JP2005222102A - 電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法 - Google Patents

電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で平滑性の向上とカールを防止し、しかも生産性を上げることが可能である。
【解決手段】第1のシート材10と第2のシート材20の間に介在される接着剤の層6,7内にICチップ及びアンテナを有するICモジュール2を封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードにおいて、貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%である。
【選択図】図1

Description

この発明は、接着剤を使用し、表裏シート間に接着剤の層を介してICモジュールを内蔵するように貼り合わされた電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法に関するものである。
例えば、電子情報記録カードとしてICモジュールを使用した非接触ICカードの製造方法が、特開平10−147087号、特開2001−325579号、特開2002−109499号等に開示されている。
このような電子情報記録カードとして、例えば樹脂フィルム上にエッチングによりアンテナ線を形成し、それにICチップを接続したICモジュールの表裏に、接着剤の層を介して表面保護層を、ラミネート法や熱プレス法にて貼り合せて製造する非接触ICカードは良く知られている。
一方、ICチップ及びそれに接続したコイル状のアンテナ線を、不織布のようなフレキシブルな樹脂シート間に挟み込んでなるICモジュールも知られており、特に薄膜のカードを製造する場合や、最終製品である非接触ICカードの表面平滑性には有利である。
特開平10−147087号公報 特開2001−325579号公報 特開2002−109499号公報
この表面保護層となる樹脂シートを貼り合せる際に使用される接着剤は、色々なタイプのものが提案されているが、近年では取り扱い等の容易性から、ホットメルトタイプ、特に反応硬化型のホットメルト接着剤が使用される傾向である。
ところが、接着剤がホットメルトタイプであるがゆえに、高温で貼り合わせを行えば、接着剤が充分軟化して、ICチップの埋め込みに有利であるとともにカード表面の平滑性が良くなるが、その状態の貼り合せた樹脂シートを次工程に移載するなどの取り扱い時に力が加わると、変形や折れ曲がりが発生し、カードの反りなどの原因になってしまう。
また、高温貼り合わせ後に、樹脂シートを充分固化させるために圧力を付与したまま冷却する製造方法が提案されているが、通常、その温度差が50℃以上に及ぶ場合もあり、温度変更時間が長大になるといった製造効率劣化といった、別の課題が発生している。
したがって、平滑性やカール、生産性などを総合的に判断して、経験的に圧力、温度、プレス時間などを調整して、樹脂シートの貼り合わせを行なっているが、製造品種の変更や、使用材料の変更など、接着剤等の物性の製造ロットのバラつきなどの影響を、直接受けてしまい、製造毎の調整が頻繁になってしまうという問題もあり、管理項目の設定が必要であった。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で平滑性の向上とカールを防止し、しかも生産性を上げることが可能な電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードにおいて、 貼り合わせを行う際の前記接着剤の応力緩和率が100%であることを特徴とする電子情報記録カードである。
請求項2に記載の発明は、前記接着剤がホットメルト型接着剤であり、
前記ICモジュールを封入した状態で、前記第1のシート材と前記第2のシート材を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での応力緩和率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子情報記録カードである。
請求項3に記載の発明は、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードにおいて、
貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%であり、かつ前記第1のシート材と前記第2のシート材を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での接着剤の応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電子情報記録カードである。
請求項4に記載の発明は、前記接着剤が反応硬化型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子情報記録カードである。
請求項5に記載の発明は、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードの製造方法において、
貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%となる温度で熱圧着した後、
前記接着剤の応力緩和率が20%以下になる温度で冷却しながら圧着することを特徴とする電子情報記録カードの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードの製造方法において、
接着剤の応力緩和率が20%以上100%未満となる温度にて真空プレスで仮圧着した後、
接着剤の応力緩和率が100%以上となる温度で本圧着してから、貼り合わせ時の温度以下で冷却プレスを行うことを特徴とする電子情報記録カードの製造方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICモジュールを封入して貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%であり、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならない。
請求項2に記載の発明では、ホットメルト型接着剤で取り扱いが容易であり、第1のシート材と第2のシート材を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での応力緩和率が20%以下であり、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
請求項3に記載の発明では、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICモジュールを封入して貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%であり、かつ熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での接着剤の応力緩和率が20%以下であり、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならないと共に、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
請求項4に記載の発明では、接着剤が反応硬化型ホットメルト接着剤であり、取り扱いが容易であり、接着剤が充分軟化して、ICチップの埋め込みに有利であるとともにカード表面の平滑性が良い。
請求項5に記載の発明では、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICモジュールを封入して貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%となる温度で熱圧着した後、接着剤の応力緩和率が20%以下になる温度で冷却しながら圧着することで、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならないと共に、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
請求項6に記載の発明では、第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICモジュールを封入して貼り合わせを行う際、接着剤の応力緩和率が20%以上100%未満となる温度にて真空プレスで仮圧着した後、接着剤の応力緩和率が100%以上となる温度で本圧着するから、内部から気泡が除去された状態で圧着され、表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならない。
以下、この発明の電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
電子情報記録カードの例として、具体的には、名刺、ネームプレート、パスポート、診察カード、テレホンカード、身分証明書、運転免許証、定期券、キャッシュカード、ICカード等を包含するカードであって、一般に手札程度の大きさであり、かつ多くの場合携帯して使用するものである。ここでは、ICカードを適用した例えば会社の従業員カードの例について説明するが、適用例はこの形態に限定されるものではない。
ICカードは塩化ビニル樹脂の合成樹脂などで作成された片面に接着剤層を有する一対のシート材の接着剤層同士を対向した間に、基板上にICチップ及びアンテナが実装されてなるICモジュールを挟み込んで貼り合わせて積層体が作成されるもので、ICモジュールと外部回路との電気的な接触の仕方によって接触型と非接触型とがある。しかし、接触型のようにカード表面に接触端子が露出していると、接触面の劣化、接触不良などが起こり、ICカードヘの電力供給及びデータ信号の入出力が行われなくなる等の問題が生じる。
そこで非接触に電気信号を授受するためのICモジュールで電磁波を発生及び/又は電磁波を受ける構成を有するICカードが出現している。
図1はこのような表面に金属端子のない非接触型ICカードの1例を示す平面図である。図において、ICカード1には、基板2a上にICチップ2b及びR/W(リード/ライト)のための信号授受部としてアンテナ2cが実装されてなるICモジュール2が設けられている。
ここでいうICモジュール2とは、具体的には基板2a上の当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ2b及び、このICチップ2bに接続されたコイル状のアンテナ2cである。
この発明はこれに限定されず、情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。ICモジュール2はアンテナ2cを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。
基板2aとしては、ポリエステル等の熱可逆性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業のEN−4000シリーズ、東芝ケミカルのXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業製アニソルム等)を用いる方法、或いは半田接合を行う方法が知られているがいずれの方法を用いてもよい。
このようなICモジュール2をカード化する場合には、接着剤の層を介して表裏シートの間に貼り合わせる方法がある。しかし、樹脂や接着剤の流動による剪断応力でICチップとアンテナとの接合部が外れたり、樹脂の流動性や冷却ムラに起因してICカード表面の平滑性を損なったりと動作安定性や品質安定性劣化に影響を与える。そのため予め電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にした樹脂層内に封入された形態で使用されることが好ましい。
また、ICチップ2bは点圧強度が弱いためにICチップ近傍に補強板を有することも好ましい。この補強板は例えばステンレス等で構成されており、ICチップの上面、もしくはICチップを挟みこむようにICチップの両面に配置しても良いし、枠状のものを、ICチップの周囲を囲むように配置しても良い。補強板、ないしは枠状の補強材は、接着性のある樹脂封止材を用いて固定される。
キー情報部3はICカード1と他のカードを識別するための属性識別情報で、例えばICカード1の表面に付されたコード番号である。また、文字情報部4はICカード1の表面に付された氏名・職場・発行日などで、画像情報部5は顔などの画像情報である。
図2はICカードの層構成を模式的に示す断面図である。第1のシート材10は接着剤の層6を有し、第2のシート材20は接着剤の層7を有し、この接着剤の層6,7内に、基板2a上にICチップ2b及びアンテナ2cを有するICモジュール2を封入し、ICカード1が作製される。
片面に接着剤の層を有する一対のシート材は、通常、各種プラスチックフィルム等のシート材表面に接着剤を塗布して形成され、接着剤を塗布する方法としては、スピンコータ、ロールコータ、ブレードコータ、ダイコータなどを利用したものがある。特に、湿気硬化型などの反応型接着剤を使用する場合は、塗布前の不必要な硬化反応進行を防止するために、ダイコータを使用するのが好ましい。
また、接着剤シートを別に準備し、貼り合わせ時に所望の構成となるように、一対のシート材の間に、ICモジュール、接着剤の層を順次積層して、熱プレス装置で貼り合わせても良い。
この発明に用いる第1のシート材と第2のシート材の基材は、樹脂製、紙製などが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド樹脂や、上質紙、マット紙、コート紙、合成紙などである。接着剤との接着性を高めるために易接着処理(プライマー塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理等)を付しても良い。
また、ICモジュールは、シート基材にアンテナコイルやICチップ実装部を設けた中間インレットであり、場合によりコンデンサーを含んでもよい。インレットのシート基材は、例えば、エポキシ、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリカーボネート、PVC、PET、ABSなどの樹脂から構成された厚さ数10〜100μm程度の絶縁性のプラスチックシートが一般的に使用される。また、ICチップとアンテナコイルの接続体として、ICチップの入出力端子に金バンプやニッケルバンプを使用し、例えば銅線を巻回してなるアンテナコイルの両端を直接接続したものを、自己圧着性を有する2枚の不織布シートに挟みこんで一体にされている形態のものも使用できる。
例えば、不織シート部材として、不織布などのメッシュ状織物や、平織、綾織、繻子織の織物などがある。また、モケット、プラッシュベロア、シール、ベルベット、スウェードと呼ばれるパイルを有する織物などを用いることができる。材質としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン8等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系等の合成樹脂、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテート)、アラミド繊維の中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた繊維が上げられる。これらの繊維材料において好ましくは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアイド等のアクリル系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨン及びアセテート、アラミド繊維があげられる。
自己圧着性とは、常温又は加熱下でフレキシブル基体に圧縮力を負荷したときに、フレキシブル基体を構成する各繊維が接合されると共に、複数枚のフレキシブル基体材料を重ねあわせて圧縮力を負荷した場合にはそれら重ね合わされたフレキシブル基体材料が互いに接合されることを示し、例えば不織布を構成する繊維にPEΤ−Gをコーティングした場合には、PET−Gの融点以上の加熱下でのプレスにおいて不織布シートが自己圧着される。
また、不織布は厚さ方向への圧縮性を有するため、ICチップとコイルの接続体を間に挟んで2枚の不織布を厚さ方向に圧縮したとき、2枚の不織布の内面に接続体を埋設するための凹部が形成され、不織布の表面は平坦に形成することができるので、表面が平坦で美観に優れた非接触式ICカード等の情報担体を生産することができるアンテナコイルは、外部のリーダ・ライタと非接触でデータの授受を行うものであり、その形状、巻数等は、受信側のアンテナの大きさ、どの程度の距離まで電波を飛ばすか(通信距離)、どの程度の周波数の電波を受信するか(通信周波数)等によって決まる。
また、ICチップは局部的に荷重がかかる点圧強度が弱いため、ICチップ近傍に補強構造物である金属補強板やICチップ周にリング状の補強部材を有することが好ましい。ICモジュールの厚さは、薄いと所定の剛性が得られないし、厚過ぎるとICカードが厚くなり、10〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜300μm、更に好ましくは30〜250μmが好ましい。
この発明に用いられる接着剤としては、例えばエポキシ系2液混合タイプ、UV硬化型接着剤、ホットメルト接着剤、好ましくは湿気硬化型といった反応型ホットメルト接着剤が使われる。ホットメルト樹脂としては、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリルアミド、ポリウレタン等を用いることができる。カード基体が反り易い場合や、カード表面に感熱転写による画像形成のための受像層など高温加工に弱い層が設けられている場合には、貼り合わせ温度が高温すぎると受像層がダメージを受けたり、シート材が熱収縮等を起こし、寸法及び貼り合せ時の位置精度が劣化したりする等の問題点から、接着剤を介して貼り合わせる場合にはシート材及び接着剤の温度が80℃以下で貼り合わせることが好ましく、さらには10〜80℃、より好ましくは20〜80℃であることが好ましい。
低温で接着する接着剤の中でも具体的には、反応型ホットメルト接着剤が好ましい。特に、この発明において好ましいのは、光硬化型ホットメルト接着剤であり、特開2001−56849号等に開示されているように、例えば電子線、紫外線等のエネルギー線を照射することにより活性化する光カチオン重合開始剤により重合もしくは架橋反応を起こす光反応成分とホットメルト接着剤成分とからなる。
前記反応を開始するための光源となるランプは、発光波長300〜500nmを含む低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、マイクロウェーブ水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
この発明の電子情報記録カードの製造方法の一例として、図3に示す真空熱プレス装置を使用したICカード製造方法を説明する。
このICカード製造装置は、上プレス盤72aと下プレス盤72bを備え、下プレス盤72bが固定側となり、上プレス盤72aが可動側となる。また、上プレス盤72aの内部には加熱用ヒータ72a1と冷却用水路72a2を設けるとともに、下プレス盤72bの内部にも加熱用ヒータ72b1と冷却用水路72b2を設ける。
さらに、基体部72cには下プレス盤72bの周りを覆う筒型の下チャンバ部72dを設けるとともに、昇降体部72eには上プレス盤72aの周りを覆う上チャンバ部72fを設ける。この下チャンバ部72dと上チャンバ部72fは、下プレス盤72bと上プレス盤72aが内部に収まるように密封されるチャンバを構成する。
また、上チャンバ部72fには脱気口72gが設けてあり、不図示の脱気装置(真空ポンプ等)を接続することにより、チャンバの内部を脱気することができる。ICカードを製造する際に用いる第1のシート材10と第2のシート材20の間に介在される接着剤の層6,7内にICモジュール2を封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる積層基材100は下プレス盤72b上にセットされる。
この積層基材100を熱圧着する際には、下チャンバ部72dと上チャンバ部72fとを密着させチャンバ内を脱気するとともに、下プレス盤72bと上プレス盤72aの加熱用ヒータ72b1,72a1を通電して加熱した下プレス盤72bと上プレス盤72aにより積層基材100を加圧すれば、積層基材100は内部に含む気泡が除去された状態で熱圧着される。この後、積層基材100を加圧したまま、加熱用ヒータ72b1,72a1の通電を停止し、冷却用水路72b2,72a2に冷却用水を流せば、積層基材100は冷却される。
この発明は、第1のシート材10と第2のシート材20の間に介在される接着剤の層6,7内にICチップ2b及びアンテナ2cを有するICモジュール2を封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせて電子情報記録カードを製造する。この貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%である。
ここで応力緩和率とは、接着剤に貼り合せ時の加圧力相当などの外部力を与えた場合の変形率を定義したものである。図4に示すように、まず、接着剤を500μmの厚さの膜状にした接着剤の層200を有する表面シート201をヒータプレート210上に載置し、この表面シート201の接着剤の層200に、測定プローブ202を用いて一定量の深さ(=一定ひずみ)押し込むことにより、接着剤に圧力を付与し、その後の内部応力の経時変化を応力測定レコーダ203により測定する。
この応力測定レコーダ203による応力の読み取り値は、好ましくは熱プレス時間相当の経過後の値を選択する。この応力測定での一定量の深さは、ICチップ厚み分押し込む。
なお、前記押し込み応力の測定には、島津製作所製の応力測定装置を使用した。応力測定後、初期の最大応力に対して経過時間後の応力値が何%変化したかを「応力変化率」として定義する。すなわち、0%の場合は、一定ひずみにより接着剤層が全く塑性変形せず、完全弾性変形していることを示し、100%の場合は、一定ひずみをあたえた分は完全に塑性変形した(=内部応力が0になった)ということを示す。
温度変化による接着剤の層6における接着剤の応力緩和率変化を、図5に示す。図5中のA,B,Cは、種類の違う接着剤を示している。図5において、横軸は温度を示し、縦軸は応力緩和率を示し、粘弾性評価を行なうと応力緩和率が100%になる程接着剤の流動性が高くなる。
接着剤の層6について、接着剤Aの場合には温度が約70℃以上で応力緩和率が100%以上になり、接着剤Bの場合には約62℃以上、接着剤Cの場合には約58℃以上で応力緩和率が100%以上になる。
接着剤の層6について、接着剤の種類A,B,Cそれぞれ使用した場合において、応力緩和率が100%以上の条件にて貼り合わせをし、好ましくは応力緩和率が20%以下の温度条件になるまで冷却プレスする。この場合、応力緩和率が100%から20%となる温度まで変化する時間が短いほうが、生産上効率が良い。特に貼り合わせ温度よりも20℃低い温度にて応力緩和率が20%以下になる接着剤を使用した場合には、連続ロールラミネート方式を選択することも可能であり、一層の生産性向上が図れる。
この第1の実施の形態では、第1のシート材10と第2のシート材20の間に介在される接着剤層6内にICモジュール2を封入して貼り合わせを行う際、図5に示すように、接着剤の層7について接着剤の応力緩和率が100%である温度条件を選択することにより、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならない。
また、接着剤がホットメルト型接着剤であり、好ましくは反応硬化型ホットメルト接着剤であり、図5に示すように、接着剤層6について、接着剤は第1のシート材10と第2のシート材20を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での応力緩和率が20%以下であれば、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
なお、接着剤Cの場合には、熱圧着で貼り合わせる温度より20℃低い温度での接着剤の応力緩和率が20%以下ではないが、反応型接着剤を適用すると、シートに余計な負荷がかからない状態で静置しておくことで、接着剤の硬化反応の進行により弾性率が高くなって、貼り合わせたシートの反り、カールが抑制できる。この時、表面が平滑な金属板などによって、シートのカール等を矯正するような圧力を付与することにより、接着剤Cのような物性の接着剤でも適用可能である。
また、第2の実施の形態では、貼り合わせを行う際、図5に示すように、接着剤層6について、接着剤は応力緩和率が100%であり、かつ熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での接着剤の応力緩和率が20%以下であることで、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならないと共に、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
また、第3の実施の形態では、貼り合わせを行う際、図5に示すように、接着剤層6について、接着剤の応力緩和率が100%となる温度で熱圧着した後、接着剤の応力緩和率が20%以下になる温度で冷却しながら圧着することで、接着剤の流動性が高く貼り合わせ後の表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならないと共に、貼り合わせ後の製造過程で変形しにくいため、反り、カールなどの発生が無く生産効率が良い。
また、第4の実施の形態では、貼り合わせを行う際、図5に示すように、接着剤層6について、接着剤の応力緩和率が20%以上100%未満となる温度にて真空プレスで仮圧着した後、接着剤の応力緩和率が100%以上となる温度で本圧着するから、内部から気泡が除去された状態で圧着され、表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならない。
[実施例]
厚さ0.18mmで4×6のカード配置となるように、表面にフォーマット印刷されたPETシート上に、厚さ0.2mmのホットメルト接着剤層を塗布し、さらにその上に、二枚の不織布で挟まれた最大厚さが0.3mmである送受信アンテナコイルとICチップからなるICモジュールを載置したのち、もう一方の厚さ0.18mmのPETシート上に厚さ0.2mmのホットメルト接着剤層を塗布したシートを、接着剤が向き合う方向で貼り合わせた。ホットメルト接着剤層は、湿気硬化型ポリウレタンホットメルトを使用した。熱圧着後、冷却プレスをし、多面付けICカードシートを作成後、カード形状に打ち抜き、カード印刷機にてそれぞれのカードに固有情報(氏名や、顔写真等)を印刷して、ICカードを作成した。
表1に示すように、実施例1乃至実施例3を比較例1及び比較例2と比較し、表面凹凸の大小と、カールの発生を評価し、その結果を示す。比較例2は、熱プレス温度、冷却プレス温度は実施例3と同じであるが、その直後、表面研磨処理をしたステンレス板で表裏を挟み、12hr静置後のシートを評価した。
表面凹凸については、実施例1乃至実施例3及び比較例2とも表面の凹凸が小さく外観不良、表面印刷不良等にならない。カールについては、実施例1乃至実施例3、比較例1及び比較例2ともカールなどの発生が無く生産効率が良い。
Figure 2005222102
例えば、名刺、ネームプレート、パスポート、診察カード、テレホンカード、身分証明書、運転免許証、定期券、キャッシュカード、ICカード等の電子情報記録カード及び電子情報記録カードの製造方法に適用される。
表面に金属端子のない非接触型ICカードの1例を示す平面図である。 ICカードの層構成を模式的に示す断面図である。 真空熱プレス装置の概略構成図である。 応力測定装置の概略構成図である。 接着剤の粘弾性評価を示す図である。
符号の説明
1 ICカード
2 ICモジュール
2a 基板
2b ICチップ
2c アンテナ
6,7 接着剤の層
10 第1のシート材
20 第2のシート材

Claims (6)

  1. 第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードにおいて、
    貼り合わせを行う際の前記接着剤の応力緩和率が100%であることを特徴とする電子情報記録カード。
  2. 前記接着剤がホットメルト型接着剤であり、
    前記ICモジュールを封入した状態で、前記第1のシート材と前記第2のシート材を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での応力緩和率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子情報記録カード。
  3. 第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードにおいて、
    貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%であり、かつ前記第1のシート材と前記第2のシート材を熱圧着で貼り合わせる温度よりも20℃低い温度での接着剤の応力緩和率が20%以下であることを特徴とする電子情報記録カード。
  4. 前記接着剤が反応硬化型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子情報記録カード。
  5. 第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードの製造方法において、 貼り合わせを行う際の接着剤の応力緩和率が100%となる温度で熱圧着した後、
    前記接着剤の応力緩和率が20%以下になる温度で冷却しながら圧着することを特徴とする電子情報記録カードの製造方法。
  6. 第1のシート材と第2のシート材の間に介在される接着剤の層内にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入した構成であって、これらを積層した状態で貼り合わせる電子情報記録カードの製造方法において、 接着剤の応力緩和率が20%以上100%未満となる温度にて真空プレスで仮圧着した後、
    接着剤の応力緩和率が100%以上となる温度で本圧着してから、貼り合わせ時の温度以下で冷却プレスを行うことを特徴とする電子情報記録カードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009282900A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Dainippon Printing Co Ltd 非接触icカードの製造方法と非接触icカード
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