JP2005220577A - 外壁固定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】下地材に釘又はビス等の固定具によって固定され外壁材を固定するための外壁固定具において、その形状及び固定具による固定位置を工夫することにより、外壁材に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減するとともに、簡略化した形状で、施工性の向上が図れ、長期間にわたっての安定した外壁材の固定状態を保持することができる外壁固定具を提供する。
【解決手段】外壁材51の裏側面に当接する基板部2と、係止部3と、下地材50の表側面に当接する後背部5と、固定具10が挿通される固定孔6と、下地材50へ当接する下支持片部7とを有する外壁固定具1において、後背部5を、係止部3の基部位置と略同一位置から下地材50側へ向けて立設される水平部5aと水平部5aから上方へ向けて延設され下地材50へ当接する下地材当接部5bとから構成し、後背部5の下部に固定孔6を設けた。また、後背部5の上端部に上支持片部8を設けた。
【選択図】図4
【解決手段】外壁材51の裏側面に当接する基板部2と、係止部3と、下地材50の表側面に当接する後背部5と、固定具10が挿通される固定孔6と、下地材50へ当接する下支持片部7とを有する外壁固定具1において、後背部5を、係止部3の基部位置と略同一位置から下地材50側へ向けて立設される水平部5aと水平部5aから上方へ向けて延設され下地材50へ当接する下地材当接部5bとから構成し、後背部5の下部に固定孔6を設けた。また、後背部5の上端部に上支持片部8を設けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、合板等の下地材に釘またはビス等の固定具によって固定され、サイディング等の外壁材を固定するための外壁固定具の技術に関する。
従来から、サイディング材等の外壁材(外装材)を、躯体側に合板等の下地材を介して固定する際に、外壁材を下地材に固定するために用いる釘やビス等の固定具の頭部が外壁材の表面に露出して意匠的な外観を損なわないようにするため、外壁材の取付金具(以下、外壁固定具とする。)を用いた施工方法が広く公知となっている。この外壁固定具は、まず、釘やビス等の固定具によって下地材に固定され、そして、外壁固定具に形成される係止部に外壁材が係止される。つまり、この外壁固定具は、下地材と外壁材との間に介在するとともに、上下に配置される外壁材の接合部において上下の外壁材にまたがって配置される。
このような施工を行う際に用いられる外壁固定具に関して、外壁材の表面と平行方向に流れる風によって生じ、外壁材を下地材から浮き上がらせるように作用する風圧力に対して、外壁材の破壊を防止したり、外壁材の浮き上がりを防止したりする等の効果を発揮するような技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
このような施工を行う際に用いられる外壁固定具に関して、外壁材の表面と平行方向に流れる風によって生じ、外壁材を下地材から浮き上がらせるように作用する風圧力に対して、外壁材の破壊を防止したり、外壁材の浮き上がりを防止したりする等の効果を発揮するような技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
本発明が解決しようとする課題は次のような点である。すなわち、外壁材に前述のような風圧力が作用した際に、外壁材が浮き上がることで外壁材を係止する外壁固定具の係止部が引っ張られることにより、外壁固定具を下地材に固定するための釘やビス等の固定具に引抜き力が作用するが、固定具による外壁固定具の固定位置によってはこの引抜き力が大きくなってしまう点。そして、固定具に作用する引抜き力が大きくなることにより、各外壁固定具における固定具による固定箇所や、外壁固定具による外壁の固定箇所を多くする必要が生じる点である。また、風圧力による外壁材の浮き上がり等に対して外壁固定具の十分な強度を得ようとすると、外壁固定具の形状が複雑になってしまうことがある点である。
前記特許文献1に開示されている外壁固定具においては、釘などの固定具による外壁固定具の下地材への固定位置と、外壁固定具による外壁材の係止位置との距離が、外壁固定具において離れているため、後述するように、風圧力によって固定具に作用する引抜き力が大きくなってしまう。すなわち、特許文献1に示されている外壁固定具は、風圧力による外壁材の浮き上がりそのものを防止するものではなく、外壁固定具の下側部に薄肉部を設けて外壁固定具の強度を部分的に弱め、外壁固定具を外壁材の動きに追従して変形させることにより、外壁材の浮き上がりによって外壁材の接合部に作用する応力の部分的な集中を回避している。これにより、外壁材の破壊を防止しようとするものである。さらに、上側の外壁材を係止する係止部の上端に断面視略円形状の係止部を設けたり、下地材に当接する面の上端に突条を設けたりすることによって、外壁材の破壊防止の効果を得ようとしている。
しかし、このような技術では外壁固定具の形状が複雑なものとなってしまい、また、外壁固定具に形成される薄肉部の強度と、外壁材が浮き上がることによる薄肉部の変形との関係を調整するのも必ずしも容易とは言えない。つまり、この薄肉部が薄すぎると外壁材が浮き上がることによって外壁固定具が肉薄部から破壊される事態が生じ、逆に、厚すぎるとこの発明による効果を十分に得ることができない。
しかし、このような技術では外壁固定具の形状が複雑なものとなってしまい、また、外壁固定具に形成される薄肉部の強度と、外壁材が浮き上がることによる薄肉部の変形との関係を調整するのも必ずしも容易とは言えない。つまり、この薄肉部が薄すぎると外壁材が浮き上がることによって外壁固定具が肉薄部から破壊される事態が生じ、逆に、厚すぎるとこの発明による効果を十分に得ることができない。
また、前記特許文献2に開示されている外壁固定具においては、外壁固定具を下地材に固定する際の釘打ちによる外壁固定具の変形を防止するため、外壁固定具に下地材の外面に当接する窪み状の中間脚部を設けたり、外壁固定具の強度を高めるため、外壁固定具に各種の補強リブを設けたりしている。そして、釘などの固定具による外壁固定具の下地材への固定位置と、外壁固定具による外壁材の係止位置とが接近することにより、風圧力による外壁材の浮き上がりにともなう外壁固定具の浮き上がりを効果的に防止することができることについて示されている。
しかし、この特許文献2に示されている、外壁固定具の下地材への固定位置と外壁固定具による外壁材の係止位置とが接近することによる効果は、釘打ちによる外壁固定具の変形を防止するためや外壁固定具自体の強度を向上するために設けた前記中間脚部に、釘などの固定具を挿通させる挿通孔を設けることにより得ることができるという、いわば中間脚部を設けることによる付随的な効果となっている。また、この特許文献2に示されている外壁固定具も、中間脚部や各種の補強リブを設けることによって外壁固定具の形状が複雑となっている。さらに、この中間脚部に挿通孔を設けることにより、一つの外壁固定具における釘孔やビス孔の数が増加して施工性の低下につながる場合もある。
しかし、この特許文献2に示されている、外壁固定具の下地材への固定位置と外壁固定具による外壁材の係止位置とが接近することによる効果は、釘打ちによる外壁固定具の変形を防止するためや外壁固定具自体の強度を向上するために設けた前記中間脚部に、釘などの固定具を挿通させる挿通孔を設けることにより得ることができるという、いわば中間脚部を設けることによる付随的な効果となっている。また、この特許文献2に示されている外壁固定具も、中間脚部や各種の補強リブを設けることによって外壁固定具の形状が複雑となっている。さらに、この中間脚部に挿通孔を設けることにより、一つの外壁固定具における釘孔やビス孔の数が増加して施工性の低下につながる場合もある。
そこで、本発明においては、下地材に釘またはビス等の固定具によって固定され外壁材を固定するための外壁固定具において、その形状及び固定具による固定位置などを工夫することにより、外壁材に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減するとともに、簡略化した形状で、施工性の向上が図れ、長期間にわたっての安定した外壁材の固定状態を保持することができる外壁固定具を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、外壁材の裏側面に当接する基板部と、該基板部から外壁材側上方へ向けて屈設され上側の外壁材を係止する上係止部、及び前記基板部から外壁材側下方へ向けて屈設され下側の外壁材を係止する下係止部を備える係止部と、前記基板部から上方へ向けて延設され下地材の表側面に当接する後背部と、該後背部に穿設され固定具が挿通される固定孔と、前記基板部の下端部から下地材側へ向けて立設され下地材へ当接する下支持片部と、を有する外壁固定具において、前記後背部を、前記係止部の基部位置と略同一位置から下地材側へ向けて立設される水平部と、該水平部から上方へ向けて延設され下地材へ当接する下地材当接部とから構成したものである。
請求項2においては、前記固定孔を、前記後背部の下地材当接部の下部に設けたものである。
請求項3においては、前記後背部の上端部に、該後背部から外壁材側へ向けて立設され外壁材へ当接する上支持片部を設けたものである。
請求項4においては、前記後背部の水平部と下地材当接部との間に、下地材側へ向けて上がる斜面部を設け、該斜面部に前記固定孔を設けたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、後背部の下地材への当接面積が増えるため、固定孔を設ける位置、即ち固定具によって外壁固定具を下地材へ固定する位置の自由度が高くなる。これにより、固定具による固定位置を、外壁固定具の係止部による外壁材の係止位置に近付けることが可能となり、外壁材を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって生じる固定具に作用する引抜き力を低減することができるとともに、外壁固定具自体に作用する応力を低減することができるので、外壁固定具自体の強度を向上させるために補強用のリブ等を設ける必要もなく簡略化した形状とすることができる。
また、外壁固定具における後背部の下地材に対する当接面が増加することにより、外壁材を下地材側へ押え付ける方向に作用する風圧力に対して、その力を分散することができ、下支持片部の下地材へのめり込みを防止することができる。これにより、外壁材を押え付ける方向に作用する風圧力によって生じ固定具に作用する引抜き力を低減することができ、安定した外壁材の固定が可能となる。
また、外壁固定具における後背部の下地材に対する当接面が増加することにより、外壁材を下地材側へ押え付ける方向に作用する風圧力に対して、その力を分散することができ、下支持片部の下地材へのめり込みを防止することができる。これにより、外壁材を押え付ける方向に作用する風圧力によって生じ固定具に作用する引抜き力を低減することができ、安定した外壁材の固定が可能となる。
請求項2においては、外壁材を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減することができるので、固定具の引抜き力に対する相対的な固定力が向上する。これにより、各外壁固定具における固定具による固定箇所を少なくすることができるとともに、外壁固定具による外壁材の固定が安定したものとなるので、外壁固定具による外壁材の固定箇所も少なくすることができる。この結果、施工が簡略化され施工性の向上を図ることができる。
また、外壁固定具自体に作用する応力を低減することができるので、外壁固定具自体の強度を向上させるために補強用のリブ等を設ける必要もなく簡略化した形状とすることができる。
また、外壁固定具自体に作用する応力を低減することができるので、外壁固定具自体の強度を向上させるために補強用のリブ等を設ける必要もなく簡略化した形状とすることができる。
請求項3においては、外壁固定具における下地材と外壁材との間が、下支持片部と、後背部の水平部と、上支持片部とによって支持されることとなるため、外壁材を押え付ける方向に作用する強い風圧力に対しても、外壁材の安定した固定状態を保持することができる。これにより、台風や急な突風などによって外壁材に押し付ける向きの強い風圧力が作用した場合においても、下地材へ当接している外壁固定具の下支持片部の先端部が、下地材へめり込んでしまうこともなく、下地材と外壁材との隙間が部分的に狭くなり、通気性が損なわれたり雨水などの滞留が生じたりすることを防止することができるとともに、意匠的な外観が損なわれることも防止できる。また、外壁材を押し付ける向きに作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減することができる。
つまり、本発明の外壁固定具においては、固定具による外壁固定具の下地材への固定位置と、外壁固定具の係止部による外壁材の係止位置とを接近させることにより、外壁材を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減し、また、上支持片部を設けることにより、外壁材を押し付ける方向に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減している。すなわち、これら両方の効果によって固定具に作用する引抜き力を低減することができるので、固定具の引抜き力に対する相対的な固定力が向上し、外壁材のガタツキを防止でき、外壁材の安定化した固定状態を長期にわたって保持するこが可能となる。
つまり、本発明の外壁固定具においては、固定具による外壁固定具の下地材への固定位置と、外壁固定具の係止部による外壁材の係止位置とを接近させることにより、外壁材を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減し、また、上支持片部を設けることにより、外壁材を押し付ける方向に作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力を低減している。すなわち、これら両方の効果によって固定具に作用する引抜き力を低減することができるので、固定具の引抜き力に対する相対的な固定力が向上し、外壁材のガタツキを防止でき、外壁材の安定化した固定状態を長期にわたって保持するこが可能となる。
請求項4においては、固定具を下地材に対して斜下方へ向けて打ち込むことができる。この結果、外壁材が浮き上がる向きに作用する風圧力によって固定具に作用する引抜き力に対しての固定具の固定力が向上し、外壁固定具による一層安定した外壁材の固定が可能となる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の外壁固定具を示す正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図、図4は本発明の外壁固定具を用いた外壁材の固定状態を示す側面図、図5は外壁固定具に作用する力を示す説明図、図6は本発明の外壁固定具の別実施例を示す右側面図、図7は外壁固定具の配置例を示す図、図8は従来の外壁固定具の一例を示す正面図、図9は同じく平面図、図10は同じく右側面図、図11は図8から図10に示す外壁固定具を用いた外壁材の固定状態を示す側面図である。なお、以下の説明においては、外壁固定具において外壁材を係止する側を「前」、下地材に固定される側を「後」とし、外壁固定具による外壁材の係止位置に対して固定具による外壁固定具の下地材への固定位置側を「上」、その反対側を「下」として各部の名称を定義し、説明を行う。
図1は本発明の外壁固定具を示す正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図、図4は本発明の外壁固定具を用いた外壁材の固定状態を示す側面図、図5は外壁固定具に作用する力を示す説明図、図6は本発明の外壁固定具の別実施例を示す右側面図、図7は外壁固定具の配置例を示す図、図8は従来の外壁固定具の一例を示す正面図、図9は同じく平面図、図10は同じく右側面図、図11は図8から図10に示す外壁固定具を用いた外壁材の固定状態を示す側面図である。なお、以下の説明においては、外壁固定具において外壁材を係止する側を「前」、下地材に固定される側を「後」とし、外壁固定具による外壁材の係止位置に対して固定具による外壁固定具の下地材への固定位置側を「上」、その反対側を「下」として各部の名称を定義し、説明を行う。
本発明に係る外壁固定具1は、図4に示すように、サイディング材等の外壁材(外装材)51を、躯体側に合板等の下地材50を介して固定するために用いられるものであり、下地材50と外壁材51との間において、上下に配置される外壁材51・51の接合部、即ち下側に配置される外壁材51の上辺部と上側に配置される外壁材51の下辺部にまたがって配置される。なお、この外壁固定具1を用いる際、その上下を反対にして配置してもよく、また、外壁固定具1を横向きに配置して左右に配置される外壁材51・51の接合部に配置してもよい。また、外壁固定具1は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板材をプレス加工してなるものであるが、本発明の外壁固定具1を構成する素材は、金属に限定されるものではなく、前記各種金属などと同等、またはそれ以上の強度を有する素材であれば、本発明の効果を得ることができる。
図1から図3に示すように、本発明の外壁固定具1は、外壁材51の裏側面に当接する基板部2と、この基板部2から前上方へ向けて屈設され上側の外壁材51を係止する上係止部3a・3a、及び基板部2から前下方へ向けて屈設され下側の外壁材51を係止する下係止部3bを備える係止部3と、基板部2から上方へ向けて延設され下地材50の表側面に当接する後背部5と、この後背部5に穿設され、外壁固定具1を下地材50に固定するための固定具10が挿通される固定孔6と、基板部2の下端部から後方(下地材50側)へ向けて立設され下地材50へ当接する下支持片部7とを有している。
このような外壁固定具1は、釘やビス等の固定具10を外壁固定具1の後背部5に設けられる固定孔6に挿通するとともに、この固定具10によって下地材50に固定される。そして、係止部3の下係止部3bを下側の外壁材51の上辺部に形成される上係止凹部52aに係止させ、係止部3の上係止部3a・3aを上側の外壁材51の下辺部に形成される下係止凹部52bに係止させて外壁材51を取り付け固定する。つまり、外壁固定具1は、係止部3が上下に配置される外壁材51・51の接合部に位置し、基板部2が下側の外壁材51の裏側面に当接し、後背部5及び下支持片部7の先端部が下地材50に当接した状態となる。
前記係止部3の上係止部3a・3aは、基板部2の上端部左右両側において折曲げ形成されており、基板部2の上端から前下方へ向けて傾斜され、そこから上方へ向けて屈設され、側面視でクランク状に形成されている。また、係止部3の下係止部3bは、基板部2の上端部の略中央部において折曲げ形成されており、基板部2から前方(外壁材51側)へ向けて略水平に延設され、そこから左右方向の幅を左右両側へ向けて広くするとともに前下方へ向けて屈設されている。これら上係止部3a・3a及び下係止部3bは、それぞれの基部を基板部2の上端部としており、これら係止部3の基部位置は、側面視において略同一の位置、即ち上下方向において略同一の高さ位置となっている。
前記後背部5は、係止部3の基部位置と略同一位置から後方へ向けて立設される水平部5aと、この水平部5aから上方へ向けて延設され下地材50へ当接する下地材当接部5bとから構成されている。
水平部5aは、基板部2の上端部の左右に設けられている上係止部3a・3aの間において、後方へ向けて略水平方向に折曲げ形成されている。そして、この水平部5aの後端部から、下地材50へ当接する下地材当接部5bが折曲げ形成され上方へ向けて延設されている。すなわち、本発明の外壁固定具1における後背部5は、基板部2の上端位置から、略水平方向に延設される水平部5aと、この水平部5aの後端位置から垂直方向に延設される下地材当接部5bとで、側面視略L字状に形成されている。
水平部5aは、基板部2の上端部の左右に設けられている上係止部3a・3aの間において、後方へ向けて略水平方向に折曲げ形成されている。そして、この水平部5aの後端部から、下地材50へ当接する下地材当接部5bが折曲げ形成され上方へ向けて延設されている。すなわち、本発明の外壁固定具1における後背部5は、基板部2の上端位置から、略水平方向に延設される水平部5aと、この水平部5aの後端位置から垂直方向に延設される下地材当接部5bとで、側面視略L字状に形成されている。
このように、後背部5を形成することにより、下地材当接部5bが略全面にわたって下地材50に当接することとなるので、後背部5の下地材50への当接面積が増えるため、固定孔6を設ける位置、即ち固定具10によって外壁固定具1を下地材50へ固定する位置の自由度が高くなる。これにより、固定具10による固定位置を、外壁固定具1の係止部3による外壁材51の係止位置に近付けることが可能となり、後述するように、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって生じる固定具10に作用する引抜き力を低減することができる。
また、外壁固定具1における後背部5の下地材50に対する当接面が増加することにより、外壁材51を下地材50側へ押え付ける方向に作用する風圧力に対して、その力を分散することができ、下支持片部7の下地材50へのめり込みを防止することができる。これにより、外壁材51を押え付ける方向に作用する風圧力によって生じ固定具10に作用する引抜き力を低減することができ、安定した外壁材51の固定が可能となる。
また、外壁固定具1における後背部5の下地材50に対する当接面が増加することにより、外壁材51を下地材50側へ押え付ける方向に作用する風圧力に対して、その力を分散することができ、下支持片部7の下地材50へのめり込みを防止することができる。これにより、外壁材51を押え付ける方向に作用する風圧力によって生じ固定具10に作用する引抜き力を低減することができ、安定した外壁材51の固定が可能となる。
ところで、本発明の外壁固定具1においては、外壁固定具1を下地材50へ固定するための固定具10が挿通される固定孔6は、後背部5の下地材当接部5bに穿設され、この固定孔6が設けられる位置が、外壁固定具1の下地材50に対する固定位置となる。
そして、本発明の外壁固定具1では、固定孔6を下地材当接部5bの下部位置、即ち後背部5の下部に設けている。
そして、本発明の外壁固定具1では、固定孔6を下地材当接部5bの下部位置、即ち後背部5の下部に設けている。
このように、外壁固定具1の下地材50への固定位置となる固定孔6を、後背部5の下部に設けることにより、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置と、係止部3、即ち外壁固定具1による外壁材51の係止位置との上下方向の位置が近接することとなり、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって生じる固定具10に作用する引抜き力を低減することができる。
以下、この外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって外壁固定具1に作用する力と、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置との関係について、従来の外壁固定具と比較して説明する。
以下、この外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって外壁固定具1に作用する力と、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置との関係について、従来の外壁固定具と比較して説明する。
まず、従来の外壁固定具の場合について説明する。
図8から図10には、従来の外壁固定具の一例を示している。この従来の外壁固定具101は、外壁材の裏側面に当接する基板部102と、この基板部102の略中央部から前上方へ向けて屈設され上側の外壁材51を係止する上係止部103a、及び基板部102の左右両側から前下方へ向けて屈設され下側の外壁材51を係止する下係止部103b・103bを備える係止部103と、基板部102から後上方へ向けて延設され下地材50の表側面に当接する後背部105と、この後背部105に穿設され固定具10が挿通される固定孔106と、基板部102の下端部から後方へ向けて立設され下地材50へ当接する下支持片部107とを有している。そして、後背部105は、基板部102から後上方へ向けて延設される斜面部105aと、この斜面部105aの後端から上方へ向けて延設される下地材当接部105bとから構成され、この下地材当接部105bに、前記固定孔106が設けられている。
図8から図10には、従来の外壁固定具の一例を示している。この従来の外壁固定具101は、外壁材の裏側面に当接する基板部102と、この基板部102の略中央部から前上方へ向けて屈設され上側の外壁材51を係止する上係止部103a、及び基板部102の左右両側から前下方へ向けて屈設され下側の外壁材51を係止する下係止部103b・103bを備える係止部103と、基板部102から後上方へ向けて延設され下地材50の表側面に当接する後背部105と、この後背部105に穿設され固定具10が挿通される固定孔106と、基板部102の下端部から後方へ向けて立設され下地材50へ当接する下支持片部107とを有している。そして、後背部105は、基板部102から後上方へ向けて延設される斜面部105aと、この斜面部105aの後端から上方へ向けて延設される下地材当接部105bとから構成され、この下地材当接部105bに、前記固定孔106が設けられている。
図11に示すように、外壁固定具101も、本発明にかかる外壁固定具1と同様にして、釘やビス等の固定具10を外壁固定具101の後背部105に設けられる固定孔106に挿通するとともに、この固定具10によって下地材50に固定される。そして、係止部103の下係止部103b・103bを下側の外壁材51の上辺部に形成される上係止凹部52aに係止させ、上係止部103aを上側の外壁材51の下辺部に形成される下係止凹部52bに係止させて外壁51を取り付け固定する。つまり、外壁固定具101は、係止部103が上下に配置される外壁材51・51の接合部に位置し、基板部102が外壁材51の裏側面に当接し、後背部105及び下支持片部107の先端部が下地材50に当接した状態となる。
このようにして外壁固定具101を用いて取り付けられる外壁材51に作用し、前述したように外壁材を浮き上がらせる方向の力である風圧力は、上下に配置される外壁材51・51の接合部において外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する。これにより、外壁材51・51を接合部にて係止している外壁固定具101の係止部103には、外壁材51が浮き上がる方向に引っ張られる力が作用する。この外壁材51に作用する風圧力によって外壁固定具101の係止部103に作用する力を風圧力Pとする。そして、この風圧力Pが外壁固定具101に作用すると、外壁固定具101が側面視においてその後背部105の上端部を支点Nとして浮き上がる方向に引っ張られる。これにより、固定具10には、この固定具10を引き抜こうとする力(以下、引抜き力Vとする。)が作用する。これら風圧力Pと引抜き力Vとは、風圧力Pの大きさをp、引抜き力Vの大きさをvとし、支点Nと引抜き力Vが作用する点(作用点)との上下方向の距離をa、引抜き力Vが作用する点と風圧力Pが作用する点(力点)との上下方向の距離をbとすると、てこの原理より次式(1)の関係を満たす。
v={(a+b)/a}×p ・・・(1)
前述のように外壁固定具101に風圧力Pが作用した場合、固定具10が引き抜かれないためには、引抜き力Vの作用する方向と反対方向の、固定具10の下地材50への固定を保持する力(以下、固定力Fとする。)が、引抜き力Vの大きさvよりも大きくなくてはならない。しかし、図11に示すように、従来の外壁固定具101においては、固定具10による下地材50への固定位置と外壁固定具101の係止部103による外壁材51の係止位置とが離れており、支点Nと引抜き力Vが作用する点との距離aと比較して、引抜き力Vが作用する点と風圧力Pが作用する点との距離bが長くなっているため、前記式(1)より、引抜き力Vが大きくなってしまう。つまり、外壁材51に強い風圧力が作用すると、外壁材51が図11の二点鎖線で示すように浮き上がってしまい、固定具10が引き出されてしまうこととなる。すなわち、一つの固定具10の有する固定力Fは限られているため、引抜き力Vに対応するためには、各外壁固定具101における固定具10による固定箇所を多くしたり、外壁固定具101による固定箇所を多くしたりする必要が生じる。これでは、施工の手間がかかり、使用する外壁固定具や固定具の数が増えるためコスト的にも好ましくない。
v={(a+b)/a}×p ・・・(1)
前述のように外壁固定具101に風圧力Pが作用した場合、固定具10が引き抜かれないためには、引抜き力Vの作用する方向と反対方向の、固定具10の下地材50への固定を保持する力(以下、固定力Fとする。)が、引抜き力Vの大きさvよりも大きくなくてはならない。しかし、図11に示すように、従来の外壁固定具101においては、固定具10による下地材50への固定位置と外壁固定具101の係止部103による外壁材51の係止位置とが離れており、支点Nと引抜き力Vが作用する点との距離aと比較して、引抜き力Vが作用する点と風圧力Pが作用する点との距離bが長くなっているため、前記式(1)より、引抜き力Vが大きくなってしまう。つまり、外壁材51に強い風圧力が作用すると、外壁材51が図11の二点鎖線で示すように浮き上がってしまい、固定具10が引き出されてしまうこととなる。すなわち、一つの固定具10の有する固定力Fは限られているため、引抜き力Vに対応するためには、各外壁固定具101における固定具10による固定箇所を多くしたり、外壁固定具101による固定箇所を多くしたりする必要が生じる。これでは、施工の手間がかかり、使用する外壁固定具や固定具の数が増えるためコスト的にも好ましくない。
次に、本発明の外壁固定具1の場合について図5を用いて説明する。
本発明の外壁固定具1においては、前述したように固定孔6が後背部5の下部に設けられているため、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置が、外壁固定具1の係止部3による外壁材51の係止位置に近接している。このことを前述の式(1)に対応させると、支点Nと引抜き力Vが作用する点との距離aと比較して、引抜き力Vが作用する点と風圧力Pが作用する点との距離bが短くなっているため、固定具10に作用する引抜き力Vが低減されることとなる。
つまり、本発明の外壁固定具1のように、外壁固定具1の下地材50への固定位置と外壁材51の係止部3による係止位置とを近付けることにより、前述したような従来の外壁固定具101と比較して、式(1)から、固定具10に作用する引抜き力Vの大きさvが、外壁固定具1の係止部3に作用する風圧力Pの大きさpに近い値となり、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力Vが低減される。
本発明の外壁固定具1においては、前述したように固定孔6が後背部5の下部に設けられているため、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置が、外壁固定具1の係止部3による外壁材51の係止位置に近接している。このことを前述の式(1)に対応させると、支点Nと引抜き力Vが作用する点との距離aと比較して、引抜き力Vが作用する点と風圧力Pが作用する点との距離bが短くなっているため、固定具10に作用する引抜き力Vが低減されることとなる。
つまり、本発明の外壁固定具1のように、外壁固定具1の下地材50への固定位置と外壁材51の係止部3による係止位置とを近付けることにより、前述したような従来の外壁固定具101と比較して、式(1)から、固定具10に作用する引抜き力Vの大きさvが、外壁固定具1の係止部3に作用する風圧力Pの大きさpに近い値となり、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力Vが低減される。
以上説明したように、本発明の外壁固定具1においては、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力Vを低減することができるので、固定具10の引抜き力Vに対する相対的な固定力Fが向上する。これにより、各外壁固定具1における固定具10による固定箇所を少なくすることができるとともに、外壁固定具1による外壁材51の固定が安定したものとなるので、外壁固定具1による外壁材51の固定箇所も少なくすることができる。この結果、施工が簡略化され施工性の向上を図ることができる。
なお、本実施例においては、図1に示すように、固定孔6を略水平方向に等間隔に三箇所設けているが、中央に位置する固定孔にのみを固定具10によって固定することによっても十分な強度を得ることができる。すなわち、左右両側の固定孔は、下地材50の素材などによって任意に使用するための補助的なものであり、固定具10による固定箇所は必要に応じて増減できる。
一方、外壁材51に対しては、前述した風圧力とは反対方向の外壁材51を押し付ける方向の風圧力も作用する。この正面から吹き付けられる風による風圧力が外壁材51に作用した場合、外壁固定具にも下地材50側へ押し付ける力が作用する。
これに対し、従来の外壁固定具101は、図11に示すように、斜面部105aと下支持片部107とで下地材50と外壁材51との間を支持することになる。特に、外壁材51を押し付ける向きの風圧力と同一方向に立設している下支持片部107の方に大きな力が作用することとなる。このため、台風や急な突風などによって外壁材51に押し付ける向きの強い風圧力が作用した場合、下地材50へ当接している下支持片部107の先端部が下地材50へめり込んでしまう場合も考えられる。このような事態が発生した場合、下地材50と外壁材51との隙間が部分的に狭くなり、通気性が損なわれたり雨水などの滞留が生じたりし、外観上においても好ましくない。さらに、このように下支持片部107が下地材50にめり込むことによって、斜面部105aの上端の屈曲部を支点として、固定具10に対する引抜き力が発生する。
つまり、外壁材51を押し付けようとする方向の風圧力によって生じる引抜き力と、前述したような外壁材51を浮き上がらせようとする方向の風圧力によって生じる引抜き力Vとが、それぞれ固定具10に作用することにより、その都度固定具10が抜ける方向に引っ張られることで、年月が経つにつれて固定具10が次第に引き出されていくおそれもある。このような状態になると、外壁材51のガタツキが生じ易くなってしまい、安定した外壁材51の固定が保持されないこととなる。
これに対し、従来の外壁固定具101は、図11に示すように、斜面部105aと下支持片部107とで下地材50と外壁材51との間を支持することになる。特に、外壁材51を押し付ける向きの風圧力と同一方向に立設している下支持片部107の方に大きな力が作用することとなる。このため、台風や急な突風などによって外壁材51に押し付ける向きの強い風圧力が作用した場合、下地材50へ当接している下支持片部107の先端部が下地材50へめり込んでしまう場合も考えられる。このような事態が発生した場合、下地材50と外壁材51との隙間が部分的に狭くなり、通気性が損なわれたり雨水などの滞留が生じたりし、外観上においても好ましくない。さらに、このように下支持片部107が下地材50にめり込むことによって、斜面部105aの上端の屈曲部を支点として、固定具10に対する引抜き力が発生する。
つまり、外壁材51を押し付けようとする方向の風圧力によって生じる引抜き力と、前述したような外壁材51を浮き上がらせようとする方向の風圧力によって生じる引抜き力Vとが、それぞれ固定具10に作用することにより、その都度固定具10が抜ける方向に引っ張られることで、年月が経つにつれて固定具10が次第に引き出されていくおそれもある。このような状態になると、外壁材51のガタツキが生じ易くなってしまい、安定した外壁材51の固定が保持されないこととなる。
そこで、本発明の外壁固定具1においては、基板部2の下端部、即ち外壁固定具1の下端部に設けられている下支持片部7に加えて、後背部5の上端部、即ち外壁固定具1の上端部に上支持片部8を設けている。
この上支持片部8は、後背部5の下地材当接部5bの上端部から前方へ向けて立設される水平部8aと、この水平部8aから下方へ向けて延設され外壁材51へ当接する垂直部8bとから構成されている。
水平部8aは、下地材当接部5bの上端部から前方へ向けて略水平方向に折曲げ形成されている。そして、この水平部8aの前端部から、垂直部8bが折曲げ形成され下方へ向けて延設されている。すなわち、上支持片部8は、これら水平部8aと垂直部8bとで側面視略L字状に形成されている。なお、この上支持片部8の垂直部8bは、本実施例では水平部8aを下方に折り曲げて形成されているが、後述する図6に示すような外壁固定具1の別実施例のように、上方へ向けて折り曲げて形成してもよく、また、垂直部8bを設けない構成とすることもできる。
この上支持片部8は、後背部5の下地材当接部5bの上端部から前方へ向けて立設される水平部8aと、この水平部8aから下方へ向けて延設され外壁材51へ当接する垂直部8bとから構成されている。
水平部8aは、下地材当接部5bの上端部から前方へ向けて略水平方向に折曲げ形成されている。そして、この水平部8aの前端部から、垂直部8bが折曲げ形成され下方へ向けて延設されている。すなわち、上支持片部8は、これら水平部8aと垂直部8bとで側面視略L字状に形成されている。なお、この上支持片部8の垂直部8bは、本実施例では水平部8aを下方に折り曲げて形成されているが、後述する図6に示すような外壁固定具1の別実施例のように、上方へ向けて折り曲げて形成してもよく、また、垂直部8bを設けない構成とすることもできる。
このように、外壁固定具1の上部において、上支持片部8を設けることにより、外壁固定具1における下地材50と外壁材51との間は、下支持片部7と、前述した後背部5の水平部5aと、この上支持片部8とによって支持されることとなるため、外壁材51を押え付ける方向に作用する強い風圧力に対しても、外壁材51の安定した固定状態を保持することができる。これにより、台風や急な突風などによって外壁材51に押し付ける向きの強い風圧力が作用した場合においても、下地材50へ当接している外壁固定具1の下支持片部7の先端部が、下地材50へめり込んでしまうこともなく、下地材50と外壁材51との隙間が部分的に狭くなり、通気性が損なわれたり雨水などの滞留が生じたりすることを防止することができるとともに、意匠的な外観が損なわれることも防止できる。また、前述したような、外壁材51を押し付ける向きに作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力を低減することができる。
つまり、本発明の外壁固定具1においては、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置と、外壁固定具1の係止部3による外壁材51の係止位置とを接近させることにより、外壁材51を浮き上がらせる方向に作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力を低減し、また、上支持片部8を設けることにより、外壁材51を押し付ける方向に作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力を低減している。すなわち、これら両方の効果によって固定具10に作用する引抜き力を低減することができるので、固定具10の引抜き力Vに対する相対的な固定力Fが向上し、外壁材51のガタツキを防止でき、外壁材51の安定化した固定状態を長期にわたって保持するこが可能となる。
続いて、本発明の外壁固定具1の別実施例について、図6を用いて説明する。なお、前記実施例と同様の機能及び形状を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例の外壁固定具1においては、後背部5は、係止部3の基部位置と略同一位置から後方へ向けて立設される水平部5aと、この水平部5aから後上方へ向けて延設される斜面部5cと、この斜面部5cから上方へ向けて延設され下地材50へ当接する下地材当接部5bとから構成されている。
斜面部5cは、水平部5aの後端部から後上方に折曲げ形成されており、この斜面部5cの後端部から、下地材50へ当接する下地材当接部5bが折曲げ形成され上方へ向けて延設されている。つまり、本実施例においては、前記実施例において後背部5を構成する水平部5aと下地材当接部5bとの間に、斜面部5cを設けているのである。そして、この斜面部5cに、前記固定孔6を設けている。
本実施例の外壁固定具1においては、後背部5は、係止部3の基部位置と略同一位置から後方へ向けて立設される水平部5aと、この水平部5aから後上方へ向けて延設される斜面部5cと、この斜面部5cから上方へ向けて延設され下地材50へ当接する下地材当接部5bとから構成されている。
斜面部5cは、水平部5aの後端部から後上方に折曲げ形成されており、この斜面部5cの後端部から、下地材50へ当接する下地材当接部5bが折曲げ形成され上方へ向けて延設されている。つまり、本実施例においては、前記実施例において後背部5を構成する水平部5aと下地材当接部5bとの間に、斜面部5cを設けているのである。そして、この斜面部5cに、前記固定孔6を設けている。
このように、後背部5の水平部5aと下地材当接部5bとの間に斜面部5cを設け、この斜面部5cに固定具10が挿通される固定孔6を設けることにより、図6に示すように、固定具10を下地材50に対して斜下方へ向けて打ち込むことができる。この結果、前述したような、外壁材51が浮き上がる向きに作用する風圧力によって固定具10に作用する引抜き力Vに対しての固定具10の固定力Fが向上し、外壁固定具1による一層安定した外壁材51の固定が可能となる。
以上説明した、本発明の外壁固定具1の施工状態の配置例を、従来の外壁固定具101を用いた場合と比較して図7に示す。
図7には、外壁材の四隅に外壁固定具を配置して、下地材50に外壁材を上下方向及び左右方向に連続的に施工した状態を示している。
図7(b)には、従来の外壁固定具101を用いた場合を示している。この場合の、外壁固定具101を用いて下地材50に安定して固定できる外壁材を、高さ(上下方向の長さ)H、幅(左右方向の長さ)Lの寸法を有する外壁材151とする。つまり、従来の外壁固定具101を用いた場合、この外壁材151の下地材50へ十分な固定強度を得るためには、外壁材151の寸法より、上下方向については距離H毎、左右方向については距離L毎に外壁固定具101を配置する必要があるということである。
図7には、外壁材の四隅に外壁固定具を配置して、下地材50に外壁材を上下方向及び左右方向に連続的に施工した状態を示している。
図7(b)には、従来の外壁固定具101を用いた場合を示している。この場合の、外壁固定具101を用いて下地材50に安定して固定できる外壁材を、高さ(上下方向の長さ)H、幅(左右方向の長さ)Lの寸法を有する外壁材151とする。つまり、従来の外壁固定具101を用いた場合、この外壁材151の下地材50へ十分な固定強度を得るためには、外壁材151の寸法より、上下方向については距離H毎、左右方向については距離L毎に外壁固定具101を配置する必要があるということである。
一方、図7(a)に示すように、本発明の外壁固定具1を用いて、同図(b)に示した場合と略同じ固定強度を得ようとした場合、下地材50に固定できる外壁材51の寸法は、高さ2H、幅2Lとなる。つまり、上下方向については距離2H毎、左右方向については距離2L毎に外壁固定具1を配置するだけで、外壁固定具1による外壁材51の十分な固定強度を得ることができる。すなわち、本発明の外壁固定具1を用いることにより、従来の外壁固定具101を用いた場合と比較して、同様にして固定する場合の外壁材の面積を広くすることができる。言い換えると、本発明の外壁固定具1を用いることにより、従来の外壁固定具101と比較して、一定面積内における外壁固定具による固定位置を少なくすることができる。
以上説明したように、本発明の外壁固定具1は、その有する形状により、固定具10による外壁固定具1の下地材50への固定位置と外壁固定具1の係止部3による外壁材51の係止位置とを近付けることが可能となり、これにより、風圧力によって固定具10に作用する引抜き力を低減することができるとともに、外壁固定具1自体に作用する応力を低減することができる。つまり、外壁固定具1自体の強度を向上させるために補強用のリブ等を設ける必要もなく簡略化した形状とすることができる。また、風圧力によって固定具10に作用する引抜き力を低減することにより、外壁固定具1における風圧力に対する相対的な固定力が向上するので、各外壁固定具1における釘などの固定具10による下地材50への固定箇所及び外壁固定具1による外壁材51の固定箇所を、従来と比較して少なくすることが可能となり、施工性の向上を図ることができるとともに、長期間にわたっての安定した外壁材51の固定状態を保持することが可能となる。
1 外壁固定具
2 基板部
3 係止部
3a 上係止部
3b 下係止部
5 後背部
5a 水平部
5b 下地材当接部
6 固定孔
7 下支持片部
8 上支持片部
10 固定具
50 下地材
51 外壁材
2 基板部
3 係止部
3a 上係止部
3b 下係止部
5 後背部
5a 水平部
5b 下地材当接部
6 固定孔
7 下支持片部
8 上支持片部
10 固定具
50 下地材
51 外壁材
Claims (4)
- 外壁材の裏側面に当接する基板部と、該基板部から外壁材側上方へ向けて屈設され上側の外壁材を係止する上係止部、及び前記基板部から外壁材側下方へ向けて屈設され下側の外壁材を係止する下係止部を備える係止部と、前記基板部から上方へ向けて延設され下地材の表側面に当接する後背部と、該後背部に穿設され固定具が挿通される固定孔と、前記基板部の下端部から下地材側へ向けて立設され下地材へ当接する下支持片部と、を有する外壁固定具において、
前記後背部を、前記係止部の基部位置と略同一位置から下地材側へ向けて立設される水平部と、該水平部から上方へ向けて延設され下地材へ当接する下地材当接部とから構成したことを特徴とする外壁固定具。 - 前記固定孔を、前記後背部の下地材当接部の下部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の外壁固定具。
- 前記後背部の上端部に、該後背部から外壁材側へ向けて立設され外壁材へ当接する上支持片部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外壁固定具。
- 前記後背部の水平部と下地材当接部との間に、下地材側へ向けて上がる斜面部を設け、該斜面部に前記固定孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の外壁固定具。
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- 2004-02-04 JP JP2004028362A patent/JP2005220577A/ja active Pending
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