JP2005238017A - 植物を利用した油汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

植物を利用した油汚染土壌の浄化方法 Download PDF

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Tsukasa Mukoya
司 向谷
Daisuke Hashiguchi
大介 橋口
Masahiko Tamaoki
雅彦 玉置
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Abstract

【目的】土壌に生息する微生物の活性を維持しながら、低コストで油汚染土壌を継続的に浄化する方法を提供する。
【解決手段】 油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、シャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油汚染土壌を、植物を利用して効率的に浄化する方法に関する。
従来より、油で汚染された土壌を浄化するために、幾つもの方法が提案されている。例えば、油汚染土壌を燃焼して土壌中の油を浄化する熱処理方式(例えば、特許文献1等参照)、油汚染土壌を水洗することにより土壌表面に付着した油を物理的に除去する分級洗浄方式(例えば、特許文献2等参照)、並びに油汚染土壌から揮発性ガスを吸引して油成分を除去する土壌ガス吸引方式(例えば、特許文献3等参照)等を挙げることができる。しかし、上記熱処理方式では、高価な熱処理装置が必要で、しかも処理に多大な燃焼エネルギーを要するため多大なコストがかかるという問題に加えて、大気汚染など環境への影響が甚大であるという問題がある。また、上記分級洗浄方式では、シルト分・粘土質などの微細な土壌粒子に付着した油は除去できないため、結局廃棄しなければならないという問題がある。さらに、上記土壌ガス吸引方式は、揮発性油は除去されるが、土壌に付着した油や高沸点化合物は浄化できないという問題点がある。
一方、最近では、細菌やカビなどの微生物の分解能力を利用して環境中の汚染物質を分解無害化するバイオレメディエーション技術(例えば、特許文献4等参照)を、油汚染土壌の浄化処理に応用する研究も進められている。かかるバイオレメディエーション技術では、土壌に生息する微生物を活性化するか、若しくは処理に有用な微生物を処理対象の土壌に添加することにより、汚染物質を良好に分解させることが可能であるが、微生物の活性(汚染物質分解能力)を維持することが容易でないこと、また汚染の度合いに関わらず所定のランニングコストが必要で経済的でないという問題がある。
特開2001−25757号公報 特開2002−254063号公報 特開平8−323339号公報 特開2003−116526号公報 特開2002−172380号公報
本発明は、油汚染土壌の浄化に関する従来の事情を考慮し、土壌に生息する微生物の活性を維持しながら、低コストで油汚染土壌を継続的に浄化する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、日夜鋭意研究を重ねていたところ、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイ;中でもイネ、トウモロコシ、メヒシバ、及びアメリカセンダングサ;とりわけイネ及びトウモロコシといった特定の植物が、油汚染土壌において悪影響を著しく受けることなく生育し、しかもかかる植物の生育と共に、土壌に含まれる油が継続的に分解浄化されることを見いだした。
植物による油汚染土壌の浄化方法としては、アカザ科ハマアカザ科に属する植物を利用した方法が知られているが(例えば、特許文献5等参照のこと)、上記の特定の植物を植栽することによって、油分解浄化効果が良好に得られることは知られておらず、本発明者らによって初めて見いだされ、開発されたものである。
すなわち、本発明は下記の実施態様を包含するものである。
項1. 油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイ;好ましくはイネ、トウモロコシ、メヒシバ、及びアメリカセンダングサ;より好ましくはイネ及びトウモロコシより選択される少なくとも1種の植物を植栽することからなる、油汚染土壌の浄化方法。
項2. 油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイ;好ましくはイネ、トウモロコシ、メヒシバ、及びアメリカセンダングサ;より好ましくはイネ及びトウモロコシより選択される少なくとも1種の植物を植栽することからなる、土壌中におけるデヒドロゲナーゼの活性促進方法。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)油汚染土壌の浄化方法
本発明の油汚染土壌の浄化方法は、当該油汚染土壌にヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽することによって実施することができる。
ここでヒマワリ(学名:Helianthus anunus L.)は、一年生のキク科ヒマワリ属に属する植物であり、花壇や切り花等の観賞用及び食用に広く栽培されている植物である。イネ(学名:Oryza sativa L.)は、一年生のイネ科食用作物である。ウルチとモチ、水田に作る水稲と畑につくる陸稲があり、その他多数の特徴により数千に上る品種があるが、各品種間の近縁関係や分布の上から日本型とインド型に区別される。トウモロコシ(Zea Mays L.)は、一年生のイネ科トウモロコシ属に属する植物である。数千にのぼる品種があるが、大きく有ふ種、爆粒種、硬粒種、歯粒種、軟粒種、及び甘粒種の6種に分類することができる。また食用のみならずフイリトウモロコシ等は鑑賞用として欧米で広く栽培されているトウモロコシ種である。メヒシバ(学名:Digitaria sanguinalis Scopoli)は、一年生のイネ科メヒシバ属に属する植物である。各地の荒れ地や路傍に広く生育するなど、土壌条件が比較的悪い土地でも生育する強い植物である。アメリカセンダングサは一年生のキク科センダングサ属に属する植物である。各地の低湿地や道ばたに広く生育するなど、土壌条件が比較的悪い土地でも生育する強い植物である。バミューダグラスは、イネ科に属する世界の暖地を中心に広く利用されている芝草(暖地型芝)である。踏圧・擦り切れによる回復力が強く、また土壌を選ばず生育し、対暑性、耐旱性に優れ、冠水に対する抵抗性も強い繁殖力の高い植物である。大きく分けて、アメリカン・バミューダグラス、アフリカン・バミューダグラス、及びハイブリッド・バミューダグラス(テイフトン系)に分類される。アルファルファ(学名:Medicago sativa)はマメ科の多年草植物(牧草)であり、種類として細菌性萎凋病などの病気に対する抵抗性を有する紫花種、きわめて強い耐寒性と耐干性を有する黄花種、及びこれらが自然交雑した極めて強勢な雑色種が知られている。アカクローバー(Trifolium pratense Linn)はマメ科の多年草植物(牧草)であり、東北や北海道などの寒冷地の気象条件によく適合し、飼料生産用の牧草としてまた景観作物として広く栽培されている。またイネ科牧草と混播されて栽培されることも多い。クズ(学名:Pueraria lobata)はマメ科クズ属に属するつる性多年草である。イヌビワ(学名:Ficus erecta Thunb)はクワ科イチジク属に属する落葉の木本(双子葉植物)で別名イヌビワとも称される。シャリンバイ(学名:Raphiolepis indica (Linn.) Lindl. ex Ker var. umbellata (Thunb. ex Murray) Ohashi)はバラ科シャリンバイ属に属する常緑低木である。潮害に強いため海岸近くの防風林として利用されたり、また排気ガス、乾燥及び暑さに強くいため道路の分離帯や歩道の植え込みに広く植栽されている植物である。
これらのヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイの中でも好ましくは、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、及びアメリカセンダングサであり、より好ましくはイネ及びトウモロコシである。
なお、本発明の効果を有する限りにおいて、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、またはシャリンバイの近縁種も用いることができる。近縁種とは分類学的、遺伝的に近縁なもので、交配により属間雑種ができる種も近縁種に含まれる。一例を挙げるとすると、ヒマワリの近縁種としてはギンヒマワリ、アカバナヒマワリ、及びメキシコヒマワリ等が;メヒシバの近縁種としてはオヒシバ、コメヒシバ、アキメヒシバ等が;アメリカセンダングサの近縁種としてはセンダングサ、コセンダングサ等が;イヌビワの近縁種としてはアカメイヌビワ、オオバイヌビワ、ギランイヌビワ、ホソバムクイヌビワ、ハマイヌビワ、オオイヌビワ、ホソバイヌビワ、アコウ等が;シャリンバイの近縁種としてはヒメシャリンバイ、ホソバシャリンバイ、及びラフィオレビス・インディカ等を例示することができる。
これらのヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイは、1種単独で播種・植栽してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて播種・植栽することもできる。
本発明が浄化の対象とする油汚染土壌は、制限されないが、重油や軽油などの燃料油、潤滑油や防錆油などの機械油、ごま油や菜種油などの植物性又は豚油脂などの動物性の食用油などによって汚染された土壌である。浄化対象とする土壌の油汚染濃度としては、特に制限されないが、好適な目安として、重油の場合は1重量%程度、軽油の場合は2重量%程度、及び機械油の場合は3重量%程度を、上限濃度として例示することができる。
本発明の油汚染土壌の浄化方法は、まず浄化の対象となる油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽することによって実施することができる。なお、植栽の方法は、用いる植物の種類に応じて適宜当業界の技術常識に基づいて選択することができる。例えば、草本類であって商業的に種子の形態で入手できるもの(例えば、ヒマワリ、アカクローバーなど)は、対象の土壌に種子を播種する方法を挙げることができ、また大本類であって商業的に苗木の形態で入手できるもの(例えば、イヌビワ、シャリンバイなど)は、対象の土壌に当該苗木を植える方法を挙げることができる。なお、上記播種する種子として、予め催芽処理もしくは芽出し処理を施したものを使用することもできる。なお、催芽とは種子を水に浸けるなどしてわずかに発芽させた状態のものであり、また芽出しとはある程度生育させて苗の状態にしたものを指す。
さらに、植栽の方法として、さし芽またはさし木をする方法を用いることもできる。さし芽の方法として、具体的には、別の土壌に予め種子を多量に播き、そこから芽を出した新芽をつみ取って対象土壌にさし芽をする方法、またはある程度生育した個体から新芽をつみ取り、それを対象土壌にさし芽をする方法を挙げることができる。かかる方法は、例えばメヒシバやアメリカセンダングサなどのように、一般に発芽率の悪い植物を植栽に使用する場合に好適に用いることができる。
ここで浄化の対象となる油汚染土壌は、そのままでもよいが、必要に応じて土壌改良材または肥料の一方または両方を加え、植栽する植物の生育に適した環境に調整することも可能である。土壌改良材としては、例えば腐葉土、コンポスト、パーライト、及び珪藻土を焼結させた多孔性物質など、土壌の通水性及び通気性といった植物に対する土壌環境(生育環境)を改善するものが挙げられる。また肥料も、液体肥料や固形肥料の別を問わず、植栽する植物種に応じて、通常使用される肥料を使用することができる。なお、植栽(生育)の過程で、不足する肥料成分について適宜液体肥料等で追肥することも可能である。なお、液肥の添加成分としては、窒素(アンモニア性窒素、硝酸性窒素等を含む)、水溶性燐酸、水溶性カリ、水溶性苦土、水溶性マンガン、及び水溶性ホウ素などを挙げることができる。こうした土壌改良材や肥料の油汚染土壌への添加配合は、植栽する植物の生育を促進したり、また植栽する植物根圏に生育する微生物の油分解活性を向上させることができるため、本発明の目的に適った好適な方法の1つである。
なお、本発明は、上記のように調整した油汚染土壌に覆土することを制限するものではない。覆土に使用する土壌としては、油を含まない土壌(非汚染土壌)を好適に挙げることができ、また珪藻土を焼結させた多孔性物質などの土壌改良材を含む土壌や人工土壌等も使用することができる。また覆土する手段は特に制限されず現場の地形や油汚染土壌の性状により適当に決めることができる。覆土の厚さは植物種などの条件により変化させる必要があるが、5〜15cm程度、好ましくは10cm程度を好適に例示することができる。
このように調整した油汚染土壌に上記植物を植栽して、生育を維持する。ここで植物の生育維持には、必要に応じて撒水や栄養塩の添加などを行えばよいが、自然環境が生育環境に適しているのであれば、特段、人工的に制御する必要はない。
なお、灌水(給水)を人為的に行う場合は、バイオサーファクタントを添加した液を用いて行うことが好ましい。また、灌水液にはバイオサーファクタントに加えて、必要に応じて液体肥料などを組み合わせて添加することもできる。
バイオサーファクタントとは微生物や植物などの生物が生産する界面活性剤(生物系界面活性剤)であり、生分解性が高く、生物への毒性が小さいという特徴を持つ。バイオサーファクタントとして、例えばラムノリピッド(Rhamnolipid)、マンノシル・エリスリトール・リピッド(MEL:Mannosyl Erythritol Lipid)、サポニン、及びエスシンなどの糖脂質系バイオサーファクタント;スピクリスポール酸、アガリチン酸、及びコリノミコール酸など脂肪酸系バイオサーファクタント;サーファクチンなど環状ペプチド系バイオサーファクタント;レシチンなどリン脂質系バイオサーファクタントなどが挙げられる。このうち糖脂質系のバイオサーファクタントが望ましく、特にラムノリピッドが好ましい。ここでバイオサーファクタントの使用濃度(灌水液中の濃度)としては、特に制限されないが、0.01〜0.1重量%が望ましい。好ましくは0.02〜0.08重量%、より好ましくは0.05%前後である。
斯くして油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽し、生育させることにより、緑化を図りながら、汚染土壌内の油を継続的に分解除去することができる。なお、これらの植物は、その生育が終了した後は、目的や植物種に応じて、刈り取ったり鋤き込んだりされてもよく、またその刈り取り又は鋤き込み土壌に、再び上記の植物のいずれかを(先に植栽した植物と同種植物であっても、また異種植物であってもよい)、植栽し生育させることもできる。なお、上記植物のうち、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、及びクズは多年草であり、またイヌビワ及び及びシャリンバイは樹木であるため、植栽の維持が可能であり、これにより、土壌の油分解(浄化)並びに緑化を継続的に実施することができる。
(2)土壌中におけるデヒドロゲナーゼの活性促進方法
本発明はまた、油汚染土壌のデヒドロゲナーゼ活性を促進する方法を提供するものである。当該方法は、油汚染土壌にヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物;好ましくはイネ、トウモロコシ、メヒシバ、及びアメリカセンダングサより選択される少なくとも1種の植物;より好ましくはイネ及びトウモロコシより選択される少なくとも1種の植物を植栽することによって実施することができる。
後述する試験例に示すように、油で汚染された土壌に上記植物を植栽した場合(植栽土壌)と植栽しない場合(非植栽土壌)とで土壌中のデヒドロゲナーゼ活性(DH活性)を対比すると、植栽土壌におけるDH活性は経時的に有意に増加しており、これに対応して植栽土壌中に含まれる油含有量も非植栽土壌に比して経時的に有意に減少する。このことから、土壌中のデヒドロゲナーゼ活性を維持し、好ましくは促進することが、油汚染土壌中の油の浄化機能を維持し、さらには浄化を促進する上で有効であると思われる。
なお、土壌のデヒドロゲナーゼ活性は、公知の方法に基づいて測定し評価することができる(例えば、「土壌微生物実験法」新編第2版、p.366-367、土壌微生物研究会編、養賢堂)。具体的には、下記の方法を挙げることができる。
<土壌のデヒドロゲナーゼ活性の測定方法>
(1) 土壌試料1gを試験管に秤取し、これに0.25M Tris緩衝液(pH7.6)1mlを加える。さらに1%グルコースまたは1%酵母エキス50μlを加え、最後に0.2mlの0.4%TTC(トリフェニルテトラゾリウムクロライド)溶液またはINT〔2-(p-ヨードフェニル)-3-(p-ニトロフェニル)-5-フェニルテトラゾリウムクロライド〕溶液を添加して30℃で6時間暗所に保つ。
(2) 6時間後、これにメタノール10mlを添加してミキサーで1分間攪拌後濾過する。
(3) 濾液の吸光度(A485nm)を分光分析計により測定する。併せて、トリフェニルフォルマザン及びヨードニトロフェニルフォルマザンの標準溶液の吸光度(A485nm)も測定して標準曲線を作成する。
(4) オートクレーブ殺菌土壌について同様の操作をしたものをコントロールとして、コントロールを差し引いた吸光度(A485nm)を検量線に挿入して、フォルマザンを定量する。
(5) 活性を、生成したフォルマザンnmol/時/g乾土、nmol/分/g乾土、またはpmol/秒/g乾土で表示する。
なお、酵素単位1kat(1秒間に1molの基質変化を触媒する酵素活性:1U=1/60μkat)はmol/秒であるから、最後に力価表示「pkat/g乾土」として示すことが好ましい。
本発明の方法において、植栽に使用される植物の種類、その播種及び植栽の方法、植物生育環境の調整(灌水、土壌改良材や肥料など)、汚染土壌の油の種類や油濃度、などは、全て(1)において前述するものを同様に用いることができる。
本発明の方法によれば、油汚染土壌を、緑化を図りながら、低コストで持続的に浄化することが可能となる。また土壌の性状を変化させないで油を浄化処理できるため、処理後の土壌の再利用も容易である。また本発明の方法は、従来の熱処理方式に比べて環境負荷が小さく、他の工法に比べても植物を使用して浄化を行うという点で住民の理解が得られ易く、受け入れられ易いという利点がある。さらに本発明の方法は、従来の方法に比べ施工コストやランニングコストを抑えることができ、非常に経済的な方法である。
以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
試験例1
被験植物として、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイを用いて、油汚染土壌における生育状況、油汚染土壌中に生息する微生物数及び酵素活性、並びに油汚染土壌の浄化状況を調べた。
(1)試験方法
[1] 試験土壌(模擬汚染土壌)の調整
試験土壌には、真砂土に軽油を添加して作成した模擬汚染土壌を使用した。なお、模擬汚染土壌は、最終的な鉱物油含有量が1.0重量%(鉱物油含有量初期値:10,000mg/kg)となるように調整した。
具体的には、まず、油の吸着を円滑にするために、真砂土を1週間程度天日干しして土壌に含まれる水分を取り除いた。この土壌を50L容量のモルタルミキサーで攪拌しながら、軽油を噴霧して全体に均一になるように添加した。得られた油添加土壌は、揮発性成分を除去するために、ビニルハウス内でブルーシート上に拡げ、適宜切り返しを行いながら放置し、経時的に油含有量をモニタリングした。揮発性成分がなくなり、油含有量の低下が落ち着いたことを確認した後、土壌改良材を添加して、これを試験土壌とした。なお、土壌改良材の添加比率は、油添加土壌:腐葉土:パーライト=3:1:1(容積比)とした。
[2] 植物播種・植栽
容量約3L(草本類:ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ)または容量約13L(イヌビワ、シャリンバイ)のワグネルポットに、試験土壌を充填し、適宜圧密した後に、各種被験植物を植栽した。なお、植栽方法は、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー及びクズについては種子を播種する方法、イヌビワ及びシャリンバイについては苗木を植える方法、並びにメヒシバ、及びアメリカセンダングサについてはさし芽を移植する方法を採用した。
各々データのばらつきをなくすため、n=5で試験を行い、得られたデータは最大値と最小値を除き、平均値をとった。また、コントロール用に、試験土壌(模擬汚染土壌)をワグネルポットに充填したもの(植物なし)を用意した(対照土壌)。
[3] 生育管理
植物の生育管理は屋外(ビニールハウス内)で行った。灌水は、pF計で土壌水分を管理することにより、所定の水分含量以下になった時点で自動的に実施するように管理した。また灌水量は鉢の底部から水が流出しないように調整をした。施肥は、通常必要量を市販の固形肥料(N:P:K=6:40:6)を元肥または置肥として、さらに液体肥料(N:P:K=1:10:1)を追肥として添加した。
[4] モニタリング
経時的に各植物及び土壌を採取して、表1に記載する分析・測定方法に従って、各植物の草丈、根長、土壌中の微生物数、土壌の酵素活性、及び土壌の鉱物含油量をモニタリングした。なお、ここで土壌は、根圏の土壌(植物根を土壌より取り出し、根に付着した土壌を軽くふるい落としても、なお根に保持されている土壌)と非根圏の土壌(根圏以外の土壌)を対象とした。
Figure 2005238017
(2)結果
試験土壌(模擬汚染土壌)に植栽し生育させた各植物(ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、シャリンバイ)について、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を、それぞれ図1〜11に示す。[2]微生物数・酵素(DH)活性と[3] 鉱物油含有量については、対照土壌の測定結果も併せて示す。
その結果を総合的に評価した結果を表2に示す。
Figure 2005238017
この結果からわかるように、イネ科の植物は比較的油汚染に対して耐性であり、良好な生育を示す傾向にあった。ファイトレメディエーションで植物が示す役割として考えられるものとして以下を挙げることができる:
(1)根の伸長による土壌環境の改善(団粒構造の構成、通気性通水性の確保など)
(2)外部要因(含水率変化、地温変化など)の緩和
(3)根分泌物による根圏微生物への栄養分の提供
(4)植物により分解酵素の分泌
これらのうち(1)及び(2)の役割を果たしていれば、根の生育と油汚染土壌浄化効果との間に相関関係が得られるはずであるが、実際には必ずしも両者に相関関係は認められなかった。
一方、土壌のデヒドロゲナーゼ活性の向上と鉱物油含有量の減少(土壌浄化効果)の間には一定の相関関係が認められた。このことから、植物の植栽により、土壌中の酵素活性(DH活性)を維持または向上させることにより、油汚染土壌の分解浄化を継続的に促進することができると考えられる。
また、上記の結果から、油汚染土壌の浄化には上記植物(ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、シャリンバイ)のいずれをも使用することができるが、中でも好ましくはイネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサであり、特に好適にはイネ、トウモロコシが適していると考えられる。
本発明の方法によれば、油汚染土壌にヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種、好ましくはイタリアンライグラス及びエンバクより選択される少なくとも1種を播種し生育させることにより、緑化を図りながら、継続的に当該土壌の油を分解浄化することができる。
模擬汚染土壌に植栽し生育させたヒマワリについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたイネについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたトウモロコシについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたメヒシバについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたアメリカセンダングサについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたバミューダグラスについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたアルファルファについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたアカクローバーについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたクズについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたイヌビワについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。 模擬汚染土壌に植栽し生育させたシャリンバイについて、経時的に[1]草丈・根長、[2]土壌(根圏、非根圏)中の微生物数・酵素(DH)活性、及び[3]土壌(根圏、非根圏)中の鉱物油含有量を測定した結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽することからなる、油汚染土壌の浄化方法。
  2. 油汚染土壌に、ヒマワリ、イネ、トウモロコシ、メヒシバ、アメリカセンダングサ、バミューダグラス、アルファルファ、アカクローバー、クズ、イヌビワ、及びシャリンバイより選択される少なくとも1種の植物を植栽することからなる、土壌中におけるデヒドロゲナーゼの活性促進方法。

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