JP2005236069A - Mn−Znフェライト - Google Patents
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Abstract
【課題】
23℃の初透磁率が3000以上で、広い温度範囲(−20℃〜150℃)で初透磁率の変化率が小さく、かつ23℃の飽和磁束密度が540mT以上のMn−Znフェライトを提供する。
【解決手段】
主成分組成がFe2O3、ZnO、MnOからなり、副成分としてSiO2(0.005〜0.01重量%)、CaO(0.03〜0.06重量%)、Nb2O5(0.01〜0.03重量%)を含むフェライトにおいて、主成分組成が53.7〜54.4mol%Fe2O3、8.0〜10.0mol%ZnO、残部MnOからなり、副成分として上記のほかにV2O5 0.01〜0.06重量%、CoO 0.05〜0.60重量%を同時に含有することを特徴とするMn−Znフェライト。
【選択図】 図1
23℃の初透磁率が3000以上で、広い温度範囲(−20℃〜150℃)で初透磁率の変化率が小さく、かつ23℃の飽和磁束密度が540mT以上のMn−Znフェライトを提供する。
【解決手段】
主成分組成がFe2O3、ZnO、MnOからなり、副成分としてSiO2(0.005〜0.01重量%)、CaO(0.03〜0.06重量%)、Nb2O5(0.01〜0.03重量%)を含むフェライトにおいて、主成分組成が53.7〜54.4mol%Fe2O3、8.0〜10.0mol%ZnO、残部MnOからなり、副成分として上記のほかにV2O5 0.01〜0.06重量%、CoO 0.05〜0.60重量%を同時に含有することを特徴とするMn−Znフェライト。
【選択図】 図1
Description
本発明は、広い温度範囲で初透磁率(以下、μiと称す)の変化率が小さく、飽和磁束密度の高いフェライト焼成体、及び通信機器用トランス、デジタルアンプ用出力フィルタに適したMn−Znフェライトに関するものである。
通信機器用トランスやデジタルアンプ用出力フィルタに用いられるMn−Znフェライトには、高初透磁率、高飽和磁束密度、低損失等の磁気特性であることが要求される。最近では、電子部品の小型化、高集積化にともなう発熱による回路周辺の温度変化、環境温度の変化に対して安定した磁気特性を得るため、温度特性の変化が大きい一般高透磁率材料よりも、広い温度範囲で磁気特性の変化が小さい高透磁率材料であることが重要視されている。特にデジタルアンプ用出力フィルタに用いた場合、温度変化での磁気特性の変化によってフィルタの周波数特性が変化してしまい音質に悪影響を与えてしまう問題があった。
また、小型化のためには磁束密度が飽和しない範囲で使用するコアの大きさを決める必要があるため、より高い飽和磁束密度を有する材料が望まれている。
特開昭58−114401
上記のような理由により、通信機器用トランスやデジタルアンプ用出力フィルタに用いられるMn−Znフェライトには温度変化に対する磁気特性の安定が望まれている。温度変化に対してμiの安定した材料を得るために酸化コバルトを添加する方法は従来から試みられてきた。しかし、μiが1000以下であるものが多く、高いものでも2000程度であった。また、μiが低いと必要なインダクタンスを得るために巻き線数を増やす必要があり、銅損が増えてしまう問題があった。
また、高飽和磁束密度を得るためには、基本組成であるFe2O3の含有量を多くすること、又はフェライトを高密度化することが知られている。しかし、これらの方法では電力損失の極小値となる温度が低温側へ移動したり、100℃程度の高温での飽和磁束密度が低下するなどの問題があり実用的ではない。
本発明は上記問題点を解決し、広い温度範囲でμiの変化率が小さく、高飽和磁束密度であるMn−Znフェライトを提供しようとするものである。
本発明は、主成分組成がFe2O3、ZnO、MnOからなり、副成分としてSiO2(0.005〜0.01重量%)、CaO(0.03〜0.06重量%)、Nb2O5(0.01〜0.03重量%)を含むフェライトにおいて、主成分組成が53.7〜54.4mol%Fe2O3、8.0〜10.0mol%ZnO、残部MnOからなり、副成分として上記のほかにV2O5 0.01〜0.06重量%、CoO 0.05〜0.60重量%を同時に含有し、23℃での初透磁率が3000以上で、23℃の初透磁率を基準とした−20℃〜150℃における初透磁率の最大変化率が15%以下であり、23℃の飽和磁束密度が540mT以上であることを特徴とするMn−Znフェライトを提供する。
本発明が提供するMn−Znフェライトは、23℃での初透磁率が3000以上で、23℃の初透磁率を基準とした−20℃〜150℃における初透磁率の最大変化率が15%以下であり、23℃の飽和磁束密度が540mT以上の高飽和磁束密度を有することが可能となり、回路周辺の温度変化、環境温度変化に対して安定した性能を発揮できる通信機器用トランス、デジタルアンプ用出力フィルタを供給する事が可能となった。
Fe2O3:54.1mol%、ZnO:8.8mol%残部MnOとなるように高純度の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガンを計量・混合し、大気中950℃×2時間仮焼を行った。この仮焼原料に本発明の請求項範囲内でSiO2 0.005重量%、CaO 0.04重量%、Nb2O5 0.02重量%、V2O5 0.05重量%となるように添加し、表1に示す分量含有するようにCoOを添加し、アトライターで粉砕粒径が1.5μmとなるまで粉砕した。この粉砕粉にポリビニルアルコールを加え造粒し、得られた造粒顆粒を外形24mm、内径19mm、高さ10mmのトロイダル状に成形した。その後、本焼成においてピーク温度の酸素分圧をコントロールしながら、1300℃×5時間保持した後、降温することにより焼結サンプルを得た。このようにして得られた試料を、LCRメーター(HP社製4284A)にて、μiの変化率を測定した。また、同試料をB−H/Zアナライザー(HP社製E5060A)にて、最大磁界800A/mにおける飽和磁束密度を測定した。表1に23℃におけるμi、23℃のμiを基準とした−20℃〜150℃におけるμiの最大変化率、および23℃における飽和磁束密度を示す。また、μiの温度特性を図1に示す。
表1、図1より、適合例1〜3のCoOを含有する添加範囲では、23℃におけるμiが3000以上、−20℃〜150℃でのμi変化率が15%以下であり、23℃における飽和磁束密度が540mT以上得られている。中でも適合例2の場合が最良の形態である。
請求項の範囲外にある比較例では、CoOが少ない方に外れると、CoOの効果が乏しく、μiの変化率が大きくなり、23℃におけるμiも低下することが分かる。また、CoOが請求項の範囲よりも多い方に外れると、23℃でのμiが大きく低下し、−20℃〜150℃の範囲での変化率が大きくなることが分かる。
表2に示した組成となるように高純度の酸化鉄、酸化マンガン、酸化亜鉛を計量・混合し、大気中で950℃×2時間仮焼を行った。この仮焼原料に本発明請求項範囲内でSiO2 0.005重量%、CaO 0.04重量%、Nb2O5 0.02重量%、V2O5 0.05重量%、CoO 0.30重量%となるように添加した。その後、発明を実施するための最良の形態と同様にサンプルの作製、評価を行った。表2に各組成のμi温度特性のセカンダリーピーク温度(以下、Tsと称す)、23℃におけるμi、23℃のμiを基準とした−20〜150℃におけるμiの最大変化率、および23℃における飽和磁束密度を示す。また、μiの温度特性を図2に示す。
表2、図2より、適合例4〜7の組成ではTsが10℃〜50℃の範囲にあり、23℃におけるμiが3000以上、−20℃〜150℃でのμi変化率が15%以下であり、23℃における飽和磁束密度が540mT以上得られている。
請求項の範囲外にある組成の比較例では、23℃におけるμiの低下や、μiの変化率が大きくなる事が分かる。
主成分組成は、53.7〜54.4mol%Fe2O3、8.0〜10.0mol%ZnO、残部MnOの範囲に限定した。その理由は請求項範囲内の添加物を同時に含有する場合に、Tsが10℃〜50℃に設定され、かつ23℃のμiが3000以上得られること、また23℃での飽和磁束密度が540mT以上得られることを十分検討し上記の主成分組成に決定した。
本発明においてμi温度特性のTsを10〜50℃に設定する理由は、Tsが上記範囲を外れると、μi温特カーブがうねりを生じてしまい、23℃でのμiの低下や、広い温度範囲でのμiの変化率が大きくなり、望ましくないからである。
上記基本組成に加え、副成分としてSiO2、CaO、V2O5、Nb2O5、CoOを同時に添加している。SiO2、CaOは互いに共存することによって粒界の比抵抗を高め、渦電流損失の低減に寄与しており、インピーダンス特性の改善にも効果がある。Nb2O5はSiO2、CaOと共に粒界に析出し、高抵抗相を形成し電力損失を低減させるほか、残留磁束密度の低減にも寄与する。V2O5はNb2O5が共存する場合、Nb2O5によって誘起される粒内気孔や異常粒成長の発生を抑制し、結晶組成を粒径が微細で均一な組成となるように安定化して電力損失の悪化を押さえ、飽和磁束密度の向上と残留磁束密度の低減に効果がある。CoOはMn−ZnフェライトにCo2+を導入する事により、Co2+による正の磁気異方性とFe2+による負の磁気異方性が相殺しあい、結果的に絶対値および温度変化の小さい磁気異方性が発生し、低温から高温まで広い温度範囲にわたって温度特性の変動を減少させる効果がある。これらの副成分は、焼成後酸化物となりうるものであれば、添加時の構造は問わない。また、その添加は本焼成前において含有されていればどの工程で行っても差し支えない。
Claims (1)
- 主成分組成がFe2O3、ZnO、MnOからなり、副成分としてSiO2(0.005〜0.01重量%)、CaO(0.03〜0.06重量%)、Nb2O5(0.01〜0.03重量%)を含むフェライトにおいて、主成分組成が53.7〜54.4mol%Fe2O3、8.0〜10.0mol%ZnO、残部MnOからなり、副成分として上記のほかにV2O5 0.01〜0.06重量%、CoO 0.05〜0.60重量%を同時に含有し、23℃での初透磁率が3000以上で、23℃の初透磁率を基準とした−20℃〜150℃における初透磁率の最大変化率が15%以下であり、23℃の飽和磁束密度が540mT以上であることを特徴とするMn−Znフェライト。
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JP2008169072A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Nippon Ceramic Co Ltd | Mn−Zn系フェライト |
CN111362680A (zh) * | 2019-10-17 | 2020-07-03 | 横店集团东磁股份有限公司 | 一种高频低损耗FeMnZnNi铁氧体材料及其制备方法 |
CN113277840A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-08-20 | 天通控股股份有限公司 | 一种高频高工作磁密低损耗锰锌铁氧体及其制备方法 |
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2004
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