JP2005210005A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005210005A
JP2005210005A JP2004017177A JP2004017177A JP2005210005A JP 2005210005 A JP2005210005 A JP 2005210005A JP 2004017177 A JP2004017177 A JP 2004017177A JP 2004017177 A JP2004017177 A JP 2004017177A JP 2005210005 A JP2005210005 A JP 2005210005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate electrode
region
varactor
conductivity type
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004017177A
Other languages
English (en)
Inventor
Morikazu Tsuno
盛和 津野
Akio Miyajima
明夫 宮島
Emi Kanezaki
恵美 金崎
Yoshio Miura
美穂 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004017177A priority Critical patent/JP2005210005A/ja
Publication of JP2005210005A publication Critical patent/JP2005210005A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 容量可変範囲の大きなバラクタを含む半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体装置は、Nウェル101上に絶縁膜103を介して形成されたゲート電極105と、ゲート電極105の下のNウェル101の表面領域にP型不純物を導入することによって形成したカウンター不純物層108とを備えている。ゲート電極105とカウンター不純物層108とによって容量を生成するバラクタが含まれている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧可変コンデンサ(バラクタ)、特に、既存のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )プロセスを用いて作製するMOS(Metal Oxide Semiconductor )型バラクタの構造および製造方法に関するものである。
従来、多くの無線周波数(RF、Radio Frequency )回路において、電圧可変コンデンサであるバラクタが汎用されている。
バラクタを実現する既知の構造としては、PN接合の空乏層容量を利用したものがあり、具体的にはバラクタ・ダイオードがある。ここで、バラクタの性能を評価するための指標として、上記のようなPN接合容量バラクタの場合は、同調比がしばしば用いられている。同調比とは、所定のPN接合逆バイアスV2における容量C2と、他の所定の逆バイアスV1(V1<V2)における容量C1(C1>C2)との比(C2/C1)である。この同調比が大きいほど、バラクタに印加する一定の電圧幅でより大きな容量変化が可能となるので、RF集積回路において制御可能なアンテナの共振周波数範囲が広くなる。
図11は、PN接合バラクタダイオードの容量のバイアス電圧依存性を示す図である。PNダイオードにおいては、PN接合に印加する逆バイアス電圧をV1からV2に増大していくと、PN接合部における空乏層幅が拡大するため、容量は減少する。この空乏層幅は、良く知られているように不純物の濃度に依存し、不純物濃度が高くなると、空乏層幅は狭くなって容量C2が増大する。このため、小さいC2を得る目的で空乏層幅を大きくするには、PN接合バラクタの場合は印加電圧を大きくしなければならない。従って、最近多く用いられるような低電圧低消費電力の集積回路用には、PN接合バラクタは適していない。
近年、回路の小型化の要望が高まり、CMOSデバイスとバラクタとを1チップに搭載することが要請されている。この目的のためには、CMOSとほぼ同じ製造工程で形成できるMOS型バラクタが有利であり、広く使用されてきている。この型のバラクタはMOS型容量のゲート電圧依存性を利用するものであり、例えばN型基板に形成したとき、印加電圧に対して容量は例えば図12に示すように変化する。MOS型バラクタでは、図12から明らかなように、所定の正バイアスV3における容量Cmax と、負バイアス−V3における容量Cmin との比を同調比(Cmax /Cmin )として設定することができる。すなわち正電圧及び負電圧の両方を用いて容量を変化させることができるので、電圧変化幅2V3の1/2の電源電圧で十分な動作を行なわせることができる。この特性は、半導体デバイスを高集積化し、電源電圧を低電圧化させた場合でも、それに伴う小さな電圧幅で大きな同調比を確保できることを意味する。そのため、既存のCMOSプロセスを用いてバラクタとして機能するMOSキャパシタを形成することが行われているのである。
図12は、理想的なバラクタ(MOSキャパシタ)の容量のバイアス電圧依存性を示している。MOSキャパシタにおいては、N型Si基板表面におけるキャリアの空乏化が進む方向である負バイアス−V3をゲート電極に印加すると、空乏層幅が拡大するため、容量Cが減少する。
また、バイアス電圧が一定の範囲にある場合には、容量Cはバイアス電圧に依存して大きく変化する。しかし、バイアス電圧が該範囲よりも大きい場合及び小さい場合には、容量Cのバイアス電圧に対する依存性は小さくなり、バイアス電圧に関わらず容量Cはそれぞれほぼ一定の値となる。
ここで、容量Cがバイアス電圧に依存して大きく変化する範囲を容量可変領域と呼ぶことにする。バイアス電圧が−V3からV3までの値をとる条件で容量可変領域を最大限に利用するには、容量Cが容量Cmax と容量Cmin の平均容量となる時のバイアス電圧を中心電圧Vcとして、中心電圧Vcが0に近いほど良い。これは、中心電圧Vcが0から正負どちらかへずれると、ゲート電圧V3または−V3が容量可変領域を外れて容量Cのほとんど変化しない領域に入り、電圧変化幅の割には容量変化が少なくなるからである。
また、空乏層幅及び中心電圧Vcは、MOSキャパシタのC−V特性から良く知られているように、Si基板表面の不純物濃度に依存する。不純物濃度が高くなると、空乏層幅が狭くなることによる容量Cmin の増大と中心電圧Vcの負のバイアス側への若干のシフトとが起こる。
図13は、CMOSデバイスとバラクタ(MOSキャパシタ)とが搭載された従来の半導体装置を示す断面図である。以下に、該半導体装置の構成を説明する。
P型Si基板10上に、N型不純物のドープされたNウェル11が形成されている。また、P型Si基板上にSTI(Shallow Trench Isolation)12が形成され、P型Si基板10の表面部を複数の活性領域に区画している。複数の活性領域として、CMOSデバイス中のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Feild Effect Transistor )が設けられるトランジスタ形成領域Trと、バラクタが設けられるバラクタ形成領域Vaとがある。但し、CMOSデバイス中のMOSFETには、N型MOSFETとP型MOSFETとがあるが、図13にはP型MOSFETを形成する領域のみが図示されている。
トランジスタ形成領域TrのP型Si基板10上に、ゲート絶縁膜13を介して第1のゲート電極14が形成されている。該第1のゲート電極14は、P型不純物がドープされたポリシリコンからなる。また、バラクタ形成領域VaのP型Si基板10の上に、ゲート伝絶縁膜13を介して第2のゲート電極15が形成されている。該第2のゲート電極15は、N型不純物がドープされたポリシリコンからなる。
トランジスタ形成領域Trの第1のゲート電極14の両側の領域に、P型不純物がドープされたソース・ドレイン領域(ソース領域及びドレイン領域をまとめてこのように呼ぶことにする)16が形成されている。また、バラクタ形成領域Vaの第2のゲート電極15の両側の領域に、N型不純物がドープされた基板コンタクト領域17が形成されている。
P型Si基板10、Nウェル11、STI12、ゲート絶縁膜13、第1のゲート電極14、第2のゲート電極15、ソース・ドレイン領域16及び基板コンタクト領域17を覆うように、層間絶縁膜18が形成されている。層間絶縁膜18に対し、コンタクトホール(図示せず)が形成されている。
図13に示す構造は、以下の製造プロセスにより形成される。
まず、P型Si基板10に、Nウェル11とSTI12とを形成する。その後、トランジスタ形成領域Trとバラクタ形成領域Vaとにおいて、共通のゲート絶縁膜13を形成する。次に、トランジスタ形成領域Trにおいて、P型Si基板10上に、ゲート絶縁膜13を介してP型不純物をドープしたポリシリコンからなる第1のゲート電極14を形成する。続いて第1のゲート電極14をマスクとして、P型不純物のイオン注入を行なってソース・ドレイン領域16を形成する。
次に、バラクタ形成領域Vaにおいて、P型Si基板10上に、ゲート絶縁膜13を介してN型不純物をドープしたポリシリコンからなる第2のゲート電極15を形成する。続いて第2のゲート電極15をマスクとして、N型不純物のイオン注入を行なって基板コンタクト領域17を形成する。
尚、該従来の半導体装置にはCMOSデバイスが搭載されているのであるから、図示しているP型MOSFETに加えてN型MOSFET(図示せず)も含んでいる。そこで、基板コンタクト領域17は、CMOSデバイス中のN型MOSFETのソース・ドレイン領域形成と同一の工程で形成される。
以上のようにして、既存のCMOSデバイスの製造プロセスを利用して、図13に示す構造を持つ半導体装置の各部材を形成することができる。
尚、図13では1個のバラクタを示しているが、このバラクタ全体を平面で見ると、図14のようにパターンレイアウトされている。Nウェルの基板コンタクト領域17に挟まれた領域上に形成されたバラクタの第2のゲート電極15は、それぞれ1本の幅は小さくなるように複数に分割され且つ互いに電気的に接続されている。そしてバラクタに電圧を印加するために第2のゲート電極15上に第1のコンタクトホール19が形成されていると共に、基板コンタクト領域17上に第2のコンタクトホール20が形成されている。
バラクタのゲート電極は、原則的には所定の容量が得られる面積を持つ単一のゲート電極であれば良い。しかし、集積回路の動作周波数が例えば数GHzの領域になると、電極の抵抗が無視できなくなり、ノイズ特性などに悪影響を及ぼす。電極が大きいほど抵抗の影響は顕著になるから、ゲート電極を総面積が所定の容量の得られる面積である幅の狭い複数のゲート電極に分割することで抵抗の影響を緩和している。これとともに、複数に分割されたゲート電極は互いに電気的に接続された構造とし、その隙間に第2のコンタクトホール20を置いているのである。
また、ゲート電極材料を上記のようなポリシリコンに代えて、高融点金属シリサイドとポリシリコンの2層構造とすることでゲート電極を低抵抗化することも行なわれている。
特開平9−121025号公報
しかしながら、上記既存のCMOSプロセスを用いたバラクタ構造においては、以下のような問題があった。
トランジスタのパターン寸法の微細化が進むにつれて、基板不純物濃度はスケーリング則に従い高濃度化される。このときSi基板表面の不純物濃度はトランジスタ特性に対して最適化される。そのため、図13のバラクタ形成領域Vaにおいても、Nウェル11表面での不純物濃度はトランジスタ形成領域TrのNウェル11と同等の比較的高い値となっている。このため、空乏層の広がりが抑制され、結果として容量値Cmin が増大する。これと同時に、容量値Cmin を示すときの印加電圧Vmin と、容量値Cmax を示すときの印加電圧Vmax との平均電圧を中心電圧Vcとしたとき、中心電圧Vcがゼロから大きく負のバイアス側にシフトする。このことから、容量変化が最大幅になるように正負の電圧を印加するのが難しくなる。
さらに、従来の製造プロセスによって形成された半導体装置中のバラクタの同調比Cmax /Cmin には、前述のように基板不純物濃度の上昇に伴って低下する傾向があるのに加え、ゲート長Lgが短くなるのに従って低下する傾向もある。このため、ゲート電極幅が小さいバラクタでは、良好な高周波特性を得るために必要になるような所望のバラクタ性能が得るのが難しくなる。このようなゲート長Lgが短くなるのに伴う同調比の低下は、第2のゲート電極15の側壁と基板コンタクト領域17との間のフリンジング容量に起因するものと考えられる。
このことを、図13に示したバラクタの等価回路図である図15に基づいて説明する。図15に示すように、このバラクタの第2のゲート電極15の周辺には、ゲート絶縁膜容量Cox及び空乏層容量Cdep に加えて、第2のゲート電極15の側壁と基板コンタクト領域17との間に層間絶縁層18を挟んでフリンジング容量Cfが発生している。ここで、第2のゲート電極15の幅が小さくなると、それに伴ってゲート絶縁膜容量Cox及び空乏層容量Cdep は小さくなる。しかし、フリンジング容量Cfは、第2のゲート電極15の幅の縮小にはほとんど関係なく一定である。このため、第2のゲート電極15の幅が縮小してゲート絶縁膜容量Cox及び空乏層容量Cdep が小さくなると、バラクタの容量において定数であるフリンジング容量Cfの影響が相対的に大きくなる。以上の結果、第2のゲート電極15の幅が小さくなると、バイアス電圧の変化に対するバラクタ容量の相対的な変化は小さくなる。つまり、バラクタの同調比Cmax /Cmin が小さくなる。
また、バラクタ容量がゲート長Lgの長さに依存しているのであるから、ゲート長Lgの仕上がり寸法ばらつきによって、バラクタ容量もばらつくことになる。
本発明は前記の課題を解決するものである。すなわち、本発明の目的は、バラクタをCMOSデバイスと共に混載してなる半導体装置及びその製造方法を既存のCMOSプロセスを用いた上で提供すると共に、1個のゲート電極が小面積であっても、ゲート電極下方の空乏層幅を大きくすることができる高性能なバラクタを提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の半導体装置は、第1導電型半導体領域の上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極に印加する電圧を変化させることにより、第1導電型半導体領域中に生じる空乏層の容量を変化させてバラクタ機能を実現する半導体装置であって、第1導電型半導体領域におけるゲート電極の下側の部分に第2導電型不純物を導入することによって形成されたカウンター不純物層を備えている。
ここで、第1導電型半導体領域とは、ウェル又は半導体基板のうちで第1導電型を有するものを言う。また、ウェル又は半導体基板のうちで第2導電型を有するものを、第2導電型半導体領域と言うことにする。ウェルについては、第1導電型ウェル及び第2導電型ウェルのどちらか一方のみが形成されていても良いし、両方が形成されていても良い。
第1の半導体装置は、第1導電型半導体領域におけるバラクタのゲート電極の下側の表面領域に、第2導電型不純物が導入されたカウンター不純物層を備えている。つまり、第1導電型半導体領域が有する第1導電型不純物に加え、第2導電型不純物が導入されており、このことから該カウンター不純物層においては実効不純物濃度が低下している。ここで、実効不純物濃度とは、第1導電型不純物濃度と第2導電型不純物濃度との差の絶対値を言うものとする。このような構成により、実効不純物濃度が低下していることから、キャリアの濃度が低下している。このため、第1導電型半導体領域の不純物濃度が高い場合においても、バラクタのゲート電極の下側の空乏層の広がり幅を大きくすることができる。従って、半導体素子のパターン寸法の微細化などによって第1導電型半導体領域の不純物濃度が高くなっている場合でも、容量の可変範囲の広いバラクタを含む半導体装置が実現できる。
本発明の第2の半導体装置は、第1導電型半導体領域の上に絶縁膜を介して形成された複数のゲート電極に印加する電圧を変化させることにより、第1導電型半導体領域中に生じる空乏層の容量を変化させてバラクタ機能を実現する半導体装置であって、第1導電型半導体領域における複数のゲート電極の下側の部分に第2導電型不純物を導入することによって形成されたカウンター不純物層を備えている。
第2の半導体装置によると、第1の半導体装置と同様の効果が実現できる。これに加え、複数の小面積のゲート電極を用いることで、単一の大面積のゲート電極を用いる場合に比べてゲート電極の抵抗の影響を緩和することができる。
尚、第2の半導体装置において、第1導電型半導体領域及び複数のゲート電極を覆う層間絶縁膜が形成されていると共に、複数のゲート電極の間の部分に第1導電型半導体領域に達する少なくとも1つのコンタクトホールを備えていてもよい。
このようにすると、第2の半導体装置の効果が確実に利用できる。
また、第1の半導体装置及び第2の半導体装置において、カウンター不純物層は実質的に真性半導体領域であることが好ましい。ここで、カウンター不純物層が実質的に真性半導体領域であるるとは、導入されている第1導電型不純物の濃度と第2導電型不純物の濃度とが同等になっており(言い換えると、実効不純物濃度がほぼ0になっており)、カウンター不純物層が真性半導体の性質を有するようになっていることを言う。
また、第1の半導体装置及び第2の半導体装置において、カウンター不純物層は実質的に第2導電型を有することが好ましい。ここで、カウンター不純物層が実質的に第2導電型を有するとは、カウンター不純物層において、導入されている第1導電型不純物の濃度よりも第2導電型不純物の濃度の方が高くなっていることを言う。
このようにすると、第1導電型半導体領域の不純物濃度が高い場合においても、容量の可変範囲の広いバラクタを形成するという本発明の効果が確実に実現できる。
また、第1の半導体装置及び第2の半導体装置において、ゲート電極とその下側の第1導電型半導体領域との間に対して予め決められた範囲の電圧を印加した場合における、バラクタの最大容量と最小容量との平均容量を生じる印加電圧(中心電圧という)がゼロ付近の値を取ると共に、ゲート電極のゲート長に実質的に依存しないように、カウンター不純物層の実効不純物濃度が所定の濃度に設定されていることが好ましい。
このようにすると、製造工程においてゲート電極のゲート長にばらつきが生じても、いずれのゲート長においても容量の可変範囲が最大になるため、バラクタ容量のばらつきを最小限に抑制することができる。また、ゲート長の設計に変更があっても、バラクタの同調比Cmax /Cmin を最大に保つことができる。
ここで、ゼロ付近の値とは、例えば−0.05V以上で且つ0.05V以下の値を言う。また、中心電圧がゲート長に実質的に依存しないとは、ゲート長の変化に伴う中心電圧の変動幅が、バラクタに印加する電圧幅の1%以下であることを言う。
具体的には、所定の濃度は、半導体基板表面において第1導電型キャリアの空乏化が進む方向のバイアスを印加した場合に、第2導電型を有するキャリヤが前記カウンター不純物層の表面に蓄積し始める濃度になっていることが好ましい。
このような濃度にすると、製造工程においてゲート電極のゲート長にばらつきが生じても、いずれのゲート長においても容量の可変範囲が最大になるため、バラクタ容量のばらつきを最小限に抑制することが確実にできる。また、ゲート長の設計に変更があっても、バラクタの同調比Cmax /Cmin を最大に保つことが確実にできる。
本発明の半導体装置の製造方法は、バラクタ形成領域の第1導電型半導体領域に、第2導電型不純物を導入することによってカウンター不純物層を形成する第1の工程と、トランジスタ形成領域において第1導電型半導体領域上に第1のゲート電極を形成すると共に、バラクタ形成領域において前記第1導電型半導体領域の上に第2のゲート電極を形成する第2の工程と、トランジスタ形成領域において、第1導電型半導体領域の第1のゲート電極両側の部分に、第1のゲート電極をマスクとして第2導電型不純物を導入することでソース・ドレイン領域を形成する第3の工程と、バラクタ形成領域において、第1導電型半導体領域の第2のゲート電極両側の部分に、第2のゲート電極をマスクとして第1導電型不純物を導入することで基板コンタクト領域を形成する第4の工程とを備えている。
本発明の半導体装置の製造方法によると、バラクタ形成領域において第1導電型半導体領域に第2導電型不純物を導入することでカウンター不純物層を形成する。このため、第1導電型半導体領域の不純物濃度が高い場合でも、バラクタのゲート電極の下側における空乏層の広がり幅が大きい半導体装置を製造できる。これによって、第1導電型半導体領域の不純物濃度が高い場合でも、容量の可変範囲の広い、つまり同調比の大きいバラクタを含んだ半導体装置を製造できる。
尚、第2の工程より前に、第1導電型半導体領域上に絶縁膜を形成する工程を更に備えると共に、第2の工程は、絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、導電膜を選択的に除去してパターン化することにより第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、本発明の半導体装置が確実に製造できる。
また、他のトランジスタ形成領域の第2導電型半導体領域の上に第3のゲート電極を形成する第5の工程と、他のトランジスタ形成領域において、第2導電型半導体領域の第3のゲート電極両側の部分に、第3のゲート電極をマスクとして第1導電型不純物を導入することで他のソース・ドレイン領域を形成する第6の工程とを更に備え、第4の工程と第6の工程とは同時に行なわれることが好ましい。
このようにすると、既存のCMOSデバイス用製造プロセスに対して基板コンタクト領域を形成するための工程を追加する必要無しに、本発明の半導体装置が製造できる。
本発明によると、バラクタのゲート電極の下側の半導体基板又はウェルに反対導電型の不純物を導入して実効不純物濃度を減少させているので、半導体基板又はウェルがパターン寸法の微細化などのために高不純物濃度であっても、ゲート電圧を印加したときの空乏層幅を拡大し、容量を小さくすることができる。このことから、同調比を大きくすることが可能となる。また、実効不純物濃度を調整するという簡単な方法によって、ゲート長が短いバラクタ素子の性能向上を実現することができると共に、バラクタ容量がゲート長の仕上がり寸法ばらつきから受ける影響を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置、具体的にはバラクタ(MOSキャパシタ)とCMOSデバイスとを混載した半導体装置の構造を示す断面図であり、特にFETなどの寸法が小さい半導体素子を有するものである。
図1に示すように、P型Si基板100の表面部に、N型不純物のドープされたNウェル101が形成されている。また、P型Si基板100上にSTI102が形成され、P型Si基板100の表面部を複数の活性領域に区画している。複数の活性領域は、CMOSデバイス中のMOSFETが設けられるトランジスタ形成領域Trと、バラクタが設けられるバラクタ形成領域Vaとを含む。但し、CMOSデバイス中のMOSFETには、N型MOSFETとP型MOSFETとがあるが、図1には、P型MOSFETに関してのみ図示されている。
トランジスタ形成領域TrのNウェル101上に、例えばシリコン窒化酸化膜などからなるゲート絶縁膜103を介して第1のゲート電極104が形成されている。該第1のゲート電極104は、例えばP型不純物がドープされたポリシリコンなどからなる。また、バラクタ形成領域VaのNウェル101の上に、例えばシリコン窒化酸化膜などからなるゲート絶縁膜103を介して第2のゲート電極105が形成されている。該第2のゲート電極105は、例えばN型不純物がドープされたポリシリコンなどからなる。
トランジスタ形成領域Trにおいて、Nウェル101上の第1のゲート電極104の両側の部分に、P型不純物がドープされたソース・ドレイン領域106が形成されている。また、バラクタ形成領域VaにおけるNウェル101の第2のゲート電極105の両側の部分に、N型不純物がドープされた基板コンタクト領域107が形成されている。
また、バラクタ形成領域VaにおけるNウェル101上の第2のゲート電極105の下側には、P型不純物が導入されたカウンター不純物層108が設けられている。
更に、P型Si基板100上に形成された第1のゲート電極104及び第2のゲート電極105等のパターンを覆うように、層間絶縁膜109が形成されている。また、図1には示していないが、層間絶縁膜109の所定の位置にコンタクトホールが形成されている。該コンタクトホールは、図3に示すように、第2のゲート電極105に達する第1のコンタクトホール110及び基板コンタクト領域107に達する第2のコンタクトホール111を含む。
図2に、カウンター不純物層108における不純物濃度分布をP型Si基板100表面からの深さに対して示す。図2において、N(101)は図1のNウェル101形成のために導入されたN型不純物の濃度分布を示す。また、P(108)は図1におけるカウンター不純物層108を形成するために導入されたP型不純物の濃度分布を示す。
このように、本実施形態の半導体装置は、バラクタのゲート電極の下において、Nウェル101の表面領域にP型不純物が導入されたカウンター不純物層108を備えている。つまり、N型不純物の導入されたNウェル101に対し、更にP型不純物を導入することによってカウンター不純物層108が形成されている。このため、カウンター不純物層108ではN型不純物とP型不純物とが共に存在することから、実質的なキャリアの濃度が低下している。
このため、バラクタの搭載された半導体装置の電源電圧が決まっていると共に、半導体素子のパターン寸法の微細化に応じてNウェルのN型不純物濃度が高くなっているような場合でも、バラクタのゲート電極の下側における空乏層の広がりを大きくすることができる。結果として、容量の可変範囲の広いバラクタ、言い換えれば同調比の大きなバラクタを実現できる。
尚、図1では断面図として、第2のゲート電極105を一つのゲート電極として示している。しかし、第2のゲート電極105の平面上のパターンレイアウトについては、例えば平面図である図3に示すように、互いに電気的に接続された幅の狭い複数のゲート電極に分割されていてもよい。この時、各第2のゲート電極105の総面積は所定のバラクタ容量の得られる面積である。また、第2のゲート電極105及び基板コンタクト領域107を覆う層間絶縁膜109(図示省略)には、第2のゲート電極105との電気的接続を取るための第1のコンタクトホール110及び基板コンタクト領域107との電気的接続を取るための第2のコンタクトホール111が形成されている。
このようにすると、第2のゲート電極105について抵抗の影響を緩和できると共に本発明の効果が実現できる。電極が大きいほど抵抗の影響が顕著になるから、逆に小さな複数の電極とすることで抵抗の影響を緩和することができるのである。
本実施形態によって同調比の大きなバラクタを実現できる理由について、図4を参照して更に説明する。
図4は、バラクタの容量変化特性を示す実験結果を示すグラフであり、曲線aは本発明によるバラクタの容量変化特性を、曲線bは従来のバラクタの容量変化特性を示している。また、図4の横軸はゲートバイアス電圧Vgを表し、縦軸はバラクタ容量Cを表している。
本実施形態の集積回路における内部共通の電源電圧が1.5Vであるとすると、その電圧の範囲内でバラクタを駆動させなければならない。この場合、バラクタの容量の最大値Cmax と最小値Cmin は、ゲートバイアスが1.5Vの半分のそれぞれ0.75V、−0.75Vのときに示す容量となる。バラクタの容量の最大値Cmax と最小値Cmin との比(Cmax /Cmin )が同調比であり、容量の可変範囲の大きさを示す。
図4に示すように、バラクタの第2のゲート電極105の下のNウェル101にP型不純物の注入(カウンター不純物注入と言う)を行なうことで、本発明のバラクタの容量の最小値Cmin(a)は従来の半導体装置のバラクタの容量の最小値Cmin(b)に比べて低下し、容量の可変範囲が拡大している。このため、容量可変範囲におけるVgの変化量に対する容量の変化量が大きくなる。
尚、電源電圧は半導体装置ごとに必要な値に設計すれば良く、本実施形態のような1.5Vに限るものではない。したがって、印加電圧の最大値0.75V及び最小値−0.75Vについても、該値に限らない。このことは以下の説明においても同様である。
また、本発明のバラクタの所定の範囲の印加電圧に対する容量の最大値Cmax と最小値Cmin(a)の中心容量を生じる電圧Vc(a)は、従来のバラクタにおいて中心容量を生じる電圧Vc(b)にくらべて正のバイアス側にシフトし、ほぼゼロに設定することが可能となっている。このことも同調比を大きく取ることができる要因となっている。
次に、バラクタ領域Vaにおけるカウンター不純物層108の基板表面の実効不純物濃度として、N型不純物濃度とP型不純物濃度との差の絶対値を考える。そしてP型不純物濃度の方がN型不純物濃度よりも大きくなったときは、カウンター不純物層108あるいは領域Vaの基板表面などは実質的にP型であると言うことにする。また、実効不純物濃度がほぼ0となった状態のことを、実質的に真性半導体状態であると言うことにする。
同調比を最大とするためには、バラクタの第2のゲート電極105の下の基板表面は実効不純物濃度がほぼ0となっている、つまり実質的に真性半導体状態になっていることが好ましい。また、実質的にP型、つまりNウェル101がN型であるのに対する反対導電型になっていることも好ましい。
このようにすると、同調比が大きいバラクタを備えた半導体装置が実現できる。これについて、図5を参照して説明する。
図5は、バラクタの第2のゲート電極105下側の空乏層幅の、基板表面の実効不純物濃度に対する依存性を示すグラフである。尚、このグラフは、N型ウェル領域101と第2のゲート電極105との間の印加電圧が−0.75Vであり、ゲート長Lgが0.5μmである場合を示している。図5に示すように、基板表面(図1のカウンター不純物層108)がN型からP型に向けて移行するにつれて、空乏層幅は増大し続ける。このことから、先に図4で示した様に、カウンター不純物注入を行なうことでCmin を低下させることができる。このように、カウンター不純物層108の基板表面が実質的に真半導体状態になっているか又は実質的にP型になっていると、同調比の大きいバラクタが実現できるので、好ましい。
尚、ゲート長Lgには特に限定はなく、0.5μm以外の値であっても良い。その場合でも、同様にカウンター不純物層108の基板表面が実質的に真半導体状態なるような好ましい実効不純物濃度に設定することができる。
また、図6に、基板表面の実効不純物濃度に対するバラクタの同調比の依存性を示す。ここでは、一例として第2のゲート電極105のゲート長Lgが0.5μmの場合を示している。図6が示すように、同調比は基板表面が実質的にN型からP型に移行するに従って増加するが、ある濃度で飽和する。
これは、次の理由によると考えられる。つまり、基板表面が実質的にP型になるにつれて、印加されるゲート電圧が負である時に、ホールがSi基板表面に蓄積しやすくなる。この結果、負のゲート電圧を印加すると基板表面での電荷密度が高いままになり、このためCmin があまり低下しなくなる。このような理由で、前述したように同調比の増加はある実効不純物濃度で飽和するものと考えられる。
また、図7は、第2のゲート電極105に対してバイアスを負方向に印加した場合の空乏層幅を求めたシミュレーションの結果である。シミュレーションは基板表面の実効不純物濃度が1×1017/cm3 である条件で行なっており、先に図6で示したように、この条件では同調比は不純物濃度に対してほぼ飽和している。
図7に示すように、負のゲートバイアスが−0.75Vより大きくなると、電圧の上昇に伴う空乏層の幅の増加が小さくなる。このことから、バイアス電圧が−0.75より大きい範囲では、電圧の上昇に伴う容量の低下が小さくなる。つまり、バイアス電圧が−0.75近辺である際の容量がCmin となっている。このため、バラクタの駆動電圧を±0.75Vとするときは、基板表面の実効不純物濃度は1×1017/cm3 以上とすることが好ましい。このようにすれば、バラクタの容量可変領域を最大限に利用できる。
また、バラクタの所定の範囲の印加電圧に対する容量の最大値Cmax と最小値Cmin の中心容量を生じるバイアス電圧を中心電圧Vcとする。該中心電圧Vcがゼロ付近の値を取ると共に、第2のゲート電極105のゲート長Lgに実質的に依存しないように、カウンター不純物層108の実効不純物濃度を決めることが好ましい。ここで、ゼロ付近の値とは、例えば−0.05V以上で且つ0.05V以下の値を言う。また、中心電圧がゲート長に実質的に依存しないとは、ゲート長の変化に伴う中心電圧の変動幅が、バラクタに印加する電圧幅の1%以下であることを言う。
このようにすると、第2のゲート電極105のゲート長Lgの設定値に関わらず、同調比を最大に保つことができる。このこと及び具体的な実効不純物濃度について、図8を参照して説明する。
図8は、前記中心電圧Vcの基板表面の実効不純物濃度に対する依存性を4通りのゲート長Lg(Lg=10μm、Lg=0.5μm、Lg=0.3μm及びLg=0.15μm)に対して示している。図8に示す様に、カウンター不純物層108が実質的にP型になっており、且つ実効不純物濃度がある値になっている時、中心電圧VcはLgに実質的に依存せずほぼ一定の値を取ることがわかる。また、該中心電圧は実際に−0.05V以上で且つ0.05V以下の値となっている。
この時のカウンター不純物層108の実効不純物濃度は、カウンター不純物層108の基板表面に対してNウェルとは反対の導電型であるキャリアが蓄積し始める時の濃度と一致する。本実施形態ではNウェル101はN型であるから、これとは反対の導電型であるP型のキャリア、つまりホールがカウンター不純物層108の表面に蓄積し始める濃度と一致することになる。更に、該濃度は実効不純物濃度に対して同調比が飽和し始める濃度でもある。
本実施形態において、カウンター不純物層108の実効不純物濃度は、このような濃度に設定することが好ましい。このようにすれば、実際の製造工程において約10%あるゲート長Lgのプロセスばらつきに起因するバラクタ容量のばらつきを低減できる。また、バラクタを構成するゲート電極長の設定及びその変更に影響されることなく、バラクタの同調比Cmax /Cmin を最大に保つことができる。
具体的には、本実施形態では、カウンター不純物層108が実質的にP型になっていること及び実効不純物濃度はNウェルとは反対導電型を有するキャリヤであるホールが基板表面に蓄積され始めるときの値、1×1017/cm3 に設定されていることが好ましい。但し、好ましい実効不純物濃度は半導体装置ごとに異なっており、本発明における実効不純物濃度を1×1017/cm3 に限定するものではない。
次に、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図を参照して説明する。図9(a)〜(c)及び図10(a)、(b)は、本発明の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図9(a)に示す工程で、P型Si基板100に、例えばリン又は砒素などのN型不純物を注入してNウェル101を形成する。イオン注入条件は、リンについては例えばドーズ量1×1013cm-2、加速電圧640keVであり、砒素については例えばドーズ量1.7×1012cm-2、加速電圧70keVである。
また、STI102を形成して基板表面を複数の活性領域に区画する。該複数の活性領域は、トランジスタ形成領域Trとバラクタ形成領域Vaとを含む。
次に、図9(b)に示す工程で、バラクタ形成領域Vaにおいて、Nウェル101に対し、Nウェル101を形成するために注入した不純物とは反対の導電性であるP型不純物、例えばボロンなどを注入する。カウンター不純物の注入条件は、例えばドーズ量2〜8×1012cm-2、加速電圧10keVである。ボロンのドーズ量が3.5×1012cm-2のとき、バラクタ形成領域Vaのカウンター不純物層108は、実質的に真性半導体の性質を有するようになる。これは、Nウェル101形成のために導入されたドナーの数とカウンター不純物層108形成のために導入されたアクセプタの数とがほぼ同等となるためである。また、ボロンのドーズ量が3.5×1012cm-2以上になると、カウンター不純物層108の基板表面は実質的にP型となる。本実施形態では、そのようにカウンター不純物層108である基板表面が実質的にP型となるドーズ量でP型不純物の注入を行なう。
次に、図9(c)に示す工程で、トランジスタ形成領域Tr及びバラクタ形成領域Vaにおいて、Nウェル101上に、例えば厚さ2.8nm程度のシリコン窒化酸化膜と、例えば厚さ180nm程度のポリシリコン膜とを堆積する。続いてポリシリコン膜及びシリコン酸化膜をパターニングすることにより、Nウェル上にゲート絶縁膜103を挟んで、第1のゲート電極104及び第2のゲート電極105を形成する。第1のゲート電極104及び第2のゲート電極105については、例えばゲート長Lgを0.15μmまで小さくすることができる。これらの膜厚やゲート長Lgは必要に応じて設定すれば良く、特に限定されるものではない。
次に、図10(a)に示す工程で、トランジスタ形成領域Trにおいて、Nウェル101の第1のゲート電極104両側の部分に、第1のゲート電極104をマスクとしてP型不純物である例えばボロンを注入する。このようにして、第1のゲート電極104にP型不純物を導入すると共に、ソース・ドレイン領域106を自己整合的に形成する。
次に、図10(b)に示す工程で、バラクタ形成領域Vaにおいて、Nウェル101の第2のゲート電極105両側の部分に、第2のゲート電極105をマスクとしてN型不純物である例えば砒素やリンを注入する。このようにして、第2のゲート電極105にN型不純物を導入するとともに、基板コンタクト領域107を自己整合的に形成する。
次に、半導体基板100上に形成された第1のゲート電極104、第2のゲート電極105、ソース・ドレイン領域106及び基板コンタクト領域107等のパターンを覆うように、層間絶縁膜109を形成する。さらに、図示はしていないが、層間絶縁膜109の所定の位置にコンタクトホールを形成する。
以上のようにすると、既存のCMOSデバイス用製造プロセスを用いつつ、本実施形態の半導体装置が製造できる。つまり、第2のゲート電極105の下にカウンター不純物層108が形成されていることから、Nウェル101の不純物濃度が高い場合においても第2のゲート電極105の下における空乏層の広がり幅が大きい半導体装置を製造できる。このため、Nウェル101の不純物濃度が高い場合においても、容量の可変範囲の広いバラクタを含んだ半導体装置を製造できる。
尚、本実施形態の半導体装置はCMOSデバイスを含むものであるから、図示しているP型MOSFETに加え、N型MOSFET(図示せず)も形成される。そこで、図10(b)に示す、バラクタ形成領域VaにおいてNウェル101に第2のゲート電極105をマスクとしてN型不純物を注入する工程は、N型MOSFETのゲート電極に対する不純物導入及びN型MOSFETのソース・ドレイン形成を行なう工程と同時に行なうことが好ましい。
このようにすると、第2のゲート電極105に対するN型不純物の導入及び基板コンタクト領域107形成のために新たな工程を追加することなく本実施形態の半導体装置を製造できる。
また、各工程で注入するイオンの種類、注入量及び加速電圧などの注入条件は上記に限るものではなく、必要に応じて設定すればよい。さらに、本実施形態ではイオン注入によってイオンを導入しているが、拡散などの他の方法によって導入しても良い。
また、本実施形態ではNウェル101が形成されているが、Nウェル101は必須の構成要素ではなく、N型半導体基板上に直接トランジスタやバラクタが形成されていても良い。
また、本実施形態では第1導電型をN型、第2導電型をP型とした。しかし、これと逆の第1導電型がP型、第2導電型がN型である構成を取っても良い。
本発明のバラクタを含む半導体装置は、電圧制御発信器などの無線周波数(RF)回路に用いる電圧可変コンデンサ(バラクタ)に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のカウンター不純物層において、基板表面からの深さに対する不純物濃度分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のバラクタの平面レイアウトパターンを示す図である。 本発明に係る半導体装置のバラクタ及び従来のバラクタの容量−ゲートバイアス特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のバラクタにおける、基板表面の実効不純物濃度に対する空乏層幅の依存性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のバラクタにおける、基板表面の実効不純物濃度に対する同調比の依存性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のバラクタにおける、ゲートバイアスに対する空乏層幅の依存性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置のバラクタにおける、基板表面の実効不純物濃度に対する中心電圧Vcの依存性を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程のうち、Nウェル形成からゲート電極形成までの各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程のうち、Nウェルに対する不純物注入から層間絶縁膜形成までの各工程を示す断面図である。 一般のPN接合バラクタダイオードにおける容量のバイアス電圧に対する依存性を模式的に示す図である。 理想的なMOS型バラクタの容量のバイアス電圧依存性を模式的に示す図である。 従来のMOS型バラクタを搭載した半導体装置の模式的な断面図である。 従来のMOS型バラクタの平面レイアウトパターンを模式的に示す図である。 従来のMOS型バラクタの等価回路図である。
符号の説明
100 P型Si基板
101 Nウェル
102 STI
103 ゲート絶縁膜
104 第1のゲート電極
105 第2のゲート電極
106 ソース・ドレイン領域
107 基板コンタクト領域
108 カウンター不純物層
109 層間絶縁膜
110 第1のコンタクトホール
111 第2のコンタクトホール
Tr トランジスタ形成領域
Va バラクタ形成領域

Claims (10)

  1. 第1導電型半導体領域の上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極に印加する電圧を変化させることにより、前記第1導電型半導体領域中に生じる空乏層の容量を変化させてバラクタ機能を実現する半導体装置であって、
    前記第1導電型半導体領域における前記ゲート電極の下側の部分に、第2導電型不純物を導入することによって形成されたカウンター不純物層を備えていることを特徴とする半導体装置。
  2. 第1導電型半導体領域の上に絶縁膜を介して形成された複数のゲート電極に印加する電圧を変化させることにより、前記第1導電型半導体領域中に生じる空乏層の容量を変化させてバラクタ機能を実現する半導体装置であって、
    前記第1導電型半導体領域における前記複数のゲート電極の下側の部分に、第2導電型不純物を導入することによって形成されたカウンター不純物層を備えていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記第1導電型半導体領域と前記複数のゲート電極とを覆う層間絶縁膜と、
    前記複数のゲート電極の間の部分に、前記第1導電型半導体領域に達する少なくとも1つのコンタクトホールとを備えることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記カウンター不純物層は実質的に真性半導体領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記カウンター不純物層は実質的に第2導電型を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記ゲート電極とその下側の前記第1導電型半導体領域との間に対して予め決められた範囲の電圧を印加した場合における、前記バラクタの最大容量と最小容量との平均容量を生じる印加電圧が、前記ゲート電極のゲート長に実質的に依存しないように、前記カウンター不純物層の実効不純物濃度が所定の濃度に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記所定の濃度は、第2導電型を有するキャリヤが前記カウンター不純物層の表面に蓄積し始める濃度であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. バラクタ形成領域の第1導電型半導体領域に、第2導電型不純物を導入することによってカウンター不純物層を形成する第1の工程と、
    トランジスタ形成領域において前記第1導電型半導体領域上に第1のゲート電極を形成すると共に、前記バラクタ形成領域において前記第1導電型半導体領域の上に第2のゲート電極を形成する第2の工程と、
    前記トランジスタ形成領域において、前記第1導電型半導体領域の前記第1のゲート電極両側の部分に、前記第1のゲート電極をマスクとして第2導電型不純物を導入することでソース領域及びドレイン領域を形成する第3の工程と、
    前記バラクタ形成領域において、前記第1導電型半導体領域の前記第2のゲート電極両側の部分に、前記第2のゲート電極をマスクとして第1導電型不純物を導入することで基板コンタクト領域を形成する第4の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2の工程より前に、前記第1導電型半導体領域上に絶縁膜を形成する工程を更に備えると共に、
    前記第2の工程は、前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜を選択的に除去してパターン化することにより、前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 他のトランジスタ形成領域の第2導電型半導体領域の上に第3のゲート電極を形成する第5の工程と、
    他のトランジスタ形成領域において、前記第2導電型半導体領域の前記第3のゲート電極両側の部分に、前記第3のゲート電極をマスクとして第1導電型不純物を導入することで他のソース領域及びドレイン領域を形成する第6の工程とを更に備え、
    前記第4の工程と前記第6の工程とは同時に行なわれることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
JP2004017177A 2004-01-26 2004-01-26 半導体装置およびその製造方法 Pending JP2005210005A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004017177A JP2005210005A (ja) 2004-01-26 2004-01-26 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004017177A JP2005210005A (ja) 2004-01-26 2004-01-26 半導体装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005210005A true JP2005210005A (ja) 2005-08-04

Family

ID=34902098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004017177A Pending JP2005210005A (ja) 2004-01-26 2004-01-26 半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005210005A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013924B1 (ko) 2008-06-27 2011-02-14 고려대학교 산학협력단 큐-인자가 개선된 모스 버랙터가 구비된 반도체 집적회로 및 이의 제조방법
US9269707B2 (en) 2013-12-10 2016-02-23 Synaptics Display Devices Gk Semiconductor integrated circuit device
US9548401B2 (en) 2014-11-20 2017-01-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor device
CN112530933A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 铠侠股份有限公司 半导体装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013924B1 (ko) 2008-06-27 2011-02-14 고려대학교 산학협력단 큐-인자가 개선된 모스 버랙터가 구비된 반도체 집적회로 및 이의 제조방법
US9269707B2 (en) 2013-12-10 2016-02-23 Synaptics Display Devices Gk Semiconductor integrated circuit device
US9548401B2 (en) 2014-11-20 2017-01-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor device
CN112530933A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 铠侠股份有限公司 半导体装置
CN112530933B (zh) * 2019-09-18 2024-03-22 铠侠股份有限公司 半导体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101517679B1 (ko) 임베딩된 mos 버랙터를 갖는 finfet 및 그 제조 방법
JP5168974B2 (ja) 半導体可変容量素子及びその製造方法
US6995412B2 (en) Integrated circuit with capacitors having a fin structure
US5965912A (en) Variable capacitor and method for fabricating the same
US7585710B2 (en) Methods of forming electronic devices having partially elevated source/drain structures
JP2009064860A (ja) 半導体装置
US7192834B2 (en) LDMOS device and method of fabrication of LDMOS device
KR100833180B1 (ko) Sti 구조를 갖는 반도체 장치 및 그 제조방법
JP4636785B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004235577A (ja) 電圧制御可変容量素子
US6653716B1 (en) Varactor and method of forming a varactor with an increased linear tuning range
US8232157B2 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
JP2005210005A (ja) 半導体装置およびその製造方法
US10224342B2 (en) Tunable capacitor for FDSOI applications
US7618873B2 (en) MOS varactors with large tuning range
KR100254642B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
CN108574017B (zh) 变容二极管及其形成方法
KR101128714B1 (ko) 반도체 소자 제조 방법
US20070145435A1 (en) Mos varactor
KR20050073303A (ko) 반도체 장치의 제조 방법
JP3939694B2 (ja) バリキャップの製造方法
JP4777618B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR0151010B1 (ko) 스태틱 랜덤 억세스 메모리 소자 및 제조방법
JP2004281567A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2005175135A (ja) 半導体装置およびその製造方法