JP2005240011A - 有機材料およびこれを用いた有機素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化を抑制可能であるとともに駆動効率を向上させることが可能な有機材料およびこの有機材料を用いた有機素子を提供する。
【解決手段】本発明は、有機材料およびこれを用いた有機素子であって、有機EL素子11における正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cに用いられる有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下であることを特徴とする有機材料および有機素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機素子用の有機材料に関するものであって、特に、陰極と陽極とで発光層が挟持された有機電界発光素子(有機EL素子)において、有機層を構成する有機材料に関する。
近年、軽量で高効率のフラットパネルディスプレイが、例えばコンピュータやテレビジョンの画面表示用として盛んに研究、開発されている。最も代表的な表示装置であるブラウン管(CRT)は、輝度が高く、色再現性が良いため、現在ディスプレイとして最も多く使われているが、嵩高く、重く、また消費電力も高いという問題がある。
また、軽量で高効率のフラットパネルディスプレイとして、アクティブマトリックス駆動などの液晶ディスプレイが商品化されている。しかしながら、液晶ディスプレイは、視野角が狭く、また、自発光でないため周囲が暗い環境下ではバックライトの消費電力が大きいことや、今後実用化が期待されている高精細度の高速ビデオ信号に対して十分な応答性能を有しない等の問題点がある。特に、大画面サイズのディスプレイを製造することは困難であり、そのコストが高い等の課題もある。
そこで、これらの諸課題を解決する可能性のあるフラットパネルディスプレイとして、最近、有機発光材料を用いた有機EL素子が注目されている。即ち、発光材料として有機化合物を用いることにより、自発光で、応答速度が高速であり、視野角依存性の無いフラットパネルディスプレイの実現が期待されている。
一般的な有機EL素子の構成は、透光性の陽極と金属陰極との間に、電流を流すことによって発光する発光材料を含む有機薄膜を形成したものである。この有機EL素子の歴史的背景としては、まず、有機薄膜を正孔輸送性材料からなる薄膜と電子輸送性材料からなる薄膜との2層構造とし、この有機薄膜を挟む状態で接続した陽極および陰極から、有機薄膜中にそれぞれ注入された正孔(ホール)と電子とが再結合することにより発光する素子構造が開発された(例えば、非特許文献1参照)。
その後、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料からなる3層構造が開発され(例えば、非特許文献2参照)、さらに、電子輸送材料中に発光材料を含ませた素子構造などが開発された(例えば、非特許文献3参照)。
近年では、有機EL素子に用いる様々な新規材料が開発されている。ここで、有機EL素子の発光寿命を長くするためには、輝度の低下をともなう初期劣化およびその後の経時的な劣化を抑制することが重要となる。そして、有機EL素子の劣化は、有機材料の結晶化が一因と考えられていることから、分子設計として、よりアモルファス性の高い材料が構築されており、有機材料のガラス転移温度(Tg)を高温化することで有機材料の劣化を抑制することが検討されている。また、このような材料を用いて、直流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有する有機EL素子のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われている。
上述したような有機EL素子用の有機材料の合成において、例えば芳香族アミン類の製造では、従来まで銅触媒を用いるUllmann反応が行われてきたが、高温反応であることや、その後の処理過程においては煩雑な反応方法であることから、工業的に改善が求められていた。そして、近年になって、均一触媒系であるパラジウムを含有する触媒成分を用いた研究が展開されており、とりわけ工業的にも重要な、そして注目される反応となっている。例えば、パラジウム化合物とバルキーな配位子を有するフォスフィンの共存下で芳香族アミン類を合成することにより、高収率でアミノ化を可能とする報告もなされている(例えば、特許文献1および非特許文献4参照)。
また、例えば芳香族炭化水素類の合成においては、従来までグリニヤー反応によるカップリングからのバイアリールの合成が一般的であったが、近年は、パラジウム触媒を用いたボロン酸またはボロン酸エステルと芳香族ハロゲン化物との反応の有用性が広く知られてきている(例えば、非特許文献5、6参照)。
一方で、該有機材料中の微量不純物が有機EL素子の劣化に関連することが健在化しており、その不純物としてのハロゲン化物含有化合物を考慮し、その含有量が規定された有機材料を有機EL素子に用いる例が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
「Applied Physics Letters」(米)1987年,第51巻,12号,p.913−915 「Japanese Journal of Applied Physics」1988年,第27巻,2号,p.269−271 「Journal of Applied Physics」(米)1989年,第65巻,9号,p.3610−3616 「Tetrahedron Letters」(蘭)1998年,第39巻,p.2367 N.Miyaura, T.Yanagi, A.Suzuki,「Chemical Reviews」(米)1995年、第95巻、p.2457 T.Ishiyama, M.Murata, N.Miyaura,「The Journal of Organic Chemistry」(米)1995年,第60巻,p.7508 特許第3216566号公報 特許第3290432号公報
しかし、上述したような有機EL素子用の有機材料の合成方法において、パラジウムを含有する触媒成分を用いる反応は公知であるものの、有機材料中の触媒残渣が有機材料またはこの有機材料を用いた有機EL素子のデバイス特性に及ぼす影響については不明であった。
上述したような課題を解決するために、本発明における有機素子用の有機材料は、有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下であることを特徴としている。
このような有機材料によれば、パラジウムの濃度が1000ppm以下であることから、パラジウムが原子価0価から4価を変動する原子であることにより誘発される、パラジウムとその周辺にある有機材料との電子または正孔の授受による酸化、還元反応が抑制される。このため、この酸化、還元反応に起因する有機材料の構造変化や、有機材料の分解劣化が抑制される。
また、本発明の有機素子は、陽極と陰極とで有機層が挟持された有機素子であって、この有機層を構成する有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下であることを特徴としている。
このような有機素子によれば、有機層がパラジウムの濃度1000ppm以下の有機材料で構成されることにより、上述したように、酸化、還元反応に起因した有機材料の構造変化および有機材料の分解劣化が抑制されるため、有機素子の劣化が抑制される。また、有機層中の電子または正孔がパラジウムによりトラップされることが抑制されるため、駆動効率が向上する。このため、特に、この有機素子が有機EL素子である場合には、有機層に用いる有機材料の構造変化による発光輝度の初期劣化が抑制されるとともに、有機材料の分解劣化による発光輝度の経時的な劣化が抑制される。また、有機EL素子において、有機層中の発光を司る電子または正孔がパラジウムによりトラップされることが抑制される。これにより、発光層における電子と正孔の再結合がパラジウムにより妨げられることなく行われるため、有機EL素子の発光効率が向上する。
以上、説明したように、本発明の有機素子用の有機材料およびこれを用いた有機素子によれば、有機素子の劣化が抑制されるとともに、駆動効率が向上する。特に、有機素子が有機EL素子である場合には、発光輝度の劣化が抑制されるとともに、発光効率が向上することから、高輝度で発光寿命の長い有機EL素子を得ることができ、長時間の駆動が可能な有機EL素子を提供することができる。
以下、本発明における有機素子用の有機材料について詳細に説明する。本発明における有機素子用の有機材料は、有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下である。また、この有機材料は、陽極と陰極とで有機層が挟持された有機素子の有機層を構成するものである。
(有機素子)
ここで、まず、本発明の有機材料が用いられる有機素子について、図1に示す有機EL素子の一構成例を用いて説明する。この図に示す有機EL素子11は、支持体となる基板12上に設けられており、基板12上に設けられた陽極13、陽極13上に設けられた有機層14および有機層14上に設けられた陰極15により構成されている。
ここで、この有機EL素子11は、例えば基板12上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を設けてなるアクティブマトリックス型の表示装置を構成するものとする。この有機EL素子11は、陽極13が反射電極として機能するとともに、上方に配置される陰極15が透明性を有する金属酸化物層等により構成されることで、有機層14で発生した光が陰極15側から取り出される上面発光型の所謂TAC(Top Emitting Adoptive Current drive)構造となっている。このような構造とすることで、TFT等の影響を受けることなく光が取り出されるため、発光部の開口率を向上させる上で有利な構造となっている。
また、陽極13と陰極15とで挟持された有機層14は、例えば陽極13上に、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cおよび電子輸送層14dの4層が順次積層された構成を有している。そして、この有機EL素子11では、陰極15から注入された電子と陽極13から注入された正孔とが発光層14cにて再結合し、この再結合の際に生じる光が陰極15側から取り出される。
ここで、有機層14における正孔注入層14aおよび正孔輸送層14bは、それぞれ発光層14cへの正孔注入効率を高めるためのものである。また、発光層14cは、陽極13と陰極15による電圧印加時に、陽極13と陰極15のそれぞれから正孔および電子が注入され、さらにこれらが再結合する領域である。
そして、発光層14cは、発光効率が高い材料、例えば、低分子蛍光色素、蛍光性の高分子、金属錯体等の有機材料から構成されている。さらに、発光層14cの発光スペクトルの制御を目的として、発光層14cに微量の蛍光分子がドーピングされていてもよい。このような蛍光分子として、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタセン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質がある。
ここで、本発明の有機材料は、特に有機層14中の正孔注入層14a、正孔輸送層14bまたは発光層14cに用いられることから、これらの層の構成材料については、以降に詳細に説明する。
また、電子輸送層14dは、陰極15から注入される電子を発光層14cに輸送するためのものである。電子輸送層14dの材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、ビススチリル、ピラジン、またはこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略称Alq3 )、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベンまたはこれらの誘導体が挙げられる。
有機層14の各層は、例えば真空蒸着法や、スピンコート法などの方法によって形成することができる。なお、ここでは、有機層14が正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14c、電子輸送層14dで構成されることとしたが、このような層構造に限定されることはなく、陽極13と陰極15との間に発光層14cを含む有機層14が挟持された構成であればよい。例えば、正孔注入層14aと正孔輸送層14bが一層で設けられていてもよく、電子輸送層14dと陰極15との間に電子注入層が設けられた構成であってもよい。また、発光層14cが正孔輸送層14bまたは電子輸送層14dを兼ねた構成であってもよい。これらは、必要に応じた積層構造を選択することができる。
次に、有機層14以外の有機EL素子11の構成について説明する。まず、基板12は、有機EL素子11の支持体であって、例えば、石英、ガラス、金属箔、または樹脂製のフィルムやシートなどが用いられる。この中でも、石英やガラスが好ましく、樹脂製の場合には、その材質としてポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル類、またはポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、透水性や透ガス性を抑える積層構造、表面処理を行うことが必要である。
この基板12上に設けられる陽極13には、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいものが用いられる。ここでは例えばクロム(Cr)を用いることとしたが、モリブテン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金、さらにはこれらの金属や合金の酸化物等が、単独または混在された状態で用いられる。この陽極13は、例えばスパッタリング法等により形成される。
ここでの陽極13は、この有機EL素子11を用いて構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式であるため、TFTが設けられている画素毎にパターニングされる。そして、この陽極13上には、ここでの図示を省略したが絶縁膜が設けられ、この絶縁膜の開口部から、各画素の陽極13の表面が露出されるようになっている。
次に、陰極15は、例えば、有機層14側から順に第1層15aおよび第2層15bを積層させた2層構造で構成されている。第1層15aは、仕事関数が小さく、かつ光透過性の良好な材料を用いて構成される。このような材料としては、例えば、カルシウム(Ca),バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、リチウム,セシウム等のアルカリ金属、さらにはインジウム(In),マグネシウム(Mg)等の仕事関数の小さい金属、これらの金属の混合物、またはこれらの金属の合金を用いて安定性を高めてもよい。さらには、上記の金属の酸化物を単体で用いてもよく、これらの酸化物の混合物であっても、合金の酸化物であってもよい。
第2層15bは、例えば、MgAgなどの光透過性を有する層を用いた薄膜により構成されている。また、第1層15aと第2層15bとの間に、さらに、アルミキノリン錯体、スチリルアミン誘導体、フタロシアニン誘導体等の有機材料を含有した混合層が設けられていてもよい。
ここで、この有機EL素子11では、例えばキャビティ構造を有して形成されている。キャビティ構造における目的波長を得るためのキャビティ長(光学的距離)、すなわち、陽極13と陰極15の第1層15aとの間の距離は、発光波長によって規定されており、多重干渉の計算から導くことができる。TAC構造では、このキャビティ構造を積極的に用いることにより、外部への光取り出し効率の改善や発光スペクトルの制御を行うことが可能である。そして、この場合には、第1層15aと第2層15bとの間に設けられる有機材料を含有する混合層は、キャビティ長の調整にも用いることができる。
以上の第1層15aおよび第2層15bは、真空蒸着法、スパッタリング法、更にはプラズマCVD法などの手法によって形成することができる。
なお、陰極15は上記のような2層構造でなくても良い。この積層構造は電極各層の機能分離を行う際に必要なものであり、第2層15bのみで構成したり、第1層15a上にITOなどの透明電極を形成したりすることも可能であり、作製されるデバイスの構造に応じて最適な組み合わせ、積層構造を取れば良いことは言うまでもない。
上記した各有機EL素子11に印加する電流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子を破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、有機EL素子11の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率良く発光させることが望ましい。
有機EL素子11としては、上述したようなTAC構造だけでなく、陽極13にITO等よりなる透明電極を用いることにより上下の両サイドから光を取り出す両面発光型や、陽極13を透明電極、陰極15を反射電極とすることで、基板12側から光を取り出す下面発光型の構成もある。さらには、基板12側から順に、陰極15、有機層14、陽極13が順次積層された構成のものある。
(有機材料)
本発明の有機材料は、上述したような有機EL素子11の有機層14に用いられるものであり、特に、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cに用いられるものである。ここで、上記の層に用いられる有機材料は、パラジウムを含む触媒成分を用いて合成することができ、その場合には合成された有機材料中に、触媒残渣であるパラジウムが残存し易い傾向にある。本発明では、有機材料に含まれるパラジウムの濃度を1000ppm以下に規定している。
ここで、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cを構成する各有機材料に含まれるパラジウムの濃度を1000ppm以下とすることで、有機EL素子11における発光を司る電子または正孔がパラジウムによりトラップされることが抑制される。特に、発光層14cを構成する有機材料に含まれるパラジウムの濃度を1000ppm以下とすることで、電子と正孔の再結合がパラジウムにより妨げられることなく行われるため、発光効率が向上する。
また、上述したパラジウムを含有する触媒成分を用いた合成法とは、特定の有機EL材料の合成反応の過程において、原料、溶媒もしくは反応助剤のほかに触媒成分として含まれていることを意味する。ここで含まれるとは、成分が挙示のもの(原料、溶媒、反応助剤、触媒成分)のみであるということを意味するものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分が共存することを排除しない。
また、有機EL素子11向けの有機材料が、その合成される過程においてパラジウムを含有する触媒成分を用いた合成法を少なくとも一段階経ているものであればよく、総ての合成段階でパラジウムを含有する触媒成分が用いられることを意味するものではない。
本発明におけるパラジウムを含有する触媒成分としては、公知のものであってよく、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)ナトリウム、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジアミンジクロロパラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−フェロセニルビス(ジフェニルフォスフィン)]パラジウム(II)、(ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナート)パラジウム(II)、ビス(エチレンジアミン)ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン‐パラジウム(II)ジクロリド‐ジクロロメタン錯体等の2価パラジウム化合物類、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム酸(IV)アンモニウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価パラジウム化合物類、パラジウム黒、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の0価パラジウム化合物類等が挙げられる。
また、パラジウムには同位体として102Pd:1.020%、104Pd:11.14%、 105Pd:22.33%、106Pd:27.33%、108Pd:26.46%、および110Pd:11.72%が存在するが、本発明におけるパラジウムの濃度の規定においてはこれらの同位体は区別しない。
ここで、本発明の有機材料を得るための合成過程で行われる、パラジウムを含有する触媒成分を用いた一般的な反応例を示す。
このような反応例として、特定のハロゲン化アリールと特定のアリールアミンまたはジアリールアミンとのパラジウムカップリングによるジアリールアミン化合物またはトリアリールアミン化合物の合成反応の例を式(1)に示す。
Figure 2005240011
式(1)に示すように、ハロゲン化アリールとジフェニルアミンとの反応では、パラジウム触媒、塩基および嵩高い配位子を有するフォスフィンの存在下において、トリアリールアミン化合物が収率よく生成される(「Tetrahedron Letters」1998年,第39巻,p.2367)。
また、式(2)の反応例は、原料として、ハロゲン化アリールと、1級アミンまたは2級アミンとのカップリング反応において、パラジウム触媒を用いるものである。パラジウム触媒の助触媒として、2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)を用い、高収率でのアリールアミンの合成が可能である(John P. Wolfe and Stephen L. Buchwald,「Organic Synthesis」第78巻、p.23)。
Figure 2005240011
さらに、特定のボロン酸もしくはボロン酸エステルと特定のハロゲン化アリールとのパラジウムカップリングによるビアリール系芳香族化合物の合成の一例を式(3)に示す。
Figure 2005240011
式(3)に示すように、フェニルボロン酸と臭化アリールの反応において、パラジウム触媒および塩基の存在下で、ビアリールが収率よく生成される(N.Miyaura, T.Yanagi, A.Suzuki,「Chemical Reviews」1995年、第95巻、p.2457)。
また、式(4)に示すように、触媒として1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン‐パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(dppf))の存在のもと、アリールボロン酸エステルとトリフレート化アリールとの反応によっても高収率でビアリール系芳香族化合物が合成される。(「Tetrahedron Letter」1997年,第38巻,p.3447−3450)。
Figure 2005240011
上記の式(1)〜式(4)におけるパラジウム化合物の使用量は、原料1モルに対しパラジウム換算で通常0.000001〜100モル%の範囲内で行われ、より好ましくは、0.0001〜10モル%の範囲内である。ただし、パラジウム化合物の触媒残渣は、合成される有機材料に対して影響を及ぼすため、反応が促進される範囲の使用量であれば、少ないほど好ましい。
また、上述したようなパラジウムを含有する触媒成分を用いた反応は、有機溶媒を用いる均一溶解状態もしくはスラリー状態、水と有機溶媒の二層系混合状態などに適用される。ここで有機溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酸エステル類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。この中でも好ましい溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒が挙げられる。
反応温度は、通常0〜200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、そのとき反応雰囲気としては空気の他、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスなどが挙げられ、特に不活性ガス雰囲気下で反応することが好ましい。
上記のような反応を行い、目的とする有機材料を合成した後は、この有機材料を精製し、有機材料中の金属元素等からなる不純物を排除することで、高純度の有機化合物を得る。この精製方法としては、再結晶法、再沈殿法、もしくはシリカやアルミナを用いたカラム精製のほかに、昇華法やゾーンメルト法による公知の高純度化方法を用いることができる。この中でも、再結晶法、昇華法、ゾーンメルト法により有機材料を精製することで、有機材料中のパラジウム濃度が効果的に低減される。
さらに、これらの精製方法を繰り返し行うことや異なる精製法を組み合わせて行うことで有機材料中のパラジウムの濃度をより低減させることが可能となる。
本発明におけるパラジウムの検出、測定、定量の方法は公知に知られている方法もしくは装置を用いて行われ、例えば、発光分析装置である高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)や質量分析装置としての高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)、また、これを四重極、セクタ、イオントラップタイプ、TOF(Time of flight)など質量分散させる機能を有するものと併用させることもできる。
上記の2種類の方法はイオン源もしくは発光源としてICP(Inductively Coupled Plasma)のほかにMIP(Microwave Induced Plasma)なども用いてもよい。そのほかにも、原子吸光分析(フレーム,黒鉛炉,水素化,還元気化)、広域X線吸収微細構造(EXAFS)、X線光電子分光分析器(XPS)、核磁気共鳴分光(NMR)、電子常磁性共鳴分光(ESR)、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)などが挙げられるが、この中でも汎用性、定量性の観点からICP−AES、もしくはICP−MSが分析方法としては好ましい。
本発明の有機EL素子用の有機材料は、例えば、上述したようなパラジウムを含有する触媒成分を用いた反応を有する合成過程を経て合成される。特に、このような方法により合成される有機材料としては、芳香族炭化水素を含む構造の化合物がある。そして、その中でも、これらの有機材料の基本骨格として、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、フルオランテン、またはペリレンから選ばれる骨格を含む有機材料が、図1を用いて説明した有機EL素子11の有機層14のうち、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cに用いられる。
ここで、特に、正孔注入層14aまたは正孔輸送層14bに用いられる有機材料の化合物の一例を示す。
Figure 2005240011
ここで、式(5)中のA3〜A6はそれぞれ独立に炭素数6〜20の芳香族炭化水素を示し、この芳香族炭化水素は、無置換であっても置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のカルボニル基、置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものとする。
また、カルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。そして、アルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
なお、上述した置換基を有してもよい基、すなわち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基および複素環基に対する置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものである。
Yは芳香族炭化水素を示し、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ナフタセン、フルオランテン、トリフェニレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタセン、コロネンから選ばれるものであって、mは1以上の整数を示す。
ここで、式(5)に示す化合物の代表的な構造について表1〜表6に示す。ただし、Yの骨格および結合部位(置換部位)、また、A3〜A6の分子骨格および結合部位(置換部位)、対称性、置換基の種類は表1〜6に示すものに限定されるものではない。
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また、式(5)に示した化合物と同様に正孔注入層14aまたは正孔輸送層14bに用いられる有機材料の一例として、次のような化合物が挙げられる。
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ここで、式(6)中のA7〜A12はそれぞれ独立に炭素数6〜20の芳香族炭化水素を示し、この芳香族炭化水素は、無置換であっても置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のカルボニル基、置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものとする。
また、カルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。そして、アルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
なお、上述した置換基を有してもよい基、すなわち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基および複素環基に対する置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものである。
また、Z1からZ3は芳香族炭化水素を示し、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ナフタセン、フルオランテン、トリフェニレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタセン、コロネンから選ばれるものであって、p、qおよびrは1以上の整数を示す。
ここで、式(6)に示す化合物の代表的な構造について表7〜表8に示す。ただし、Z1〜Z3の分子骨格および結合部位(置換部位)、また、A7〜A12の分子骨格および結合部位(置換部位)、対称性、置換基の種類は表7〜8に示すものに限定されるものではない。
Figure 2005240011
Figure 2005240011
なお、正孔注入層14a、正孔輸送層14bに用いられる有機材料としては、上述したような構造の材料も含めて、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、もしくはこれらの誘導体、または、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物あるいはアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマーもしくはポリマーを用いることができる。
具体的には、α−ナフチルフェニルジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N,N,N,N−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N,N−テトラフェニル4,4−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2−チエニルピロール)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、有機EL素子11の発光層14cに用いられる有機材料の一例としては、次のような化合物が挙げられる。
Figure 2005240011
ここで、式(7)中のA1、A2はそれぞれ独立に炭素数6〜20の芳香族炭化水素を示し、この芳香族炭化水素は、無置換であっても置換基を有していてもよい。置換基としてはハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換もしくは無置換のカルボニル基、置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものとする。
また、カルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。そして、アルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
なお、上述した置換基を有してもよい基、すなわち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基および複素環基に対する置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基から選ばれるものである。
また、Xは芳香族炭化水素を示し、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ナフタセン、フルオランテン、トリフェニレン、クリセン、ピセン、ペリレン、ペンタセン、コロネンから選ばれるものであって、nは1以上の整数を示す。
ここで、式(7)に示す化合物の代表的な構造について表9〜表77に示す。ただし、これらの表に示す化合物は一例であり、Xの分子骨格および結合部位(置換部位)、A1、A2の分子骨格および結合部位(置換部位)、対称性、置換基の種類については、以下の例に限定されるものではない。
はじめに、Xをフェニル基としたものを、以下に示す。なお、フェニル基は置換部位としてオルト位、メタ位、およびパラ位の3つの置換選択性を有するが、ここではパラ位の場合を表9〜表14に示し、メタ位の場合を表15〜表18に示す。
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また、式(7)で示す化合物において、Xがフェニル基であり、n=2の場合の代表的な化合物例を表19〜表23に示す。この場合には、1,1’−ビフェニル骨格となる化学構造を有するものとなるが、類似の骨格としては、1,1’−ビナフチルや9,9’−ビアンスリルなど芳香族炭化水素が結合される場合があり、この場合も含まれることとする。
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次に、式(7)で示す化合物において、Xが1,4−ナフチル置換基からなる場合の代表的な化合物について示す。このナフチル置換基については、1,2置換、1,3置換など、多様な置換の組み合わせがあり、その全てが本発明の有機材料に適用可能である。ここでは、1,4置換の化合物例を、表24〜表28に示し、1,5置換の化合物例を、表29〜表33に示す。
Figure 2005240011
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがアントラセンからなる場合の代表的な化合物について示す。この化合物については、アントラセンの置換部位が9,10位である場合の化合物例を表34〜表42に示し、アントラセンの置換部位が2,6位である場合の化合物例を表43〜表49に示す。
Figure 2005240011
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがフェナントレンからなる場合の代表的な化合物について表50〜表54に示す。
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがピレンからなる場合の代表的な化合物について表55〜表59に示す。
Figure 2005240011
Figure 2005240011
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Figure 2005240011
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがナフタセンからなる場合の代表的な化合物について表60〜表65に示す。
Figure 2005240011
Figure 2005240011
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Figure 2005240011
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがフルオランテンからなる場合の代表的な化合物について表66〜表72に示す。
Figure 2005240011
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次に、式(7)で示す化合物において、Xがペリレンからなる場合の代表的な化合物について表73〜表77に示す。
Figure 2005240011
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なお、発光層14cに用いられる材料としては、上記の化合物も含めて、例えば、アントラセン,ナフタレン,フェナントレン,ピレン,クリセン,ペリレン,ブタジエン,クマリン,アクリジン,スチルベン,トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体,ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体,トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体ジトルイルビニルビフェニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以上、説明したような有機材料およびこれを用いた有機EL素子11によれば、有機層がパラジウムの濃度1000ppm以下の有機材料で構成されることにより、パラジウムの酸化、還元反応に起因した有機材料の構造変化および有機材料の分解劣化が抑制される。このため、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14cに用いる有機材料の構造変化による発光輝度の初期劣化が抑制されるとともに、有機材料の分解劣化による発光輝度の経時的な劣化が抑制される。
また、有機EL素子11において、有機層14中の発光を司る電子または正孔がパラジウムによりトラップされることが抑制される。これにより、発光層14cにおける電子と正孔の再結合がパラジウムにより妨げられることなく行われるため、有機EL素子11の発光効率が向上する。
したがって、高輝度で発光寿命の長い有機EL素子11を得ることができ、長時間の駆動が可能な有機EL素子11を提供することができる。
なお、本実施形態では、有機EL素子11を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、他の有機素子にも適用可能である。例えば、光エネルギーを電気エネルギーへと変換する二層有機光起電力セル(Applied Physics Letters 48(2)1986年)等にも適用可能である。
本実施形態の有機EL材料および有機EL素子の実施例について具体的に説明する。
(合成例1)
実施形態で説明した有機EL素子11の正孔注入層14aに用いる有機材料として、上述した式6の基本骨格を有する4,4',4”−トリス(フェニル−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を、次のような方法により合成した。
まず、メカニカルスターラーを装着させた500mlの三口フラスコを窒素で十分に置換した後に、4,4',4”−トリヨードトリフェニルアミン(31.2g、50mmol)、3−フェニル−m−トリルアミン(29.3g、160mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.7g、60mmol)を200mlのトルエンに溶解させた。
その混合溶液を窒素にて10分間バブリングして、溶液中の溶存酸素を十分に排気させた。続いて、パラジウム触媒成分として酢酸パラジウム(280mg、1.25mmol)を一括で加え、攪拌しながらトルエン20mlに溶解させたトリ(t-ブチルフォスフィン)(1.0g、5mmol)を滴下し、全量の投入が終了した後に昇温を開始して還流温度で8時間反応させた。
反応終了後に室温まで冷却し、続いてこのトルエン溶液を水で3回洗浄し、有機層側を硫酸ナトリウムで乾燥させ一昼夜放置した。ろ過によって硫酸ナトリウムを除去した後に、トルエン溶液を濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサンとトルエンの混合溶媒)にて不純物および副生成物を除去した。得られた反応生成物はトルエンとヘキサンの混合溶媒から再結晶を行い、目的生成物であるm−MTDATAの白色柱状結晶を得た。収率は74%だった。
得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行った結果を表78に示す。
Figure 2005240011
表78に示すように、この化合物には3550ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物をm−MTDATA(未昇華1)とする。また、m−MTDATA(未昇華1)について昇華精製を1度行ったところ、パラジウム濃度は1000ppmとなった。この化合物をm−MTDATA(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウム濃度は89ppmとなった。この化合物をm−MTDATA(昇華2)とする。また、上記合成例1と同様の方法により、再度、m−MTDATAを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1200ppmであった。この化合物をm−MTDATA(未昇華2)とする。
(合成例2)
有機EL素子11の正孔注入層14aに用いる有機材料として、式(6)に示す基本骨格を有する4,4',4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を次のような方法により合成した。
合成例1において3−フェニル−m−トリルアミンの代わりに2−ナフチルフェニルアミンを用いた以外は合成例1の方法と同様に合成を行い、カラム精製を行った。その結果、目的生成物である2−TNATAの白色結晶を得た。収率は63%だった。
得られた2−TNATAについて、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、表78に示すように、この化合物には4950ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物を2−TNATA(未昇華1)とする。また、2−TNATA(未昇華1)について昇華精製を1度行ったところ、パラジウム濃度は920ppmとなった。この化合物を2−TNATA(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウム濃度は127ppmとなった。この化合物を以後2−TNATA(昇華2)とする。また、上記合成例2と同様の方法により、再度、2−TNATAを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1310ppmであった。この化合物を2−TNATA(未昇華2)とする。
(合成例3)
次に、図1を用いて説明した有機EL素子11の正孔輸送層14bに用いる有機材料にとして、式(5)に示す基本骨格を有するN,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル[1,1’-ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPD)を次のような方法により合成した。
メカニカルスターラーを装着させた1000mlの三口フラスコを窒素で十分に置換した後に、N,N’―ジフェニルベンジジン(16.8g、50mmol)、1−ブロモナフタレン(20.7g、100mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(9.6g、100mmol)を80mlのトルエンに溶解させた。
この混合溶液を窒素にて10分間バブリングして、溶液中の溶存酸素を十分に排気した。続いてパラジウム触媒成分として酢酸パラジウム(1.1g、5mmol)を、上記混合溶液に一括で加え、攪拌しながらトルエン20mlに溶解させたトリ(t-ブチルフォスフィン)(4.0g、20mmol)を滴下し、全量の投入が終了した後に昇温を開始して還流温度で8時間反応させた。
反応終了後に室温まで冷却し、セライトにて不溶部を分離させた後に有機層を水で5回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。この溶液を濃縮させた後にヘキサン/トルエン=2:8の混合溶媒にてシリカカラムを通し、目的物であるα−NPDを収率70%で得た。
ICP−AES法により、得られたα−NPDについて元素分析を行った結果を表79に示す。
Figure 2005240011
表79に示すように、この化合物には4610ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物をα−NPD(未昇華1)とする。また、この化合物について昇華精製を1度行ったところ、パラジウム濃度は930ppmとなった。この化合物をα−NPD(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウムの含量は12ppmとなった。この化合物を以後α−NPD(昇華2)と明記する。また、上記合成例3と同様の方法により、再度、α−NPDを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1090ppmであった。この化合物をα−NPD(未昇華2)とする。
(合成例4)
また、有機EL素子11の正孔輸送層14bに用いる有機材料として、式(5)に示す基本骨格を有するN,N’−ビス(4’―ジフェニルアミノ−4−ビフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(DPBPB)を、次のような方法で合成した。
合成例3において1−ブロモナフタレンの代わりに4−ブロモ−4’−ビフェニルアミノ―ビフェニルを使用した以外は同様の操作を行い、DPBPBを収率70%で得た。
ICP−AES法により、得られたDPBPBについて元素分析を行ったところ、表79に示すように、この化合物には2160ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物をDPBPB(未昇華1)とする。また、この化合物について昇華精製を1度行ったところ、パラジウムの含量は988ppmとなった。この化合物をDPBPB(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウムの含量は95ppmとなった。この化合物をDPBPB(昇華2)とする。また、上記合成例4と同様の方法により、再度、DPBPBを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1160ppmであった。この化合物をDPBPB(未昇華2)とする。
(合成例5)
また、図1を用いて説明した有機EL素子11の発光層14cに用いる有機材料として、式(7)に示す基本骨格を有する9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−ADN)の合成方法について説明する。
メカニカルスターラーを装着させた1000mlの三口フラスコを窒素で十分に置換した後に、9,10−ジブロモアントラセン(16.8g、50mmol)、2−ナフタレンボロン酸(20.7g、100mmol)を順次加え、300mlのトルエンおよび150mlのエタノールにて溶解させた。攪拌しながら2.0mol/lのNa2CO3水溶液を150ml添加し、その混合溶液を窒素にて10分間バブリングして、溶液中の溶存酸素を十分に排気した。
続いて、パラジウム触媒成分としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(500mg、0.4mmol)を加えてから昇温を開始し、還流温度で8時間反応させた。反応終了後に室温まで冷却し、有機層を分離させ、水で5回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。この溶液を濃縮させた後にヘキサン/トルエン混合溶媒にてシリカカラムを通し、目的物である2−ADNを収率67%で得た。
ICP−AES法により、得られた有機材料について元素分析を行った結果を表80に示す。
Figure 2005240011
表80に示すように、この有機材料には、2180ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物を2−ADN(未昇華1)とする。また、2−ADN(未昇華1)について昇華精製を1度行ったところ、パラジウム濃度は780ppmとなった。この化合物を2−ADN(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウムの含量は102ppmとなった。この化合物を以後2−ADN(昇華2)とする。また、上記合成例5と同様の方法により、再度、2−ADNを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1160ppmであった。この化合物を2-ADN(未昇華2)とする。
(合成例6)
また、有機EL素子11の発光層14cに用いる有機材料について、式(7)に示す基本骨格を有する2,6−ジ(1−ナフチル)アントラセン(1−ADN)を次のような方法で合成した。
合成例1において2−ナフタレンボロン酸の代わりに1−ナフタレンボロン酸を用いた以外は、合成例1の方法と同様に合成を行い、その後、カラム精製を行った。その結果、目的生成物である1−ADNの白色結晶を収率68%で得た。
ICP−AES法により、得られた1−ADNの元素分析を行ったところ、表80に示すように、この化合物には3550ppmのパラジウムが含まれていた。この化合物を1−ADN(未昇華1)とする。また、この1−ADN(未昇華1)について、昇華精製を1度行ったところ、パラジウム濃度は880ppmとなった。この化合物を1−ADN(昇華1)とする。さらにもう1度昇華精製を繰り返したところ、パラジウムの含量は95ppmとなった。この化合物を1−ADN(昇華2)とする。また、上記合成例6と同様の方法により、再度、1−ADNを合成し、カラム精製を強化した。そして、得られた有機材料について、ICP−AES法による元素分析を行ったところ、パラジウム濃度は1350ppmであった。この化合物を1-ADN(未昇華2)とする。
(有機EL素子の形成)
次に、上記の合成法により合成された各有機材料を用いて、図1を用いて説明した有機EL素子11を形成した。
<正孔注入層14a>
ここでは、まず、有機EL素子11の正孔注入層14aを構成する有機材料のパラジウム濃度が異なる場合の例を、実施例1〜6および比較例1〜6に示す。
(実施例1)
まず、例えば30mm×30mmのガラス板からなる基板12上に、クロム(Cr)からなる膜(膜厚約100nm)を形成することで、陽極13とした。さらに、この陽極13上に二酸化ケイ素(SiO2)からなる絶縁膜を蒸着することで、2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを作製した。
次に、真空蒸着法により、陽極13上に、有機層14の正孔注入層14aとして、表78に示すm-MTDATA(昇華2)を30nmの膜厚で成膜した。この際の蒸着速度は、0.2〜0.4nm/secであった。
次いで、真空蒸着法により、正孔注入層14a上に、正孔輸送層14bとして、表79に示すα-NPD(昇華1)を、30nmの膜厚で成膜した。この際の蒸着速度は、0.2〜0.4nm/secであった。
続いて、真空蒸着法により、正孔輸送層14b上に、電子輸送性の発光層14cとして、表80に示す2−ADN(昇華1)を30nmの膜厚で成膜した。
次に、真空蒸着法により、電子輸送層14dとして、式(8)に示す8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)を約20nmの膜厚で成膜した。
Figure 2005240011
以上のようにして、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14c、および電子輸送層14dを順次積層してなる有機層14を形成した後、真空蒸着法により、この有機層14上に、陰極15の第1層15aとして、Li2Oを約0.3nmの膜厚で形成した。この際の蒸着速度は、0.2〜0.4nm/secであった。その後、真空蒸着法により、第1層15a上に、陰極15の第2層15bとして、MgAg膜を膜厚10nmで成膜した。
以上のような方法により形成した有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、発光寿命の指標となる輝度の半減時間を測定した。その結果を表81に示す。
Figure 2005240011
表81に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動した場合の半減時間は350時間であった。
(実施例2)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示すm-MTDATA(昇華1)を用いた以外は、実施例1と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例1と同様の条件での評価を行ったところ、表81に示すように、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は270時間であった。
(比較例1)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示すm−MTDATA(未昇華1)を用いた以外は、実施例1と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例1と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は210時間であった。
(比較例2)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示すm−MTDATA(未昇華2)を使用した以外は、実施例1と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例1と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は250時間であった。
(実施例3)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(昇華2)を使用した以外は、実施例1と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、輝度の半減時間を測定した。
表81に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動した場合の輝度の半減時間は200時間であった。
(実施例4)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(昇華1)を用いた以外は、実施例3と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例3と同様の条件での評価を行ったところ、表81に示すように、青色の発色を呈し、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は170時間であった。
(比較例3)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(未昇華1)を用いた以外は、実施例3と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機El素子11について、実施例3と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は100時間であった。
(比較例4)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(未昇華2)を用いた以外は、実施例3と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機El素子11について、実施例3と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は110時間であった。
(実施例5)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2−ADN(昇華1)を膜厚50nmで成膜した後、式(9)に示す1,1’-8,1’’-ターピレン(1,8−TP)を相対膜厚比で5%ドーピングしたものを用いた。
Figure 2005240011
発光層14c以外は、実施例1と同様の材料を用いて有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と輝度の半減時間を測定した。
表81に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動した場合の輝度の半減時間は370時間であった。
(比較例5)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示すm-MTDATA(未昇華1)を用いた以外は、実施例5と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例5と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は60時間であった。
(実施例6)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(昇華2)を用い、また、発光層14cの有機材料として、実施例5と同様に、2−ADN(昇華1)に1,8−TPをドーピングしたものを用いた。これら以外は、実施例1と同様の材料を用いて有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と輝度の半減時間を測定した。
表81に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動した場合の輝度の半減時間は250時間であった。
(比較例6)
正孔注入層14aの有機材料として、表78に示す2−TNATA(未昇華1)を用いた以外は、実施例6と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例6と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表81に示すように、半減時間は110時間であった。
以上、実施例1〜6に示すように、正孔注入層14aを構成する有機材料のパラジウム濃度が1000ppm以下の場合には、構成する有機材料によらず、比較例1〜6に示す1000ppmより多い場合と比較して、発光寿命が長いことが確認された。
<正孔輸送層14b>
次に、有機EL素子11の正孔輸送層14bを構成する有機材料のパラジウム濃度を変化させた場合の例を、実施例7〜12および比較例7〜12に示す。
(実施例7)
正孔注入層14aには、表78に示すm-MTDATA(昇華1)を用い、発光層14cには、表80に示す2−ADN(昇華1)を用いた。そして、正孔輸送層14bとして、表79に示すα-NPD(昇華2)を用いて、実施例1と同様の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と発光寿命の指標となる輝度の半減時間を測定した。その結果を表82に示す。
Figure 2005240011
表82に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動した場合の輝度の半減時間は350時間であった。
(実施例8)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα-NPD(昇華1)を用いた以外は、実施例7と同様の材料を用いて、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。なお、この有機EL素子11は実施例2と同様の構成となる。この有機EL素子11について、実施例7と同様の条件で評価したところ、表82に示すように、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は270時間であった。
(比較例7)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα-NPD(未昇華1)を用いた以外は、実施例7と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例7と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は170時間であった。
(比較例8)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα-NPD(未昇華2)を使用した以外は、実施例7と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例7と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は220時間であった。
(実施例9)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(昇華2)を使用した以外は、実施例7と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、輝度の半減時間を測定した。
表82に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は200時間であった。
(実施例10)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(昇華1)を使用した以外は、実施例9と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例9と同様の条件での評価を行ったところ、表82に示すように、青色の発色を呈し、、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は150時間であった。
(比較例9)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(未昇華1)を使用した以外は、実施例9と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例9と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は90時間であった。
(比較例10)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(未昇華2)を使用した以外は、実施例9と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例9と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は110時間であった。
(実施例11)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα−NPD(昇華2)を用い、また、発光層14cの有機材料として、実施例5と同様に、2−ADN(昇華1)に1,8−TPをドーピングしたものを用いた。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、輝度の半減時間を測定した。
表82に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は380時間であった。
(比較例11)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα−NPD(未昇華1)を用いた以外は、実施例11と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例11と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は50時間であった。
(実施例12)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(昇華2)を用い、また、発光層14cの有機材料として、実施例5と同様に、2−ADN(昇華1)に1,8−TPをドーピングしたものを用いた。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、輝度の半減時間を測定した。
表82に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は250時間であった。
(比較例12)
正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すDPBPB(未昇華1)を用いた以外は、実施例11と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例12と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表82に示すように、半減時間は110時間であった。
以上、実施例7〜12に示すように、正孔輸送層14bを構成する有機材料のパラジウム濃度が1000ppm以下の場合には、構成する有機材料によらず、比較例7〜12に示す1000ppmより多い場合と比較して、発光寿命が長いことが確認された。
<発光層14c>
次に、有機EL素子11の発光層14cを構成する有機材料のパラジウム濃度を変化させた場合の例を、実施例13〜18および比較例13〜18に示す。
(実施例13)
実施例1と同様に、正孔注入層14aの有機材料として、表78に示すm-MTDATA(昇華1)を用い、正孔輸送層14bの有機材料として、表79に示すα-NPD(昇華1)を用いた。そして、発光層14cに表80に示す2-ADN(昇華2)を用いて、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と、発光寿命の指標となる輝度の半減時間を測定した。その結果を表83に示す。
Figure 2005240011
表83に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させた場合の輝度の半減時間は350時間であった。
(実施例14)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2-ADN(昇華1)を用いた以外は、実施例13と同様の材料を用いて、実施例1記載の方法によりに有機EL素子11を形成した。なお、この有機EL素子11は、実施例2および実施例8と同様の構成となる。この有機EL素子11について、実施例13と同様の条件で評価したところ、表83に示すように、青色の発色を呈し、駆動電圧7Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は270時間であった。
(比較例13)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2-ADN(未昇華1)を用いた以外は、実施例13と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例13と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表83に示すように、半減時間は220時間であった。
(比較例14)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2-ADN(未昇華2)を用いた以外は、実施例13と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例13と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表83に示すように、半減時間は250時間であった。
(実施例15)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(昇華2)を使用した以外は、実施例13と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、直流電圧駆動した場合の発光輝度と輝度の半減時間を測定した。
表83に示すように、この有機EL素子11は、青色の発色を呈し、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させた場合の輝度の半減時間は270時間であった。
(実施例16)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(昇華1)を使用した以外は、実施例15と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例15と同様の条件での評価を行ったところ、表83に示すように、青色の発色を呈し、駆動電圧8Vで発光輝度は1000cd/m2であり、半減時間は250時間であった。
(比較例15)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(未昇華1)を使用した以外は、実施例15と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例15と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表83に示すように、半減時間は180時間であった。
(比較例16)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(未昇華2)を使用した以外は、実施例15と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例15と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表83に示すように、半減時間は200時間であった。
(実施例17)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2−ADN(昇華2)に1,8−TPをドーピングした材料を用いた以外は、実施例13と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について直流電圧駆動した場合の発光輝度と輝度の半減時間を測定した。
表83に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させた場合の輝度の半減時間は320時間であった。
(比較例17)
発光層14cの有機材料として、表80に示す2−ADN(未昇華1)に1,8−TPをドーピングした材料を用いた以外は、実施例17と同様の材料を用いて有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例17と同様の条件で輝度の半減時間を測定したところ、表83に示すように、半減時間は100時間であった。
(実施例18)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(昇華2)に1,8−TPをドーピングした材料を用いた以外は、実施例13と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について直流電圧駆動した場合の発光輝度と輝度の半減時間を測定した。
表83に示すように、この有機EL素子11は、白色の発色を呈し、駆動電圧6Vで発光輝度は1000cd/m2であり、初期輝度1000cd/m2で定電流駆動させた場合の輝度の半減時間は300時間であった。
(比較例18)
発光層14cの有機材料として、表80に示す1−ADN(未昇華1)に1,8−TPをドーピングした材料を用いた以外は、実施例18と同様の材料を用い、実施例1記載の方法により有機EL素子11を形成した。この有機EL素子11について、実施例18と同様の条件で輝度を測定したところ、表83に示すように、半減時間は150時間であった。
以上、実施例13〜18に示すように、発光層14cを構成する有機材料のパラジウム濃度が1000ppm以下の場合には、構成する有機材料によらず、比較例13〜18に示す1000ppmより多い場合と比較して、発光寿命が長いことが確認された。
実施形態における有機材料を用いて製造する有機EL素子を説明するための断面図である。
符号の説明
11…有機EL素子、13…陽極、14…有機層、14a…正孔注入層、14b…正孔輸送層、14c…発光層、15…陰極

Claims (9)

  1. 有機素子に用いられる有機材料であって、
    当該有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下である
    ことを特徴とする有機素子用の有機材料。
  2. 前記有機材料は、パラジウムを含有する触媒成分を用いて合成された材料である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機素子用の有機材料。
  3. 前記有機材料は、再結晶、昇華またはゾーンメルト法により精製された材料である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機素子用の有機材料。
  4. 前記有機材料は、芳香族炭化水素を含む構造である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機素子用の有機材料。
  5. 陽極と陰極とで有機層が挟持された有機素子であって、
    前記有機層を構成する有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下である
    ことを特徴とする有機素子。
  6. 前記有機材料がパラジウムを含有する触媒成分を用いて合成された材料である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機素子。
  7. 前記有機材料は、再結晶、昇華またはゾーンメルト法により精製された材料である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機素子。
  8. 前記有機材料は、芳香族炭化水素を含む構造である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機素子。
  9. 前記有機素子が、陽極と陰極とで発光層を含む有機層が挟持された有機電界発光素子であって、
    前記発光層を構成する有機材料に含まれるパラジウムの濃度が1000ppm以下である
    ことを特徴とする請求項5記載の有機素子。

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