JP2005254709A - 液体噴射装置、及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吐出不良が生じない程度にフラッシング間隔を可及的に延長することができるようにする。
【解決手段】 制御部は、各ノズル開口における前回フラッシング時(記録動作開始時)から今回吐出時(ファーストドット形成時)までの非吐出時間を判定対象時間Tとして取得し、判定対象時間Tがファーストドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定し、判定対象時間Tがファーストドットの大きさに応じた許容時間を超えている場合に、ファーストドットの形成情報を、当該ファーストドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する。
【選択図】 図5
【解決手段】 制御部は、各ノズル開口における前回フラッシング時(記録動作開始時)から今回吐出時(ファーストドット形成時)までの非吐出時間を判定対象時間Tとして取得し、判定対象時間Tがファーストドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定し、判定対象時間Tがファーストドットの大きさに応じた許容時間を超えている場合に、ファーストドットの形成情報を、当該ファーストドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、インクジェット式プリンタ等の液体噴射装置、及びその制御方法に関し、特に、液量の異なる複数種類の液滴を吐出することで大きさの異なるドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置、及びその制御方法に関する。
液体噴射装置は、液体を液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、吐出対象物としての記録紙等に対して液体状のインクを吐出してドットを形成することにより記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、有機EL(Electro luminescence)ディスプレー、或いはFED(面発光ディスプレー)等のディスプレー製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して吐出するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
ここで、上記インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタと略記する。)を例に挙げると、このプリンタは、インクカートリッジからのインクが供給される圧力室と、この圧力室に通じるノズル開口を列設してなる複数のノズル列と、圧力室内のインクの圧力を変動させる圧力発生素子とを有する記録ヘッドを備え、圧力発生素子を駆動することによりノズル開口からインク滴を吐出するように構成されている。そして、この種のプリンタとして、吐出量の異なるインク滴を吐出することで大きさの異なるドットを記録紙等の吐出対象物に形成する多階調記録が可能なものも提案されている。
上記記録ヘッドのノズル開口におけるインクの自由表面(メニスカス)は、記録動作中では空気中に晒される。そのため、記録動作中に非吐出状態が継続するノズル開口では、非吐出時間の経過と共に溶媒が徐々に蒸発してインクが増粘し、インク滴の飛翔方向にずれが生じたり、インク滴の吐出が不能となる等の吐出不良が生じる虞がある。
この吐出不良を未然に防止するために、この種のプリンタでは、インク滴が吐出されない程度にノズル開口に露出したインクのメニスカスを微振動させる微振動動作を行っている。この微振動動作を行うことにより、ノズル開口に露出したインクが移動して増粘していないインクと交換されるので、インクの増粘を低減することができる。しかしながら、非吐出状態が長時間継続した場合には、この微振動動作によってもインクの増粘を完全に防止することができない。そのため、上記プリンタでは、この微振動動作に加えて、記録動作(吐出動作)とは関係なくインク滴を強制的に吐出させるフラッシング動作を行っている(例えば、特許文献1参照)。このフラッシング動作では、一定の動作間隔(以下、フラッシング間隔という)毎に、吐出対象物から外れた位置にあるインク受け部材まで記録ヘッドを移動させ、その位置で全ノズルからインク滴が吐出される。このフラッシング動作により、増粘したインクが排出されるので、吐出不良をより効果的に防止することができる。
ところで、記録動作中のノズル開口において非吐出状態(空走状態)が継続する非吐出時間の許容範囲(以下、許容時間という)は、非吐出時間経過後の最初のインク滴の吐出によって形成されるドット(以下、ファーストドットという)の大きさ、即ち、インク滴の吐出量に応じて異なる。例えば、ファーストドットが小ドットの場合、非吐出時間が約9秒までなら問題なくドットを形成できるが、9秒を超えてしまうと、インクの増粘により吐出不良が発生する虞がある。したがって、この小ドットの場合、非吐出時間についての許容時間は9秒である。そして、この小ドットよりも大きいドット、即ち、吐出量が多いドットについては、許容時間が小ドットのものよりも長くなる。このことから、従来のプリンタにおけるフラッシング間隔は、インクの増粘の影響を最も受け易い小ドットの許容時間と同じ時間に設定されている。
しかしながら、記録動作中に比較的短い間隔で頻繁にフラッシング動作を行うと、その分多くの時間を費やすため、高速記録の実現の支障となり、また、その分多くのインクを消費してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吐出不良が生じない程度にフラッシング間隔をより長い時間に設定できるようにするものである。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、圧力室に通じるノズル開口、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、該圧力発生素子の作動によって前記ノズル開口から液滴を吐出して吐出対象物上にドットを形成する液体噴射ヘッドを備え、
該液体噴射ヘッドは、大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得手段と、
前記非吐出時間取得手段により取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段により、前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換手段とを備えることを特徴とする。
該液体噴射ヘッドは、大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得手段と、
前記非吐出時間取得手段により取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段により、前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、非吐出時間に応じて、非吐出時間経過後の最初の形成対象ドットのドット形成情報を、この形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換するので、非吐出時間が形成対象ドットの許容時間を超えている場合においても、吐出不良の虞無くドットを形成することができる。そのため、液体噴射ヘッドが形成可能な最大ドットの許容時間をフラッシング間隔として設定することができ、その結果、フラッシング動作回数を低減することができる。したがって、その分記録動作の高速化を図ることができる。また、フラッシング動作回数の低減により、その分のインクの消費量を抑えることができる。
そして、上記構成において、前記液体噴射ヘッドは、大きさの異なる3種類以上のドットを形成可能に構成され、
前記形成情報置換手段は、前記代替ドットとして、許容時間が前記判定対象時間よりも長いもののうち、大きさが前記形成対象ドットの大きさにより近いものを選択することが望ましい。
前記形成情報置換手段は、前記代替ドットとして、許容時間が前記判定対象時間よりも長いもののうち、大きさが前記形成対象ドットの大きさにより近いものを選択することが望ましい。
また、前記各ドットの大きさに応じた指標を記憶するドット指標記憶手段を設け、
前記形成情報置換手段が、前記形成対象ドットの指標と前記代替ドットの指標との差分を相殺するように、前記代替ドットの近傍にある近傍ドットの形成情報の置換を行う構成を採用するのが望ましい。
前記形成情報置換手段が、前記形成対象ドットの指標と前記代替ドットの指標との差分を相殺するように、前記代替ドットの近傍にある近傍ドットの形成情報の置換を行う構成を採用するのが望ましい。
上記構成によれば、ドット形成情報の置換前と置換後とで、ドット形成位置近傍の濃度を揃えることができる。
また、前記液体噴射ヘッドが、通常の吐出動作とは関係なく液滴を強制的に吐出するフラッシング動作を、フラッシング間隔毎に行うように構成され、
前記非吐出時間取得手段は、吐出動作開始後又は前回フラッシング動作終了後から最初の吐出までの非吐出時間を判定対象時間として取得するのが望ましい。
前記非吐出時間取得手段は、吐出動作開始後又は前回フラッシング動作終了後から最初の吐出までの非吐出時間を判定対象時間として取得するのが望ましい。
上記構成において、前記各ドットのうち最も大きいドットの許容時間を前記フラッシング間隔として、この動作間隔毎にフラッシング動作を実行するのが望ましい。
本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力室に通じるノズル開口、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、該圧力発生素子の作動によって前記ノズル開口から液滴を吐出して吐出対象物上にドットを形成する液体噴射ヘッドを備え、
大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置の制御方法において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得工程と、
前記非吐出時間取得工程において取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定工程と、
前記時間判定工程において前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換工程とを経て成ることを特徴とする。
大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置の制御方法において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得工程と、
前記非吐出時間取得工程において取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定工程と、
前記時間判定工程において前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換工程とを経て成ることを特徴とする。
上記構成によれば、非吐出時間に応じて、非吐出時間経過後の最初の形成対象ドットのドット形成情報を、この形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換するので、非吐出時間が形成対象ドットの許容時間を超えている場合においても吐出不良の虞無くドットを形成することができる。そのため、液体噴射ヘッドが形成可能な最大ドットの許容時間をフラッシング間隔として設定することができ、その結果、フラッシング動作回数を低減することができる。したがって、その分記録動作の高速化を図ることができる。また、フラッシング動作回数の低減により、その分のインクの消費量を抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、本発明の液体噴射装置の一例として図1に示すインクジェット式プリンタ(以下、プリンタと略記する)を例示する。
図1に例示したプリンタ1は、インク(本発明における液体の一種)をインク滴(本発明における液滴の一種)として吐出可能な記録ヘッド2が取り付けられると共に、インクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2(キャリッジ4)を記録紙6(本発明における吐出対象物の一種)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、ヘッド移動方向に直行する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構19とを備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向であり、紙送り方向とは、副走査方向である。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド8に軸支された状態で取り付けられていると共に、駆動プーリ9と遊転プーリ10の間に掛け渡したタイミングベルト11が接続されている。駆動プーリ9はパルスモータ12の回転軸に接合されており、このパルスモータ12の作動により、キャリッジ4、即ち、記録ヘッド2が、ガイドロッド8に沿って主走査方向に移動する。即ち、ガイドロッド8、駆動プーリ9、遊転プーリ10、タイミングベルト11、パルスモータ12によってキャリッジ移動機構7が構成されている。
記録ヘッド2(キャリッジ4)の主走査方向の位置は、リニアエンコーダ13によって検出され、検出信号が位置情報として制御部14(図3参照)に送信される。これにより、制御部14はこのリニアエンコーダ13からの位置情報に基づいて記録ヘッド2の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作や、この記録動作とは関係なく一定のフラッシング間隔毎にインク滴を強制的に吐出するフラッング動作等を制御することができる。なお、本実施形態においては、このフラッシング動作の動作間隔(フラッシング間隔)が20秒に設定されている。このフラッシング間隔である20秒は、以下で述べる大ドットの許容時間と同じである。即ち、本実施形態におけるプリンタ1では、フラッシング間隔が、記録ヘッド2が形成可能なドットのうちの最大ドットの許容時間に設定されている。これは、記録動作開始後、又は、フラッシング動作終了後に最初に形成されるドット(本発明における形成対象ドットの一種:以下、ファーストドットという)の形成情報を、前回吐出時(フラッシング動作終了時又は記録動作開始時)から今回吐出時(ファーストドット形成時)までの非吐出時間に応じて、これよりも大きいドット(以下、代替ドット)の形成情報に置換することで、非吐出時間がファーストドットの許容時間を超えている場合においてもドットの形成を可能としていることによる。このファーストドットの形成情報の置換処理については、図5を用いて後述する。
紙送り機構19は、駆動源としての紙送りモータ15、この紙送りモータ15によって回転駆動される紙送りローラ16等により構成される。この紙送り機構19は、副走査時において、制御部14の制御の下、紙送りモータ15を駆動して紙送りローラ16を回転させることにより、プラテン5上に載置された記録紙6を紙送り方向に搬送するように構成されている。
記録ヘッド2の移動範囲内におけるプラテン5の外側(図1において右側)の領域には、記録ヘッド2の走査の基点位置であるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、記録ヘッド2のノズルプレート33(図2参照)の表面をクリーニングするためのワイパー機構17と、このノズルプレート33を封止可能なキャッピング機構18とが配設されている。
ワイパー機構17は、エラストマー等の弾性部材で作製されたワイパブレード17´を具備し、記録ヘッド2が上方を通過する際にワイパブレード17´をノズルプレート33に摺接させて、ノズルプレート33に付着したインク等の汚れを払拭するように構成されている。
キャッピング機構18は、上方が開口したトレイ状のキャップ部材18´によってノズルプレート33を封止し、ノズル開口40(図2参照)からのインク溶媒の蒸発を防止するものである。
キャッピング機構18は、上方が開口したトレイ状のキャップ部材18´によってノズルプレート33を封止し、ノズル開口40(図2参照)からのインク溶媒の蒸発を防止するものである。
プラテン5は、記録紙6を載置・案内する部材である。このプラテン5の上面には、複数の当接突起20(ダイヤモンドリブともいう)が上方に向けて突設されている。この当接突起20は、記録紙6の背面に当接してこの記録紙6を支持する部材である。この当接突起20の周囲は、プラテン5の周縁部よりも一段低く形成された溝部21となっており、この溝部21内にスポンジ等の吸液部材22が配設されている。この吸液部材22は、記録紙6の範囲外に吐出されたインク滴を吸収して装置内の汚染を防止する部材である。この吸液部材22の下部は図示しない排液タンクに連通しており、吸液部材22に吐出されたインク滴は、排液タンクに向けて浸透してこの排液タンク内に貯留されるようになっている。
上記キャッピング機構18のキャップ部材18´とプラテン5の吸液部材22とは、フラッシング動作時にも用いられる。即ち、フラッシング動作の実行時において、キャップ部材16´と吸液部材22は、記録ヘッド2から吐出されたインク滴の受けとして用いられる。
次に、図2を参照して、上記記録ヘッド2について説明する。図2に例示した記録ヘッド2は、本発明の液体噴射ヘッドの一種であり、液量の異なる複数種類のインク滴を吐出することで、大きさの異なる複数種類のドットを、記録紙6上に形成可能であり、本実施形態においては、大ドット、中ドット、小ドットの合計3種類のドットを形成可能に構成されている。
この記録ヘッド2は、ケース25と、このケース25内に収納される振動子ユニット26と、ケース25の底面(先端面)に接合される流路ユニット27等を備えている。上記のケース25は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット26を収納するための収納空部28が形成されている。振動子ユニット26は、圧力発生素子として機能する圧電振動子29と、この圧電振動子29が接合される固定板30と、圧電振動子29に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル31とを備えている。圧電振動子29は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。
この記録ヘッド2は、ケース25と、このケース25内に収納される振動子ユニット26と、ケース25の底面(先端面)に接合される流路ユニット27等を備えている。上記のケース25は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット26を収納するための収納空部28が形成されている。振動子ユニット26は、圧力発生素子として機能する圧電振動子29と、この圧電振動子29が接合される固定板30と、圧電振動子29に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル31とを備えている。圧電振動子29は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。
流路ユニット27は、流路形成基板32の一方の面にノズルプレート33を、流路形成基板32の他方の面に弾性板34をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット27には、リザーバ36と、インク供給口37と、圧力室38と、ノズル連通口39と、ノズル開口40とを設けている。そして、インク供給口37から圧力室38及びノズル連通口39を経てノズル開口40に至る一連のインク流路が、ノズル開口40毎に対応して形成されている。
上記ノズルプレート33は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル開口40を列状に穿設した金属製の薄いプレートである。本実施形態では、このノズルプレート33をステンレス製の板材によって構成し、ノズル開口40の列(ノズル列)を複数設けている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル開口40によって構成される。そして、本実施形態における記録ヘッド2は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の合計4種類のインクを吐出可能に構成されており、第1ノズル列から第4ノズル列までの合計4列のノズル列が、各色に対応させてノズルプレート33に形成されている。
上記弾性板34は、支持板42の表面に弾性体膜43を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板42とし、この支持板42の表面に樹脂フィルムを弾性体膜43としてラミネートした複合板材を用いて弾性板34を作製している。この弾性板34には、圧力室38の容積を変化させるダイヤフラム部44が設けられている。また、この弾性板34には、リザーバ36の一部を封止するコンプライアンス部45が設けられている。
上記のダイヤフラム部44は、エッチング加工等によって支持板42を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部44は、圧電振動子29の先端面が接合される島部46と、この島部46を囲う薄肉弾性部47とからなる。上記のコンプライアンス部45は、リザーバ36の開口面に対向する領域の支持板42を、ダイヤフラム部44と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバ36に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部46には圧電振動子29の先端面が接合されているので、この圧電振動子29の自由端部を伸縮させることで圧力室38の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室38内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル開口40からインク滴を吐出させるようになっている。
図3は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ1は、プリンタコントローラ51と、プリントエンジン52とを備えている。プリンタコントローラ51は、図示しないホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データ等を受信するインタフェース(外部I/F)53と、各種データの記憶等を行うRAM54と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM55と、CPU等により構成され各部の電気的制御を行う制御部14と、クロック信号を発生する発振回路56と、吐出データから非吐出情報(ドットを形成しない非形成情報)の連続出現回数を計数するための0カウンタ57と、記録ヘッド2へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路58と、吐出データ及び駆動信号等をプリントエンジン52側に送信するためのインタフェース(内部I/F)59と、計時手段として機能するタイマー回路60を、内部バスによって相互に接続した状態で備えている。
なお、本実施形態において「印刷データ」は外部装置からプリンタ1に送られてきたデータを意味し、「吐出データ」は記録ヘッド2に送信するデータを意味する。そして、この「吐出データ」は、本発明におけるドットパターンデータの一種に相当する。
外部I/F53は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ等の外部装置から受信する。また、外部I/F53は、外部装置に対してビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等のプリンタ1の状態を示すステータス信号を出力する。RAM54は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ、或いはワークエリア(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファには、外部I/F53が受信した外部装置からの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファには、制御部14によって変換された中間コードデータが記憶される。出力バッファには、記録ヘッド2に伝送される吐出データが展開される。ROM55は、制御部14によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。なお、上記RAM54は、吐出データにおいて、後述するドット形成情報の置換が行われた場合に、置換されたドット形成情報の位置を記憶するようになっている。また、このROM55は、ドットの大きさに応じた指標(ランク)を記憶しており、本発明におけるドット指標記憶手段として機能する。
制御部14は、外部装置から送信された印刷データを、大ドット、中ドット、小ドットの何れのドットを形成するか、又は、何れのドットも形成しないかを示す形成情報(大ドット形成情報、中ドット形成情報、小ドット形成情報、又は、非形成情報)に対応した吐出データに展開して記録ヘッド2に送信する。この場合において、制御部14は、受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードデータに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。そして、制御部14は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM55内のフォントデータやグラフィック関数等を参照して中間コードデータを吐出データに展開する。
なお、本実施形態における制御部14は、吐出データのドット数(形成情報の個数)を時間に換算可能に構成されている。例えば、1秒に相当する形成情報の個数(1秒間に形成可能なドットの数)は5万個と規定されている。
なお、本実施形態における制御部14は、吐出データのドット数(形成情報の個数)を時間に換算可能に構成されている。例えば、1秒に相当する形成情報の個数(1秒間に形成可能なドットの数)は5万個と規定されている。
本実施形態におけるプリンタ1は、本実施形態においては、大ドット、中ドット、小ドット、及び非記録の4階調での記録動作が可能に構成されている。そのため、上記吐出データは、非形成情報を示す「00」、小ドット形成情報を示す「01」、中ドット形成情報を示す「10」、及び、大ドット形成情報を示す「11」のように、1ドットあたり2ビットの形成情報で構成されている。この展開された吐出データは出力バッファに一旦記憶されると共に、0カウンタ57に出力される。
上記制御部14は、展開された吐出データを、フラッシング間隔に相当するドットの纏まり毎に上記0カウンタ57に出力すると共に、この0カウンタ57に非形成情報を示す「00」の出現回数の計数を指示する。0カウンタ57は、制御部14による指示に応じて、吐出データ中の非形成情報「00」の出現回数の計数を開始し、非形成情報以外の形成情報(小ドット、中ドット、又は大ドットの形成情報)が入力されたタイミングで、計数結果を制御部14に出力すると共に、値がリセットされるように構成されている。この0カウンタ57は、ノズル開口40毎に非形成情報の計数が可能となっている。そして、制御部14は、0カウンタ57からの計数結果に応じて、ノズル開口40毎に、前回吐出時としての前回フラッシング動作終了時(又は記録動作開始時)から今回吐出時までの非吐出時間を取得(算出)する。したがって、0カウンタ57と制御部14とによって、本発明における非吐出時間取得手段が構成されている。そして、制御部14は、取得した非吐出時間に応じて、ファーストドットの形成情報を、このファーストドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換するように構成されている。
そして、出力バッファに一回の主走査に相当する1行分の吐出データが得られると、この1行分の吐出データは内部I/F59を通じて記録ヘッド2にシリアル伝送される。そして、出力バッファから1行分の吐出データが送信されると、中間バッファの内容が消去されて次の中間コードデータに対する変換が行われる。
上記の駆動信号発生回路58は、制御部14によってその動作が制御され、各種の駆動信号を発生する。本実施形態の駆動信号発生回路58は、例えば、図4に示すように、大ドット駆動パルスDP1、小ドット駆動パルスDP2、中ドット駆動パルスDP3、及び、非記録時にメニスカスを微振動させるための微振動パルスDP4の組を配置して構成される駆動信号COMを発生し、この駆動信号COMを内部I/F56を介して記録ヘッド2側に供給する。そして、記録ヘッド2では、吐出データに応じて駆動信号COMの各駆動パルス、又は微振動パルスが選択的に圧電振動子29に印加されることにより、駆動パルスに応じた大きさのドットを形成し得るインク滴が吐出され、又はノズル開口40に露出したメニスカスの微振動が行われる。
本実施形態におけるプリンタ1は、増粘速度の速い顔料系インクを使用対象としている。そして、記録動作中においては、ノズルプレート33のノズル形成面がキャップ部材18´の封止状態から開放された状態で記録ヘッド2が往復移動するので、記録動作中において非吐出状態が継続すると、ノズル開口40から溶媒が徐々に蒸発してインクが増粘する。インクが増粘すると、インク滴の飛翔方向にずれが生じたり、インク滴の吐出ができなくなる等の吐出不良が発生する虞がある。例えば、あるノズル開口40において、フラッシング動作終了後のファーストドットが小ドットである場合、非吐出時間が9秒までは問題なくインク滴を吐出して小ドットを形成することができるが、9秒を超えると増粘の影響により吐出不良が発生する虞がある。したがって、本実施形態においては、ファースドットとして小ドットを形成する場合、9秒が非吐出時間についての許容時間であると言える。同様に、本実施形態においては、ファーストドットとして中ドットを形成する場合は15秒、同じく大ドットを形成する場合は20秒が、それぞれ非吐出時間についての許容時間である。
本実施形態におけるプリンタ1は、記録動作開始後、又は、フラッシング動作終了後のファーストドット(大ドットを除く)の形成情報を、非吐出時間に応じてこれよりも大きい代替ドットの形成情報に置換することで、非吐出時間がファーストドットの許容時間を超えている場合においてもドットの形成を可能としている。そして、これに伴い、従来において小ドットの許容時間に設定されていたフラッシング間隔を延長し、即ち、フラッシング間隔を大ドットの許容時間である20秒に設定することで、フラッシング動作の回数を低減していることに特徴を有している。以下、吐出データにおける形成情報置換処理について図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図5に示すように、形成情報置換処理は、制御部14及び0カウンタ57が本発明における非吐出時間取得手段として機能して、各ノズル開口40における前回フラッシング動作終了時(又は記録動作開始時)からファーストドット形成時までの非吐出時間を判定対象時間Tとして取得する非吐出時間取得工程(S1)と、制御部14が本発明における時間判定手段として機能して判定対象時間Tがファーストドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定工程(S3,S4,S7)と、判定対象時間Tがファーストドットの許容時間を超えている場合に、制御部14が本発明における形成情報置換手段として機能して、ファーストドットの形成情報を、当該ファーストドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換工程(S5,S6,S8)とで概略構成されている。なお、形成情報置換工程においては、置換が行われた形成情報の位置と、置換前のドット(ファーストドット)及び置換後のドット(代替ドット)の大きさとが、RAM54のワークエリアに記憶され、後述する近傍形成情報置換処理において用いられる。
制御部14は、まず、非吐出時間取得工程S1において、0カウンタ57からの計数結果に基づき前回フラッシング動作終了後(記録動作開始後)からの非吐出時間を判定対象時間Tとして取得する。即ち、制御部14は、非形成情報の計数結果(個数)を時間に換算することで非吐出時間を判定対象時間Tとして取得する。判定対象時間Tを取得したならば、制御部14は、ファーストドット判定工程S2において、ファーストドットが大ドット、中ドット、小ドットの何れであるかを判定する。そして、ファーストドットが大ドットの場合、本実施形態においてはフラッシング間隔が大ドットの許容時間である20秒に設定されていることから非吐出時間が20秒を超えることがないので、形成情報の置換は発生せず処理は終了する。
上記ファーストドット判定工程S2において、ファーストドットが小ドットであると判定された場合、制御部14は、まず、判定時間Tが小ドット許容時間を超えているか否かを判定し(S3)、判定対象時間Tが小ドット許容時間を超えていない場合、即ち、判定対象時間Tが小ドット許容時間である9秒以内(T≦9)である場合、今回の吐出時において、ファーストドットとして小ドットを問題なく(吐出不良の虞なく)形成することができるので、形成情報の置換を行わずに処理を終了する。一方、判定対象時間Tが小ドット許容時間である9秒を超えている(T>9)と判定された場合、制御部14は、判定対象時間Tが中ドット許容時間を超えているか否かを判定する(S3)。
そして、判定対象時間Tが中ドット許容時間を超えていない、即ち、判定対象時間Tが中ドットの許容時間である15秒以内(9<T≦15)であると判定された場合、制御部14は、許容時間が判定対象時間Tよりも長いもののうち、大きさが小ドット(ファーストドット)により近い中ドットを代替ドットとし、小ドットの形成情報を、代替ドット(中ドット)の形成情報に置換する(S5)。これにより、判定対象時間T、即ち、前回フラッシング終了後(記録動作開始後)からの非吐出時間がファーストドットである小ドットの許容時間を超えていても、ファーストドットの代替ドットとして中ドットを問題なく形成することができる。
しかしながら、判定対象時間Tが中ドット許容時間を超えている場合は、中ドットの形成も困難であるため、制御部14は、ファーストドットである小ドットの形成情報を、代替ドットとしての大ドットの形成情報に置換する(S5)。これにより、判定対象時間T、即ち、非吐出時間が、ファーストドットである小ドットの許容時間9秒、及び、中ドットの許容時間15秒を超えていたとしても、ファーストドットの代替ドットとして大ドットを問題なく形成することができる。
また、上記ファーストドット判定工程S2において、ファーストドットが中ドットであると判定された場合、制御部14は、まず、判定時間Tが中ドット許容時間を超えているか否かを判定し(S7)、判定対象時間Tが中ドット許容時間を超えていない場合、即ち、判定対象時間Tが中ドット許容時間である15秒以内(T≦15)である場合、今回の吐出時において、ファーストドットとして中ドットを問題なく形成することができるので、形成情報の置換を行わずに処理を終了する。一方、判定対象時間Tが中ドット許容時間である15秒を超えている(15<T≦20)と判定された場合、中ドットの形成は難しいが、大ドットであれば問題なく形成することが可能な範囲であるので、制御部14は、ファーストドットである中ドットの形成情報を、代替ドットとしての大ドットの形成情報に置換する(S8)。これにより、判定対象時間T、即ち、前回フラッシング終了後(記録動作開始後)からの非吐出時間がファーストドットである中ドットの許容時間を超えていても、ファーストドットの代替ドットとして大ドットを問題なく形成することができる。
以上のようにして、前回フラッシング動作終了時(記録動作開始時)からファーストドット形成時(今回吐出時)までの非吐出時間に応じて、ファーストドットの形成情報を、このファーストドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換するので、あるノズル開口40において非吐出時間がファーストドットの許容時間を超えている場合においても、吐出不良の虞無くドットを形成することができる。そのため、記録ヘッド2が形成可能な最大ドットの許容時間をフラッシング間隔として設定することができ、その結果、フラッシング動作回数を低減することができる。したがって、その分記録動作の高速化を図ることができる。また、フラッシング動作回数の低減により、その分のインクの消費量を抑えることができる。
ところで、上記のように形成情報の置換を行うと、実際に吐出対処物上に形成される代替ドットはファーストドットよりも大きいので、そのドット形成位置において本来得られるべき濃度よりも濃くなってしまう。そのため、形成情報の置換が行われた際には、置換されたドット(代替ドット)の近傍にある他のドット(近傍ドット)の形成情報の置換処理(近傍形成情報置換処理)が併せて行われ、代替ドットの形成位置を含めた近傍の濃度が、置換前と置換後とで揃うようになっている。ここで、本実施形態においては、小、中、大の各ドットに対し、それぞれのドットの大きさに応じた指標(ランク)が設定されている。例えば、大ドットのランクは3、中ドットのランクは2、小ドットのランクは1、そして、ドットを形成しない場合のランクは0に設定されている。そして、近傍形成情報置換処理においては、ファーストドットのランクと代替ドットのランクとの差分が相殺されるように、近傍ドットの形成情報の置換が行われる。以下、この近傍形成情報置換処理について図6,7を参照して説明する。
図6は、近傍形成情報置換処理を説明する模式図である。同図において、四角枠で区画された領域は、吐出対象物上におけるドット形成位置、即ち、画素であって、代替ドットの画素(※で示す)とその近傍のものを示している。また、図において左右方向の矢印は、記録方向(ヘッド移動方向)を示し、上下方向の矢印は、紙送り方向を示している。さらに、(1)〜(4)の数値は、置換を行う近傍ドットの優先順位を示している。
なお、説明の便宜上、(1)〜(4)の数値は、各近傍ドット自体を表すものとしても用いる。また、(1)〜(4)で示した優先順位は、あくまで例示であって、他の順位を採用することもできる。
なお、説明の便宜上、(1)〜(4)の数値は、各近傍ドット自体を表すものとしても用いる。また、(1)〜(4)で示した優先順位は、あくまで例示であって、他の順位を採用することもできる。
図7は、近傍形成情報置換処理を説明するフローチャートである。制御部14は、まず、置換前のドット(ファーストドット)と置換後のドット(代替ドット)のランクの差分を算出する(S11)。例えば、ファーストドットが小ドット(ランク1)で、代替ドットが中ドット(ランク2)である場合、或いは、ファーストドットが中ドット(ランク2)で、代替ドットが大ドット(ランク3)である場合は、置換前と置換後のランクの差分は1である。また、ファーストドットが小ドット(ランク1)で、代替ドットが大ドット(ランク3)である場合、置換前と置換後のランクの差分は2である。
次に、制御部14は、上記のランクの差分を相殺するように、代替ドットの近傍にある近傍ドットの形成情報の置換を行う(S12)。具体的には、制御部14は、図6に示すように、代替ドット同じラスタライン(以下、第1ラスタラインという)に属し、代替ドットの次に形成される(記録方向の一つ先方側に位置する)近傍ドット(1)、第1ラスタラインの次に記録されるラスタライン(以下、第2ラスタラインという)において代替ドットに対して記録方向の一つ手前側に位置する近傍ドット(2)、第2ラスタラインにおいて代替ドットに対して記録方向の同じ並びに位置する近傍ドット(3)、第2ラスタラインにおいて代替ドットに対して記録方向の一つ先方側に位置する近傍ドット(4)の優先順位で、置換対象の近傍ドットを選択し、これらの近傍ドットの一部又は全体のランクが、上記差分だけ減少するように形成情報を置換する。
例えば、ファーストドットとしての小ドットから、代替ドットとしての中ドットへの置換が行われた場合(ランクの差分1)おいて、近傍ドット(1),(2)が何れもドットを形成せず、近傍ドット(3)が中ドットであったとき、制御部14は、近傍ドット(3)を置換対象のドットとして選択する。そして、制御部14は、この近傍ドット(3)について、中ドット形成情報から小ドット形成情報に置換することで、この近傍ドット(3)のランクを上記差分1だけ減ずる。これにより、この近傍ドットのランクの減少分によって、差分、即ち、ファーストドットから代替ドットへの置換によるランク上昇分を相殺することができる。
また、例えば、ファーストドットしての小ドットから、代替ドットとしての大ドットへの置換が行われた場合(ランクの差分2)において、近傍ドット(1)〜(4)が何れも小ドットであったとき、制御部14は、近傍ドット(1),(2)の2つのドットを置換対象のドットとして選択し、この近傍ドット(1),(2)について、それぞれ小ドット形成情報から非形成情報に置換、即ち、近傍ドット(1),(2)のランクをそれぞれ−1だけ減ずることで、これらの近傍ドット(1),(2)の合計ランクを上記差分2だけ減ずる。即ち、この近傍形成情報置換処理においては、近傍ドットの一部又は全体のランクを調整することで、ランクの差分が相殺されるようになっている。
なお、例えば、ファーストドットから代替ドットへの置換があった場合において、近傍ドット(1)〜(4)の何れについても非形成(非形成情報)である場合には、ランクの調整ができないため、近傍形成情報置換処理は行われないことになる。
このように、ファーストドットの置換が行われた場合に、置換前と置換後のランクの差分を相殺するように近傍ドットの形成情報を置換する(近傍ドットのランクを調整する)ようにしたので、吐出対象物において、代替ドットの形成位置を含めた近傍の濃度を、置換前と置換後とで揃えることができる。
以上の処理が施された吐出データは、内部I/F59を介して記録ヘッド2へ転送され、記録ヘッド2では、この吐出データに基づいてインク滴を吐出する(ドットを形成する)ことで、記録動作が行われると共に、フラッシング間隔として20秒毎にフラッシング動作が実行される。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記各実施形態においては、記録ヘッド2へ転送される前の吐出データに対して、形成情報の置換処理を行う例を示したが、これには限らない。例えば、記録ヘッド2へ転送されてこの記録ヘッド2のバッファに記憶された状態の吐出データに対して形成情報の置換処理を行ってもよい。
また、上記各実施形態においては、フラッシング動作終了後(記録動作開始後)のファーストドットに対して、形成情報の置換処理を行う例を示したが、これには限らず、例えば、記録動作中における前回の吐出時から、今回の吐出時までの非吐出状態が、ファーストドットの許容時間を超えるような場合においても、今回吐出時におけるファーストドットの形成情報の置換処理を行うこともできる。
また、上記各実施形態では、本発明の圧力発生素子として所謂縦振動モードの圧電振動子29を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、電界方向に振動可能な圧電振動子であってもよい。また、各ノズル列毎にユニット化されているものに限らず、所謂撓み振動モードの圧電振動子のように、圧力室38毎に設けられるものであってもよい。さらに、圧電振動子に限らず、発熱素子等の他の圧力発生素子を用いることもできる。
また、本発明は、上記記録ヘッド2以外の液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置にも適用できる。例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1 プリンタ,2 記録ヘッド,3 インクカートリッジ,4 キャリッジ,5 プラテン,6 記録紙,7 キャリッジ移動機構,8 ガイドロッド,9 駆動プーリ,10 遊転プーリ,11 タイミングベルト,12 パルスモータ,13 リニアエンコーダ,14 制御部,15 紙送りモータ,16 紙送りローラ,17 ワイパー移動機構,18 キャッピング機構,19 紙送り機構,20 当接突起,21 溝部,22 吸液部材,25 ケース,26 振動子ユニット,27 流路ユニット,28 収納空部,29 圧電振動子,30 固定板,31 フレキシブルケーブル,32 流路形成基板,33 ノズルプレート,34 弾性板,36 リザーバ,37 インク供給口,38 圧力室,39 ノズル連通口,40 ノズル開口,42 支持板,43 弾性体膜,44 ダイヤフラム部,45 コンプライアンス部,46 島部,47 薄肉弾性部,51 プリンタコントローラ,52 プリントエンジン,53 外部インタフェース,54 RAM,55 ROM,56 発振回路,57 0カウンタ,58 駆動信号発生回路,59 内部インタフェース
Claims (6)
- 圧力室に通じるノズル開口、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、該圧力発生素子の作動によって前記ノズル開口から液滴を吐出して吐出対象物上にドットを形成する液体噴射ヘッドを備え、
該液体噴射ヘッドは、大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得手段と、
前記非吐出時間取得手段により取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定手段と、
前記時間判定手段により、前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換手段とを備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記液体噴射ヘッドは、大きさの異なる3種類以上のドットを形成可能に構成され、
前記形成情報置換手段は、前記代替ドットとして、許容時間が前記判定対象時間よりも長いもののうち、大きさが前記形成対象ドットの大きさにより近いものを選択することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。 - 前記各ドットの大きさに応じた指標を記憶するドット指標記憶手段を設け、
前記形成情報置換手段は、前記形成対象ドットの指標と前記代替ドットの指標との差分を相殺するように、前記代替ドットの近傍にある近傍ドットの形成情報の置換を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記液体噴射ヘッドは、通常の吐出動作とは関係なく液滴を強制的に吐出するフラッシング動作を、フラッシング間隔毎に行うように構成されており、
前記非吐出時間取得手段は、吐出動作開始後又は前回フラッシング動作終了後から最初の吐出までの非吐出時間を判定対象時間として取得することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の液体噴射装置。 - 前記各ドットのうち最も大きいドットの許容時間を前記フラッシング間隔として、この動作間隔毎にフラッシング動作を実行することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
- 圧力室に通じるノズル開口、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、該圧力発生素子の作動によって前記ノズル開口から液滴を吐出して吐出対象物上にドットを形成する液体噴射ヘッドを備え、
大きさの異なる複数種類のドットの形成情報で構成されるドットパターンデータに基づき、ドットの大きさに応じた液量の液滴を吐出することで当該ドットを吐出対象物上に形成可能な液体噴射装置の制御方法において、
前記ノズル開口における前回吐出時から今回吐出時までの非吐出時間を判定対象時間として取得する非吐出時間取得工程と、
前記非吐出時間取得工程において取得された判定対象時間が、今回吐出時における形成対象ドットの大きさに応じた許容時間を超えているか否かを判定する時間判定工程と、
前記時間判定工程において前記判定対象時間が前記許容時間を超えていると判定された場合に、前記形成対象ドットの形成情報を、当該形成対象ドットよりも大きい代替ドットの形成情報に置換する形成情報置換工程とを経て成ることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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- 2004-03-15 JP JP2004071984A patent/JP2005254709A/ja active Pending
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