JP2005232750A - コンクリート構造体の補強器具 - Google Patents

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Abstract


【課題】 安全なコンクリート構造体の補強器具を提供すること。
【解決手段】 補強器具30は、柱20の各角部に配置される4つのコーナーピース31と、これらのコーナーピース31を連結する4つの連結部材32と、連結部材32の軸心の延長線上に設けられるストッパピン33と、を備えている。これにより、連結部材32の金属疲労の蓄積や、地震による過大な引張力の発生などによって、連結部材32が破断した場合でも、この連結部材32の軸心方向への飛び出しをストッパピン33で阻止することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、多角形のコンクリート構造体の膨張による変形を阻止することでこのコンクリート構造体を補強する補強器具に関する。
鉄筋コンクリート構造物などのコンクリート製の柱や梁は、各方向からの様々な力を受けている。そのため、コンクリート製の柱や梁の一部が膨張などにより変形して、ひび割れなどを生じる虞がある。このようにひび割れなどが生じてコンクリート製の柱や梁が破損すると、建築物の倒壊などの危険がある。従って、従来、コンクリート製の柱や梁が変形によって破損されるのを防ぐために、コンクリート製の柱や梁などの膨張などの変形を防ぐ様々な補強手法が採られてきた。
このコンクリート製柱の補強方法には、例えば鋼板巻き補強、炭素繊維巻き補強などが知られている。鋼板巻き補強は、コンクリート製の柱や梁の各周面に沿わせて鋼板を溶接し、コンクリートと鋼板との間にモルタルなどを注入して固定する補強方法である。この補強方法では、コンクリート製の柱や梁が膨張したり、過度の力が加わってひび割れなどが生じたりしても、この鋼板によって膨張やひび割れを抑えることができ、建築物の破壊を防ぐことができる。
炭素繊維巻き補強は、コンクリート製の柱や梁をカーボン繊維などによる繊維強化樹脂で囲む補強方法である。この補強方法は、柱の周囲に強化用繊維シートなどを巻きつけ、含浸させた樹脂を硬化させて柱を筒状に包み込む方法である。この炭素繊維巻き補強も鋼板巻き補強と同様に建築物の破壊を防ぐことができる。
しかし、鋼板巻き補強や炭素繊維巻き補強などのような補強方法では、既設のコンクリート製の柱や梁を補強しようとした場合、既設のコンクリート製の柱や梁には、壁および床が取り付けているため、これらの壁および床の一部を撤去する必要がある。そして、これらの床や壁の一部を撤去した後に、コンクリート製の柱や梁の補強作業を実施し、再び壁や床などの復旧作業を行う必要がある。従って、工事期間が長くなり、工事にかかるコストが高くなる。
そこで、既設のコンクリート製の柱や梁などの外周面の角部に補強用金具を配置し、これらの補強用金具を鋼棒などの連結具で連結してコンクリート製の柱や梁の変形を防止する補強方法がある(例えば、特許文献1)。このコンクリート製の柱や梁の補強方法では、補強金具の取り付けが容易で工事期間の短縮ができる。
特開2000−120023号公報(図1)
しかし、特許文献1の構成の補強用金具を設けた場合、連結具の疲労度が溜まって強度が弱くなったり、地震などで急激に大きな力がこのコンクリート製の柱や梁に加わったりしたときに、この連結具が引張力により破断する虞がある。連結具が破断すると、コンクリート製の柱や梁の膨張しようとする力によって連結具が一方向に飛び出すため、近くに人や物がある場合は非常に危険である。そのため、係合部材を連結する連結具の本数を増やしたり、連結具の断面積を大きくしたりするなどの対策が必要であった。しかし、連結具の本数を増やすと、部品点数が増加して生産コストが高くなり、また連結具の断面積を大きくすると補強金具自体が大型化してしまう。
本発明は、安全なコンクリート構造体の補強器具を提供することを目的とする。
本発明のコンクリート構造体の補強器具は、断面略多角形のコンクリート構造体の外周表面の角部にそれぞれ係合される複数の係合部材と、前記コンクリート構造体の外周に設けられて前記係合部材同士を連結する複数の棒状の連結部材とを備え、前記コンクリート構造体の膨張に伴う変形を阻止するコンクリート構造体の補強器具であって、前記係合部材には、前記連結部材に軸心方向の引張力がかかって破断した際に、破断した連結部材が軸心の延長上に飛び出すことを阻止するストッパが設けられていることを特徴とする。
一般に、前記補強器具の係合部材を連結する連結部材は、金属で形成されているため、疲労度の蓄積や、地震による過大な引張力の発生などによって、前記連結部材が破断する虞がある。そして、この連結部材が、コンクリートの膨張しようとする力を受けていた場合、この力により破断した連結部材が軸心方向に飛び出してしまう。この時、この発明によれば、複数の前記係合部材を連結する複数の連結部材の延長上に、前記連結部材に軸心方向の引張力がかかって破断した際に、破断した連結部材が軸心の延長上に飛び出すことを阻止するストッパが設けられている。これにより、ストッパは、この連結部材の軸心方向への飛び出しを阻止することができるので、このコンクリート構造体の近くにある物や人に損害を与えない。従って、このストッパを取り付けることにより、コンクリート構造体の膨張に伴う変形を阻止してコンクリートを補強できるとともに、地震などの過度の力が加わっても安全を確保できる。
また、本発明では、前記ストッパは、前記連結部材の延長上に設けられるピン部材であることが好ましい。
この発明では、前記連結部材の延長上にピン部材が設けられている。これにより、連結部材が地震などによる力で破断して軸心方向に飛び出そうとすると、この破断した連結部材と前記ピン部材とが当接して連結部材の飛び出しを阻止できる。また、ピン部材は、前記連結部材の延長上に設けるだけの簡単な構成であるので、生産コストを低く抑えることができる。
そして、前記ピン部材と前記係合部材とは、鋳造により一体形成されていることが好ましい。
この発明によれば、前記ピン部材と前記係合部材とが鋳造に一体形成されている。これにより、別途ピン部材を係合部材に設ける必要がないので、ピン部材の取り付け作業を省略できるため、作業効率が向上し、生産コストも低減できる。
また、前記係合部材は、前記コンクリート構造体と当接する本体と、この本体の両縁部に形成されるフランジ部とを備えた断面略コ字型に形成されていることが好ましい。
この発明によると、前記係合部材は、前記本体と前記フランジ部とにより略コ字型に形成されている。これにより、この係合部材には、略コ字型の開口部から前記本体までの空間が形成され、この空間において前記連結部材の取り付け作業を実施できる。従って、係合部材の肉厚部が邪魔にならず、容易に連結部材と取り付けることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1ないし図5は本実施形態のコンクリート構造体およびその補強器具を示す図である。図1は、本実施の形態の補強器具が取り付けられた柱の全体正面図である。図2は、補強器具および補強器具が取り付けられた柱の一部を示す斜視図である。図3は、補強器具および補強器具が取り付けられた柱の一部を示す正面図である。図4は、図3の柱をIV−IV線で切ったときの断面図である。図5は、図4における補強器具の係合部材の拡大図である。
図1において、10は鉄筋コンクリート建造物であり、この鉄筋コンクリート建造物10の一部にコンクリート構造体としての柱20が形成され、柱20に補強器具30が取り付けられている。
柱20は、床部11の上に形成されて上階側の床部12を支持するコンクリート製の角柱状体である。この柱20の内部には、図示しない配筋材が設けられ、この配筋材が上下の床部11,12内の配筋材や、下方の基礎13、上方の梁14内の配筋材と互いに連結している。なお、本実施の形態では、柱20は、基礎13が図示されている通り1階部分に設けられているが、これに限らず、2階以上あるいは地下の階層に設けられた柱に本発明を適用してもよい。なお、ここでは、柱20に補強器具を用いる例を示すが、柱に限らず、コンクリートで形成されている梁などに適用してもよい。
また、図2に示すように柱20の略中心には壁21が形成されている。この壁21には挿通孔22が形成され、この挿通孔22には、後述する補強器具30の連結部材32が挿通されている。なお、本実施の形態では、柱20の略中心に壁21が形成され、柱20と壁21と連続している構成を示すが、これに限定されるものではない。例えば、柱20に壁21が形成されていないものであってもよい。
柱20には、四周を囲む補強器具30が所定間隔を空けて複数段配置されている。各補強器具30の間隔は特に限定されるものではなく、その実施に当たって適宜に決められてよい。
図3ないし図5において、補強器具30は、柱20の各角部に配置される係合部材としての計4つのコーナーピース31と、これらのコーナーピース31を柱20の四周の表面に沿って水平に連結する計4本の連結部材32とを備えて構成されている。
コーナーピース31は、鋼鉄などの金属材料を素材とし、鋳造によって、図5に示すように、略L字型に形成されている。コーナーピース31は、柱20に当接する2つの当接面311を備えた本体310と、この本体310の上下端縁部に形成される2つのフランジ部314と、を備えている。本体310の2つの当接面311は、柱20の角部の互いに交差する2つの表面にそれぞれ当接し、フランジ部314は、これらの当接面311と略直行して水平になるように形成され、本体310とフランジ部314とは、断面略コ字型となるように形成されている。
本体310には、2つの当接面311が交差する位置から離れた位置に、当接面311およびフランジ部314と略直交する接続部312が形成されている。接続部312には、接続孔部313が形成されている。また、本体310の左右両端側には、接続部312と本体310の当接面311端部とを連結するサイドフランジ部315が形成されている。このサイドフランジ部315は、接続部312を端部方向から補強して、接続部312が連結部材32に引っ張られて変形、または破損するのを防止している。
フランジ部314には、ストッパピン33が上下のフランジ部314と直交するように形成されている。この時、ストッパピン33は、2つの接続部312の接続孔部313から、この接続孔部313が形成される接続部312と略直行する当接面311に対してそれぞれ平行となるように水平線(図4中2点鎖線で示す)を延ばし、これらの水平線が交わる位置に形成されている。このストッパピン33は、鋳造によってコーナーピース31と一体形成されている。
連結部材32は、例えばPC鋼棒などの鋼棒にて形成された略直線状部材である。連結部材32の先端部には、雄ねじ部321が形成されている。この連結部材32は、先端部をコーナーピース31の接続孔部313に挿通され、本体310およびフランジ部314に囲まれた略コ字型の空間A側から、ワッシャー324を通し、第1ナット322および第2ナット323を雄ねじ部321に螺合させて固定されている。
連結部材32によるコーナーピース31の連結には、まず、全てのコーナーピースの接続孔部313に連結部材32を挿通する。そして、各コーナーピース31において連結部材32の雄ねじ部321にワッシャー324および第1ナット322を仮止めする。この時、コーナーピース31の本体310およびフランジ部314で形成される空間Aを利用して、仮止めできる。そして、4つのコーナーピース31において均等に第1ナット322を締めてコーナーピース31を連結部材32で連結させる。この後、第2ナット323を第1ナット322に続いて螺合させる。この第2ナット323は、第1ナット322を締め付けることによって、第1ナット322の緩み止めとして機能している。
柱20に固定された補強器具30は、柱20の膨張などに伴う変形を阻止している。従って、補強器具30は、柱20の膨張などによる圧力を常に受けることになる。このような補強器具30は、特に連結部材32に金属疲労が蓄積しやすく、このような金属疲労が原因で連結部材32が破断する場合がある。また、地震などのように過大な力が連結部材32に加わった場合、同様に連結部材32が破断する場合がある。
このように連結部材32が破断した場合、柱20のコンクリートが補強器具30に与える圧力により、連結部材32は勢いよく軸心方向に飛び出してしまう。この時、本実施の形態の補強器具30では、ストッパピン33が設けられているため、破断して飛び出そうとする連結部材32は、ストッパピン33に当接する。ストッパピン33に当接した連結部材32は、完全にストッパピン33に当接して静止するか、ストッパピン33に当たった勢いで跳ね返って、ストッパピン33と接続孔部313との間で静止する。
上述のような本実施の形態の補強器具30では、次のような効果が得られる。
本実施の形態の補強器具30は、柱20の各角部に配置される4つのコーナーピース31と、これらのコーナーピース31を連結する4つの連結部材32とを備え、コーナーピース31には、連結部材32に軸心方向の引張力がかかって破断した際に、破断した連結部材32が軸心の延長上に飛び出すことを阻止するストッパピン33が設けられている。これにより、連結部材32の金属疲労の蓄積や、地震による過大な引張力の発生などによって、連結部材32が破断する場合でも、この連結部材32の軸心方向への飛び出しをストッパピン33で阻止することができる。従って、ストッパピン33で連結部材32の飛び出しを阻止できるので、このコンクリート構造体の近くにある物や人に損害を与えることなく、安全を確保できる。
また、本体310の2つの接続部312の接続孔部313から、この接続孔部313が形成される接続部312と略直行する当接面311に平行となるようにそれぞれ水平線を延ばしてこれらの水平線が交わる位置、すなわち接続部312に接続される2本の連結部材32の延長線の交差位置上に、ストッパピン33が上下のフランジ部314と直交するように形成されている。これにより、連結部材32が破断して軸心方向に飛び出そうとすると、この破断した連結部材32とストッパピン33とが当接して連結部材32の飛び出しを阻止できる。また、ストッパピン33は、連結部材32の延長上に設けるだけの簡単な構成であるので、コーナーピースの製作が容易に行える。
そして、ストッパピン33とコーナーピース31とが鋳造にて一体形成されている。これにより、ストッパピン33をコーナーピース31に設置する作業が不用で、ストッパピン33の取り付け作業を省略でき、このため作業効率の向上を図れる。
さらに、従来では、コーナーピースは、鍛造により成形されていたが、本実施の形態のように鋳造により成形されている。これにより、鍛造により成形されたものより重量が軽くなり、材料費も削減できるので、生産コストを低減できる。そのうえ、鋳造により成形されたコーナーピース31は、従来の鍛造に成形されたコーナーピースに比べて厚み寸法を小さくでき、鍛造により成形されたコーナーピースに比べて小型のコーナーピース31を成形できるため、狭い空間での施工にも対応できる。
そして、コーナーピース31は、柱20の角部に当接する本体310と、この本体310の上下端部から折り曲げて形成されたフランジ部314とにより略コ字型に形成されている。これにより、コーナーピース31には、本体310とフランジ部314で囲まれる空間Aが形成され、この空間A内で連結部材32の取り付け作業ができる。従って、コーナーピース31に容易に連結部材32と取り付けることができ、補強工事の工期を短縮できる。
また、本実施の形態のコーナーピース31は、柱20の外周表面の各角部に4つコーナーピース31を設置し、柱20の表面に沿って4つの連結部材32でコーナーピース31同士を連結している。これにより、既設の柱20を補強したいときでも、この補強器具30を柱20の表面上に取り付けることで容易に補強作業ができる。従って、従来の鋼板巻き補強などのように壁や床の一部を削孔する必要がなく、容易に補強器具30を取り付けることができ、補強作業の作業性を向上できる。
さらに、補強器具30は柱20の表面に取り付けられているので、定期的な連結部材32の交換や柱20や梁などのメンテナンスが容易に実施できる。従って、建物利用者が引っ越すことなく工事エリアのみを最小限に区画して施工する、いわゆる居ながら施工ができ、補修および再補強工事の時のコストを低減でき、補強工事の工期を短縮できる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施の形態では、コーナーピース31とストッパピン33とは、鋳造により一体形成されているとしたが、これに限定されず、例えば図6に示すような構成としてもよい。図6において、連結部材32の延長上となるフランジ部314に、ピン挿通孔316を形成し、このピン挿通孔316に別途用意したストッパピン331を挿入している。このような補強器具を用いる場合、まずコーナーピース31を柱20の各角部に配置し、これらのコーナーピース31を連結部材32でそれぞれ連結する。この後、ストッパピン33をピン挿通孔316に挿通する。この時、ストッパピン33は、ピン挿通孔316に圧入や溶接などによって固定される。このような構成にすると、連結部材32の接続の後にストッパピン331を設置できるので、連結部材32でコーナーピース31を連結する際に、コーナーピース31の本体310とフランジ部314との間の空間Aがさらに広くでき、連結部材32の取り付け作業がさらに容易に実施できる。
また、前記実施の形態では、コーナーピース31の本体310の2つの接続部312の接続孔部313から、この接続孔部313が形成される接続部312と略直行する当接面311に平行となるように水平線を延ばし、これらの水平線が交わる位置、すなわち2つの連結部材32の延長線の交差点に、ストッパピン33が上下のフランジ部314と直交するように形成されているとしたが、これに限らない。例えば、ストッパピン33は、1つの連結部材32の両端延長上にそれぞれ1つずつ形成されているものであってもよい。また、ストッパは、ストッパピン33に限らず、例えば板状のストッパを連結部材32の延長上となるコーナーピースの角部に設けてもよい。このように、ストッパは、連結部材32の延長上に配置されて連結部材32が破断したときに、破断した連結部材32と当接して飛び出しを阻止するものであれば、形状や素材、数などは問われない。
さらに、上記以外にもストッパは、図7に示すように、接続部312のサイドフランジ部315を挟んで反対側となる位置にストッパピース332を設ける構成であってもよい。このストッパピース332は、例えば鋼鉄製部材を素材とし、略直方体形状に形成されている。そして、このストッパピース332は、図8に示すように、柱20側に配置される柱対向面333と、この柱対向面333と略直交して交わり接続部312と当接する接続部対向面334と、接続部対向面334の反対側面となる連結部材挿通面335を備えている。柱対向面333には、断面略U字型の設置溝336が、接続部対向面334から連結部材挿通面335へ貫通して形成されている。この設置溝336には、連結部材32の雄ねじ部321と噛合する雌ねじ部337が形成されている。このようなストッパピース332を用いると、連結部材32が破断して軸心方向に飛び出そうとすると、連結部材32の雄ねじ部321と雌ねじ部337にて噛合しているストッパピース332の接続部対向面334が接続部312に当接して、連結部材32の飛び出しを防止できる。また、ストッパピース332の取り付けも容易である。さらに、サイドフランジ部315の位置に取り付けられるので、本体310とフランジ部314との間の空間Aが広くなり、連結部材32の取り付け作業の作業性を向上できる。
また、上記のストッパピース332では、ストッパピース332を成形するためのコストや手間が多く掛かってしまう。これに対して図9に示すように、ストッパピース332の代わりにEリング338を取り付ける構成としてもよい。Eリング338は、連結部材32の雄ねじ部321に形成された溝部325に突起片338Aを係合させて取り付けられる。そして、このEリング338の径寸法は、接続孔部313の径寸法よりも大きく設定されていて、Eリング338は、接続孔部313を通過できないように形成されている。このような構成にすることで、連結部材32が破断して軸心方向に飛び出そうとしても、Eリング338と接続部が当接するので、連結部材32の飛び出しを防止できる。さらに、Eリング338は、ストッパピース332に比べて安価であり、取り付け作業も簡単に実施できる。
なお、Eリング338は、連結部材32の周面に形成された溝部325に取り付けられる例を示したが、連結部材32の雄ねじ部321に直接Eリング338の突起片338Aを係合させてもよい。この場合、連結部材32の加工が不要なのでさらに製作にかかる時間やコストを抑えることができる。
さらに、図10に示すように、連結部材32は、接続部312よりサイドフランジ部315側に、連結部材32の径方向に向かって形成されるストッパ挿通孔326を有し、この挿通孔にストッパピン331Aが挿入されるものであってもよい。このストッパピン331Aは長さが接続孔部313の径寸法よりも大きく形成されている。そしてストッパピン331Aの両端部には、例えば抜け止めボール331Bが取り付けられている。この抜け止めボール331Bは、ストッパピン331Aの径方向に出没自在に設けられ、中心軸から径方向に向かって付勢されている。このため、ストッパピン331Aをストッパ挿通孔326に挿通する際には、抜け止めボール331Bは中心軸の方向に没し、抜け止めボール331Bがストッパ挿通孔326を抜けると再び突出する。このような、ストッパピン331Aを用いた場合も、破断した連結部材32が延長上に飛び出そうとしたとき、ストッパピン331Aが接続部312に当接して、連結部材32の飛び出しを防止できる。なお、ここでは、抜け止めボール331Bが設けられたストッパピン331Aを示したが、抜け止めボール331Bが設けられず、ストッパピン331Aがストッパ挿通孔326に圧入や溶接、接着などにより固定される構成としてもよい。
また、前記実施の形態において、コーナーピース31は鋳造により成形されているとしたが、これに限定されない。例えばコーナーピース31は、鍛造により成形されているものであってもよい。この場合、コーナーピース31の強度と耐久度とを強化でき、コーナーピース31が破損しにくくなる。
さらに、前記実施の形態において、コーナーピース31は、本体310と、本体310の端縁部に形成されるフランジ部314を備えているとしたが、これに限定されない。例えば、フランジ部314が形成されていないものであってもよい。この場合、例えば柱20の角部頂点に対応する本体310の角部に、図11に示すように、2つの接続部312と略平行となるストッパ片339を設けて連結部材32の飛び出しを防止する構成や、前述したように連結部材32のサイドフランジ部315側にストッパを設ける構成としてもよい。このような場合、連結部材32をコーナーピース31に接続する際に、さらに作業空間が広くなるので、作業性がさらに向上する。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、鉄筋コンクリート建築物の柱や梁などの補強に利用できる。
本実施の形態の補強器具が取り付けられた柱の全体正面図である。 補強器具および補強器具が取り付けられた柱の一部を示す斜視図である。 補強器具および補強器具が取り付けられた柱の一部を示す正面図である。 図3の柱をIV−IV線で切ったときの断面図である。 補強器具の係合部材の拡大図である。 本実施の形態の変形例を示す係合部材の縦断面図である。 本実施の形態の別の変形例を示す係合部材の横断面図である。 図7におけるストッパの斜視図である。 本実施の形態のさらに別の変形例の連結部材およびストッパを示す斜視図である。 本実施の形態のさらに別のストッパの変形例を示す横断面図である。 本実施の形態のさらに別の変形例を示す係合部材の縦断面図である。
符号の説明
20…コンクリート構造体としての柱
30…補強器具
31…係合部材としてのコーナーピース
310…本体
314…フランジ部
32…連結部材
33,331,331A…ストッパとしてのストッパピン
332…ストッパとしてのストッパピース
338…ストッパとしてのEリング
339…ストッパとしてのストッパ片

Claims (4)

  1. 断面略多角形のコンクリート構造体の外周表面の角部にそれぞれ係合される複数の係合部材と、前記コンクリート構造体の外周に設けられて前記係合部材同士を連結する複数の棒状の連結部材とを備え、前記コンクリート構造体の膨張に伴う変形を阻止するコンクリート構造体の補強器具であって、
    前記係合部材には、前記連結部材に軸心方向の引張力がかかって破断した際に、破断した連結部材が軸心の延長上に飛び出すことを阻止するストッパが設けられている
    ことを特徴としたコンクリート構造体の補強器具。
  2. 請求項1に記載のコンクリート構造体の補強器具において、
    前記ストッパは、前記連結部材の延長上に設けられるピン部材である
    ことを特徴としたコンクリート構造体の補強器具。
  3. 請求項2に記載のコンクリート構造体の補強器具において、
    前記ピン部材と前記係合部材とは、鋳造により一体形成されている
    ことを特徴としたコンクリート構造体の補強器具。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンクリート構造体の補強器具において、
    前記係合部材は、前記コンクリート構造体と当接する本体と、この本体の両縁部に形成されるフランジ部とを備えた断面略コ字型に形成されている
    ことを特徴としたコンクリート構造体の補強器具。
JP2004041724A 2004-02-18 2004-02-18 コンクリート構造体の補強器具 Expired - Fee Related JP4044528B2 (ja)

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