と同様にして、熱可塑性樹脂プリプレグを得た。この場合、サスペンジョン浴に導入・浸漬されるストランドのストランド幅(W)は6.1mm、ストランドピッチとそのバラツキ値をそれぞれ5.3mmと15.6%であった。得られたプリプレグのトータル目付けは203g/m、バラツキ値は5.8%であった。
実施例1における炭素繊維のストランドのパーンを変えて、実施例3の実験を繰り返した(糸道調整ガイドによるストランドの調整は省略)。この場合、サスペンジョン浴に導入・浸漬されるストランドのストランド幅(W)は4.0mm、ストランドピッチとそのバラツキ値はそれぞれ5.3mmと18.5%であった。得られたプリプレグのトータル目付けは203g/m、バラツキ値は6.8%であった。
[比較例1]
実施例1において、ブロワーによる拡幅処理も糸道調整ガイドによるストランドの調整も省略して、その他は実施例1の場合と同様にして、熱可塑性樹脂プリプレグを得た。この場合、サスペンジョン浴に導入・浸漬されるストランドのストランド幅(W)は4.1mm、ストランドピッチとそのバラツキ値は、それぞれ5.5mmと18.2%であった。得られたプリプレグのトータル目付けは201g/m、バラツキ値は10.1%であり、均一性に劣っていた。
本発明の均一性に優れたプリプレグは、目的に応じて、積層し、再度加熱、加圧して実質的に均一構造の複合材料に成形することが出来る。得られた複合材料は、優れた耐衝撃性等の機械的性質や優れた耐熱性等を有するので、航空・宇宙分野や一般産業分野に広く使用される。
一方向に引き揃えられた複数のストランドの状態を示す模式図 本発明のプリプレグを製造するための製造工程の一例を示す概略図
符号の説明
1 強化繊維材料のストランド
2 ストランド幅
3 ストランドピッチ
4 クリール
5 糸道調整ガイド
6 シート状物
7 処理浴
8 ブロワー
9 乾燥機
10 加熱ゾーン
11 引取りローラー
12 巻取りローラー




Claims (11)

  1. シート状の強化繊維材料とこれに含浸せしめられた熱可塑性樹脂とからなるプリプレグであって、プリプレグのトータル目付のバラツキ値が7%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂プリプレグ。
  2. プリプレグのトータル目付のバラツキ値が、5%以下であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂プリプレグ。
  3. プリプレグ中の熱可塑性樹脂の含有率が、10〜70重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂プリプレグ。
  4. 熱可塑性樹脂の融点又はガラス転移温度が、150℃以上の結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3記載の熱可塑性樹脂プリプレグ。
  5. 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドなる群から選ばれた1種若しくは2種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1〜4記載の熱可塑性樹脂プリプレグ。
  6. 強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、
    (1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、該シート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入する前に、該ストランドの幅が下記式を満足し、且つストランドピッチのバラツキ値が7%以下となるように調整し、
    W/0.7 ≧ 1000×Y/F
    (但し、W:ストランド幅(mm)、F:シート状物の目付け(g/m)、Y:ストランドの単位長さ当たりの重量(g/m)を意味する。)
    次いで
    (2)該シート状物を処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させ、その後該シート状物を処理浴から導出することを特徴とする熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  7. 強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、
    (1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、該シート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入・浸漬し、該シート状物に熱可塑性樹脂を付着させ、その後
    (2)該シート状物を処理浴から導出した後に、該シート状物に拡幅処理を行うことを特徴とする熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  8. 強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えて得られたシート状物に、熱可塑性樹脂を含浸させてプリプレグを製造するに当たり、
    (1)強化繊維材料の複数のストランドを一方向に引き揃えてシート状物にし、該シート状物を熱可塑性樹脂を含む処理浴に導入する前に、該ストランドの幅が下記式を満足し、且つストランドピッチのバラツキ値が7%以下となるように調整し、
    W/0.7 ≧ 1000×Y/F
    (但し、W:ストランド幅(mm)、F:シート状物の目付(g/m)、Y:ストランドの単位長さ当たりの重量(g/m)を意味する。)

    次いで
    (2)該シート状物を処理浴に導入・浸漬し熱可塑性樹脂を付着させ、その後
    (3)該シート状物を処理浴から導出した後に、該シート状物に拡幅処理を行うことを特徴とする熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  9. 処理浴が、熱可塑性樹脂粉末を、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭素類から選ばれた1種若しくは2種以上の有機溶媒又はかかる有機溶媒と水との混合溶媒に分散させたサスペンジョン浴であることを特徴とする請求項6〜8記載の熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  10. 熱可塑性樹脂粉末の平均粒子径が、5〜20μmであることを特徴とする請求項9記載の熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  11. サスペンジョン浴中の熱可塑性樹脂の濃度が、1〜50重量%である請求項9記載の熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。

































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