JP2005228260A - 平板材料を目的曲面に成形するための歪分布演算算出方法 - Google Patents

平板材料を目的曲面に成形するための歪分布演算算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 曲面を平面に展開したときの形状を与えるとともに平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布を併せ得ることができる演算算出方法を提供すること。
【解決手段】a.離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程、b.関数化された曲面上に縦横に測地線を描く過程、c.平面上で平行な条件を満たす、測地線上での間隔の変化又は平面上で方形を形成する4本の測地線で囲まれた領域の曲面上での形状変化から、曲面形成に必要な非可展面形成に係る歪量の分布を演算算出する過程、d.上記各過程によって得られた歪量の分布を平板材料に与えて得られる非可展面と目的曲面との間に相異が存する場合に、該相異をもたらす可展変形成分を抽出し、これら非可展変形と可展変形の双方を演算算出する過程からなる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、曲面上の離散点の座標などで与えられた曲面情報から、平板材料たとえば鋼板を目的とする曲面形状に成形するに要する歪の種類と大きさの分布をコンピュータシステムによって演算算出する方法に関する。
たとえば船舶の船殻の一部や航空機、列車等の外殻は曲面形状を呈しており、これら曲面を成形するに際しては、従来、曲面形状を特定の方法で平面に展開した展開図が描かれ、高度の熟練と経験をもつ技能者の経験と勘によって、たとえば線状加熱による曲面形成が遂行されていた。
近来、板材に歪を与えた後の変形形状が数値計算シミュレーションによって求められることを利用して、最適化問題として付加歪と変形の関係を取り扱うことがなされている。一方、平板材料を線状加熱によって目的とする曲面に成形するに際し、曲げ加工後の仕上げ切断を不要にすべく正確な板取りをするために、予め個々の線状加熱の固有歪、固有変形を求めてデータベースとして蓄積しておき、目的とする曲面形状が与えられた時点で曲げ加工を遂行する線状加熱方法を策定した後、加熱線の固有変形データを呼び出しこれら固有変形の方向を正負逆にした上で生成固有歪分布を目的曲面形状に付加して自由に変形させるFEM(有限要素法)弾性シミュレーションを行って曲面を平面形状に展開する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−237826
しかしながら、上記従来技術においては、目的とする曲面形状を得るために加えるべき歪量が不明のまま作業が遂行されている問題があった。上記従来技術にあって板材に付加されるべき歪量は、曲面を平面へ展開する方法に依存するものであるにも拘わらず曲面から平面への展開方法と曲面成形方法との間に何らの関連付けも行われていなかった。上記先行技術によって手順書通りに展開図を描き、必要とされる板材を切り出しても、平板材料の何処にどれだけの歪を与えるべきか不明であった。また、歪の種類と量分布が不明のままで数値シミュレーションを行うため、膨大な計算時間を必要とし最終的には熟練工による手直し作業を必要としていた。
本発明は、上記従来技術における問題を解決すべく、曲面を平面に展開したときの形状を与えるとともに展開された平面形状を目的曲面に成形するに要する歪分布を併せ得ることができる、コンピュータシステムによる演算算出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、a. 離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程 b. 前記またはそれ以外の方法で関数化された曲面上に縦横に測地線を描く過程 c. 平面上で平行な条件を満たす、測地線上での間隔の変化または平面上で方形を形成する4本の測地線で囲まれた領域の曲面上での形状変化から、曲面形成に必要な非可展面形成に係る歪量の分布を演算算出する過程 d. 上記各過程によって得られた歪量の分布を平板材料に与えて得られる非可展変形による曲面と目的曲面形状との間に相異が存する場合に、該相異をもたらす可展変形成分を抽出し、これら非可展変形および可展変形の双方を演算算出する過程をコンピュータシステムによって処理することを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法である。
請求項2に記載の発明は、離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程が、曲面形状を数値データとして付与し、該数値データを要求精度で複数ステップに分解可能なニューラルネットワークによって関数化するものである請求項1に記載の平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のニューラルネットワークによって関数化された近似曲面関数上または他の方法で与えられた曲面関数上に任意の点を始点として任意の方向に測地線を描き、任意の間隔でその軌跡を記録するとともに平面へ展開された面上での方眼に対応する測地線を曲面上に縦横に描きその軌跡を記録するようにしたことを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出のための測地線作成用コンピュータシテムである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の測地線作成用コンピュータシテムによる測地線の軌跡情報から、平面への展開図上における平行線に対応する曲面上測地線の間隔の変化を歪に換算するかまたは、平面への展開図上において平行な直行する2組4本の直線に対応する曲面上測地線の交点間距離および交点を結ぶ線分が作り出す四角形形状の変化から、曲面成形に必要な非可展変形に係る歪量の分布を演算算出することを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の歪量の分布を演算算出するコンピュータシステムにおいて用いた測地線上の点を頂点にもつ方形を1つの単位とする要素に分解した目的曲面に対し、任意の可展変形を加えた場合の形状変化をシミュレーションし目的曲面形状を得るに必要な可展変形を決定するシミュレーション用コンピュータシステムである。
本発明によれば、任意の曲面形状を平板上材料から成形するに要する歪量を決定できるようにしたから、勘に頼った作業を行う必要がなくなる。万一、変形量が予定量と異なった場合でも自動形状測定などを行い、改めて測地線の情報から歪量を求めることによって修正に要する歪量を追加する形で補修することができる。
請求項2に記載の発明によるときは、離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程を、複数ステップに分解可能なニューラルネットワークによって関数化を遂行するようにしたから、たとえば3%程度の比較的粗い精度で一旦重み関数を求めて粗い近似式を得ることにし、次いで、正解値と近似値の誤差を求め、この誤差分を近似する重みをたとえば10%で得、逐次誤差を解消するための近似式を求めることで短時間に精度の高い近似曲面を得ることができる。
歪の付加に自動制御の容易なレーザを線状加熱手段として用い自動形状測定器と組み合わせることによって、曲面形成の自動化を行うことができる。一方、曲面形成のための歪の与え方として、直交する歪の一方向のみを与える方法と、二方向の歪を与える方法の何れかを選択できる。曲面形成には、作業が簡単な一方向歪を与える作業方法を採ることが効率の面で有利である。本発明は歪取り作業にも応用でき、不要な曲面(膨れなど)を平坦に修正することができる。この場合には、二方向の歪を同時に付与することで膨れなどを取り除くことができる。
本発明を用いて平板材料たとえば鋼板を三次元曲面に成形するに際しては、平板材料に与えるべき非可展変形の大きさおよび分布を、目的曲面形状を関数化した情報を基に任意の曲面上に測地線を生成するプログラムを用いて描いた測地線の間隔や測地線の交点間距離の変化率から求める。一方、可展変形については、平板材料に非可展変形のみを与えた変形状態に可展変形を追加した曲面形状を推定するシミュレーションプログラムを用いて必要とされる可展変形成分を求める。
請求項1に記載の発明に係る曲面を平面に展開する方法は、関数の形で与えられる曲面のみならず、離散的な数値データで与えられる曲面であっても曲面関数を要求される精度で求め、得られた関数曲面上または与えられた関数曲面上に自在に測地線を描くことにより、測地線の間隔の変化や測地線の交点間距離の変化などから曲面展開に必要な歪量の分布を演算算出する。この演算算出過程で得られた歪分布を逆に利用すれば、平板材料から曲面に成形することができる。
平板材料から曲面を形成するためには、非可展変形のほかに可展変形が必要である。そのためには、測地線作成用コンピュータシステムおよび歪分布演算算出コンピュータシステムによってひずみ分布を与えた数値解析を行うかまたは、請求項5に記載の可展変形シミュレーション用コンピュータシテムによって弾性エネルギ最小の形状を予測し、目的曲面形状との差を補完する可展変形量を決定する。非可展変形および可展変形双方の情報が得られたとき、変形に必要な歪量全てが決定したことになる。
本発明において、離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程について説明する。この実施例においては、ニューラルネットワークを用いて曲面を関数化している。このニューラルネットワークを用いたノード(シナプス)にはシグモイド関数を用いている。図1に、1つのノードの模式図を示す。複数の入力値に重みWを掛け合わせた値の合計がSである。
Figure 2005228260
Figure 2005228260
数式2に示す関数Fがシグモイド関数とよばれる関数であって、関数値Fに重みWを掛けた値が次のノードへの出力となる。この実施例のネットワークでは、入力はxとyの2つであり、最終出力はzの1つである。図2に、ニューラルネットワークの一例を示す。図2における○が1つのノードを示しており、Bはバイアスと呼ばれる定数入力値を表す。また、ノードとノードをつなぐ線分の部分には、重みが存在する。入力側からみて最初のノード群を入力層、最後のノード群を出力層、その間の群を隠れ層と呼び、各層のノードの数を節点数という。隠れ層の数は、問題の複雑さに応じて決める。ニューラルネットワークを用いるということは、適当な入力値に対して目的の出力値が得られるよう重みの値を決めることである。この実施例においては、バックプロパゲーション法を用いている。
ニューラルネットワークの予測誤差は、次式で定義される。
Figure 2005228260
数式3における添え字のkはデータの番号、tは真の値、nはネットワークが予測した値である。誤差E中の未知数は重みのみであるから、Eを最小にする重みを探すことができる。重みの変化量に対する誤差の変化量から重みの修正量を決め、誤差が収束するまで繰り返し修正する方法をバックプロパゲーション法という。
次に、具体的な例を示す。小半径10、大半径20のトーラスを対象とし、隠れ層を1、節点数を11としてバイアスを用いた。また、シグモイド関数の領域は0から1の範囲であるから、次式
Figure 2005228260
を用いてzの変域24.74<z<30を変域0.05<O<0.95に変換し学習させた。また、入力値(x,y)は、
Figure 2005228260
を用いて領域を制限して学習させた。学習には、−8<x<8、−8<y<8の範囲で、(−8,8)を始点にx正方向に2、y正方向に2の間隔の格子点上の合計81点の(x,y,z)を教師データとした。収束誤差を3%と設定したときに得られた重みを表1に示す。また、教師データを表2に示す。
Figure 2005228260
Figure 2005228260
表1において、i=0は入力層と隠れ層の間の重み、i=1は隠れ層と出力層間の重み、j=1は入力xに対応する重み、j=2は入力yに対応する重みであり、j=0はバイアスの値である。kは隠れ層のノードの番号である。
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
がzの近似値になる。
次に、関数化された曲面上に測地線を描く過程について、説明する。図3に、測地線開始点を示す。先ず、図3に示すように、始点をx−y平面上に点S(x,y)として決定する。ニューラルネットワークにこの(x,y)座標を与えれば容易にz座標を知ることができ、これがG点であって測地線の始点となる。点Dは測地線を描く方向をx−y平面上に示すベクトルSDの終点である。SDに垂直なx−y平面上の直線上に点Sを挟んで等距離に点S、Sを定める。点S、Sのx、y座標に対応する曲面P上のz座標をニューラルネットワークを用いて求め、曲面上の点h,fを定める。
線分hに垂直な面内にあり、中心をそれぞれ点h,fにもつ同一半径の円をC,Cとする。円C,Cと曲面Pの交点のうち、測地線の進行方向側の点をh,fとする。さらに、円C,Cと同じ大きさで円C,Cに平行な面内で中心を点Gにもつ円と曲面Pの交点のうち、測地線の進行方向側の点をGとする。先に、線分hと点Gに対して行った操作を、線分hおよび点Gに対して行い、順次G点を求めその座標を記録すると、1本の測地線上の点を等間隔に区切った(x,y,z)座標を測地線の離散座標として得ることができる。
図4に、図3に示す測地線開始点に垂直な方向の測地線の開始部を示す。一旦測地線を、図4に示すように、連続するG点として1本引き終えたなら、先に、線分hおよび点Gに対して行った操作を、図4に示すように、線分Gおよび点Gに対して行って、点Nを求め繰り返しN点を求めると、先の測地線に点Gで垂直に交わる測地線上の点Nの(x,y,z)座標を離散座標として得ることができる。
次に、平行な条件を満たす、測地線上での間隔の変化または平面上で方形を形成する4本の測地線で囲まれた領域の、曲面上での形状変化から曲面形成に必要な非可展面形成に係る歪量の分布を演算算出する過程について説明する。図5および図6に、曲面を平面に展開する方法の基本的な考え方を示す。図5に示すように、曲面Pに任意の測地線OBを描き、点Oで測地線OBに垂直に交わる測地線OAを描く。さらに、点Bで測地線OBに垂直に交わる測地線BCを描き、点Aで測地線OAに垂直に交わる測地線ACを描く。測地線ACと測地線BCは点Cで交わるけれども垂直に交わるとは限らない。
図6は、図5に示す曲面を平面に展開したときの図である。図6におけるO’A’は、図5における測地線OAを平面P’に展開したものである。測地線は平面に直線として展開が可能であり、O’A’は直線である。これは、平面P’を曲面P上で測地線OAで接するように配置し、接点を点Oから点Aに移動させたときにできる接点の軌跡である。測地線OAと測地線OBは点Oで垂直に交わっているから、平面P’に測地線OBの展開線O’B’を描くとき、点O’近傍でO’A’とO’B’は垂直かつO’B’は直線に展開されるのでO’A’とO’B’は互いに垂直に交わる直線になる。測地線BCの展開図であるB’C’’も同様の理由で直線O’B’に垂直に交わる直線である。O’A’は平面P’を曲面P上に接する方法でOA上に写し取った線であるから、OA上の道のりはO’A’上に伸縮のない実寸として写し取られる。OB上の道のりもO’B’に実寸として移される。
A’C’は測地線ACを平面P’に展開した直線であり、点A’で直線O’A’に垂直に交わる。図5における測地線ACの道のりを図6における直線A’C’に移し、その点をC’とする。B’C’’は測地線BCを平面P’に展開した直線であり、点B’で直線O’B’に垂直に交わる。図5における測地線BCの道のりを図6における直線B’C’’に移し、その点をC’’とする。点C’と点C’’が同一の点となる場合には、曲面P上のOACBの4辺の長さは平面P’上の長方形O’A’C’’’B’と同じ辺の長さをもつことになり、このとき、何処にも歪はなく可展変形のみである。
非可展変形の場合には、曲面P上の道のりに長さの変化を生じるため、点C’と点C’’は同一の位置にはない。図5における測地線OAと同じ道のりを点Bから測地線BC上に取った点をC’’’’とする。このとき、曲面P上で点Aを始点とし点C’’’’を通る測地線の道のりと測地線OBの変化量は、この間のOB方向の歪となる。この歪を図2に示す平面P’に与えた場合、O’B’方向の歪のみを与えることになるため、変形の前後でO’A’方向の長さに変化は生じず平面P’上の点C’’’は曲面P上ではC’’’’に現れる。また、図6における長さO’A’と長さB’C’’の変化率は、O’A’方向の歪を、長さO’B’と長さA’C’の変化率は直線O’B’方向の歪を与える。この直交する2方向の歪を同時に平面P’に与えると、平面P’上の長方形O’A’C’’’B’は曲面P上ではOACBに移され、平面P’上の点C’’’を曲面P上の点Cに移すことができる。
図7に、一方向の垂直歪のみで非可展変形を発現させる具体的方法を示す。ニューラルネットワーク等によって関数化した曲面をPとする。曲面P上に基準となる測地線を1本描く。この測地線を図7にQMとして示す。この測地線を、本発明においては幹線と呼ぶ。この幹線上に既知の間隔で複数の点を配置する。これらの点の間隔は、既知であれば全ての間隔が同じである必要はないが、揃えておいた方が処理しやすい。これらの点のうちの2点が、図7に示すQ、Mである。点Qを通り測地線QMに垂直に交わる測地線をQNとする。また、点Mを通り測地線QMに垂直に交わる測地線をMLとする。これら幹線に垂直に交わる測地線を、本発明においては枝線と呼ぶ。これら2本の枝線上で、幹線から同じ道のりにある点をそれぞれN、Lとする。道のりQMと道のりNLの変化率が点Nまたは点Lの位置での歪である。曲面Pの大きさに比し道のりQMを十分に小さく設定すれば、道のりQMと道のりNLは距離QMと距離NLで代用することができる。本発明の測地線作成用コンピュータシステムによって曲面P上に幹線と枝線を描くことができ、本発明の歪分布演算算出方法によって歪分布を得ることができる。図8は、図7に示す曲面の展開図である。
図9に、板材に2方向の垂直歪を適用して非可展変形を発現させる具体的方法を示す。この場合、曲面P上に直交する2本の幹線1組を描く必要があり、図9におけるOGおよびOEがそれである。この操作は、本発明の測地線作成用コンピュータシステムによってなされる。さらに、各々の幹線に既知の間隔で枝線を曲面P上に引く。各幹線上の枝線を2本ずつ選んで図9にGK、FH、DJ、およびEKで示す。距離GF、距離EDを微小とみなすと、曲面P内の任意の位置の2方向の歪を、距離GFと距離KHの変化率および距離EDと距離KJの変化率から求めることができる。また、四角形KHIJの形状変化からせん断歪を求めることも可能である。本発明の歪分布演算算出方法によって歪分布を得ることができる。図10は、図9に示す曲面の展開図である。
本発明の平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法は、目的曲面形状を得るに要する歪の分布量を求め得るのみならず、既存する曲面の形状測定データからその曲面に内在する歪量を求めることもできる。従って、曲面成形過程において何らかの問題が生じ目的曲面形状が得られなかった場合等にあって、目的とする歪量と現在の歪量の差から、追加すべき歪量を求めることができる。
図11に、本発明の平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法を実施するときのコンピュータシステムによる演算処理ステップを示す。S1からS5までの処理過程は、第一回目のステップである。ステップS1は、本発明のニューラルネットワークによる曲面の関数化プログラムによって遂行される。ステップS2は、本発明の測地線作成用コンピュータシステムによって行われる。ステップS3は、本発明の歪量分布の演算算出用コンピュータシステムによって遂行される。ステップS4およびステップS5は、後述する本発明の可展変形シミュレーション用コンピュータシステムによってなされる。平板材料を曲面に成形するに際しては、ステップS6で実施工がなされたり或は、数値シミュレーションによって予備実験を行うこともある。ステップS7で形状検査を行い、目的曲面形状が得られていれば処理ステップを終了するが、誤差が大きな場合は変形後の曲面形状中の歪量を算出し、目的とする歪量との過不足分を追加することになる。図11における太枠部が本発明のコンピュータシステムによって遂行される部分である。
本発明においては、同一曲面形状を得る場合でも幹線位置の選び方で与えるべき歪量が異なる。これは、加工方法が限定されている場合には便利である。線状加熱のような加工方法による場合は引張り歪を与え難く、鍛造加工による場合は圧縮歪を与え難い。平板材料から曲面形状に成形する領域内で予め求めた歪分布から、最も大きな引張り歪が要求されていた部分を幹線に選べば、全て圧縮歪の条件で加工手順を決定することができる。逆に、最も大きな圧縮歪が要求されていた部分を幹線に選べば、全て引張り歪の条件で加工手順を決定することができる。これは、幹線部で歪が必ず零になる性質があるからである。
次に、本発明において目的曲面を得るべく、非可展変形と併せ可展変形を平板材料に付加するときの形状変化をシミュレートする方法について、説明する。図12、に測地線を示す曲面上の4点で囲まれる領域の要素を示す。図12において、4つの要素が頂点を共有する1点に注目してこの4つの要素についてのみ先ず考える。4つの要素が共有する点をOとする。図12に示すように、角度θから角度θと名付ける。このとき、要素間における面間の角度は、隣り合う要素の頂角の和が180°の場合を除き従属関係をもつ。この関係を先ず導く。
図13に、点Oを共有して隣り合う要素の関係を示す。図13において、φ12は要素1と要素2の面間角度、θ、θはそれぞれ頂角である。Iは、要素1、要素2の交線上の点Oから距離1の位置にある点である。点Iを通る要素1、要素2の交線に引いた垂線が、要素1、要素2の他の辺と交わる点を、図13に示すように、J、Kとする。三角形IJKと三角形OJKについて、辺JKにおいて余弦定理を適用すると、
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
より
Figure 2005228260
を得る。また、ψ12=ψ34 ψ41=ψ23 であるから、面間角度φ12とφ34の関係ならびにφ41とφ23
Figure 2005228260
のように求めることができる。従って、次に、面間角度φ12とφ41の関係を示せば、これら4つの面間角度の関係をすべて導き出したことになる。
図14に、要素間の面間角度の関係を示す。図14に示すように、要素1と要素2の交線上に点Oから距離1の位置に点Gを取る。要素3と要素4の交線上に点Oから距離1の位置に点Hを取る。角度GOHをψ41=ψ23とおき、三角形GOHに注目すると、余弦定理より
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
次に、平面AOE上の四角形CBOAについて考える。図15に、平面AOE上の四角形CBOAを示す。図15において、点Gから平面AOEに降ろした垂線の交点がCであり、CからOAに引いた垂線がCAであるから、平面GCAは平面AOBと平面GOAの両方に垂直な面である。従って、直線GAは直線OAに垂直に交わる。図16に、長さOCの求め方を示す。図16に示すように、x−y座標を当てはめると、点Bの座標は(cosθ・cosψ12,cosθ・sinψ12)である。直線OBの式は、
Figure 2005228260
直線BCの式は、
Figure 2005228260
交点の座標を求めると、
Figure 2005228260
となる。
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
で求められる。また、
Figure 2005228260
さらに、
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
F点の座標は、
Figure 2005228260
以上をまとめると、面間角度φ12とφ34、φ41とφ23の関係においてφ12とφ34の関係は、
Figure 2005228260
φ41とφ23の関係は、
Figure 2005228260
である。φ12とφ41の関係は、
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
Figure 2005228260
ならびに、
Figure 2005228260
からφ12とφ41が関係づけられる。以上の関係から、四角形要素間の角度の依存関係が表されるので、どこか一箇所の面角度を変更したときの曲面全体の変形を知ることができる。可展変形は、曲面の曲率のみを変化させる変形であるから、このように四角形要素の寸法形状を変えないで面間角度のみを変化させるソフトウエアは便利である。
図18に、トーラスと呼ばれる形状を示す。この(x,y,z)=(0,0,30)を中心に、−8<x<8、−8<y<8の範囲の曲面を対象として、x−y面上で間隔1の格子点でのz座標を求めた離散データをニューラルネットワークによって関数化するコンピュータシステムに読み込み、曲面近似した結果を図19に示す。実線が理論曲面で、プロットされた点が近似曲面上の点である。収束精度を0.3%とした場合の結果であるが、よく一致している。図18に示す−5<x<5、−5<y<5の範囲の曲面を対象として、曲面形成に必要な歪量を求め、有限要素法(FEM)で変形をシミュレートし、x−z面およびy−z面での切断面の形状を調べた結果を図20に示す。目的形状はそれぞれ曲率半径R=10およびR=30である。図20から明らかなように、よく一致している。
船舶、航空機、列車などにおける曲面加工手順書の作成、歪取り作業の工法の決定に利用できる。
ニューラルネットワークにおける1つのノード(シナプス)を示す模式図 ニューラルネットワークの一例を示すダイアグラム 測地線開始点を示すダイアグラム 図3に示す測地線開始部に垂直な方向の測地線開始部を示すダイアグラム 測地線の描き方の概念を示す模式図 図5に示す曲面を平面に展開したときの状態を示す平面図 曲面形成に必要な歪を一方向の垂直歪のみに代表させる場合の歪の決定方法とそのときに描く測地線の模様を示す模式図 図7に示す曲面を平面に展開したときの状態を示す平面図 曲面形成に必要な歪を相互に垂直な二方向の垂直歪成分とせん断歪に代表させる場合の歪量の決定方法とそのときに描く測地線の模様を示す模式図 図9に示す曲面を平面に展開したときの状態を示す平面図 本発明をフィードバックに用いたときの処理プロセスを示すフローチャート 測地線を示す曲面上の4点で囲まれる領域の要素を示すダイアグラム 点Oを共有して隣り合う要素の関係を示すダイアグラム 要素間の面間角度の関係を示すダイアグラム 平面AOE上の四角形CBOAを示すダイアグラム 図15におけるOC間の距離を求める方法を示すダイアグラム 図14におけるCF間の距離を求める方法を示すダイアグラム トーラスと呼ばれる形状を示す図 図18に示すトーラスの曲面の離散数値情報からニューラルネットワークによって曲面近似したときの結果を示すグラフ 本発明によって求めた曲面形成に必要な歪量を有限要素法によってシミュレートし、x−z面およびy−z面での切断面における断面形状を調べた結果を示すグラフ

Claims (5)

  1. a. 離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程
    b. 前記またはそれ以外の方法で関数化された曲面上に縦横に測地線を描く過程
    c. 平面上で平行な条件を満たす、測地線上での間隔の変化または平面上で方形を形成する4本の測地線で囲まれた領域の、曲面上での形状変化から曲面形成に必要な非可展面形成に係る歪量の分布を演算算出する過程
    d. 上記過程によって得られた歪量の分布を平板に与えて得られる非可展変形による曲面と目的曲面形状との間に相異が存する場合に、該相異をもたらす可展変形成分を抽出し、これら非可展変形および可展変形の双方を演算算出する過程をコンピュータシステムによって処理することを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法。
  2. 離散点の座標等で表示された曲面形状を関数化する過程が、曲面形状を数値データとして付与し、該数値データを要求精度で複数ステップに分解可能なニューラルネットワークによって関数化するものである請求項1に記載の平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布演算算出方法。
  3. 請求項2に記載のニューラルネットワークによって関数化された近似曲面またはz=f(x.y)の形式で表される曲面関数上に任意の点を始点として任意の方向に測地線を描き、任意の間隔でその測地線の軌跡を記録するとともに平面へ展開された面上での方眼に対応する測地線を曲面上に縦横に描きその軌跡を記録するようにしたことを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布算出のための測地線作成用コンピュータシステム。
  4. 請求項3に記載の測地線作成用演算算出コンピュータシステムによる測地線の軌跡情報から、平面への展開図上における平行線に対応する曲面上測地線の間隔の変化を歪に換算するかまたは、平面への展開図上において平行な直交する2組4本の直線に対応する曲面上測地線の交点間距離および交点を結ぶ線分が作り出す方形形状の変化から、曲面形成に必要な非可展変形に係る歪量の分布を演算算出することを特徴とする平板材料を目的曲面に成形するに要する歪分布算出方法。
  5. 請求項4に記載の歪量の分布を演算算出するコンピュータシステムにおいて用いた測地線上の点を頂点にもつ方形を1つの単位とする要素に分解した目的曲面に対し、任意の可展変形を加えた場合の形状変化をシミュレーションし、目的曲面形状を得るに必要な可展変形を決定する可展変形シミュレーション用コンピュータシステム。
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