JP2005235727A - 燃料電池、燃料電池用薄膜及び燃料電池用薄膜の製造方法 - Google Patents

燃料電池、燃料電池用薄膜及び燃料電池用薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡素な構成で水分を移動させることのできる燃料電池、燃料電池用薄膜及び燃料電池用薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池10であって、電解質膜12と、電解質膜12上に設けられた触媒層14と、触媒層14上に設けられた拡散層16と、拡散層16上に設けられ、カソードガスの流路22が設けられたセパレータ19と、を備え、カソードガスの流路22の近傍に所定の繊維からなる水分移動促進膜34を設けた。
【選択図】 図2

Description

この発明は、アノードに供給した水素とカソードに供給した酸素とを反応させて電力を発生する燃料電池、燃料電池用薄膜及び燃料電池用薄膜の製造方法に関する。
燃料電池は、アノードに供給した水素とカソードに供給した酸素とを反応させて電力を発生する。このような燃料電池において、特開2003−109620号公報には、セパレータのカソード流路がS字状に蛇行して、流路の上流側と下流側が隣接した構成が開示され、流路を構成するリブ部の端面に形成された毛細管を経由してカソード流路の下流側から上流側へ水分を移動可能とした構成が開示されている。
また、特開平9−283157号公報には、セパレータに配設された透水性の樹脂を介して、カソードで生成された生成水が冷却用ガス流路に供給可能とされ、冷却用ガス流路にはカソードに供給するガスを流す技術が開示されている。
特開2003−109620号公報 特開平9−283157号公報
しかしながら、特開2003−109620号公報に開示された方法では、毛細管を経由して水分を移動させているため、カソードの流路の構成が複雑となり、燃料電池の設計自由度が低下するという問題が生じる。また、毛細管を形成するためには複雑な工程が必要となるため、燃料電池の製造コストが上昇するという問題も生じる。
また、特開平9−283157号公報に開示された技術では、カソードのエアの流れによって水分が燃料電池の外に排出されてしまい、生成水が冷却用ガス流路に充分供給されず、この結果、電解質膜が乾燥して燃料電池の発電性能が低下する虞がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で水分を移動させることのできる燃料電池、燃料電池用薄膜及び燃料電池用薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池であって、前記カソードガスの流路の近傍に所定の繊維からなる水分移動手段を設けたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記所定の繊維の延在する方向が一定の方向に揃えられたことを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3のいずれかにおいて、前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記水分移動手段は、前記カソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けられたことを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、前記電解質膜上に設けられた触媒層と、前記触媒層上に設けられた拡散層と、前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、前記水分移動手段は、前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータの少なくとも1つに配設されたことを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、前記電解質膜上に設けられた触媒層と、前記触媒層上に設けられた拡散層と、前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、前記水分移動手段は、前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータの界面に配設されたことを特徴とする。
第8の発明は、上記の目的を達成するため、アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池であって、前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、前記電解質膜上に設けられた触媒層と、前記触媒層上に設けられた拡散層と、前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータが、水分の移動を促進する所定の繊維を含むことを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする。
第10の発明は、第8又は第9の発明において、前記所定の繊維の延在する方向が一定の方向に揃えられたことを特徴とする。
第11の発明は、第8〜第10の発明のいずれかにおいて、前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする。
第12の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜であって、所定の繊維を織成して形成され、所定の方向に延在する繊維のみ、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする。
第13の発明は、第12の発明において、前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする。
第14の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜であって、所定の繊維を膠着させて形成され、前記繊維の延在する方向を所定の方向に揃えたことを特徴とする。
第15の発明は、第14の発明において、前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする。
第16の発明は、第14又は第15の発明において、前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする。
第17の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜の製造方法であって、石炭系、又は石油系のピッチを、少なくとも1つの凹部を有する型から押し出し、断面形状に少なくとも1つの凹部を有するカーボン繊維を形成する工程と、前記カーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
第18の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜の製造方法であって、高分子材料からなる繊維材料を、少なくとも1つの凸部を有する型から押し出し、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を形成する工程と、前記繊維に炭素化処理を施して、カーボン繊維を形成する工程と、前記カーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
第19の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜の製造方法であって、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する縦糸と、断面形状に凹部を有していない横糸とを織成して燃料電池用薄膜を形成することを特徴とする。
第20の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用薄膜の製造方法であって、燃料電池用薄膜を構成する繊維の延在方向を揃える工程と、前記繊維の延在方向を揃えた状態で前記繊維を膠着させる工程と、を有することを特徴とする。
第21の発明は、第20の発明において、前記繊維の延在方向を揃える工程において、表面に溝を有する板材を用い、前記溝内に前記繊維を挿入することで前記繊維の延在方向を揃えることを特徴とする。
第22の発明は、第20の発明において、前記繊維の延在方向を揃える工程において、超音波振動又は機械的振動を与えて前記繊維の延在方向を揃えることを特徴とする。
第23の発明は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記カソードに隣接して配設され、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、前記カソードガスの流路に対して前記セパレータの背面側に配設され、前記カソードガスの流路に前記カソードガスを供給するガス流路と、前記セパレータの少なくとも一部に配設され、前記カソードガスの流路から前記ガス流路へ水分を送る多孔質部と、を更に備えたことを特徴とする。
第24の発明は、第6〜第11の発明のいずれかにおいて、前記カソードガスの流路に対して前記セパレータの背面側に配設され、前記カソードガスの流路に前記カソードガスを供給するガス流路と、前記セパレータの少なくとも一部に配設され、前記カソードガスの流路から前記ガス流路へ水分を送る多孔質部と、を更に備えたことを特徴とする。
第25の発明は、第1〜第11、第23及び第24の発明のいずれかにおいて、前記カソードガスの流路における上流と下流が近接するように前記カソードガスの流路を構成したことを特徴とする。
第26の発明は、第1〜第11及び第23の発明のいずれかにおいて、前記所定の繊維は親水基を有することを特徴とする。
第27の発明は、第1〜第7及び第23の発明のいずれかにおいて、前記水分移動手段の表面に凹凸を設けたことを特徴とする。
第28の発明は、第23又は第24の発明において、前記所定の繊維は、前記多孔質部よりも毛管吸引力の高い物質からなることを特徴とする。
第29の発明は、第24の発明において、前記水分移動手段は、前記カソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けられたことを特徴とする。
第1の発明によれば、カソードガスの流路の近傍に所定の繊維からなる水分移動手段を設けたため、繊維の毛管吸引力により、反応により生成された水分をカソードガスの流路の下流側から上流側へ移動させることが可能となる。これにより、流路に溜まった水分によってカソードガス中の酸素の移動が阻害されてしまうことを抑止でき、燃料電池の効率を高めることが可能となる。また、カソードガスの流路の上流側に移動させた水分をカソードガス中に供給することができため、カソードガスを確実に加湿することが可能となり、流路の上流側においてカソードガス中の酸素のイオン化を促進することができる。
第2の発明によれば、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を用いることで、水分移動手段における空隙率を高めることができ、確実に導水経路を確保することができる。従って、反応により生成された水分をカソードガスの流路の下流側から上流側へ確実に移動することができる。また、少なくとも1つの凹部を有する繊維を用いることで、繊維の表面積が拡大され、繊維の速乾性を高めることができる。従って、繊維に沿って移動した水分を乾燥させてカソードガス中に供給することができ、カソードガスを確実に加湿することが可能となる。
第3の発明によれば、繊維の延在する方向を一定の方向に揃えたことにより、水分の移動方向を規定することができる。従って、カソードガスの流路と繊維の延在する方向を一致させることで、カソードガスの流路の下流側から上流側へ水分を確実に移動することができる。
第4の発明によれば、水分移動手段をカーボン繊維から構成することで、水分移動手段に導電性をもたせることができる。従って、導電性が必要となる燃料電池の部位に水分移動手段を設けることが可能となる。
第5の発明によれば、水分移動手段をカソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けたことにより、カソードガスの流路に沿って水分を移動させることが可能となる。
第6の発明によれば、電解質膜、触媒層、拡散層、又はセパレータの少なくとも1つに水分移動手段を配設したことにより、電解質膜、触媒層、拡散層、セパレータ内に沿って水分を移動させることができる。
第7の発明によれば、電解質膜、触媒層、拡散層、又はセパレータの界面に水分移動手段を配設したことにより、界面に沿って水分を移動させることができる。
第8の発明によれば、電解質膜、触媒層、拡散層、又はセパレータが、水分の移動を促進する所定の繊維を含むため、繊維の毛管吸引力により、反応により生成された水分を移動することが可能となる。従って、カソードガスの流路の下流側から上流側へ移動させることが可能となり、流路に溜まった水分によってカソードガス中の酸素の移動が阻害されてしまうことを抑止することができる。また、カソードガスの流路の上流側に移動させた水分をカソードガス中に供給することができため、カソードガスを確実に加湿することが可能となり、流路の上流側においてカソードガス中の酸素のイオン化を促進することができる。
第9の発明によれば、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を用いることで、繊維の周りの空隙率を高めることができ、確実に導水経路を確保することができる。従って、反応により生成された水分をカソードガスの流路の下流側から上流側へ確実に移動することができる。また、少なくとも1つの凹部を有する繊維を用いることで、繊維の表面積が拡大され、繊維の速乾性を高めることができる。従って、繊維に沿って移動した水分を乾燥させてカソードガス中に供給することができ、カソードガスを確実に加湿することが可能となる。
第10の発明によれば、繊維の延在する方向を一定の方向に揃えたことにより、水分の移動方向を規定することができる。従って、カソードガスの流路と繊維の延在する方向を一致させることで、カソードガスの流路の下流側から上流側へ水分を確実に移動することができる。
第11の発明によれば、所定の繊維をカーボン繊維としたことで、繊維に導電性をもたせることができる。従って、繊維を配設した箇所の導電性を確保することができる。
第12の発明によれば、燃料電池用薄膜において、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を所定の方向に延在させることで、その繊維の延在する方向に水分の移動方向が規制することができる。従って、この燃料電池用薄膜を燃料電池の所定部位に用いることで、燃料電池内の水分の移動方向を規制することが可能となる。
第13の発明によれば、所定の繊維をカーボン繊維とすることで、燃料電池用薄膜に導電性をもたせることができる。従って、導電性が必要となる燃料電池の所定箇所に燃料電池用薄膜を配置することができる。
第14の発明よれば、所定の繊維を膠着させて形成された燃料電池用薄膜において、繊維の延在する方向を所定の方向に揃えることで、その繊維の延在する方向に水分の移動方向が規制することができる。従って、この燃料電池用薄膜を燃料電池の所定部位に用いることで、燃料電池内の水分の移動方向を規制することが可能となる。
第15の発明によれば、繊維の断面形状に少なくとも1つの凹部を設けることで、繊維の周りの空隙率を高めることができ、確実に導水経路を確保することができる。
第16の発明によれば、所定の繊維をカーボン繊維とすることで、燃料電池用薄膜に導電性をもたせることができる。従って、導電性が必要となる燃料電池の所定箇所に燃料電池用薄膜を配置することができる。
第17の発明によれば、石炭系、又は石油系のピッチを、少なくとも1つの凹部を有する型から押し出すことで、断面形状に少なくとも1つの凹部を有するカーボン繊維を形成することができ、このカーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成することで、カーボン繊維の延在する方向に水分の移動方向を規制した燃料電池用薄膜を製造することが可能となる。
第18の発明によれば、高分子材料からなる繊維材料を、少なくとも1つの凹部を有する型から押し出すことで、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を形成することができ、この繊維を炭素化することで断面形状に少なくとも1つの凹部を有するカーボン繊維を形成することができる。そして、このカーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成することで、カーボン繊維の延在する方向に水分の移動方向を規制した燃料電池用薄膜を製造することが可能となる。
第19の発明によれば、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する縦糸と、断面形状に凹部を有していない横糸とを織成して燃料電池用薄膜を形成することで、縦糸の延在する方向に水分の移動方向を規制した燃料電池用薄膜を製造することが可能となる。
第20の発明によれば、繊維の延在方向を揃えた状態で繊維を膠着させて燃料電池用薄膜を製造することで、繊維の延在する方向に水分の移動方向を規制した燃料電池用薄膜を製造することが可能となる。
第21の発明によれば、表面に溝を有する板材を用い、溝内に繊維を挿入することで繊維の延在方向を揃えることが可能となる。
第22の発明によれば、超音波振動又は機械的振動を与えることで繊維の延在方向を揃えることが可能となる。
第23の発明によれば、カソードガスの流路からセパレータの背面側のガス流路へ水分を送る多孔質部を設けたため、カソードガスの流路で吸収した水分をガス流路に送ることができる。これにより、カソードガスを確実に加湿することができ、電解質膜の乾燥による燃料電池の発電性能の低下を確実に抑制することができる。
第24の発明によれば、カソードガスの流路からセパレータの背面側のガス流路へ水分を送る多孔質部を設けたため、カソードガスの流路で吸収した水分をガス流路に送ることができる。これにより、カソードガスを確実に加湿することができ、電解質膜の乾燥による燃料電池の発電性能の低下を確実に抑制することができる。
第25の発明によれば、カソードガスの流路における上流と下流が隣接するようにカソードガスの流路を構成したため、カソードガスの流路に溜まった水分を上流に送ることが可能となる。これにより、カソードガスの流路の上流から下流にかけての全域に水分を均一に分布させることができ、セパレータの背面側のガス流路の全域に水分を供給することが可能となる。従って、セパレータの背面側のガス流路を流れるカソードガスの加湿を確実に行うことが可能となる。
第26の発明によれば、所定の繊維は親水基を有して構成されるため、カソードガスの流路を常に水分で湿らせておくことが可能となる。これにより、カソードガスの加湿を連続的かつ確実に行うことが可能となる。
第27の発明によれば、水分移動手段の表面に凹凸を設けたため、より広い範囲から水分を吸収することができ、カソードガスを確実に加湿することができる。
第28の発明によれば、所定の繊維を多孔質部よりも毛管吸引力の高い物質から構成したため、所定の繊維に水分を取り込むことが容易となり、より多くの水分をセパレータの背面側のガス流路に供給することが可能となる。
第29の発明によれば、水分移動手段をカソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けたため、カソードガスの流路に沿って水分を移動させることが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池10の構成を示す分解斜視図である。燃料電池10は、発電を行う際に水(水蒸気)を生成する種類のものであればよく、ここでは固体高分子型(PEM)の燃料電池を例示する。図1は、燃料電池10を構成する複数の単位セルの1つを示しており、燃料電池10は図1の矢印方向に単位セルを積層して構成される。
図2は、積層方向に沿った単位セルの断面を示す模式図である。単位セルは、電解質膜12、電解質膜12の両側にそれぞれ配置される触媒層14、拡散層16、およびセパレータ18,19から構成される。図1及び図2において、セパレータ18はアノード側に配置され、セパレータ19はカソード側に配置されている。
電解質膜12は、フッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。触媒層14は、白金(Pt)を担持したカーボンペーストを電解質膜12の表面に塗布することで形成されている。拡散層16は、カーボン繊維を織成したカーボンクロス、またはカーボン繊維、カーボンペーストを素材とするペーパーにより形成されている。セパレータ18,19は、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンなどガス不透過の導電性部材により形成されている。
セパレータ18には、拡散層16と対向する面にアノードガス(水素ガス)の流路20が設けられている。図1に示すように、流路20の一端にはアノードガスの入口26が、他端には出口28が設けられている。
セパレータ19には、拡散層16と対向する面にカソードガス(酸素ガス)の流路22が設けられている。図1に示すように、流路22の一端にはカソードガスの入口30が、他端には出口32が設けられている。また、図2に示すように、セパレータ19には冷却液の流路24が設けられている。
図1に示すように、アノードガスの流路20、カソードガスの流路22は、ともに単位セルの積層方向と直交する面内に延在し、面内で蛇行した形状に設けられている。アノードガスが流路20へ供給されると、アノードガス中の水素が拡散層16および触媒層14を通過する過程でイオン化され、水素イオンとなる。同様に、カソードガスが流路22へ供給されると、カソードガス中の酸素が拡散層16および触媒層14を通過する過程でイオン化され、酸素イオンとなる。
そして、これらの水素イオン、酸素イオンが電解質膜12に供給されると、電解質膜12における反応で電力が発生する。また、これと同時にカソード側において、上記の水素イオンと酸素イオンとから水が生成される((1/2)O+2H+2e→HO)。この水のほとんどは、燃料電池10内で発生する熱を吸収して水蒸気として生成される。
カソード側で生成された水分は流路22内のカソードガス中に含まれ、カソードガスの流れによって下流側へ流れるため、流路22の下流に水分が溜まる場合がある。図3(a)は、流路22の下流に水分が溜まった状態を説明するための模式図である。水分が流路22の下流に溜まると、拡散層16の表面が水で覆われてしまい、電解質膜12へ十分な量の酸素が供給されなくなる。このため、電解質膜12における反応が低下し、燃料電池10の効率が低下する場合がある。
また、カソード側で生成された水分が流路22の下流に溜まると、流路22の上流側においてカソードガスに水分が供給されなくなるため、流路22の上流を流れるカソードガスが乾燥してしまう。このため、カソードガス中の酸素が十分にイオン化されなくなり、電解質膜12での反応が低下する場合がある。
このため、本実施形態では、図2に示すように、流路22の内壁面を覆うように水分移動促進膜34を設けている。水分移動促進膜34は繊維素材から構成されるクロス(布)またはペーパー(紙)であって、流路22の内壁の全面に貼り付けられている。繊維素材は毛管吸引力を発生させ、吸水性が高いため、図3(b)に示すように毛管吸引力によって水分移動促進膜34内で水分を移動させることができ、流路22の下流側に溜まった水分を上流側に送ることができる。従って、流路22の下流側において拡散層16の表面が水で覆われてしまうことを抑止でき、燃料電池10の効率低下を抑止することができる。また、繊維素材から構成された水分移動促進膜34は乾き易く、速乾性を有しているため、水分移動促進膜34に吸収された水分は短時間で乾燥し、乾燥した水分はカソードガス中に水蒸気として供給される。従って、流路22の上流側に移動した水分が乾燥することで、上流側においてカソードガス中への水分供給が促進される。この結果、流路22の上流側においてカソードガスを十分に加湿することができ、上流側での酸素のイオン化が促進されるため、燃料電池10の効率を高めることができる。
毛管吸引力を高めるため、水分移動促進膜34は不定形断面形状を有する繊維36から構成することが好ましい。図4は、不定形断面形状を有する繊維36を示す模式図であって、繊維36の長手方向と直交する方向に沿った断面形状を示している。図4に示すように、繊維36は、その断面形状において少なくとも1つの凹部38を有している。以下の説明において、断面形状に凹部38が形成された繊維36を、不定形断面形状を有する繊維36と称することとする。なお、繊維36の断面形状は、長手方向で可変するものであっても良い。
図5は、複数の繊維36を束ねた状態を示す模式図である。繊維36は不定形断面形状を有しているため、図5に示すように、複数の繊維36を束ねた場合に多くの空隙の領域が発生する。従って、このような繊維36によれば、束ねた際の空隙率が高いため、多くの導水経路が形成されることとなる。このため、繊維36から構成された水分移動促進膜34の毛管吸引力は非常に大きくなり、水分を繊維36の長手方向に確実に移動させることができる。従って、このような繊維36で水分移動促進膜34を構成することで、流路22の下流に溜まった水分を短時間で確実に上流側へ送ることができる。なお、本実施形態では、流路22を蛇行させているため、流路22の上流と下流の距離を短縮することができ、下流から上流への水分移動をより短時間で行うことが可能である。
また、不定形断面形状を有する繊維36は、通常の断面形状(円形、角形など)の繊維に比べて凹部38により表面積が拡大されているため、速乾性がより高くなる。従って、流路22の上流側において、カソードガス中への水分供給をより促進することができる。この結果、流路22の上流側においてカソードガスを十分に加湿することができ、上流側において酸素のイオン化が促進されるため、燃料電池10の効率を高めることができる。
なお、上述した例では、流路22の内壁の全面に水分移動促進膜34を設けたが、一部の面のみに水分移動促進膜34を設けても構わない。
以上説明したように実施の形態1によれば、燃料電池10の単位セルのカソード側において、カソードガスの流路22内に水分移動促進膜34を設けたため、電解質膜12での反応により生成された水分を流路22の下流側から上流側へ移動させることが可能となる。これにより、流路22の下流において拡散層16の表面が水分で覆われてしまうことがなく、電解質膜12への酸素供給が阻害されてしまうことを抑止することができる。従って、流路22の下流側において酸素を確実に電解質膜12へ供給することが可能となり、燃料電池10の効率を高めることが可能となる。
また、水分移動促進膜34は速乾性が高いため、流路22の上流側に移動させた水分を短時間で乾燥させて、カソードガス中に供給することができる。従って、流路22の上流側においてカソードガスを確実に加湿することが可能となり、上流側においてカソードガス中の酸素のイオン化を促進することができる。これにより、燃料電池10の効率を高めることが可能となる。また、上流側での加湿を促進することでカソードガスを加湿するための加湿器を縮小化できるため、燃料電池システムの小型化を図ることも可能である。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では水分移動促進膜34を流路22の内壁に設けたが、実施の形態2は単位セル内の他の部分に水分移動促進膜34を設けたものである。
図6は、拡散層16と触媒層14の間に水分移動促進膜34を設けた例を示す模式図であって、図2と同様に単位セルの積層方向に沿った断面を示す模式図である。実施の形態1で説明したように、水分移動促進膜34は毛管吸引力により水分を吸水し、移動させるとともに、速乾性にも優れたものである。単位セル内において、カソードで生成された水分は電界質膜12とセパレータ19間で単位セルの積層方向に移動することができるため、流路22の下流の水分は、拡散層16と触媒層14の間に配置された水分移動促進膜34の毛管吸引力により流路22の上流側へ送られる。従って、拡散層16と触媒層14の間に水分移動促進膜34を設けた場合であっても、流路22の下流側の水分を上流側へ移動することが可能である。
拡散層16と触媒層14の間に水分移動促進膜34を挿入した場合、これらの領域には電子が通過するため、好適には、水分移動促進膜34を構成する繊維をカーボン繊維などの導電性材料から構成することが望ましい。また、導電性を確保するため、極細の金属線、もしくは金属または炭素によってコーティングされた繊維を用いて水分移動促進膜34を構成してもよい。更に、水分移動促進膜34の毛管吸引力(吸水性)、速乾性を高めるためには、実施の形態1で説明した不定形断面形状を有する繊維36を用いて水分移動促進膜34を構成することが好適である。なお、カーボン繊維から不定形断面形状を有する繊維36を製造する方法については、実施の形態4で説明する。
一方、水分移動促進膜34を導電性の低い繊維素材で構成した場合は、図7に示すように、隣接する繊維素材間の距離を大きくして水分移動促進膜34をメッシュ状に構成することが望ましい。これにより、水分移動促進膜34を挿入したことによる導電率の低下、酸素、水素の移動の阻害要因を最小限に抑えることができる。
水分移動促進膜34を拡散層16と触媒層14の間の領域以外に挿入した場合も同様の効果を得ることができる。例えば、触媒層14と電解質膜12の間に水分移動促進膜34を挿入した場合も、流路22の下流側の水分を上流側へ移動することが可能である。更に、セパレータ19、拡散層16、触媒層14、電解質膜12の内部に水分移動促進膜34を挿入しても同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態1,2では、水分移動促進膜34を単位セルの所定部位に挿入したが、実施の形態3では、単位セルを構成する各層を実施の形態1で説明した不定形断面形状の繊維36から構成したものである。
実施の形態1で説明したように、拡散層16は、通常クロスまたはペーパーとして形成される。これらの通常の拡散層16は、カーボン繊維、カーボンペーストを含んでいる。実施の形態3では、拡散層16に用いられるカーボン繊維を不定形断面形状の繊維36とし、カーボンペーストと混ぜることで拡散層16を形成している。
実施の形態1で説明したように、不定形断面形状の繊維36は吸水性、速乾性に非常に優れている。従って、拡散層16を不定形断面形状の繊維36で構成することで、拡散層16の毛管吸引力により隣接する流路22の下流側から上流側へ水分を移動することができ、上流側においてカソードガスを加湿することができる。
拡散層16には、繊維36の他に導電性のあるカーボンペーストが含まれるため、不定形断面形状を有する繊維36は導電性を有していなくても良いが、好適には導電性のあるカーボン繊維等を用いることが望ましい。カーボン繊維から不定形断面形状を有する繊維36を製造する方法については、実施の形態4で説明する。
また、繊維36を導電性の低い材料で構成した場合は、拡散層16内の流路22の近傍のみを繊維36で構成し、他の領域を通常のカーボン繊維で構成しても良い。これにより、拡散層16の導電率の低下を最小限に抑えることができる。
触媒層14または電解質膜12には、通常、繊維素材は含まれていないが、触媒層14または電解質膜12に繊維素材を含ませることで、繊維素材の吸水性、速乾性により、触媒層14または電解質膜12の内部で水分を移動させることができ、流路22の下流の水分を上流側に移動するとともに、流路22の上流においてカソードガスを加湿することが可能となる。触媒層14に繊維素材を含ませる場合は、触媒層14を構成するカーボンペーストと繊維素材を混合することで繊維素材を含ませることができる。この場合も、繊維素材として不定形断面形状の繊維36を用いることが好適であり、更に好適には、不定形断面形状を有するカーボン繊維36を用いることが好適である。
図8は、セパレータ19の一部を繊維素材から構成した例を示す模式図である。図8に示すセパレータ19は、繊維素材から形成した板19bを2枚のカーボン板19a、19cで挟むことで形成されている。セパレータ19は金属から構成することもできるため、2枚の金属板の間に繊維素材から形成した板19bを挿入してセパレータ19を構成しても良い。
図8に示すように、繊維素材から形成された板19bは、流路22の内壁の一部を構成している。従って、繊維素材の毛管吸引力によって流路22の下流側から上流側へ水分を移動させることができ、流路22の上流においてカソードガスを加湿することが可能である。
そして、板19bを構成する繊維素材として、不定形断面形状の繊維36を用いることで、吸水性、速乾性をより高めることができる。従って、繊維素材として不定形断面形状の繊維36を用いることが好適である。
なお、図8において、板19bは流路22の近傍のみに配置しているため、電子はセパレータ19a、19c内を自由に移動できる。従って、板19bを構成する繊維素材は導電性を有していなくても良いが、好適には導電性のあるカーボン繊維等を用いることが望ましい。カーボン繊維から不定形断面形状を有する繊維36を製造する方法については、実施の形態4で説明する。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4は、実施の形態1で説明した不定形断面形状を有する繊維36をカーボンから製造する方法に関する。不定形断面形状の繊維36をカーボンから形成する方法としては、ピッチ系から製造する方法と繊維系から製造する方法がある。
図9は、不定形断面形状を有するカーボン繊維36を製造するための装置40を示す模式図である。図9に示すように、装置40は、シリンダ42、加圧ピストン44、押し出し孔46を有して構成されている。押し出し孔46の形状は、例えば図4に示した断面形状と同一とされている。シリンダ42の内部には加圧ピストン44が挿入されている。
ピッチ系による製造方法を用いて不定形断面形状を有するカーボン繊維36を製造する場合、シリンダ42内部に溶融した石炭ピッチまたは石油ピッチが充填される。図9に示す状態において、加圧ピストン44を押し下げると、石炭ピッチまたは石油ピッチが押し出し孔46の形状に倣って外に押し出される。そして、押し出した石炭ピッチまたは石油ピッチを酸化雰囲気下で加熱し、不融化処理を行い、更に不活性気相雰囲気下で加熱することにより、不定形断面形状を有するカーボン繊維36を製造することができる。
繊維系による製造方法を用いて不定形断面形状を有するカーボン繊維36を製造する場合は、シリンダ42内にレーヨン、ポリアクリルニトリル等の高分子材料からなる繊維材料を充填する。そして、加圧ピストン44を押し下げることにより、不定形断面形状を有するレーヨン、ポリアクリルニトリル等の繊維36を製造する。その後、レーヨン、ポリアクリルニトリル等の繊維36を酸化雰囲気下で加熱し、不融化処理を行う。更に不活性気相雰囲気下で加熱し、炭素化処理を行うことで、繊維36中の酸素、水素を離脱させる。これにより、不定形断面形状のカーボン繊維36を製造することができる。
以上説明したように実施の形態4によれば、不定形断面形状を有する繊維36をカーボンから製造することができる。従って、実施の形態1,2において水分移動促進膜34をカーボン繊維36から製造することが可能となる。また、実施の形態3において、不定形断面形状を有するカーボン繊維36を用いて電解質膜12、触媒層14、拡散層16またはセパレータ19を製造することが可能となる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5は、不定形断面形状の繊維36を用いてクロス(燃料電池用薄膜)を形成する場合に、水分の移動方向が一定方向となるようしたものである。
図10は、実施の形態1で説明した不定形断面形状の繊維36を用いてクロスを形成する場合に、縦糸を不定形断面形状の繊維36とし、横糸を通常の断面形状の繊維とした状態を示している。
このように、クロスを構成する縦糸と横糸のうち、一方のみを不定形断面形状の繊維36とすることで、繊維36の方向に水分を移動させることができる。従って、本実施形態によれば、水分の移動方向を特定の方向に規定することができる。
そして、このようなクロスを用いて実施の形態1,2における水分移動促進膜34を構成し、また、セパレータ19、拡散層16、触媒層14、電解質膜12の内部にこのようなクロスを挿入することで、不定形断面形状の繊維36(縦糸)の方向に水分を移動させることが可能となる。従って、流路22の方向と繊維36の方向を一致させることで、流路22の下流から上流に向けて水分を確実に移動させることが可能である。なお、導電性を良好にするため、縦糸の繊維36、横糸はカーボン繊維とすることが好適である。また、繊維素材をカーボン繊維としてクロスを製造する場合、繊維素材の方向を整えてクロスを製造した後、炭素化処理を施すことで、繊維素材をカーボン繊維としても良い。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6は、繊維素材でペーパー(燃料電池用薄膜)を形成する場合に、繊維素材の長手方向を一定の方向に揃えたものである。
通常の方法で繊維素材を用いてペーパーを製造すると、図11(a)に示すように繊維素材の方向はランダムに配置される。本実施形態では、図11(b)に示すように、繊維素材の方向を揃えてペーパーを形成する。これにより、繊維素材の長手方向に確実に水分を移動することが可能となる。
繊維素材の方向が揃ったペーパーでは、繊維素材の長手方向に導水経路が形成されるため、繊維素材の断面形状が通常の形状であっても繊維素材の方向に沿って水分を移動させることができる。水分をより確実に移動させるためには、繊維素材として毛管吸引力の高い不定形断面形状の繊維36を用いることが望ましい。
そして、このようなペーパーを用いて、実施の形態1,2における水分移動促進膜34を構成し、また、セパレータ19、拡散層16、触媒層14、電解質膜12の内部にこのようなペーパーを挿入することで、ペーパー内の繊維素材の方向に沿って水分を移動させることが可能となる。従って、流路22の方向と繊維素材の方向を一致させることで、流路22の下流から上流に向けて水分を確実に移動させることが可能である。なお、導電性を良好にするため、繊維素材はカーボン繊維とすることが好適である。
図12は、図11(b)に示すペーパーを製造する方法を示す模式図である。図12に示すように、ペーパーを製造するためのすき板50には溝50aが形成されている。そして、溝50aの方向に繊維素材を並べ、繊維素材を膠着させることで、繊維素材が一定方向に並べられたペーパーを製造することができる。また、すき板50上に繊維方向の整った布を設けることで、繊維素材を一定方向に並べるようにしても良い。
図13は、図11(b)に示すペーパーを製造する他の方法を示す模式図である。図13では、すき板50に超音波または機械的な振動子52を接続している。図13の構成によれば、すき板50上に繊維素材を載せ、振動子52ですき板50を振動させることで、繊維素材の方向を揃えることが可能である。繊維素材の方向を揃えた後、繊維素材を膠着させてペーパーを製造する。
また、繊維素材をカーボン繊維としてペーパーを製造する場合、繊維素材の方向を整えてペーパーを製造した後、炭素化処理を施すことで、繊維素材をカーボン繊維としても良い。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について説明する。図14は、実施の形態7に係る燃料電池10の構成を示す分解斜視図である。図14は、燃料電池10を構成する複数の単位セルの1つを示しており、燃料電池10は図14の矢印方向に単位セルを積層して構成される。
図15は、積層方向に沿った単位セルの断面を示す模式図である。単位セルは、電解質膜12、電解質膜12の両側にそれぞれ配置される触媒層14、拡散層16、およびセパレータ18,19から構成される。図14及び図15において、セパレータ18はアノード側に配置され、セパレータ19はカソード側に配置されている。電解質膜12、触媒層14、拡散層16の構成は、実施の形態1と同様である。
図15に示すように、実施の形態7の燃料電池10では、流路22の背面側、すなわち、流路22に対して電界質膜12と反対側にカソードガスの流路60を設けている。図14に示すように、流路60は、燃料電池10の一端に構成されたチャンバー部66において流路22と接続されている。流路60を流れるカソードガスは、チャンバー部66に集められ、チャンバー部66から流路22のそれぞれに送られる。
単位セルの積層方向において、流路22と流路60の間には多孔体62が設けられている。多孔体62はセパレータ19の一部を構成しており、流路22は多孔体62の一部である。多孔体62はポーラス状の素材から構成され、水分が透過可能な多数の微細孔を備えている。
実施の形態1で説明したように、燃料電池10での反応に伴ってカソードで水分が生成され、水分は流路22内に滞留する。実施の形態7の燃料電池10は、加圧したカソードガスを流路60に流すことで、毛管吸引力により、流路22内の水分を多孔体62の微細孔に透過させて流路60に送る。多孔体62を透過してきた水分は、流路60を流れるカソードガスの熱によって気化される。この際、カソードガスから気化熱が奪われ、セパレータ19が冷却されるとともに、カソードガスが加熱される。これにより、反応流路である流路22にカソードガスが送られる前に、カソードガスを確実に加湿することができ、同時にセパレータ19の冷却効率を高めることができる。従って、電解質膜12へのイオンの供給効率を高めることができ、反応効率を高めることが可能となる。
図15に示すように、流路22内には、その内壁面を覆うように水分拡散膜64が配置されている。水分拡散膜64は毛管吸引力を向上させた繊維(速乾繊維)から構成されるものであり、例えば実施の形態1で説明した繊維36から構成されている。
反応によって生成された水分は、電解質膜12から触媒層14、拡散層16へ移動し、流路22内の水分拡散膜64上に拡がり、流路22の内壁面に分散する。そして、流路22の内壁面に分散した水分は、多孔体62の微細孔を透過し、流路60へ送られる。従って、流路22の内壁面に水分拡散膜64を配置することで、多孔体62と水分の接触面積を拡大することができ、より広い範囲から吸収した水分を流路60に送ることができる。これにより、流路60を流れるカソードガスを確実に加湿することができる。
水分拡散膜64の表面積をより拡大するためには、水分拡散膜64の表面に凹凸を形成することが好適である。これにより、更に広い範囲から吸収した水分を流路60に送ることができ、流路60を流れるカソードガスを確実に加湿することができる。
また、水分拡散膜64は流路22の上流から下流の全域に配置されているため、流路22の上流から下流の全域にかけての全域において、水分の移動を速やかに行うことができ、水分が特定の箇所に集中してしまうことを抑止できる。
特に、水分拡散膜64を構成する繊維の延在する方向を流路22の方向と一致させることで、流路22の方向に沿って水分を移動させることができる。この場合、水分拡散膜64を構成する繊維の断面形状がいかなる形状であっても、繊維の延在する方向に沿って水分を流すことができるため、水分拡散膜64を構成する繊維として不定形断面形状の繊維を用いずに、通常の断面形状の繊維を用いてもよい。これにより、流路22の上流から下流にかけての全域に水分を均一に分布させることができる。
実施の形態1で説明したように、燃料電池10の反応で生成された水分は、流路22の下流側に溜まり易い。流路60は燃料電池10の端部のチャンバー部66で折り返されて流路22に接続されているため、流路22の下流に溜まった水分が多孔体62を透過して流路60に到達すると、その水分は流路60の上流に到達することになる。流路60を流れるカソードガスは、流路60の下流側への移動に伴って、燃料電池10の熱によって次第に加熱されていくため、流路60の上流に水分が供給されると、下流側に比べて低温状態のカソードガスに水分が供給されることになる。この場合、流路60の上流に供給された水分は十分に蒸発しないため、カソードガスへの加湿が不十分になる場合がある。
実施の形態7では、流路22の上流から下流の全域に水分拡散膜64を配置しているため、反応によって生成された水分を流路22内に均一に分布させることができる。従って、カソードガスの温度が高い流路60の上流側にも十分な量の水分を供給することができ、カソードガスの加湿を確実に行うことが可能である。
なお、上述の態様では、流路22の内壁面に水分拡散膜64を配置しているが、膜を構成しない繊維自体、例えば実施の形態1で説明した繊維36そのものを流路22の内壁面に配置しても良い。
また、実施の形態2と同様の方法で、水分拡散膜64(又はこれを構成する繊維)を触媒層14と拡散層16の間、又は電解質膜12と触媒層14の間に挿入しても良いし、セパレータ19、拡散層16、触媒層14、電解質膜12の内部に水分拡散膜64(又はこれを構成する繊維)を挿入しても良い。更に、実施の形態3と同様の方法で、電解質膜12、触媒層14、拡散層16、セパレータ19を、水分拡散膜64(又はこれを構成する繊維)によって構成しても良い。これらの構成によっても、流路22内の上流から下流にかけての全域に水分を分散させることができ、上記と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように実施の形態7によれば、カソードガスの流路22と対向するように流路60を設け、流路22と流路60の間に多孔体62を設けた燃料電池10において、流路22の内壁面に毛管吸引力を向上させた繊維からなる水分拡散膜64を配置したため、流路22の全域に均等に水分を分散させることができる。従って、多孔体62を透過した水分を流路60の上流から下流の全域に均等に供給することが可能となる。これにより、カソードガスを確実に加湿することができ、電解質膜12における反応効率を向上させることが可能となる。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8の基本的な構成は実施の形態7と同様である。実施の形態8は、実施の形態7の水分拡散膜64の代わりに、親水性を向上させた繊維から構成される高吸水性膜を配置したものである。
流路22から多孔体62を透過させて流路60に水分を供給する場合、流路22の内壁面を常に水分で湿らせておくことが好適である。流路22の内壁面が一旦乾いてしまうと、再び多孔体62に水分を透過させるためには一定の時間が必要となるためである。
高吸水性膜を流路22の内壁面に配置することで、流路22の内壁面を常に水分で湿らせておくことが可能となる。これにより、多孔体62を介した流路60への水分供給を常時行うことが可能となり、カソードガスの加湿を連続的かつ確実に行うことが可能となる。また、高吸水性膜を流路22の内壁面の全面に配置することで、多孔体62と水分の接触面積を拡大することができ、より広い範囲から吸収した水分を流路60に送ることができる。
実施の形態7と同様に、高吸水性膜の表面積をより拡大するためには、高吸水性膜の表面に凹凸を形成することが好適である。これにより、更に広い範囲から吸収した水分を流路60に送ることができ、流路60を流れるカソードガスを確実に加湿することができる。
親水性を向上させた繊維としては、例えば水酸基、またはスルホン基などの親水基を有する繊維が好適である。また、繊維の延在する方向を流路22の延在する方向と一致させることで、流路22の上流から下流の全域に均一に水分を分布させることが可能となる。これにより、実施の形態7と同様に、流路60の上流側にも十分な量の水分を供給することができ、カソードガスの加湿を確実に行うことが可能である。
以上説明したように実施の形態8によれば、親水性を向上させた繊維から構成される高吸水性膜を流路22の内壁面に配置したため、流路22の内壁面を常に水分で湿らせておくことが可能となる。これにより、多孔体62を介した流路60への水分供給を常時行うことが可能となり、カソードガスの加湿を連続的かつ確実に行うことが可能となる。
なお、実施の形態7と同様に、親水性を向上させた繊維そのものを流路22の内壁面に配置しても良い。また、実施の形態2と同様の方法で、高吸水性膜(又はこれを構成する繊維)を触媒層14と拡散層16の間、又は電解質膜12と触媒層14の間に挿入しても良いし、セパレータ19、拡散層16、触媒層14、電解質膜12の内部に高吸水性膜(又はこれを構成する繊維)を挿入しても良い。更に、実施の形態3と同様の方法で、電解質膜12、触媒層14、拡散層16、セパレータ19を、高吸水性膜(又はこれを構成する繊維)によって構成しても良い。
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について説明する。実施の形態9の基本的な構成は実施の形態7と同様である。実施の形態9は、実施の形態7の燃料電池10において、流路22の上流と下流を近接させて、下流側に溜まった水分を上流側に移動させるようにしたものである。
図16は、カソード側に配置されるセパレータ19の多孔体62と、流路22の構成を示す平面図である。図16に示すように、実施の形態9では、流路22の上流と下流を近接させている。これにより、多孔体62の微細孔を通して流路22の下流に溜まった水分を上流に送ることが可能である。
以上説明したように実施の形態9によれば、カソードガスの流路22と対向するように流路60を設け、流路22と流路60の間に多孔体62を設けた燃料電池10において、流路22の上流側と下流側が近接するように構成したため、流路22の下流に溜まった水分を上流に送ることが可能となる。これにより、これにより、流路22の上流から下流にかけての全域に水分を均一に分布させることができ、流路60の全域に水分を供給することが可能となる。従って、流路60を流れるカソードガスの加湿を確実に行うことが可能である。
本発明の実施の形態1に係る燃料電池の構成を示す分解斜視図である。 積層方向に沿った単位セルの断面を示す模式図である。 カソードガスの流路の下流に水分が溜まった状態と、下流の水分を上流に移動させた状態を示す模式図である。 不定形断面形状を有する繊維を示す模式図である。 図4に示す繊維を束ねた状態を示す模式図である。 拡散層と触媒層間に水分移動促進膜を設けた例を示す模式図である。 水分移動促進膜をメッシュ状に構成した例を示す模式図である。 セパレータの一部を繊維素材から構成した例を示す模式図である。 不定形断面形状を有するカーボン繊維を製造するための装置を示す模式図である。 縦糸を不定形断面形状の繊維とし、横糸を通常の断面形状の繊維とした燃料電池用薄膜を示す模式図である。 繊維の方向を揃えたペーパーを示す模式図である。 図11(b)に示すペーパーを製造する方法を示す模式図である。 図11(b)に示すペーパーを製造する他の方法を示す模式図である。 実施の形態7に係る燃料電池の構成を示す分解斜視図である。 図14の燃料電池において、積層方向に沿った単位セルの断面を示す模式図である。 実施の形態9におけるセパレータの多孔体と流路の構成を示す平面図である。
符号の説明
10 燃料電池
12 電解質膜
14 触媒層
16 拡散層
18,19 セパレータ
22 カソードガスの流路
34 水分移動促進膜
36 不定形断面形状の繊維
38 凹部
40 カーボン繊維の製造装置
46 押し出し孔
50 すき板
52 振動子
60 流路
62 多孔体
64 水分拡散膜

Claims (29)

  1. アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池であって、
    前記カソードガスの流路の近傍に所定の繊維からなる水分移動手段を設けたことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記所定の繊維の延在する方向が一定の方向に揃えられたことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池。
  4. 前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記水分移動手段は、前記カソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、
    前記電解質膜上に設けられた触媒層と、
    前記触媒層上に設けられた拡散層と、
    前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、
    前記水分移動手段は、前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータの少なくとも1つに配設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、
    前記電解質膜上に設けられた触媒層と、
    前記触媒層上に設けられた拡散層と、
    前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、
    前記水分移動手段は、前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータの界面に配設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  8. アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池であって、
    前記アノードガス中の水素と前記カソードガス中の酸素とを反応させる電解質膜と、
    前記電解質膜上に設けられた触媒層と、
    前記触媒層上に設けられた拡散層と、
    前記拡散層上に設けられ、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、を備え、
    前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層、又は前記セパレータが、水分の移動を促進する所定の繊維を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする請求項8記載の燃料電池。
  10. 前記所定の繊維の延在する方向が一定の方向に揃えられたことを特徴とする請求項8又は9記載の燃料電池。
  11. 前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の燃料電池。
  12. 燃料電池用薄膜であって、
    所定の繊維を織成して形成され、
    所定の方向に延在する繊維のみ、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする燃料電池用薄膜。
  13. 前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする請求項12記載の燃料電池用薄膜。
  14. 燃料電池用薄膜であって、
    所定の繊維を膠着させて形成され、
    前記繊維の延在する方向を所定の方向に揃えたことを特徴とする燃料電池用薄膜。
  15. 前記所定の繊維は、その断面形状に少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする請求項14記載の燃料電池用薄膜。
  16. 前記所定の繊維は、カーボン繊維であることを特徴とする請求項14又は15記載の燃料電池用薄膜。
  17. 燃料電池用薄膜の製造方法であって、
    石炭系、又は石油系のピッチを、少なくとも1つの凹部を有する型から押し出し、断面形状に少なくとも1つの凹部を有するカーボン繊維を形成する工程と、
    前記カーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用薄膜の製造方法。
  18. 燃料電池用薄膜の製造方法であって、
    高分子材料からなる繊維材料を、少なくとも1つの凸部を有する型から押し出し、断面形状に少なくとも1つの凹部を有する繊維を形成する工程と、
    前記繊維に炭素化処理を施して、カーボン繊維を形成する工程と、
    前記カーボン繊維を用いて燃料電池用薄膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用薄膜の製造方法。
  19. 燃料電池用薄膜の製造方法であって、
    断面形状に少なくとも1つの凹部を有する縦糸と、断面形状に凹部を有していない横糸とを織成して燃料電池用薄膜を形成することを特徴とする燃料電池用薄膜の製造方法。
  20. 燃料電池用薄膜の製造方法であって、
    燃料電池用薄膜を構成する繊維の延在方向を揃える工程と、
    前記繊維の延在方向を揃えた状態で前記繊維を膠着させる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用薄膜の製造方法。
  21. 前記繊維の延在方向を揃える工程において、表面に溝を有する板材を用い、前記溝内に前記繊維を挿入することで前記繊維の延在方向を揃えることを特徴とする請求項20記載の燃料電池用薄膜の製造方法。
  22. 前記繊維の延在方向を揃える工程において、超音波振動又は機械的振動を与えて前記繊維の延在方向を揃えることを特徴とする請求項20記載の燃料電池用薄膜の製造方法。
  23. 前記カソードに隣接して配設され、前記カソードガスの流路が設けられたセパレータと、
    前記カソードガスの流路に対して前記セパレータの背面側に配設され、前記カソードガスの流路に前記カソードガスを供給するガス流路と、
    前記セパレータの少なくとも一部に配設され、前記カソードガスの流路から前記ガス流路へ水分を送る多孔質部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
  24. 前記カソードガスの流路に対して前記セパレータの背面側に配設され、前記カソードガスの流路に前記カソードガスを供給するガス流路と、
    前記セパレータの少なくとも一部に配設され、前記カソードガスの流路から前記ガス流路へ水分を送る多孔質部と、を更に備えたことを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の燃料電池。
  25. 前記カソードガスの流路における上流と下流が近接するように前記カソードガスの流路を構成したことを特徴とする請求項1〜11、23及び24のいずれかに記載の燃料電池。
  26. 前記所定の繊維は親水基を有することを特徴とする請求項1〜11及び23のいずれかに記載の燃料電池。
  27. 前記水分移動手段の表面に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1〜7及び23のいずれかに記載の燃料電池。
  28. 前記所定の繊維は、前記多孔質部よりも毛管吸引力の高い物質からなることを特徴とする請求項23又は24記載の燃料電池。
  29. 前記水分移動手段は、前記カソードガスの流路の内壁の少なくとも一部に設けられたことを特徴とする請求項24記載の燃料電池。
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