JP2005205898A - 射出成形方法、成形品、及び、射出成形装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 二酸化炭素等の超臨界流体を溶媒に用い射出成形等の樹脂成形時に表面改質する射出成形方法において、より樹脂表面の高機能化を達成するプロセスを提案すること。
【解決手段】 この熱可塑性樹脂の射出成形方法は、溶質を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入するステップと、溶質を含む超臨界流体をスペース内に導入するステップと、溶質を含む超臨界流体をスペース外に排出するステップとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、成形方法、成形品及び、成形装置に係り、特に超臨界流体を用いて熱可塑性樹脂(又は溶融樹脂)の表面を改質する方法、その方法を利用した射出成形方法に関する。本発明は、特に射出成形による成形品、射出成形方法、及び射出成形装置に好適である。
近年、液体に近い溶媒としての特長を有しながら気体のような浸透性を併せもつユニークな媒体である超臨界流体を樹脂の成形加工に応用したプロセスが種々提案されている。例えば、熱可塑性の樹脂に浸透することで可塑剤として機能し、樹脂の粘性を低下させる働きのある超臨界流体や加圧二酸化炭素を用い、射出成形時における樹脂の流動性や転写性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。この特許文献1に開示のものにおいては、高圧状態における二酸化炭素等の不活性ガスを金型キャビティ内に予め充填した後、溶融樹脂をキャビティ内に射出充填することで、前記高圧ガスが流動時における樹脂のフローフロント部より噴水効果で表面に浸透する。それによって流動や転写の弊害となる金型表面におけるスキン層の成長が抑制される技術であり、加圧不活性ガスはカウンタープレッシャーとして用いられる。この方法をカウンタープレッシャー法という。
また、金型キャビティ内に樹脂を充填した後、金型を開くことで金型転写面と樹脂の間に隙間を形成し、該隙間に超臨界流体等の二酸化炭素ガスを注入して樹脂表面を軟化させる方法も開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。この特許文献2に開示のものは、上述のカウンタープレッシャー法とは異なり、射出充填後の金型キャビティを規制する一部である金型コアを開いて二酸化炭素を注入する方法であり、コアバック法と呼ばれる。
一方、超臨界流体の溶媒としての特長を活かし、上述の方法を発展させた表面改質成形法も提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。この特許文献3に開示のものによれば、射出する溶融樹脂に対して溶解性を有する超臨界二酸化炭素等の加圧ガスを用い、改質材を溶解又は分散させたその加圧ガスを金型キャビティ内にカウンタープレッシャーとして注入し、次いで金型キャビティ内に溶融樹脂を射出することによって、改質材により表面改質された成形品が得られる。
特開平10−128783号公報 特許第3445778号公報 特開2003−320556号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、上述の超臨界流体を溶媒として用いた表面改質射出成形法においては、下記に示す課題が多々あり工業化が困難であることが明らかとなった。まず、超臨界二酸化炭素の溶媒としての性質はn−ヘキサン並であり、助剤として機能するエントレーナを用いたとしても、射出成形プロセスに応用するには溶質の溶解度が十分とはいえない。つまり、二酸化炭素等の加圧ガスが樹脂内部に浸透する割合に対し、溶質である機能材が浸透する濃度は著しく低くなり、カウンタープレッシャー法やコアバック法で開示されているような短時間における超臨界流体と樹脂の接触では、機能材は加圧ガスに対し樹脂表面から少量しか浸透しない。よって、加圧ガスの接触した樹脂表面の全体は軟化するものの、機能材として十分な機能が働かないことが判明した。すなわち、上記特許文献に開示の発明における超臨界流体や加圧不活性ガスを金型内で樹脂に接触させる方法においては、樹脂への超臨界流体や加圧不活性ガスの接触時間が制御できないので、十分に表面改質することができない。
また、上記特許文献に開示の発明においては、金型外部で一定圧力条件下での超臨界流体に対し、その圧力での飽和溶解度にて溶解している溶質を大気状態の金型キャビティに導入し樹脂に接触させるが、その際、超臨界流体の急減圧が避けられない。超臨界流体の圧力とそれに対する溶質の溶解度は強い相関関係がある。よって、急激な減圧により、溶解度も著しく低下するため溶質が析出する。圧力はすぐに復帰するが、一旦析出した溶質はすぐには再溶解しないので、金型内の流路が詰まるという問題が発生する。さらに、機能材を回収し再利用するリサイクルが困難となる。なお、こうした金型導入時における急減圧時の現象は、二酸化炭素等、不活性ガス単独であれば体積膨張のみで大きな問題にならないが、溶質を溶かす必要のある表面改質成形では問題が顕在化する。
さらに、機能材に有機金属錯体を用い、無電解メッキプロセス等に応用した場合、熱等により還元して金属微粒子を析出する方法は効率が悪く、樹脂内部に浸透した金属微粒子の触媒核として寄与する割合が低かった。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、二酸化炭素等の超臨界流体を溶媒に用いて熱可塑性樹脂の表面を改質しつつ射出成形等により樹脂成形する射出成形方法において、より樹脂表面の高機能化を達成するプロセスを提案することを第1の例示的目的とする。
さらに、無電解メッキ等をおこなうために有機金属錯体を機能材として樹脂成形時に樹脂表面に浸透させた後、金属錯体の配位子を外して(還元プロセス)金属微粒子を析出させる方法において、還元効率が高く機能材のロスが小さいプロセスを提案することを第2の例示的目的とする。
本発明の例示的側面としての熱可塑性樹脂の射出成形方法は、溶質を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入するステップと、溶質を含む超臨界流体をスペース内に導入するステップと、溶質を含む超臨界流体をスペース外に排出するステップとを有することを特徴とする。
熱可塑性樹脂としては特に制限されるのものではなく、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、スチレン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリアセタール等やそれらを複合種混合したもの、これらを主成分とするポリマーアロイやこれらに各種の充填剤を配合したものを用いることができる。
また、超臨界流体が超臨界二酸化炭素であることが、ある種の熱可塑性樹脂材料へ可塑剤として働き射出成形や押し出し成形において実績が多いので望ましい。しかし、もちろん二酸化炭素に限られず、空気、ブタン、ペンタン、メタノール等の流体を用いることもできる。また、溶解度を向上させるため、超臨界状態の二酸化炭素にエントレーナ、つまり助剤として公知のアセトンやメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを混合させて用いることもできる。
超臨界流体に溶質が含まれ、かつ導入及び排出ステップにより次々と新たな超臨界流体及び溶質が熱可塑性樹脂表面に導入されるので、常時新鮮な超臨界流体及び溶質を熱可塑性樹脂表面に接触させることができる。超臨界流体とそれに含まれる溶質とが熱可塑性樹脂と接触しながら、流動又は流動と滞留とを繰り返すことにより、溶解度の低い溶質であっても高濃度に樹脂表面に浸透させることができる。
溶質を超臨界流体に溶解させるための条件は任意であるが、例えば超臨界状態になる閾値が温度約31℃圧力約7MPa以上である二酸化炭素の場合、温度は35〜60℃の範囲、圧力は10MPa以上25MPa以下が望ましい。温度が60℃を超えたり、圧力25MPaを超えるとシール性やバルブ開閉の制御が困難になる。また、温度や圧力がこの範囲未満であると溶質の溶解度が不安定になる。
スペースを形成する方法としては、上述したコアバック法以外に金型やスタンパ上に微細かつハイアスペクト比な形状を有する凹みを設け、一次充填された樹脂が該凹みに完全に入り込まないように金型温度等の成形条件を制御することでスペースを形成する方法等を採用することができる。また、超臨界流体とそれに溶解する溶質をスペース内に導入するに際しては、金型外で超臨界流体に溶解させた溶質を任意のタイミングで金型内に導入することができる。
また、超臨界流体とそれに溶解する溶質をスペース内に導入する前に、予め超臨界流体のみをスペース内に充満させておくことが望ましい。これにより超臨界流体と溶質の導入時における圧力損失を極力抑制できる。そして、排出される超臨界流体の流量を制御することで、金型内における流動時の圧力損失を抑制しつつ、超臨界流体を流動させることができ、より多くの溶質を超臨界流体に接触する樹脂表面より浸透させることが可能になる。
超臨界流体に含まれる溶質としては、二酸化炭素等の超臨界流体にある程度の溶解度を有する有機物や有機化合物で修飾された無機材料であれば任意である。後者として例えば、金属アルコキシド、有機金属錯体等が挙げられる。溶質として例えば、アゾ系等の染料、蛍光染料やフタロシアニン等の有機色素材料を用いれば、成形時に表面を染色したり、有機記録膜を形成したりすることができる。また、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等を用いることで親水化することができる。ベンゾフェノン、クマリン等の疎水性紫外線安定剤を用いれば、風化後の引っ張り強度を向上することができる。また、フッソ化有機銅錯体等のフッソ化合物を用いることで摩擦性を改善することや撥水機能をもたせることができる。
しかしながら、溶質が有機金属錯体であることは望ましい。すなわち、溶質が有機金属錯体であれば、熱可塑性樹脂より成形される成形品の表面近傍に有機金属錯体及びその変性物を浸透させることができる。これにより樹脂に導電性を付与することや、後工程としての無電解メッキの触媒核を形成することができる。本発明に用いる有機金属錯体は任意であるが、例えば、白金ジメチル(シクロオクタジエン)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(アセチルアセトネート)パラジウム、等が挙げられる。
スペースに熱可塑性樹脂を充填するステップをさらに有するようにすれば、スペースにて溶質を樹脂表面に浸透させた後、樹脂を金型キャビティ表面に全面密着させることでスペースを樹脂で埋めて成形品を得ることができる。樹脂を金型表面に完全に密着させる方法は任意であるが、加熱シリンダー内におけるスクリューからの保圧を上昇させる方法、型締め圧を上昇させる方法、開いたキャビティを閉鎖して圧縮する方法等が挙げられる。
本発明の他の例示的側面としての熱可塑性樹脂の射出成形方法は、有機金属錯体を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入するステップと、有機金属錯体を含む超臨界流体をスペース内に導入するステップと、有機金属錯体の還元温度以上の温度とされた不活性ガスをスペース内に導入するステップを有することを特徴とする。その不活性ガスが窒素であってもよい。
これにより、有機金属錯体を効率よく還元させることが可能となる。樹脂内に浸透した有機金属錯体を、後処理を行うことなく効率よく還元することで、後工程としての無電解メッキに必要な触媒核を十分に析出させることができる。それによって、良好な無電解メッキ膜を形成できる。
本発明の他の例示的側面としての熱可塑性樹脂の射出成形方法は、有機金属錯体を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入するステップと、有機金属錯体を含む超臨界流体をスペース内に導入するステップと、有機金属錯体を還元するための還元剤を含む超臨界流体をスペース内に導入するステップを有することを特徴とする。
これにより、有機金属錯体を効率よく還元させることが可能となる。樹脂内に浸透した有機金属錯体を、後処理を行うことなく効率よく還元することで、後工程としての無電解メッキに必要な触媒核を十分に析出させることができる。それによって、良好な無電解メッキ膜を形成できる。
本発明の他の例示的側面としての成形品は、上記の射出成形方法により成形された成形品を無電解メッキ溶液に浸漬する等により、溶質を含む超臨界流体により表面を改質した個所に、メッキによる金属膜を形成したことを特徴とする。メッキとしては任意であり、公知であるCu、Ni、Ag、Auメッキ等を施すことができる。
本発明の他の例示的側面としての射出成形装置は、成形金型の金型キャビティ内に熱可塑性樹脂の表面と金型キャビティとの間にスペースが形成されるように熱可塑性樹脂を注入する樹脂注入部と、溶質を含む超臨界流体をスペース内に導入する超臨界流体導入部と、溶質を含む超臨界流体をスペース外に排出する超臨界流体排出部とを有することを特徴とする。
本発明の他の例示的側面としての射出成形装置は、成形金型の金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入する樹脂注入部と、前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースを形成するために金型を移動させ金型制御部と、溶質を含む超臨界流体を前記スペース内に導入する超臨界流体導入部と、前記溶質を含む超臨界流体を前記スペース外に排出する超臨界流体排出部とを有することを特徴とする。
射出成形装置に超臨界流体導入部及び超臨界流体排出部を別々に設けることにより、常に新鮮な超臨界流体及びそれに含まれる溶質を熱可塑性樹脂表面に接触させることができる。したがって、表面改質の効果を増大させることができる。
スペースが、熱可塑性樹脂表面の一部分に相当する位置に選択的に形成されていれば、樹脂表面の選択的な一部分にのみ導電性を付与したり無電解メッキの触媒核を形成することができる。したがって、配線パターンの形成等に便利である。
本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態により明らかにされるであろう。
本発明によれば、樹脂成形において二酸化炭素等の超臨界流体を溶媒に用いて樹脂を表面改質する際に、樹脂表面の高機能化をより高いレベルで達成できる。
さらに、成形時に有機金属錯体を機能材として樹脂表面に浸透させ、その金属錯体の配位子を外して(還元プロセス)金属微粒子を析出させるための還元率を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る射出成形方法を実現する成形金型及び成形装置について、図面を用いて説明する。図1及び図2は、この成形金型及び成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。本実施の形態においては、成形装置は公知の射出成形装置であり、型締め、射出ともに全電動式である。
金型は固定金型16及び可動金型17を有して構成され、そのパーティングラインは図示しないOリングによりシールされる。固定金型16は固定プラテン18に、可動金型17は可動プラテン19にそれぞれ取り付けられている。
図示しない乾燥機にて乾燥脱気され、ホッパ23に自動補充される熱可塑性樹脂の樹脂ペレットは、樹脂注入部としての可塑化シリンダー14内の図示しないスクリューにて可塑化計量された後、金型キャビティ9内に射出充填される。型締めは可動プラテン19後方に配置された図示しないトグル式型締め装置により行われる。各金型の合せ面であるパーティングラインを任意のタイミングにより、10μmの精度で開くことができる型締めフィードバック機構を有している。
発明に用いる超臨界流体は有機材料にある程度の溶解性を有する流体であれば任意であるが、本実施の形態では超臨界二酸化炭素を用いた。また本発明において超臨界二酸化炭素に溶解させる溶質(機能材料としての金属錯体)は任意であるが、本実施の形態ではPd錯体であるビス(アセチルアセトネート)パラジウムを用いた。
超臨界流体に溶質を溶解させる方法は任意であるが、本実施の形態においては図示しない超臨界流体発生装置より供給された温度50℃、圧力25MPaの超臨界二酸化炭素を減圧弁RV−1にて20MPaに調整した後、混合槽1中で溶質である金属錯体に混合させて金属錯体を溶解させた。その後、逆止弁13、焼結フィルター12を通過させた後、攪拌槽4にてエントレーナであるエタノールと攪拌溶解させた。攪拌槽4におけるエタノールが常に過飽和状態となるように、攪拌槽4に設置された液面センサーを用いてフィードバック制御を行いながらエントレーナポンプ3を駆動することにより、エントレーナタンク2に貯蔵されたエタノールを攪拌槽4へ補充した。
本発明に用いることのできる熱可塑性樹脂は特に制限されるものではないが、本実施の形態においてはガラス転移点Tg=150℃のGEプラスチックス社製ポリカーボネート樹脂(商品名:レキサン)を用いた。本発明における成形条件は任意であるが、本実施の形態においては、可塑化シリンダー14の温度は320℃とし、また金型温度は100℃とした。射出速度は250mm/sで、直径φ120mmの円盤状の金型キャビティ9内にスプール15を経て、0.2sで樹脂を1次充填した。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る射出成形方法を実現する金型及び射出成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。超臨界二酸化炭素とそれに溶解した溶質とを金型キャビティ9における射出充填後の樹脂表面に導入する方法は任意である。この実施の形態においては、リザーブタンク11に一度充填した超臨界二酸化炭素と溶質とを電磁弁で駆動する自動バルブV−5の開放動作により樹脂表面に導入した。超臨界二酸化炭素及び溶質の固定金型16への導入は、超臨界流体導入部としての固定金型16の導入口5より行った。
固定金型16と樹脂との間に超臨界二酸化炭素を導入するスペースを設ける方法は任意であるが、本実施の形態においては、射出充填直後に可動金型17を20μm開き、固定金型16と充填樹脂との間に導入スペースを設けた。この成形装置は、スペースに高圧の超臨界二酸化炭素が流れた状態でも、開き量が一定になるように型締め力をフィードバック制御することができるようになっている。
次いで、予めバルブV−8の一時開放によりリザーブタンク11に圧力20MPaにて充填された超臨界二酸化炭素と溶質とを、バルブ自動バルブV−5の開放により、上記導入スペースに導入した。同時に、バルブV−8を閉鎖した状態でバルブV−1及びバルブV−3を開放することにより、リザーブタンク11を経て溶質の溶解していない超臨界二酸化炭素を連続して導入した。この動作により溶質に対して超臨界二酸化炭素の量を十分に増加させることができるので、超臨界二酸化炭素の流動時に圧力損失により溶質が過飽和になり析出してしまうのを抑制することができる。次いで再度バルブV−3を閉鎖してバルブV−8を開放することにより、再び溶質の溶解した超臨界二酸化炭素を導入した。
このように、溶質の溶解した超臨界二酸化炭素の導入と、溶質の溶解していない超臨界二酸化炭素の導入とを交互に60秒間に10回繰り返した。
本実施の形態においては、超臨界二酸化炭素及びそれに溶解した溶質を、金型キャビティ9表面と樹脂表面との間に設けられたスペースに流動させ、又は流動及び滞留させるが、導入口5より超臨界流体を導入した後、さらにバルブV−6を開放することにより超臨界流体排出部としての排出口6より超臨界流体を金型外に排出してスペースに流れを形成している。そしてバルブV−6を一旦閉鎖し、再度開放するという動作を繰り返すことで超臨界二酸化炭素の流動と滞留とを交互に繰り返し、圧力損失を極力抑制しながら超臨界二酸化炭素及び溶質を逆止弁20の通過させた後に回収槽10に回収している。流動時、圧力P2は5〜10MPa程度に昇圧された。回収槽10内の圧力上昇を抑制するため、リリーフ弁を設けることもできる。
上記のような流動動作を60秒間繰り返し行い、その後バルブV−8を閉鎖してバルブV−1及びバルブV−3を10秒間開くことにより、溶質の溶解した超臨界二酸化炭素の流路と殆ど同じ流路に溶質の溶解していない超臨界二酸化炭素を流した。この動作により、配管内に滞留する溶質を回収槽10にほぼ完全に回収することができた。そしてバルブV−4、バルブV−5及びバルブV−6を閉鎖し、バルブV−7を開放することで金型キャビティ9内に滞留した二酸化炭素をガス化し大気開放した。この成形装置によって成形された樹脂成形品の表面をXPSで測定したところ、Pd金属錯体によるピークが確認されたのと同様にPd微粒子によるピークも確認された。
これにより、成形品表面にPd金属錯体と、配位子が外れたPd微粒子とがともに存在していることが確認された。無電解メッキの触媒核として有効に機能する金属微粒子の、有機金属錯体由来の化合物全体に対する存在率を還元率と定義すると、本実施の形態におけるPd錯体の還元率は40%であった。上記方法により成形品表面に金属錯体等の超臨界流体溶解物を配向させた後に加熱や還元反応等の後処理を行ってもよいが、この実施の形態においては無電解メッキまでに後処理は行わなかった。
本実施の形態においては、上記射出成形方法で成形した成形品に対し、次の方法にて無電解銅メッキを行った。まず、無電解銅メッキ用水溶液(奥野製薬工業製「OPC700A」100ミリリットル/リットル+奥野製薬工業製「OPC700B」100ミリリットル/リットル)の入った容器に成型品を入れ、室温にて60分間攪拌して銅メッキ処理した。さらに洗浄後、無電解銅メッキ用水溶液(奥野製薬工業製「OPCカッパーT1」60ミリリットル/リットル+奥野製薬工業製「OPCカッパーT2」12ミリリットル/リットル+奥野製薬工業製「OPCカッパーT3」100ミリリットル/リットル)の入った容器にその成型品を入れ、60℃で120分間攪拌した後に銅メッキ処理した。純水及びメタノールによって超音波洗浄した後、成形品全面に厚み10μmの銅メッキ膜を形成した。またそのメッキ膜は膜厚が均一であり、ふくれがなく、ピール試験においても実用上問題ない密着強度が得られていることを確認した。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2においては、超臨界流体としての超臨界二酸化炭素と溶質を流動させ樹脂表面に溶質を浸透させた直後、還元剤容器8にて超臨界二酸化炭素に溶解させた還元剤を樹脂と金型との間のスペースに流動させた。それ以外については実施の形態1と同様に射出成形を行った。
本実施の形態2においては還元剤としてNaBHを用いたが、もちろんこれに限られるものではない。120℃に温調された還元剤容器8内にアセトンおよびNaBHを入れておき、バルブV−2を開いて超臨界二酸化炭素に溶解させた後、バルブV−4を開いて金型内に導入した。
本実施の形態2において成形された樹脂成形品表面を上記実施の形態1の場合と同様に分析したところ、Pd錯体の還元率は85%に向上していた。本実施の形態2の方法においては、成形時に金属錯体の還元率を高くできることより、溶質である金属錯体の使用量を減少することができるとともに、より高品質の無電解メッキ膜を形成することができる。
[実施の形態3]
本実施の形態3においては、図2にその要部構成の概略ブロックを示す射出成形装置及び金型を用い、実施の形態1、2と同様に表面改質成形を行った。この実施の形態3においては、溶質として使用する金属錯体の還元効率を向上させるために高温状態で樹脂表面に接触させる不活性ガスとして窒素を用いた。超臨界流体として超臨界二酸化炭素を用いる場合には、溶質を抽出してしまう虞があるため不活性ガスとして窒素を用いるのが望ましいが、もちろん窒素以外にも二酸化炭素、ヘリウム等の種々のガスを適用することができる。
本実施の形態においては、図示しない14MPaの窒素ボンベからの窒素ガスを減圧弁RV−2により10MPaに調整した後、逆止弁21を介して加熱容器8’内に導入した。加熱容器8’にはバルブV−4に熱が伝わりにくいように溶接による断熱処理が施されている。加熱容器8’の温度は300℃に設定した。
超臨界二酸化炭素と溶質とを流動させ樹脂表面に溶質を浸透させた直後、加熱容器8’の窒素をバルブV−4の開放により樹脂と金型のスペースに流動させた。それ以外については実施の形態1の場合と同様に射出成形を行った。
本実施の形態3において成形された樹脂成形品表面を上記実施の形態1の場合と同様に分析したところ、Pd錯体の還元率は80%に向上していた。本実施の形態3の方法においては、成形時に金属錯体の還元率を高くできることより、溶質である金属錯体の使用量を減少することができるとともに、より高品質の無電解メッキ膜を形成することができる。
[実施の形態4]
次に、本発明に係る樹脂に浸透させるために超臨界流体に含まれた溶質の余剰分を金型内より回収及びリサイクルして連続使用できるプロセスを実現する成形金型及び成形装置について、図面を用いて説明する。図3は、この成形金型及び成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。本実施の形態4においては、成形装置は公知の射出成形装置であり、型締め、射出ともに全電動式である。
金型は固定金型16及び可動金型17を有して構成され、そのパーティングラインは図示しないOリングによりシールされる。固定金型16は固定プラテン18に、可動金型17は可動プラテン19にそれぞれ取り付けられている。
図示しない乾燥機にて乾燥脱気され、ホッパ23に自動補充される熱可塑性樹脂の樹脂ペレットは、樹脂注入部としての可塑化シリンダー14内の図示しないスクリューにて可塑化計量された後、金型キャビティ9内に射出充填される。型締めは可動プラテン19後方に配置された図示しないトグル式型締め装置により行われる。各金型の合せ面であるパーティングラインを任意のタイミングにより、10μmの精度で開くことができる型締めフィードバック機構を有している。本発明に用いる超臨界流体は有機材料にある程度の溶解性を有する流体であれば任意であるが、実施の形態では二酸化炭素を用いた。また超臨界流体に溶解させる(含ませられる)溶質は任意であるが、本実施例ではPt錯体である白金ジメチル(シクロオクタジエン)を用いた。
超臨界流体に溶質を溶解させる方法は任意であるが、本実施の形態においては以下のように行った。まず、図示しない超臨界流体発生装置より供給された温度50℃、圧力25MPaの超臨界二酸化炭素を減圧弁RV−1にて圧力P1を20MPaに調整した後、さらに減圧弁RV−2にて圧力P2を15MPaに減圧した。そして常時開放されたバルブV−1を経て混合槽1中で溶質である金属錯体に混合させ、超臨界二酸化炭素に金属錯体を溶解させた。
その後、逆止弁13、焼結フィルター12を通過させた後、攪拌槽4にてエントレーナであるエタノールと攪拌溶解させた。攪拌槽4におけるエタノールが常に過飽和状態となるように、攪拌槽4に設置された液面センサーを用いてフィードバック制御を行いながらエントレーナポンプ3を駆動することにより、エントレーナタンク2に貯蔵されたエタノールを攪拌槽4へ補充した。
本発明に用いることのできる熱可塑性樹脂は特に制限されるものではないが、本実施の形態においてはガラス転移点Tg=150℃のGEプラスチックス社製ポリカーボネート樹脂(商品名:レキサン)を用いた。樹脂成形品及び金型キャビティ9の形状としては30mm角のテストピースとした。また、成形条件は任意であるが、本実施の形態においては、可塑化シリンダー14の温度は320℃とし、また金型温度は100℃とした。射出速度は250mm/sで、直径φ120mmの円盤状の金型キャビティ9内にスプール15を経て、0.2sで樹脂を1次充填した。
超臨界二酸化炭素とそれに溶解した溶質を、金型キャビティ9における射出充填後の樹脂表面に導入する方法は任意であるが、本実施の形態においては、リザーブタンク11に一度充填した超臨界二酸化炭素と溶質とを電磁弁で駆動する自動バルブV−5の開放動作により樹脂表面に導入した。超臨界二酸化炭素及び溶質の固定金型16への導入は、超臨界流体導入部としての固定金型16の導入口5より行った。
固定金型16側において、超臨界二酸化炭素は導入口5から分岐する導入穴31Aを経て、樹脂に接する直径φ0.5mm、深さ0.2mmの円柱状の導入凹部38Aに導かれる。金型キャビティ9上には、図示しない深さ0.2mm、幅0.1mmの溝(スペース)が複数形成され、これらの溝は導入凹部38Aを含んで前後方向(すなわち図1中の紙面垂直方向)に延びるように配列されている。1次充填された樹脂がこの導入凹部38Aを含む溝の上面を覆うことにより、樹脂と固定金型16側の金型キャビティ9との間に溝部分に相当する微細な空間が形成される。
可動金型17側にも固定金型16側と同様に、金型キャビティ9上に図示しない深さ0.2mm、幅0.1mmの溝(スペース)が複数形成され、これらの溝は排出凹部38Bを含んで前後方向(すなわち図1中の紙面垂直方向)に延びるように配列されている。1次充填された樹脂がこの排出凹部38Bを含む溝の上面を覆うことにより、樹脂と可動金型17側の金型キャビティ9との間に溝部分に相当する微細な空間が形成される。超臨界二酸化炭素はこれら金型キャビティ9と樹脂表面との間に形成されたスペース内を流動して樹脂表面を改質する。そして、排出凹部38Bに連通する排出穴31B及びそれらを連結する連結穴27を経て、超臨界二酸化炭素は流路36、さらに排出口6を流動する。
金型キャビティ9内に樹脂が充填された後、固定金型16側と可動金型17側における超臨界二酸化炭素の流路は、2種類の方法で連通することとなる。すなわち、第1の場合は封止弁7’が後退し、固定金型16側よりバイパス流路29側に流れが形成される場合である。この場合、バイパス流路29の断面積が大きいため導入穴31A側には流体は殆ど流れない。そして第2の場合は、排出穴31Bの内部を駆動する突き出しピン24が溶融状態の樹脂を貫通して樹脂内部にスルーホールを形成する場合である。複数の突き出しピン24は突き出しプレート25に連結され、突き出しプレート25は成形装置に内蔵された図示しない電動式のエジェクターピストンによって固定金型16側に向けて前進後退する。突き出しピン24と排出穴31Bの隙間はOリング26でシールされ、超臨界二酸化炭素は突き出しプレート25側には漏れない構造になっている。
次に、本実施の形態4における成形プロセスについて、図4に示す模式図を用いて説明する。図4(a)〜(d)は図3に示した成形装置の金型キャビティ9周辺の要部構成を示す断面構造図である。
まず、上述の成形条件にて金型キャビティ9内に溶融状態の樹脂40を射出充填した。樹脂充填直後の様子を図4(a)に示した。金型キャビティ9内に充填された樹脂40は、金型表面の導入凹部38A、排出凹部38Bに未転写の状態になる。つまり、導入凹部38A、排出凹部38Bを含む溝部分(スペース)には充填されていない状態である。充填直後に、図3に示すバルブV−8、自動バルブV−5の開放と同時にバルブV−4を一時的に開放することで、導入口5及び流路28より溶質の溶解した超臨界二酸化炭素を導入し、図4(a)に示すようにバイパス流路29に通じる封止弁8周辺の圧力32,33を同圧にした。なお、封止弁8は、常にバネ30で固定金型16側に付勢されている。この時点において、図4(a)に示すように樹脂40周辺に超臨界二酸化炭素流体と溶質とが滞留している。
その後、図4(b)に示すように、突き出しピン24を前進させて、溶融状態にある樹脂40内部を貫通させた。この際、突き出しピン24は、樹脂を突き破るとともに導入凹部38Aの金型底面には突き当たらないように停止する。次いで、突き出しピン24を図4(c)に示すように後退させることで、樹脂40内部にスルーホール43を形成した。
スルーホール43の形成と同時に、固定金型16側の超臨界二酸化炭素と可動金型17側の超臨界二酸化炭素とが混在できるようになる。そして、バルブV−6を開いて超臨界二酸化炭素及び溶質を回収槽10に回収する。これにより、導入口5、導入穴31A、樹脂表面に接する表面改質用の溝(スペース)等を経て、排出穴31B、排出口6までの超臨界二酸化炭素及び溶質の流動を形成した。このとき、封止弁8が後退しないので、バイパス流路29における流動は発生しない。
バルブV−6の開閉を断続的に行うことで、超臨界二酸化炭素の流動及び滞留を60秒間繰り返して行い、樹脂40表面及びスルーホール43内部に選択的に有機金属錯体を浸透させた。この際、バルブV−1は開かず、混合槽1の圧力P2は13MPaに低下した。また、回収槽の圧力P3は3〜8MPaに変動した。
続いて、バルブV−8を閉鎖した後にバルブV−2を開放し、逆止弁7、リザーブタンク11を経て、導入口5より圧力P1が20MPaである溶質を含まない超臨界二酸化炭素を導入した。これにより、金型内の逆止弁周辺における圧力バランスを崩した。図3に示す圧力32が約15MPaであるのに対し、圧力33は約20MPaとなる。よって逆止弁が可動金型17側に後退し、図4(d)に示すように、超臨界二酸化炭素はバイパス流路29を流動し始める。
そして、バイパス流路29と金型キャビティ9との間の金型内流路に滞留している溶質を含んだ超臨界二酸化炭素は、図4(d)に示すように金型キャビティ9側に押されて樹脂40内に浸透する。
この排出及び回収動作を30秒間行った。これにより回収槽10の圧力P3は5〜10MPaに昇圧した。その後、バルブV−2、V−6、自動バルブV−5を閉鎖し、バルブV−7を開放し、金型キャビティ9内の圧力を大気開放した。同時にバルブV−8を開放して、圧力P1が20MPaの超臨界二酸化炭素を減圧弁RV−3にて圧力P3の15MPaに減圧後、回収槽10に導入して回収槽10内部の溶質を再溶解させた。その後、型締め圧を昇圧して転写を完了させ、成形された樹脂成形品を10秒間冷却した。
次いで、バルブV−3を開き、逆止弁34、フィルター35を通じて減圧状態の混合槽1内に回収槽10で溶解させた溶質と超臨界二酸化炭素とを導入した。余剰分は、バルブV−9を開放することにより大気開放された図示しない容器に回収した。その後、バルブV−8を閉鎖し、バルブV−6及びバルブV−7を開放して回収槽10内部を大気開放した。本実施の形態においては、回収槽10内部の溶質の再溶解に時間がかかってしまい、成形サイクルが20秒増加した。
なお本実施例において、各バルブ(特にV−2,V−3,V−4,V−6,V−8)の開閉制御は図示しない制御部によって行われる。それにより、超臨界二酸化炭素及び溶質の回収時には回収槽10の内圧を低圧としたり、回収槽10から混合槽1への超臨界二酸化炭素及び溶質の供給時には回収槽10の内圧を混合層1の内圧よりも高圧とすることができる。
[実施の形態5]
図5は、本発明の実施の形態5に係る表面改質方法を実現する金型及び成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。この実施の形態5においては、図5に示す成形装置を用いて上記実施の形態4の場合と同様に射出成形を行った。この成形装置においては、複数の回収槽10A〜10Cが並列に連結されており、独立にバルブV−3A〜V−3Fを用いて動作させることができる。これにより、実施の形態4のように、回収槽における超臨界二酸化炭素への溶質の再溶解に要する時間によって成形サイクルが延長してしまうことがなく、より成形のスループットを向上させることができた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
本発明の実施の形態1に係る射出成形方法を実現するための成形金型及び射出成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る射出成形方法を実現するための成形金型及び射出成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る表面改質方法を実現する金型及び成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。 図3に示した成形装置の金型キャビティ周辺の要部構成を示す断面構成図である。 本発明の実施の形態5に係る表面改質方法を実現する金型及び成形装置の要部構成の概略を示すブロック図である。
符号の説明
1…混合槽
2…エントレーナタンク
3…エントレーナポンプ
4…攪拌槽
5…導入口(超臨界流体導入部)
6…排出口(超臨界流体排出部)
7…逆止弁
7’…封止弁
8…還元剤容器
8’加熱容器
9…金型キャビティ
10…回収槽,10A〜10C…回収槽(超臨界流体回収装置)
11…リザーブタンク
12…焼結フィルター
13…逆止弁
14…可塑化シリンダー(樹脂注入部)
15…スプール
16…固定金型
17…可動金型
18…固定プラテン
19…可動プラテン
20…逆止弁
21…逆止弁
23…ホッパ
RV−1,RV−2…減圧弁
V−1,V−2,V−3,V−4,V−6,V−7,V−8…バルブ
V−5…自動バルブ

Claims (11)

  1. 溶質を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように前記金型キャビティ内に前記熱可塑性樹脂を注入するステップと、
    前記溶質を含む超臨界流体を前記スペース内に導入するステップと、
    前記溶質を含む超臨界流体を前記スペース外に排出するステップとを有することを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記溶質が、有機金属錯体であることを特徴とする請求項1に記載の表面改質方法。
  3. 前記スペースに前記熱可塑性樹脂を充填するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
  4. 有機金属錯体を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように前記金型キャビティ内に前記熱可塑性樹脂を注入するステップと、
    前記有機金属錯体を含む超臨界流体を前記スペース内に導入するステップと、
    前記有機金属錯体の還元温度以上の温度とされた不活性ガスを前記スペース内に導入するステップを有することを特徴とする射出成形方法。
  5. 前記不活性ガスが窒素であることを特徴とする請求項4に記載の射出成形方法。
  6. 有機金属錯体を含む超臨界流体により熱可塑性樹脂の表面を改質して樹脂成形を行う射出成形方法であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースが形成されるように前記金型キャビティ内に前記熱可塑性樹脂を注入するステップと、
    前記有機金属錯体を含む超臨界流体を前記スペース内に導入するステップと、
    前記有機金属錯体を還元するための還元剤を含む超臨界流体を前記スペース内に導入するステップを有することを特徴とする射出成形方法。
  7. 請求項1、4,6のうちいずれか1項に記載の射出成形方法において、
    前記金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入するステップは、
    成形金型に前記熱可塑性樹脂を充填するステップと、
    前記熱可塑性樹脂を充填した後に金型を移動させることにより前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースを形成するステップを含むことを特徴とする射出成形方法。
  8. 請求項2、4,6のうちいずれか1項に記載の射出成形方法により成形された成形
    品であって、溶質を含む超臨界流体により表面を改質した個所に、メッキによる金属膜を形成したことを特徴とする成形品。
  9. 成形金型の金型キャビティ内に熱可塑性樹脂の表面と前記金型キャビティとの間にスペースが形成されるように前記熱可塑性樹脂を注入する樹脂注入部と、
    溶質を含む超臨界流体を前記スペース内に導入する超臨界流体導入部と、
    前記溶質を含む超臨界流体を前記スペース外に排出する超臨界流体排出部とを有することを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  10. 成形金型の金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を注入する樹脂注入部と、
    前記熱可塑性樹脂の表面と成形金型の金型キャビティとの間にスペースを形成するために金型を移動させる金型制御部と、
    溶質を含む超臨界流体を前記スペース内に導入する超臨界流体導入部と、
    前記溶質を含む超臨界流体を前記スペース外に排出する超臨界流体排出部とを有することを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  11. 前記スペースが、前記熱可塑性樹脂表面の一部分に相当する位置に選択的に形成されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の射出成形装置。
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