JP2005206404A - メタンを水素ガスに改質する方法およびメタンの改質反応炉 - Google Patents

メタンを水素ガスに改質する方法およびメタンの改質反応炉 Download PDF

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Abstract

【課題】 太陽熱を利用してメタンガスを水素に改質する。
【解決手段】 改質反応炉の炉本体1は、改質処理室2と、加熱室3とを有している。改質処理室2内には、処理ガスを予熱し、改質後の生成ガスの熱を吸熱する熱交換層4と処理ガスを改質する触媒層5とが充填されている。改質処理室2と加熱室3とは、処理ガス及び改質後の生成ガスの流路を形成し、加熱室3は太陽熱で加熱され、炉本体1外から処理ガスとして送り込まれたメタンガスを改質処理室で予熱並びに改質処理して水素を生成し、熱を熱交換層4に放熱して生成ガスを炉本体外に送出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽エネルギー及び/又は化石燃料の燃焼熱を用いてメタンを水素ガスに改質する方法とメタン改質反応炉に関するものである。
二酸化炭素(CO)による地球温暖化の影響が深刻な社会問題になる中で、石油や石炭といった化石燃料に代わるエネルギー源として水素が注目されるようになってきた。水素が注目されるようになったのは2つの要因があるといわれている。
その理由の1は、水力、太陽光、風力、地熱エネルギーは世界のどこでも容易に得られ、このエネルギーで水を分解することにより水素を活用できること、理由の2は、云うまでもなく水素はクリーンなエネルギーとして利用できるからである。水素は、水を分解して製造するほかに、水素化合物を改質することによって得ることもできる。
例えば、天然ガスに含まれるメタンを水素に改質する水蒸気改質反応は、以下のような化学反応式によって記述される。
CH+HO→ CO+3H+206.2J/mol・・・・(1)
CO+HO→ CO+H−41.2J/mol ・・・(2)
式(1)は大きな吸熱反応であるため、触媒が必要である。一般的にはNi系の触媒が用いられ、反応は800℃前後に加熱された触媒表面で生ずる。
したがって、単位体積あたりの触媒表面積を広くすることで反応を促進できることになるが、この反応に必要な熱エネルギーを反応速度に等しい速度で供給することが水素生成速度を左右する決め手となる。一方、式(2)は、気相中で生ずる水素ガスシフト反応である。これは、Ni系触媒層では気相平衡が限界点であり、COを全てCOに変換し、水素の収率を上げるためにはFe系の触媒を用い、比較的低温で反応させる必要がある。
このように理想的にはメタン1モルから水素4モルを生成することができる。従来メタンを水素ガスまたは合成ガス(水素および一酸化炭素の混合気)に改質する方法として、反応管内に触媒ペレットを充填し、反応管内にメタンと水蒸気を供給し、反応管を外部から加熱しつつ反応管内で前記式(1)の反応を進行させる方法が考えられるが、前述のように式(1)の反応は大きな吸熱をともなう反応であり、その吸熱反応を進行させるに必要な熱を反応管の外部から供給することは難しい。
通常反応熱の供給は化石燃料の燃焼熱によって賄われるが、クリーンエネルギーを得るために化石燃料を消費するのはいかにも矛盾に満ちた方法であると云わなければならない。このような伝熱律速を回避する試みとして原子炉の熱を放射性物質を改質器の1次ガスに利用する方法PSA装置を用いる方法などの提案があるが、大掛かりな設備を要するほか、新たな廃棄発生するなどの問題がある。
いずれにしても効果的な熱供給ができなければ多大なエネルギー損失が生ずるのは避けられない。
特開2003−165704公報 特許公開平9−165203号公報 特開2001−261306公報
解決しようとする問題点は、メタンを水素に改質する際の水蒸気改質反応に必要な熱を反応炉の外部から安定して供給することが難しいという点である。
本発明は、メタンと水蒸気を含む処理ガスを熱交換層を通して予熱しつつ昇温し、太陽熱で加熱された多孔質触媒層中に送り込み、多孔質触媒層を通過する間に太陽熱で触媒層を加熱するソーラーエネルギー改質処理により、メタンの水蒸気改質反応を進行させ、水素を生成し、生成ガスに含まれる熱を熱交換層に放熱させる点を最も主要な特徴とする。
また、処理ガスにさらに酸素(空気)を含ませることにより、メタンの一部を燃焼させ、その燃焼熱を処理ガスの改質反応に利用する部分酸化改質反応を進行させ、太陽エネルギーによらず、改質反応に必要な熱エネルギーを直接触媒層に供給でき、これによって、夜間や天候不順な条件においても水素の生成を可能とする。
改質前の処理ガスおよび改質後の生成ガスと、熱交換層間で熱交換を行いながら、メタンの改質反応を進行させながら水素を安定に供給できる。
改質前の処理ガスおよび改質後の生成ガスと、熱交換層間で熱交換を行いながら、メタンの改質反応を進行させながら水素を安定に供給するという目的を反応触媒層と蓄熱層との組合せを有する反応炉に太陽光を導入し、太陽熱で水蒸気改質反応を進行させるソーラーエネルギー改質反応処理と、処理ガス中に酸素を含有させ、メタンの燃焼熱を改質反応に利用する部分酸化改質処理を選択的に使い分けることによって実現した。
図1は、太陽光を導入し、その熱によって処理ガスの改質を行う方法(ソーラーエネルギー改質処理という)及びメタンと水蒸気との混合気にわずかに混入させた酸素(空気)によって、メタンの一部を燃焼させ、その燃焼熱を触媒表面に直接作用させて、改質反応に供給する方法(部分酸化処理)に用いる改質反応炉の1例を示す図である。
図1において、炉本体1は、改質処理室2と、加熱室3とを有し、改質処理室2内には、処理ガスを予熱する熱交換層4と処理ガスを改質する触媒層5とが充填され、改質処理室2と加熱室3とは、処理ガスの流路を形成し、加熱室3は太陽熱で加熱され、炉本体1外から送り込まれた処理ガスは改質処理室2で予熱並びに改質処理され、改質後の生成ガスは炉本体1外に送出される。
図2に示すように、改質処理室2は、炉本体1内を縦方向に2分する仕切り板6で断面が半円形の第1室2aと、第2室2bとに区画されており、第1室2aおよび第2室2bに、上下2段に積層して触媒層5と、熱交換層4とが充填され、触媒層5の上面を加熱室3内に臨ませている。
触媒層5はスポンジ状のセラミック多孔質体にNi系触媒を25wt%程度担持させたものである。処理ガスの通気性を確保するためには空隙率(見かけの単位体積当たりに占める空孔の割合)が80%以上と高いこと、また、処理ガスが、この触媒多孔質体と接触する頻度が多くなるように比表面積(見かけの単位体積当たりに含まれる有効表面積)が大きく、かつ処理ガスとこの触媒多孔質体との熱伝達や物質伝達(つまりは化学反応速度)が大きくなるように、多孔質体を構成する骨格構造の素線径が約1mmと壊れない程度に小さいことが望ましい。
また、ソーラーエネルギーの受光体も兼ねることから、入射光が通過(素通り)しないように入り組んだスポンジ状の骨格構造体が望ましい。さらに、片面からソーラーエネルギーを受けつつ、触媒層が流れ方向に一様な温度に保たれるためには、熱伝導率の高いものが望ましい。
熱交換層4は、不活性なセラミック多孔質体であり、生成ガスの熱エネルギーを蓄熱し、その蓄熱したエネルギーを処理ガスの予熱に供給するために、熱容量が大きいほどよく、かつ処理ガスや生成ガスと多孔質体との接触する頻度が多くなるように比表面積が大きく、熱伝達が高くなるように、それを構成する骨格構造の素線径が小さいほどよい。
さらに、熱交換層4は熱エネルギーを最大限に回収するため触媒層に比べて長くなるので、その流動抵抗が大きくならないように、小さな気孔と薄い流路壁で構成されるモノリス状(もしくはハニカム状)であることが望ましい。この場合に、熱伝導による熱流出を極力低減するために、熱伝導率が小さいことが望ましいが、材質として高くとも薄くしたものを積層することで見かけ上の熱伝導率を小さくすることも可能である。
第1室2aと、第2室2bの上部の一定範囲は加熱室3として互いに連通し、炉本体1の上部には、加熱室3に向けて太陽光を導入する光入射窓7が設けられ、光入射窓7は石英ガラスで覆われ、その上方には、赤外領域の光線を選択的に窓内に導入する波長選択フィルター8が設置されている。
波長選択フィルター8は、太陽光のうち、可視光を中心とした短波長成分を透過し、炉本体1からの長波長成分の熱輻射を反射する機能を有するものである。炉本体1の底部には、分配弁9が取り付けられ、分配弁9には処理ガスの導入管10と改質処理後の生成ガスの送出管11が接続されている。
分配弁9は、導入管10から受け入れた処理ガスを第1室2aへ導入し、加熱室3を経由して改質された生成ガスを第2室2bを通して送出管11に排出する管路と、処理ガスを第2室2bへ導入し、加熱室3を経由して改質された生成ガスを第1室2aから送出管11に排出する管路との切替を行う4方切替バルブである。
図2において、分配弁9を扱って、まず処理ガスの導入管10を第1室2aに連通させ、第2室2bを送出管11に連通させ、第1室2aから第2室2bに向かう第1の流路を形成し、処理ガスとして導入管10よりメタンと水蒸気(CH4+HO)を第1室2a内に送り込む。
一方、レンズ(図示略)で集光された太陽光を平行光線とし、その平行光を、光入射窓7を通して加熱室3内に入射させる。加熱室3内に入射した太陽光は、触媒層5の多孔質体に吸収され、触媒層5は高温に加熱されて高温を保ち、その熱は、加熱室3内に導入された処理ガスの改質反応熱に利用される。
処理ガスは、まず、第1室2aの熱交換層4内を上昇し、触媒層5に達し、触媒層5の多孔質内を通過する際に触媒層5の高温に触れて水素と一酸化炭素に改質され、改質によって生じた高温の生成ガスは加熱室3を反転して第2室2bに流れ込み、引き続き、第2室2bの高温の触媒層5に触れて改質が進行し、さらに第2室2bの熱交換層4内を下降し、分配弁9より送出管11内へ送り出されるが、高温の生成ガスが第2室2bの熱交換層4内を下降する間に、生成ガスと熱交換層4の多孔質体間で熱交換され、生成ガスの顕熱は熱交換層4の多孔質体に蓄熱され、熱交換層4は高温となり、生成ガスはほぼ常温にまで低下して送出管11に送り出される。
第1室2aから第2室2bに向かう第1の流路内に処理ガスを送り込んで改質処理を行った後、つぎに、分配弁9を扱って前記とは逆に第2室2bから第1室2aに向かう第2の流路に切替え、処理ガスとして導入管10よりメタンと水蒸気を第2室2b内に送り込む。
処理ガスは、第2室2bの熱交換層4内を上昇して触媒層5に達し、触媒層5の多孔質内を通過する際に触媒層5の高温に触れて水素と一酸化炭素に改質され、改質によって生じた高温の生成ガスは加熱室3を反転して第1室2aに流れ込み、引き続き高温の触媒層5に触れて改質が進行し、さらに第1室2aの熱交換層4内を下降し、分配弁9より送出管11内へ送り出される。
なお、第2室2bの熱交換層4を形成する多孔質体は、先の改質処理によって蓄熱されているため、処理ガスは第2室2b内を上昇する間に、先の改質処理で、生成ガスから顕熱を受けて高温となった熱交換層4に触れて予熱され、改質反応がより促進される。
また改質後、高温となった生成ガスが第1室2a内を下降する際には、生成ガスと第1室2a内の熱交換層4間で熱交換が行われ、生成ガスの顕熱は熱交換層4の多孔質体に放熱されて第1室2a内の熱交換層4は高温になり、生成ガスは低温となって炉本体1へ送り出される。したがって、処理ガスの流入方向を第1室2aと、第2室2bとに交互に切替えることによって、処理ガスがそれぞれの室内の熱交換層4によって予熱され、或いは熱交換層4が生成ガスによって加熱され、この熱循環により、加熱室3に入射した太陽熱のほぼ全てが改質反応に利用される。
なお、図1の例では、炉本体1内の改質処理室を第1室2aと、第2室2bとの2室に区画した例を示しているが、第1室と、第2室とは、1組に限らず2組以上であってもよい。いずれの場合でも、第1室に処理ガスを導入したときには、第2室は生成ガスの流出路となり、逆に第2室に処理ガスを導入したときには、第1室は生成ガスの流出路となる。図2に、熱交換層と、触媒層内の概略の温度分布及び加熱室内の概略の温度を示す。
この例では、第1室(又は第2室)に送り込まれた処理ガスは、蓄熱された熱交換層4の熱によって予熱され、120℃から、800℃近くに達して触媒層5に達し、その高温に触れ、加熱室では900℃に加熱されて改質され、発生した生成ガスは、反転して第2室(又は第1室)内の熱交換層4内を下降する間に熱交換層4に放熱して低温となり、最終的にはおよそ140℃に温度がさがって炉本体1外に送出される。一方、熱交換層5は、生成ガスの顕熱を受けて蓄熱され、最下層で130℃以上となる。
以上、図1の例では集光された太陽光を平行光として加熱室内に導入する例であるが、あるいは、図3に示すように、ピンホール12を頂部に有する半円球状の反射鏡13で加熱室3を覆い、一旦集光した太陽光をピンホール12から加熱室3内に導入し、加熱室3に導入後に光を拡散させて触媒層5に照射させるようにしても良い。加熱室3内での熱輻射は、半球状の反射鏡13で反射され、熱損失は軽減される。
本発明による改質反応炉をソーラーエネルギー改質処理に利用する場合において、太陽光Pのエネルギーを300kWとし、300kW全てを処理ガスの改質反応に利用できるとすると、式(1)より改質反応に必要な吸熱エネルギーは、206.2kJ/molであるから、
QCH=300/206.2=1.50mol/s=117.3m/h
・・・(4)
SV値を2000h−1とすると、触媒層の厚みは約30mm、多孔質の熱交換層の厚みは、約300mmとなる。
太陽光は、波長選択フィルター8を通して加熱室3に導入される。図4(b)に入射光の波長に対する波長選択フィルターの反射率を示す。石英ガラスの表面に波長選択フィルター8として、多種類のガラス多層薄膜コーティングを施すことで、図4(b)に示すように、波長2ミクロン以下の光をほぼ完全に透過させ、一方波長2ミクロン以上の光をほぼ完全に反射させることができる。
太陽光(表面温度5800K)は、図4(a)のように、波長2ミクロン以下に、その全エネルギー(全ソーラーエネルギー)の95%が含まれているため、この波長選択フィルターを透過する。一方、改質反応炉の温度は1200K(900℃)程度であり、図4(c)に示すようにそこから放射される光は波長2ミクロン以上に、その全エネルギーの85%が含まれているため、この波長選択フィルターによって反射される。これによって、太陽光を有効に改質反応炉に導きながら、改質反応炉からの放熱を大幅に低減できる。
以下に示す処理条件でメタンの改質処理を行った。
・炉本体の容量、 3500cm、半径5.5cm、高さ37cm
・第1室、第2室の容量、1200cm
・触媒層の厚み、30mm、多孔質の熱交換層の厚み、300mm
・波長選択フィルター、2μm以下の波長の光線をカット
・集光器:5kW模擬太陽集光器(三鷹光器株式会社製)、光源300W反射鏡内蔵式セラミック・キセノンランプ28個(Perkin Elmer社製PE300BF,色温度5600K、照射時間10時間(但し、波長選択フィルターは使用せず)
・処理ガスCH:0.4m/h(4kW)
・分配弁の反転周期 60秒
上記条件の下で、0.4m/h(4kW)の処理ガス(CH)の改質処理を行ったところ、1.6m/h(5kW)の生成ガス(CO+3H)が得られた。
また、本発明において、上記反応炉は、ソーラーエネルギー改質処理に利用するだけでなく、そのまま、部分酸化改質処理の反応炉に利用できる。部分酸化改質処理は、改質反応に必要なエネルギーを直接触媒層内に供給する方法の1つであり、メタンと水蒸気との混合気にわずかに混入させた酸素(空気)によって、メタンの一部を燃焼させ、その燃焼熱を触媒表面に直接作用させて、改質反応に供給する方法である。
空気とメタンとの完全燃焼反応は、式(3)で表される。
CH+2[O+3.76N]→CO+2HO+7.52N−801kJ/mol ・・・(3)
この燃焼熱が全て改質反応熱に供給されることになる理想的な条件は、当量比が5.9(燃料過濃可燃限界は1.69)、水蒸気とメタンとの比は1.3である。
処理ガスの流入方向を第1室或いは第2室の1方向だけに設定して処理ガスの改質を行ったときには、可燃限界は1.69をはるかに超える燃料過濃燃焼となるが、前述の要領で、処理ガスの流入方向を第1室と第2室とに流入方向を切り替えて改質を行なうことによって容易に燃焼が可能となる。部分酸化改質処理は、夜間や天候不順な条件下でも処理ガスの改質が可能である。
したがって、ソーラーエネルギー改質処理と、部分酸化改質処理とを併用することによって、天候や環境条件に左右されずに安定した水素の生産を実現できる。また、通常は化石燃料の燃焼熱による部分酸化改質処理を行い、太陽が照りつける日中は、ソーラーエネルギー改質に切替えて供給酸素量の節減を図ることができる。
なお、太陽熱を改質反応のエネルギーに使用する場合に、理想的には触媒層に入ったエネルギーの全てが改質反応熱(吸熱)に費やされるので、触媒層の温度が上昇することはないが、メタンと水蒸気との混合気にわずかに混入させた酸素(空気)によって、メタンの一部を燃焼させる場合には、触媒層手前で燃焼するために触媒層の温度が上昇するが、上昇の程度はわずかであり、殆ど問題にならない。
本発明による改質方法の構想は、既存の回転式蓄熱脱臭装置をベースとして改質反応炉に活用して直ちに実現が可能である。既存の回転式蓄熱脱臭装置は、要するに、処理ガスをガスバーナーで加熱し、脱臭してクリーンなガスに改質する目的に用いられていたのであるが、本発明は、集光太陽エネルギーを吸熱化学反応に利用してメタンガスを水素に改質するものである。
集光太陽エネルギーを吸熱化学反応に利用する太陽エネルギー/化学エネルギーの変換プロセスの理論変換効率は80〜90%に達するといわれており、実効率50%の改質反応炉の実現が可能である。本発明の改質反応炉を日射量の多い天然ガスの産出地に設置することによって、天然ガスの産出地で水素ガスを生産することが可能となり、生産された水素ガスを消費国に輸送して、水素自動車の燃料、燃料電池、水素発電プラント、水素利用コージェネレーションシステムに安定供給することが可能となる。
本発明の改質反応炉の1例を示す図である。 改質炉内での温度分布を示す図である。 本発明の改質反応炉の他の例を示す図である。 (a)は、太陽光のエネルギー分布を示す特性図、(b)は、フィルター特性を示す特性図、(c)は、反応炉の温度1200Kにおける放射強度の波長分布をを示す特性図である。
符号の説明
1 炉本体
2 改質処理室
2a 第1室
2b 第2室
3 加熱室
4 熱交換層
5 触媒層
6 仕切板
7 光入射窓
8 波長選択フィルター
9 分配弁
10 導入管
11 送出管
12 ピンホール
13 反射鏡

Claims (9)

  1. 処理ガスを蓄熱された熱交換層を通して予熱しつつ昇温し、太陽熱で加熱された多孔質触媒層中に送り込み、多孔質触媒層を通過する間にメタンの改質反応を進行させ、水素を生成し、生成ガスに含まれる熱を熱交換層に放熱させることを特徴とするメタンを水素に改質する方法であって、
    処理ガスは、メタンと水蒸気との混合気、メタンと水蒸気にさらに酸素(空気)を含む混合気のいずれかが選択されるものであることを特徴とするメタンを水素に改質する方法。
  2. 改質前の処理ガスおよび改質後の生成ガスと、熱交換層間で熱交換を行いながら、処理ガスを予熱し、メタンの改質反応を進行させ、改質後の生成ガスを熱交換層に放熱させることを特徴とする請求項1に記載のメタンを水素に改質する方法。
  3. 太陽熱で触媒層を加熱しつつメタンの水蒸気改質反応を進行させるソーラーエネルギー改質処理と、処理ガスにさらに酸素を含ませることにより、メタンの燃焼熱を改質反応に利用する部分酸化改質処理とを使い分けて、水素の生成を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のメタンを水素に改質する方法。
  4. 部分酸化改質処理に先立って処理ガスを予熱し、処理後の生成ガスの保有する熱を放熱させることを特徴とする請求項3に記載のメタンを水素に改質する方法。
  5. 一つの反応炉をソーラーエネルギー改質反応処理と、部分酸化改質処理とに使い分けて、日中はもとより夜間や天候不順な条件においても安定した水素の生産を行うことを特徴とする請求項3に記載のメタンを水素に改質する方法。
  6. 太陽光を導入し、その熱によって処理ガスの改質を行う方法及び/又はメタンと水蒸気との混合気にわずかに混入させた酸素によって、メタンの一部を燃焼させ、その燃焼熱を触媒表面に直接作用させて、改質反応に供給する方法に用いるメタンの改質反応炉であって、
    改質反応炉の炉本体は、改質処理室と、加熱室とを有し、
    改質処理室内には、処理ガスを予熱し、改質後の生成ガスの熱を吸熱する熱交換層と処理ガスを改質する触媒層とが充填され、
    改質処理室と加熱室とは、処理ガス及び改質後の生成ガスの流路を形成し、加熱室は太陽熱で加熱され、炉本体外から送り込まれた処理ガスを改質処理室で予熱並びに改質処理し、改質後の生成ガスを放熱させて炉本体外に送出するものであることを特徴とするメタンの改質反応炉。
  7. 改質処理室と、加熱室と、光入射窓と、分配弁とを有するメタンの改質反応炉であって、
    改質処理室は、2以上の対をなす第1室と第2室とを有し、各室に、上下2段に積層して触媒層と、熱交換層とが充填され、
    触媒層は、Ni系の触媒を担持したセラミック多孔質体の層であり、熱交換層は、不活性なセラミック多孔質体の層であり、
    加熱室は、第1室と、第2室に連通してその上部の一定範囲に形成され、
    光入射窓は、太陽加熱室に向けて太陽光を導入する窓であり、
    分配弁は、処理ガスを第1室へ導入し、加熱室を経由して改質された生成ガスを第2室から送出管に排出する管路と、処理ガスを第2室へ導入し、加熱室を経由して改質された生成ガスを第1室から送出管に排出する管路との切替を行う4方切替バルブであることを特徴とする請求項6に記載のメタンの改質反応炉。
  8. 光入射窓には、赤外領域の光線を選択的に窓内に導入する波長選択フィルターが設置されていることを特徴とする請求項7に記載のメタンの改質反応炉。
  9. 加熱室は、ピンホールを頂部に有する半円球状の反射鏡で覆われ、集光した太陽光が、ピンホールから導入され、加熱室に導入後に拡散して触媒層に照射され、加熱室内での熱輻射は、半球状の反射鏡で反射されるものであることを特徴とする請求項6に記載のメタンの改質反応炉。
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