JP2005233052A - 内燃機関の混合気供給装置 - Google Patents

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Teruhiko Minegishi
輝彦 嶺岸
Masami Nagano
正美 永野
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Takehiko Kowatari
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Abstract

【課題】
シリンダに供給する混合気の質と量とを高応答で制御することにより良好な燃
焼状態を保ち、大気汚染物質を含む有害な排気の低減、および燃料消費の低減を
促進する。
【解決手段】
燃焼器を多気筒有する自動車用の内燃機関に用いる混合気供給装置を、電動機
駆動の多連スロットル機構部に、各シリンダ毎に対応した電動機駆動の燃料噴霧
機構部と、前記内燃機関で混合気を燃焼した排気の一部を回収して前記混合気に
再び混合させる電動機駆動の排気再循環機構部と、前記3種類の機構部に対して
一括して制御信号を送信する統合制御部とを組み込んだ形式にて構成し、前記多
連スロットル機構部は、一つの電動機で複数の吸入通路の空気流を制御可能であ
り、同じ回転角においてもそれぞれの吸入通路内に異なった大きさ、および形状
の絞り部を形成し、空気流動を促進させることが可能な空気流制御バルブを備え
る。
【選択図】 図3

Description

本発明は自動車用の内燃機関(エンジン)における混合気供給装置に関するもので、特に、エンジンの燃焼状態を改善して有害排気発生量を低減する機構を備えた混合気供給装置に関するものである。
地球環境保護のため、自動車用エンジンにおいては、排気ガス中に含まれる未燃燃料、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等に代表される大気汚染物質である有害排気の放出を低減すること、および、燃料消費量を低減することが求められている。これらの要求にこたえるためには、エンジンの幅広い運転条件、回転数において良質な混合気を形成して燃焼室となるシリンダ内部に供給し、常に良好な燃焼状態を実現することが効果的である。
燃焼状態の改善には、燃料を微粒化し、空気や再循環排気と適正に混合することにより燃えやすい混合気を形成するとともに、この混合気に流動を与えてシリンダ内で燃焼が伝播しやすい状態を作り出すことが求められる。また、そのような混合気の状態を運転者のアクセル操作による出力要求に応じて、適した状態に敏速に変化させ、エンジン出力制御に反映させることにより、エンジンの定常運転状態においても過渡運転状態においても燃焼状態を安定させ、有害排気の排出と燃料消費の低減に貢献できる。これらのような機能を有する混合気供給装置は、一般的な自動車に搭載可能なように小型で安価とすることが求められており、数多くの自動車に搭載することにより、地球環境保護効果を増大することが可能となる。
小型化、および組立て工数の削減によるエンジン製造経費低減を主目的とし、燃料供給装置や吸入空気量を制御するスロットル装置などの複数の装置や機能を組み合わせて一体化したモジュールやユニットと呼ばれる構造体が用いられている。そのようなモジュール構造においては、従来、吸入通路及び絞り弁を含んで、エンジンのシリンダに吸入する空気流量を調節する多連スロットルボディと、燃料噴射装置と、燃料ポンプと、燃料フィルタと、燃料圧力調整器とを備えた自動二輪用の燃料噴射装置などがあげられる。(例えば、特許文献1参照)。また、ほかにも、スロットル装置に対して燃料供給用のインジェクタと、燃料ポンプと、燃料フィルタと、燃料圧力調整器と、電子制御装置とをアッセンブリとしてユニット化したものがある(例えば、特許文献2参照)。このような構造においては、エンジンの吸気系の構成に必要な装置が一体化されており、個別に装置を取り付けていくよりエンジンへの組み付け性、生産性を向上し、エンジンの製造経費を削減することが可能であるほか、スロットルやインジェクタの特性からユニット毎に燃料噴霧量のばらつきを修正して、エンジンに組付ける際の性能ばらつきを低減できる。
特開平10−122101号公報
特開2001−263128号公報
しかしながら、そのようなモジュールやユニットにおいては、スロットル装置によりシリンダに吸入する空気量や、燃料噴射装置により燃料噴射量の制御は実施しても、空気流動の制御性が不足し、空気流や再循環排気流を利用した燃料の微粒化性向上等の燃料噴射改善や、混合気における旋回流等の発生および制御が困難であるため、ユニット化しない構成と比較して燃焼状態の改善効果を増大させることに困難があった。特に、一般的なエンジンの低回転運転中には、エンジンが一定時間あたり吸入する吸気量が小さく、シリンダに流れ込む空気の流速および流動が小さいため、有害排気の低減には、流動の活発化や燃料の微粒化、および燃料粒径の空間分布制御等の燃焼を促進する積極的対策が必要である。このため、従来はスロットル装置のほかに空気流動促進を目的としたスワールコントロールバルブやタンブルコントロールバルブなどと呼ばれる空気流動制御バルブを別途設置する等の対策が必要であった。また、窒素酸化物の低減に有効とされる再循環排気の供給も、その導入口および制御装置を離れた別な場所に設置する必要があり、設置場所もエンジンにより異なることから、各種エンジンの構成に合わせて制御タイミングや、動的特性の修正を加える必要があった。
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、シリンダに供給する混合気中における空気、燃料、および再循環排気の量、燃料噴霧状態、混合状態、および流動状態を、運転者のアクセル操作およびエンジンの運転条件に応じて迅速かつ適切に制御することにより、エンジンの燃焼状態を改善して有害排気の放出量を低減可能な混合気供給装置を提供することにある。また、燃料の微粒化が不十分であったり、たとえ微粒化したとしても吸気管内壁面への燃料付着が多かったり、あるいはまた、吸気管内壁面への燃料付着による不足分の燃料増量によって、エンジンの冷機始動時に排出される有害排気の放出量を低減可能な混合気供給装置を提供することにある。
本発明は、燃料噴霧機構部、排気再循環機構部、および統合制御部を、多連型スロットル機構部に一体的に形成した混合気供給装置から成る。特に、多連スロットル機構部は、エンジンのシリンダごとに1箇所以上の絞り部を形成可能で、複数の吸入通路に形成する絞り部の大きさを変化させて空気流量を制御すると同時に、各吸入通路毎に異なる絞り部形状を形成可能なことより、吸入通路内やシリンダ内における旋回や偏向の流動をも制御可能な空気流制御バルブを内蔵する。この空気流制御バルブは、吸入通路毎に異なる流量や流速を発生させたり、バルブ通過時に空気流の進行方向を吸入時のものから偏向させたりすることにより吸入通路内やシリンダ内に生ずる混合気の流動をも制御する。これにより、従来においてスロットル装置のほかに流動を制御するためのバルブ装置を設置していたのと同様の効果が得られる。さらに、低流量時における空気の旋回流動を促進するとともに、燃料噴霧機構部の近傍に向けて空気流を偏向させて集中的に供給し、燃料粒と高速空気流とを衝突させる作用により燃料の微粒化性を向上し、効率の良い燃焼を促進する。1つのシリンダに対し、複数の吸入経路を有するエンジンに適用する場合は、低流量時に特定の吸入経路に多くの空気流を通過させることにより空気流速を増加し、空気の慣性力を増すことにより1サイクルあたりシリンダに吸入される空気量を増加させる。この結果、同じ回転数で得られるエンジンの出力増加が可能となり、燃料消費低減へ貢献する。
さらに、多連スロットル機構部の空気流制御バルブは、複数の吸入通路における流量や流動の制御を同時に行うことが可能であり、隣接する吸入通路間やバルブの上流下流を連通する空気や混合気の洩れを低減するシール構造を有する。特に、シール効果増大のためには、バルブに加工されたガイド溝にガイド溝内を移動可能な可動シール部材を設置し、バルブ低開度時にバルブの上流と下流との間に生ずる圧力差や電磁力等により可動シール部材を移動制御し、流路の隙間を低減あるいは封止する。流路封止における可動シール部材と相手面との接触は、特にシール性が要求されるバルブ全閉時あるいは低開度時のような一部のバルブ回転範囲において顕著に生じて接触シール効果を高めるも、大部分のバルブ回転範囲においては非接触あるいは軽微な接触状態に留まる。これにより、バルブを回転駆動させるのに必要なトルクの増加を抑制しつつ、低流量まで精度良く流量制御することが可能となる。このようなシール構造により、空気流制御バルブにおける空気流動の制御性と、流量の制御性と、空気流速増速効果を向上させ、さらなる燃焼改善と燃料消費低減へ貢献する。
この混合気供給装置を、自動車エンジンにおけるシリンダ内への吸気経路途中、特に、エアクリーナから通じる吸気管が各シリンダ向けに分岐する部分であるサージタンクより下流、サージタンクと各シリンダとを直接結ぶ吸気管である独立吸気管の途中に設置し、シリンダに近接した位置で空気、燃料、再循環排気の全てを制御して混合気形成の応答性を向上し、かつ、3者の応答ばらつきを低減する。この混合気供給装置は、自動車運転席のアクセルと電気的に接続されており、燃料噴霧機構部、排気再循環機構部、および多連スロットル機構部はそれぞれ電動機により駆動され、統合制御部からの指令に応じて制御される。統合制御部は、アクセル操作状態、エンジン運転状態、排気状態を考慮しながら、運転者の加減速意志に応じてエンジン出力を変化させ、かつ、有害排気発生や燃料消費を最小とするよう、当該混合形成装置において燃料噴射量、再循環排気混合量、空気供給量、空気流動等を総合的に決定して各機構に制御指令を伝達する。
混合気供給装置を構成する空気流制御バルブの絞り部開口部に連通する吸入通路内に、燃料噴霧機構部の燃料噴霧口が絞り部開口部より下流側に配置され、エンジンの始動運転時には、空気流制御バルブの絞り部で作られる高速の気流が、燃料噴霧機構部の外周から燃料噴霧口に至り、噴射される燃料噴霧をより微粒化すると共に、高速の気流によって燃料噴霧を搬送する。
空気流制御バルブは回転運動により絞り部開口部の断面形状が変化可能なものとし、エンジンの始動運転時における内燃機関の吸気行程期間内に、空気流制御バルブにおける絞り部の開口面積が小から大へと切り替わるように制御して、絞り部で高速化した気流を燃料噴霧機構部の外周から燃料噴霧口に誘導し、噴射される燃料噴霧をより微粒化すると共に、絞り部の開口面積を拡大して増量した気流によって燃料噴霧を搬送する。
さらには、上記空気流制御バルブの開口部が凸型形状をなしており、回転運動の際に、この面積の小さい側の開口部は吸入通路における燃料噴霧機構部の燃料噴霧口が位置する近傍にあり、面積の大きい側の開口部は吸入通路における燃料噴霧機構部の燃料噴霧口から遠い位置にあるように配置され、エンジンの始動運転時に、エンジンの吸気行程期間内において、開口面積が小から大へと切り替わるように制御して、上記と同じように、噴射される燃料噴霧をより微粒化すると共に、増量した気流によって搬送する。
このような混合気供給装置を用いることにより、始動時や低回転から高回転までのエンジンの広い運転条件にわたり、空気、燃料、再循環排気が適度な量、質、および流動状態で混合された混合気を高応答に制御して供給可能であり、シリンダ内に良好な燃焼状態を促進し、有害排気と燃料消費とを低減することが可能となる。
以上のように、本発明の混合気供給装置によれば、シリンダの近傍において、空気、燃料、再循環排気の流量と流動とを制御した混合気を、運転者によりエンジンの出力要求に対して高い応答性で供給可能である。特に、エンジンの始動時、低回転運転時、空気の低流量時において、空気の流速を高めてシリンダ吸気の効率を向上させたり、燃料を微粒化して空気流動の強い混合気を供給することにより、燃焼状態を改善し、エンジンから放出する有害排気を低減するとともに燃料消費を低減することが可能である。
また、内燃機関の始動性、応答性にとって望ましい混合気を供給する混合気供給装置を提供できる。
図1は、1気筒当たり2つの吸入口を有する直列4気筒型の自動車用エンジンを適用対象とした本発明に係る混合気供給装置101の外観概略図である。この混合気供給装置は主に、多連スロットル機構部103と、燃料噴霧機構部105と、排気再循環機構部107と、統合制御部109とから構成されている。多連スロットル機構部103は、各吸入通路毎に空気流量と空気流動とを一体で制御可能な空気流制御バルブを内蔵し、下部には前記バルブ駆動用の電動機111が配置されている。紙面手前側の側面には、空気吸入口となる開口部が8箇所設けられ、端から隣り合った2つずつでエンジンのシリンダ1気筒分の空気を吸入する。組みとなる2つの吸入口のうち一方は、低流量側吸入口113であり、もう一方は高流量側吸入口115である。図示されていないが、紙面奥側の側面にはそれぞれの吸入口に対応した混合気吐出口となる開口部が設けられており、吸入口と混合気吐出口とは多連スロットル機構部103内部で吸入通路、すなわち通路部により結ばれている。燃料噴霧機構部105の一端は、多連スロットル機構部103の上部にある燃料供給部117と接続されており、本体は多連スロットル機構部103に固定されている。自動車の燃料タンクから燃料ポンプを通じて延伸した燃料配管を燃料供給口119に接続して燃料供給部117に燃料を導入し、燃料噴霧機構部105により吸入通路内に噴霧する。排気再循環機構部107は内部に再循環排気制御バルブを内蔵し、再循環排気導入口121より導入された再循環排気の量を制御し、各吸入通路に分配する。
図2は図1に示した混合気供給装置101をX方向から見た平面図である。この図において、紙面手前側が空気吸入側、紙面奥側がシリンダへの吐出側となる。多連スロットル機構部103には、空気流制御バルブ123(図3)が構成されて、内包され、その両端は軸受125により回転可能に支持されている。空気流制御バルブ123の両端には、シール部材127が設けられ、多連スロットル機構部103内を流れる空気、燃料、および再循環排気等が統合制御部109や排気再循環機構部107に洩れ出すのを防止する。多連スロットル機構103の下部に設置された電動機111の回転力は、統合制御部109のケーシング内に内包された駆動機構129を通じて空気流制御バルブ123に伝達され、空気流制御バルブ123を回転運動させる。空気流制御バルブ123の一端はスロットル開度センサ131に接続されており、空気流制御バルブ123の回転運動における回転角度情報がこれにより電気信号として出力され、統合制御部109内の統合制御回路133に伝達される。また、空気流動制御バルブ123には、デフォルトバネ機構135が取り付けられ、電動機111への電力遮断時には、空気流動制御バルブ123の回転角(後述する回転体の回転角でもある)、すなわち開度は、デフォルトバネ機構135のバネ力の作用によりあらかじめ設定した値に戻される。排気再循環機構部107内部には、再循環排気制御バルブ137が設けられ、再循環排気導入部121から導入した再循環排気の混合気への混入量を制御する。再循環排気は、多連スロットル機構部103の下部に設けられた再循環排気分配管139を通じて、再循環排気分配管139よりも小径の再循環排気混入口141より各吸入通路内に分配混入される。
図3は図2のA−A断面図である。この図において、下方が空気吸入側、上方がエンジンのシリンダ側となる。多連スロットル機構部103において、この図の下方側面には8つの吸入口が設けられ、隣り合って配置された低流量側吸入口113と高流量側吸入口115との2つにてエンジンのシリンダ1気筒分の空気を吸入する。これらの吸入口はぞれぞれ、低流量側吸入通路143、高流量側吸入通路145と通じており、それぞれ図の上方側面にある低流量側混合気吐出口147、高流量側混合気吐出口149に結ばれている。低流量側混合気吐出口147と高流量側混合気吐出口149は、それぞれエンジンのシリンダにおける混合気吸入口へ向かう通路に接続される。空気流制御バルブ123は回転体であり、周囲の収納体との間で絞り部(遮蔽と絞り)を形成し、低流量側吸入通路143、高流量側吸入通路145の途中を横切るように設置されており、各吸入通路に対応した開口部の形状(開口形状)があらかじめ加工されている。各吸入通路に形成される絞りの形状は、吸入通路の壁面と空気流制御バルブに加工されている開口形状との関係により決定され、空気流制御バルブを電動機111の駆動で回転運動させることにより、あらかじめ決めておいた回転角度(位相)と空気流制御バルブの絞り部形状との関係に従って絞り部の形状が決定する。これにより、各吸入通路を通過してシリンダに供給される空気量と空気流動とを制御する。燃料噴射機構部105は低流量側吸入通路143と高流量側吸入通路145との間の位置に設置され、燃料噴霧口は空気流制御バルブ123よりもシリンダに近い下流側に存在する。そして、噴霧口より両方の吸入通路に対して燃料を噴霧供給する。また、再循環排気混入口141も各吸入通路において空気流制御バルブ123よりもシリンダに近い下流側に開口する。この再循環排気混入口は、吸入通路を挟んで燃料噴霧口と反対側の位置か、少なくとも吸入通路の周方向において、燃料噴霧口と異なる位置に設け、再循環排気の壁面近傍の流れや熱により、吸入通路内に噴霧した燃料が吸入通路壁面に付着するのを抑制する。これらのような構造により、低流量側混合気吐出口147、および高流量側混合気吐出口149からは空気、燃料、再循環排気が混合された混合気が吐出され、エンジンの燃焼室となるシリンダ内へと供給される。
図4は、図2のB−B断面図である。この図において、左側が吸入側、右側がエンジンのシリンダ側となる。空気は吸入口113より吸入通路143内に吸入され、その吸入通路途中に設置された空気流制御バルブ123により、流量及び流動を制御され、混合気吐出口147よりエンジンのシリンダへ向けて吐出される。空気流制御バルブ123は紙面右回りにも左回りにも回転可能であり、開口部155と、多連スロットル機構部のケーシング157に形成される吸入通路との間で絞り部を形成し、そこを通過する空気流量と流動とを制御する。流動としては、吸入通路毎の空気流速、流量に差を付けて吐出後の不均衡によりシリンダ内における旋回流動を活性化させる制御、吸入通路内における流速や流量の空間分布を変化させて回転、旋回流動等を発生させる制御、低流量時には空気流を燃料噴霧口の方向に偏向して空気流による噴霧燃料の微粒化を促進する制御等を行う。また、空気流制御バルブ123を右回りに回転させて絞り部を開口させると、絞り部は燃料噴霧機構105側から開口し、噴霧口に空気流をより集中させやすくなり、燃料粒に高速空気流を衝突させて微粒化しやすい。反対に、左回りに回転させて絞り部を開口させると、絞り部は燃料噴霧機構105と反対側の部分から開口し、壁面に高速空気流を誘導して、噴霧した燃料が壁面に付着するのを抑制する効果を得やすくなる。燃料噴霧機構部105は、一端を燃料供給部117と接続して燃料の供給を受け、多連スロットル機構部103に加工された吸入通路に連通しているマウント部159に固定される。その燃料噴射口161は空気流制御バルブ123よりもシリンダに近い下流側に開口し、低流量側吸入通路および高流量側吸入通路に向けて燃料を噴霧する。吸入通路の下部には、再循環排気分配管139が配置されており、再循環排気混入口141より再循環排気が吸入通路内に導入される。再循環排気混入口141は吸入通路において燃料噴射口161に対する位置、あるいは周方向において異なる位置に設けられ、噴霧した燃料が壁面に衝突すると予想される部分に再循環排気を供給し、熱と流れにより、噴霧した燃料が壁面に付着するのを防止する目的にも用いる。これらのようにして吸入通路内に導入された空気、燃料、再循環排気による混合気が形成され、流動を加えた状態で混合気吐出口147よりエンジンのシリンダへ向けて吐出される。
図5は従来型の一般的なエンジンにおける吸気系の装置構成を示している。エアクリーナを通過して大気中より吸気管201に吸込まれた空気は、吸気管途中に設置されたスロットル装置203に形成された絞り部により流量を制御され、サージタンク205へと送られる。サージタンク205より、エンジン本体207の各シリンダ209に向けて独立吸気管211が分岐し、各シリンダ吸気口213に連結する。エンジンのクランク軸の回転位相に関係して開閉動作する吸気バルブを有するシリンダ吸入口213は各シリンダに対して1個から3個設けられるが、独立吸気管211はシリンダに対して1本か、もしくは、そのシリンダ吸気口の数に応じて分岐する。独立吸気管途中には空気流動を制御するための空気流動制御バルブが設置されるほか、その下流側に燃料噴霧器215が設置され、独立吸気管内に燃料を噴霧供給する。排気管217とサージタンク205あるいは吸気管は、排気再循環経路219により結合されており、排気管から取出された排気ガスの一部は経路途中の再循環排気制御装置221により量を制御されて吸気側へと戻される。各装置は別体であり、独自の配管と配線とが必要である。よって、エンジンを組み立てる過程においては、それぞれの装置において配管および配線を接続していく必要がある。
図6にこのような吸気系における混合気形成の流れ図を示した。シリンダ209に供給する混合気の形成においては、吸気管201途中のスロットル装置203、独立吸気管211途中の燃料噴霧器215、排気再循環経路219の途中の再循環排気制御装置221という異なる3つの装置を制御してそれぞれ空気、燃料、再循環排気混入量を制御する。エンジン出力要求や燃焼状態の変化に応じて混合気状態を制御する応答時間は、スロットル装置203、燃料噴霧器215、再循環排気制御装置221それぞれの自身の作動応答時間に加え、空気、燃料、再循環排気のそれぞれが各制御装置からシリンダに到達する時間を考慮した結果として決まってくる。
一方、図7は本実施例における混合気供給装置を用いたエンジンにおける吸気系の装置構成を示している。この図のように、混合気供給装置は独立吸気管211の途中に設置される。排気管217から延びる排気再循環経路219と燃料ポンプから延びる燃料配管は、直接、混合気供給装置に接続される。空気、燃料、再循環排気の制御は、シリンダに近接した位置で行われ、シリンダまでの輸送遅れが低減されるため、運転者のアクセル操作に対して速い応答が可能となる。この装置における多連スロットル機構部、燃料噴霧機構部、および排気再循環機構部は、混合気供給装置内部の配線で統合制御部と接続されて、制御信号と電力供給とを得るため、混合気供給装置の外部へと延びる配線数の低減と整理が可能である。これにより、エンジンの組立て工数が低減され、すなわち、製造経費を低減することが可能である。図8にこのような吸気系における混合気形成の流れ図を示した。混合気における空気、燃料、再循環排気の混入量は、全て混合気供給装置101内部で制御されるため、各混入量の応答ばらつきも小さくすることが可能となる。従来のようなスロットル装置203や再循環排気制御装置221等を別途設置する必要は無い。ただし、混合気供給装置101の故障時の対応策としてそれらを設置しても問題はない。図5のような従来の吸気系構成においては、スロットル装置203よりシリンダ側の下流部分が大気圧より減圧されるため、下流側の吸気管201やサージタンク205には圧力保持の機能が求められたが、図7の混合気供給装置を用いた場合は、混合気供給装置101より上流側、すなわちエアクリーナ側の大部分が大気圧となるため、その部分には特別に圧力を保持するための対策をこうじる必要が無い。このため、吸気管やサージタンクをより安価に製造することが可能となり、エンジンの製造経費を低減することができる。
図9に空気流制御バルブ123の外観図を示す。このバルブは、回転体300、回転体300に形成される空気流制御部301、軸受取付部303、開度センサ接続部305により構成される。空気流制御部301においては、回転体300の円筒状の部材に対して各吸入通路に対応した8つの開口部、すなわち吸入通路部307、309(以下、開口部として説明する)が形成されている。低流量側開口部307と高流量側開口部309との2つの開口部によりシリンダ1気筒分の吸入空気を制御する。空気流制御部301の周方向の回転に対し、両開口部は異なる開口特性を示すように自由に加工して良いが、この例においては、低流量側開口部307は、高流量側開口部309の2倍の角度範囲にて開口状態としている。軸受取付部303は、前述した軸受部125に対応し、多連スロットル機構部103内部でF方向にもR方向にも回転可能に組み込まれる。すなわち、可逆双方向回転可能とされる。開度センサ接続部305は、スロットル開度センサ131と接続し、空気流制御バルブ123の回転角度情報をセンサに伝達する。
図10により、図9で示した空気流制御バルブ123の動作特性を説明する。図中のB−B断面図は図2におけるB−B断面の特に吸入通路近傍部分を示し、低流量側吸入通路143における空気流制御バルブ123の動作状態を説明する。図中のC−C断面図は同様に、図2におけるC−C断面の特に吸入通路近傍部分を示し、高流量側吸入通路145における空気流制御バルブ123の動作状態を説明する。図10(1)の状態を初期の全閉状態とし、図9に示した空気流制御バルブをF方向に回転させると、高流量側は全閉状態のままで低流量側から徐々に絞り部が開口し、図10(3)の状態で低流量側は全開状態となる。この状態からさらに、回転体300をF方向に回転させると、低流量側は全開状態を保ったまま、高流量側の絞り部が開口を開始し、やがて、図10(5)のように両方の吸入通路310、311の絞り部が全開となる。さらに回転体300をF方向に回転させると、低流量側も高流量側もほぼ同様に絞り部の大きさを減少させ、図10(7)のように再び全閉状態となる。一方、回転体300をR方向に回転させた場合は、図10(7)の全閉状態から、図10(6)のように吸入通路の絞り部の大きさが低流量側も高流量側も同様に絞り部の大きさを増加させ、図10(5)の状態で全開になる。さらに回転体300をR方向に回転させると、図10(4)のように低流量側は全開を保ったままで高流量側の絞り部の大きさが減少し、図10(3)の状態で、高流量側のみ全閉状態となる。そこからさらに回転体300をR方向に回転させると、高流量側は全閉状態を保ったままで、低流量側の絞り部の大きさのみが減少し、最終的には図10(1)の全閉状態となる。このように、図9で示した空気流制御バルブは、回転体300の回転とともに絞り部の開度を増減させる上で、図10(1)から図10(5)までの領域で低流量側と高流量側の空気通過量に差を設けて増減させるように使用したり、あるいは図10(5)から図10(7)までの領域で低流量側も高流量側も空気通過量を等しく増減させたりすることが可能である。また、回転方向によって、絞り部が吸入通路内の燃料噴霧機構部側から開口するか、その反対側から開口するかが変わる。低流量時などに燃料の微粒化を促進したい場合には、F方向、図10における右回りに回転体300を回転させて、燃料噴霧機構部に近い側から絞り部を開口し、燃料噴霧機構部やその燃料噴霧口に高速な空気流を集中させ、空気流を燃料粒と衝突させて燃料の微粒化をはかる。一方、吸入通路の壁面への付着防止がむしろ求められる際には、回転体300をR方向、すなわち、図10の左回り方向に回転させて、燃料噴霧機構部から遠い側から絞り部を開口して、噴霧した燃料が吸入通路の壁面に衝突する地点近傍に空気流を集中的に導くことにより、燃料の壁面への付着を抑制したり、付着した燃料を除去したりする。
前述したように、再循環排気は、多連スロットル機構部103の下部に設けられた再循環排気分配管139を通じて、再循環排気分配管139よりも小径の再循環排気混入口141より各吸入通路内に分配混入される。図に示すように絞り部は燃料の噴霧口に近接配置されるばかりではなく、再循環排気混入口141にも近接配置してあり、燃料、吸気および再循環排気の混合が空気流制御バルブ123の出口付近で効率良く行われることとなる。
合計で同じ空気量を流す場合においても、低流量側と高流量側の吸入通路における空気通過量に差を設ける制御を用いた場合、低流量側の吸入通路により多くの空気流を集中させて流速を増加させることにより慣性を増加し、その慣性効果を利用してより効率良く多くの混合気をシリンダに供給することが可能となる。このシリンダへ吸入する効率の増加により、同じエンジン回転でもより大きなトルク出力を得ることが可能であり、自動車全体の燃料消費量を低減することができる。また、図11のように、1つのシリンダに接続する2つの流路を流れる混合気流に差を付けることにより、シリンダ内における旋回流動や、図示していないが、縦方向などのその他の回転流動を活発化させることができる。この流動の制御により、燃焼時の火炎伝播速度を増加させてエンジンの大きな出力を得ることが可能であるほか、混合状態を改善したり、燃焼状態を改善して有害排気の発生を低減することができる。一方、同じ空気流動制御バルブを用いても、図10(5)から図10(7)の領域を利用して低流量側と高流量側の両吸入通路の絞り部の大きさを均等に増減させることも可能であるから、図12のように両方の吸入通路に均等に空気を流して、燃焼室内によりスムーズに混合気を供給することもできる。同じ空気流量が必要であっても、エンジンの運転状態と、運転者のアクセル操作状態から判断して、より空気流動が必要な場合には図11のような状態を発生させ、より均等な流れが必要な場合には、図12のような状態を発生させることもできる。
以上のように、多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸入通路部が分岐され、再び合流するように取り付けられるものであって、回転体300と、回転体300の内部に形成された通路部310と、回転体300の外周部の一部に開口部307が形成される第1の構成部、並びに回転体300と、回転体300の内部に形成された通路部311と、回転体300の外周部の一部に開口部309が形成される第2の構成部が構成されて、回転体300を可逆両方向に回転させる回転装置を設け、回転運動により2つの構成部のそれぞれの絞り形状が変わる絞り部が形成される空気流制御バルブ123が構成され、空気流制御バルブ123を内包する多連スロットル構成部103が構成され、空気流制御バルブ123の絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧機構部105が設けられる内燃機関の混合気供給装置が構成される。
更に、多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸入通路部が分岐され、再び合流するようにされた吸気管に取り付けられるものであって、回転体300と、回転体300の内部に形成された通路部310と、回転体300の外周部の一部に開口部が形成される第1の構成部、並びに回転体300の内部に形成された通路部311と、回転体300の外周部の一部に開口部309が形成される第2の構成部が構成されて、回転体300の回転運動により2つの構成部のそれぞれの絞り形状変化が互いに異なるように変わる絞り部が形成される空気流制御バルブ123が構成され、空気流制御バルブ123を内包する多連スロットル構成部103が構成され、空気流制御バルブ123の絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧機構部105が設けられる内燃機関の混合気供給装置が構成される。
更に、多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸入通路部が分岐され、再び合流するようにされた吸気管に取り付けられるものであって、回転体300と、回転体300の内部に形成された通路部310と、回転体300の外周部の一部に開口部307が形成される第1の構成部、並びに回転体300の内部に形成された通路部311と、回転体300の外周部の一部に開口部309が形成される第2の構成部が構成されて、回転体300が回転運動するときに、2つの構成部のそれぞれの絞り形状変化が互いに異なるように変わる絞り部が形成される空気流制御バルブ123が構成され、空気流制御バルブ123を内包する多連スロットル構成部103が構成され、空気流制御バルブ123の絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧機構部105が設けられ、かつ空気流制御バルブ123の絞り部に再循環排気混入口141が近接配置されて排気再循環機構部107が設けられて、制御された吸気、噴霧燃料および再循環排気が前記絞り部の下流側近傍で混合されるようにした内燃機関の混合気供給装置が構成される。
また、各空気流制御バルブ123には、回転方向に2つの絞り部が構成される内燃機関に用いる混合気供給装置が構成される。
また、空気流制御バルブ123は、一方の絞り部がそこを通過する吸入空気の吐出方向が燃料噴霧口105近傍に向けられるように回転体300の回転角度が設定されて、燃料噴霧口105近傍に速い空気流が供給され、速い空気流を燃料噴霧口105から出た燃料噴射流に衝突させるようにした内燃機関に用いる混合気供給装置を提供する。
また、第1の構成部の開口部307と第2の構成部の開口部309とは大きさが異なって形成され、開口部の開口方向が異なるように配置されて内燃機関に用いられる混合気供給装置が構成される。
図9に示した空気流制御バルブをF方向に回転させ、図10(1)の全閉状態から図10(5)の全開状態まで変化させた時の開度に対する開口面積の変化特性を図13に示す。開度に対するシリンダ1気筒あたりの吸入通路内の開口断面積は、最初の50%までにおいては低流量側開口部307の、それ以上においては高流量側開口部309の開口により決まる。多連スロットル機構部にこのバルブを用いた混合気供給装置を、1気筒当たり2つの吸入口を有する直列4気筒型の自動車用エンジンに図7の構成にて適用した際の、エンジン回転数に対するシリンダ吸気の効率を図14に示す。グラフ上の鎖線は、空気流制御バルブを図10(5)のように全開とした状態の関係を示し、この条件で最大値となる値を、このグラフにおけるY軸の100%とする。シリンダ吸気の効率はこのエンジンが毎分4500回転する運転条件において最大となり、それ以上またはそれ以下の回転数において低下する傾向を示した。一方、このグラフにおける実線は、空気流制御バルブの開度を50%とし、図10(3)のように低流量側吸入通路のみ全開の状態とした場合の関係を示す。エンジン回転が毎分2500回転以下の低回転運転条件においては、鎖線で示した両吸入通路を全開にした状態を上回る吸気の効率を示した。このことから、一方の吸入通路に流れを集中させることにより慣性効果を増大させ、運転条件によってはシリンダ吸気の効率を全開の場合よりも向上することが可能であることが示された。一般的にシリンダ吸気の効率が大きいほど、そのエンジン回転数において大きな回転力(トルク)を発生可能である。よって、このような空気流制御バルブの制御により、エンジンの低回転運転条件におけるトルク出力を増加させ、さらに変速機とのバランスを取ることにより、自動車の燃料消費を低減することができる。特に、エンジン回転数毎分1500回転で運転した場合において、空気流制御バルブの開口断面積を変化させた時のシリンダ吸気の効率を図15に示す。グラフ上の鎖線は、図9の空気流制御バルブを図10(7)の全閉状態からR方向に回転させて図10(5)の全開状態まで変化させた時の関係を示す。開口断面積、すなわち絞り部の開口の大きさが大きくなるとともに、シリンダ吸気の効率が増加し、全開状態で最大となった。一方、実線は図9の空気流制御バルブを図10(1)の全閉状態からF方向に回転させて図10(5)の全開状態まで変化させたときの関係を示す。シリンダ吸気の効率は、開口断面積が50%付近まで、すなわち、低流量側の吸入通路のみが開状態に成る領域においては、両側の絞り部を均等に開口していった時の鎖線で示した関係を上回る値で増加し、最大値は約5%上回る値となった。開口断面積が50%を越え、両側の絞り部が開状態となる領域においては、鎖線の関係とほぼ等しくなった。このように、図9のような空気流制御バルブを用いた混合気供給装置においては、絞り部の大きさだけでなく、両吸入通路の開口状態によりエンジンのトルク出力が異なる傾向を示すため、運転者のアクセル開操作とともに絞り部の開口を増加させても、それに比してトルク出力が増加するとは限らない。よって、統合制御部は、運転者のアクセル操作とエンジンの運転状態、空気流制御バルブの開口状態を考慮して、運転者が要求するエンジン出力を提供するように空気流制御バルブを制御し、効率良くエンジンの出力を制御する。例えば、全開にするよりもむしろ半分までしか開口しない方がトルク出力を増大できる場合には、運転者がアクセルを全開に操作しても、半分までしか絞り部を開口しない指令を発する。
空気流制御バルブ123に加工する低流量側開口部307と高流量側開口部309は、図9に示した形状のほかにも、制御目的や、適用するエンジンの特性に合わせて決定し、空気流制御部301に自由に加工する。例えば、図16に示した空気流制御バルブはF方向に回転させて絞り部を開口させていった場合、低流量側開口部307が燃料噴霧口寄りの角部から徐々に開口する特性を持つ。図17は、このバルブを用いた多連スロットル機構部における1気筒分の吸入通路を吐出口側から見た部分断面図である。図17(1)の全開状態から、図16に示した空気流制御バルブをF方向に回転させると、図17(2)のように低流量側吸入通路145の燃料噴霧部105側上部寄りから絞り部の開口を開始して図17(3)のように低流量側の絞り部の開口を増加させる。低流量側の絞り部が全て開口すると、図17(4)のように高流量側の絞り部が開口し、やがて全開状態となる。その先は、図9に示したバルブと同様になる。図17の(2)と(3)の状態においては、低流量側吸入通路145内において、図の左上側の部分に偏って絞り部が開口するため、そこを通過した空気流は、図18に示すように吸入通路内の空気の旋回運動を発生させたり、図示していないが絞りの開口形状によっては他の回転運動を発生させるなど、吸入通路内の流動状態を活発化させる。この旋回流の発生や流動状態の活発化は、混合気における空気、燃料、再循環排気の混合状態を改善するとともに、シリンダ内部での空気流動を活発化して燃焼時の火炎伝播速度を向上させ、燃焼状態を改善するのに貢献し、結果として有害排気の発生を抑制することが可能となる。
図9で示した空気流制御バルブは、バルブの吸入側と吐出側との2箇所に絞り部を形成しているが、図19に示すように1箇所のみに絞りを形成しても良い。2箇所の絞り部の開口ばらつきを考慮する必要が無く、安定的に吸気量の制御を行うことができる。
本発明による空気流制御バルブにおいては、次のようなシール構造により、バルブが全閉状態であっても吸入側と吐出側との間、あるいは隣り合った各吸入通路の間にて生じてしまう吸入空気や混合気の洩れを遮断あるいは低減する。回転体である空気流制御バルブ123の外周とそれを収めるケーシング157の穴部内面との隙間を半径隙間0.2mm以下に低減し、周囲の吸入通路に比較して圧力損失を極度に増大させるシール部を設けることにより前記洩れを低減する。あるいは、空気流制御バルブ123に他の部分より凸となるシール機構部165を設けて、そこの部分とケーシング157とを接触させるか両者の隙間を0.2mm以下に低減することにより、シール機構部165にシール機能を集約させる構造も良い。このような構造により、空気流制御バルブの大部分の加工における加工精度をそれほど向上させずとも、高いシール効果を維持することができる。シール部は空気流制御バルブ自体に凸部を加工して形成するか、あるいは、空気流制御バルブに他のシール部材を組み込んで形成する。
図20に、バルブの通路部に吸入側と吐出側との2箇所に絞り部を形成する形式の空気流制御バルブにおけるシール構造を示す。この空気流制御バルブ123には、各シール部材を収納するガイド溝が加工され、その低流量側開口部307や高流量側開口部309を軸方向に挟むように加工されたガイド溝内に円弧状の気筒間シール部材313が設置され、軸の長手方向に加工されたガイド溝内には可動シール部材315が設置されている。気筒間シール部材313は、空気流制御バルブ123のガイド溝表面やケーシング157において空気流制御バルブ123を内包するバルブ挿入孔317の内壁面と接触し、隣り合った吸気通路間を跨ぐ流路を塞いで洩れを低減する。
図21に、図20で示した空気流制御バルブの動作にともなうシール構造の働きを示す。図の構成は前述の図10に習い、図の左側が上流側、右側が下流側を示す。可動シール部材315は、空気流制御バルブ外周における周方向の2箇所の角度に設置されている。図21(1)に示した全閉状態から、空気流制御バルブ123が図の時計周りに回転動作する。図21(1)で示した全閉状態においては、バルブにより吸入通路が最小化されており、空気が上流側から下流側へ流れる洩れ通路は、空気流制御バルブ123とバルブ挿入孔317とに生じる隙間となる。本発明の構造において、この隙間は可動シール部材315がガイド溝表面とバルブ挿入孔内周面に接触して封止されるか、あるいは接触しなくとも、極端に狭められた状態にあり、近接することにより封止されており、ここを通じた空気の洩れが大幅に抑制される。空気流制御バルブが全閉、あるいは開度の小さい状態おいては、吸気通路の断面積が小さく絞られているため、空気流制御バルブの上下流に圧力差が発生する。一方、図21(2)や(3)のようにバルブが回転して開口した状態では、前記圧力差は小さいか、あるいはほぼゼロになる。
図22に、図21における可動シール部材315近傍の拡大部分断面図を示す。ガイド溝319は、空気流制御バルブ123に加工され、可動シール部材315を収納するとともに、押さえつけ空気通路321を備える。可動シール部材315はこのガイド溝319との隙間の範囲、いわゆる遊びの範囲において移動可能である。空気流制御バルブ123の回転位相が全閉位置に近づくと、流路抵抗の大幅な増大により空気流制御バルブの上下流における圧力差が増加し、高圧の上流側から空気流が押さえつけ空気通路321に強く流れ込む。この空気流は、可動シール部材315に推力を加え、可動シール部材315はガイド溝319に沿って空気流制御バルブの外側方向へスライドし、ケーシング157におけるバルブ挿入孔317の内周面との隙間をさらに短縮する。ついには、バルブ挿入孔317の内周面に押し付けられて、接触シール効果を生じる。一方、空気流制御バルブが開き側に回転し、圧力差が減少すると、可動シール部材315を押し付ける力が大幅に低減されるため、可動シール部材はバルブ挿入孔の内周面と接触しないか、接触しても接触力が非常に小さい状態となる。このため、シールとしての効果は、非接触型の気体シールの効果が主となり、この隙間を通じた流路における断面積を拡大したり縮小したりする、より効果的にはその拡大と縮小を数回繰り返すことにより圧力損失を発生させる、いわゆるラビリンス効果により洩れを低減する。
図23は、バルブの通路部に1箇所に絞り部を形成する形式の空気流制御バルブにおけるシール構造を示す。この空気流制御バルブも、同様に、シリンダ1つあたり2つの吸入ポートを有する直列4気筒型のエンジンに適用し、このバルブ1つで4つのシリンダの吸気制御する。1つのシリンダに対応した吸気通路あたり2種類の弁体となる構成部が設けられ、それぞれ低流量側開口部307と高流量側開口部309を形成する。空気流制御バルブ123の回転により、図における吸気通路の左半分だけから開口を開始し、左半分が全開となった後、右半分が開口する制御が可能である。これにより、吸気通路内において、左右方向に不均一な流れを形成することが可能であり、吸気通路内、さらにはエンジンの燃焼室となるシリンダ内部における流動運動を制御することが可能である。この空気流制御バルブにおいても、シール部材を収納するガイド溝が加工され、その軸の周方向には吸気通路毎に気筒間シール部材313が、軸の長手方向には可動シール部材315が設置されている。
図24には、この空気流制御バルブを収納した混合気供給装置101における低流量側開口部近傍の断面を示す。この図における左側がエアクリーナ方向の上流側、右側がシリンダ方向の下流側となる。空気流制御バルブ123側とケーシング157のバルブ挿入孔317側に可動シール材315がそれぞれ1箇所ずつ取り付けられている。空気流制御バルブ123側においては、前記のように、ガイド溝319に可動シール部材315が収納されている。一方、ケーシング157側にも押し付け空気通路321とガイド溝319が加工されており、空気流制御バルブ側に設置したものとは形状が異なるが可動シール部材315が収納されている。ここに示した可動シール部材315は、一端の梁状の部分がケーシング157側に固定されているタイプの物で、圧力差が生じた場合に、梁状の部分が変形し、シール材の部分を空気流制御バルブ123外周へと押し付けるよう作用する。梁状の部分の固定部が存在しない構造でも類似した効果は得られるが、この方式により、差圧が存在しない場合に確実にシール材の空気流制御バルブへの押し付け力を低減し、バルブの回転駆動に必要なトルク増加を抑制する効果が大きい。
これらの例では、可動シール部材をロータリバルブの周方向2箇所に設置しているが、最低洩れ流量がある程度許容され、むしろ、ロータリバルブを駆動する必要トルクの低減を重視する場合には、1箇所として、シール効果とトルク増加抑制とのバランスを得る。また、前記実施例では気筒間シール部材313と可動シール部材315は別体に形成しているが、連結して一体に形成してもよい。その方式では、部品点数が減少して空気流制御バルブへの組付け工数が低減されるが、その場合、連結部近傍における可動シール部材の変形により可動シールの多くの部分が移動してシール効果を可変できるよう、連結部を変形しやすくすると良い。
図25に示した断面図のシール構造においては、磁力を利用してシール効果を可変させる。この図において、可動シール部材315は磁性粉を混入した樹脂材料から成る。ケーシング157のバルブ挿入孔317におけるシール強化部には、電磁石323が挿入されている。通常、可動シール部材315はガイド溝319により遊びを持って緩やかに規制されている。図26に、図25におけるシール強化部近傍における可動シール部材315の動作を示す。可動シール部材315がシール強化部に接近し、かつ、シール効果が求められる場合には、電磁石323に通電して強磁場を発生させ、可動シール部材315をバルブ挿入孔317の内周面に向けて吸引し、ついには接触に至らせる。なお、可動シール部材315は磁場により制御可能であれば同様の効果を示すことが可能であり、磁性材料そのものをシール材料として用いても、磁性材料を樹脂等のシール材に組込んだ構造としても良く、加工性や重量の善し悪しは有るものの、同様の効果が得られる。また、シール強化部は、電磁石の代わりに永久磁石を設置しても良い。この場合、電気回路が不要となる利点がある。
図27は、ケーシング157のバルブ挿入孔317において、低流量側吸入通路143、高流量側吸入通路145に相当する部分の曲面の曲率を他の部分よりも小さい曲率低減部325を設け、この部分においては他の部分よりも空気流制御バルブ123とバルブ挿入穴317内周面との距離が狭くなる構造としたものである。空気流制御バルブ123の回転により可動シール部材315がこの曲率低減部325に到達すると、可動シール部材315はバルブ挿入孔317の内周面に接触し、ガイド溝319に沿って空気流制御バルブ123の中心方向に押されるため、隙間が低減してシール効果が増大する。ついには、可動シール部材315が空気流制御バルブ123とケーシング157に完全に挟まれるようになり、弾性のバネ力により接触力を増加させて、接触シールとしての効果を高める。曲率低減部325以外において可動シール部材127は接触しないか、接触しても接触力がごく小さい状態にあるため、可動範囲の大部分において空気流制御バルブ109を回転させるトルクの増加が抑制される。
図28に、上下流の圧力差が空気流制御バルブ123を変形させる力を利用して可動シール部材315のシール効果を可変させる構造を示す。この空気流制御バルブ123においては、両端の軸受取付部303に相当する部分の径が特に小さくなっており、局所変形部となっている。空気流制御バルブ123の上下流に圧力差が生じるとこの部分を中心に曲げ変形が発生する。その結果、図29(1)に示すように、空気流バルブ123の弁体部分が下流方向のバルブ挿入孔317内周面に近接し、その隙間を狭める。空気流制御バルブ123には、シール部材を収納するガイド溝319が形成されており、軸の周方向には円弧状の気筒間シール部材313、軸の長手方向には可動シール部材315が挿入される。可動シール部材315は、図29(2)のように圧力差の無い状態においては、流路の断面積を狭める非接触シールの効果を生じるが、圧力差の発生に伴い、図29(1)のように空気流制御バルブ123の変位によりバルブ挿入孔317に向けて押し付けられ、ついには接触して流路を物理的に封鎖し、接触シールの効果を発生する。
これらの実施例において、シール構造は同様の考え方でケーシング側に形成しても良い。こうすることで、空気流制御バルブの回転範囲を拡大しても安定したシール効果が得られる。
また、これらの実施例に記載したようにシール構造部を変形、可動しやすくすることにより、異物混入時においてもバルブ全体が固着することを防止することが可能となる。
これらの実施例において、気筒間シール部材313、可動シール部材315の材料としては、金属、樹脂、ゴム、セラミクス等から選択される。負荷トルクを低減するためにはフッ素系樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などの潤滑性に優れた樹脂材料を用いるとより効果的である。
混合気供給装置内では、図4に示したように燃料噴霧機構部105と近接して設置される空気流制御バルブ123によって空気流を燃料噴霧機構部本体あるいは燃料噴霧口に導き、空気流と燃料粒とを衝突させることにより燃料粒の微粒化を行う。特に、図17(2)や図18に示したように、空気流制御バルブにより空気流を燃料噴霧口へ偏向させて供給し、噴霧口より出た直後の燃料に高速空気流を集中的に衝突させることにより、燃料粒の微粒化効果を高めることができる。あるいは、図30に示したように、多連スロットル機構部のケーシング157にエアアシスト型マウント163を形成し、ここにアシストエア供給通路167を通じて空気流を導く。エアアシスト型マウント163の形状は、そこに取り付ける燃料噴霧機構部105の燃料噴霧口161とマウントの底部との間隔を2mm以下に狭め、噴射口から出た直後の燃料に噴霧方向とほぼ直角に空気流を衝突可能な形状となっており、その衝突により燃料をさらに微粒化させる。この手法を用いると、燃料噴霧機構部105そのものが特別な微粒化構造を有していなくとも、効果的に微粒な燃料噴霧が得られ、燃料噴霧機構部を安価に構成できる。よって、長期の使用にともなって燃料噴霧機構部の交換が必要になった場合にも、交換費用を低減できる。あるいは、図31に示したように、多連スロットルのケーシング157に加工したマウント159内に、外部からの空気供給を受けて自身が放出する燃料粒の微粒化が可能な機構を内包するエアアシスト型燃料噴霧器169を取り付け、このエアアシスト型燃料噴霧器169にアシストエア供給通路167を通じて空気流を供給する方法によっても、微粒化効果を得ることが可能である。この手法においては、ケーシング加工や混合気供給装置の組立てにおける精度の影響が少なく、安定して燃料の微粒化を行うことが可能となる。図30や図31に示した構造におけるアシストエア供給通路167が吸入通路に連通して空気流を取り込む位置は、空気流制御バルブと同様の位置か、それよりも上流側に設けられ、空気流制御バルブより下流側との圧力差を利用して空気流を取り込む。図30や図31においては、バルブの低開度時にバルブの形状に導かれて空気流が集中し、圧力が周囲よりも高くなる位置にアシストエア供給通路167の吸入口を設けた。このような構造により、特に低開度時により高速な空気流を供給して微粒化効果を増大できる。また、図10(1)から図10(3)のように、低流量側の吸入通路のみの絞り部を開口して混合気形成することが多い場合には、図32に示したように、アシストエア供給通路167の吸入口を高速側流入通路内に設置する。低流量側は絞り部の開口により圧力が低下するが、絞り部が開口しない高速側の絞り部から安定した高い圧力で空気流を供給することにより、バルブ低開度状態においてより安定した燃料微粒化効果が得られる。
図1に示した実施例においては、1気筒当たり2つの吸入口を有する直列4気筒型の自動車用エンジンに対応した混合気供給装置101の多連スロットル機構部103において、シリンダ4気筒分を一体で制御する空気流制御バルブ123を、1台の電動機111で駆動する。この方式においては、空気流制御に用いる電動機が1台で済むため、安価に製造しやすい特徴を持つ。この他にも、図33で示したように、シリンダ2気筒分に対応した空気流制御バルブと電動機と駆動機構とを2組内蔵する形式でも良い。この場合、図1で示した構造に比較して、1台当たりの空気流制御バルブを小型化できるため、駆動する電動機の必要駆動力が小さくて済むこと、バルブ駆動の応答性を増加可能なこと、バルブの軸方向における熱変形等による変形の影響が小さく、空気流の制御精度が高くなる等の特徴を得られる。さらに、スロットル開度センサもそれぞれに備えることにより、バルブの加工精度や異物等の付着により生じる気筒毎の吸気のばらつきを補正することが容易となる。気筒毎の吸気のばらつきは、空気流制御バルブの上流部と下流部とにおける圧力を圧力センサで計測し、あるいは差圧を差圧センサにて計測し、バルブによる絞り部の開口の大きさとの関係で空気流量を統合制御部で算出して求めるか、あるいは、燃焼後の排気の酸素濃度センサや空気と燃料との比率を計測する空燃センサからの出力を統合制御部に取り込んで各気筒の吸気ばらつきを推定する。図34に示したように、シリンダ1気筒分に対応した空気流制御バルブと電動機と、駆動機構とスロットル開度センサとを4組内蔵する形式でも良い。この方式においては、シリンダ毎に混合気吸入量を決定可能であり、ばらつきを低減した木目の細かい混合気流量制御が可能である。さらに、1気筒分の燃料噴霧機構部、スロットル機構部ケーシング、空気流制御バルブ、スロットル開度センサ、および電動機を1つのユニット上に構成し、このユニットを4つ連結させることにより、最終的な1台の混合気供給装置を構成しても良い。この構成においては、異なるシリンダ間の距離に合わせながら、混合気供給装置を組み立てることが可能であり、多くの種類のエンジンに容易に対応できる。
以上のように、本発明の実施例によれば次の混合気供給装置が構成される。
自動車用の多気筒型内燃機関に用いる混合気供給装置において、各シリンダに接続する吸入通路それぞれの途中に1個以上の絞り部を形成可能な空気流制御バルブを電動機により回転運動させて絞り部の形状を変化させる多連スロットル機構部に、各シリンダ毎に対応した数の電動機駆動の燃料噴霧機構部と、前記内燃機関で混合気を燃焼した排気の一部を回収して前記混合気に再び混合させる電動機駆動の排気再循環機構部と、前記3種類の機構部に対して一括して制御信号を送受信する統合制御部とが組み込まれた形式からなる混合気供給装置が構成される。
前記混合気供給装置において、多連スロットル機構部に内包する空気流制御バルブは、単体で複数の吸入通路に絞り部を形成可能であり、同じ回転角度においても各吸入通路毎に異なる絞り部の形状を形成することにより吸入通路内に吐出する混合気量や流速を制御することが可能であり、また、絞り部通過後の空気流の方向を元の吸入方向と変化させて吸入通路内の混合気の流れにおける旋回運動等の流動運動を制御可能である混合気供給装置が構成される。
前記混合気供給装置において、燃料噴霧機構部はシリンダ毎に対応して配置され、その噴霧口が吸入通路において空気流制御バルブよりもシリンダに近い下流側に位置し、各吸入通路内に向けて燃料を噴霧する混合気供給装置が構成される。
前記混合気供給装置は、多連スロットル機構部に内包する空気流制御バルブによって、燃料噴霧機構部の内部、あるいは燃料噴霧口近傍に吸入通路の平均的な空気流速よりも速い空気流を供給することが可能であり、その速い空気流を燃料噴霧機構部の内部噴霧口から出た直後の燃料に衝突させることが可能な混合気供給装置が構成される。
前記混合気供給装置において、前記排気再循環機構部で制御した排気を各吸入通路に分配するための再循環排気分配通路が多連スロットル機構部に組み込まれ、その通路から各吸入通路へと連通する再循環排気混入口は、空気流制御バルブよりも吸入通路においてシリンダ側の下流側に、かつ、吸入通路の周方向において燃料噴霧機構部の燃料噴霧口が存在する位置以外の場所に開口している混合気供給装置が構成される。
図35から図40は、混合気供給装置において、エンジン始動時の混合気形成に係わる実施形態例を示している。図35および図36を用いて、空気流制御バルブ123の回転動作状態、燃料噴霧機構部105の噴射タイミングの設定方法について説明する。
図35に、ピストン行程、燃料噴射期間T、吸気流速のパターンVを示す。エンジンの吸気行程期間の初期に燃料噴射(パルス幅Ti)を遅れ時間ΔT1をもって設定している。この噴射タイミングに対応して、吸気流速は噴射パルス幅Ti期間中に最大流速Vmax(A領域)に到達し、噴射パルス終了の後遅れ時間ΔT2をもって所望の流速V(B領域)に切り換わるように制御される。
一方、図36は、この流速パターンに対応する空気流制御バルブ123の作動状態を示している。図36(1)は流速Aの領域であり、空気流113aは、空気流制御バルブ123の開口に連通するアシストエア供給通路167から、燃料噴霧機構部105のノズル噴孔回りを経て、供給通路の開口167aより流出する。この開口167a部では空気流と燃料噴霧が衝突して微粒化が促進される。また、この開口167aの下流では気流141aは微粒化された噴霧を包み込むように流れ、通路壁面への燃料付着を抑制している。図36(2)は流速Bの領域であり、空気流制御バルブ123の開口部はさらに拡大され、開口123aより流入する空気流113bは、アシストエア供給通路167の開口167aの下流側に流れ込み、気流141bは噴射された燃料噴霧を後押しして包み込むようにして搬送する。
空気流制御バルブ123としてロータリバルブを用いているが、バタフライバルブを用いる場合に限定される2ヶ所の吸入通路と比較して、局所的に高速空気流を得ることや開口部形状の自由度が高いことなど、利点が多い。また、燃料噴霧機構部105の燃料噴霧口は、空気流制御バルブ123よりも下流側に設けられているので、噴霧された燃料が空気流制御バルブ123の摺動面などに付着することを回避できる。これによって、固形の付着物(デポジット)による空気流制御バルブ123の動作不良を防止することができる。
なお、図35に示した吸気流速のパターンは段階的に制御されているが、吸気2回に対して燃料噴射が1回のケースでは、始めの吸気時に開度小(一定)として微粒化を行い、次の吸気時に開度大(一定)で燃料噴射は無しとして噴霧を搬送する様にしても良い。
図37には流入通路の開口形状と燃料噴霧機構部105の位置関係を示している。図37(1)は開口面積を絞って燃料噴霧機構部105回りの流速を高めるようにした開口状態328を、
図37(2)はそこから開口面積をステップ的に拡大して気流の量を増大する凸形状の開口状態331を示している。図35に示されるような流速パターンは空気制御バルブ123の開口をこのように加工し、制御して得られる。
図38から図40は、混合気供給装置におけるエンジン始動時の混合気形成について、エンジン試験により効果を確認したものである。
図38は、多気筒内燃機関の気筒501の1つを示しており、本発明の混合気供給装置101を吸気弁506に近接して設けたものである。502は燃焼室、503はピストン、504はシリンダ、505はシリンダヘッド、506は吸気ポートを開閉する吸気弁、507は排気弁、508は点火プラグである。
試験は、自動車のエンジンの始動においてキーをONとした直後のクランキングと呼ばれる毎分200回転の運転状態から、ファーストアイドルと呼ばれる毎分1400回転の運転に移行するまでの間に排出する炭化水素(HC)を監視したものである。特に始動から20秒程度の時間に注目した。なお、この時のエンジン水温は25℃である。また、燃料噴霧機構部105の噴射パルス幅Tiは約7ミリ秒である。
混合気供給装置101より流入する空気流113aは、内燃機関の吸気行程に燃料噴霧機構部105より噴射される噴霧を、シリンダヘッド505壁面に付着しないようにして燃焼室502に搬送する。これは燃料噴霧機構部105の噴射方向がシリンダヘッドの壁面505a方向に設定されていることや気流509a、509bがシリンダ504の内壁面に沿って流れることによるためである。
内燃機関の始動時に、燃料が壁面への付着などにより吸入通路内に滞留してしまうことを抑止できれば、噴射された燃料は素早く燃焼室内に流入し、燃焼室内の空気と燃料との比率(空燃比)が可燃となるまでの時間を短くできる。したがって、機関を始動させるために要する時間を短くすることができる(すなわち、始動性が良くなる)とともに、機関が完爆して始動するまでの期間に排出されてしまう燃料を減少させることができる。さらに、燃料の滞留がなくなれば、機関の出力が変化する過渡的な応答を早くすることにも効果がある。機関の負荷に応じて空気の吸入量が変化する場合、燃焼室内の空燃比を所定の値に保つために、燃料の噴射量も変化させる必要がある。このときに吸気管内に燃料が滞留していると、滞留した燃料が燃焼室に流入して所定の空燃比より濃い混合気が燃焼室内に流入したり、噴射された燃料が機関の吸気行程中に全てが燃焼室内に流入せずに滞留するために、所定の空燃比より薄い混合気が燃焼室内に流入してしまうことがある。このように、所定の空燃比より濃いまたは薄い燃料が燃焼室に流入することにより、機関が所定の性能を発揮できない場合がある。燃料の滞留がなくなれば、機関の出力が変化した場合においても、燃焼室内の空燃比が所定の値になるまでの応答時間が素早くなり、このような問題を避けられる。
図39は、代表気筒の燃焼に対するHC排出量を示したものである。従来の燃料噴射装置(燃料粒径95μm)を図5に示すような従来の吸気系で用いた場合、始動から2回目の燃焼時に最も多くのHCが排出された。これは、上記の説明のように、エンジン始動時の初回の燃料噴射において、粒径が大きく、吸入通路や燃焼室の壁面に付着しやすいことから、1回目の燃焼に使用されずに壁流として残存した燃料が、2回目の燃焼に加わることが主な原因である。図ではエンジン始動より2回目の燃焼後のHC排出量を基準として1回目、3回目、4回目の燃焼後を比較整理している。3回目、4回目の燃焼では、次第に空気流速が高くなるために燃焼が少しずつ進行する(壁流が抑制される)のでHC排出量はやや少なくなっている。
一方、混合気供給装置101では噴霧粒径が30μ以下と十分小さいため、気化の促進によって燃焼がすばやく進行すると共に、2回目以降においても空気流速の増加が加わって燃焼が促進し、HC排出量の増加が起こらない。
図40は始動からファーストアイドルの間の約20秒間におけるHC排出パターンを従来(図5に示す構成において粒径が95μmの燃料噴射装置を用いたエンジン)と比較したものである。HC排出量は、従来に比してほぼ半減している。
燃料の微粒化が促進されることで、燃料の気化が促進され、燃焼室内に流入する燃料の気化率が向上したことが起因している。燃焼室内に流入する液体の燃料が減少することによって、排気中の未燃燃料成分を減少させることができるとともに、始動性も向上した結果である。
なお、別の効果として、微粒化のための空気を燃料噴霧機構部に別途供給する設備が必要はないので、コストの増加を招くことなく燃料の微粒化を促進することができる。また、混合気供給装置は各気筒に設けられているため、各気筒毎に流入する混合気の量を調整することが可能となり、また燃料の量も各気筒毎に調整することができる。このため、気筒毎の空燃比のばらつきや、混合気の流入量のばらつきを抑えられ、内燃機関を安定して運転することができ、燃焼異常等により生じる振動などを抑制できる。
1気筒あたり2つの吸入口を有する直列4気筒型の自動車用エンジンを適用対象とした本発明に係る混合気供給装置外観概略図である。 図1で示した本発明による混合気供給装置をX方向から見た平面図である。 図1および図2で示した本発明による混合気供給装置のA−A断面図である。 図1および図2で示した本発明による混合気供給装置のB−B断面図である。 従来の一般的なエンジンの吸気系の構成を説明するための模式図である。 図5で示した従来型の一般的なエンジンの吸気系構成において、混合気をシリンダへ供給する流れを示した流れ図である。 図5に示したエンジンに本発明の混合気供給装置を適用したときの吸気系構成を示した模式図である。 図7で示した本発明の混合気供給装置を適用したエンジンの吸気系構成において、混合気をシリンダへ供給する流れを示した模式図である。 図1から図4に示した混合気供給装置に用いた空気流制御バルブの外観を示した模式図である。 本発明の混合気供給装置の多連スロットル機構部において、図9で示した空気流制御バルブの回転とともに変化する2つの吸入通路の絞り部形成状態を示す部分断面図である。 図9に示した空気流制御バルブにより、低流量側の吸入通路内絞り部を開口した状態での空気の流れを示す概略断面図である。 図9に示した空気流制御バルブにより、低流量側と高流量側との両方の吸入通路内の絞り部を開口した状態での空気の流れを示す概略断面図である。 図9に示した空気流制御バルブの開度と、吸入通路に形成する絞り部の相対開口断面積との関係を示したグラフである。 図9に示した空気流制御バルブの開度を全開、および半開に固定した場合の、エンジン回転数とシリンダ吸気の効率とを示したグラフである。 図9で示した空気流制御バルブを有する混合気供給装置を図7の吸気系配置で組み込んだエンジンにおいて、エンジンを毎分1500回転で運転した状態で、バルブの相対開口面積を変化させたときのシリンダ吸気の効率を示したグラフである。 図9とは異なる開口形状を有する空気流制御バルブの外観を示した概略図である。 図16に示した空気流制御バルブを組み込んだ多連スロットル機構部において、バルブの開度を変化させて、その吸入通路近傍を、シリンダへの吐出側から見た部分断面図である。 図16に示した空気流制御バルブを組み込んだ多連スロットル機構部において、バルブの開度を変化させて、その吸入通路近傍を、シリンダへの吐出側から見た部分断面図である。 吸入通路毎に絞り部を1箇所形成する方式の空気流制御バルブを用いた混合気供給装置における、図4に相当する断面図である。 ひとつの通路部に吸入側と吐出側との2箇所に絞り部を形成する形式の空気流制御バルブにおけるシール構造を示す模式図である。 本発明の混合気供給装置の多連スロットル機構部において、図20で示した空気流制御バルブの回転とともに変化する2つの吸入通路の絞り部形成状態、シール状態を説明する部分断面図である。 図20で示した空気流制御バルブにおいて、その上下流間の差圧の有無による可動シールの動作を説明する部分断面図である。 ひとつの通路部に1箇所絞り部を形成する形式の空気流制御バルブにおけるシール構造を説明する模式図である。 空気流制御バルブ側とケーシング側とにガイド溝と可動シール部材とによるシール構造が構成された本発明の混合気供給装置における多連スロットル部の断面図である。 磁性を有する可動シール部材をケーシング側のシール強化部に内蔵した電磁石により動作させて、シール効果を可変するタイプのシール構造を有する本発明の混合気供給装置における多連スロットル部の断面図である。 本発明の混合気供給装置における多連スロットル部において、図26に示した可動シール材が電磁石の作用により動作する構造を説明する部分断面図である。 シール効果を強化する部分のケーシングのバルブ挿入孔の曲率を低減し、可動シール材がその曲率低減部を通過する際に、シール効果を特に増加させる構造を有する本発明の混合気供給装置における多連スロットル部の断面図である。 空気流制御バルブにおける軸受取付部の径が低減され、このバルブの上下流における圧力差発生時に軸受取付部の変形により、可動シール部材のシール効果を増加させる構造を有する本発明の混合気供給装置における多連スロットル部の断面図である。 本発明の混合気供給装置における多連スロットル部において、図28に示した可動シール材が軸受取付部の変形作用によりシール効果を増加させる仕組みを説明する部分断面図である。 吸入通路とエアアシスト型マウントとがアシストエア供給通路により接続された混合気供給装置における、図4に相当する断面図である。 吸入通路とマウントとがアシストエア供給通路により接続され、エアアシスト型燃料噴霧機構部にアシストエア供給通路を通じて空気流を供給する混合気供給装置における、図4に相当する断面図である。 燃料噴霧機構部に空気流を供給するアシストエア供給通路が高速側吸入通路に開口した混合気供給装置における部分概略図である。 電動機と駆動部と空気流制御バルブとを2台ずつ内包し、それぞれ1台あたり4つの吸入通路の空気流を制御する形式の混合気供給装置の外観を示した概略図である。 電動機と駆動部と空気流制御バルブとを4台ずつ内包し、それぞれ1台あたり4つの吸入通路の空気流を制御する形式の混合気供給装置の外観を示した概略図である。 本発明による空気流制御バルブの速度パターンを示す図である。 空気流制御バルブの動作状態をを示す、混合気供給装置の部分断面図である。 空気流制御バルブの開口部の形状を示す図である。 本発明に係る混合気供給装置を多気筒内燃機関に搭載した部分断面図である。 多気筒内燃機関の代表気筒における燃焼に伴うHC排出量を従来の噴射弁と比較した図である。 始動からファーストアイドル間のHC排出パターンを従来の噴射弁と比較した図である。
符号の説明
101…混合気供給装置、103…多連スロットル機構部、105…燃料噴霧機構部、107…排気再循環機構部、109…統合制御部、111…電動機、113…低流量側吸入口、115…高流量側吸入口、117…燃料供給部、119…燃料供給口、121…再循環排気導入口、123…空気流制御バルブ、125…軸受、127…シール部材、129…駆動機構、131…スロットル開度センサ、133…統合制御回路、135…デフォルトバネ機構、137…再循環排気制御バルブ、139…再循環排気分配管、141…再循環排気混入口、143…低流量側吸入通路、145…高流量側吸入通路、147…低流量側混合気吐出口、149…高流量側混合気吐出口、151…低流量側絞り部、153…高流量側絞り部、155…開口部、157…ケーシング、159…マウント部、161…燃料噴射口、163…エアアシスト型マウント、165…シール機構部、167…アシストエア供給通路、169…エアアシスト型燃料噴霧機構部、171…取り付けフランジ、173…取付穴、201…吸気管、203…スロットル装置、205…サージタンク、207…エンジン本体、209…シリンダ、211…独立吸気管、213…シリンダ吸入口、215…燃料噴霧器、217…排気管、219…肺記載循環経路、221…再循環排気制御装置、223…空気流動制御バルブ、300…回転体、301…空気流制御部、303…軸受取付部、305…開度センサ接続部、307…低流量側開口部、309…高流量側開口部、310、311…吸入通路、313…気筒間シール部材、315…可動シール部材、317…バルブ挿入孔、319…ガイド溝、321…押さえつけ空気通路、323…電磁石、325…曲率低減部、328…吸入通路の開口状態、331…吸入通路の凸形状の開口、501…多気筒内燃機関の1つ、502…燃焼室、503…ピストン、504…シリンダ、504a…対向壁、505…シリンダヘッド、506…吸気弁、507…排気弁、508…点火プラグ、509a…シリンダ内壁からピストンに沿う流れ、509b…プラグ下からシリンダ壁を経てピストンに沿う流れ。

Claims (10)

  1. 多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸入通路部分が分岐された吸気管に取り付けられるものであって、回転体と、該回転体の内部に形成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第1の構成部、並びに前記回転体の内部に形成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第2の構成部が構成されて、前記回転体を可逆両方向に回転させる回転装置を設け、該回転運動により2つの構成部のそれぞれの絞り形状変化が変わる絞り部が形成される空気流制御バルブが構成され、該空気流制御バルブを内包する多連スロットル構成部が構成され、前記空気流制御バルブの絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧装置が設けられ、前記空気流制御バルブには、その回転軸の軸周方向又は長手方向の少なくともいずれか一方の方向に沿ってシール部材が設けられたことを特徴とする内燃機関の混合気供給装置。
  2. 多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸気通路部が分岐された吸気管に取り付けられるものであって、回転体と、該回転体の内部に形成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第1の構成部、並びに前記回転体の内部に形成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第2の構成部が構成されて、前記回転体の回転運動により2つの構成部のそれぞれの絞り形状変化が互いに異なるように変わる絞り部が形成される空気流制御バルブが構成され、該空気流制御バルブを内包する多連スロットル構成部が構成され、前記空気流制御バルブの絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧機構部が設けられ、前記空気流制御バルブには、その回転軸の軸周方向又は長手方向の少なくともいずれか一方の方向に沿ってシール部材が設けられたことを特徴とする内燃機関の混合気供給装置。
  3. 多気筒型の内燃機関に用いる混合気供給装置において、シリンダ毎にそれぞれ接続される吸気通路部が分岐された吸気管に取り付けられるものであって、回転体と、該回転体の内部に形成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第1の構成部、並びに前記回転体の内部に構成された通路部と、前記回転体の外周部の一部に開口部が形成される第2の構成部が構成されて、前記回転体の回転運動するときに、2つの構成部のそれぞれの絞り形状変化が互いに異なるように変わる絞り部が形成される空気流制御バルブが構成され、該空気流制御バルブを内包する多連スロットル構成部が構成され、前記空気流制御バルブの絞り部に燃料噴霧口が近接配置されて燃料噴霧機構部が設けられ、かつ前記空気流制御バルブの絞り部に再循環排気混入口が近接配置されて排気再循環機構部が設けられて制御された吸気、噴霧燃料および再循環排気が前記絞り部の下流側近傍で混合されるようにし、前記空気流制御バルブには、その回転軸の軸周方向又は長手方向の少なくともいずれか一方の方向に沿ってシール部材が設けられたことを特徴とする内燃機関の混合気供給装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、各空気流制御バルブには、回転方向に2つの絞り部が構成されることを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、前記空気流制御バルブは、一方の絞り部が吸入空気の吐出方向が燃料噴霧口近傍に向けられるように前記回転体の回転角度が設定されて、燃料噴霧口近傍に速い空気流が供給され、速い空気流を燃料噴霧口から出た燃料噴射流に衝突させるようにしたことを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、第1の構成部の開口部と第2の構成部の開口部とは大きさが異なって形成され、開口部の開口方向が異なるように配設されることを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、前記空気流制御バルブは、その回転軸の軸周方向および長手方向に平行なガイド溝をそれぞれ有し、軸周方向のガイド溝には円弧状のシール部材が設置されて隣接する吸入通路間を連通して移動する空気の流路を閉塞し、長手方向のガイド溝内部には棒状の可動シール部材が設置され、バルブが全閉時にバルブの上流側から下流側へ洩れ出す空気の流路を閉塞することを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、空気流制御バルブは、その回転軸の長手方向に平行なガイド溝を有し、ガイド溝内部において移動可能でありバルブの上流側から下流側へ洩れ出す空気流量を低減する可動シール部材を内包し、可動シール部材は空気流制御バルブが全閉あるいは開度極小によりバルブの上流と下流との間に生ずる空気圧力差により空気流路隙間の低減方向に押し付けられ、相手面と接触して空気流路隙間を閉塞する接触シール効果を生じ、前記空気圧力差小なる場合においては、非接触シール効果を主とするようシール効果を可変させることを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  9. 請求項1から3のいずれかにおいて、空気流制御バルブは断面積が特に小なる変形部を有し、バルブを全閉あるいは開度極小とした場合に上流と下流との間に生ずる空気圧力差によりバルブ本体、特にその変形部を大きく変形させて、空気流制御バルブに設けられたシール部を空気流路隙間の低減方向に押し付け、相手面と接触させてバルブの周囲の空気流路隙間を閉塞させる接触シール効果を生じさせ、前記空気圧力差小なる場合においては、非接触シール効果を主とするようシール効果を可変させることを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
  10. 請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の混合気供給装置において、空気流制御バルブに設置される前記円弧状のシール部材および前記可動シール部材はフッ素系樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂およびそれらを主成分とする樹脂材料により構成されることを特徴とする内燃機関に用いる混合気供給装置。
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