JP2005248127A - 顔料分散剤、及びそれを含有する顔料組成物、並びに顔料分散体 - Google Patents

顔料分散剤、及びそれを含有する顔料組成物、並びに顔料分散体 Download PDF

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Abstract


【課題】印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れる、とりわけナフトール顔料及び縮合アゾ顔料に有効な顔料分散剤を提供する。
【解決手段】下記式で示される顔料分散剤。
【化1】
Figure 2005248127

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CF、−NO、−COOCH(CH、−COOCHCHClを表し、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CNを表し、Mは2価または3価の金属の一当量を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は使用適性、特に非集合性、非結晶性、及び流動性に優れた顔料分散剤に関するものであり、更に詳しくは、印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れる顔料分散剤、及びそれを含有する顔料組成物、並びに顔料分散体に関する。
印刷インキ、塗料等においては顔料を微細な状態で分散させることにより、印刷物または塗加工物の鮮明な色調、光沢等の適性を持たせている。また、顔料を安定な状態で分散させることにより印刷インキや塗料の流動性が向上し印刷適性が向上するばかりでなく、印刷インキや塗料を製造する際の労力やエネルギーを大きく削減することができる。さらに安定な状態の分散体は一般的に貯蔵安定性にも優れる。
しかしながら印刷インキや塗料に用いられる顔料はより鮮明な色調を実現するために微細な粒径であることが多く、そのために顔料粒子間の凝集力が強くなり上記のような適性を持たせることは困難であることが多い。
このような問題を解決するために、顔料分散剤を使用し、顔料とビヒクル間の親和性を良くし、分散体の安定化を図ることが知られており、これまでにも様々な顔料分散剤が開示されている。
例えば、特許文献1及び特許文献2に代表されるように有機顔料を母体骨格とし側鎖にスルホン酸、スルホンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合物を混合する方法が知られているが、これらの化合物は顔料の非集合性、結晶安定性等に関する効果が大きいものの、染料に近い性質を有するため、顔料に比べ耐性が劣る場合があり、これらの化合物を含有する顔料組成物をインキや塗料に使用した時、経時等により化合物の色相が褪色し塗膜色相が変化する場合がある。また、塗膜形成後、ボイル、焼き付け等の高温処理や圧着により、これらの化合物が浮き出て色相の移行(マイグレーション)が生じることがあった。
また、特許文献3及び特許文献4には、これらの問題点を解決する手段として、顔料特有の着色がなく各種顔料に汎用性のあるトリアジン環含有塩基性化合物が開示されているが、これらの化合物はアクリル樹脂やアルキッド樹脂等の酸性官能基を有するバインダーでは効果を示すものの、ナフトール顔料及び縮合アゾ顔料に対しては十分な効果を示さなかった。また、ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂等の塩基性官能基を有するバインダーではほとんど効果を示さない。特にグラビアインキ等に使用される尿素結合を含む塩基性の高いポリウレタン樹脂には全く効果を示さなかった。
特公昭41−2466号公報 USP2855403号公報 特開平8−127749号公報 特開平11−199796号公報
発明が解決しようとする課題は、印刷インキまたは塗料に使用した場合の流動性、分散安定性ならびに乾燥皮膜にした場合の光沢等に優れる、とりわけナフトール顔料及び縮合アゾ顔料に有効な顔料分散剤、及びそれを含有する顔料組成物、並びに顔料分散体を提供することにある。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、縮合アゾ顔料にスルホン酸を導入し、その金属塩が、前記の種々の問題点を改良し、良好に顔料を分散することができることを発見し、本発明を完成するに至った。すなわち、第1の発明は、下記一般式(1)で示される顔料分散剤である。
一般式(1)
Figure 2005248127
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CF、−NO、−COOCH(CH、−COOCHCHClを表し、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CNを表し、Mは2価または3価の金属の一当量を表し、nは1〜3の整数を表す。)
また、第2及び第3の発明は、ナフトール顔料、縮合アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の顔料、第1の発明の顔料分散剤及び場合によっては重量平均分子量1000〜100000の樹脂型顔料分散剤からなる顔料組成物である。
さらに、第4の発明は、第2及び第3の発明の顔料組成物を非水性または水性ビヒクルに分散してなる顔料分散体である。
さらに、第5の発明は、第4の発明の顔料分散体を含有する印刷インキである。
本発明の顔料分散剤を使用することにより、非集合性、非結晶性、流動性に優れるだけでなく、塗膜の光沢、色相に優れたインキ及び塗料を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の顔料分散剤は、縮合アゾ顔料にスルホン酸を導入し、そのスルホン酸を金属塩としたものである。
本発明の顔料分散剤の合成に使用する縮合アゾ顔料としては、具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、ピグメントレッド144、166、214、220、221、242、248、262、ピグメントブラウン23、42等があげられる。
一般式(1)の式中Mは2価または3価の金属の一当量を表し、例えば、カルシウム、バリウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ストロンチウム等が挙げられる。
スルホン酸の置換基数は1〜3個であり、それぞれ混在していても構わない。スルホン酸の置換基数が4個以上であると、十分な効果が得られないだけではなく、マイグレーション性が悪化する。スルホン酸の置換基数を平均置換基数で表す場合があるが、平均置換基数としては1〜2個が好ましい。
本発明の顔料分散剤の製造方法は、一例として次のようである。
まず、濃硫酸に上記縮合アゾ顔料を溶解し、常温若しくは加熱してスルホン化を行い、次いで、十分な量の氷水中にその硫酸溶液を注入した懸濁液を濾過、水洗し、スルホン化されたプレスケーキを得る。
一般式(1)で表される金属塩化合物は、前記の操作で得られたプレスケーキを水または有機溶剤でリスラリーし、等モル強の金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の粉末または水溶液を添加し、撹拌後、濾過、水洗、乾燥して得ることができる。
本発明で得られる顔料分散剤は、通常、印刷インキまたは塗料に用いられる各種顔料に効果を発揮するが、とりわけ、ナフトール顔料及び縮合アゾ顔料に優れた効果を発揮する。ナフトール顔料としては、具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、ピグメントレッド2、3、5、7、9、12、14、22、23、31、112、146、170、171、175、176、185、ピグメントオレンジ5、24、38、ピグメントブラウン25、ピグメントバイオレット32等があげられる。また、縮合アゾ顔料としては、具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、ピグメントレッド144、166、214、220、221、242、248、262、ピグメントオレンジ31、ピグメントブラウン23、41、42等があげられる。
本発明の顔料組成物は、顔料に一般式(1)で表される顔料分散剤を単独で添加するか、樹脂型顔料分散剤を併用して添加したものである。
本発明の顔料組成物に用いられる樹脂型顔料分散剤は、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系の直鎖状または櫛状の高分子共重合物からなる重量平均分子量1000〜100000のもので、直鎖ポリマーの末端、櫛状ポリマーの基体部位、または両者ポリマー中にブロックまたはランダムに塩基性基、酸性基、芳香族基等を含有するものである。このような顔料分散剤は特開昭60−166318号公報、特開昭61−174939号公報、特開昭46−7294号公報及び特開平9−169821号公報等に開示されている。
樹脂型顔料分散剤の重量平均分子量が1000未満では十分な立体障害が得られず、分散効果は低下し、重量平均分子量が100000より大きくても逆に凝集作用が生じる場合があり好ましくない。
また、樹脂型顔料分散剤のアミン価は5〜200mgKOH/g が好ましい。5mgKOH/g 未満では本発明の顔料分散剤との相互作用が十分ではなく、本発明の顔料分散剤が顔料表面に吸着していても十分な分散効果が得られない場合もある。一方、樹脂型顔料分散剤のアミン価が200mgKOH/g を越えると顔料成分への親和部に比べ、立体障害層が少なくなり、十分な分散効果が得られず好ましくない。
このような樹脂型顔料分散剤は市販のものでよく、例えば、Solsperse 24000 (アビシア製)、Disperbyk-160 、Disperbyk-161 、Disperbyk-162 、Disperbyk-163、Disperbyk-170 (ビックケミー社製)、アジスパーPB711、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。
一般式(1)で表される顔料分散剤の添加量は、顔料100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、樹脂型顔料分散剤の添加量は顔料100重量部に対して0.5〜100重量部が好ましい。
一般式(1)で表される顔料分散剤及び樹脂型顔料分散剤の添加量がそれぞれ0.5重量部より少ないと顔料分散効果が小さく好ましくない。また、一般式(1)で表される顔料分散剤の添加量が30重量部より多く用いても用いた分の効果が得られなく、樹脂型顔料分散剤の添加量が100重量部より多く用いると、効果が得られないばかりか、塗膜物性も低下する場合がある。
本発明にかかわる顔料分散剤の使用方法としては、例えば次のような方法がある。
1.顔料と顔料分散剤を予め混合して得られる顔料組成物をビヒクル中に添加して分散する。
2.ビヒクルに顔料と顔料分散剤を別々に添加して分散する。
3.ビヒクルに顔料と顔料分散剤を予め別々に分散し得られた分散体を混合する。この場合、顔料分散剤を溶剤のみで分散しても良い。
4.ビヒクルに顔料を分散した後、得られた顔料分散体に顔料分散剤を添加する。
等の方法があり、これらのいずれによっても目的とする効果が得られる。
顔料組成物の調製法としては、顔料粉末と本発明の顔料分散剤を単に混合しても充分な分散効果が得られるが、ニーダー、ロール、アトライター、スーパーミル、各種粉砕機等により機械的に混合するか、顔料の水または有機溶媒によるサスペンジョン系に本発明の顔料分散剤を含む溶液を添加し、顔料表面に顔料分散剤を沈着させるか、硫酸等の強い溶解力を持つ溶媒に有機顔料と顔料分散剤を共溶解して水等の貧溶媒により共沈させる等の賢密な混合法を行えば、更に良好な結果を得ることができる。
また、非水系または水系ビヒクル、あるいは溶剤中への顔料または顔料分散剤の分散、混合等に、分散機械としてディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、サンドミル、アトライター等を使用することにより顔料の良好な分散ができる。
したがって本発明によれば、ライムロジンワニス、ポリアミド樹脂ワニス、ウレタン樹脂ワニスまたは塩化ビニル樹脂ワニス等のグラビアインキ、ニトロセルロースラッカー、アミノアルキッド樹脂の常乾もしくは焼き付け塗料、アクリルラッカー、アミノアクリル樹脂焼き付け塗料、ウレタン系樹脂塗料等の非水系ビヒクルにおいて、顔料を単独で使用した場合に比べ、分散体の粘度の低下および構造粘性の減少等良好な流動性を示すと同時に色分かれ、結晶の変化等の問題もなく印刷物あるいは塗膜の光沢が良くしたがって美麗な製品を得ることができる。
本発明の顔料分散剤及び顔料組成物はまた、水系を含むその他の印刷インキや塗料、さらにはプラスチックの着色においても、分散効果に優れ、着色力にある着色物が得られる。さらには磁性塗料、カラーフィルター、インクジェット等、高度な顔料分散が要求される用途に対しても有効である。
本発明の顔料分散体に使用される樹脂は通常の塗料またはインキに使用されるあらゆるものを使用することができ、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ライムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、ロジンエステル、ロジン変成フェノール、石油樹脂、アマニ油、桐油、大豆油、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、エチレンー酢酸ビニル樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック、エポキシ樹脂、塩化ビニル、シリコン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等がある。中でも、分子量5000〜100000の通常インキ等のバインダーに用いられるウレタン樹脂については従来の顔料分散剤では効果がほとんど認められない顔料分散が困難な樹脂であるが、本発明の顔料組成物を使用すると特異的に大きな効果を得ることができる。
また本発明の顔料分散体に使用される樹脂は上記の樹脂のうち1種類またはそれ以上を使用しても良く、1種類またはそれ以上の樹脂を用いて分散した高濃度顔料分散体を他の樹脂で希釈して使用しても良い。
一般的に印刷インキ等のバインダーに使用されるウレタン樹脂はポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネートとの反応により得られる成分を主骨格とするがバインダーとしての性能を付与する目的でしばしばグリコール類、ジアミン類、アミノアルコール類等の化合物を1種または2種以上用いて鎖延長反応と呼ばれる反応によって高分子量化されることが多いが、本発明の顔料分散体に用いられる樹脂はジアミン類またはアミノアルコール類により鎖延長反応を行うことにより樹脂1分子中に少なくとも1個以上の尿素結合を有する塩基性の比較的強いウレタン樹脂において本発明の顔料組成物およびそれを用いた顔料分散体は顕著な効果を示す。
本発明の顔料分散体に用いられる有機溶剤としてはトルエン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の石油系炭化水素、クロロベンゼン等のハロゲン炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、2−エトキシエチルアセタート等のエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等であるが、特に好ましいのはケトン類、アルコール類、セロソルブ類、エステル類等の極性の高い有機溶剤である。当然のことながら有機溶剤は2種またはそれ以上の混合物であっても差し支えない。
本発明の顔料組成物または顔料分散体は印刷インキまたは塗料に使用することができ、その場合に用いられる印刷インキ用ビヒクルまたは塗料用添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、粘度調整剤、ワックス等がある。
以下、実施例により本発明を説明する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表わす。
(製造例1)
99%硫酸300部中にピグメントレッド166を15部仕込み、25℃で3時間反応させた。その反応液を氷水3000部中に注入し、撹拌後、濾過、2%塩酸水溶液で洗浄した。得られたプレスケーキを水700部でスラリーとした後、水酸化ナトリウムでpH9に調整した。次いで、60℃に加熱し、10%硫酸アルミニウム水溶液58部仕込み、60℃で1時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、顔料分散剤(a)18部を得た。スルホン酸基の平均置換基数は1.8個であった。
(製造例2)
99%硫酸300部中にピグメントレッド214を15部仕込み、30℃で3時間反応させた。その反応液を氷水3000部中に注入し、撹拌後、濾過、2%塩酸水溶液で洗浄した。得られたプレスケーキを水700部でスラリーとした後、水酸化ナトリウムでpH9に調整した。次いで、60℃に加熱し、10%塩化カルシウム水溶液29部仕込み、60℃で1時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、顔料分散剤(b)17部を得た。スルホン酸基の平均置換基数は1.5個であった。
(製造例3)
99%硫酸300部中にピグメントレッド144を15部仕込み、20℃で3時間反応させた。その反応液を氷水3000部中に注入し、撹拌後、濾過、2%塩酸水溶液で洗浄した。得られたプレスケーキを水700部でスラリーとした後、水酸化ナトリウムでpH9に調整した。次いで、60℃に加熱し、10%硫酸第一鉄水溶液33部仕込み、60℃で1時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、顔料分散剤(c)18部を得た。スルホン酸基の平均置換基数は1.2個であった。
(製造例4)
99%硫酸300部中にピグメントレッド221を15部仕込み、20℃で3時間反応させた。その反応液を氷水3000部中に注入し、撹拌後、濾過、2%塩酸水溶液で洗浄した。得られたプレスケーキを水700部でスラリーとした後、水酸化ナトリウムでpH9に調整した。次いで、60℃に加熱し、10%塩化ストロンチウム水溶液25部仕込み、60℃で1時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、顔料分散剤(d)17部を得た。スルホン酸基の平均置換基数は1.0個であった。
(製造例5)
100%硫酸300部中にピグメントレッド166を15部仕込み、25℃で3時間反応させた。その反応液を氷水3000部中に注入し、撹拌後、濾過、2%塩酸水溶液で洗浄した。得られたプレスケーキを水700部でスラリーとした後、水酸化ナトリウムでpH9に調整した。次いで、60℃に加熱し、10%硫酸アルミニウム水溶液128部仕込み、60℃で1時間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥し、顔料分散剤(e)20部を得た。スルホン酸基の平均置換基数は4.0個であった。
(実施例1〜16、比較例1〜4)
表1に示すように顔料分散剤(a)〜(d)の何れかを添加した顔料組成物10部、グラビアインキ用ワニス(ニトロセルロース樹脂12%、酢酸エチル33%、トルエン30%、イソプロピルアルコール15%、メタノール10%)90部および3mmガラスビーズ100部と混合しペイントコンディショナーで60分間分散してグラビアインキを作成した。また、比較例として顔料分散剤を添加せずに各種顔料のみを同様に分散してグラビアインキを作成した。作成したインキの粘度をB型粘度計(6rpm)で測定した結果および作成したインキをバーコーターでフィルムに展色した際の乾燥皮膜の光沢値(60゜)を表1に示す。本発明の顔料分散剤を使用したものは、何れの顔料においても低粘度で優れた流動性を示し、さらに塗膜光沢も優れるものであった。
Figure 2005248127
(実施例17〜32、比較例5〜10)
表2に示すように顔料分散剤(a)〜(e)の何れかを添加した顔料組成物20部、グラビアインキ用ワニス(ウレタン樹脂15%、酢酸エチル65%、イソプロピルアルコール20%)80部、樹脂型顔料分散剤(味の素ファインテクノ株式会社製「アジスパーPB821」)2部および3mmガラスビーズ100部と混合しペイントコンディショナーで60分間分散して顔料分散体を作成した。また、比較例として各種顔料単独を同様に分散して顔料分散体を作成した。尚、上記のウレタン樹脂としては3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮重合したポリエステルポリオールとイソホロンジイソシアネートを縮重合して得られたプレポリマーをイソホロンジアミンで鎖延長した重量平均分子量約30000の尿素結合含有ウレタン樹脂を用いた。
作成した顔料分散体の粘度をB型粘度計(6rpm)で測定した結果および作成した顔料分散体に溶剤(酢酸エチル70%、イソプロピルアルコール30%からなる)を加え、ザーンカップNO.4で14〜16秒に調整して作成したグラビアインキをバーコーターでフィルムに展色した際の乾燥皮膜の光沢値(60゜)を表2に示す。本発明の顔料分散剤を使用したものは、何れの顔料においても低粘度で優れた流動性を示し、さらに塗膜光沢も優れるものであった。また、ナイロンフィルムへの展色物の塗布面を未塗布のナイロンフィルムと密着させ、この試験片を100℃で1時間煮沸した後、未塗布フィルムへの色相の移行性を調べた結果(ブリード試験)、表2に示すようにスルホン酸基の平均置換基数が4.0個、即ち、スルホン酸基が一分子中に4個以上ある化合物を含有する顔料分散剤(e)を使用したものは色相が移行して未塗布フィルムが着色してしまったが、本発明による顔料分散剤を使用したものは着色しなかった。
Figure 2005248127
さらに上記顔料分散剤(a)〜(e)を含む顔料組成物は、アミノアルキッド、アミノアクリル等の塗料に使用しても凝集を起こさず、良好な流動性及び塗膜光沢を示した。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される顔料分散剤。
    一般式(1)
    Figure 2005248127
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CF、−NO、−COOCH(CH、−COOCHCHClを表し、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に−H、−Cl、−CH、−CNを表し、Mは2価または3価の金属の一当量を表し、nは1〜3の整数を表す。)
  2. ナフトール顔料及び縮合アゾ顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料と、請求項1記載の顔料分散剤とからなることを特徴とする顔料組成物。
  3. 更に、重量平均分子量1000〜100000の樹脂型顔料分散剤を含む請求項2記載の顔料組成物。
  4. 請求項2または3記載の顔料組成物を非水性または水性ビヒクルに分散してなることを特徴とする顔料分散体。
  5. 非水性ビヒクル中の樹脂が、重量平均分子量5000〜100000で、樹脂1分子中に少なくとも1つの尿素結合を有するウレタン樹脂である請求項4記載の顔料分散体。
  6. 請求項4または5記載の顔料分散体を含有することを特徴とする印刷インキ。
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