JP2005254533A - 樹脂成形品の製造方法及び金属調成形シート - Google Patents

樹脂成形品の製造方法及び金属調成形シート Download PDF

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Abstract

【課題】 従来より細かく限定した範囲で金属調成形シートによる装飾が可能になると共に、金属調成形シートによる装飾部分の周りに容易に塗装を施すことができる樹脂成形品の製造方法及び金属調成形シートを提供する。
【解決手段】 本発明に係る樹脂成形品50の製造方法によれば、金属調成形シート10を3次元形状に成形した後に、その金属調成形シート10をホイール装飾部品50のエンブレム部55に対応した装飾構造体10Kにトリミングするので、従来より細かく限定した範囲で金属調成形シート10による装飾が可能になる。また、金属調成形シート10には予めマスキングフィルム23が積層されているので、塗装処理の前に金属調成形シート10にマスキングを行う必要がなくなる。これにより、金属調成形シート10による装飾部分の周りに容易に塗装処理を行うことができる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、3次元形状に成形した金属調成形シートを用いて樹脂成形品をインサート成形する樹脂成形品の製造方法及びその製造方法に用いることが可能な金属調成形シートに関する。
例えば自動車のエンブレム等の樹脂成形品では、装飾用のメッキを施す代わりに金属調成形シートが用いられようになってきている(例えば、特許文献1参照)。その金属調成形シートを用いた従来の製造方法では、金属調成形シートを予め所定形状にカットしておいたものを加熱して3次元形状に成形し、その3次元形状に成形された金属調成形シートを用いてインサート成形を行っていた。
特開2002−370311号公報(請求項1、段落[0001]〜[0003])
ところで、上記した樹脂成形品において、エンブレム部のみに金属調成形シートによる装飾を施す一方、エンブレム部の周りの平坦部には塗装を施したい場合がある。しかしながら、上記した従来の製造方法では、3次元形状に成形された金属調成形シートを、その3次元形状のままインサート成形に用いていたので、金属調成形シートによる装飾部分を細かく限定することができず、上記のようにエンブレムのみに金属調成形シートの装飾を施すことが困難であった。また、塗装工程の塗装が金属調成形シートの表面に付着しないようにするために、塗装工程の前に金属調成形シートにマスキングを施さなければならず、作業性が悪かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より細かく限定した範囲で金属調成形シートによる装飾が可能になると共に、金属調成形シートによる装飾部分の周りに容易に塗装を施すことが可能な樹脂成形品の製造方法及び金属調成形シートの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る樹脂成形品(50)の製造方法は、表面(50A)の一部分(55)に金属調の装飾が施された樹脂成形品(50)の製造方法であって、複数の熱可塑性樹脂層(11,14)と金属層(13)とを積層して備えた金属調成形シート(10,20,30,40)の表面(50A)にマスキングフィルム(23)を積層しておき、その金属調成形シート(10,20,30,40)を加熱して、樹脂成形品(50)の表面(50A)の凹凸に対応した3次元形状に成形する金属調成形シート成形工程と、3次元形状に成形された金属調成形シート(10,20,30,40)を樹脂成形品(50)の一部分(55)に対応した所定形状にトリミングするトリミング工程と、トリミングされた金属調成形シート(10,20,30,40)を用いて樹脂成形品(50)をインサート成形するインサート成形工程と、インサート成形された樹脂成形品(50)のうち表面(50A)全体に塗装を施す塗装工程と、樹脂成形品(50)の表面(50A)から金属調成形シート(10,20,30,40)のマスキングフィルム(23)を剥がすマスキング除去工程とを備えてなるところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の樹脂成形品(50)の製造方法において、樹脂成形品(50)の一部分(55)は、樹脂成形品(50)の表面(50A)から突出し、金属調成形シート(10,20,30,40)により、樹脂成形品(50)の一部分(55)の全体を覆うところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂成形品(50)の製造方法において、金属調成形シート(10,20,30,40)をプレス用金型(81,86)で打ち抜いてトリミングを行うところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂成形品(50)の製造方法において、粘着剤(91)が塗布された粘着シート(90)を、樹脂成形品(50)の表面(50A)に宛がってマスキングフィルム(23)を剥がすところに特徴を有する。
請求項5の発明に係る金属調成形シート(10,20,30,40)は、複数の熱可塑性樹脂層(11,14)と金属層(13)とを積層して備えた金属調成形シート(10,20,30,40)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたところに特徴を有する。
請求項6の発明に係る金属調成形シート(10)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、金属層(13)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(10)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたところに特徴を有する。
請求項7の発明に係る金属調成形シート(20)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(20)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたところに特徴を有する。
請求項8の発明に係る金属調成形シート(30)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、金属層(13)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(30)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたところに特徴を有する。
請求項9の発明に係る金属調成形シート(40)は、少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(40)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたところに特徴を有する。
請求項1の樹脂成形品(50)の製造方法では、金属調成形シート(10,20,30,40)を3次元形状に成形した後に、その金属調成形シート(10,20,30,40)を樹脂成形品(50)の一部分(55)に対応した所定形状にトリミングするので、従来より細かく限定した範囲で金属調成形シート(10,20,30,40)による装飾が可能になる。また、金属調成形シート(10,20,30,40)には予めマスキングフィルム(23)が積層されているので、塗装処理の前に金属調成形シート(10,20,30,40)にマスキングを行う必要がなくなる。これにより、金属調成形シート(10,20,30,40)による装飾部分の周りに容易に塗装を施すことができる。
請求項2の樹脂成形品(50)の製造方法によれば、表面(50A)から突出しかつ金属調成形シート(10,20,30,40)に覆われた樹脂成形品(50)の一部分(55)と、塗装が施された表面(50A)との境界部分に、マスキングフィルム(23)の厚さ分の隙間(59A)が空いて完全に区画されるので、塗装際が明確になる。
請求項3の樹脂成形品(50)の製造方法では、金属調成形シート(10,20,30,40)をプレス用金型(81,86)で打ち抜いてトリミングを行うので、トリミング作業を高精度に、かつ効率よく行うことができる。
請求項4の樹脂成形品(50)の製造方法によれば、塗装工程後に、樹脂成形品(50)のマスキングフィルム(23)を粘着シート(90)の粘着剤(91)に付着させて、効率よくマスキング除去作業を行うことができると共に、金属調成形シート(10,20,30,40)への傷付け防止が図られる。
請求項5〜9の発明に係る金属調成形シート(10,20,30,40)では、その表面(50A)に剥離層(22)とマスキングフィルム(23)とが積層されているので、金属調成形シート(10,20,30,40)を用いた樹脂成形品(50)に対する塗装工程を完了した後にマスキングフィルム(23)を剥がすだけで、金属調成形シート(10,20,30,40)の表面(50A)を滑らかな状態にすることができる。
また、請求項6及び7の金属調成形シート(10,20)では、金属層(13)、透明な熱可塑性樹脂層(14)に重ねて青色顔料インク層(15)を積層したので、青白い光輝が得られるようになり、装飾性が向上する。しかも、その青色顔料インク層(15)に重ねて透明な耐候性インク層(16)を積層したので耐候性も向上する。
請求項8及び9の金属調成形シート(30,40)では、金属層(13)、透明な熱可塑性樹脂層(14)に重ねて、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)を積層したので、青白い光輝が得られて装飾性が向上しかつ耐候性も向上する。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
本実施形態の金属調成形シート10は、図1に示すように、熱可塑性樹脂層11と、接着剤層12と、金属層13と、透明な熱可塑性樹脂層14と、プライマー層18と、青色顔料インク層15と、透明な耐候性インク層16と、剥離層22と、マスキングフィルム23を順番に積層して構成されている。
熱可塑性樹脂層11は、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)製のフィルムで構成されている。この熱可塑性樹脂層11の厚さは、例えば、50〜1500μmになっている。そして、この熱可塑性樹脂層11の一面にウレタン系又はアクリル系の接着剤を、例えば1〜20μmの厚さとなるように塗布して接着剤層12が形成されている。
なお、熱可塑性樹脂層11は、ABS以外に、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリカーボネート系等の熱可塑性樹脂に適宜変更してもよい。
透明な熱可塑性樹脂層14は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムで構成されており、その厚さは、例えば25〜300μmになっている。また、透明な熱可塑性樹脂層14の表裏の一方の面に、例えば、インジウムを5〜300nmの厚さとなるように蒸着させて金属層13が形成され、これら透明な熱可塑性樹脂層14と金属層13とにより金属蒸着フィルム21が構成されている。そして、金属蒸着フィルム21のうち金属層13側を前記した接着剤層12に密着させ、これにより金属層13が1対の熱可塑性樹脂層11,14に挟まれた所謂ラミネート構造になっている。また、透明な熱可塑性樹脂層14のうち金属層13と反対側の面には、塗料の固着強度を高めるための下塗り剤が塗布されてプライマー層18が形成されている。
青色顔料インク層15は、一般に使用されている工業用の青色顔料を含んだウレタン系又はアクリル系のインクを、透明な熱可塑性樹脂層14のうちプライマー層18を備えた面にスクリーン印刷することで形成されている。また、耐候性インク層16は、一般に使用されているウレタン系又はアクリル系の耐候性インクを、青色顔料インク層15に重ねてスクリーン印刷することで形成されている。
ここで、青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の各厚さは、5〜8μmとなっており、従って、青色顔料インク層15と耐候性インク層16とを合わせた厚さは、10〜16μmとなっている。青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の各厚さは、スクリーン印刷に用いるスクリーンのメッシュ数により調節することができる。具体的には、150〜350メッシュのスクリーンを用いることで、1回のスクリーン印刷で厚さ5〜8μmの青色顔料インク層15及び耐候性インク層16を形成することができる。
なお、目的の厚さに応じて、150〜350メッシュのスクリーンを使い分けてスクリーン印刷を行うことが好ましい。また、スクリーン印刷を複数回行って、青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の厚さを調節してもよい。
マスキングフィルム23は、例えばアクリル系の樹脂を厚さ25〜300μmのフィルム状に形成してなる。また、マスキングフィルム23の一方の面には例えばエッチング処理が施され、そこにアクリル系粘着剤を塗布することで剥離層22が形成されている。そして、この剥離層22が耐候性インク層16に密着している。これにより、耐候性インク層16から、剥離層22と共にマスキングフィルム23が剥離可能となっている。
このように構成された金属調成形シート10を用いて製造された樹脂成形品として、例えば図2に示した自動車のホイール装飾部品50が挙げられる。このホイール装飾部品50は、円形基部51に複数の係止爪53を一体形成してなる。詳細には、図3に示すように円形基部51は、全体として周縁部から中心部に向かって徐々に図3の上方側に膨らむように湾曲しており、円形基部51の周縁部からは図3の下方側に向かって周壁52が突出している。そして、その周壁52の下端から前記した複数の係止爪53が張り出し、これら係止爪53が図示しないホイールキャップの中央に形成された孔に挿入されて固定される。
ホイール装飾部品50の表面50Aには、その周縁部からリング部54が上方に***している。また、表面50Aの中央には、文字「P」(図2参照)を形取ったエンブレム部55が上方に***している。そして、ホイール装飾部品50は、全体として熱可塑性樹脂(例えば、ABS、変性PPE、PC、PC+ABS、PP、PA等)で構成されており、エンブレム部55のみに金属調成形シート10を用いた装飾が施され、エンブレム部55を除いた表面50Aの略全体に所定の色の塗装が施されている。
このホイール装飾部品50は、以下に説明する製造工程を経て製造される。
本発明に係る金属調成形シート加熱工程として、金属調成形シート10を図示しないクランプで把持すると共に、同じく図示しないヒーターでこの金属調成形シート10の両面を加熱し、軟化させる。
次に、本発明に係る成形工程として、ホイール装飾部品50の表面の凹凸形状に対応した3次元形状に成形する。そのため、図4に示した真空金型60の上面に金属調成形シート10を敷設する。このとき、金属調成形シート10の熱可塑性樹脂層11(図1参照)側を真空金型60に宛がう。ここで、真空金型60の上面には、文字「P」を形取った複数のエンブレム成形突部61が備えられていると共に、複数の吸引孔62が開口している。
そして、これら吸引孔62を通して金属調成形シート10と真空金型60との間の空気が吸引され、金属調成形シート10が真空金型60の上面に密着する。次いで、真空金型60を冷却し、金属調成形シート10が硬化したら金属調成形シート10を真空金型60から取り外す。これより、金属調成形シート10は、図5に示すように、エンブレム部55の形状に対応した複数のドーム部10Bが平坦部10Aから***した3次元形状に成形される。
次に、本発明に係るトリミング工程として、上記の如く3次元形状に成形された金属調成形シート10をエンブレム部55に対応した所定形状にトリミングして、図7に示した装飾構造体10Kを製作するトリミング工程とを行う。そのために、図6に示したプレス用金型81,86の間に金属調成形シート10を配置して、平坦部10Aから複数のドーム部10Bを打ち抜く。詳細には、一方のプレス用金型81の上面83には、前記真空金型60のエンブレム成形突部61に対応した複数の支持突部82が備えられている。そして、金属調成形シート10の各ドーム部10Bが支持突部82によって下方を支持され、平坦部10Aがプレス用金型81の上面83から上方に浮いた状態に保持される。また、支持突部82における高さ方向の途中部分には、金属調成形シート10における平坦部10Aとドーム部10Bとの境界部分を下方から支持するための段差部84が備えられている。
また、他方のプレス用金型86には、一方のプレス用金型81の支持突部82に対応した部分に打抜用凹所89が形成されている。そして、両プレス用金型81,86が閉じられると、打抜用凹所89の開口縁のエッジ部87と段差部84のエッジ部88とにより、金属調成形シート10の平坦部10Aとドーム部10Bとの境界部分が切断される。このようにして、金属調成形シート10から複数のドーム部10Bが打ち抜かれ、これら打ち抜かれたドーム部10Bが装飾構造体10Kになる。
次に、本発明に係るインサート成形工程として、上記の如くトリミングされた金属調成形シート10(即ち、装飾構造体10K)を用いてホイール装飾部品50をインサート成形する。そのために、図8に示した1対の射出成形金型65,66の間に装飾構造体10Kをインサートする。具体的には、一方の射出成形金型65には、ホイール装飾部品50における円形基部51(図3参照)の表面形状に対応した成形凹所63が陥没形成され、その成形凹所63の奥部中央に、装飾構造体10Kを保持するための装飾体保持用凹所64が設けられている。また、他方の射出成形金型66には、円形基部51の裏面形状に対応した円形突部68が設けられている。さらに、この円形突部68の側方には、図8の左右方向に開閉される1対のスライド金型71,72が設けられている。そして、これらスライド金型71,72を閉じると、スライド金型71,72と円形突部68の側面68Cとの間に係止爪成形空間73が形成されるようになっている。
インサート成形を行うには、一方の射出成形金型65の装飾体保持用凹所64に金属調成形シート10を嵌合固定し、射出成形金型65,66及びスライド金型71,72を閉じ、それら射出成形金型65,66及びスライド金型71,72の間に形成された成形空間に、ランナー部75から溶融樹脂を充填する。そして、射出成形金型65,66及びスライド金型71,72を冷却して溶融樹脂が固化してから、それら射出成形金型65,66及びスライド金型71,72を開く。これにより、図9に示すように、ホイール装飾部品50の一部分であるエンブレム部55のみが、金属調成形シート10(装飾構造体10K)によって覆われた状態になる。
次に、本発明に係る塗装工程として、図10に示すように、インサート成形されたホイール装飾部品50のうち表面50Aに塗料59を付着させる。具体的には、ホイール装飾部品50の係止爪53を遊嵌可能な複数の孔を備えた保持盤(図示せず)に、複数のホイール装飾部品50を保持しておき、それら複数のホイール装飾部品50全体に向けて塗料59をスプレー噴射する。これにより、ホイール装飾部品50のうち円形基部51の表面50A全体を塗装することができる。このとき、ホイール装飾部品50の表面50Aに露出した金属調成形シート10にも塗料59が付着する。
次に、本発明に係るマスキング除去工程として、ホイール装飾部品50の表面から金属調成形シート10のマスキングフィルム23を剥がす。具体的には、図11(A)に示された粘着シート90をホイール装飾部品50の表面50Aに押し付けた後に引き離す。すると、マスキングフィルム23が剥離層22(図1参照)と共に金属調成形シート10から剥離して、粘着シート90の粘着剤91に付着した状態になって除去される。これにより、図3及び図11(B)に示すように、ホイール装飾部品50のうちエンブレム部55のみが金属調成形シート10によって装飾され、エンブレム部55の周りが塗料59によって装飾された状態になり、ホイール装飾部品50の製造が完了する。
このように本実施形態に係る樹脂形成品50の製造方法によれば、金属調成形シート10を3次元形状に成形した後に、その金属調成形シート10をホイール装飾部品50のエンブレム部55に対応した装飾構造体10Kにトリミングするので、従来より細かく限定した範囲で金属調成形シート10による装飾が可能になる。また、金属調成形シート10には予めマスキングフィルム23が積層されているので、塗装処理の前に金属調成形シート10にマスキングを行う必要がなくなる。これにより、金属調成形シート10による装飾部分の周りに容易に塗装を施すことができる。しかも、塗装工程後に、樹脂成形品50のマスキングフィルム23を粘着シート90の粘着剤91に付着させて、効率よくマスキング除去作業を行うことができかつ、金属調成形シート10への傷付け防止も図られる。また、図11(B)に示すように、ホイール装飾部品50の表面50Aから突出しかつ金属調成形シート10に覆われたエンブレム部55と、塗料59が塗布された表面50Aとの境界部分に、マスキングフィルム23の厚さ分の隙間59Aが空いて完全に区画されるので塗装際が明確になる。さらに、金属調成形シート10をプレス用金型81,86で打ち抜いてトリミングを行うので、トリミング作業も高精度に、かつ効率よく行うことができる。
その上、本実施形態で用いた金属調成形シート10では、金属層13、透明な熱可塑性樹脂層14に重ねて青色顔料インク層15を積層したことで、クロムメッキのような青白い光輝が得られるようになり、装飾性が向上する。しかも、その青色顔料インク層15に重ねて透明な耐候性インク層16を積層したので耐候性も向上する。
[第2実施形態]
本実施形態の金属調成形シート20は、図12に示されており、前記第1実施形態の金属調成形シート10における金属層13と透明な熱可塑性樹脂層14との積層順序を逆にして、透明な熱可塑性樹脂層14を接着剤層12側、金属層13をプライマー層18側に配置した構成になっている。上記した構成以外は、前記第1実施形態と同じである。このように構成された金属調成形シート20では、第1実施形態の金属調成形シート10と同様の作用効果を奏すると共に、第1実施形態の金属調成形シート10とは微妙に色調が異なる金属調の装飾効果を得ることができる。
[第3実施形態]
本実施形態の金属調成形シート30は、図13に示されており、前記第1実施形態の金属調成形シート10の青色顔料インク層15及び耐候性インク層16の代わりに、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層17をプライマー層18に重ねて積層した構造になっている。
本実施形態の金属調成形シート30によれば、金属層13、透明な熱可塑性樹脂層14に重ねて、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層17を積層したので、青白い光輝が得られて従来より装飾性が向上しかつ耐候性も向上する。
[第4実施形態]
本実施形態の金属調成形シート40は、図14に示されており、前記第3実施形態の金属調成形シート30における金属層13と透明な熱可塑性樹脂層14との積層順序を逆にして、透明な熱可塑性樹脂層14を接着剤層12側、金属層13をプライマー層18側に配置した構成になっている。このように構成された金属調成形シート40では、第3実施形態の金属調成形シート30と同様の作用効果を奏すると共に、第3実施形態の金属調成形シート30とは微妙に色調が異なる金属調の装飾効果を得ることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態では、プレス用金型81,86を用いて装飾構造体10Kのトリミングを行っていたが、レーザー加工にてトリミングを行ってもよい。
(2)前記第1実施形態では、粘着シート90の粘着剤91にマスキングフィルム23を付着させてマスキング除去作業を行っていたが、例えば、ゴム材を樹脂成形品50の表面50Aに擦り付けてマスキング除去作業を行ってよい。
本発明の第1実施形態に係る金属調成形シートの断面図 ホイール装飾部品の斜視図 ホイール装飾部品の断面図 真空金型の斜視図 樹脂成形金型の断面図 トリミングを行うためのプレス用金型の断面図 トリミングされた金属調成形シートの斜視図 樹脂成形金型の断面図 塗装工程の前のホイール装飾部品の断面図 塗装工程後、マスキング除去工程前のホイール装飾部品の断面図 (A)塗装工程後、マスキング除去工程前のホイール装飾部品の部分拡大断面図 (B)マスキング除去工程後のホイール装飾部品の部分拡大断面図 本発明の第2実施形態に係る金属調成形シートの断面図 本発明の第3実施形態に係る金属調成形シートの断面図 本発明の第4実施形態に係る金属調成形シートの断面図
符号の説明
10,20,30,40 金属調成形シート
11,14 熱可塑性樹脂層
13 金属層
15 青色顔料インク層
16 耐候性インク層
17 耐候性青色透明インク層
23 マスキングフィルム
50 ホイール装飾部品(樹脂成形品)
55 エンブレム部(樹脂成形品の一部分)
60 真空金型
65,66 射出成形金型
81,86 プレス用金型
90 粘着シート
91 粘着剤

Claims (9)

  1. 表面(50A)の一部分(55)に金属調の装飾が施された樹脂成形品(50)の製造方法であって、
    複数の熱可塑性樹脂層(11,14)と金属層(13)とを積層して備えた金属調成形シート(10,20,30,40)の表面(50A)にマスキングフィルム(23)を積層しておき、
    その金属調成形シート(10,20,30,40)を加熱して、前記樹脂成形品(50)の表面(50A)の凹凸に対応した3次元形状に成形する金属調成形シート成形工程と、
    前記3次元形状に成形された前記金属調成形シート(10,20,30,40)を前記樹脂成形品(50)の前記一部分(55)に対応した所定形状にトリミングするトリミング工程と、
    トリミングされた前記金属調成形シート(10,20,30,40)を用いて前記樹脂成形品(50)をインサート成形するインサート成形工程と、
    インサート成形された前記樹脂成形品(50)のうち前記表面(50A)全体に塗装を施す塗装工程と、
    前記樹脂成形品(50)の表面(50A)から前記金属調成形シート(10,20,30,40)の前記マスキングフィルム(23)を剥がすマスキング除去工程とを備えてなることを特徴とする樹脂成形品(50)の製造方法。
  2. 前記樹脂成形品(50)の前記一部分(55)は、前記樹脂成形品(50)の前記表面(50A)から突出し、前記金属調成形シート(10,20,30,40)により、前記樹脂成形品(50)の前記一部分(55)の全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品(50)の製造方法。
  3. 前記金属調成形シート(10,20,30,40)をプレス用金型(81,86)で打ち抜いて前記トリミングを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品(50)の製造方法。
  4. 粘着剤(91)が塗布された粘着シート(90)を、前記樹脂成形品(50)の表面(50A)に宛がって前記マスキングフィルム(23)を剥がすことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂成形品(50)の製造方法。
  5. 複数の熱可塑性樹脂層(11,14)と金属層(13)とを積層して備えた金属調成形シート(10,20,30,40)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたことを特徴とする金属調成形シート(10,20,30,40)。
  6. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、金属層(13)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(10)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたことを特徴とする金属調成形シート(10)。
  7. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、金属層(13)と、青色顔料インク層(15)と、透明な耐候性インク層(16)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(20)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたことを特徴とする金属調成形シート(20)。
  8. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、金属層(13)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(30)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたことを特徴とする金属調成形シート(30)。
  9. 少なくとも熱可塑性樹脂層(11)と、接着剤層(12)と、透明な熱可塑性樹脂層(14)と、金属層(13)と、青色顔料と透明な耐候性透明インクとを混合してなる耐候性青色透明インク層(17)とを順番に積層して備えた金属調成形シート(40)であって、その表面に、剥離層(22)と、マスキングフィルム(23)とが積層されたことを特徴とする金属調成形シート(40)。
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JP2017213816A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 慎怡 姚 多色立体造形物品の製造方法

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