JP2005242033A - 球状体積型位相格子とその製造方法及びそれを用いた光モジュール及び半導体レーザモジュール - Google Patents

球状体積型位相格子とその製造方法及びそれを用いた光モジュール及び半導体レーザモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】光モジュールの簡素化、半導体レーザの出力特性の安定化を図ること。
【解決手段】透光性材料を用い周期的な屈折率変化をもたせた位相格子を球状に構成し、レンズと回折光によるフィルタリング機能を付加し、複合機能化する。それと光学素子または半導体レーザとをファイバにより接続し、光モジュール及び半導体レーザモジュールを実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射光の特定波長のみを回折するブラッグ回折を利用した球状体積型位相格子とその製造方法及びそれを用いた光モジュール及び半導体レーザに関するものである。
従来、光ファイバ内で特定波長の光を戻す手段として、ファイバブラッググレーテイング(Fiber Bragg Grating略してFBG)がある。
それは、図8に示したように、光ファイバ5のコア内に周期的な屈折率変化をつけたもので、紫外領域の波長λuvの記録光11を光ファイバ5上に位相格子間隔Λ(mask)を有する位相マスク12を介して照射し、そこからの±1次の回折光16の干渉による強度変調領域を光ファイバ5上に転写形成する光誘起屈折率変化により、光ファイバ5のコア内に周期的な屈折率変化を生じさせ、位相格子2を製作することができる。
その際の屈折率変化周期の位相格子間隔Λ(FBG)は、
Λ(mask)=2×Λ(FBG)
の関係にある。
屈折率変化が生じる要因としては、ガラス中に含まれているGe等の添加物による酸素結合欠陥であるGe−Si結合が紫外線により切断され、GeE欠陥が形成される説、または、通常の4配位のGeが紫外線照射により、GeE欠陥を形成する説、または、欠陥形成に伴うガラスの密度変化による説等があり、屈折率変化量として10―2〜10−3程度が得られている。
このようにして作製されたFBG13の特性は、位相格子の屈折率の変化量、位相格子間隔Λ(FBG)、及び位相格子の長さによって決まる。位相格子の屈折率の変化量、長さは、特定波長の反射率と帯域幅に影響し、位相格子間隔Λ(FBG)は、特定波長の中心波長に影響する。
光ファイバ5の長手方向に対し、位相格子間隔Λ(FBG)が一定となるFBG13による回折光の波長λbは、
λb=2×n×Λ(FBG)
n:ファイバコアの実効屈折率
で示される。
図9に示したように半導体レーザモジュールの出力側の光ファイバ5の端に、FBG13を結合用レンズ7を介して結合し、一部の光(数%〜10%程度)を半導体レーザ17に戻すことによって、外部共振器として作用させ、さらに半導体レーザ17の出力波長スペクトラム特性を狭帯域化することによって、そのスペクトラム特性の安定化も図っている。
半導体レーザ17の発振スペクトラム特性は、外部共振器となるFBG13による回折光の波長λbにほぼ一致し、また、温度変化に対するスペクトラム及び出力特性も安定させることができる(特許文献1参照)。
又、図示しないが光ファイバ5内に位相格子状の反射体を構成したFBG13以外に、同じようにSiO2又はガラス系材料を用いて、屈折率変化を持たせ、位相格子2を構成したものに体積型位相格子1がある。
特に反射光の角度の方向を図8の回折光16の回折方向と一致させた使い方をする場合を体積型ブラッググレーテイング(Volume Bragg Grating 略してVBG)と呼ぶ。
また、位相の揃った波長λuvの記録光11(例えばアルゴンレーザによる紫外帯域の波長458〜528nmの光)を、途中ビームスプリッタ等により二つに分離し、それぞれの光を一度レンズにより収束し、そのポイントで生じる不要な回折光を除去する為に、焦点位置に設置したピンホール(直径:5〜25μm)を通過させた後、平行光とするものもある。
図7(a)はその製法の一部を示したもので、上下面を光学研磨した厚さTの誘起屈折率媒体(SiO2ベースの酸化ガラス等に銀またはGe等の遷移金属の添加物を加えたもの)からなる位相格子用基板10の切断面上22に、ビームスプリッタから位相格子用基板10の素子表面上までの光路長を各々正確に一致させながら、位相格子用基板10上を5分から30分程度照射、露光する。
その露光時間は、記録光11の強度及び使用する位相格子用基板10の材料に依存する。
位相格子用基板10への角度θ0を調整することにより、
×sinθ=n×sinθとなり
位相格子用基板10内での角度θは入射する角度をθ0とするとスネルの法則から
θ=sin―1{sinθ/n}
n:位相格子用基板の屈折率
:空気の屈折率(=1)となる。
又、波長λuvでの屈折率nの位相格子用基板10内における波長λmは、位相格子用基板10内の光速度Cmが、空気中の光速度Cuvの1/n(周波数fは一定)になることから
Cm=Cuv/n となり
Cm=f×λm、Cuv=f×λuvより
λm=λuv/n となる。
波長λmの二つの振幅Aの平面波の光が屈折率nの位相格子用基板10内で交差すると、その干渉から位相格子2の屈折率変動の位相格子間隔Pは、各平面波の合成振幅がゼロになる場所で決まり、
2A×[cos{(2×π×Y×sinθ)/λm}]=0
A:各平面波の振幅
Y:Y軸の位置
(k)={(2×k+1)×λm}/(4×sinθ
(kは、任意の整数)
で示される直線群になる。
よって、各位相格子間隔Pは、
P=Y(k+1)−Y(k)
P=λm/{2×sinθ
で示され、その一定周期のラインが露光される。
その照射された位相格子用基板10を500℃前後の高熱環境下に数時間放置すると、それが周期的な屈折率変化領域として表れる。屈折率の変化量△nとしては、0.01〜0.001程度のものが得られる。
図7(b)のように、その後、位相格子用基板10の上下面から、垂直に体積型位相格子18として幅Wで切り出す。
切断面22を光学研磨して得られる入射面19には、入射面19での反射防止の用に、誘電体多層膜によるARコートを施す。
図7(c)のように、上記プロセスにより、高さTmm、切断幅Wmmの多数の体積型位相格子18を製作することができる。体積型位相格子18にブラッグ条件を有するλaとλbの波長の入射光14を入射させると、波長λbの光は全反射し、波長λaの光は端面反射光20となる。その回折効率は、切断幅W(位相格子2の数)に依存し、また、ブラッグ回折条件の波長と異なる波長の光、又は角度で光が入射すると、回折効率は下がり、又回折光16の出射角度も変化する。
特開平9−283847号公報
このような特性の位相格子を用いた従来の構成の場合、以下のような欠点があった。
図9のFBG13を半導体レーザ17の出力側の光ファイバ5の端に取り付けた場合、半導体レーザ17以外の波長の光、特に半導体レーザ17の発振波長に近い波長の光が半導体レーザ17に直接入ってきた場合、その影響により発振波長が不安定になり、スペクトラム特性及び出力が不安定になるという問題があった。
その影響を排除する為、そうした光を除去する光アイソレータを半導体レーザ17の出力側に取り付ければよいのであるが、光アイソレータ(図示せず)を取り付けた場合、外部共振器であるFBG13からの半導体レーザ17への必要な回折光をも遮断してしまう為、外部共振器として作用することができない。
又、そうした不要な光を除去する為、FBG13の出力側にインライン型光アイソレータ(図示せず)を取り付ければ除去することは可能であるが、コスト的に高価なものになり、複数のモジュールのアッセンブリ構成となる為、部品スペースを要するものになる。
又、出力側の光ファイバ5の端内のFBG13領域は、通常10mm前後と長く、大きな温度変化がある場合、線膨張により位相格子間隔Pそのものも変動するため、反射光の波長が変化し、それに併せ半導体レーザ素子17の発振波長が変化してしまうという問題点があった。
又、従来の矩形状の体積型位相格子18を使用した場合には、そこに入射光14を垂直に入射させると、図7(c)に示したように、各入射面19にARコートをしたとしても、正面からの入射光の場合、端面反射光20が生じ、特定のブラッグ条件以外の透過光の波長λa等の光までも反射する。それが半導体レーザ17にそのまま戻り、レーザ17内での不要な発振を起こし、出力スペクトラム特性を不安定なものにしてしまうという端面反射による欠点があった。
又、従来の体積型位相格子18を用いて光モジュール実現する場合、光ファイバ5と接続する為に、他に接続用レンズを必要とした。更に他の光学素子と組み合わせる場合においても、同様に部品点数が増大するという欠点があった。
上記に発明に鑑みて透光性材料からなる球状レンズ内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を有することを特徴とする。
また、上記球状レンズがSiOガラスを主成分とし、Ag、Ge、Sb、Snの少なくともいずれか一つを添加した透光性材料からなることを特徴とする。
また、上記球状体積型位相格子と、該球状体積型位相格子に光を入射する光源からなり、上記球状レンズの半径をr、球状レンズに入射する光源の開口角をα(5°≦α≦25°)、開口数をNA=sinα、収差円半径をε<5×10―6、屈折率をn(1.4≦n≦1.8)としたとき、
r≦8×ε×(n―1)/[n×{1−(n−1)}×NA]
を満足することを特徴とする光モジュール。
また、上記球レンズ内の入出射光の屈折角をθとしたとき、
θ=tan―1{sinα/(n―cosα)}(5°≦α≦25°)
を満足することを特徴とする。
また、上記球状体積型位相格子を筒状ホルダ内またはV溝を有する基板上に設置したことを特徴とする。
また、上記光源として半導体レーザーを用いたことを特徴とする。
また、透光性材料にレーザ光を照射することによって上記透光性材料の内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を生じさせる工程、上記位相格子を有する部分を透光性材料から切り出す工程、上記切り出した部分を精密研磨して球状レンズとする工程を順次行うことを特徴とする。
以上説明したように本発明により、下記効果がある。
(1)フィルタリング機能、外部共振器機能を有する体積型位相格子を球レンズ化することにより、レンズ機能をもたせ、複合機能化を実現した。
(2)体積型位相格子の入射面、出射面を球面とすることで、端面反射による不要な反射光が、位相格子での反射回折光と共に戻らないようにし、ARコートを不要にした。
(3)本発明による球状の体積型位相格子を光アイソレータ素子などの光学素子と共に実装することにより、不要な反射光を除去する機能と半導体レーザの外部共振器としての機能を一体化させた。
(4)半導体レーザに実装することにより、外部共振器、光アイソレータ内蔵の半導体レーザモジュールを実現し、従来のように別途インライン型光アイソレータを取り付ける必要がなくなった。
(5)本発明による球状体積型位相格子の両端又は片端にファイバを接続、更に内部に光学素子を取りつけることにより、簡素な構造で、安定した特性を有するフィルタ機能を有する光モジュールとして実現できる。
以下、本発明の実施形態について説明をする。
図1は、本発明による球状体積型位相格子1の断面を示したもので透光性材料からなる球状レンズ内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を有するものである。
球状は真円に限らず適当な楕円率を有していても良い。
透光性の材料としては、上記球状レンズがSiOガラスを主成分とし、Ag、Ge、Sb、Snの少なくともいずれか一つを添加した透光性材料からなるもの、または有機系の屈折率nの材料からなり、屈折率変動の周期である位相格子間隔をP、外径をD(=2r)としたものである。
図2は、体積型位相格子1の光モジュールとしての使用方法について示したもので、図2(a)は位相格子面3に対し、入射光14を角度θr(入射角:90°―θr)で入射させる透過型として使用する場合、図2(b)は位相格子面3に対し入射光14を垂直入射(入射角:0°)させる反射型として使用する場合である。
尚、入射光14は波長(λa+λb)を有する平行光であり、ここでλaは透過光の波長、λbはブラッグ回折する回折光の波長である。
回折光の波長λbに対するブラッグ条件の位相格子間隔Pは、次式で設定される。
P=λm/(2×sinθ
θ=sin―1(λm×sinθr/λb)
λm=λuv/n
図2(a)の透光型の実施形態で、X軸に格子面が平行になるように球状体積型位相格子1を設置し、X軸に対し角度θrで光を入射する。その場合、光軸方向の波長λbの光は、内部に構成された位相格子2により回折、角度θrで反射、それ以外の光(λa)はそのまま回折せず透過する。
図2(b)は反射型の場合の実施形態で、位相格子面2がX軸に対し垂直になるように設置する。入射光14はX軸に対し平行に入射し、波長λbの光がX軸方向に回折により反射、元の方向に戻り、それ以外の光(λa)は透過する。
以上のように本発明の体積型位相格子は、位相格子面3を入射光の光軸に対し、特定の角度傾斜させたり、垂直に設置することにより、特定の光を分離、反射させることができる。
使用する球レンズ7は、その外径D(半径r)と屈折率nにより特性が変わる。
図3はその関係を示した図で、一般的に焦点距離fは、次式で示される。
図3(a)において
f=n×r/{2×(n―1)}
又、収差円直径2εは
2ε={n/(n−1)―1}×f×NA/4となり開口数NAは
NA=sinα(空気中)
(f>r)
で示される。
上式から、屈折率nが大きい程焦点距離f及び収差円直径2εは小さくなる。
一般的に球レンズ7とシングルモードファイバとの接続は、シングルモードファイバのモードフィールド径が10μm程度である為、収差円直径2εは、10μm以下になるように設定しないと損失が増大する。
従って、収差円直径2εが光ファイバ5のモードフィールド径より小さいこと即ち、
1×10―5(m)>2ε
の関係を満足することが望ましい。
通常、球レンズ7の外径Dとしては、1〜3mm、屈折率nは、1.4〜1.8程度のものが使われる。一般的に球レンズの外径Dが小さく、屈折率nが大きい程収差円直径2εは小さくなる。球レンズの外径Dは、上式より
D=2r=16×ε×(n―1)/[n×{1−(n−1)}×NA
NA=sinα(5°≦α≦25°)
ε<5×10―6
n=1.4〜1.8
を満足する。
図3(b)は、回折効率を増大させる条件、即ち球状レンズ7内にて平行光となる条件である。
球状体積型位相格子1内の屈折角をθ、開口角をαとすると、入射角は、α+θとなり、平行光となる条件は
θ=tan―1{sinα/(n−cosα)}(5°≦α≦25°)
となる。
図4は、球状体積型位相格子1を用いた各場合で、図4(a)は、球状体積型位相格子1をホルダ6に設置した場合のものである。
ホルダ6の形状としては円筒形のものの他、V溝付きの平板状のものでもよく、光学素子をしっかり固定できるものであれば問題はない。
尚、位相格子面3は、透過型で使用するのか反射型で使用するのかより光軸に対する傾斜角が変わる。
図4(b)は、球状体積型位相格子1の中間に光学素子4を設置したものであり、光学素子4としては、光アイソレータ素子、偏光素子、フィルタ素子、ファラデー回転子、減衰素子などがある。
又、片側を通常の球レンズ7として使用してもよい。
それにより、レンズ結合機能+フィルタ機能+光学素子機能という複合機能素子として構成することができる。
図4(c)は、図4(a)の片側に光ファイバ5を接続したもので、フィルタ機能付ファイバコリメータとして使用することができ、又、半導体レーザモジュールの出力用の光ファイバ5にとして用いる場合、外部共振器としても機能することができる。
又、透過型として使用する場合、特定の波長の光が回折光として角度θrで回折される。
そこでその角度方向にもう1本光ファイバ5を並置して用いると、特定の回折光の波長λbを取り出すことができる。
図4(d)は、図4(c)のフィルタ機能付ファイバコリメータの光ファイバ5の端に光学素子4を取りつけたもので、例えば光学素子4として光アイソレータを取りつけた場合、外部共振器+光アイソレータ機能付きファイバコリメータとして機能し、半導体レーザモジュールの波長、出力特性の安定化を図るものである。
図4(e)は、光学素子4の両端に図4(c)のファイバコリメータを取りつけたもので、片側は通常の球レンズ7でもよい。それによりフィルタ機能にプラス、更に光学素子4による機能を付加したインライン型光モジュールとして機能することができる。
又、反射した回折光16を角度つけ、その方向にもう一本の光ファイバ5を取りつけておくことにより、特定の回折光の波長λbの光を取り出すフィルタ機能を持たせた片側2本、もう一方を1本の光ファイバ5を有する2×1の光モジュール、更に2×2の光モジュールとすることも可能である。
図5は光アイソレータ9付き半導体レーザモジュールの実施形態で、図5(a)は、図4(a)の光モジュールを搭載したもので、半導体レーザ17と同じペルチエ素子8上に球状体積型位相格子1と一体化したモジュールを実装したものである。
半導体レーザ17との接続は、球レンズ7と球状体積型位相格子1により行い、内部の位相格子2により半導体レーザ17からの一部の光(5〜15%程度)を回折光16として反射し、半導体レーザ17との間で共振することで、それによるスペクトラム特性の出力光が、もう一方の球レンズ7に入射、出力用光ファイバ5と接続したものである。
球状体積型位相格子1からの反射回折光16により、安定したスペクトラム特性となり、不要な発振がない安定した出力特性を得ることができる。
更にペルチエ素子8により、球状体積型位相格子1、光アイソレータ9が共に温度制御される為、温度変動に対しても安定した出力特性を得ることができる。
図5(b)は、図4(d)の光モジュールを取りつけた場合で、半導体レーザ17の出力用の光ファイバ5の端に光アイソレータ9を取りつけ、球状体積型位相格子1により光ファイバ5と接続したものである。
この場合、光ファイバ5の端にラミネート状の光アイソレータ9を取りつけて構成したもので、使用する素子をより小さくすることができる。
以上述べた実施形態の他、上記から光アイソレータ9を除いて用いる場合の実施形態の場合もある。
図6(a)は、図4(a)に示した球状体積型位相格子1を用いた球レンズを図5(a)に示した半導体レーザモジュールの結合用レンズ兼外部共振器として作用させたスペクトラム特性である。
球状体積型位相格子1がある場合、1475nm近傍で急峻な一つにまとまった発振スペクトラム特性を示すが、球状体積型位相格子1が無い半導体レーザ17単独でのスペクトラム特性は、1470〜1475nmの間で複数のマルチモード発振スペクトラムとなり、まとまった状態のスペクトラム特性にならない。
点線で示した元の半導体レーザ17のスペクトラム特性は、波長及び帯域も広いが、本願の球状体積型位相格子1を外部共振器に使用することにより、共振半導体レーザ17の発振光はその回折光16のスペクトラム特性と共振して、引き込まれることにより、球状体積型位相格子1の反射回折光16のスペクトラム特性とほぼ一致する光を出力することになる。
図6(b)は、球状体積型位相格子1を図2(b)の反射型として使用した場合の入射光14のNA(=sinα)の差による回折効率の差を示したもので、球状体積型位相格子1内で、平行光に近い状態ほど、回折効率が増大する。即ち、NAが小さい方が内部でより平行光に近くなる為、回折効率が増大することがわかる。
本発明による球状体積型位相格子1の製法は図7に示した、透光性材料にレーザ光を照射することによって上記透光性材料の内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を生じさせる工程、上記位相格子を有する部分を透光性材料から切り出す工程、上記切り出した部分を精密研磨して球状レンズとする工程を順次行う、図7に示した(a)から(e)のプロセスで製作する。
図7(b)から図7(c)を先ず切削加工機により位相格子用基板10からに立方体形状の素子(を多数個切り出す。
次に切り出した各素子を切削加工または粗研磨加工により図7(d)の形状の18面体のようなより球に近い多面体21に加工する。
そして、ボールベアリング球を製作するプロセスに準じたラッピングなどのような精密研磨プロセスにより、球状に加工を行い、図7(e)のような外径Dの球状にする。
その後、球状の表面に必要に応じて端面反射防止用のARコート処理を誘電体多層膜の蒸着により行う。
実際に半導体レーザの外部共振器に使用するため、球状体積型位相格子1を図7のプロセスに従って製作した。
位相格子用基板10に上下面を光学研磨した直径2インチ、厚さ1.2mmのSiOベースのガラス材料にGeを添加した光誘起屈折材料からなる位相格子用基板10(屈折率n=1.525)を準備した。
記録光λuv用のコヒーレントな光源として、水冷式の波長488nm、出力3Wのアルゴンレーザを使用し、アルゴンレーザ及び干渉露光用光学系を防振台上に設置し、レーザ出力光を途中ビームスプリッタにより等しい強度にして分離し、各ビームをレンズを介し、その収束位置に設置した直径10μmのピンホールにより不要な回折光を排除した。
そしてコリメータレンズ系により外径35mm(ピーク強度の1/e)の平行光とし、2光束干渉法(ホログラフィック法)により、位相格子用基板に上に約10分間照射、露光記録した(以上、図示せず)。
必要とする格子間隔P=483.6nmを得る為、各記録光の角度は、θ=30.3度とし、位相格子用基板10内での角度は、θ=19.3度とした。
露光記録した位相格子用基板10をホルダー6から外し、電気炉内で約500℃で、3時間加熱、露光した部分の屈折率を低下させ、位相格子用基板10に周期的な屈折率変化を生じさせた。
その後、幅1.2mmで垂直に切断して、短冊状にし、その短冊を更に長さ1.2mmで切断、立方体形状にし、その後多面体化、精密研磨による球状レンズ加工した。
その後球面に対しARコート用の誘電体多層膜を蒸着、球状体積型位相格子1を製作し、その反射スペクトラム特性は、1475nm±1nm程度であり、図6(a)に示したものとほぼ同じ結果となった。
半導体レーザ17の元のスペクトラム特性は点線のものであるが、球状体積型位相格子1により、安定した狭帯域なスペクトラム特性のレーザ出力を得ることができた。
図6(b)はその入射光のNAによる回折効率の変化を示したものである。
必要な回折効率は、球状体積型位相格子1への入射光14のNA(=sinα)に依存しており、NAを調整することにより必要とする回折効率に調整する必要性がある。
反射型の体積型位相格子1として使用する場合、NAが小さい程、即ち平行光に近い程、回折効率が大きい。
半導体レーザ17の出射光のNAは、0.25程度あり、球状体積型位相格子の回折効率としては15%程度であるが、外部共振器として使用するのには十分な値である。
次に以下の条件で必要なレンズ半径rと球状レンズの屈折角θを求める方法を説明する。
上記ような球状体積型位相格子1を筒状のホルダに固定して、図4(a)に示した形状とし、図5(a)のような半導体レーザモジュール内のペルチエ素子8上の基板にV溝を構成し、そこに筒状のホルダに固定した球状体積型位相格子1を実装することによって、波長シフトしない安定した光スペクトラム特性を有する半導体レーザモジュールを得ることができる。
例えば収差円半径εにおいて、NA=0.15のファイバと高効率に接続するのに必要なレンズ半径rは、r≦8×ε×(n―1)/[n×{1−(n−1)}×NA]からr≦8×5×10―6×(1.525―1)/[1.525×{1−(1.525−1)}×0.15]=1.55×10―3(m)よりも小さなrの球レンズを用いればよい。
また、球状体積格子型レンズの屈折角θはα=14.5°よりθ=tan―1{sinα/(n―cosα)}(5°≦α≦25°)からθ=tan―1{sin(14.5°)/(1.525―cos14.5°)}=24.2°のように計算され、必要な球状レンズの屈折角θを求めることができる。
本発明の球状体積型位相格子の形態を示す断面図である。 (a)は、本発明の球状体積型位相格子を透過型として使用する場合の断面図、(b)は、本発明の球状体積型位相格子を反射型として使用する場合の断面図である。 (a)は、本発明の球状体積型位相格子の入出射の光線軌跡の関係を示した断面図、(b)は、本発明の球状体積型位相格子内で平行光とした場合の光線軌跡を示した断面図である。 (a)は、本発明の体積型位相格子をホルダ内に実装した場合の断面図、(b)は、本発明の体積型位相格子を2個のホルダ内に実装し、間に光学素子を設置した場合の断面図、(c)は、本発明の球状体積型位相格子をホルダ内に実装、片側に光ファイバを取りつけファイバコリメータとした場合の断面図、(d)は、本発明の球状体積型位相格子をホルダ内に実装、片側に光ファイバを取りつけ、その端面に光学素子を設置したファイバコリメータの断面図、(e)は、本発明の球状体積型位相格子のファイバコリメータを2個用い、間に光学素子を設置したインライン型光モジュールの断面図である。 (a)は、本発明の球状体積型位相格子をペルチエ素子上に載せ、光アイソレータをそこに隣接して設置した場合の半導体レーザモジュールの断面図、(b)は、図4(d)で示した本発明の球状体積型位相格子を用いた場合の断面図である。 (a)は、本発明の球状体積型位相格子の回折光の光スペクトラム特性を示したグラフ、(b)は、本発明の球状体積型位相格子の回折効率と入射光のNAとの関係を示したグラフである。 (a)は、本発明の球状体積型位相格子の光学干渉法による製法を示した断面図、(b)は(a)のプロセスによる本発明の球状体積型位相格子の基板を示した断面図、(c)は(b)の基板を幅Wで切断した際の断面図、(d)は面取りした断面図、(e)は(c)球状化して本発明の球状体積型位相格子を示した図である。 従来のFBGの製法例を示す断面図である。 従来のFBG付き半導体レーザモジュールの断面図である。
符号の説明
1:球状体積型位相格子
2:位相格子
3:位相格子面
4:光学素子
5:光ファイバ
6:ホルダ
7:球レンズ
8:ペルチエ素子
9:光アイソレータ
10:位相格子用基板
11:記録光
12:位相マスク
13:FBG
14:入射光
15:透過光
16:回折光
17:半導体レーザ
18:体積型位相格子
19:入射面
20:端面反射光
21:多面体
22:切断面
n:透光性材料の屈折率
P:位相格子間隔
D:球状レンズの外径
λa:透過光の波長
λb:回折光の波長
λuv:記録光の波長
Λ(mask):位相格子間隔
Λ(FBG):位相格子間隔
Cm:位相格子用基板内での記録光速度
Cuv:空気中での記録光速度
α:入射光角度
ε:収差円半径
θr:回折角
f:焦点距離
r:球状レンズ半径
α:開口角

Claims (7)

  1. 透光性材料からなる球状レンズ内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を有することを特徴とする球状体積型位相格子。
  2. 上記球状レンズがSiOガラスを主成分とし、Ag、Ge、Sb、Snの少なくともいずれか一つを添加した透光性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の球状体積型位相格子。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の球状体積型位相格子と、該球状体積型位相格子に光を入射する光源からなり、上記球状レンズの半径をr、球状レンズに入射する光源の開口角をα(5°≦α≦25°)、開口数をNA=sinα、収差円半径をε<5×10―6、屈折率をn(1.4≦n≦1.8)としたとき、
    r≦8×ε×(n―1)/[n×{1−(n−1)}×NA]
    を満足することを特徴とする光モジュール。
  4. 上記球レンズ内の入出射光の屈折角をθとしたとき、
    θ=tan―1{sinα/(n―cosα)}(5°≦α≦25°)
    を満足することを特徴とする請求項3記載の光モジュール。
  5. 上記球状体積型位相格子を筒状ホルダ内またはV溝を有する基板上に設置したことを特徴とする請求項4記載の光モジュール。
  6. 上記光源として半導体レーザーを用いたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の光モジュール。
  7. 透光性材料にレーザ光を照射することによって上記透光性材料の内部に周期的な屈折率変化を有する位相格子を生じさせる工程、上記位相格子を有する部分を透光性材料から切り出す工程、上記切り出した部分を精密研磨して球状レンズとする工程を順次行うことを特徴とする球状体積型位相格子の製造方法。
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