JP2005240693A - 流体の流量調整装置並びにスクロール圧縮機 - Google Patents

流体の流量調整装置並びにスクロール圧縮機 Download PDF

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基紀 水島
Masamitsu Takeuchi
真実 竹内
Hirofumi Hirata
弘文 平田
Katsuhiro Fujita
勝博 藤田
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
So Sato
創 佐藤
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Abstract

【課題】流体の流量調整装置並びにスクロール圧縮機において、広い範囲で変動する運転条件に拘らず安定した潤滑油の供給量を確保すると共に性能の向上を図る。
【解決手段】吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41における上流部42に、柱状部材44を移動自在に嵌合すると共に圧縮スプリング47により突出する方向に付勢支持し、柱状部材44の外周面に螺旋溝46を形成して上流部42と柱状部材44との間に吐出室16の潤滑油を吸入室14に流動させる潤滑油通路46を設けると共に、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材44を移動して潤滑油通路47の流路抵抗を変更可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一方の部屋から他方の部屋に流動させる流体の流量を調整可能とした流体の流量調整装置並びに空気調和装置や冷凍装置などに具備されるスクロール圧縮機に関するものである。
例えば、スクロール圧縮機は、ハウジング内に、端板の一側面に渦巻き状の壁体を立設した固定スクロールと、端板の一側面に固定スクロールの壁体と実質的に同一形状の渦巻き状の壁体を立設した旋回スクロールとが組み合わされて収容されている。そして、この状態で固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させることで各壁体間に形成した圧縮室の容積を漸次減少させ、この圧縮室内の流体を圧縮するようにしている。
また、このスクロール圧縮機では、吸入室にミスト状の潤滑油を含むガスが吸入され、圧縮機構によってこの流体ガスが圧縮されて吐出室に送られ、この吐出室で流体ガスから潤滑油が分離されて下部に溜まる。そして、吐出室に溜まった潤滑油は、圧力差を駆動力として吸入室を仕切る仕切部材に形成された潤滑油通路を通して吸入室に戻される。
このような潤滑油通路を有するスクロール圧縮機としては、下記特許文献に記載された技術がある。この特許文献1に記載された「スクロール圧縮機」では、背圧室の潤滑油を吸入空間に戻すための絞り部を、螺旋状の絞り通路として構成している。
特開2002-168183号公報
上述した従来のスクロール圧縮機にあっては、吸入室(吸入空間)と吐出室(背圧室)とを潤滑油通路(絞り通路)によって連通し、吸入室と吐出室との圧力差、つまり、吐出圧の圧力によりここに溜まった潤滑油を潤滑油通路を通して吸入室に戻している。そのため、吐出室の圧力が高く吸入室との圧力差が大きいときには、多量の潤滑油が吐出室から吸入室に戻る過剰油戻り状態となる一方、吐出室の圧力が低く吸入室との圧力差が小さいときには、潤滑油の戻り量が不十分な過少油戻り状態となってしまう。
特に、車両用空調機では、圧縮機の回転速度が低速から高速まで使用範囲が広く、吐出圧力の変動、更には、低圧の変動を含めた圧力差の変化範囲が大きいため、油戻り量の変動範囲が大きい。油戻りが過剰な状態では、油溜から吸入室へのガスの吹き抜け生じて能力低下のみならず吸入ガス温度上昇による吐出ガス温度上昇による摺動部焼付き、齧り、脂圧縮による過大応力に起因する破損等の圧縮機の信頼性低下、過少油戻り状態では、潤滑不良による圧縮機の摺動部焼付きや齧り等、圧縮機の性能低下のみならず信頼性の低下に繋がる虞がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、広い範囲で変動する運転条件に拘らず安定した潤滑油の供給量を確保することができる流体の流量調節装置を提供すると共に、安定した潤滑油の供給量の確保により性能の向上を図ったスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の流体の流量調整装置は、高圧部と低圧部とを連通する連通路と、該連通路に軸方向に沿って移動自在に嵌合した柱状部材と、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に形成されて前記高圧部の流体を前記低圧部に流動させる流体通路と、前記柱状部材を前記連通路内で進退自在に駆動する駆動手段とを具えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明の流体の流量調整装置では、前記駆動手段は、前記連通路に対する前記柱状部材の嵌合長さを変えることで、前記流体通路の流路抵抗を変更することを特徴としている。
請求項3の発明の流体の流量調整装置では、前記流体通路の流路抵抗は、差圧の増大に対応して非線形的に増大することを特徴としている。
請求項4の発明の流体の流量調整装置では、前記駆動手段は、前記高圧部と前記低圧部の圧力差に応じて前記柱状部材を移動して前記流体通路の流路抵抗を変更することを特徴としている。
請求項5の発明の流体の流量調整装置では、前記柱状部材は、付勢部材により端部が前記連通路から前記高圧部側に突出した流路抵抗最小位置に付勢支持され、前記高圧部と前記低圧室との差圧の上昇により前記低圧部側に移動して前記連通路内に埋没した流路抵抗最大位置に移動可能であることを特徴としている。
請求項6の発明の流体の流量調整装置では、前記連通路は、前記高圧部側に開口して前記柱状部材が嵌合する上流部と、前記低圧部側に開口する下流部とを有し、前記上流部の中心軸線と前記下流部の中心軸線とが相対的に偏心して設けられ、前記下流部は、前記流体通路の少なくとも1か所と連通することを特徴としている。
請求項7の発明の流体の流量調整装置では、前記流体通路は、前記連通路の内面または前記柱状部材の外面に形成された螺旋溝で形成されたことを特徴としている。
請求項8の発明の流体の流量調整装置では、前記流体通路は、前記高圧部側の流路断面積が小さく設定されたことを特徴としている。
請求項9の発明の流体の流量調整装置では、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に複数の流体通路を設け、該複数の流体通路は、前記高圧部側の開口位置が異なり、前記連通路に対する前記柱状部材の移動位置に応じて前記高圧部と前記低圧部との連通本数が変化することを特徴としている。
請求項10の発明の流体の流量調整装置では、前記柱状部材は、端部が前記連通路から前記高圧部側に突出した流路抵抗最小位置と、前記連通路内に埋没した流路抵抗最大位置とに移動自在に支持され、前記駆動手段としてのアクチュエータは、前記高圧部と前記低圧部の圧力差に応じて前記柱状部材を前記流路抵抗最小位置と前記流路抵抗最大位置との間で移動可能であることを特徴としている。
また、請求項11の発明のスクロール圧縮機は、ハウジングと、渦巻き状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、渦巻き状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能に支持された旋回スクロールと、前記ハウジング内が前記固定スクロールの端版により仕切られて設けられた吸入室及び吐出室と、前記吸入室と前記吐出室とを連通する連通路と、該連通路に軸方向に沿って移動自在に嵌合した柱状部材と、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に形成されて前記吐出室の流体を前記吸入室に流動させる流体通路と、前記柱状部材を前記連通路内で進退自在に駆動する駆動手段とを具えたことを特徴とするものである。
請求項1の発明の流体の流量調整装置によれば、高圧部と低圧部とを連通する連通路に、その軸方向に沿って柱状部材を移動自在に嵌合し、連通路と柱状部材との間に高圧部の流体を低圧部に流動させる流体通路を設け、駆動手段により柱状部材を連通路内で進退自在に駆動可能としたので、広い範囲で変動する運転条件に拘らず駆動手段を制御することで常時安定した潤滑油の供給量を確保することができる。
請求項2の発明の流体の流量調整装置によれば、駆動手段は、連通路に対する柱状部材の嵌合長さを変えることで流体通路の流路抵抗を変更するので、柱状部材の嵌合長さ、つまり、流体通路の長さを変えるだけで容易に流体通路の流路抵抗を変更することができる。
請求項3の発明の流体の流量調整装置によれば、流体通路の流路抵抗を差圧の増大に対応して非線形的に増大するようにしたので、流体通路の流路抵抗を適正に変更することができる。
請求項4の発明の流体の流量調整装置によれば、駆動手段は、高圧部と低圧部の圧力差に応じて柱状部材を移動して流体通路の流路抵抗を変更するので、高圧部の圧力や低圧部の圧力が変化しても、流体通路の流路抵抗を変更して安定した潤滑油の供給量を確保することができる。
請求項5の発明の流体の流量調整装置によれば、柱状部材は、付勢部材により端部が連通路から高圧部側に突出した流路抵抗最小位置に付勢支持され、高圧部と低圧部との差圧の上昇により低圧部側に移動して連通路内に埋没した流路抵抗最大位置に移動可能としたので、低圧部の圧力や高圧部の圧力が変化しても、柱状部材が両者の圧力差により自動的に移動して流体通路の流路抵抗を変更することで、操作性を向上することができる。
請求項6の発明の流体の流量調整装置によれば、連通路は、高圧部側に開口して柱状部材が嵌合する上流部と、低圧部側に開口する下流部とを有し、上流部の中心軸線と下流部の中心軸線とが相対的に偏心し、下流部は流体通路の少なくとも1か所と連通するので、流体通路及び下流部を通して確実に流体を低圧部に流動することができる。
請求項7の発明の流体の流量調整装置によれば、流体通路は、連通路の内面または柱状部材の外面に形成された螺旋溝として形成されたので、流体通路の絞り量を容易に調整することができ、調整精度を向上することができる。
請求項8の発明の流体の流量調整装置によれば、流体通路は、高圧部側の流路断面積が小さく設定されたので、流体通路の流路断面積を適宜設定することで流体通路の絞り量を容易に調整することができ、調整精度向上することができる。
請求項9の発明の流体の流量調整装置によれば、連通路の内面と柱状部材の外面との間に複数の流体通路を設け、この複数の流体通路は、高圧部側の開口位置が異なり、連通路に対する柱状部材の移動位置に応じて高圧部と低圧部との連通本数が変化するので、流体通路の連通本数により流体通路全体の絞り量を調整することができ、装置の小型化に寄与することができる。
請求項10の発明の流体の流量調整装置によれば、柱状部材は、端部が連通路から高圧部側に突出した流路抵抗最小位置と、連通路内に埋没した流路抵抗最大位置とに移動自在に支持され、駆動手段としてのアクチュエータは、高圧部と低圧部の圧力差に応じて柱状部材を流路抵抗最小位置と路抵抗最大位置との間で移動可能としたので、アクチュエータにより流体通路による流体の流量を調整することで、高精度な流量調整を可能とすることができる。
また、請求項11の発明のスクロール圧縮機によれば、ハウジングに、渦巻き状の壁板を有する固定スクロールを固定する共に、渦巻き状の壁体が固定スクロールの壁体に噛み合わせて自転が阻止されつつ公転旋回可能旋回スクロールを支持することで、ハウジング内に吸入室及び吐出室を形成し、この吸入室と吐出室とを連通する連通路に柱状部材を軸方向に沿って移動自在に嵌合し、連通路の内面と柱状部材の外面との間に吐出室の流体を吸入室に流動させる流体通路を設け、駆動手段により柱状部材を前記連通路内で進退自在に駆動可能としたので、スクロール圧縮機における広い範囲で変動する運転条件に拘らず、駆動手段により常時安定した潤滑油の供給量を確保することができ、装置の性能を向上することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る流体の流量調整装置並びにスクロール圧縮機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の全体構成を表す断面図、図2−1は、実施例1の流体の流量調整装置を表す断面図、図2−2は、実施例1の流体の流量調整装置の作用を表す断面図、図3は、流体通路を表す断面図である。
本実施例の流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機は、図1に示すように、ハウジング11の内部に固定スクロール12と旋回スクロール13とからなるスクロール圧縮機構が配設されている。そして、固定スクロール12に対して旋回スクロール13を公転旋回運動させることで、外部からハウジング11の吸入室(低圧部)14に吸入された流体ガスを、各スクロール12,13間に形成した圧縮室15にて圧縮し、吐出室(高圧部)16を通して外部に吐出するようにしている。
ハウジング11は、カップ状に形成したハウジング本体21と、このハウジング本体21の開口端21aに固定されるフロントハウジング22とから構成されている。ハウジング本体21は、開口端21aの縁に複数のねじ孔21bが所定間隔で形成されている。一方、フロントハウジング22は、外周部にハウジング本体21の各ねじ孔21bに対応して貫通孔22aが形成されている。従って、ハウジング本体21の開口端21aにフロントハウジング22がシール23を介して嵌合し、複数の締結ボルト24が各貫通孔22aを貫通して各ねじ孔21bに螺合することで、ハウジング本体21にフロントハウジング22が固定されることとなる。
スクロール圧縮機構において、固定スクロール12は、端板部12aと、この端板部12aの一側面に一体に形成された渦巻き状の壁体12bを有している。一方、旋回スクロール13は、この固定スクロール12と同様に、端板部13aと、この端板部13aの一側面に一体に形成された渦巻き状の壁体13bを有している。そして、この固定スクロール12の壁体12bと、旋回スクロール13の壁体13bとは、実質的に同一形状をなしている。
固定スクロール12は、端板部12aの外周面がOリング25を介してハウジング本体21の内周面に嵌合し、締結ボルトによりハウジング本体21に締結されている。一方、旋回スクロール13は、固定スクロール12に対して旋回半径だけ偏心し、且つ、180°だけ位相をずらし、固定スクロール12の壁体12bに対して自身の壁体13bを噛み合わせて組付けられている。更に、旋回スクロール13は、フロントハウジング22と端板部13aとの間に設けた自転阻止機構(例えば、オルダム型)26によって直交方向に自由に運動可能にガイドされ、自転を阻止されつつ、半径方向に公転旋回運動可能に支持されている。
この固定スクロール12と旋回スクロール13とは、チップシール37,38が介装されており、壁体対で形成される周方向の仕切りと各壁体の先端部と端板の接触部で形成される軸方向の仕切りにより圧縮室15が形成される。この圧縮室15は、旋回スクロール13の駆動軸中心に対して対形成されると共に、旋回スクロール13の旋回運動に伴い周辺部から中央部に移動して行き、圧縮室開放状態、圧縮室の締切り、締め切った圧縮室の容積を次第に減少させた後、最終工程で吐出する工程を連続的に行うと共に、圧縮作用を連続的に行なう。
フロントハウジング22には回転軸27がベアリング31により回転自在に支持されており、一端部はハウジング11の外方に延出してプーリ28が締結ボルト29により固結されている。回転軸27の他端部はハウジング11内に侵入し、大径部30が形成されており、この大径部30の端部には旋回スクロール13に対向して偏心軸32が設けられ、大径部31はベアリング31により回転自在に支持されている。旋回スクロール13における端板部13aの背側面の中央には、ボス13cが突設されており、このボス13c内には、ドライブブッシュ33が軸受34を介して回動自在に設けられ、ドライブブッシュ33と偏心軸32は回転可能に結合されている。これにより、旋回スクロール13は、回転軸27の回転によって所定半径で駆動されると同時にオルダム型自転防止機構26で直交方向に自由にガイドされるので、公転旋回運動することができる。また、大径部30には、旋回スクロール13に生じるアンバランス量を打ち消すためのバランスウェイト34が締結ボルト35により固定され、動的なバランスがとられている。
ハウジング11は、内部が固定スクロール12の端板部12aにより2つの部屋に仕切られており、ハウジング本体21のフロントハウジング22側(図1にて左側)の部屋が吸入室14となっている。そして、この吸入室14に対して、ハウジング本体21には、この吸入室14に向けて低圧の流体を導く図示しない吸入ポートが設けられ、システムに繋がっている。一方、ハウジング本体21の底部側(図1にて右側)の部屋が吐出室16、これに通路16aを介して連通すると共に、隣接して配置された油分離室50、及びその下部に位置する油溜室50aとなっている。従って、吸入室14に吸入された流体ガスは、前述の圧縮作用で圧縮されて吐出室16に吐出され、通路52を経て油分離室50を経て圧縮機の外部に吐出される。そして、油分離室50で分離された油は下部の油溜50aに貯留される。
この油溜51に溜まった潤滑油は、吸入室14と吐出室16との間に配置された連通路41を介して差圧吸入室14に戻される。このとき、潤滑油の流量Qは、位差量V、抵抗Rとすると狭い隙間を流れる流れに対して、下記(1)式で決まる。
Q=V/R ・・・(1)
V=△P=HP−LP ・・・(2)
R=A*L*f(η) ・・・(3)
ここに、HP:吐出室圧力
LP:吸入室圧力
A :通路断面積
L :通路長
f(η):粘性の影響係数
を示す。このf(η)は、潤滑油の温度によって変わるが、ここでは略一定として扱う。
従って上記(1)式は、下記(4)式で表される。
Q=k*V/(A*L) ・・・(4)
本実施例では、この潤滑油の戻し量Qに関して、吸入室14と吐出室16との位差量Vまたは差圧△Pの変化に対して抵抗R=A*Lを変えて、差圧△Pの変化に拘らず、常時、一定の潤滑油量を吸入室14へ戻すようにしている。なお、抵抗Rは通路断面積Aを変えても、通路長Lを変えても、A*Lを同時に変えても変えることができる。
即ち、図1乃至図3に示すように、固定スクロール12の端板部12aには、吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41が設けられている。この連通41は、固定スクロール12の端板部12aの下部に形成されており、吐出室16に開口する上流部42と、吸入室14側に開口する下流部43とが、連通路41のほぼ中央で連通して構成されている。そして、この上流部42に対して下流部43が小径となっており、上流部42の中心軸線O1と下流部43の中心軸線O2とが所定量Dだけ偏心し、大径の上流部42に小径の下流部43が下面で内接するように接続されている。
連通路41の上流部42には、円柱形状をなす柱状部材44がその軸方向に移動自在に嵌合している。この柱状部材44は、上流部42の開口端42aから挿入され、この上流部42の長さよりも短く形成されている。そして、柱状部材44は、上流部42への挿入時や移動時に、長手方向の各端部44a,44bの縁がむしれることを抑えるために、所定角度で面取り加工が施されている。
柱状部材44は、その外周面に各端部44a,44bを結ぶ一条または多条の螺旋溝45が形成されており、この螺旋溝45は溝断面が半円形状となっている。そのため、この螺旋溝45は、一端部が柱状部材44の端部44aを介して吐出室16に連通し、他端部が柱状部材44の端部44bを介して上流部42、下流部43、吸入室14に連通している。なお、柱状部材44は、螺旋溝45が形成された後にバレル処理やブラスト処理が施されることにより、螺旋溝45の両縁45aの角が取れて柱状部材44の外周面から螺旋溝45の底面にかけて丸くなだらかに形成されている。
従って、本実施例の潤滑油流路(流体通路)46は、螺旋溝45と上流部42の内周面42bとの間隙、上流部42、下流部43とから構成されており、この潤滑油流路46により吐出室14と吸入室16とが連通されている。
また、連通路41の出口側に、駆動手段としての圧縮スプリング47を設けて柱状部材44を付勢して駆動可能にすることで、潤滑油通路46の流路抵抗を変更することができる。即ち、上流部42における下流部43との連結端面42cと、柱状部材44の端面44dとの間に圧縮スプリング47が介装されている。
これによって柱状部材44は、圧縮スプリング47の付勢力により連通路41の出口方向に下記(6)式で決まる力で駆動される一方、柱状部在44の両端には、下記(5)式で示すように、吐出圧力HP、吸入圧力LPによる差圧△Pに基づく押し込み方向の力Fが作用する。
F=S*(HP−LP)=S*△P ・・・(5)
F=K*X ・・・(6)
なお、Sは、柱状部材44の受圧断面積、Xは、スプリング47の撓み量、Kは、スプリング47のばね常数、X0は、初期撓み量である。
これらが平衡する位置で柱状部材44の通路41内への押し込み量Lが決まる。また、△P=0で圧縮機が停止状態の時からΔPが所定値以下の時は初荷重K*X0により変位規制位置に保持される。以後、ΔPが上昇するにつれて柱状部材44の通路41内への押し込まれるLが長くなるので、抵抗Rが増大する。
一方、上流部42における開口端42aに対向してハウジング本体21には柱状部材44のストッパとして機能する突起部48が形成されている。なお、柱状部材44が上流部42を移動するとき、スティックなどにより柱状部材44が上流部42の内周面を損傷させてしまう虞があるため、端板部12aに対して柱状部材44を低硬度にすることが望ましい。また、ストツパ48に係合した状態で柱状部材44が受圧できるには、図2−1に二点差線で示すように、当たり面がべた当たりしないような当たり面とすれば良い。
このように実施例1のスクロール圧縮機にあっては、吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41における上流部42に、柱状部材44を移動自在に嵌合すると共に圧縮スプリング47により吐出室16側に突出する方向に付勢支持し、柱状部材44の外周面に螺旋溝46を形成して上流部42と柱状部材44との間に吐出室16の潤滑油を吸入室14に流動させる潤滑油通路46を設けると共に、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材44を移動して潤滑油通路47の流路抵抗を変更可能としている。
従って、柱状部材44には、圧縮スプリング47の付勢力と、吸入室14と吐出室16との圧力差ΔPによる駆動力S*ΔPとが作用し、柱状部材44はこの両方の力が釣り合う位置で停止することとなる。即ち、吸入室14と吐出室16との圧力差ΔPが小さいと、柱状部材44は圧縮スプリング47の付勢力により進入力小の方向、即ち、流路抵抗最小位置(図2−1)側に移動して潤滑油通路46の流路抵抗が小さくなる。一方、吸入室14と吐出室16との圧力差が大きいと、柱状部材44はその圧力差ΔPによる駆動力により進入量大の方向、即ち、流路抵抗最大位置(図2−2)側に移動して潤滑油通路46の流路抵抗が大きくなる。そのため、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて流路抵抗R(絞り量)の大きさが変わり、略一定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。
その結果、スクロール圧縮機の運転状態の変動に基づく差圧ΔPの変動に拘らず、常時、略一定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができ、安定した潤滑油の供給量を確保することができ、性能及び信頼性の向上を図ることができる。
上記構成は、連通路41の上流部42に柱状部材44を移動自在に支持し、この上流部42に対する柱状部材44の嵌合長さLを変えることで、潤滑油通路46の流路抵抗を変更するようにしており、簡単な構成でありながら、容易に差圧ΔPに応じて流路抵抗を自動調整変更可能とし、潤滑油の戻り量の一定化を可能とすることができ、装置の大型化を防止することができる。
図4−1は、本発明の実施例2に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図、図4−2は、実施例2の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のスクロール圧縮機において、図4−1及び図4−2に示すように、固定スクロール12の端板部12aには、吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41が設けられており、この連通41は上流部42と下流部43を有している。そして、この上流部42には円柱形状をなす柱状部材51が移動自在に嵌合しており、この柱状部材51は、その外周面に各端部51a,51bを結ぶ一条の螺旋溝52が形成されている。この螺旋溝52は、リード角θが吐出室16側に対して吸入室14側が大きくなるように設定されている。この場合、本実施例の潤滑油流路(流体通路)53は、螺旋溝52と上流部42の内周面42bとの間隙、上流部42、下流部43とから構成され、この潤滑油流路53により吐出室14と吸入室16とが連通されている。
その結果、螺旋溝52の軸方向単位長当たりの巻数は、吐出室16側から吸入室14側に向って少なくなっている。逆に言えば、吸入室14から吐出室16側に向けて螺旋溝は稠密になり、軸方向単位長当たりの溝長さLが増大している。これにより、差圧ΔPが大きくなり、進入量が増大すると通路抵抗Rは柱状部材51の進入量に対して非線形的関係で大きくなる。これにより、差圧ΔP大の時の絞り効果を相対的に大きくすることができる。一般に、差圧ΔPが大の時は吐出ガス温度が高くなり、潤滑油の粘度が低下するので、絞り効果を大きくする必要がある。本構成はこの要求を満足することができる。
このように実施例2のスクロール圧縮機にあっては、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材51を移動して潤滑油通路53の流路抵抗を変更可能とすると共に、この柱状部材51の螺旋溝53を、吸入室14側の方がリード角θが漸次小さくなるように設定している。
従って、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材51を移動して潤滑油通路53を構成する螺旋溝52の流路抵抗を非線形的に変更することとなり、常時、一定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。また、螺旋溝52のリード角θを吸入室14側にいく程大きくなるように設定しており、吸入室14と吐出室16との圧力差が大きくなって、進入量が大きくなるほど流路抵抗が大きくなるように変化することで、差圧が増大して潤滑油の温度が上昇し、潤滑油が流れ易くなるのに対応してより通路抵抗を増大させて潤滑油の戻り量を抑制し、安定した潤滑油の供給量を確保することができる。
なお、この実施例2では、柱状部材51の溝を低圧側端部51bから高圧側端部51aにいくにしたがって、柱状部材51の軸線に対して垂直をなす面に対するリード角θが小さくなるように設けたが、逆であっても良い。
図5−1は、本発明の実施例2の変形例に係るスクロール圧縮機の要部断面図、図5−2は、変形例の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形のスクロール圧縮機では、図5−1及び図5−2に示すように、柱状部材51に設けられる螺旋溝52を低圧側端部51bから高圧側端部51aにいくにしたがってリード角θが大きくなるように設ける。前述した実施例2においては、螺旋溝の断面積を一定としたが、本変形例では、高圧側端部51aに近付くにつれて螺旋溝52の断面積を減少させる構成を採用する。ここで、リード角θを高圧側端部51aに近付くにつれて大きくすることにより、柱状部材51が低圧側にスライドした場合に、螺旋溝52と連通路41の内壁とによって順次形成される液体流路の単位長さあたりの経路長は高圧側端部51aにいくにしたがって短くなることになる。しかしながら、本変形例においては、その経路長の減少率以上に螺旋溝52の断面積減少率をより高く設定することにより、液体流路全体の流路抵抗の変化率を高圧側端部51aにいくにつれて大きくなるような非線形をなす構成を実現する。
図6−1は、本発明の実施例3に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図、図6−2は、実施例3の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3のスクロール圧縮機において、図6−1及び図6−2に示すように、固定スクロール12の端板部12aには、吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41が設けられており、この連通41は上流部42と下流部43を有している。そして、この上流部42には円柱形状をなす柱状部材61が移動自在に嵌合しており、この柱状部材61は、その外周面に2つの螺旋溝62,63が平行をなして形成されている。第1螺旋溝62は、柱状部材61の各端部61a,61bを結ぶように形成され、第2螺旋溝63は、一端部が柱状部材61の端部61bに連結されるものの、他端部は柱状部材61の端部61aには連結され図のその手前で途絶えるように形成されている。
従って、本実施例の潤滑油流路(流体通路)64は、各螺旋溝62,63と上流部42の内周面42bとの間隙、上流部42、下流部43とから構成されており、2つの螺旋溝62,63を通して吐出室14と吸入室16とが連通可能となっている。
また、上流部42における連結端面42cと、柱状部材61の端面61dとの間に圧縮スプリング47が介装されており、柱状部材61は、この圧縮スプリング47の付勢力により連通路41から吐出室16側に突出するように付勢され、端面61cが突起部48に当接した位置で停止するようになっている。
従って、ハウジング11の吸入室14に吸入された流体ガスは、各スクロール12,13間に形成した圧縮室15で圧縮され、吐出ポート36吐出室16に吐出される。このとき、油分離室50で流体ガスから分離された潤滑油は、吐出室16の油溜50aに溜まる。そして、この吐出室16に溜まった潤滑油は、吸入室14と吐出室16との差圧により潤滑油通路64を通して吸入室14に戻される。
即ち、吸入室14と吐出室16との圧力差が小さいと、図5−1に示すように、柱状部材61は圧縮スプリング47の付勢力により流路抵抗最小位置側に移動し、2つの螺旋溝62,63が吐出室16に連通することとなり、潤滑油通路64の流路断面積が大きくなって流路抵抗が小さくなる。一方、吸入室14と吐出室16との圧力差は大きいと、図5−2に示すように、柱状部材61はその圧力差により流路抵抗最大位置側に移動し、1つの螺旋溝62だけが吐出室16に連通することとなり、潤滑油通路64の流路断面積が小さくなって潤滑油通路64の流路抵抗が大きくなる。そのため、吸入室14と吐出室16との圧力差にかかわらず、絞りを機能させて所定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。これにより前述した実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
本実施例の場合、実施例1と同様に、上流部42に対する柱状部材61の嵌合長さ、つまり、各螺旋溝62,63の全長を変更することで、流路抵抗を調整することができるものであり、それに加えて、螺旋溝62,63の本数を変更することで、流路抵抗を非線形に変更することができ、その調整範囲を拡大することができる。
このように実施例3のスクロール圧縮機にあっては、連通路41に移動自在に支持された柱状部材61の外周面に長さの異なる2つの螺旋溝62,63を形成し、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材61を移動し、螺旋溝62,63の連通本数を変えて潤滑油通路64の流路抵抗を変更可能としている。
従って、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材61を移動して潤滑油通路64を構成する2つの螺旋溝62,63の連通状態を変えて流路抵抗を変更することとなり、常時、一定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。また、螺旋溝62,63の長さを変えるだけで柱状部材61の移動により確実に潤滑油通路64の流路抵抗を調整することができ、安定した潤滑油の供給量を確保することができる。
図7−1は、本発明の実施例4に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図、図7−2は、実施例4の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4のスクロール圧縮機において、図7−1及び図7−2に示すように、固定スクロール12の端板部12aには、吸入室14と吐出室16とを連通する連通路41が設けられており、この連通41は上流部42と下流部43を有している。そして、この上流部42には円柱形状をなす柱状部材71が移動自在に嵌合しており、この柱状部材71は、その外周面に連通溝72が形成されており、この連通溝72は4つの溝部72〜75を有している。第1溝部73はやや幅広で、一端部が柱状部材71の端部61bに連結されて軸方向に沿って形成されている。第2溝部74は、中間部が第1溝部73の他端部に連結されて径方向に沿って形成されている。第3溝部75は、一端部が第2溝部74の一端部に連結される一方、他端部が柱状部材71の端部61aに連結されて軸方向に沿って形成されている。第4溝部76は、一端部が第2溝部74の他端部に連結される一方、他端部は柱状部材71の端部61aに連結されずに途中で途絶えるように軸方向に沿って形成されている。
従って、本実施例の潤滑油流路(流体通路)77は、連通溝72と上流部42の内周面42bとの間隙、上流部42、下流部43とから構成されており、2つの溝部75,76により吐出室14と吸入室16とが連通可能となっている。なお、図6−1及び図6−2に二点鎖線で示すように、溝部75,76の間にもう一つ溝部78を形成し、3つの階段状に形成しても良い。
また、上流部42における連結端面42cと、柱状部材71の端面71dとの間に圧縮スプリング47が介装されており、柱状部材61は、この圧縮スプリング47の付勢力により連通路41から吐出室16側に突出するように付勢され、端面71cが突起部48に当接した位置で停止するようになっている。
従って、ハウジング11の吸入室14に吸入された流体ガスは、各スクロール12,13間に形成した圧縮室15で圧縮され、吐出ポート36吐出室16に吐出される。このとき、油分離室50で流体ガスから分離された潤滑油は、吐出室16の油溜50aに溜まる。そして、この吐出室16に溜まった潤滑油は、吸入室14と吐出室16との差圧により潤滑油通路77を通して吸入室14に戻される。
即ち、吸入室14と吐出室16との圧力差が小さいと、図6−1に示すように、柱状部材71は圧縮スプリング47の付勢力により流路抵抗最小位置側に移動し、第1、第2溝部73,74から第3溝部75及び第4溝部76が吐出室16に連通することとなり、潤滑油通路77の流路断面積が大きくなって流路抵抗が小さくなる。一方、吸入室14と吐出室16との圧力差は大きいと、図6−2に示すように、柱状部材61はその圧力差により流路抵抗最大位置側に移動し、第1、第2溝部73,74から第4溝部76だけが吐出室16に連通することとなり、潤滑油通路64の流路断面積が小さくなって潤滑油通路64の流路抵抗が大きくなる。そのため、吸入室14と吐出室16との圧力差にかかわらず、絞りを機能させて所定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。
このように実施例4のスクロール圧縮機にあっては、連通路41に移動自在に支持された柱状部材71の外周面に連通溝72を形成すると共に、この連通溝72として長さの異なる2つの溝部75,76を階段状に形成し、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材71を移動し、溝部75,76の連通本数を変えて潤滑油通路77の流路抵抗を変更可能としている。
従って、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材71を移動して潤滑油通路77を構成する2つの溝部75,76の連通状態を変えて流路抵抗を変更することとなり、常時、一定量の潤滑油を吸入室14に戻すことができる。また、溝部75,76の長さを変えるだけで柱状部材71の移動により確実に潤滑油通路77の流路抵抗を調整することができ、安定した潤滑油の供給量を確保することができる。
なお、上述の各実施例では、流体通路を構成する潤滑油通路46,53,64,77として、螺旋溝45,52,62,63または溝部72〜76を形成したが、その形状は螺旋や直線にかかわらず、吸入室14と吐出室16とを連通するためのものであればどのような形状であってもよく、各種形状の組み合わせであってもよい。また、この螺旋溝45,52,62,63及び溝部72〜76を柱状部材44,51,61,71の外周面に形成したが、上流部42の内周面42bに形成してもよい。更に、溝形状に限らず、柱状部材44,51,61,71の外周面または上流部42の内周面42bのいずれか一方に突起部を形成してその両側を潤滑油通路としてもよい。
また、駆動手段として、上流部42の連結端面42cと、柱状部材44の端面44dとの間に圧縮スプリング47を介装して構成し、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて柱状部材44,51,61,71が移動して流路抵抗を変更するように構成したが、この構造に限定されるものではない。例えば、上流部に螺旋溝が形成された柱状部材を移動自在に支持すると共に、油圧式アクチュエータにより移動可能とすると共に、吸入室14及び吐出室16の圧力を検出する圧力センサを設ける。そして、各圧力線さの出力値から吸入室14と吐出室16との圧力差を求め、この圧力差に基づいて油圧式アクチュエータを駆動制御し、柱状部材を移動して流路抵抗を調整するようにしてもよい。
また、実施例3,4では、柱状部材61,71の外周面に長さの異なる2つの螺旋溝62,63及び溝部75,76を形成し、柱状部材61,71の移動位置に応じてその連通本数を変更して流路抵抗を調整するようにしたが、その螺旋溝や溝部の本数は2つの限らず、3つ以上形成してもよい。
更に、実施例2〜4では、螺旋溝52のリード角を変化させたり、螺旋溝62,63や溝部75,76の連通本数を変更することで、吸入室14と吐出室16との圧力差に応じて流路抵抗を変更可能としたが、この構造に限るものではない。例えば、柱状部材の外周面に形成された螺旋溝にて、その流路断面積が可変となるように、溝幅を太くしたり、溝深さを変えたり、そのピッチを異ならせたり、吐出室16側の表面を粗く形成することで流路抵抗を大きくしてもよく、また、螺旋溝の断面形状を異形断面としてその表面積を大きくしたり、角部を複数形成して流路抵抗を大きくしてもよい。
また、上述した各実施例では、本発明の流体の流量調整装置をスクロール圧縮機の潤滑油の戻し機構に適用して説明したが、別の圧縮機に適用することもでき、また、潤滑油の流量調整に限らず、別の流体の流量調整機構に適用することもできる。
本発明に係る流体の流量調整装置並びにスクロール圧縮機は、高圧部の流体を低圧部に流動させる流体通路の流路抵抗を変更して流量を調整可能とし、更には差圧ΔPの大に対応して流路抵抗が非線形特性で増大させることにより差圧ΔPに対応して温度上昇する流体の粘度低下に対する抵抗増加作用をも達成できるので、運転条件の広い範囲の件かな変化に拘らず安定した潤滑油の供給量を確保するようにしたものであり、圧縮機の潤滑油量の調整以外に他の機器での流量調整機構に適用することができる。
本発明の実施例1に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の全体構成を表す断面図である。 実施例1の流体の流量調整装置を表す断面図である。 実施例1の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。 流体通路を表す断面図である。 本発明の実施例2に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図である。 実施例2の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。 本発明の実施例2の変形例に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図である。 実施例2の変形例の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。 本発明の実施例3に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図である。 実施例3の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。 本発明の実施例4に係る流体の流量調整装置が適用されたスクロール圧縮機の要部断面図である。 実施例4の流体の流量調整装置の作用を表す断面図である。
符号の説明
11 ハウジング
12 固定スクロール
12a 端板
12b 壁体
13 旋回スクロール
13a 端板
13b 壁体
14 吸入室
15 圧縮室
16 吐出室
41 連通路
42 上流部
43 下流部
44,51,61,71 柱状部材
45,52,62,63 螺旋溝
46,53,64,77 潤滑油通路(流体通路)
47 圧縮スプリング(駆動手段、付勢部材)
48 突起部
72 連通溝
73,74,75,76 溝部


Claims (11)

  1. 高圧部と低圧部とを連通する連通路と、該連通路に軸方向に沿って移動自在に嵌合した柱状部材と、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に形成されて前記高圧部の流体を前記低圧部に流動させる流体通路と、前記柱状部材を前記連通路内で進退自在に駆動する駆動手段とを具えたことを特徴とする流体の流量調整装置。
  2. 請求項1記載の流体の流量調整装置において、前記駆動手段は、前記連通路に対する前記柱状部材の嵌合長さを変えることで、前記流体通路の流路抵抗を変更することを特徴とする流体の流量調整装置。
  3. 請求項2記載の流体の流量調整装置において、前記流体通路の流路抵抗は、差圧の増大に対応して非線形的に増大することを特徴とする流体の流量調整装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の流体の流量調整装置において、前記駆動手段は、前記高圧部と前記低圧部の圧力差に応じて前記柱状部材を移動して前記流体通路の流路抵抗を変更することを特徴とする流体の流量調整装置。
  5. 請求項4記載の流体の流量調整装置において、前記柱状部材は、付勢部材により端部が前記連通路から前記高圧部側に突出した流路抵抗最小位置に付勢支持され、前記高圧部と前記低圧部との差圧の上昇により前記低圧部側に移動して前記連通路内に埋没した流路抵抗最大位置に移動可能であることを特徴とする流体の流量調整装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一つ記載の流体の流量調整装置において、前記連通路は、前記高圧部側に開口して前記柱状部材が嵌合する上流部と、前記低圧部側に開口する下流部とを有し、前記上流部の中心軸線と前記下流部の中心軸線とが相対的に偏心して設けられ、前記下流部は、前記流体通路の少なくとも1か所と連通することを特徴とする流体の流量調整装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一つ記載の流体の流量調整装置において、前記流体通路は、前記連通路の内面または前記柱状部材の外面に形成された螺旋溝で形成されたことを特徴とする流体の流量調整装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一つ記載の流体の流量調整装置において、前記流体通路は、前記高圧部側の流路断面積が小さく設定されたことを特徴とする流体の流量調整装置。
  9. 請求項1から6のいずれか一つ記載の流体の流量調整装置において、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に複数の流体通路を設け、該複数の流体通路は、前記高圧部側の開口位置が異なり、前記連通路に対する前記柱状部材の移動位置に応じて前記高圧部と前記低圧部との連通本数が変化することを特徴とする流体の流量調整装置。
  10. 請求項1記載の流体の流量調整装置において、前記柱状部材は、端部が前記連通路から前記高圧部側に突出した流路抵抗最小位置と、前記連通路内に埋没した流路抵抗最大位置とに移動自在に支持され、前記駆動手段としてのアクチュエータは、前記高圧部と前記低圧部の圧力差に応じて前記柱状部材を前記流路抵抗最小位置と前記流路抵抗最大位置との間で移動可能であることを特徴とする流体の流量調整装置。
  11. ハウジングと、渦巻き状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、渦巻き状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能に支持された旋回スクロールと、前記ハウジング内が前記固定スクロールの端版により仕切られて設けられた吸入室及び吐出室と、前記吸入室と前記吐出室とを連通する連通路と、該連通路に軸方向に沿って移動自在に嵌合した柱状部材と、前記連通路の内面と前記柱状部材の外面との間に形成されて前記吐出室の流体を前記吸入室に流動させる流体通路と、前記柱状部材を前記連通路内で進退自在に駆動する駆動手段とを具えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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