JP2005207900A - 磁界解析法,磁界解析プログラム及び磁界解析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

磁界解析法,磁界解析プログラム及び磁界解析プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
コイル電流の変化に伴う非定常磁界解析を高速処理する解析法を提供すること。
【解決手段】
本発明に関る磁界解析法では、磁気ベクトルポテンシャルAならびに電気スカラーポテンシャルφそのものを解くのではなく、それらの変化量を逐次解いていく。また、微分透磁率と変動場を交互に修正しながら計算して収束解を得る。さらに、微分透磁率を用いた変動場に関する方程式を有限要素法で解く。それにより、コイル電流の変化に伴う非定常磁界解析を高速処理することが可能となる。
【選択図】図1


Description

本発明は、磁性材料の非線形磁界解析の方法,磁界解析プログラム及び磁界解析プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
従来の代表的な非線形磁界解析法として、有限要素法による解析法があり、ICCG法による反復解法ならびに透磁率を逐次修正するNewton−Raphson法を併用している。例えば、中田高義,高橋則雄共著:「電気工学の有限要素法」森北出版(1986)(以下、非特許文献1と呼ぶ)に示されている。
中田高義,高橋則雄共著:「電気工学の有限要素法」森北出版 (1986)
モータ,回転機,医療用MRI等では、その磁気回路において電磁鋼鈑,純鉄等の磁性体を使い、その磁性体は透磁率が磁束密度の大きさに依存するといった非線形性を有している。このような非線形磁界を解く場合、代表的な解法として、磁気ベクトルポテンシャルAならびに電気スカラーポテンシャルφを用いるA−φ法では、変位電流の影響が無視できる準静的な場の基礎方程式である
Figure 2005207900
Figure 2005207900
をICCG法(不完全コレスキー型前処理付き共役勾配法)等による反復解法ならびに透磁率を逐次修正するNewton−Raphson 法を併用して解いている。ここに、μは透磁率、σは導電率、J0はコイルの電流密度ベクトル、M0は磁石の残留磁束密度ベクトルである。なお、磁石に関しては、便宜上、B=μH+M0 とした。また、磁気ベクトルポテンシャルAのみを用いるA法では、
Figure 2005207900
の方程式を解く。しかし、いずれの方法でも、大規模解析になればなるほど、ICCG法等による反復解法における反復回数や、Newton−Raphson 法における反復回数が増える。非定常解析においては、前時間ステップで得られた解をICCG法等による反復解法における新たな初期値として用いても、大幅な解析の高速化を図ることはできない。
本発明は、磁界解析の高速化を図ることを目的とする。
本発明の一つの特徴によれば、コイル電流等の磁界発生ソースの変動量に伴う変動場を解くことにより磁界解析を行う。
本発明のその他の特徴は、以下の発明を実施するための最良の形態の欄で詳細に説明する。
本発明に関する磁界解析法によれば、磁性材料を含む非線形磁界を高速に解析できるという効果がある。
以下、本発明の実施例を説明する。
本発明に関る磁界解析法では、磁気ベクトルポテンシャルAならびに電気スカラーポテンシャルφそのものを解くのではなく、それらの変化量を逐次解いていく。これに関する基礎方程式は、まだ一般的に周知されていないため、ここでA−φ法をベースに導いておく。コイル電流密度ベクトルの微小変化量をΔJ0として、磁界ベクトルの変化量ΔH,磁化ベクトルの変化量ΔMに対して、
Figure 2005207900
なる関係式における微分磁化率χd を導入する。磁束密度B,磁界H,磁化Mの関係式として、
Figure 2005207900
より、各項の微小変化量に関する式は、
Figure 2005207900
となる。(数4)を用いると、
Figure 2005207900
となる。数5にベクトル微分演算子である回転(rotation)を施して、
Figure 2005207900
とし、これにFaradayの式
Figure 2005207900
を代入すると、
Figure 2005207900
を得る。この式の変化分をとると、
Figure 2005207900
これに、数7を代入して式を整理すると、
Figure 2005207900
を得る。ここに、μdは微分透磁率で、微分磁化率χd
Figure 2005207900
の関係にある。微分透磁率とは、磁性材料の磁界Hと磁束密度Bの関係式であるB=
B(H)において、
Figure 2005207900
で定義される物理量であり、μ=B/Hで定義される通常の透磁率とは異なる。
なお、ここで、微分透磁率μd は、求めようとしている時刻t=nΔtにおける値ではなく、前時刻t=(n−1)Δtとの中間の時刻であるt=(n−1/2)Δtあるいはその近傍における値である点に注意しなければならない。通常の非線形磁界解析において、透磁率μが時刻t=nΔtでの値になるようにNewton−Raphson 法でセルフコンシステントに解を求める場合と事情が異なる。
磁気ベクトルポテンシャルの変化量ΔAに関する基本式である数12には、左辺第2項にAの時間に関する偏微分項を含んでいる。これは次のように取り扱う。Newmark のβ法を用いると、
Figure 2005207900
となる。ここに、βは0≦β≦1なる固定定数であり、安定した時間応答解析のために1/2≦β≦1なるβを用いる。ここで、ΔA(t)=0であり、ΔA(t+Δt)はこれまでの式の展開と同様に単にΔAとおき、数12に代入すると、
Figure 2005207900
となる。ここに、
Figure 2005207900
は、前の時刻におけるΔAの時間に関する偏微分値である。
これに加えて、数16にベクトル微分演算子である発散(divergence)を施した式
Figure 2005207900
が基本式となる。
数16,数18を用いて磁気ベクトルポテンシャルの変化量ΔA並び電気スカラーポテンシャルの変化量△φを求め、磁束密度変化量ΔBを更新する。新たなΔBに対して、微分透磁率μd を更新し、再度、数16,数18を解く。このような操作を、ΔBが収束するまで繰り返す。ΔBが収束後、時刻t=nΔtでの解析はこれで終了する。
なお、A法における基礎方程式は、
Figure 2005207900
であり、数16に相当する時間軸方向に関する差分式は、
Figure 2005207900
である。
数16,数18あるいは数20を例えば有限要素法で離散化すると、行列方程式
Figure 2005207900
を得る。ここで、左辺のPは離散化して得られた行列で、未知変数ベクトルxは、未知変数△A,△φをひとつのベクトル形式にまとめたものである。また、右辺のbは数16,数20の右辺の項で形成されたソース項を表すベクトルである。この行列方程式を反復法で解く場合に、未知変数ベクトルxの初期値として、前の時刻で得られた解x0 を選ぶと、解の収束が速まる。さらに、前時間ステップで求めた解x0 そのものを用いるよりも、それに次式で示す修正因子g
Figure 2005207900
ここに、b:前時間ステップの行列方程式の右辺ベクトル
b′:現時間ステップの行列方程式の右辺ベクトル
をかけたgx0 を初期値にすると、求める解にさらに近づくため、ICCG法における反復回数は1/10程度に激減し、計算時間は、1/4程度に短くなる。ただし、この単一の修正因子gによる高速化は、電流変動する全てのコイルが相対的に同じ電流変化を示すときにのみ有効である。電流変動する全てのコイルに異なる電流波形の電流が流れる場合は、それぞれのコイルに対して個別の修正因子gを用意し、場の変化量に対するそれぞれの寄与を個別に求め、それらの線形和を初期値とすれば、解析は高速化できる。具体的に式で表現すると、コイルk(k=1,2,…N)を流れる電流変動によるソース変動量をbkとおいて、Pχk=bkなる解xkを上と同様に求め、その総和であるΣxk を初期値にして、数21をICCG法等の反復解法で求めれば、解xを高速に求めることができる。
以下、図を用いて本発明の第一実施例における磁界解析法の流れを説明する。用いる磁界解析法として、一般的な有限要素法をとりあげる。
図1に解析システムの一例の図を示す。本解析システムは、計算機1,表示装置2,記憶媒体3から構成される。ここでは、記憶媒体3を明示するために、計算機1の外に出しているが、計算機1内部に記憶媒体3を設置しても良い。
図2は本発明の一実施形態として、数16,数18あるいは数20を基本解析式とする磁界解析法の流れを示す。時間刻み幅をΔtとして、図2は第n番目の時刻t=nΔtにおける磁界解析の流れを示している。以下、図2を用いて、順を追って解析の流れを説明する。
第1ステップ11において、初期磁化曲線から求めた微分透磁率μd を磁性材料の各要素に割り当て、行列方程式数21に関する行列Pを作成する。ここで、数5で定義されている微分透磁率μdは、数値計算上は
Figure 2005207900
で計算することになるが、ここで、ΔHあるいはΔBは、適当な微小量をとり、用意した初期磁化曲線からΔHを与えた場合はΔBを、ΔBを与えた場合はΔHを求める。こうして、数23より仮の微分透磁率μd を求める。ここで、作成する行列Pは、すべて作成しなおすのではなく、前時間ステップt=(n−1)Δtにおいて作成した行列に対して、磁性材料の要素に関連する成分のみについてのみ修正すればよい。次に、第2ステップ12において、ソース項の変化量に相当する行列方程式数21の右辺ベクトルbを作成する。第3ステップ13において、ICCG法等の反復解法を用いて、行列方程式数21の解を求める。この際、反復解法の初期値として、前時間ステップの解x0 あるいはそれに数
22に示したgをかけたgx0 を用いると、高速に収束解が求まる。第4ステップ14において、第3ステップで求めた解から、磁束密度変化量ΔBを求める。第一回目は、第5ステップ15を直接実行する。すなわち、磁束密度変化量ΔBと初期磁化曲線からΔHを求め、数23より微分透磁率μd を更新して、再度、第1ステップ11に戻り、第4ステップ14までの計算を実行する。求めた磁束密度変化量ΔBが前の計算で求めたものに基準範囲内になければ、すなわちΔBが収束していなければ、第5ステップ15において、磁束密度変化量ΔBと初期磁化曲線から、微分透磁率μd を更新して、第1ステップ11に戻り、第4ステップ14までの計算を実行する。磁束密度変化量ΔBが収束すれば、第6ステップ16において、t=nΔtにおける磁性体における解xおよび数21の右辺ベクトルbを計算機の記憶媒体3に記憶して、次の時刻t=(n−1)Δtにおける解析に移行する。
本発明の実施例2を説明する。
有限要素法で磁界解析する場合の一般的な方法として、磁気ベクトルポテンシャルA,電気スカラーポテンシャルφを用いたA−φ法で記述すると、変位電流の影響が無視できる準静的な場の基礎方程式は、
Figure 2005207900
となる。ここに、μは透磁率、σは導電率、J0はコイルの電流密度ベクトル、M0は磁石の残留磁束密度ベクトルである。式(1)の右辺の項が場を励磁するためのソース項である。
ここで、磁石の残留磁束密度ベクトルM0は一定のため、コイルの電流密度ベクトルJ0が、J0+ΔJ0に微小変化した場合をソース項の変化として考える。ヒステリシス磁界解析では、磁界H,磁化Mの(H,M)空間において、上昇曲線に沿うか、あるいは下降曲線に沿うかで、振る舞いが大きく異なる。このため、まず、J0が微小変化してJ0+ΔJ0になった場合、(H,M)空間で上昇曲線側か下降曲線側かを早めに判別しておくことが重要である。
そこで、数24を時刻t=nΔt(n=1,2,3,…)における方程式とみなし、次の時刻t=(n+1)Δtにおける方程式として、
Figure 2005207900
を考える。ここに、
Figure 2005207900
で、ΔA,Δφ,Δμは、それぞれ時間がΔt経過したことに伴うA,φ,μの微小変化量を表す。
まず、近似的にμ′=μとおいて、線形磁界解析を実行する。時刻t=(n+1)Δtにおける磁束密度の変化量ΔBn+1をΔBn+1=rot(ΔA) により求め、要素分割した各要素に対して、内積ΔBn・ΔBn+1の正負によって、上昇曲線か下降曲線かを判別する。具体的には、ΔBn・ΔBn+1>0のとき分岐点を形成せずにそのままヒステリシス曲線をたどり、ΔBn・ΔBn+1<0のとき分岐点を形成し、ヒステリシス曲線上を反転して別の曲線上をたどる。言い換えると、上昇曲線上に動作点があった場合、次の時点でΔBn
ΔBn+1>0のとき、そのまま上昇曲線上をたどり、ΔBn・ΔBn+1<0 のとき、下降曲線に移行する。下降曲線上に動作点があった場合、次の時点でΔBn・ΔBn+1>0のとき、そのまま下降曲線上をたどり、ΔBn・ΔBn+1<0のとき、上昇曲線に移行する。
上昇曲線か下降曲線かの判別のあと、非線形磁界解析に移行する。ヒステリシス解析において、上昇曲線あるいは下降曲線をそのままたどっていく場合には、通常のNewton−
Raphson 法で問題なく解ける。しかし、分岐点を形成してヒステリシス軌跡が反転した場合、取り扱いが厄介になる。分岐点の前後でBHカーブの勾配が特異的に変化するため、Newton−Raphson 法をそのまま適用するには問題がある。BHカーブの勾配が特異的に変化しないように分岐点を越えた反対側の領域までなめらかな仮想的なBHカーブを形成しておけば問題ないが、その方法については、今後比較検討することにして、ここでは取りあえず、Newton−Raphson 法を使わずに単純反復法で解を求めることにした。その代わり、磁気ベクトルポテンシャルそのものに関する数26を直接解くのではなく、ソースの変化量ΔJn に対する場の変化量ΔAを求めることにし、その結果として、A+ΔAを求めることにした。
磁界ベクトルの変化量ΔH,磁化ベクトルの変化量ΔMに対して、
Figure 2005207900
なる関係式における微分磁化率χが近似的に確定する。図3には、上昇曲線をたどってきた時刻t=nΔtの動作点(H,M)と時刻t=(n+1)Δtにおける動作点(H,M)を上昇曲線上に沿う場合と反転して下降曲線上に沿う場合の2ケースについて示してある。この図が示すように、上昇曲線側か下降曲線側かで、微分磁化率χは大きく異なる。
ここで、磁束密度Bの変化量をより正確に求めるための基礎式を導いておく。まず、磁化をMとして、
Figure 2005207900
より、
Figure 2005207900
となる。数27より、
Figure 2005207900
となるので、再び数27より、
Figure 2005207900
となる。数28にrotationを施して、
Figure 2005207900
とし、これにFaradayの式
Figure 2005207900
を代入すると、
Figure 2005207900
を得る。この式の変化分をとると、
Figure 2005207900
これに、数31を代入して式を整理すると、
Figure 2005207900
を得る。ここに、μは微分透磁率で、微分磁化率χと
Figure 2005207900
の関係にある。数36は数24の変化分に関する式に相当するが、透磁率μが微分透磁率μに置き換わることに注意しなければならない。
数36は、ヒステリシスのない非線形磁界解析の基本式である数24に対して、透磁率μを微分透磁率μに置き換え、ソース項のコイル電流密度J0を変化量ΔJ0に置き換えた形になっており、既存の磁界解析プログラムにヒステリシス解析機能を容易に追加することができる。
なお、ここで、微分透磁率μや微分磁化率χは、求めようとしている時刻t=
(n+1)Δtにおける値ではなく、時刻t=(n+1/2)Δt近傍における値である点に注意しなければならない。ヒステリシスのない通常の非線形磁界解析において、透磁率μが時刻t=(n+1)Δtでの値になるようにNewton−Raphson 法でセルフコンシステントに解を求める場合と事情が異なる。数27に示した磁界の変化量ΔHと磁化の変化量ΔMの関係式に示した勾配μ0χ は、図3に示す三角形の斜辺の勾配に相当する。このため、微分透磁率や微分磁化率という表現よりも、より数値解析の特性を反映した「差分透磁率」「差分磁化率」という表現の方が誤解を与えなくてよい。しかし、このような名称は一般的ではないため、あえてここでは、微分透磁率や微分磁化率という表現のままにしておく。
上昇曲線か下降曲線かを判別する際に求めたΔBは、数において近似的にμ′=μとおいて線形磁界解析で求めたもので解析精度が低いので、改めて、数36を解くことにより、ΔB=rot(ΔA) をより精度の高いものに更新できる。このようにして、順次、微分透磁率μとΔBを反復更新することにより、時刻t=(n+1)Δtにおける(H,B)空間での動作点を各要素について求めることができる。
磁気ベクトルポテンシャルの変化量ΔAに関する基本数36において、時間軸方向に差分をとる。Newmarkのβ法を用いると、
Figure 2005207900
となる。ここに、βは0β1なる固定定数であり、安定した時間応答解析のために1/2β1なるβを用いる。
ここで、ΔA(t)=0であり、ΔA(t+Δt)はこれまでの式の展開と同様に単にΔAとおき、∂ΔA(t)/∂tをΔA0と略記して、数36に代入すると、
Figure 2005207900
となる。数39を用いて磁気ベクトルポテンシャルの変化量ΔAを求め、磁束密度変化量ΔBを更新する。新たなΔBに対して、微分透磁率μを更新し、再度、数39を解く。
このような操作を、ΔBが収束するまで繰り返す。ΔBが収束後、透磁率分布が求まり、時刻t=(n+1)Δtでの解析は、基本的にはこれで終了する。ただし、毎回、場の変化量のみを求めるとなると、数値誤差が積算する恐れがあるため、求めた透磁率分布μ′=μ+ΔμとA′=A+ΔAが数25を満足しているかどうかをチェックし、必要ならば、A′=A+ΔAならびにμ′=μ+Δμを補正する。解は真の解の近傍にあるため、この補正のための計算は短時間で済む。
以上の解析の流れをフローチャートにして示すと、図4のようになる。
本磁界解析では、A−φ法を用いているので、図4にも示したように、磁束密度変化量ΔBを求めた後、BH関数を用いて、磁界変化量ΔHを求め、微分透磁率(差分透磁率)μ=ΔB/ΔHを導出しなければならない。このため、新たに導入するヒステリシスモデルでは、磁界Hを磁束密度Bの関数として表現しなければならない。
このヒステリシスモデルは、まず、Hの関数形としてのBを次のような形に表す。
Figure 2005207900
ここに、f(H)はヒステリシス軌跡を記述するHに関する関数である。また、Hi,Biはヒステリシス曲線の出発点に相当する分岐点で、Hf,Bfはヒステリシス曲線が目指す最終点に相当する分岐点である。
これらの分岐点を図5に例示しておく。図5には、出発点と最終点をなす分岐点をそれぞれ3個示してある(添字0,1,2で区別)。ヒステリシス軌跡上の矢印で示すように、いずれも上昇曲線側のものを示しているが、下降曲線側の場合は、それぞれ、出発点と最終点をなす分岐点の位置が互いに入れ換わる。数40を変形すると、
Figure 2005207900
を得る。f-1(…)は、関数f(H)の逆関数であり、関数f(H)は1価関数であるため、数値的に容易に求めることができる。あるいは、見方を変えて、HをBの関数形として直接次のような形に表してもよい。
Figure 2005207900
数41を用いた本ヒステリシスモデルによるヒステリシス軌跡の計算例を図6〜図9に示す。図6,図8に示した磁束密度の時間変化に対するヒステリシス軌跡を、それぞれ図7,図9に示す。これらの図で、磁束密度Bおよび磁界Hは、それぞれ最大値Bmax,Hmaxで規格化した値で表示してある。図6,図7の例は、振動しながら次第に磁束密度が増大する場合の例であり、図8,図9の例は、逆に振動しながら次第に磁束密度が減少する場合で、いわゆる消磁の例である。ここで、図7,図9では、メジャーループは破線で示してあり、実線はヒステリシス軌跡を示しており、図中の矢印は、それに沿ってヒステリシスの軌跡を描くことを示している。
本発明の実施形態を実現する解析システムを示す図。 本発明の一実施例である磁界解析法の流れを示す図。 (H,M)空間における変化分。 ヒステリシス解析フローチャート。 ヒステリシス軌跡における分岐点。 磁束密度の時間変化(例1)。 (B,H)空間におけるヒステリシス解析結果(例1)。 磁束密度の時間変化(例2)。 (B,H)空間におけるヒステリシス解析結果(例2)。
符号の説明
1…第1および第2の実施形態における計算機、2…第1および第2の実施形態における表示装置、3…第1および第2の実施形態における記憶媒体、11…本実施例におけるステップ1、12…本実施例におけるステップ2、13…本実施例におけるステップ3、14…本実施例におけるステップ4、15…本実施例におけるステップ5、16…本実施例におけるステップ6。

Claims (8)

  1. コイル電流等の磁界発生ソースの変動量に伴う変動場を解くことを特徴とする磁界解析法。
  2. 微分透磁率と変動場を交互に修正しながら計算して収束解を得ることを特徴とする磁界解析法。
  3. 微分透磁率を用いた変動場に関する方程式を有限要素法で解くことを特徴とする磁界解析法。
  4. 請求項第1から3項において、行列方程式を反復解法で解く場合に、変動場を表現する未知数ベクトルの初期値として、前時間ステップでの解を用いることを特徴とする磁界解析法。
  5. 請求項第1から3項において、行列方程式を反復解法で解く場合に、前時間ステップでのコイル電流等の磁界発生ソースの変動量に関する前記行列方程式の右辺ベクトルをbとし、現時間ステップでのコイル電流等の磁界発生ソースの変動量に関する前記行列方程式の右辺ベクトルをb′として、変動場を表現する未知数ベクトルの初期値として、前時間ステップでの解に因子g=b・b′/|b||b′|をかけたものを用いることを特徴とする磁界解析法。
  6. コンピュータに請求項第1項から請求項第5項までのいずれかの処理を実行させることを特徴とするプログラム。
  7. 請求項第6項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. メッシュ数を変化させて磁界解析を行うことを特徴とする磁界解析法。
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