JP2005237863A - カテーテルとその製造方法 - Google Patents

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祐介 野村
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Abstract

【課題】 本発明は、ラピッドエクスチェンジ型構造でありながら、吸引ルーメン等の主ルーメンの断面積が大きいカテーテルを提供する。
【解決手段】 遠位端および近位端に開口を有する第一ルーメンと、遠位端および近位端に開口を有する第二ルーメンとを有するカテーテルであって、第一ルーメンの遠位端側開口を、近位端から遠位端へ向かって第二ルーメン側に近づく方向に、傾斜をもって形成し、第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも、第二ルーメンの近位端側開口を遠位端方向に配置する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、血管内の血栓等を吸引して除去するために用いられる吸引カテーテル等として好適に用いることができるカテーテル、およびその製造方法に関する。
冠動脈が血栓により閉塞し、冠動脈中の血流が妨げられる心筋梗塞に対しては、バルーンカテーテルにより閉塞部位を拡張する治療法が主に用いられている。
しかしながら、バルーンカテーテルによって閉塞部位を拡張すると、閉塞部位から血栓が剥離して流出し、末梢血管でその血栓が詰まる場合がある。そのため、多量の血栓により冠動脈が閉塞した症例においてバルーンカテーテルを使用すると、重篤な末梢塞栓症を誘発する場合があった。
近年、このような症例に対しては、特許文献1に記載されているような吸引カテーテルを用いて、血栓を吸引して除去する治療法(冠動脈血栓吸引療法)が有効であることが明らかとなってきている。
この特許文献1に記載された吸引カテーテルでは、血管に挿入したガイドワイヤに沿わせて挿入するために、図4に示すようにガイドワイヤ14を挿通するためのルーメン(ガイドワイヤルーメン)46を有している。そして、この吸引カテーテルでは、カテーテルの遠位端部と中腹部にわたってガイドワイヤルーメン46を有する構造(ラピッドエクスチェンジ構造)を採用している。
このラピッドエクスチェンジ型構造の吸引カテーテルでは、遠位端部と近位端部にわたってガイドワイヤルーメンを有する構造(オーバーザワイヤ構造)のカテーテルと異なり、体外側(近位端側)においてガイドワイヤとカテーテルが分離されているので、ガイドワイヤを移動させることなく、カテーテルのみを引き戻すことが可能である。したがって、この吸引カテーテルで血栓を吸引し終わった後は、ガイドワイヤを血管内に残したまま、カテーテルのみを血管から抜き出すことができるので、血管内に残したガイドワイヤをそのまま利用して、他のカテーテルをこれに沿わせて挿入し、迅速に後続の治療を行うことができる。この利点により、吸引カテーテルとしては、ラピッドエクスチェンジ型構造のものが賞用されている。
米国特許第5827229号公報
しかしながら、特許文献1の吸引カテーテルでは、カテーテルの先端部分において、ガイドワイヤルーメン46と血栓を吸引するためのルーメン(吸引ルーメン)18とが、並行して存在しているために、吸引ルーメン18の断面積が小さくなってしまうという問題があった。よって、ガイドワイヤルーメンが存在しているカテーテルの先端部分における吸引ルーメンが、ボトルネックとなってしまい、吸引ルーメン18の吸引性能が小さくなるので、十分に血栓の吸引を行うことが困難となるという問題があった。
本発明は、この問題を鑑みて、ラピッドエクスチェンジ型構造でありながら、吸引ルーメン等の主ルーメンの断面積が大きいカテーテルを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ラピッドエクスチェンジ型構造のカテーテルにおいて、ルーメンの位置関係について鋭意検討を重ねた結果、吸引ルーメン等の主ルーメンの断面積を大きくすることができるカテーテルの構造を見出し、この知見により本発明を完成するに至った。
かくして、本発明の第一の観点によれば、遠位端および近位端に開口を有する第一ルーメンと、遠位端および近位端に開口を有する第二ルーメンとを有するカテーテルであって、第一ルーメンの遠位端側開口が、近位端から遠位端へ向かって第二ルーメン側に近づく方向に、傾斜をもって形成されており、この第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも、第二ルーメンの近位端側開口が遠位端方向に配置されているカテーテルが提供される。
第二ルーメンは、ガイドワイヤルーメンであることが好ましい。
第一ルーメンは、吸引ルーメンであることが好ましい。
そして、本発明の第二の観点によれば、遠位端および近位端に開口を有する第一ルーメンと、遠位端および近位端に開口を有する第二ルーメンとを有し、第一ルーメンの遠位端側開口が、近位端から遠位端へ向かって第二ルーメン側に近づく方向に、傾斜をもって形成されており、第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも、第二ルーメンの近位端側開口が遠位端方向に配置されているカテーテルを製造する方法であって、先端部材の遠位端と近位端間に伸び、互いに平行に配置されたルーメンAとルーメンBとを備え、一体に成形された先端部材と、本体部材の遠位端と近位端間に伸びるルーメンCを備える本体部材と、を用意する工程、ルーメンAの遠位端が、近位端から遠位端に向かってルーメンB側に近づく方向に傾斜をもった開口を有するように、先端部材の遠位端部を切除する工程、ルーメンBの近位端が、ルーメンAの遠位端の傾斜をもった開口における最近位端部よりも遠位端方向に位置する開口を有するように、先端部材の近位端部を切除する工程、および、ルーメンAとルーメンCとが連通するように、先端部材の近位端と本体部材の遠位端を接続する工程、を有するカテーテルの製造方法が提供される。
本発明のカテーテルの製造方法は、さらにルーメンAの軸心と、ルーメンBの軸心とを互いに接近させるように、先端部材を変形させる工程を有することが好ましい。
本発明によれば、第一ルーメンおよび第二ルーメンを有するカテーテルにおいて、第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも第二ルーメンの近位端側開口を遠位端方向に配置して、カテーテルの長手方向に対して垂直な方向において第一ルーメンと第二ルーメンが重ならないようにすることによって、カテーテルの先端部分においても、第一ルーメンの断面積を大きく保つことができる。これにより、カテーテルの先端部分において、第二ルーメンが存在することによって第一ルーメンの断面積が制限されることなく、ラピッドエクスチェンジ型構造でありながら、吸引性能等に優れたカテーテルが提供される。
また、本発明のカテーテルの製造方法によれば、容易に前記の構造を有する本発明のカテーテルを製造することができると共に、強度が強く、血管内で分離することのない、本発明のカテーテルを製造することができる。
以下、本発明のカテーテルの第一ルーメンを吸引ルーメンとして使用し、第二ルーメンをガイドワイヤルーメンとして使用する場合、即ち、本発明をラピッドエクスチェンジ型構造の吸引カテーテルに適用する場合を例として説明する。また、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一例である、吸引カテーテル100の側面図である。吸引カテーテル100は、カテーテル管60が、その近位端においてコネクタ80に接続され、その接続箇所にストレインリリーフ70が外嵌されることにより構成されている。カテーテル100を使用する際には、コネクタ80は、シリンジ、吸引ポンプ等の負圧発生源に接続される。
カテーテル管60は、先端部分10および本体部分15により構成される。先端部分10は、後に説明するガイドワイヤルーメン20および吸引ルーメン30(図2参照)を有し、本体部分15は、吸引ルーメン30のみを有する。カテーテル管60の全長は、体内への挿入位置から血栓等の閉塞位置までの距離等により定まり、通常は500〜2000mmである。カテーテル管60の外径は、カテーテル100を挿入する血管の内径等により定まり、通常は0.51〜4.0mmである。
コネクタ80に負圧発生源を接続すると、カテーテル管60の吸引ルーメン30を介して、先端部分10における吸引ルーメン30の遠位端側開口34(図2参照)に吸引力が発生し、ここから血栓等を吸引することができる。吸引された血栓は、吸引ルーメン30内に保持されるか、負圧源であるシリンジ、吸引ポンプのトラップ等によって捕捉される。
カテーテル管60は、可撓製を有する有機高分子材料で形成されていることが好ましく、その具体例としては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、シリコーンゴム、天然ゴム、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂のいずれかを用いることが特に好ましい。
また、カテーテル管60は、二種類以上の高分子材料を積層して、積層チューブとしてもよい。さらに、カテーテル100の長手方向において、用いる材料を変化させてカテーテル管60を構成してもよい。この場合、近位端から遠位端に向かってカテーテル管60が柔軟になるように材料を変化させると、カテーテル100の血管への挿入性が向上するので好ましい。
さらに、カテーテル管60には、金属製網状材や金属製線材などの補強部材を埋設することが好ましい。補強部材を埋設することにより、カテーテル管60として必要な強度を維持しながら、カテーテル管60の肉厚を薄くすることができる。これにより、カテーテル管60の外径を大きくすることなく、吸引ルーメン30の断面積を大きくして、吸引カテーテル100の吸引性能を向上させることができる。また、この補強部材は、本体部分15における吸引ルーメン30の周囲にのみ設け、先端部分10には設けないことが好ましい。先端部分10に補強部材を設けると、先端部分10が剛直になりすぎて、カテーテル100を冠動脈に挿入することが困難になったり、また、挿入する際に、血管を傷つけたりする恐れがあるからである。
カテーテル管60の構造の一例としては、先端部分10がポリアミドエラストマーで形成され、本体部分15が三層構造となっているカテーテル管60が挙げられる。この三層構造とは、内層がポリテトラフルオロエチレンで形成され、中間層が補強部材としてのステンレス鋼等の網状部材で形成され、外層が、カテーテル100の長手方向において近位端側から遠位端に向かって、ポリアミド、比較的剛直なポリアミドエラストマー、比較的柔軟なポリアミドエラストマーの順に材料を変化させて形成された三層構造である。
なお、カテーテル管60の外周面には、カテーテル100を血管内に挿入する際の摩擦を低減させるという観点から、潤滑性を有する親水性高分子物質で被覆することが好ましい。上記の親水性高分子物質には、天然高分子系のものと、合成高分子系のものとがある。天然高分子系のものとしては、デンプン系、セルロース系、タンニン・リグニン系、多糖類系、タンパク質系等が例示される。合成高分子系のものとしては、PVA系、ポリエチレンオキサイド系、アクリル酸系、無水マレイン酸系、フタル酸系、水溶性ポリエステル、ケトンアルデヒド樹脂、(メタ)アクリルアミド系、ポリアミン系、水溶性ナイロン系等が例示される。
これらのなかでも、セルロース系高分子物質(例えばヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(例えばポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えばメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えばポリジメチルアクリルアミド)は、低摩擦係数の被膜が安定して得られるので、上記の親水性高分子物質として特に好ましい。
コネクタ80は、内部にポートが設けられた筒状体であり、その近位端は、シリンジあるいはトラップを備えた吸引ポンプ等の負圧発生源に接続することができる構造になっている。また、コネクタ80の遠位端は、カテーテル管60に接続されている。このコネクタ80に負圧発生源を接続して、コネクタ80のポートおよびカテーテル管60の吸引ルーメン30内を負圧にすることで、吸引ルーメン30の遠位端側開口34に吸引力が発生し、遠位端側開口34から血栓等を吸引することができる。コネクタ80の材質は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
図1に示すストレインリリーフ70は、カテーテル管60とコネクタ80との接続箇所に外嵌された筒状体であり、カテーテル100の長手方向に対して垂直方向から、カテーテル管60に対して加えられた力を吸収する役割を有する。剛性の低いカテーテル管60と剛性の高いコネクタ80との間で剛性の差が大きいため、カテーテル管60とコネクタ80との接続箇所ではカテーテル管60に応力集中しやすく、カテーテル管60が折れ曲がり損傷する現象(キンク現象)が起こる恐れがある。ストレインリリーフ70は、この問題を解決するものであり、カテーテル管60とコネクタ80との接続箇所に外嵌することにより、カテーテル100の長手方向に対して垂直方向から、カテーテル管60とコネクタ80との接続箇所付近に対してかかる力を分散し、キンク現象を防止することができる。ストレインリリーフ70の材料としては、ポリオレフィン系エラストマー等のカテーテル管60とコネクタ80の中間程度の剛性を有し、弾性に富んだ材料が好ましい。
図1に示す造影マーカー40は、X線透視によりその位置を検出することができ、体内における標識となるものであり、例えば金、白金、タングステン等の金属材料により形成される。造影マーカー40の形状は特に限定されないが、リング状であることが好ましい。図示した吸引カテーテル100においては、リング状の造影マーカー40を用いている。造影マーカー40を設ける位置は、図示したようにガイドワイヤルーメンの遠位端付近であっても良いし、吸引ルーメンの遠位端付近であっても良い。これにより、X線透視によって、造影マーカー40の位置を検出することで、カテーテル管60の先端部分10の位置を正確に把握し、カテーテル100を血栓等にまで正確に誘導することができる。また、造影マーカー40は、カテーテル管60の内周面あるいは外周面に装着しても良いし、カテーテル管60に埋設しても良い。造影マーカー40をカテーテル管60の内周面あるいは外周面に装着する場合は、造影マーカー40の表面とカテーテル管60の内周面あるいは外周面とが平滑になるようにして、カテーテル100の吸引性能、ガイドワイヤ90の滑り性能および血管への挿入性能が妨げられないようにするのが好ましい。
図2は、カテーテル管60の先端部分10の拡大側断面図である。カテーテル管60の先端部分10には、この先端部分10における遠位端側開口34から、カテーテル管60の近位端における近位端側開口(図示せず)まで連なる吸引ルーメン30の一部と、この先端部分10において遠位端側開口22と近位端側開口24とを有するガイドワイヤルーメン20とが設けられている。この先端部分10において、吸引ルーメン30の遠位端側開口34は、近位端から遠位端へ向かってガイドワイヤルーメン20側に近づく方向に、傾斜をもって形成されている。この傾斜の角度(図2に示した傾斜角θ)は、1〜89°であり、好ましくは、60〜80°である。そして、ガイドワイヤルーメン20の近位端側開口24は、吸引ルーメン30の遠位端側開口34の最近位端部31よりも、遠位端方向に配置されている。つまり、吸引ルーメン30の遠位端側開口34の最近位端部31を通る、カテーテルの長手方向(Y方向)に対する垂直線(L1)よりも、ガイドワイヤルーメン20の近位端側開口24の最近位端部を通る、Y方向に対する垂直線(L2)が、遠位端方向に位置するように、両ルーメン20、30の開口24、34が配置されている。ガイドワイヤルーメン20および吸引ルーメン30を、このように配置すると、Y方向に対して垂直な方向(X方向)において、吸引ルーメン30とガイドワイヤルーメン20は、それぞれのルーメンの開口部分を除いては、相互に重複しない。
吸引ルーメン30は、カテーテル管60の先端部分10および本体部分15の両部分にわたって設けられている。本体部分15における吸引ルーメン30の近位端は、コネクタ80の遠位端に接続され、本体部分15における吸引ルーメン30の遠位端は、先端部分10における吸引ルーメン30の近位端に接続されている。先端部分10における吸引ルーメン30の遠位端は、遠位端側開口34となっており、ここから血栓等を吸引する。吸引ルーメン30の長さは、カテーテル100の用途およびカテーテル100の体内への挿入位置から血栓等の閉塞部分までの距離により異なるが、通常499〜1999mmである。また、吸引ルーメン30の径は、通常0.5〜3.0mmであり、吸引ルーメン30の周壁の厚さは、通常0.05〜0.5mmである。コネクタ80にシリンジや吸引ポンプ等の負圧発生源を接続して、吸引ルーメン30内を負圧にすることで、遠位端側開口34において吸引力が発生し、この遠位端側開口34から血栓等を吸引する。吸引した血栓等は、吸引ルーメン30内に保持されたり、遠位端側から近位端側へ吸引力により移動して、近位端側開口から吐き出され、シリンジ内または吸引ポンプのトラップ内等において捕捉されたりする。
ガイドワイヤルーメン20は、カテーテル管60の先端部分10にのみ設けられており、ガイドワイヤ90を導入する遠位端側開口22と、ガイドワイヤ90を導出する近位端側開口24を有している。ガイドワイヤルーメン20の長さは、1〜50mmであることが好ましく、5〜20mmであることがさらに好ましい。ガイドワイヤルーメン20の長さを1mm以上、好ましくは5mm以上とすることで、ガイドワイヤルーメン20に挿入されたガイドワイヤ90に沿って、カテーテル100が方向づけられ易くなり、カテーテル100を血管内に挿入し易くなる。また、ガイドワイヤルーメン20の長さを50mm以下、好ましくは20mm以下にすることで、ガイドワイヤルーメン20の周壁が邪魔にならずに、吸引ルーメン30の遠位端側開口34を血栓等の閉塞部分に十分に近接させることができ、血栓等を効果的に吸引することができる。また、ガイドワイヤルーメン20の径は、ガイドワイヤ90の外径より、僅かに大きいことが好ましく、通常0.3〜1.0mmである(なお、図2では、図を簡略化するために、ガイドワイヤ90を線で示してある。)。また、ガイドワイヤルーメン20の周壁の厚さは、通常0.05〜0.5mmである。ガイドワイヤルーメン20は、ガイドワイヤルーメン20と、吸引ルーメン30から吸引ルーメン30の軸心に沿って遠位端方向に延長した領域とが、重複するように形成することが好ましい。ガイドワイヤルーメン20をこのように形成することで、ガイドワイヤルーメン20の周壁と吸引ルーメン30の周壁との段差が小さくなるので、カテーテル100の挿入がより容易になる。但し、ガイドワイヤルーメン20の軸心と、吸引ルーメン30の軸心とは、実質的に一致しないことが好ましい。ガイドワイヤルーメン20の軸心と、吸引ルーメン30の軸心が一致すると、吸引ルーメン30から血栓等を吸引する際に、ガイドワイヤルーメン20の周壁が邪魔になるおそれがある。また、ガイドワイヤルーメン20の近位端開口24の形状は特に限定されないが、吸引ルーメン30の軸心に対して、0°〜30°の角度をもって形成されていることが好ましい。このようにガイドワイヤルーメン20の近位端開口24を、吸引ルーメン30の軸心に対して、比較的小さな角度に形成することで、ガイドワイヤルーメン20の周壁と吸引ルーメン30の周壁との段差が小さくなるので、カテーテル100の挿入がより容易になる。ガイドワイヤルーメン20の遠位端側開口22から近位端側開口24に向かってガイドワイヤ90が挿入され、このガイドワイヤ90に沿ってカテーテル100が方向づけられ、カテーテル100を血管内の目的部分である血栓等の位置まで挿入することができる。
本発明のカテーテル100においては、カテーテル管60の長手方向に対して垂直方向において、吸引ルーメン30とガイドワイヤルーメン20とが、それぞれのルーメンの開口部分を除いては、相互に重複していない。よって、ガイドワイヤルーメン20が存在することで、吸引ルーメン30の径が制限されることがなく、カテーテル管60の先端部分10においても吸引ルーメン30の開口を、カテーテル管60の断面積の最大限にまで大きくすることができる。これにより、吸引ルーメン30において、径が狭くなっているボトルネックがないため、血栓等を効果的に吸引することができる。
上述した構成を有するカテーテル100の使用にあたっては、まずガイドワイヤ90が患者の血管内において、冠動脈の閉塞部分にまで挿入され、その後、このガイドワイヤ90の近位端側がガイドワイヤルーメンの遠位端側開口22から近位端側開口24へ向かって挿入される。血管内へのカテーテル100の挿入は、先端部分10が冠動脈の閉塞部分に達するまで、ガイドワイヤ90に沿って、先端部分10側からカテーテル100を血管内に、押し込むことによって行われる。
先端部分10が冠動脈の閉塞部分にまで達したら、コネクタ80にシリンジ、あるいは、トラップを備えた吸引ポンプ等の負圧発生源を接続して、吸引ルーメン30の遠位端側開口34に吸引力を発生させる。この吸引力により、冠動脈内の血栓等を吸引ルーメン30内に吸い取る。血栓等が吸い取られ、除去された冠動脈では血流が回復する。その後、他のカテーテルによる後続の治療を要する場合は、カテーテル60のみを血管から抜き出し、血管内に残したガイドワイヤ90をそのまま利用して、他のカテーテルをこれに沿わせて挿入し、迅速に後続の治療を行うことができる。
上述したように、本発明のカテーテル100の第二ルーメン20は、ガイドワイヤルーメンとして使用することが好ましく、第一ルーメン30は、冠動脈内の血栓等を吸引して除去するための吸引ルーメンとして使用することが好ましい。すわなち、本発明のカテーテル100は、ラピッドエクスチェンジ型の吸引カテーテルとして用いることが好ましい。
また、本発明のカテーテル100は、他の用途に用いることもできる。例えば、第一ルーメン30を、薬液を体内に注入するための薬液注入ルーメンとして用い、第二ルーメン20をガイドワイヤルーメンとして用いることで、ラピッドエクスチェンジ型の薬液注入カテーテルとすることができる。
本発明のカテーテル100のカテーテル管60を製造する方法は特に限定されず、例えば、先端部分10と本体部分15をそれぞれ別部材として形成し、それらを接続することにより製造してもよいし、第一ルーメン30のみを有するチューブ部材と第二ルーメン20のみを有するチューブ部材を接合して製造してもよいが、先端部分10と本体部分15とを接続する方法が好ましい。この先端部分10と本体部分15とを接続して、本発明のカテーテル100のカテーテル管60を製造する方法として、特に好ましい方法である本発明のカテーテルの製造方法を次に説明する。
図3は、本発明のカテーテル100の製造工程を示す説明図である。図3(a)は、先端部材の切除工程を示した図であり、図3(b)は、造影マーカー40を装着する工程を示した図であり、図3(c)は、マンドレル92により先端部材を変形する工程を示した図である。それぞれの図においては、A−A’、B−B’、C−C’およびD−D’線における断面図が示されている。
本発明のカテーテルの製造方法では、カテーテル管60の先端部分10となる先端部材と、カテーテル管60の本体部分15となる本体部材を用いる。先端部材は、先端部材の遠位端と近位端間に伸び、互いに平行に配置されたルーメンAとルーメンBとを備え、一体に成形された部材である。図3に示す実施態様では、先端部材は、断面が輪である外壁と、断面がその輪に内接する輪である内壁とにより形成されており、内壁内の領域にルーメンBが形成され、外壁内であって内壁外である領域にルーメンAが形成されている。このような先端部材は、押出成形法により容易に作成することができる。次いで、図3(a)に示すように、この先端部材のルーメンAの遠位端が、近位端から遠位端に向かってルーメンB側に近づく方向に傾斜をもった開口を有するように、先端部材の遠位端部を切除し(図3に向かって右側が遠位端、左側が近位端である。)、さらに、ルーメンBの近位端が、ルーメンAの遠位端の傾斜をもった開口における最近位端部よりも遠位端方向に位置する開口を有するように、先端部材の近位端部を切除する。そして、図3(b)に示すように、ルーメンB内の遠位端近傍に造影マーカー40を装着する。次いで、図3(c)に示すように、ルーメンAの近位端側から、および、ルーメンBの遠位端側から、それぞれマンドレル92を挿入して加熱することで、ルーメンAの軸心とルーメンBの軸心とを互いに接近させるように、先端部材を変形させる。これにより、カテーテル管60について前述した、ガイドワイヤルーメン20と、吸引ルーメン30から吸引ルーメン30の軸心に沿って遠位端方向に延長した領域とが重複する形状を構成することができる。そして、このような工程を経た先端部材と、遠位端と近位端間に伸びるルーメンCを備える本体部材を接合することにより、カテーテル管60を形成する。即ち、先端部材のルーメンAと本体部材のルーメンCとが連通するように、先端部材の近位端と本体部材の遠位端を、熱融着等の手法により接続することで、カテーテル管60の第二ルーメン20を形成する。そして、このように形成されたカテーテル管60の近位端をコネクタ80に接続して、この接続箇所にストレインリリーフ70を外嵌することにより、本発明のカテーテル100が製造される。
本発明の製造方法である、先端部材と本体部材を接続する方法によれば、上記先端部材は一体に成形されており、外力が働きやすいカテーテル管60の先端部分10に接合部分がないので、体内で破損のおそれが少ないカテーテル100を得ることができる。また、先端部材においてルーメンAとルーメンBとを互いに接近させるように、先端部材を変形させることにより、カテーテル管60の先端部分10の外周面が平滑になり、カテーテル100を血管内に挿入しやすくなる。
本発明のカテーテル100の全体を示す側面図である。 カテーテル管60における先端部分10を示す拡大側断面図である。 本発明のカテーテル100の製造工程を示す説明図である。 従来技術である特許文献1に記載のカテーテルを示す図である。
符号の説明
100 カテーテル
10 先端部分
15 本体部分
20 第二ルーメン(ガイドワイヤルーメン)
21 最近位端部
22 遠位端開口
24 近位端開口
30 第一ルーメン(吸引ルーメン)
31 最近位端部
34 遠位端開口
40 造影マーカー
60 カテーテル管
70 ストレインリリーフ
80 コネクタ
90 ガイドワイヤ
92 マンドレル

Claims (5)

  1. 遠位端および近位端に開口を有する第一ルーメンと、遠位端および近位端に開口を有する第二ルーメンとを有するカテーテルであって、
    前記第一ルーメンの遠位端側開口が、近位端から遠位端へ向かって前記第二ルーメン側に近づく方向に、傾斜をもって形成されており、前記第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも、前記第二ルーメンの近位端側開口が遠位端方向に配置されているカテーテル。
  2. 前記第二ルーメンが、ガイドワイヤルーメンである請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記第一ルーメンが、吸引ルーメンである請求項1〜2のいずれかに記載のカテーテル。
  4. 遠位端および近位端に開口を有する第一ルーメンと、遠位端および近位端に開口を有する第二ルーメンとを有し、前記第一ルーメンの遠位端側開口が、近位端から遠位端へ向かって前記第二ルーメン側に近づく方向に、傾斜をもって形成されており、前記第一ルーメンの遠位端側開口における最近位端部よりも、前記第二ルーメンの近位端側開口が遠位端方向に配置されているカテーテルを製造する方法であって、
    先端部材の遠位端と近位端間に伸び、互いに平行に配置されたルーメンAとルーメンBとを備え、一体に成形された先端部材と、本体部材の遠位端と近位端間に伸びるルーメンCを備える本体部材と、を用意する工程、
    ルーメンAの遠位端が、近位端から遠位端に向かってルーメンB側に近づく方向に傾斜をもった開口を有するように、前記先端部材の遠位端部を切除する工程、
    ルーメンBの近位端が、ルーメンAの遠位端の傾斜をもった開口における最近位端部よりも遠位端方向に位置する開口を有するように、前記先端部材の近位端部を切除する工程、
    および、
    ルーメンAとルーメンCとが連通するように、前記先端部材の近位端と前記本体部材の遠位端を接続する工程、
    を有するカテーテルの製造方法。
  5. さらに、前記ルーメンAの軸心と、前記ルーメンBの軸心とを互いに接近させるように、前記先端部材を変形させる工程を有する請求項4に記載のカテーテルの製造方法。
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