JP2005209138A - ベクトル型ハンドルによる空間表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理対象データを構成する複数のオブジェクト(要素)が位置情報以外の交互作用のある関連情報を持つ場合に、かかる関連情報に基づく情報を、高度な解析学に関する専門知識等をもっていなくても、ディスプレイ上の表示をもって視覚を通じて容易に把握可能に表示することの出来る、新規な情報表示装置を提供すること。
【解決手段】 位置情報と交互作用のある関連情報を有する複数の要素28を布置せしめたディスプレイ12の表示領域24において、方向を示すハンドル26を併せて表示し、このハンドル26の方向を任意に変更設定することにより、かかるハンドル26の指し示す方向に応じて、当該方向を評価軸とした各要素28の評価結果を、略リアルタイムの書き換えて変更表示するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2次元や3次元の表示領域において、複数のオブジェクト(全体として評価する対象が存在している場合に、当該対象を構成する個々の具体的に把握できる「要素」をいう)を表示する装置と、その関連技術に関するものである。
特に、本願出願人が先に出願し、既に特許査定された特許第3335602号や特許第3470969号,特許第3417941号(特許文献1〜3)において実施形態として例示的に記載されているような、表示領域に付置された情報(要素)を、かかる表示領域内に存在する任意の軸を評価軸として選択することにより、かかる評価軸によって意味付けられた特定の評価尺度に基づく各情報(要素)の評価結果や、更に複数の要素によって形成された評価空間に意味付けられた情報を、簡易に且つ判り易く、即ち人間が感覚的に解析し易く、しかも使い易く表示し得る、全く新規な情報表示装置などに関するものである。
2次元空間もしくは3次元空間内に、複数のオブジェクトが表示され、それらの各オブジェクトが、単にX軸座標やY軸座標などの「位置情報」だけでなく、更に「別の情報」も併せ持っているような場合、その「別の情報」を、オブジェクトの「 大きさ」に対応させて表示するなどの方法で、多元的な情報を同時に表示する装置を作ることができる。具体的には、例えば上述の特許第3335602号や特許第3470969号,特許第3417941号において実施形態として例示的に記載されているものが、それである。即ち、評価対象を構成する要素としての個々の具体的事象は、それが単独で持つ絶対的な情報の他、他の事象との相対関係のうえに意味付けられる情報や、それら全体の事象が表示領域に付置されることによって形成された表示領域の特定領域又はその全体によって意味付けられた情報等も併せもっている。それ故に、それら各特許公報に記載された装置を用いて各種情報を表示せしめることにより、それら個々の具体的事象を全体としてとらえた場合に、全体の中での個々の事象が持つ意味情報をとらえて評価したり、複数の事象をまとまりをもって把握して、そこから特定の意味情報を認識したり、等することによって各種の情報を抽出して利用することが出来るのである。
ところで、このような一般に統計乃至は解析と称される分野においては、従来、専ら数学的なデータ処理が採用されており、一般人には理解し難い部分がある。例えば、或る解析専門家のクライアントが、現存する全ての自動車について、市場評価を把握したいという希望をもった場合、それを解析する手法は、解析の専門分野において既に多数存在しているが、解析した結果を、専門家がそのまま数学的データとしてクライアントに提示しても、クライアントは理解し難いのが現実である。そこで、専門家は、或る特定の切り口で、解析結果を表示したものをクライアントに示して説明することが行われているが、このような従来の手法では、解析結果から得られる情報のほんの一部だけがクライアントに対して具体的に呈示されるに過ぎないのであり、謂わば、解析結果に内在する宝の山を、クライアントは、ほんの一部だけ利用していたに過ぎないというのが現実である。
かかる問題の一番大きなところは、数学的解析結果をそのまま表示しても、一般人では内容を殆ど理解し難いが、それを、一般人でも判るように出来るだけ判り易い方法としてビジュアル的に表示しようとすると、一つの固定された解析結果しか提示できないという点である。即ち、上述の各特許公報に例示されているように2次元空間や3次元空間に解析結果を表示すると、数学的解析結果をそのまま数値で示すよりは、一般人にとって格段に判り易くなるが、解析結果を空間に視覚的に表示しようとすると、固定的な切り口(評価基準)で表示する必要があることから、表すことの出来る情報量が少なくなってしまうことが避けられない。なお、異なる切り口(評価基準)で表示したものを多数揃えて呈示することも考えられるが、表示が多数となって扱いづらいし、結局、各表示は、固定された切り口(評価基準)で評価した結果を表すに過ぎないことから、それら複数の表示を一つずつ独立的に見ても、クライアントは、切り口(評価基準)を異ならせることによって変化する情報などについては、到底、把握しきれ得ず、そこに情報の落ちが避けられないのである。
そして、このような問題は、当然に、評価対象が複雑となる程に、或いは評価対象を構成する要素が多くなる程に、解析結果の利用に際してネックとなる。特に、社会における価値観や構造の複雑化乃至は多様化が進んでいる昨今では、コンピュータ技術の発達にも伴って、マーケティング分野に限らず各種の評価対象に対する解析技術が高度に発達して解析専門家の技術レベルも大幅に向上してきている。しかしながら、解析技術が高度化する程に、その解析結果の理解が難しくなってきているのであり、解析結果を利用する立場にある者が、解析結果を容易に且つ効率的に利用できる環境を提供することが、非常に重要で且つ急務となってきているのである。
特許第3335602号公報 特許第3470969号公報 特許第3417941号公報
ここにおいて、本発明の解決すべき課題は、まさにこの解析結果を表示する際に好適に採用され得る、従来になかった全く新規な情報の表示装置を、提供することである。即ち、2次元又は3次元の表示領域において、評価すべき対象を構成する複数の要素を表示するに際して、単に一つの切り口(評価軸)によってそれらの要素を評価した結果だけでなく、かかる表示領域に存在する複数の乃至は無数の評価軸に基づいて評価した結果を、選択した評価軸によって意味付けられた特定の評価尺度に基づく各要素の評価結果として表示することを可能と為し得、それによって、多数の乃至は無数の評価軸によって解析された解析結果を、一つの限られた表示領域において、画期的な表示装置を提供することを、本発明は、解決すべき課題とする。
そして、本発明は、従来では、解析に関して専門知識を殆ど持たない多くの人にとって有効に活用し難かった、極めて多数の情報を、一つの表示領域において、非常に効率的に、しかも専門知識を特別に要することなく、ビジュアル的且つ感覚的に容易に把握し、更にそれを活用することを可能となし得る、そのような新規な表示装置を提供することを、本発明は、解決すべき課題とするのである。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(情報表示装置に関する本発明)
情報表示装置に関する本発明の特徴とするところは、プログラムを実行するプログラム実行装置と、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置とを備え、位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素を、該モニタ装置の表示面に表わした座標系の座標領域に布置して表示する情報表示装置であって、(a)前記複数の要素のデータを、外部から前記プログラム実行装置に対して、処理対象データとして取得させるデータ取得手段と、(b)前記モニタ装置の表示面上に二次元または三次元の座標系を表示する座標系表示手段と、(c)前記データ取得手段で取得された前記処理対象データから前記複数の要素の各座標値を前記位置情報として特定して、それら各要素を、前記モニタ装置に表示された前記座標系の座標領域に表示する位置を決定する要素表示位置決定手段と、(d)前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域において、前記複数の要素における前記関連情報を評価する基準となる評価軸の方向を表示する評価軸方向表示手段と、(e)該評価軸の方向に応じて、前記複数の要素のそれぞれについて、該各要素における前記関連情報を該評価軸を指標として評価した結果を求める評価演算手段と、(f)前記評価軸の方向を、外部からの操作入力によって変更設定せしめる評価軸方向変更手段と、(g)前記複数の要素のそれぞれを、前記要素表示位置決定手段によって決定された位置に、前記評価演算手段によって求めた評価に応じて相互に異なる形態で、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示すると共に、前記評価軸方向変更手段によって該評価軸が変更される毎に、それら各要素における前記関連情報の該評価軸を指標とした評価の結果を該評価演算手段で演算して、該各要素における表示形態を変更する要素表示手段とを、有する情報表示装置にある。
このような本発明に従う構造とされた情報表示装置においては、評価対象を構成する複数の要素が有する関連情報を、一つの切り口だけでなく、任意の複数の切り口によって評価したそれぞれ視点の異なる評価態様をもって、モニタ装置における一つの画面上に時間差をもって表示させることが出来る。
それ故、評価対象が有している情報を、解析学の専門家しか理解できないような特殊な数学的情報としてでなく、ビジュアル的に変化する描画態様をもって表示することが出来るのである。特に、複数の要素を評価する基準となる評価軸を変化させるという新たな構成を採用することで、一つの画面上で変化する描画態様を採用したことにより、静止した一つの描画では到底表すことが出来ない多くの情報を表すことが出来るだけでなく、複数の評価軸のうちで採用する評価軸を変更することで各要素の評価結果が如何様に変化するかということを、視覚上で直接的に把握することを可能としたのである。
すなわち、本発明に従う装置においては、同じ要素を、一つの表示面上で、評価軸を異ならせて評価した場合にどのように変化するかということを、評価軸の変化に伴う各要素の連続的乃至は段階的な表示形態の変化から視覚を通じて容易に且つ直感的に把握することが、極めて容易に出来るのであり、その表示形態の変化から、具体的に明示することが困難な場合の多い各評価軸の意味するところまでも感覚的に把握して解釈することが可能となって、評価結果を極めて効率的に且つ有効に活用することが期待され得るのである。
なお、このように評価軸の変更に伴う表示形態の変化を連続的乃至は段階的に、一つの表示領域上で、座標軸を含む座標系を同じに保ったままで表示することに基づいて期待される、評価結果の多面的な理解という効果は、例えばそれぞれ異なる評価軸による各要素の評価結果を描画した静止画を複数提供しただけでは、到底、達成されよう筈がないことは、容易に理解されるところである。このことは、人間の視覚の特性として、視野内に複数のオブジェクトが存在するとき、「動くもの」には自動的に注意が向けられるという周知の事実があり、その結果として、大きさ等の表示形態の「変化」が大きいオブジェクトに一層大きな注意が行くことも、一つの理由として挙げることが出来よう。
ところで、本発明において、処理対象データとなり得るものは、位置情報とともに該位置情報に関連した関連情報を有する複数の要素に分解することが出来るものや、そのような複数の要素から構成されるものが挙げられる。ここにおいて、関連情報は、位置情報に対して明確に認識できる外的な関連性を有するものの他、容易に認識できない内的な関連性を有するものも含まれる。
前者の外的関連性を有する処理対象データの具体例としては、例えば、地理上の複数の地域を要素とする場合に、それら各地域の緯度,経度の値が座標系の座標値として与えられて位置情報とされると共に、それら各地域の気温又は湿度の値等が関連情報とされるケースが考えられるし、或いは、風洞実験のシミュレータで風洞内に設置された車等のモデルの各部位を要素とする場合に、それら各部位を座標系に投影した座標値が位置情報とされると共に、それら各部位の風速又は風向の値等が関連情報とされるケースが考えられる。
一方、後者の内的関連性を有する処理対象データの具体例としては、例えば、本発明者の先願に係る前述の特許第3335602号や特許第3470969号において実施例として例示しているように、相互の関連性を把握することが出来ないか極めて困難である複数の事象(要素)を挙げることが出来る。具体的には、例えば、特許第3335602号に開示されている如き人間の思考項目や、好みの服装に関する写真および説明語句などである。このような処理対象データは、各要素の相互関係を容易に認識することが極めて困難であり、位置情報さえも直接に観念することが出来ない場合が多いが、かかる処理対象データについて多変量解析を加えることにより、具体的には例えば固有値計算を利用した数量化によって内在する位置情報を付与し、更に位置情報と交互関係を有する何等かの情報(所謂、相関情報として把握できるものなど)の関連情報を取得することが出来るのである。更に、かかる関連情報としては、多変量解析(固有値計算)の結果に関係する要素(例えば、後述する実施形態において、示された各車名やその印象を表す形容詞など)だけでなく、かかる結果に関係しない要素(例えば、後述する実施形態において、例示される各車の売上高や、それを購入する者の年収額など)であっても、位置情報をもって座標領域に布置された要素と関連のある情報である以上、有効に対象となり得る。
また、本発明において採用されるプログラム実行装置は、必ずしも専用機である必要はなく、一般に市販されているデスクトップ型やノート型等の各種パーソナルコンピュータなどによって構成され得る。モニタ装置も、評価軸の変更に伴って、好ましくはリアルタイムでの瞬間的な表示更新か可能なように動画的な表示が出来るものであれば良く、具体的構造が限定されるものでない。また、データ取得手段は、例えばパーソナルコンピュータに付属するキーボードの他、フレキシブルディスクやCD−ROM,DVD,MOなどの各種記録媒体のデータ読取手段,LANやWANなどのデータ通信手段などによって有利に構成され得る。更にまた、座標系表示手段は、二次元や三次元の座標系を描画させるデータをプログラム実行装置に作成させると共に、作成された描画データに従ってモニタ装置に座標系を表示させるプログラムを含んで構成される。要素表示位置決定手段は、データ取得手段によって取得される要素のデータの態様に応じて、例えば、処理対象データが上述の地理的情報である場合のように、各要素が座標値をもって外部から入力される場合には、当該座標値を、座標系表示手段によってモニタ装置に表示される座標系の座標値に座標変換する演算手段によって構成されることとなり、また、処理対象データが上述の多変量解析用の情報である場合のように、各要素が明確な座標値をもたないデータとして外部から入力される場合には、例えば固有値計算等で各要素の座標値を特定する演算手段によって、要素表示位置決定手段が構成される。評価軸方向表示手段は、必要に応じて予め設定された初期方向と、後述する評価軸方向変更手段によって変更設定される方向を考慮して決定される評価軸の方向を特定する、点や線,矢印等の適当な記号,或いは数値などを、プログラム実行装置においてモニタ装置に表示させる表示用のプログラムを含んで構成される。評価演算手段は、データ取得手段で取得した複数の要素のデータから直接得られる上述の気温や売上高等の関連情報や、該要素のデータから多変量解析等の演算を介して得られる上述の相関情報(位置情報に対する)など、基本となる関連情報を、特定された評価軸を指標として評価する演算を、プログラム実行装置によって実行させる演算プログラムを含んで構成される。なお、評価軸を指標として評価する演算は、例えば座標領域に布置された各要素の評価軸によって説明される情報の割合、より具体的には例えば各要素の分散のうち評価軸で表される割合の値、或いは当該評価軸を座標軸として直交座標系を構成した場合の各要素の座標値などとして求められ得る。また、評価軸方向表示手段は、例えばキーボードやマウス等の人手による操作手段を含み、かかる操作手段を利用して特定の方向を指示する信号をプログラム実行装置に入力せしめるプログラムによって実現され得る。要素表示手段は、プログラム実行手段において、前記座標系表示手段によってモニタ装置に表示される座標系と対応付けて、当該座標系に各要素を布置する表示データを作成させると共に、それら各要素の表示態様(例えば大きさや濃度,透明度など、外観状態を複数段階に異ならせることの出来る表示態様をいう)を、評価演算手段の演算結果に基づいて相互に異ならせる表示データを作成させると共に、作成された表示データに従って各要素を特定の位置に特定の態様で表示させるプログラムを含んで構成される。なお、上述の位置情報と関連情報の交互作用とは、相関式で表すことが出来るような相互作用よりも広い概念であって、明確な関係で表すことが必ずしも出来ないが互いに何等かの作用を及ぼし合う関係まで含む概念であって、解析分野において広く用いられているものである。
情報表示装置に関する本発明において、好ましくは、前記評価軸方向変更手段を、(h)前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に指定点をポイント表示する指定点表示手段と、(i)該指定点表示手段によって表示された指定点の位置を外部からの操作入力によって該座標系の座標領域において変更設定せしめる指定点変更手段と、(j)該座標系の座標領域において予め設定された基準点と該指定点とを結ぶ直線上に前記評価軸を変更設定する評価軸決定手段とを、含んで構成した態様が採用され得る。
このような態様においては、マウスやキーボード等の公知の入力手段を利用した外部からの操作で位置変更せしめられるポイント表示(指定点)が、座標系の座標領域に、座標軸等と併せて表示されることから、プログラム実行装置を操作する者が評価軸を容易に変更したり、その方向を容易に認識することが可能となり、操作性の向上が図られ得る。
さらに、このような指定点表示手段と指定点変更手段,評価軸決定手段からなる特定の評価軸方向変更手段を備えた情報表示装置においては、(k)前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域における前記基準点の位置を、該座標系の座標領域に表示する基準点表示手段と、(l)該基準点表示手段によって表示された基準点の位置を外部からの操作入力によって該座標系の座標領域において変更せしめる基準点変更手段とを、設けた構成が、一層好適に採用され得る。
このような態様においては、座標軸の原点(直交座標系における座標軸の交点)とは異なる任意の位置に、評価軸の基準原点を設定することが出来ることから、評価軸の設定自由度ひいては座標系による評価対象の評価態様の設定自由度の向上が図られ得る。具体的には、例えば、特定の座標系に付置された多数の要素の一部を対象として解析することによって得られる主成分の軸を、もとの座標系の領域に表示するような場合には、当該主成分の軸が当該もとの座標系の座標原点を通らないことがあり、そのようなもとの座標系において主成分の方向を評価軸とする場合にも、評価軸の基準原点を、表示されたもとの座標系の座標原点から外れて主成分の軸上に設定することにより、容易に対応することが可能となる。なお、本態様において、基準点表示手段は、前述の要素表示手段と同様に、プログラム実行手段において、基準点変更手段で設定変更された基準点位置に対応して、該基準点位置を前記座標系表示手段によってモニタ装置に表示される座標系と対応付けて、当該座標系に布置して表示するデータを作成させてモニタ装置に表示させるプログラムを含んで構成される。また、本態様における基準点変更手段は、評価軸方向変更手段と同様、例えばキーボードやマウス等の外部入力装置によって有利に構成され得る。
また、情報表示装置に関する本発明において、好ましくは、(m)前記評価演算手段によって求められる前記各要素の評価の結果の値に関して、表示用の閾値を外部からの入力によって設定する閾値設定手段と、(n)該閾値設定手段によって設定された閾値に対するそれら各要素の評価の結果の値の大小に応じて、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示するそれら各要素の態様を異ならせる表示態様調節手段とを、設けた構成が、好適に採用される。
このような態様においては、例えば非常に多くの要素が座標領域に布置されて表示されている場合にも、評価軸上での評価に際して重要な要素だけを特徴的に明示させて、見る者に積極的に認識させることが出来るのであり、これにより、評価軸を指標とした各要素の特徴を一層容易に把握することを可能と為し得る。なお、本態様において、閾値設定手段は、例えばキーボード等の数値入力装置の他、マウス等を用いてレベルを設定できる各種装置を利用して構成され得る。また、態様調節手段は、例えば、設定された閾値の値と、各要素の評価結果の値を比較して、その比較結果に応じて、複数の要素を選択的に表示したり、或いは特定の要素だけを視認し易く表示したり等するようにプログラム実行装置を作動させるプログラムを含んで構成される。
ところで、このような閾値を考慮して各要素の表示態様を異ならせるに際しては、更に、(o)前記指定点変更手段によって位置を特定されて、前記指定点表示手段によってポイント表示された前記指定点と前記基準点との間距離に対応して、前記閾値の値を決定することにより、該閾値の値を外部からの操作で変更設定せしめる閾値変更手段が、好適に採用される。
このような閾値変更手段を採用することにより、モニタ手段における各要素の表示態様を、任意に調節して、解析結果などを一層把握し易い態様で表示させることも可能となる。
また、情報表示装置に関する本発明において、前述の基準点と指定点によって評価軸を特定する構成を採用するに際しては、更に、(p)前記基準点を始点とし前記指定点を終点とする矢印形状のベクトル形ハンドルを、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示する評価軸表示手段が、好適に採用される。
このようなベクトル形ハンドルを採用することにより、座標系や要素が表示された表示領域において、各要素の評価軸を一層容易に把握できるように表示することが出来る。また、ベトクル形を採用したことにより、評価軸上での評価値の大小の方向まで容易に間違いなく認識させることが可能となる。なお、ベクトル形ハンドルは、基準点を中心として相反する両側にそれぞれ矢印が向く両矢印形の形態であっても良いし、基準点から一方の側だけに向かう片矢印形の形態であっても良い。特に後者の片矢印形の形態は、プラスマイナスの方向を持っての評価の結果を表す際に有効である。また、本態様における評価軸表示手段は、前述の評価軸方向表示手段と同様な構成によって実現可能である。
また、情報表示装置に関する本発明において、好適には、評価軸方向変更手段による前記評価軸の方向の変更の有無を0.04秒以下の間隔で確認し、該評価軸の方向が変更された場合には、かかる変更された評価軸を指標として前記評価演算手段によって評価した結果に基づいて、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域における前記各要素の表示形態を変更表示することにより、該モニタ装置による各要素の表示が0.04秒以下の間隔で更新され得るようにした構成が、採用される。
このように0.04秒以下の間隔でモニタ装置の画面表示を更新させ続けることにより、評価軸の方向を連続的に変化させるに際して、それに伴って変化する各要素の評価値に応じて各要素の評価形態を連続的に、即ち動的に表示させて、実質的に動的な画面として、見る者に認識させることが可能となる。これにより、評価軸の方向の変化とそれに伴って変化する各要素の評価値を、一層容易に把握できる態様で、モニタ表示することが可能となるのである。
なお、このような実質的に動的なモニタ表示は、例えばプログラム実行装置において、0.04秒以下のサイクルで連続的にループし続けるプログラムにより、評価軸の方向の変更とそれに伴う各要素の評価、更にその評価結果の描画のジョブを繰り返して実行させることによって実現可能であり、そのようなプログラムを含んで本発明が有利に構成され得る。
(コンピュータで読取可能な記録媒体に関する本発明)
本発明に従う、コンピュータによって読取可能な記録媒体の特徴とするところは、(q)ウィンドウズやユニックス,マックオーエス(何れも登録商標乃至は商品名)などのオペーレーティングシステムの基本ソフトがインストールされたコンピュータによって稼働するアプリケーションソフトであって、該コンピュータにインストールされることによって、上述の如き本発明に従う構造とされた特定の情報表示装置を実現する情報処理用ソフトウェアと、(r)位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素のデータとを、記録した、コンピュータによって読取可能な記録媒体にある。
また、このような記録媒体において好適な態様の一つとして、前記情報処理用ソフトウェアが前記コンピュータにインストールされることによって、該情報処理用ソフトウェアが前記複数の要素のデータと不可分に実行されるようになっている構成が、有利に採用される。このような記録媒体においては、例えばクライアントから特定対象の解析を、解析専門家が依頼された場合に、当該解析の結果だけについて当該ソフトウェアが有効に作動する状態で、即ち、当該依頼を受けた解析結果と不可分な態様で、解析結果の一部としてクライアントに提供することが容易となる。
(情報表示装置を実現するためのプログラムに関する本発明)
情報表示装置を実現するためのプログラムに関する本発明の特徴とするところは、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置を備えたプログラム実行装置にインストールされることによって、位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素を、該モニタ装置の画面上に布置して表示する情報表示装置を実現するためのプログラムであって、(s)前記複数の要素のデータを処理対象データとして取得するデータ取得ステップと、(t)前記モニタ装置の表示面上に表示する二次元または三次元の座標系の表示データを作成する座標系表示データの作成ステップと、(u)前記データ取得手段で取得された前記処理対象データから前記複数の要素の各座標値を前記位置情報として特定して、それら各要素を、前記モニタ装置に表示される前記座標系の座標領域に表示する位置を決定する要素表示位置決定ステップと、(v)前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域において、前記複数の要素における前記関連情報を評価する基準となる評価軸の方向を表示するためのデータを作成する評価軸方向表示データの作成ステップと、(w)該評価軸の方向に応じて、前記複数の要素のそれぞれについて、該各要素における前記関連情報を該評価軸を指標として評価した結果を求める評価演算ステップと、(x)前記座標系表示データの作成ステップで得られた座標系の表示データに基づいて、前記モニタ装置の表示面上に座標系を表示せしめると共に、前記複数の要素のそれぞれを、前記要素表示位置決定ステップにおいて決定された位置に、前記評価演算ステップにおいて求めた評価に応じて相互に異なる形態で、該モニタ装置における該座標系の座標領域に布置して表示するモニタ表示ステップと、(y)前記評価軸の方向を変更するための外部からの操作入力があったか否かを判断し、その操作入力があった場合には、該評価軸の方向を変更設定する評価軸方向の変更設定ステップと、(z)該評価軸方向の変更設定ステップにおいて前記評価軸が変更設定された際に、それら各要素における前記関連情報の該評価軸を指標とした評価の結果を再演算して求めて、かかる変更設定された該評価軸と共に、かかる再演算して求めた評価結果に応じて該各要素における表示形態を変更して、前記モニタ装置における前記座標系の座標領域に再描画する表示変更ステップとを、有するプログラムにある。
このような構成のプログラムにおいては、例えば汎用的なパーソナルコンピュータを利用して、前述の如き本発明に従う構造とされた情報表示装置を、容易に且つ有利に実現することが出来るのである。なお、上述の各ステップは、目的とするモニタ表示(描画)処理が実行されるように、その処理の前後を特に限定されることなく解釈されることが理解されるべきである。
(解析結果の情報表示方法に関する本発明)
解析結果の情報表示方法に関する本発明の特徴とするところは、プログラムを実行するプログラム実行装置と、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置とを備えた情報表示装置を用いて、多変量解析によって位置情報が与えられた複数のオブジェクトを、該モニタ装置の表示面上に表した二次元又は三次元の座標系の座標領域に対して該位置情報に基づいて布置して表示する解析結果の情報表示方法であって、前記モニタ装置の座標領域において前記座標系を固定的に表示させると共に、特定の方向を示す矢印形状のベクトル形ハンドルを表示させて、このベクトル形ハンドルの向きと長さを、外部からの操作入力によって同時に変化させるようにする一方、前記複数のオブジェクトを、それぞれ、前記多変量解析によって付与された前記位置情報に基づいて該モニタ装置の座標領域に布置して表示すると共に、該ベクトル形ハンドルによって方向が特定される評価軸に関する寄与率を求めて、それら複数のオブジェクトの表示の大きさをかかる寄与率に応じて相対的に異ならせ、更に、該ベクトル形ハンドルの向きの変化に伴って変化する、各オブジェクトにおける該評価軸に関する寄与率に対応して、それら各オブジェクトの表示の大きさを逐次に変化させて表示せしめるようにした解析結果の情報表示方法にある。
このような本発明方法に従えば、特に、解析学に関する専門知識を持たなければ有効な活用と簡易な結果把握が困難とされる解析結果について、解析学に関する専門知識を殆ど持たない者でも、より多くの情報を、容易に把握することが出来る態様で、解析結果を提供することが可能となるのである。
なお、本発明方法において、好適には、前記寄与率を、下式で表される関数によって求めるようにすることが、有利に行われる。
Cj=f( Xj,Yj, β, Mj)
但し、
Cj:特定のオブジェクト(j 番目のオブジェクト)の特定の評価軸に関する寄与率
Xj:j番目のオブジェクトのX座標
Yj:j番目のオブジェクトのY座標
β :寄与率を計算すべき評価軸の方向を指定する角度値であって、座標軸に対するベクトルの角度
Mj:j番目のオブジェクトの座標軸に関する相対周辺度数の値
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた情報表示装置においては、評価対象を構成する複数の要素が有している情報を特定の切り口をもって評価する基準となる評価軸を採用し、当該評価軸を画面上で変化させるという新たな構成を採用したのであり、このように、一つの画面上で変化する描画態様を採用したことにより、静止した一つの描画では到底表すことが出来ない多くの情報を表すことが出来るだけでなく、複数の評価軸のうちで採用する評価軸を変更することで各要素の評価結果が如何様に変化するかということを、視覚上で直接的に把握することを可能としたのである。
これにより、評価対象が有している情報を、例えば解析学の専門家しか理解できないような特殊な数学的情報としてでなく、ビジュアル的に変化する描画態様をもって表示することが可能となり、解析学に関して高度な知識を有していないユーザーにおいても、解析結果等を容易に把握し、効率的に活用することが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成に関してより具体的な説明を加えると共に、本発明のより具体的な実施形態について、説明を加えることとする。
すなわち、本発明の好適な一態様においては、その具体的なハードウェア構成が、図1に示されているように、プログラム実行装置としてのパーソナルコンピュータ10と、モニタ装置としての液晶表示装置等からなるディスプレイ12から構成される。パーソナルコンピュータ10は、一般に市販されているものでよく、ウィンドウズ(登録商標)等の適当なOSがインストールされたもので良い。また、このパーソナルコンピュータ10は、外部入力用の操作手段として、マウス14やキーボード16を備えている。なお、パーソナルコンピュータ10自体は、CPUにROMやRAMがバスラインで接続装備され、更にV−RAMが装備されると共に、適当なインターフェースを介してディスプレイ12やキーボード16等が接続されるようになっている構成を有するが、それ自体周知であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
また、この情報表示装置18には、フローピーディスクドライブ20,CDドライブ22,或いはキーボード16等を利用して、OS上で稼働するアプリケーションソフトとして、特定のプログラムがインストールされている。
而して、かかる情報表示装置18は、表示領域24を形成するための二次元の座標系を、ディスプレイ12の画面上に描画して表示するようになっている。また、情報表示装置18は、フローピーディスクドライブ20,CDドライブ22,或いはキーボード16等を利用して、処理対象を構成する複数の要素データとしての数値や言語,画像などを、取り込むようになっている。そして、取り込んだ複数の要素を演算処理して、それら各要素をディスプレイ12の表示領域24上に布置して、表示するようになっている。
さらに、表示領域24上に布置された各要素は、ディスプレイ12の座標系に表された特定の評価軸に関して関連情報を評価演算され、その評価演算の結果に応じて、大小等の表示形態が変更設定されるようになっている。
ここにおいて、本実施形態の情報表示装置18では、評価軸の方向をディスプレイ12上で明示して特定するベクトル型ハンドル26が採用されていることに、一つの特長がある。要するに、人間に対して視覚を通じて情報を取得せしめ得る一つの表示空間としてのディスプレイ12の画面上の表示領域24において、解析結果を利用しようとするユーザー自身が、マウス等を利用して「ベクトル型ハンドル26」を操作することにより、ディスプレイ12上での各要素の表示形態を変更することが出来る装置であることを一つの特長としている。
本実施形態において、表示領域24では、複数の評価軸があり、例えば直交座標系でいえば、二次元の場合にはX,Yの二軸,3次元であればX,Y,Zの三軸に関して、各要素28が、それぞれ与えられた座標(X,Y)または(X,Y,Z)の値に対応した位置に付置されて表されている。しかしながら、これらの各付置された要素の持つ情報が、単に位置情報だけではない場合が、本発明の対象なのである。即ち、各要素28は、座標値として表される位置情報の他に、他の情報も併せ備えているのであり、それが例えば多数の要素28,28・・・間における交互作用のある情報なのである。
そこで、そのような座標値としては表すことが出来ない別の情報(関連情報)を表示領域24において視覚的に表す場合に、本実施形態においては、例えば、要素28として表示した点の大きさや色の違い等によって表現することが考えられる。その場合に、その関連情報の評価軸が、多数ある場合には、表示する情報が多元的で無数になることが理解できるところである。このことは、特に本出願人の先願に係る特許第3335602号や特許第3470969号,特許第3417941号において実施形態として例示的に記載されているデータを見ると容易に理解できる。
本実施形態では、かかる多元的な情報が、さらに「表示領域における評価軸の方向」や「要素間の相対的な位置関係」などの変数と、交互作用をもっている場合、即ち、空間位置情報と何等かの関係をもっている場合に、表示領域内に位置の評価基準乃至は尺度となる方向を特定する操作手段(例えば「ベクトル型ハンドル26」)を表示して、それを表示領域26に座標軸や要素28と共に表して特定しつつ、かかる表示領域24上での評価軸(ある種の尺度)となる方向を、任意に複数乃至は多数、或いは無数の範囲で変更可能としたことに、一つの大きな特徴がある。
それに加えて、そのような操作者(ユーザー)による評価軸であるベクトル形ハンドル26の操作に従って、表示領域24での評価軸となる方向が変更される毎に、略リアルタイムで表示領域24での各オブジェクト(要素)の表示を、選択変更される評価軸となるベクトル形ハンドル26の設定方向に対応したものに変更して、更新表示するようにしたことも、大きな特長の一つなのである。
すなわち、本発明は、上述の「ベクトル型ハンドル26」は、空間の数理的「原点」(2次元空間なら(X=0,Y=0)の点)を始点とする矢印状の形状のハンドルで、ユーザーがベクトルの終点を自由に動かして操作することができる。たとえば終点をマウスで掴んで好きな方向、好きな長さに変形することができるものである。ただし通常は「原点」は固定されており、移動できないようにされる。
なお、この原点を固定することは、必須の要件ではなく、要するに評価基準乃至は尺度の基準位置を変更設定することが出来るようにしても良い。
本実施形態における情報表示装置18では、かかる「ベクトル型ハンドル26」において、その「向き」と「長さ」の2つを「同時に」操作することができるようにすることが望ましく、そのように構成されている。この2つの変数で、表示するデータオブジェクト(各要素28)の複数の属性をリアルタイムに変化させて表示することが出来るようになっている。勿論、ベクトル形ハンドル26の「向き」だけを変更設定できるようにして、評価軸の方向だけを異ならせた表示態様に書き換え表示するようにしても良い。或いは、ベクトル形ハンドル26の長さだけを変化させて、例えばベクトル形ハンドル26の長さに対応して各要素28の当該評価軸上での重み付け等を変化させて表示変更するようにしても良い。
両者(方向と長さ)を変更する場合の一つの具体例としては、次のものが挙げられる。
(1)ベクトル形ハンドル26による「ベクトルの向き」で、表示領域24上の任意の軸方向を指定し、その指定された「軸方向」に関しての各データオブジェクト(要素)28の評価結果としての「寄与率」をリアルタイムに再計算し、その寄与量の大きさを当該オブジェクト28表示の「大きさ」(オブジェクト28が円形で表示されるとすればその円の半径の値)に変更して瞬時に表示を更新する。
(2)ベクトル形ハンドル26における「ベクトルの長さ」は、オブジェクト(要素)28の「ラベル表示の詳細度」の制御に利用する。即ち、オブジェクト28のラベル(文字表示のことをいう)を全て表示すると煩雑すぎて直感的に理解しにくい(例えば、後述する実施例の図4を参照)ので、たとえば特定の閾値以上の指定軸方向の寄与率を持つオブジェクト28のラベルのみを表示する方法がある。この閾値の指定をベクトル形ハンドル26の「長さ」によって操作する。
ベクトルの長さを「長く」すれば閾値(スレッショルド値)が高くなり、大きな寄与率を持つオブジェクト28のラベルのみが表示される(例えば、後述する実施例の図11を参照)。
逆にベクトルの長さを「短く」するに従って閾値も小さくなり、寄与率の小さなオブジェクトのラベルも表示される(例えば、後述する実施例の図12を参照)。
すなわち、このような具体的な例示態様においては、ベクトル型ハンドル26の「向き」と「長さ」を同時に操作することによって、当該表示領域24におけるそれぞれのオブジェクト28の属性を、ハンドル26として表示されたベクトルの「向き」と「 長さ」にそれぞれ対応つけた形で直感的に操作できるようにすることが出来るのであり、このような態様を画面上に表示し、そのベクトル型ハンドル26の方向と長さをユーザーが変更できるように、外部からの操作手段(評価軸方向変更手段および閾値変更手段)を設けているのである。かかる操作手段としては、例えばコンピュータ描画ディスプレイ12の場合には、マウス14の操作に連動して座標領域24上で任意に移動せしめられるマウスポインタ30であったり、その他ジョイスティック等のハンドル(図示せず)であったり、キーボード16による上下左右等の移動方向を指示するキー操作であったりして良い。特にマウス14やジョイスティックは、ユーザーの感覚を、ディスプレイ12上のベクトル型ハンドル26等に関連付け易く、その分、ユーザーが直感的に表示内容やその変化態様を認識し易いことから好適である。
特に、本実施形態では、ハンドルの「向き」に対応付けられる、オブジェクトの変量(例えば、各軸方向への寄与量)とハンドルの「長さ」に対応付けられる、オブジェクト28の変量(例えば、テキストによるラベル表示の詳細度)というように、オブジェクト28に関連する「複数の変量」を同時に関連付けて操作する構成が採用されている。
上述の例示したような作動を実行するために、前述の本実施形態としてのパーソナルコンピュータ10に対してインストールされるアプリケーションプログラムの一具体例における概略構成が、図2及び図3において、フロー図として例示されている。
すなわち、先ず、全体の大きな作動を示す図2において、解析結果の表示作動が開始されると、処理対象であるデータの取得が行われる。このデータの取得は、例えばキーボードやスキャナ(図示せず)等を用いて行うことも可能であり、予めデータを記憶させたCD−ROMやフレキシブルディスクから取得するようにしても良い。
続いて、取得した処理対象のデータから、位置情報とそれに交互関係を有する関連情報を取得するために、所定の多変量解析を実行する。その後に、情報表示処理が実行される。この情報表示処理は、大きく分けて、具体的表示データの作成と、そのディスプレイ12への表示によって行われる。かかる情報表示処理の一具体例の詳細が、図3に示されている。
それには、先ず、スタートして、予めプログラムに従って、ディスプレイ12の画面上に適当な大きさの座標系を描画して座標領域24を表示する。このように表示された座標領域24は、本実施形態において実行される以下のループ処理に際して更新されることはない。
そして、ステップ:S1において、マウスドラッグの操作によりベクトル形ハンドル26を変更する指示である操作入力があったか否かを判断する。この判断は、出来るだけ短い間隔で、好ましくは0.04秒以下の間隔で図3に示されるループ処理が実行できるように実施される。
ベクトル形ハンドル26の変更指示があった場合には、ステップ:S2で、マウスポインタ30で特定される座標値からベクトル形ハンドル26の方向と角度を演算して求めると共に、続くステップ:S3で、特定されたベクトル形ハンドル26の長さから、閾値を特定する。この閾値は、評価値とされる寄与率の変動幅を考慮して、例えばベクトル形ハンドル26の長さが最短で0,最長で1として設定される。
その後、ステップ:S3でカウント値:Jの値を初期値:1に設定した後、ステップ:S5で、J番目のオブジェクト(要素)28の評価軸方向(ベクトル形判断26の方向)における軸方向の評価値(例えば寄与量のベクトル方向成分値)を演算で求める。
続いて、ステップ:S6において、上述のステップ:S5で得られた評価値に基づいて、それに対応した表示の大きさを決定する。この表示の大きさは、例えばディスペレイ12の表示性能や表示領域24の大きさ等を考慮して、表示する要素28の最小値と最大値(設定する最小半径と最大半径)を予め決定しておいて、評価値の大きさた割合で表示の大きさを決定すること等によって求める。そして、このようにして決定された大きさで、該当する要素28を、座標領域24に対して、予め決定された座標値に対応する位置において描画して表示する。
さらに、ステップ:S7において、上述のステップ:S3で決定した閾値と、上述のステップ:S5で求めた評価値とを比較し、当該要素28における評価値が閾値よりも大きい場合にはステップ:S8に進んで当該要素28のオブジェクトラベル(文字表示)を、ディスプレイ12において当該要素28上に重ね合わせるようにして或いは近接位置に描画して表示する。一方、当該要素28における評価値が閾値よりも小さい場合にはステップ:S9に進んで当該要素28のオブジェクトラベル(文字表示)を表示しない。
そして、ステップ:S10,S11によるループ処理で、全ての要素28に関して、上述の処理を施し、適当な形態をもって、全ての要素28を座標領域24上に表示する。
上述のごとき処理は、ステップ:S12で終了命令が確認されるまで、ループ処理で繰り返し継続して実行される。これにより、マウスドラッグによるベクトル形ハンドル26の変更がある毎に、0.04秒以下の極めて短い時間で表示更新されて再描画される。これにより、ベクトル形ハンドル26を変更することに伴って、表示領域24に表示された全てのオブジェクト(要素)28がまるで動画のように大小変化し、寄与量の小さいものはテキスト表示もなくなる表示が実現されることとなる。
さらに、上述の如き本実施形態におけるプログラム実行装置の作動とその効果を一層理解し易いように、説明を加える。
例えば、多くの事象からなる要素を、それらの持つ各種情報を把握するために解析する場合を考えてみる。その場合に、直交座標系におけるX軸方向(水平方向)とY軸方向(垂直方向)の代表的な二方向程度の寄与率程度なら、その両者を個別に印刷出力して見比べることもできるが、実際には寄与率は指定軸方向の変化に応じて変化するものであるため、無限の角度指定が可能であり、その全てを印刷出力したのでは大量になりすぎて効率が悪いし、結果を把握したり検討することが極めて困難となる。多数の出力を見比べて、特徴ある軸方向を見つけ、更にそこから何等かの未知の情報を抽出することは困難といわざるを得ない。
ベクトルは「X座標とY座標の組」と等値であるから、1024×768ピクセル程度の一般的な分解能の画面でも、786432通り(1024×768)のベクトルが在り得ることとなり、事実上は無限と等しい。その全ての組み合わせ状況ごとに、多数の各オブジェクト(要素)が少しずつ異なる属性に変化するわけであるから、そこには、非常に多くの情報量が存在していることになる。
しかし、そのような多数の組み合わせのなかで、抽象的な情報構造として、重要な「意味」を持つ方向は、いくつかの少数の方向だけであり、要は、それがどの方向かが分かれば、後の情報の読み取り等の解析作業や検討が容易となる。寄与率計算の指定軸(評価軸)の方向を、「ベクトル型ハンドル」26で操作し、その結果をディスプレイ12の座標領域24においてリアルタイムに確認できれば、特徴ある軸方向の検出効率は大幅に向上する。
さらに、同じ軸方向についても、ベクトルの長さを操作することで、ラベル表示の詳細度などといった、もうひとつ別の表示属性変数も同時にコントロールできる。
この「ベクトルの方向と長さ」という2つの要素を、それぞれ別の制御機構と結びつけると同時に、それらの2要素を、「同時に」かつ「直感的に」操作可能にすることで、非常に多くの可能性を、しらみつぶしに確認したのと同様の効果を、短時間に得ることが可能になる。
これまでは、このような装置がなかったために、X軸方向(水平方向)とY軸方向(垂直方向)など代表的な二方向程度の寄与率の状態を確認し、残りの方向については、無視してしまう場合や、人間が勝手に類推してしまうことが多く、完全な意味構造を把握しそこなう危険性が高かった。
本発明においては、表示空間において、実質的に動画を表示することが可能であり、それによって、次のような効果が発揮される。
現在の主流となっている程度の性能のパーソナルコンピュータとモニタ装置の組み合わせによって構成された情報表示装置であれば、ベクトル形ハンドル26の瞬時の再描画にとどまらず、それに続く指定軸方向での各オブジェクト28の寄与量の再計算、その寄与量に対応したオブジェクト28の表示の大きさの更新再描画、更には、ベクトル形ハンドル26の長さに対応した閾値によるオブジェクトラベルの表示/非表示制御までを、40ミリ秒以下の速さで実行できる。
おおよそ40ミリ秒以下の速さ(つまり1秒間に25フレーム以上の速さ)で画面再描画を連続的に行うと、人間の知覚はそれを「静止画の連続」ではなく「スムーズな動画」と認知する。因みに、映画やテレビ放送のフレーム速度はおおよそ24〜30フレーム/秒程度である。要するに、ベクトル形ハンドル26の操作が、オブジェクト28の変化に対して、感覚的にリアルタイムに反映するような構成を実現することができる。ユーザーには、マウス14でリアルタイム変化されるベクトル形ハンドル26の変更操作が、特殊な法則で、物理的に各オブジェクト28に連結されているような感覚で、ベクトル形ハンドル26を操作できることになる。
例えば、「ベクトル型ハンドル」の終点(矢印の尖端)をマウスでドラッグ(マウスボタンを押したままの状態で移動)するにつれて、「ハンドル」 の方向と長さが瞬時かつ連続的に変化し、それに対応するオブジェクトの変化を、直感的に理解できることになる。
また、例えば、寄与率等の評価計算を行う指標(評尺)となる評価軸(ベクトル形ハンドル)26の方向を、特定の角度(例えばX軸に対する交差角度)から、少し動かすと、その変化に対応して、全てのオブジェクト28が「次第に大きくなったり」「次第に小さくなったり」していく様子を、オブジェクト変形の「モーフィング」動画として見ることができる。
特に、布置された複数の要素28によって表された情報を認識するために、例えば2つの異なる角度の軸(評価軸)の方向に対する、各オブジェクトの寄与率の差を確認するために、2つの角度ごとのオブジェクトの寄与率を、個別に表示し、その差を人間が比較して理解するのは、とても骨の折れるプロセスである。蓋し、全てのオブジェクト28について、それぞれ、両角度の評価軸での寄与率に差があるかどうかを見比べなくてはならないからである。そこにおいて、実際には差を「見落とす」こともよくある。
しかし、本実施形態の情報表示装置のように、両角度の間をベクトル形ハンドル26を「動かし」ながら観察できれば、指標軸の方向が異なることによってどのオブジェクト28の寄与率が異なるのかを容易に発見できる。人間の視覚の特性として、視野内に複数のオブジェクト28が存在するとき、「動くもの」には自動的に注意が向けられるからである。結果として、大きさの「変化」が大きいオブジェクト28や、ラベルの表示/ 非表示変化のあったオブジェクト28を見落とすことは殆どなくなる。これが「動画」として対象を観察するメリットであり、例えば多変量解析の結果として座標値をもって座標系に布置された複数の要素28のもつ意味(情報)を、かかる座標系においてほぼ無限に存在する評価軸の方向のなかから、注目すべき軸角度を容易に発見できることになる。
なお、上述の実施形態における構成や効果の説明は、何れも、本発明を理解し易くするために出来るだけ具体的に行っていることが理解されるべきである。
例えば、本発明においては、2次元空間と同様に「3次元空間」を表示し、「3次元のベクトル」をベクトル形ハンドルとすれば、同様の効果を3次元空間で実行することも可能になる。(たとえばオブジェクトは「円」の変わりに「球」で表示し、その半径が寄与率等の評価値に応じてリアルタイムに変化するように構成できる)
また、原点を動かす構成も採用可能である。即ち、通常は「原点」は、座標原点等に固定されており、移動できない。しかし、まれに特定の位置からの各方向の変化に対応する効果を可視化することが意味のある場合(風洞実験のシミュレータのような場合)には、「ハンドルの原点を任意の位置に移動する」という特殊なモードを追加して構成することもできる。このモードの作業が完了すれば、再び原点は(新しい原点位置に)固定され、ベクトルの終点(尖端)側のみをマウスで掴んで好きな方向に動かせるようになる。或いは、原点を変更した場合の再評価と再描画(表示)まで、リアルタイム様に表示させるようにしても良い。原点を移動させる構成は、上述のベクトル形ハンドル26の方向と長さを変化させる場合と同様に、例えば、マウス14を操作し、座標領域24に表示されたマウスポインタ30で現状の原点を指示してクリックした後、ドラッグして適当な位置まで移動させる操作などによって、有利に実現され得る。
なお、原点が変更された場合には、多くの場合、評価軸の評価基準点と、評価軸の位置も異なることになるから、原点の変更に伴って、各要素28の評価の再演算と、その結果に基づくディスプレイ12上への再描画が実行されることとなる。
また、ベクトル形ハンドル26で制御されるオブジェクト28の表現形式は、必ずしも「テキストラベル( 当該オブジェクトの名称を表示する文字) を伴う円( 寄与率の大きさを表す) 」である必要はなく、たとえば、テキストラベルのみを表示することにして、そのテキストのフォントサイズを可変とし、そのサイズで寄与率の大小を表すように、即ち、例えば寄与率が高いオブジェクト28ほど、フォントの大きさがおおきくなるようにしてもよい。或いは、要素の表示として、図形や写真等を利用して座標領域24に布置しても良い。また、オブジェクト28を適当な図形で表す場合でも、円形に限らず、任意の形状を利用できる。
以下に、本発明をより具体的に表すために、一実施例として、多変量解析結果である自動車のイメージ認知空間をディスプレイ表示する具体的態様を示して、更に説明を加える。
すなわち、処理対象データとしての高級車9車種の消費者による認知構造(解析結果)を、本発明装置において可視化する例を示す。先ず、多数の消費者に対する「高級車のイメージ」についてのアンケート調査結果として得られた、9車種×15評価用語の度数表行列(行列の各数値要素は、当該車種に当該評価用語が「あてはまる」と答えた人の数)が、データ解析の入力行列として、表1に示されている。
この表1に示されたデータ解析の入力行列について、この行列に多変量解析(特異値分解など)を行うことで、各車種および各形容詞を、それぞれ「イメージのパターンが似たもの同士を近くに、似ていないもの同士は遠くに」布置するような最適の低次元(通常2次元、もしくは3次元程度)の抽象的意味空間を自動生成する。
このような解析の結果として、通常、表2に示されている如き結果と、それによる以下のような情報を得ることが出来る。即ち、アンケート調査結果を表す行列は、その内部に未知の情報を有しており、その情報を抽出し、クライアントに提供する必要がある。そこで、先ず情報を抽出し易い形態に、かかるアンケート調査結果を表す行列を変換する操作が、多変量解析なのである。なお、多変量解析の具体的手法は周知のものであると共に、本発明者による前述の先願にも明示されており、しかも、本発明は、解析結果として得られたデータを処理対象データとして利用するに過ぎないものであることから、ここでは詳細な説明を割愛する。
すなわち、多変量解析の結果として、次の如き情報データを具体的な数値として取得することが出来る。
(a)各オブジェクト(各車種、各評価用語)の解析結果空間(座標系で表される表示領域)内での位置情報。即ち、各要素(オブジェクト)のX座標、Y座標、Z座標
(b)各オブジェクト(各車種、各評価用語)の解析結果空間の各軸への寄与率。即ち、X軸寄与、Y軸寄与、Z軸寄与の各値。
(c)なお、寄与率は、XやYの基本軸方向だけでなく、空間内の「 任意の軸方向」について計算可能な式としても定義される。この式は、任意の軸方向角度を引数として、当該軸方向の各オブジェクトの寄与量を返すような関数が定義される。具体的には、例えば下式によって示されるが如きである。
Cj=f( XJ,Yj, β, Mj)
但し、
Cj:特定のオブジェクト(j番目のオブジェクト)の特定の評価軸に関する寄与率
Xj:j番目のオブジェクトのX座標
Yj:j番目のオブジェクトのY座標
β :寄与率を計算すべき評価軸の方向を指定する角度値であって、座標軸に対するベクトルの角度
Mj:j番目のオブジェクトの座標軸に関する相対周辺度数の値
すなわち、座標領域としての意味空間内における各オブジェクトの「位置」を見ることで、オブジェクト間の相互関係は分かるが、更に解析結果として自動的に取得された空間の「各軸の方向が何を意味するか」については、寄与率(つまり各軸を生成するにあたって、各オブジェクトがそれぞれどの程度寄与したかの量)から読取ることが可能となる。
例えば、高級車のイメージがどのような概念構造で認識されているのかといった、抽象的な概念の構造を把握するためには、各車種の位置と各評価用語の相対位置関係を見るだけでなく、それらが計算結果として自動布置された空間それ自体がどのように構成されたのか、を知る必要がある。
その際、X軸やY軸といった基本軸方向だけでなく、任意の軸方向についての「寄与率」が表示できれば空間の特定方向に潜む抽象概念構造を、簡単に把握することができるようになる。つまり、その空間の「任意の軸の意味」を可視化することが重要であるといえる。多変量解析で形成された表示領域としての座標空間乃至は意味空間では、「軸」が「空間」を作っていると考えられるからである。
しかし、任意の軸方向は「任意に」つまり「無限に近いバリエーションがあるため」そのすべてを一つ一つ確認していたのでは、効率が悪く、非常に時間がかかる。このような場合に、本発明に従う情報表示装置を利用すれば、ベクトルの形ハンドルを360度、座標原点の回りに動かしながら、座標領域に布置された各オブジェクトの変化をみることで、特定の意味構造が存在する方向を、容易に発見できるのである。
因みに、前述の表1に示された解析対象データを、固有値計算によって演算処理して解析した結果である表2に示された処理対象データを用い、この解析結果である処理対象データを、座標領域としての二次元座標に付置したものが、図4である。
そして、X軸を評価軸として採用した場合での、ディスプレイ上での表示態様が、図5に示されている。この表示態様においては、X軸への寄与率が大きい要素ほど、その円形の半径の大きさが大きくなる形態で表示されている。具体的には、「伝統的な」「無難な」「セドリック(登録商標)」,「クラウン(登録商標)」等が、X軸の正方向に大きな寄与率を持つ要素であり、「遊び心の感じられる」「将来性のありそうな」「デザインが良い」「レジェンド(登録商標)」等が、X軸の負方向に大きな寄与率を持つ要素であることが、視覚的に把握できる。なお、これらの寄与率の大きさは、前記表2に示された数値からも、例えばX軸における、各要素の座標値と相対寄与の値(寄与率)との関係を見ることで理解することが出来るが、視覚的に把握する方が格段に把握が容易で効率的であることが理解され得る。なお、表2中、「相対寄与」は、該当する要素の分散のうち各軸(例えばX軸)によって説明される割合を示し、「絶対寄与」は、各軸に関して各要素によって説明される分散の割合を示すものであって、解析学の分野で解析ソフトの出力値として用いられている公知の値である。換言すれば、これら「相対寄与」と「絶対寄与」は、各要素を評価軸としての軸(例えばX軸)に射影した際に損失するデータ量の程度を表すものであって、その値が大きい程に損失データ量が小さいことを意味する。従って、何れの寄与の値も、上述の寄与率として用いることが出来るが、後述するベクトル形ハンドルで原点まわりに方向を回転操作して設定される評価軸に関して、その設定方向の評価軸に対する寄与の程度をより的確に表すものとして絶対寄与の方が好適に採用される。因みに、図5に示された結果も、各要素のX軸に対する絶対寄与の値に基づくものである。
同様に、Y軸を評価軸として採用した場合での、表示態様が、図6に示されている。この表示態様においては、当然ながら、図5とは異なる要素が大きな円で表示されており、上述のX軸の場合と同様に、Y軸への寄与率の大小の程度を、かかる円の大きさや、相対的な位置関係などから把握することが出来るのである。
ところで、本実施形態では、この表示空間に表示された(図5ではX軸上,図6ではY軸上)大きな両ベクトル形状の表示が、ベトクル形ハンドル(図面上では、ベクトルハンドルと略称表示)と称されるものである。このベクトル形ハンドルは、画面上の表示において、マウスポインタ(図示せず)の位置と併せて(関連付けて)認識できるようになっている。即ち、マウスポインタの位置を、画面上に表示させてクリック等の特定操作を実行すると、リアルタイムで、その方向にベクトル形ハンドルが向くようにして表示されるようになっている。
しかも、本実施形態では、マウスポインタの表示位置がベクトル形ハンドルの先端に相当するように、ベクトル形ハンドルの長さも調節されるようになっている。
要するに、本実施態様では、コンピュータを用いて装置が構成されており、前述の如き解析結果のデータを参照して、マウスポインタが表示された座標値を読み取り、当該座標値と原点を結ぶ線を評価軸の方向として決定すると共に、当該座標値と原点の間の距離から表示用の閾値として特定するべく、情報表示装置を構成するコンピュータが演算処理するようになっている。
そして、ユーザー操作によってマウスポインタの位置が変化すると、コンピュータは、マウスポインタの表示座標の変化を認識(識別)することを条件として、前述の解析データから各要素の寄与率を演算して求めると共に、コンピュータは、各要素の標題表示(テキスト表示)を行うか否かを、その寄与率の値の大きさに応じて、具体的には寄与率が上述の閾値より大きい場合にだけ当該要素のテキスト表示を行う決定をするように、作動せしめられる。
その後、コンピュータは、各要素について全て演算して、演算結果を、ディスプレイ上に再描画するようになっている。これにより、ユーザーは、ディスプレイの表示を見て、略リアルタイムに自分のマウス操作に連動して表示が切り換え変更されるようになっている認識を持つようになっているのである。
具体的には、マウス操作により、ベクトル形ハンドルが各種の方向に向けられた場合の、コンピュータが演算処理した結果としてのディスプレイにおける表示態様を、図7〜10に示す。
また、マウス操作により、ベクトル形ハンドルの長さが変更された場合の、コンピュータが演算処理した結果としての画面における表示態様の変化を、図10に対応する結果として、ベクトル形ハンドルの長さをより長くして表示をするか否かの判断の閾値を小さくした場合と、反対にベクトル形ハンドルの長さをより短くして表示をするか否かの判断の閾値を大きくした場合とについて、それぞれの表示結果を、図11と図12に示す。
なお、このような表示作動は、例えば前述の図1に示されている如き情報表示装置を構成するコンピュータにおいて、例えば前述の図2〜3に示されている如き特定のソフトウェアにより実現されることは、上述の通りである。
そこにおいて、全てのデータを入力したもの、具体的には例えば多変量解析結果としての表2に示される如き内容のデータを予め入力して記憶させたものを、ソフトウエアとして配布することが出来る。これにより、かかるソフトウエアをコンピュータにインストールしたユーザーは、ベクトル形ハンドルを任意に操作して表示態様を任意に選択することが出来る。このような態様を採用することにより、データを利用したいユーザーが、当該解析結果の情報から、任意に多数の必要な情報を認識することが出来るようにした、一つの配布プログラムとして、ユーザーに提供することも出来る。この配布は、フレキシブルディスクやCD−ROM等の有形の記録媒体による他、LANやインターネット等を利用した通信によっても行うことが出来る。
要するに、そのような配布態様を採用することにより、各ユーザーの所有するパーソナルコンピュータを利用して構成した情報表示装置によって、目的とする情報表示を、その作動を安定化させて使用を容易とすることが出来ると共に、当該解析結果のデータをユーザーが自由に利用することが出来るのである。しかも、ユーザーは、解析対象である具体的なデータの利用だけを当該ソフトウエアによって実現することが出来るが、その他のデータ解析には、その使用を不可能とするように、配布主体が管理することが容易に実現できる。具体的には、データとソフトウェアを一体不可分に構成すること等が考えられる。
これにより、解析という一つの著作物乃至は結果物を、容易に且つ高度に保護することも、実現可能となるのであり、産業上の管理費用や労力を考慮すると、かかる点は、非常に大きなメリットとなる。
なお、ディスプレイの表示領域において各要素の名称等をテキスト表示する場合には、操作者が任意の種類の言語に変更設定することが出来るようにしたり、一定の時間毎に複数の種類の言語に表示を切り換えたり、或いは複数の種類の言語の表示を並列表示したりするなど、各種の付加機能を採用することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであることは、言うまでもない。
(本発明の確認的乃至は拡張的説明)
本装置は、対象となる各オブジェクトである各情報要素が、単にX軸座標やY軸座標などの「位置情報」だけでなく、更に「別の情報」もあわせ持っているような場合であって、さらに、その「別の情報」が当該空間内の「方向」とも交互作用(相互的な作用を有する関係)を持っているような、複雑な情報構造を持つ場合にその複雑な情報を、直感的に理解しやすく表示することが出来るという、情報表示の革新的な効果を発揮し得る。
要するに、情報構造が複雑であっても、付置された空間内での評価基準である基準方向(評価軸)を連続的に変化させることによって、各情報要素を視覚上で連続的に変化させることが出来るのであり、それによって、例えば、どのような評価軸によって各要素が評価されるのかということや、或いは、空間上で選択した現在の評価軸がどのような意味内容をもっているのかということを複数の特に関連度の大きい要素をみることで認識することなどが、容易に且つ効率的に、しかもより的確に出来るようになるのである。
そこにおいて、前述の図示された実施形態では、上述の「別の情報」の一例として「軸方向の寄与率」を取り上げていたが、この場合、各オブジェクトの「寄与率」は、空間の特定の軸方向ごとに計算されるものであるから、当該空間内の特定の「軸方向」と交互作用をもっている。
より具体的には、特定のオブジェクト(j番目のオブジェクト)の、特定の軸方向の寄与率(Cj) は、
Cj=f(Xj,Yj, β, Mj)
のような関数によって計算されるもので、
Xj、つまり、j番目のオブジェクトのX座標
Yj、つまり、j番目のオブジェクトのY座標
β、つまり、寄与率を計算すべき軸の方向を指定する角度値
Mj、つまり、j番目のオブジェクトの相対周辺度数値(表2参照)
から計算されるものである。
XjとYjの組み合わせは、j番目のオブジェクトの位置の原点からの「方向」を意味するものでもあるから、上記の関数は、まさに「オブジェクトの位置方向」と「特定の軸方向」の交互作用の結果としての「寄与率」を計算していることが明らかである。
つまり、各オブジェクトが、単に「位置情報」だけでなく、更に関連情報として「別の情報」も持つ場合で、さらに、その「別の情報」が当該空間におけるX軸やY軸等の「軸方向」と何らかの関係がある変数、即ち位置情報と交互作用のある変更である場合に、「特定の軸方向」を、ベクトル型ハンドルでリアルタイムに変化させながら、「軸方向」と「別の情報」との空間内での関係をわかりやすく可視化するための装置が、本発明によって提供され得るのである。
そこにおいて、かかる「別の情報」が、各オブジェクトの付置された「空間内の方向」と関係しているからこそ、空間内にベクトル型ハンドルを用意して、その空間内の評価軸である方向を変更操作可能とすることで、その「方向」という変数要素を、直接的に操作可能にしているのである。
従って、本発明において上述の「別の情報」は「空間内の方向」と関係しうるものであれば、「寄与率」に限定されるものではなく、任意の変数を選択して採用することが可能である。
例えば、「各自動車の年間売上台数」のような、当該空間の生成に直接かかわっていない変数を「別の情報」として採用することも、勿論、可能である。
具体的に説明すると、
Dj=g( Xj,Yj, β, Sj)
のような関数を別途に用意し、
Xj、つまり、j番目のオブジェクトのX座標
Yj、つまり、j番目のオブジェクトのY座標
β、つまり、寄与率を計算すべき軸の方向を指定する角度値
Sj、つまり、j番目のオブジェクトの年間売上高
から「特定軸方向と売上高との交互関係」を計算することができる。
例えば、売上高は基準化(平均をゼロ、標準偏差を1に)しておき、それと当該車種のβ方向の軸上への(Xj,Yj)の射影(つまりβ軸上でのj番オブジェクトの座標)を積算する、というような計算を行って、Djを求める。このようにすると、βの方向が、売上と対応が高いほど、Djは大きくなる。従って、売上の多い車がβ軸の正方向にあればDjの値は大きくなり、また、売上の少ない車がβ軸の負方向にあるほど、Djの値は大きくなる(平均売上台数よりも売上の低い車の基準化売上高はマイナスになるので、この車のβ軸座標値が負なら、負×負=正となる)。
このようにすると、βの方向を異ならせるごとに、各オブジェクトは異なる「Dj」値をもつことになる。このDj値を全てのオブジェクトについて平均すると、βの「軸方向」と、「売上台数」との相関係数に近いものとなる(2変数について、基準化得点の積和を計算したものが相関係数に他ならない)。つまり、βの方向を、ベクトル型ハンドルで操作しながら、当該空間内での「どの方向」が、より「売上台数」と密接に関係しているのかを直感的に探索することが可能となる。
このような場合、各オブジェクトの「円の大きさ」は「当該車種の売上高」として、固定しておき、その「表示色」を変化させることでDjを表現する方法も有効である。Djの値の高いほど、当該車種の円の色を「濃い赤色」となるように制御し、Djの値はマイナスになることもあるので、マイナスでの場合は絶対値の高いほど、円の色を「濃い青色」として表示するのである。即ち、本発明では、大きさや色の変化,再度の変化,鮮明度の変化など、視覚的に変化乃至は相違をとらえることの出来るものであれば、それを多段階乃至は無限段階(連続的)に変化させることにより、選択した軸に対応した各オブジェクトの寄与率等の評価値を、それを用いて表すようにすることが出来る。また、複数の評価態様を併せて、或いは選択的に採用して、表示せしめることも可能である。
このようにすれば、「売上高」と相関の高い方向にハンドルが来た場合に、多くの車種が「赤色」となる。しかも、各車種の売上高自体は「円の半径」として同時に可視化されていることになる。一部の車種が「青色」なら、その車種についてのみは、ベクトルの方向と売上高の関係に不整合が発生していることもわかる。このような場合においても、その円の大きさで「売上高」自体も同時に可視化されていれば、その車種は無視して全体傾向を読み込んで差し支えない、というような判断まで出来ることになる。
なお、この場合、寄与率の実施例とは異なり、方向軸の「角度」だけでなく「正負の方向」も意味を持つことになる。従って、このような場合には、本発明では、ハンドル「矢印」の形状は、「両方向の矢印」ではなくて「片方向の矢印」として表示することが望ましい。また、「新鮮な」などの評価用語のオブジェクトについては「販売台数」という変量は定義されないため、軸方向のハンドルによる変化のない状態で表示してもよいし、実施例のようにハンドルの軸方向の「寄与率」で大きさを制御する状態で同時に表示することもできる。この場合、ベクトル型ハンドルは、車種と評価用語で、それぞれ「異なる」関係で、異なる「別の情報」と結びついていることになる。尤も、実施形態によるハンドルは、表示領域を与える座標系において選択した特定の軸方向を視認可能に示し得るものであれば、その表示形態は限定されるものでない。
「別の情報」の例として、「寄与率」と「 販売台数」を上げたが、これはあくまで説明のための例に過ぎず、「当該車種の購入者の女性比率」や「購入者の年収」や「当該車種の排気量」、さらには、「高級車としてより重要だと思う評価用語」など、ほかにも多数の変数を扱うことが可能である。
要は「位置情報」だけでなく、更に関連情報としての「別の情報」もあわせ持っているような場合であって、さらに、その「別の情報」が当該空間内の「方向」とも交互作用を持っているような場合であれば、「別の情報」は、どのような変数であってもかまわないのである。
また、当該変数と軸方向との関係を数量化するための関数も、「別の情報」として採用する変数ごとに任意の関数が設定可能であり、前記の
Cj=f( Xj,Yj, β, Mj)や
Dj=g( Xj,Yj, β, Sj)も、また、あくまでも説明のための一例にすぎない。
さらに、特定の「別の情報」に対しても、軸方向との関係を数量化するための関数はひとつである必要はなく、前述の如き固有値演算等を利用して複数の要素(オブジェクト)の関係を表すように形成された評価空間において、それら複数の要素の相対的な位置関係によって生成された空間において、即ちかかる評価空間内で特定位置に付置されて表示された複数の要素を、適宜に選択された評価式(関数)に切り換えて評価して表示せしめるように、例えば操作するものが切り換え操作を行うことにより、それに従って複数の関数を切り替えて選択して各オブジェクトを選択された関数に基づく表示に変更することができるような実装も、もちろん可能である。
本発明の装置を実現し得るハードウェア構成を概略的且つ例示的に示す説明図である。 図1に示されている如きパーソナルコンピュータにインストールされて実行されることにより本発明に従う情報装置を構成するソフトウエアの概略の処理フローを示す、流れ図である。 図2に示された処理フローにおける要部を構成するソフトウェアの処理フローの詳細を示す、流れ図である。 本発明の一実施形態としての表示装置における一つの表示例を示す画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。 図1に示されたものと同じ解析結果の更に別の画面表示である。
符号の説明
10 パーソナルコンピュータ
12 ディスプレイ
14 マウス
16 キーボード
18 情報表示装置
20 フレキシブルディスクドライブ
22 CDドライブ
24 座標領域
26 ベクトル形ハンドル
28 要素(オブジェクト)
30 マウスポインタ

Claims (12)

  1. プログラムを実行するプログラム実行装置と、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置とを備え、位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素を、該モニタ装置の表示面に表わした座標系の座標領域に布置して表示する情報表示装置であって、
    前記複数の要素のデータを、外部から前記プログラム実行装置に対して、処理対象データとして取得させるデータ取得手段と、
    前記モニタ装置の表示面上に二次元または三次元の座標系を表示する座標系表示手段と、
    前記データ取得手段で取得された前記処理対象データから前記複数の要素の各座標値を前記位置情報として特定して、それら各要素を、前記モニタ装置に表示された前記座標系の座標領域に表示する位置を決定する要素表示位置決定手段と、
    前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域において、前記複数の要素における前記関連情報を評価する基準となる評価軸の方向を表示する評価軸方向表示手段と、
    該評価軸の方向に応じて、前記複数の要素のそれぞれについて、該各要素における前記関連情報を該評価軸を指標として評価した結果を求める評価演算手段と、
    前記評価軸の方向を、外部からの操作入力によって変更設定せしめる評価軸方向変更手段と、
    前記複数の要素のそれぞれを、前記要素表示位置決定手段によって決定された位置に、前記評価演算手段によって求めた評価に応じて相互に異なる形態で、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示すると共に、前記評価軸方向変更手段によって該評価軸が変更される毎に、それら各要素における前記関連情報の該評価軸を指標とした評価の結果を該評価演算手段で演算して、該各要素における表示形態を変更する要素表示手段と
    を、有することを特徴とする情報表示装置。
  2. 前記評価軸方向変更手段を、
    前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に指定点をポイント表示する指定点表示手段と、
    該指定点表示手段によって表示された指定点の位置を外部からの操作入力によって該座標系の座標領域において変更設定せしめる指定点変更手段と、
    該座標系の座標領域において予め設定された基準点と該指定点とを結ぶ直線上に前記評価軸を変更設定する評価軸決定手段と
    を、含んで構成した請求項1に記載の情報表示装置。
  3. 前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域における前記基準点の位置を、該座標系の座標領域に表示する基準点表示手段と、
    該基準点表示手段によって表示された基準点の位置を外部からの操作入力によって該座標系の座標領域において変更せしめる基準点変更手段と
    を、設けた請求項2に記載の情報表示装置。
  4. 前記評価演算手段によって求められる前記各要素の評価の結果の値に関して、表示用の閾値を外部からの入力によって設定する閾値設定手段と、
    該閾値設定手段によって設定された閾値に対するそれら各要素の評価の結果の値の大小に応じて、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示するそれら各要素の態様を異ならせる表示態様調節手段と
    を、設けた請求項1乃至3の何れかに記載の情報表示装置。
  5. 請求項2に記載の前記指定点変更手段によって位置を特定されて、前記指定点表示手段によってポイント表示された前記指定点と前記基準点との間距離に対応して、前記閾値の値を決定することにより、該閾値の値を外部からの操作で変更設定せしめる閾値変更手段を設けた請求項4に記載の情報表示装置。
  6. 前記基準点を始点とし前記指定点を終点とする矢印形状のベクトル形ハンドルを、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域に表示する評価軸表示手段を設けた請求項2,3又は5の何れかに記載の情報表示装置。
  7. 評価軸方向変更手段による前記評価軸の方向の変更の有無を0.04秒以下の間隔で確認し、該評価軸の方向が変更された場合には、かかる変更された評価軸を指標として前記評価演算手段によって評価した結果に基づいて、前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域における前記各要素の表示形態を変更表示することにより、該モニタ装置による各要素の表示が0.04秒以下の間隔で更新され得るようにした請求項1乃至6の何れかに記載の情報表示装置。
  8. オペーレーティングシステムの基本ソフトがインストールされたコンピュータによって稼働するアプリケーションソフトであって、該コンピュータにインストールされることによって請求項1乃至7の何れかに記載の情報表示装置を実現する情報処理用ソフトウェアと、
    位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素のデータと
    を、記録した、コンピュータによって読取可能な記録媒体。
  9. 前記情報処理用ソフトウェアが前記コンピュータにインストールされることによって、該情報処理用ソフトウェアが前記複数の要素のデータと不可分に実行されるようになっている請求項8に記載の、コンピュータによって読取可能な記録媒体。
  10. 液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置を備えたプログラム実行装置にインストールされることによって、位置情報だけでなく該位置情報と交互作用のある関連情報も併せて有する複数の要素を、該モニタ装置の画面上に布置して表示する情報表示装置を実現するためのプログラムであって、
    前記複数の要素のデータを処理対象データとして取得するデータ取得ステップと、
    前記モニタ装置の表示面上に表示する二次元または三次元の座標系の表示データを作成する座標系表示データの作成ステップと、
    前記データ取得手段で取得された前記処理対象データから前記複数の要素の各座標値を前記位置情報として特定して、それら各要素を、前記モニタ装置に表示される前記座標系の座標領域に表示する位置を決定する要素表示位置決定ステップと、
    前記モニタ装置の表示面上に表示された座標系の座標領域において、前記複数の要素における前記関連情報を評価する基準となる評価軸の方向を表示するためのデータを作成する評価軸方向表示データの作成ステップと、
    該評価軸の方向に応じて、前記複数の要素のそれぞれについて、該各要素における前記関連情報を該評価軸を指標として評価した結果を求める評価演算ステップと、
    前記座標系表示データの作成ステップで得られた座標系の表示データに基づいて、前記モニタ装置の表示面上に座標系を表示せしめると共に、前記複数の要素のそれぞれを、前記要素表示位置決定ステップにおいて決定された位置に、前記評価演算ステップにおいて求めた評価に応じて相互に異なる形態で、該モニタ装置における該座標系の座標領域に布置して表示するモニタ表示ステップと、
    前記評価軸の方向を変更するための外部からの操作入力があったか否かを判断し、その操作入力があった場合には、該評価軸の方向を変更設定する評価軸方向の変更設定ステップと、
    該評価軸方向の変更設定ステップにおいて前記評価軸が変更設定された際に、それら各要素における前記関連情報の該評価軸を指標とした評価の結果を再演算して求めて、かかる変更設定された該評価軸と共に、かかる再演算して求めた評価結果に応じて該各要素における表示形態を変更して、前記モニタ装置における前記座標系の座標領域に再描画する表示変更ステップと
    を、有することを特徴とするプログラム。
  11. プログラムを実行するプログラム実行装置と、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ装置とを備えた情報表示装置を用いて、多変量解析によって位置情報が与えられた複数のオブジェクトを、該モニタ装置の表示面上に表した二次元又は三次元の座標系の座標領域に対して該位置情報に基づいて布置して表示する解析結果の情報表示方法であって、
    前記モニタ装置の座標領域において前記座標系を固定的に表示させると共に、特定の方向を示す矢印形状のベクトル形ハンドルを表示させて、このベクトル形ハンドルの向きと長さを、外部からの操作入力によって同時に変化させるようにする一方、前記複数のオブジェクトを、それぞれ、前記多変量解析によって付与された前記位置情報に基づいて該モニタ装置の座標領域に布置して表示すると共に、該ベクトル形ハンドルによって方向が特定される評価軸に関する寄与率を求めて、それら複数のオブジェクトの表示の大きさをかかる寄与率に応じて相対的に異ならせ、更に、該ベクトル形ハンドルの向きの変化に伴って変化する、各オブジェクトにおける該評価軸に関する寄与率に対応して、それら各オブジェクトの表示の大きさを逐次に変化させて表示せしめることを特徴とする解析結果の情報表示方法。
  12. 前記寄与率を、下式で表される関数によって求める、請求項10に記載された解析結果の情報表示方法。
    Cj=f( Xj,Yj, β, Mj)
    但し、
    Cj:特定のオブジェクト(j 番目のオブジェクト)の特定の評価軸に関する寄与率
    Xj:j番目のオブジェクトのX座標
    Yj:j番目のオブジェクトのY座標
    β :寄与率を計算すべき評価軸の方向を指定する角度値であって、座標軸に対するベクトルの角度
    Mj:j番目のオブジェクトの座標軸に関する相対周辺度数の値
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JP2019128895A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 株式会社カルチベイトジャパン 醸造酒検索装置及びプログラム

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