JP2005204652A - メチル化特異的プライマー伸長(mspe)によるメチル化状況を検出するアッセイ - Google Patents

メチル化特異的プライマー伸長(mspe)によるメチル化状況を検出するアッセイ Download PDF

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Abstract

【課題】メチル化特異的プライマー伸長反応(MSPE)を用いることにより、核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルを検出する方法を提供する。
【解決手段】MSPEは、CpG部位で非メチル化シトシンをウラシルに修飾し、その後、化学処理した核酸を増幅させる薬剤を用いる。MSPEを行うために非メチル化CpG部位とメチル化CpG部位とを識別するMSPEプライマーが提供される。1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルは、MSPE反応産物中に組み込まれた標識のシグナル強度を検出することにより行われる。
【選択図】なし

Description

[発明の分野]
本発明は、包括的に、遺伝子中のCpG部位のDNAメチル化状況を検出する方法に関する。さらに、本発明は、被検体の核酸のDNAメチル化状況を判定することにより障害または疾患を診断する方法に関する。
[優先権の主張]
本出願は、2003年12月16日に出願した米国仮出願60/530,010号の利益を主張する。上記出願の全教示は、本明細書中参照として援用される。
[発明の背景]
哺乳類において、DNAメチル化は通常CpGジヌクレオチドとして知られるグアニンの5’側に位置するシトシンで起こる。DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ(DNA−Mtase)は、S−アデノシル−L−メチオニンからシトシンの5番目の位置の炭素にメチル基を付加することにより、この反応を触媒する。Chiang, PK, et al.,「S−アデノシルメチオニンおよびメチル化(S-adenosylmethionine and methylation)」, FASEB J, 10: 471-480 (1996)。ヒトゲノムにおいて、CpGジヌクレオチド内の大部分のシトシンはメチル化されているが、特定のGCに富む領域ではメチル化されていないものもある。これらの領域は、CpG島と呼ばれる。Antequera, F. et al.,「細胞株のCpG島における高レベルのde novoメチル化および改変クロマチン構造(High levels of de novo methylation and altered chromatin structure at CpG islands in cell Iines)」, Cell, 62: 503-514 (1990)。CpG島は、一般的に、長さが0.2Kb〜約1Kbの間であり、そして多くのハウスキーピング遺伝子および組織特異的遺伝子の上流に位置するが、ただし遺伝子翻訳領域内まで伸長することもある。Antequera, F. et al.,「細胞株のCpG島における高レベルのde novoメチル化および改変クロマチン構造」, Cell, 62: 503-514 (1990)。
DNAメチル化は、遺伝的、可逆的、かつ後成的な変化であり、これは、発生および遺伝に深刻な結果を有する、遺伝子発現を変更させる可能性を有する。DNAメチル化は、細胞発達の過程で遺伝子発現の調節に役割を果たしていることが知られている。この後成的な事象は、しばしば、刷込み遺伝子、いくつかの反復エレメント、および不活性X染色体上の遺伝子の転写的サイレンシングに伴う。Li, E. et al,「遺伝子刷込みにおけるDNAメチル化の役割(Role for DNA methylation in genomic imprinting)」 Nature, 366: 362-365 (1993)、 Singer-Sam, J. and Riggs, AD, 「X染色体不活性化およびDNAメチル化(X chromosome inactivation and DNA methylation)」、Jost, J. P. and Saluz, H. P. (編),「DNAメチル化:分子生物学および生物学的意義(DNA Metlylation: molecular Biology and Biological Significance)」, Birkhaeuser Verlag, Basel, Switzerland, pp. 358-384 (1993)。新生物細胞においては、正常な非メチル化CpG島が異常メチル化、または過剰メチル化され得ることが観測されている。Jones, PA,「DNAメチル化エラーと癌(DNA methylation errors and cancer)」, Cancer Res., 56:2463-2467 (1996)。
CpGジヌクレオチドでの異常メチル化シトシンは、癌では広く見られる現象である。 Jones, PA and Laird, PW,「年齢からくる癌の後成的遺伝学(Cancer epigenetics comes of age)」, Nat. Genet. 21: 163-167 (1999)。CpG島の過剰メチル化の結果として、プロモーター中のクロマチン構造が改変され得、転写機構との正常な相互作用を阻害する。Baylin, SB, et al.「DNAメチル化における改変:異常増殖の基本的様相(Alterations in DNA methylation: A fundamental aspect of neoplasia)」, in Advances in cancer research (編集、 G.F. Vande Woude and G. Klein), 第72巻: 141-196 (1998), Academic Press, San Diego, CA。増殖阻害に決定的な遺伝子でこれが生じた場合、もたらされる転写の沈黙化は腫瘍の進行を促進する可能性がある。また、プロモーターCpG島の過剰メチル化は、古典的腫瘍抑制因子遺伝子および細胞周期調節に重要な遺伝子の転写不活性化、ならびにDNA不適正修復の一般的な機構であることが示されている。
これらの発見に基づき、シトシンのメチル化は遺伝子発現の制御に重大な役割を果たしており、そしてメチル化パターンまたはメチル化状況の変更は疾患を引き起こすということが言える。
[発明の概要]
本発明は、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。本方法は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長を行うこと、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせること、および
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定することを含む。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、dNTP、標識ddCTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
代替的に、別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程を含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
代替的に、別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上のCpG部位の該シトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
本発明によれば、工程(a)のDNAはゲノムDNAであることが好ましい。
本発明によれば、非メチル化シトシンをウラシルに変換するために使用される薬剤は重亜硫酸化合物であることが好ましい。好ましくは、非メチル化シトシンを修飾するために使用される薬剤は重亜硫酸ナトリウムである。
本発明によれば、化学処理した核酸を増幅するのにPCRを使用することが好ましい。1つの好適な実施形態において、PCR増幅は、少なくとも1対のPCRプライマーで行われ、かつPCRプライマーは、メチル化および非メチル化DNAテンプレートの両方を認識するものとする。PCRプライマーは、厳密な条件下、少なくとも約7、好ましくは約12、好ましくは約15、より好ましくは約25、50、75、100、またはそれより多くのヌクレオチドと、理想的には約17〜40ヌクレオチドとハイブリダイズする配列を含んでいてもよい。別の好適な実施形態において、複数のCpG部位を認識する複数対のPCRプライマーが用いられ、そしてDNAテンプレートを同時に増幅するために多重PCRが行われる。
本発明によれば、1つまたは複数の核酸分子における1つまたは複数のCpG部位のメチル化レベルの分析のためにMSPE反応が行われる。1つの好適な実施形態において、MSPE反応を行っている間、複数の単独または多発PCR反応がプールされ得る。1つの実施形態において、プライマー伸長反応に用いられるMSPEプライマーは、最初からCpGジヌクレオチドを含む配列とハイブリダイズするように設計される。
1か所の定義されたCpG部位の分析のため、好ましくは少なくとも2つのクラスのMSPEプライマーが伸長反応に関与する。一方のクラスのMSPEプライマーは、メチル化に特異的でかつメチル化CpG部位とアニーリングし、そして他方のクラスのMSPEプライマーは、非メチル化CpG部位に特異的でかつ増幅された核酸の非メチル化CpG部位とアニーリングする。各クラスのMSPEプライマーは2つの部分からなる。3’末端部分は増幅された核酸の定義されたCpG部位(単数または複数)とアニーリングし、そして5’末端部分は増幅された核酸のいずれによってもアニーリングされないユニーク/アダプター配列とアニーリングする。
1つの実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用い、そして標識dNTPを用いることにより行われ、ここでdATP、dTTP、およびdCTPは標識されていてもよい。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用い、そして標識ddCTPを用いることにより行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用い、そして標識dNTPとddNTPとの混合物および未標識dNTPとddNTPとの混合物を用いることにより行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、テンプレートDNAの下の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用い、そして標識dNTPを用いることにより行われ、ここでdATP、dTTP、およびdGTPは標識されていてもよい。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの下の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用い、そして標識dNTPとddNTPとの混合物および未標識dNTPとddNTPとの混合物を用いることにより行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの上の鎖を、未標識dNTPを用いてアニーリングする標識逆プライマーを用いて行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅されたDNAの下の鎖を、未標識dNTPを用いてアニーリングする標識逆プライマーを用いて行われる。
伸長産物中に組み込まれるdNTP、ddNTP、または逆プライマーは、検出可能な標識で標識されてもよい。検出可能な標識は当該分野で既知である。任意の型の検出可能な標識が用いられ得る。1つの好適な実施形態において、標識は放射性同位体である。別の好適な実施形態において、標識は蛍光剤である。別の好適な実施形態において、標識はビオチンのような結合部分である。
検出可能な標識は、直接検出され得る一次標識、または間接的に検出され得る二次標識のいずれでもあってもよい。
1つの態様において、本発明は、1つまたは複数のCpG部位を含むMSPE反応産物のシグナル強度を分析することにより、1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルを判定および定量する方法を提供する。1つの好適な実施形態において、多数のCpG部位が、それらの相対的メチル化レベルを同時に判定され得、例えば、1つまたは複数のCpG部位における相対的メチル化レベルの判定および定量が、高処理様式で、またはマイクロアレイで行われ得る。
本発明の別の態様はまた、1つまたは複数のCpG部位における相対的メチル化レベルの検出用キットを提供する。キットは、(1)非メチル化シトシンヌクレオチドを修飾する薬剤、(2)核酸分子の増幅用プライマー、(3)メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー(標識または未標識のいずれか)、(4)非メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー(標識または未標識のいずれか)、(5)標識dNTPおよび未標識dNTP、(6)標識ddNTPおよび未標識ddNTP、ならびに(7)標識または未標識逆プライマーを含み得る。キットはさらに、核酸増幅緩衝液およびMSPE反応用試薬を含み得る。好ましくは、非メチル化シトシンを修飾する薬剤は重亜硫酸化合物である。
本発明の別の態様はまた、被検体において、疾患または障害の素因を判定するための、あるいは疾患または障害を診断および/または予知(prognose)するための、あるいは薬物または化合物の治療的応答をモニタリングするための、本方法および/またはキットの使用法を提供し、この方法は、核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルを判定すること、および被検体の相対的メチル化レベルを、疾患または障害の素因を有さない対照被検体(または標準)からの言及の核酸分子の相対的メチル化レベルと比較することを含み、相対的メチル化レベルにおける有意差は被検体において、疾患または障害の素因を示す。
本発明によれば、試料中のDNAメチル化状態または状況を判定することにより、疾患の診断、予知、または治療道具を提供することができる。
[発明の詳細な説明]
概要
本発明は、試料中のDNAメチル化状態または状況を判定する方法に関する。一般に、方法の第一段階は、CpG部位を化学的に修飾すること、非メチル化シトシンをウラシルに変換すること、5’−メチル化シトシンを未修飾のままにすることを含む。次いで、化学処理されたDNAは、PCR増幅を含む従来の分子生物学的技法により増幅され得る。次いで、増幅DNA産物におけるメチル化状態または状況は、タグ付き(tagged)プライマーまたはdNTPまたはddNTPを用いて、プライマー伸長反応で分析され得る。本発明の別の態様は、メチル化状態または状況の、疾患マーカーとしての、または治療の基礎としての、臨床的応用に関する。詳細には、CpG部位での異常メチル化は、遺伝子発現を不活性化させる。したがって、同部位での非メチル化レベルと比較しての1つまたは複数の特定CpG部位での相対的メチル化レベルは、診断、予知、または治療道具として機能する。
定義
本明細書中使用される場合、「メチル化」という用語は、遺伝子調節領域のCpGジヌクレオチド内のヌクレオチド塩基のシトシンのC5位でのメチル基の共有結合を示す。「メチル化状態」または「メチル化状況」という用語はDNA配列内の1つまたは複数のCpGジヌクレオチドでの5−メチルシトシン(「5−mCyt」)の有無を示す。本明細書中使用される場合、「メチル化状況」および「メチル化状態」という用語は互換的に使用される。メチル化部位は、配列特異的メチラーゼにより認識されてメチル化される近接して結合したヌクレオチドの配列である。メチラーゼは、メチル化部位で1つまたは複数のヌクレオチドをメチル化する(すなわち、メチル基を共有結合させる)酵素である。
本明細書で使用される場合、「CpG島」という用語は、CpGジヌクレオチドに富んだ短いDNA配列であり、そしてヒト遺伝子の全体の約1/2の5’領域で見いだされ得る。「CpG部位」という用語は、CpG島内のCpGジヌクレオチドを示す。CpG島は、一般的に、約0.2kb〜約1kbの長さであるが、常にそうあるわけではない。
本明細書中使用される場合、「試料」という用語は、その最広義において使用されるとおり、例えば、個体から単離された組織または液体(血漿、血清、脳脊髄液、リンパ、涙、だ液、および組織切片が挙げられるがそれらには限定されない)またはin vitro細胞培養構成物から単離された組織または液体などの、DNAもしくはRNAを含む任意の植物、動物、またはウイルス性材料、ならびに環境からの試料を示す。「試料」という用語はまた、「生体試料」を示す。本明細書中使用される場合、「生体試料」という用語は、生物体全体、またはその組織、細胞、もしくは構成部分(例えば、体液として、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、だ液、羊膜液、羊膜帯血、尿、膣液、および***が挙げられるがこれらに限定されない)のサブセットを示す。「生体試料」はさらに、生物体全体、あるいはその組織、細胞、または構成部分、またはそのフラクションもしくは一部分から調製されるホモジネート、ライセート、または抽出物を示し、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、気道、腸管、および尿生殖器管の外部切片、涙、だ液、母乳、血球、腫瘍、器官が挙げられるが、これらに限定されない。最も頻繁には、試料は動物から採取されてきたが、しかし「生体試料」という用語は、in vivoで、すなわち動物から採取されずに分析される、細胞または組織も示し得る。代表的には、「生体試料」は、動物からの細胞を含むだろうが、この用語は、癌関連ポリヌクレオチドまたはポリペプチドレベルを測定するために使用され得る、血液、だ液、または尿の非細胞性フラクションなどの、非細胞性生体材料も示し得る。「生体試料」はさらに、生物体が繁殖しており、タンパク質または核酸分子などの細胞性構成分を含む、栄養ブロスまたはゲルなどの培地を示す。
本明細書中使用される場合、「薬剤」という用語は、どの5’−メチル化シトシンも未変化で残しながら非メチル化シトシンを別のヌクレオチドに修飾する特性を有する任意の化合物を示す。修飾は、非メチル化シトシンをメチル化シトシンと識別するだろう。好ましくは、薬剤は、非メチル化シトシンをウラシルに修飾する。好ましくは、非メチル化シトシンを修飾するために使用される薬剤は重亜硫酸ナトリウムである。しかしながら、非メチル化シトシンを同様に修飾するがメチル化シトシンは修飾しない他の薬剤もまた、本発明で使用され得る。
本明細書中使用される場合、「プライマー」という用語は、核酸制限消化から精製されたのであろうと合成で産生されたのであろうと、核酸鎖と相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件、すなわちヌクレオチド、およびDNAポリメラーゼ、逆転写酵素などの重合化剤の存在下、かつ適した温度およびpHに置かれたときに、核酸合成の開始点として作用し得るポリヌクレオチドを示す。プライマーは、効率を最大限にするために好ましくは一本鎖であるが、代替的に二本鎖でもよい。二本鎖の場合、プライマーは、伸長産物を調製するのに使用される前に、最初に処理されてその鎖が分けられる。好ましくは、プライマーはポリデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、重合化剤の存在下、伸長産物の合成をプライムするのに十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度およびプライマー源を含む多くの要因に依存する。例えば、標的配列の複雑さに応じて、ポリヌクレオチドプライマーは代表的には15〜25またはそれより多くのヌクレオチドを含むが、それより少ないヌクレオチドも含み得る。短いプライマー分子は一般に、テンプレートと十分に安定なハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度を必要とする。
本明細書中使用される場合、「MSPEプライマー」という用語は、アッセイされるべきCpG部位とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを示す。「MSPEプライマー」は2つの部分を含む。MSPEプライマーの5’末端は、アッセイされるべき試料中のどのDNAともハイブリダイズしないユニーク配列を含み、そしてMSPEプライマーの3’末端は、アッセイされるべきCpG部位を含む領域と相補的な配列を含む。
本明細書中使用される場合、「ジップコード(zip code)」または「アダプター配列」とも呼ばれる「ユニーク配列」という用語は、一般に標的配列に対して外来性、例えば人工の配列である。1つの好適な実施形態において、アダプター配列は、検出マイクロビーズまたはマイクロアレイの捕獲プローブに対して実質的に相補的(そして好ましくは完全に相補的)であるように設計される。好ましくは、捕獲プローブは、アレイ支持体について本明細書中記載されるようなマイクロスフェア、あるいはプラスチックスライドまたはスライドガラスなどの平面基材を含み得る固体支持体に固定される。非制限的な一例は、3’アミン修飾オリゴである:CP32:5’
CGAACGCTCTGAGGTCACAGCGTC3’(配列番号1)、CP33:5’
GTGCTCCAGAGGCTGATGCCGC3’(配列番号2)、CE32:5’
GACGCTGTGACCTCAGAGCGTTCG3’(配列番号13)、およびCE33:5’
GCGGCATCAGCCTCTGGAGCAC3’(配列番号14)。
本明細書中使用される場合、「増幅する」という用語は、テンプレート核酸の鎖のうち1本または両方と相補的である核酸分子を合成するプロセスを示す。核酸分子の増幅は、一般的には、テンプレート核酸を変性すること、プライマーの溶融温度より低い温度でプライマーをテンプレート核酸にアニーリングすること、およびプライマーから酵素で延長して増幅産物を生成することを含む。変性工程、アニーリング工程、および伸長工程はそれぞれ、1回行われ得る。しかしながら、一般に、変性工程、アニーリング工程、および延長工程は、増幅産物の量が増加するように複数回行われ、その回数はしばしば指数関数的であるが、指数関数的増幅は本方法では必要ではない。増幅は、一般的にはデオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素、および適切な緩衝液および/またはポリメラーゼ酵素の最適活性のための補因子の存在を必要とする。「増幅産物」という用語は、本明細書中定義されるとおりの増幅プロセスから産生される核酸配列を示す。
本明細書中使用される場合、「標識」という用語は、検出可能な(好ましくは定量可能な)効果を提供するために使用され得り、かつ核酸またはタンパク質に結合され得る任意の原子または分子を示す。標識として、色素および32Pなどの放射標識、ビオチンなどの結合部分、ジゴキシゲニン(digoxgenin)などのハプテン、発光性(luminogenic)、燐光、または蛍光発光性部分、および単独の、または蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により発光スペクトルを抑制またはシフトさせ得る部分と組み合わせた蛍光色素が挙げられるが、これらに限定されない。標識は、蛍光、放射能、比色、重力測定、X線回折または吸収、磁性、酵素活性などにより検出可能なシグナルを提供し得る。標識は、電荷を帯びた部分(正電荷または負電荷)であってもよく、あるいは中性の電荷であってもよい。標識は、その標識を含む配列が検出可能である限り、核酸またはタンパク質配列を含み得り、または構成し得る。「標識dNTP」という用語は、結合した標識により修飾されているdNTPを示す。「標識ddNTP」という用語は、結合した標識により修飾されているddNTPを示す。
本明細書中使用される場合、「ハイブリダイズする」という用語は、通常のハイブリダイゼーション条件下、核酸鎖が第二の相補的核酸鎖とアニーリングして、ホモ二本鎖またはヘテロ二本鎖のいずれかの安定な二本鎖を形成し、そして同じ通常のハイブリダイゼーション条件下で関連しない核酸分子と安定な二本鎖を形成しないプロセスを示す。二本鎖の形成は、2本の相補的核酸鎖をハイブリダイゼーション反応でアニーリングすることにより達成される。ハイブリダイゼーション反応は、2本の核酸鎖が実質的にまたは完全に相補的である特定の配列中に一定数のヌクレオチドを含有しない限り、2本の核酸鎖間のハイブリダイゼーションが安定な二本鎖を形成しない、例えば、通常の厳密条件下で二本鎖を形成された(double-strandedness)領域を保持する二本鎖を形成しない、ように、ハイブリダイゼーション反応が行われるハイブリダイゼーション条件(しばしば、ハイブリダイゼーション厳密度(stringency:ストリンジェンシー)として示される)を調整することにより高度に特異的にされ得る。「通常のハイブリダイゼーション条件または通常の厳密条件」は、任意の所定のハイブリダイゼーション反応について容易に判定される。例えば、Ausubel et al.,「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, Inc., New York, またはSambrook et al.,「分子クローニング:実験室手引書(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照。本明細書中使用される場合、「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイゼーション」という用語は、核酸鎖が塩基対形成を通して相補的鎖と結合する任意のプロセスを示す。
本明細書中使用される場合、「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合化を触媒する酵素を示す。一般に、酵素はDNAテンプレート配列にアニーリングされたプライマーの3’末端で合成を開始し、そしてテンプレートに沿って5’方向に進行する。既知のDNAポリメラーゼとして、例えば、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)(Pfu)DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7DNAポリメラーゼ、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)(Tth)DNAポリメラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)DNAポリメラーゼ、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)(Tli)DNAポリメラーゼ(VentDNAポリメラーゼとも示される)、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)(UlTma)DNAポリメラーゼ、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼ、およびピロコッカスGB−D(PGB−D)DNAポリメラーゼが挙げられる。上記の酵素のいずれのポリメラーゼ活性も、当該分野で既知の手段により定義され得る。DNAポリメラーゼ活性の一単位は、本発明によれば、10nmoleの全dNTPを重合型に組み合わせるのを72℃で30分で終わらせるように触媒する酵素の量として定義される。本発明で使用され得る好適な熱安定DNAポリメラーゼとして、Taq、Tne、Tma、Pfu、Tfl、Tth、ストッフェル断片(Stoffel fragment)、VENT(登録商標)、およびDEEPVENT(登録商標)DNAポリメラーゼ、ならびにそれらの突然変異、変異体、および誘導体が挙げられる。米国特許出願第5,436,149号、米国特許出願第4,889,818号、米国特許出願第4,965,188号、米国特許出願第5,079,352号、米国特許出願第5,614,365号、米国特許出願第5,374,553号、米国特許出願第5,270,179号、米国特許出願第5,047,342号、米国特許出願第5,512,462号、米国特許出願第6,015,668号、米国特許出願第5,939,301号、米国特許出願第5,948,614号、米国特許出願第5,912,155号、WO97/09451、WO98/35060、WO92/06188、WO92/06200、WO96/10640、Barnes, W.M., Gene 112:29-35 (1992); Lawyer, F.C., et al., PCR Meth. Appl. 2:275-287 (1993); Flaman, J.-M, et al., Nucl. Acids Res. 22 (15): 3259-3260 (1994)を参照。
本明細書中使用される場合、「検出する」とは、試料中の分子の有無の同定を意味する。検出されるべき分子がリガンドの場合、検出工程は、リガンドを検出可能に標識された抗体と結合させることにより行われ得る。検出可能な標識は、独立して、または刺激に応答してのいずれかで、観察可能なシグナルを発生することができる分子である。検出可能な標識は、蛍光標識、色素標識、発光標識、または放射性標識であり得るが、これらに限定されない。標識を「検出する」方法として、標準または共焦点顕微鏡観察、FACS分析に適応した定量的および定性的方法、およびマルチウェルプレート、アレイ、またはマイクロアレイを含む高処理法に適合したものが挙げられる。当業者は、所定の蛍光リガンドまたは色素からの蛍光発光を検出するのに適したフィルターセットおよび励起エネルギー源を選択し得る。本明細書中使用される場合、「検出する」とはまた、検出されるべきリガンドに対して複数の抗体を使用することも含み得、ここで複数の抗体は検出されるべきリガンド上の異なるエピトープに結合する。このように使用される抗体は、2種またはそれより多くの検出可能な標識を用い得り、そして、例えば、FRET対を含み得る。本発明によれば、ポリペプチド分子は、検出可能なシグナルのレベルが、検出可能な標識のバックグラウンドレベルよりもとにかく大きい場合に、または、測定された核酸のレベルが対照試料で測定されたレベルよりもとにかく大きい場合に、「検出」される。
本明細書中使用される場合、「検出する」とはまた、標的核酸分子(例えば、対象の核酸分子)の存在を検出することを示し、直接または間接的に標識されたプローブ核酸分子(試料中の標的とハイブリダイズし得る)により生じたシグナルが測定または観測されるプロセスを示す。したがって、プローブ核酸の検出は、マーカー遺伝子をコードする配列などの標的核酸の存在、したがってその検出を直接示すものである。例えば、検出可能な標識が蛍光標識の場合、標的核酸は、プローブ核酸上の蛍光標識が適切な波長で励起された時に、それにより発せられる光を観測または測定するこにより「検出され」、または検出可能な標識が蛍光/消光剤対の場合、標的核酸は、プローブ核酸上に存在する蛍光/消光剤対の会合または乖離時に発せられる光を観測または測定するこにより「検出され」、ここでプローブ核酸の検出が標的核酸の検出を示す。検出可能な標識が放射性標識の場合、標的核酸は、放射性標識プローブとのハイブリダイゼーションに続いて、例えば、オートラジオグラフィーにより「検出され」る。蛍光標識、放射性標識、および他の化学標識を「検出する」方法および技法は、Ausubcl et al. (1995, 「分子生物学の短いプロトコル(Short Protocols in Moleculor Biology)、第3版、John Wiley and Sons, Inc.)に見いだされ得る。あるいは、核酸は「間接的に検出され」てもよく、ここで酵素活性などの部分が標的とハイブリダイズするプローブ核酸に結合されて、適切な基質の存在を検出可能にするか、または特異的抗原もしくは他のマーカーが抗体もしくは他の特異的指標の添加により検出可能にする。あるいは、標的核酸分子は、標的核酸配列の一部とハイブリダイズするように特別に設計されているオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、患者の臨床試料から調製された核酸試料を増幅することにより検出され得る。TaqManなどの定量的増幅法(これらに限定されない)もまた、本発明による、標的核酸を「検出する」のに用いられ得る。本明細書中で使用される場合、核酸分子は、測定された核酸のレベル(定量的PCRによるなど)、または検出可能な標識により提供される検出可能なシグナルのレベルがバックグラウンドレベルをとにかく超える場合に、「検出」される。
本明細書中で使用される場合、 「検出する」はさらに、細胞または組織の疾患状態を表す、標的核酸分子の特定の CpG部位上でのメチル化状態または状況を検出することを示す。標的核酸分子の特定の CpG部位上でのメチル化状態または状況は、診断、疾患のモニタリング、および治療的アプローチに有用な情報を提供し得る。当該分野で既知の様々な方法が特定のCpGジヌクレオチドのメチル化状況を判定するのに使用され得る。そのような方法として、制限酵素ランドマークゲノムスキャニング法(restriction landmark genomic scanning)( Kawai et al., 「制限酵素ランドマークゲノムスキャニング法によるマウス細胞株間でのDNAメチル化パターンの比較(Comparison of DNA methylation patterns among mouse cell lines by restriction landmark genomic scanning)」, Mol. Cell Biol. 14 (11): 7421-7427 (1994)を参照)、 メチル化CpG島増幅法(Toyota et al.,「メチル化CpG島増幅法による結腸直腸癌中のメチル化状態が異なった配列の同定(Identification of differentially methylated sequences in colorectal cancer by methylated CpG island amplification)」, Cancer Res., 59: 2307-2312 (1999)を参照、同じくWO 00/26401A1も参照、メチル化状態が異なったハイブリダイゼーション法(Huang et al.,「ヒト乳癌細胞におけるCpG島のメチル化プロファイリング(Methylation profiling of CpG islands in human breast cancer cells)」, Hum. Mol Genet., 8: 459-470 (1999)を参照)、メチル化特異的PCR(MSP)(Herman et al.,「メチル化特異的PCR:CpG島のメチル化状況についての新規PCRアッセイ(Methylation-specific PCR: a novel PCR assay for methylation status of CpG islands)」, PNAS USA 93: 9821-9826 (1992)を参照、同じく米国特許第5,786,146号も参照)、メチル化感受性単独ヌクレオチドプライマー伸長法(methylation-sensitive single nucleotide primer extension)(Ms−SnuPE)(米国特許第6,251,594号を参照)、総合重亜硫酸塩制限分析(combined bisulfite restriction analysis)(COBRA)(Xiong and Laird,「COBRA:高感度かつ定量的なDNAメチル化アッセイ(COBRA: a sensitive and quantitative DNA methylation assay)」, Nucleic Acids Research, 25(12): 2532-2534 (1997)を参照)、重亜硫酸塩ゲノム配列決定(Frommer et al.,「個々のDNA鎖における5−メチルシトシン残基の陽性表示をもたらすゲノム配列決定プロトコル(A genomic sequencing protocol that yields a positive display of 5-methycytosine residues in individual DNA strands)」, PNAS USA, 89: 1827-1831 (1992)を参照)、およびメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中使用される場合、「検出する」とはさらに、患者における疾患または障害の、早期発見、または予知、または治療反応を示す。本明細書中使用される場合、「検出する」とはさらに、上記に記載されるのと同じ検出判定基準を用いた、個体における疾患再発の検出を示す。本明細書中使用される場合、「検出する」とはさらになお、治療化合物での治療前および/または治療後の疾患または障害の程度の変化を測定することを示す。この場合、治療化合物に応じた結腸直腸癌の程度の変化は、治療化合物の不在下での発現レベルと比較して治療化合物の存在に応じて、CpG部位のメチル化レベルが少なくとも10%増加または減少することを示す。
本明細書中使用される場合、「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、および適切な場合はリボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチドを示す。この用語はまた、等価体として、ヌクレオチド類似体から作られるRNAまたはDNAいずれかの類似体、および記載される実施形態に応用可能であるとして、一本鎖(センス鎖またはアンチセンス鎖)および二本鎖ポリヌクレオチドを含むことが理解されるべきである。EST、染色体、cDNA、mRNA、およびrRNAは、核酸として示されてもよい分子の代表例である。
本明細書中使用される場合、単数形または複数形のいずれかで用いられる「癌性細胞」または「癌細胞」という用語は、その細胞を宿主生物に対して病理的にする悪性形質転換を起こしてしまった細胞を示す。悪性形質転換は、単独または複数工程のプロセスであり、細胞の遺伝的構成および/または遺伝子発現プロフィアルにおける変更に一部関与する。悪性形質転換は、自発的に、あるいは薬物もしくは化学処理、照射、他の細胞との融合、ウイルス感染、または特定遺伝子の活性化もしくは不活性化などの、1つの事象または事象の組み合わせを介してのいずれかで、生じ得る。悪性形質転換はin vivoまたはin vitroで生じ得り、そして必要であれば実験的に誘導され得る。悪性細胞は、明確な腫瘍塊内で見いだされ得るか、他の身体部位に転移し得る。癌細胞の特徴は、宿主による制御不可能な様式で増殖する傾向であるが、特定の癌細胞に伴う病状は、任意の形態を取り得る。一次癌細胞(すなわち、悪性形質転換部位付近から得られる細胞)は、十分に確立された病理学的技法、特に組織学的検査により、非癌性細胞と容易に識別され得る。癌細胞の定義は、本明細書中使用される場合、一次癌細胞だけでなく、癌細胞祖先から由来する任意の細胞も含む。これは、転移した癌細胞、ならびに癌細胞由来のin vitro培養物および細胞株を含む。
本明細書中使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、好ましくは少なくとも5つのヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜15ヌクレオチド、およびより好ましくは少なくとも約15〜30またはそれより多くのヌクレオチドを含む分子を示す。正確な大きさは多くの要因によって決まるが、その要因はオリゴヌクレオチドの最終的な機能または利用によって決まる。オリゴヌクレオチドは、どのような様式で産生されてもよく、化学的合成、DNA複製、逆転写、PCR、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書中使用される場合、「単離する」という用語は、材料がその本来の環境(例えば、それが天然に生じる場合は自然環境)から取り出されるプロセスを示す。例えば、生きている動物に存在する天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されないが、自然系に共存する材料の一部またはすべてから分離される、同じポリヌクレオチドまたはDNAまたはポリペプチドが単離される。そのようなポリヌクレオチドはベクターの一部となる可能性があり、および/またはそのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部となる可能性があり、そしてさらにそのベクターまたは組成物が自然環境の一部ではないという点で単離される。例えば、生きている動物に存在する天然に生じるポリヌクレオチドは単離されないが、自然系に共存する材料の一部またはすべてから分離される、同じポリヌクレオチドが単離される。「単離される」の定義から具体的に除外されるのは、天然に生じる染色体(染色体伝播など)、人工染色体ライブラリ、ゲノムライブラリ、およびin vitro核酸調製物として、または形質移入/形質転換した宿主細胞調製物としてのいずれかで存在するcDNAライブラリ(ここで宿主細胞はin vitro異種調製物であるか、または単独コロニーの異種集団として平板培養するかのいずれかである)である。同じく具体的に除外されるのは、特定のポリヌクレオチドがベクター分子中の核酸挿入物数のうち5%未満を占める、上記のライブラリである。さらに具体的に除外されるのは、全細胞ゲノムDNAまたは全細胞RNA調製物である(機械的に剪断された、または酵素で消化された言及の全細胞調製物を含む)。さらに具体的に除外されるのは、in vitro調製物としての、または電気泳動(そのブロット移動物を含む)により分離された不均一混合物としてのいずれかの上記の全細胞調製物であり、ここで本発明のポリヌクレオチドは、電気泳動媒体中の異種ポリヌクレオチドからさらに分離されてはいない(例えば、アガロースゲルまたはナイロンブロットの不均一バンド集合から単独のバンドを切除することによりさらに分離する)。
本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、CpG島内のCpG部位でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位の該シトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、dNTP、標識ddCTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上のCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程と、を含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
代替的に、別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
代替的に、別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせる工程と、
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
(a)分析されるべき試料からDNAを得る工程と、
(b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させる工程と、
(c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させる工程と、
(d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行う工程であって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長反応を行う工程と、
(e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせる工程と、および
(f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定する工程とを含む、対象の特定のCpG部位(単数または複数)でのDNAメチル化状態または状況を判定する方法を提供する。
任意の核酸試料が、ただしそれがCpG含有核酸を含む核酸配列を含んでいる、または含んでいると思われる条件で、精製または未精製の形態で、本発明に従って利用され得る。多くの遺伝子において、CpG島はプロモーターのちょうど上流から始まって、下流の転写領域内まで延びる。プロモーターでのCpG島のメチル化は、通常、遺伝子の発現を阻止する。この島はまた、遺伝子の翻訳領域の5'領域ならびに翻訳領域の3'領域も取り囲み得る。したがって、CpG島は、プロモーター領域を含む調節領域中のコード配列上流、翻訳領域中(例えば、エキソン)、例えば、エンハンサー領域中およびイントロン中の翻訳領域下流を含む、核酸配列の複数領域で見いだされ得る。一般に、CpG含有核酸は、DNAである。しかしながら、本発明の方法は、例えば、DNA、またはDNAおよびメッセンジャーRNAを含むRNAを含む試料を用いてもよく、ここでDNAまたはRNAは一本鎖または二本鎖であってもよく、またはDNA−RNAハイブリッドが試料中に含まれてもよい。核酸の混合物もまた用いられてもよい。検出されるべき特定の核酸配列は、巨大分子のフラクションであってもよく、または特定配列が核酸全体を構成するように最初は別々の分子として存在し得る。研究されるべき配列が最初に純粋な形で存在している必要ない。核酸は、全ヒトDNAに含まれるような、複合混合物の少量フラクションであってもよい。核酸は、天然または非天然に生じるものであってもよい。さらに、それらのメチル化状況は、in vivoプロセスの、または実験操作(例えば、推定DNA損傷剤、または推定メチル化剤への慎重な曝露)の結果であってもよい。好適な実施形態において、試料中の核酸は、ゲノムDNAである。
核酸の単離法は、当該分野で既知であり、そして適した方法が、標準的な分子生物学の教科書に見いだされ得る。
メチル化CpGを検出するためのDNAを含有する試料は、どのような源から得られてもよい。好ましくは、試料は、細胞株、血液、痰、便、尿、血清、脳脊髄液、パラフィンに包埋した組織、例えば、目、腸、腎臓、脳、心臓、前立腺、肺、***、または肝臓の組織、組織学的切片、およびそれらの全ての可能な組み合わせから得られてもよい。
本発明によれば、非メチル化シトシンをウラシルに変換するのに使用される薬剤は重亜硫酸化合物であることが好ましい。好ましくは、非メチル化シトシンを修飾するのに使用される薬剤は重亜硫酸ナトリウムである。しかしながら、同様に非メチル化シトシンを修飾するがメチル化シトシンは修飾しない他の薬剤もまた、本発明の方法に使用されてもよい。重亜硫酸塩(NaHSO3)は、シトシンの5,6−二重結合と容易に反応するが、メチル化シトシンとはあまり反応しない。シトシンは重亜硫酸イオンと反応してスルホン化シトシン反応中間体を形成し、これが脱アミノ化を受けやすくて、スルホン化ウラシルを生じる。スルホン酸基は、アルカリ条件下で除去されて、ウラシルの形成をもたらす。ウラシルは、Taqポリメラーゼによりチミンとして認識され、したがってPCRにおいて、得られる増幅産物は、出発テンプレートDNA中5−メチルシトシンが生じた場所でシトシンのみを含む。
本発明の方法の工程(c)において、核酸を増幅させるために当該分野で既知の様々な方法が用いられ得る。本発明で用いられる増幅法として、PCRおよびLCRなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明に従って用いられ得る他の増幅法は、等温増幅、プライマー伸長反応、ローリングサークル増幅、および当業者に既知の全ての他の増幅反応である。
PCRすなわちポリメラーゼ連鎖反応は、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号に記載されるように、クローンまたは精製することなく核酸混合物中の標的核酸配列のセグメント濃度を増加させる方法である。この技術は、低濃度の標的配列という問題への1つのアプローチを提供する。PCRは、標的の濃度を容易に検出可能であるレベルに直接増加させるのに用いられ得る。この標的配列を増幅させるプロセスは、二本鎖標的配列のそれぞれの鎖に相補的であるモル濃度過剰の2種のオリゴヌクレオチドプライマーを所望の標的配列を含むDNA混合物に導入することを含む。混合物は変性され、次いでハイブリダイズさせられる。ハイブリダイゼーションに続いて、プライマーは相補鎖を形成するようにポリメラーゼで伸長される。変性、ハイブリダイゼーション、およびポリメラーゼ伸長の工程は、相対的に高濃度の、所望の標的配列のセグメントを得るために、必要なだけ繰り返され得る。、所望の標的配列のセグメントの長さは、プライマーの互いに対する相対的位置により判定され、それゆえ、この長さは制御可能なパラメーターである。標的配列の所望のセグメントは混合物中(濃度の点で)優勢な配列になるため、それらは「PCR増幅された」と称される。
リガーゼ連鎖反応(LCR;「リガーゼ増幅反応」(LAR)と呼ばれることもある、Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:189 (1991); Barany, PCR Methods and Applic., 1:5 (1991)、 および Wu and Wallace, Genomics 4:560(1989)に記載される)は、知名度の高い、核酸を増幅させる代替法に発展している。LCRにおいて、4種のオリゴヌクレオチド、標的DNAの鎖の1本と独自にハイブリダイズする2種の隣接オリゴヌクレオチド、および反対の鎖とハイブリダイズする、隣接オリゴヌクレオチドの相補的セットが混合され、そしてDNAリガーゼが混合物に添加される。接合部で完全な相補性があるものとして、リガーゼはハイブリダイズした分子の各セットと共有結合する。重要なことに、LCRにおいて、2本のプローブは、それらが標的試料中の配列とギャップまたはミスマッチなしに塩基対形成する場合にのみ、一緒にライゲーションされる。変性、ハイブリダイゼーション、およびライゲーションのサイクルの繰り返しは、DNAの短いセグメントを増幅させる。LCRはまた、一塩基変化の検出強化を達成するために、PCRと組み合わせて用いられてきた。Segev, PCT出願番号第WO 9001069A1(1990)。しかしながら、このアッセイで用いられる4種のオリゴヌクレオチドは対を形成して2種の短い結合可能なフラグメントを形成し得るため、標的から独立したバックグラウンドシグナルの発生の可能性がある。突然変異スクリーニングのためのLCRの使用は、特定核酸位置の検査に限定される。
1つの好適な実施形態において、PCRは、化学処理された核酸を増幅させるのに用いられる。PCR増幅は、標準プロトコルに従って行われ得る。例えば、約1μl〜2μlの化学処理されたDNAが、目的の領域での鎖特異的PCR増幅用テンプレートとして用いられる。5’CpG島の一部を増幅させるためのPCR反応プロファイルにおいて、例えば、94℃〜95℃で3〜10分間の初期変性、続いて94℃〜95℃で30秒、60℃で30秒間、72℃で30秒間のサイクルを合計30〜40サイクルという手順。PCR反応は、10μl〜50μlの体積で、以下の条件下で行われる:約50ngの重亜硫酸塩変換DNA(微量解剖試料に対して少量)、10mMのTris−HCI(pH8.3)、1.5mM〜2.5mMのMgCl2、50mMのKCl、各200μMのdNTP、0.4μMの最終濃度の各プライマー、および1単位のTaqポリメラーゼ。
1つの実施形態において、PCR増幅は少なくとも1対のPCRプライマーで行われる。本発明で用いられるPCRプライマーは、メチル化および非メチル化DNAテンプレートの両方を認識するべきである。言い換えると、PCRプライマーは、可能ならばメチル化CpG部位を含有しない領域とアニーリングするように設計されるべきである。しかしながら、2つのPCRプライマーはCpG部位の橋渡しをするものとする。本発明によれば、増幅の効率の最大化のため、PCRプライマーは好ましくは一本鎖である。好ましくは、PCRプライマーは、テンプレート核酸配列とハイブリダイズし、かつ相補的核酸鎖の酵素的合成をプライムする一本鎖DNA分子または一本鎖RNA分子である。さらに、PCRプライマーは、核酸分子のプールに存在する標的分子の一部と相補的である。
本発明のPCRプライマーは十分な長さを有するものとする。1つの実施形態において、PCRプライマーは、厳密な条件下、少なくとも約7、好ましくは約12、好ましくは約15、より好ましくは約25、50、75、100、またはそれより多くのヌクレオチドと、理想的には約17〜40ヌクレオチドとハイブリダイズする配列を含んでいてもよい。本明細書中使用される場合、「厳密な条件下、ハイブリダイズする」という用語は、少なくとも75%、80%、85%、好ましくは90%互いに同一であるヌクレオチド配列が一般的に互いにハイブリダイズしたままであるハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を記載することを意図する。そのような厳密な条件は、当業者に既知であり、そして「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, N.Y. (1989)の第6.3.1章〜第6.3.6章に見いだされ得る。別の実施形態において、PCRプライマーは、中度に厳密な条件下、少なくとも約7、好ましくは約12、好ましくは約15、より好ましくは約25、50、75、100、またはそれより多くのヌクレオチドとハイブリダイズする配列を含んでいてもよい。例示の目的で、本発明のポリヌクレオチドの他のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを検査するための適した中度に厳密な条件として、以下が挙げられる:5×SSC溶液、0.5%のSDS、および1.0mMのEDTA(pH8.0)での予備洗浄、50℃〜60℃、5×SSCでのハイブリダイゼーションを一晩、続いて、65℃で20分間、それぞれ0.1%SDS含有2×SSC、0.1%SDS含有0.5×SSC、および0.1%SDS含有0.2×SSCでの洗浄を2回。当業者は、ハイブリダイゼーション溶液の塩濃度および/またはハイブリダイゼーションが行われる温度を変更することなどによりハイブリダイゼーションの厳密性が容易に操作され得ることを理解するだろう。
プライマー長とプライマーが標的配列とアニーリングする効率および精度の両方との間に正相関が存在する。詳細には、より長い配列はより短いものが有するよりも高い融解温度(Tm)を有し、そして所定の標的配列内でより繰り返されにくく、それにより無差別ハイブリダイゼーションを最小化する。G−C含量の高い、またはパリンドローム配列を含むプライマー配列は、それらが標的部位に行おうとするように、自己ハイブリダイズする傾向がある。なぜなら単分子ハイブリダイゼーション動力学は二分子よりも一般に溶液で好ましいからである。しかしながら、十分な数のG−Cヌクレオチド対形成(parings)を含むプライマーを設計することもまた重要である。なぜなら、各G−C対は、A−T塩基対で見られる2本の水素結合ではなく、3本の水素結合で結合されるからである。
本発明のPCRプライマーはまた、融解温度の推定法により特定の融解温度(Tm)を有するように設計される。Oligo(商標)、Primer Designを含む市販のプログラム、ならびにPrimer3およびOligo Calculatorを含むインターネットで入手可能なプログラムが、プライマーのTmを計算するのに使用され得る。好ましくは、PCRプライマーのTmは好ましくは約45℃〜70℃の間であり、そしてより好ましくは約55℃〜65℃の間である。好ましくは、プライマーのTmは対応するPCRプライマーのTmよりも約3℃〜5℃高い。
本発明のPCRプライマーは、化学的または酵素的のいずれかの合成法により調製されることが考えられる。あるいは、そのような分子またはそのフラグメントは天然に生じ、そしてそれらの天然源から単離されるか、または供給業者から購入される。
さらに別の実施形態において、本発明は、1つの容器に、1つの核酸分子内の定義されたCpG領域をそれぞれがアニーリングする複数対のプライマーを提供する。複数対のプライマーは、1つの容器中、異なるCpG部位の同時増幅を可能にし、そして複数の増幅核酸フラグメントを産生する。次いで、複数の増幅核酸フラグメントは高度高処理様式で検出および定量され得る。
増幅核酸は、好ましくは、メチル化特異的プライマー伸長(MSPE)反応により、メチル化または非メチル化のいずれかとして同定される。プライマー伸長反応は、当該分野で既知の標準技法を用いて、ただしMSPEプライマーで行われる。例えば、1つの実施形態において、MSPE反応は、95℃で10分間、続いて95℃で30秒、60℃で30秒間、および72℃で30秒間の30〜40サイクルで行われる。増幅核酸でMSPE反応が行われる工程において、MSPEプライマーのセットは、異なる容器で別々に、または1つの容器で同時にのいずれかで用いられる。一般に、プライマー伸長反応で用いられるMSPEプライマーは、分析されるべきCpGジヌクレオチドを最初から含む配列とハイブリダイズするように設計される。最適な伸長反応のためのMSPEプライマーの選択および設計は、当業者に既知である。好ましくは、MSPEプライマーは、厳密な条件下、少なくとも約7、好ましくは約12、より好ましくは約25、50、75、100、125、150、175、200、またはそれより多くの連続核酸配列とハイブリダイズする配列を含む。
本発明は、1つより多いクラスのMSPEプライマーを包含するはずであると考えられる。1つの定義されたCpG部位を分析するため、好ましくは、少なくとも2つのクラスのMSPEプライマーが伸長反応に関与する。例えば、MSPEプライマーの一方のクラスはメチル化特異的でありメチル化CpG部位(単数または複数)とアニーリングし、そしてMSPEプライマーの他方のクラスは、非メチル化特異的であり増幅核酸の非メチル化CpG部位(単数または複数)とアニーリングする。MSPEプライマーの各クラスは2つの部分を含む。各クラスのMSPEプライマーは2つの部分からなる。5’末端部分は増幅された核酸のいずれもアニーリングしないユニーク/アダプター配列とアニーリングし、そして3’末端部分は増幅された核酸の分析されるべきCpG部位(単数または複数)とアニーリングする。1つの実施形態において、MSPEプライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位(単数または複数)でアニーリングする。「3’最末端」という用語は、本明細書中使用される場合、MSPEプライマーの3’末端の最後の数ヌクレオチド、好ましくは最後の4ヌクレオチド、より好ましくは最後の2ヌクレオチド、そして最も好ましくは最後のヌクレオチドを示し、MSPEプライマーの最後のヌクレオチドは分析されるべきCpG部位(単数または複数)のシトシンの位置でアニーリングする。例えば、メチル化特異的MSPEプライマーにおいて、最後のヌクレオチドは、上の鎖上のCpG部位のシトシンで、または下の鎖上のグアニンでアニーリングし、一方、非メチル化特異的MSPEプライマーにおいて、最後のヌクレオチドは、上の鎖上のTpGのチミンで、または下の鎖上のアデニンでアニーリングする。なぜなら、CpG部位の非メチル化シトシンはウラシルに変換されてしまってチミンとして増幅されているからである。
ユニーク/アダプター(当該分野で「ジップコード」と呼ばれることもある)配列は、一般に標的配列にとって外来性の、例えば人工の、検出デバイスの捕獲プローブと実質的に相補的(そして好ましくは完全に相補的)であるように設計された配列である。詳細には、捕獲プローブは、マイクロスフェアあるいはプラスチックスライドまたはスライドガラスなどの平面基材を含み得る固体支持体に固定される。アダプター配列の長さは、結合の所望の「強度」および所望の異なるアダプター数に応じて変化するだろう。1つの好適な実施形態において、アダプター配列は、約6〜約500ヌクレオチドの長さ、より好ましくは約8〜約100ヌクレオチド、そして最も好ましくは約10〜約25ヌクレオチドの長さの範囲である。一般に、各アダプター配列は増幅核酸フラグメントを独自に同定する。アダプター配列の検出は、アダプター配列に相補的である捕獲プローブでのハイブリダイゼーションに続いて達成される。
1つの実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用いて、および標識dNTP(ここで、dATP、dTTP、およびdCTPが標識されている)を用いて行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの下の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用いて、および標識dNTP(ここで、dATP、dTTP、およびdGTPが標識されている)を用いて行われる。
別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用いて、および標識ddCTPを用いて行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用いて、ならびに標識dNTPとddNTPとの混合物、および未標識dNTPとddNTPとの混合物を用いて行われる。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの下の鎖とアニーリングするMSPEプライマーを用いて、ならびに混合した標識および未標識のdNTPおよびddNTPを用いて行われる。
あるいは、別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの上の鎖とアニーリングするMSPEプライマー、標識逆プライマー、および未標識dNTPを用いて行われる。逆プライマーは、本明細書中使用される場合、MSPEプライマーによる伸長鎖と相補的であるプライマーを示す。標識逆プライマーは、テンプレートとしてMSPE伸長鎖を用いてMSPEプライマーの反対方向に伸びていき、MSPEプライマーの5’末端で止まるだろう。別の実施形態において、プライマー伸長反応は、増幅DNAの下の鎖とアニーリングするMSPEプライマー、標識逆プライマー、および未標識dNTPを用いて行われる。
伸長産物に組み込まれるdNTP、ddNTP、または逆プライマーは、検出可能な標識で標識され得る。検出可能な標識は、放射標識、蛍光標識、発光標識、その後検出され得るヌクレオチドに結合した抗体、その後検出され得るヌクレオチドに結合したハプテン、あるいは直接もしくは間接のいずれかで検出され得る任意のほかのヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドを含み得る。1つの実施形態において、dNTP、ddNTP、または逆プライマーは、放射性同位体で標識される。放射標識伸長産物は、放射能の存在により検出され得る。例えば、dNTP、ddNTP、または逆プライマーは、32Pで標識され得り、そしてその伸長産物は変性ポリアクリルアミドゲルおよびホスフォイメージャー(phosphorimage)分析で分析され得る。別の実施形態において、dNTP、ddNTP、または逆プライマーは、蛍光剤で標識される。1つの好適な実施形態において、dNTP、ddNTP、または逆プライマーは、シアニン3、シアニン5、フィコエリトリン、アレクサ(Alexa)532、フルオレセイン、TAMRA、テトラメチルソーダミン(thodamine)、蛍光ヌクレオチド、ジゴキシゲニンなどで標識される。1つのより好適な実施形態において、dNTP、ddNTP、または逆プライマーは、ビオチンで標識される。ビオチンが標識に用いられる場合、伸長産物は、捕獲プローブの結合したマイクロスフェアにより捕獲されて蛍光法で定量され得る。
好適な実施形態において、検出可能な標識は、フルオロフォアなどの、直接検出され得る一次標識である。別の好適な実施形態において、検出可能な標識は、間接的に検出され得る二次標識である。そのような標識として、ビオチン/ストレプトアビジンなどの結合対のうちの1つ、化学修飾可能な部分、ヌクレアーゼインヒビター、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ(lucifierases)などの酵素などが挙げられるが、これらに限定されない。適した結合対として、抗原と抗体、タンパク質と小分子、酵素と基質またはインヒビター、受容体とリガンド、炭水化物とその結合相手、および核酸と核酸結合タンパク質、などが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、核酸に組み込むために、対の小さい方がNTPまたはdNTPに結合される。好ましくは、結合対としてビオチン(またはイミノビオチン)とストレプトアビジン、ジゴキシゲニン(digeoxinin)と抗体、およびProlinx_試薬が挙げられる。より好ましくは、結合対は、ビオチンまたはイミノビオチンとストレプトアビジンを含む。
MSPE伸長産物は、試料中のシトシンメチル化の相対的定量のため、さらに分析される。定量は、最初に、MSPE伸長産物を、MSPE伸長産物上のアダプター配列と相補的である捕獲プローブとハイブリダイズさせることを含む。様々なハイブリダイゼーション手順が当該分野で既知であり、そして本発明はどの特定のハイブリダイゼーション手順にも限定されない。概して、ハイブリダイゼーションは通常、高イオン強度(6×SSCまたは6×SSPE)の溶液中、Tmより低い20℃〜25℃の温度で行われる。厳密なハイブリダイゼーション条件の具体例として、42℃で5×SSPE、50%のホルムアミド、または68℃で5×SSPEが挙げられる。厳密な洗浄条件は、しばしば予備実験で実験的に判定されるが、通常、塩と、Tmより低い約12℃〜25℃の温度との組み合わせを含む。高度に厳密な洗浄条件の1つの例は、60℃で1×SSCである。非常に高度に厳密な洗浄条件の例は、42℃で0.1×SSPE、0.1%のSDSである。Meinkoth and Wahl, Anal. Biochem., 138:267-284 (1984)。極度に厳密な洗浄条件の例は、50℃〜65℃で0.1×SSPE、0.1%のSDSである。1つの好適な実施形態において、高度に厳密な洗浄は、1×SSCおよび60℃の条件下で行われる。別の好適な実施形態、ハイブリダイゼーションは、13.0g/LのHEPES(ナトリウム塩)、12.0g/LのHEPES(遊離酸)、10g/Lのラウリル硫酸リチウム、21.2g/LのLiCI、10.0g/Lのウシ血清アルブミン、1.5g/Lのカゼイン、10.0g/LのBRIJ−35、2.0g/LのMgCl2、0.00136g/LのZnCl2、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300で作られた0.5×ハイブリダイゼーション緩衝液(pH7.5)を用いて、40℃で行われる。次いで、洗浄用緩衝液(0.4×SSC、1.0g/LのSDS、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300、pH7.7)が、室温で、反応系に数回かけられる。当該分野で十分理解されるとおり、様々な要因の組み合わせが、実質的に等価な厳密性の条件をもたらし得る。そのような等価な条件は、本発明発見の範囲内である。
1つの実施形態において、捕獲プローブは、厳密な条件、より一般的には高度に厳密な条件、または非常に厳密な条件、あるいは極度に厳密な条件下、標識ポリヌクレオチドとハイブリダイズする。捕獲プローブは、約5〜約100、好ましくは約6〜約75、または約8〜約65、または約10〜約50、または約15〜約40、または約16〜約35、または約18〜約30のヌクレオチドの長さのポリヌクレオチドを含む。捕獲プローブは、米国特許第4,973,679号(これはその全体が参照として援用される)に記載されるものなどのポリヌクレオチド合成について当該分野で既知の技法により容易に合成され得る。あるいは、捕獲プローブは、多数の販売元に注文可能である。
別の実施形態において、捕獲プローブは、以下に限定されないが、マイクロビーズ、クロマトグラフィービーズ、アフィニティービーズ、遺伝子チップ、プレーナー型導波路、膜、マイクロリットルプレート(microliter plate)、ガラスプレート、プラスチックプレートなどの固体支持体に結合され得る。1つのより好適な実施形態において、捕獲プローブは、マイクロビーズ、好ましくはルミネックス(Luminex)マイクロビーズに結合される。1つの実施形態において、捕獲プローブは、既知のカルボジイミドカップリング手順により単独のマイクロビーズ(a single the microbeads)に結合される。ルミネックスマイクロビーズは、米国特許第6,268,222号(これは本明細書中に参照として援用される)に広く記載されている。マイクロビーズまたはマイクロスフェアは、小さな個別の粒子である。ビーズの組成は、捕獲プローブのクラスおよび合成法に応じて変化する。適したビーズ組成物として、ペプチド、核酸、および有機部分合成に用いられるものが挙げられ、プラスチック、セラミックス、ガラス、ポリスチレン(polysteyrene)、5メチルスチレン、アクリル性重合体、常磁性材料、ソリアルゾル(thorial sol)、カーボングラファイト、二酸化チタン、ラテックスまたは架橋デキストラン(セファロースなど)、セルロース、ナイロン、架橋ミセル、およびテフロンが挙げられるが、これらに限定されない。マイクロビーズは、1種または複数の蛍光色素で染色された重合性ナノ粒子を組み込んでいる。所定の集団中のナノ粒子は全て、同濃度の色素で、そしてこれらのナノ粒子をマイクロビーズに既知の量で組み込むことにより染色される。異なる集団のナノ粒子の量および比を変更することにより、独自の発光スペクトルを持つマイクロビーズ(マイクロスフェア)の大量の別個の集団を確立および識別することが可能である。使用される蛍光色素は、550nm〜900nmの間の発光波長を持つ、シアニン色素として既知の一般的なクラスのものである。これらの色素は、メチン基を含むことがある。メチン基の数は色素のスペクトル特性に影響を及ぼす。ピリジンであるモノメチン色素は、一般的に青〜青緑の蛍光発光を有するが、一方、キノリンは緑〜黄緑の蛍光発光を有する。トリメチン色素類似体は、赤色波長に実質的に移動しており、そしてペンタメチン色素はそれよりさらに移動して、しばしば赤外蛍光発光を呈する。しかしながら、ビーズの組成物と適合性である任意の色素が使用され得る。
多数の異なるマイクロビーズが本明細書中記載される方法を実施するのに用いられる場合、色素は同一のまたは重なり合う励起スペクトルを有することが好ましいが必ずしもそのように要求されない、しかし識別可能な発光スペクトルを保持する。複数クラスまたは集団の粒子がたった2種の色素から生成され得る。赤/オレンジ色素を持つナノ粒子集団の比は、得られる比が先の比と光学的に重なり合わないように、適切な割合の増加分により変更される。この方法で、多数の異なる蛍光マイクロビーズのクラスが生成される。
核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルを検出および定量するために、様々な方法が用いられ得る。本発明で用いられる検出系として、固相検出器、光電子倍増管、写真フィルム、または目が挙げられるが、これらに限定されず、これらのいずれも、検出系を完成させるために、分光計、照度計顕微鏡、プレートリーダー、蛍光スキャナ、フローサイトメーター、またはそれらの任意の組み合わせなどのさらなる機器の使用と組み合わせて用いられてもよい。
1つの実施形態において、マイクロビーズは、フローサイトメーター、例えば、蛍光活性化細胞選別機を用いて同定され、ここで混合物中の異なるクラスのビーズは各クラスのビーズの蛍光色素同一性、大きさ、および/または形に基づいて互いに物理的に分離され得り、そして標的ポリヌクレオチドの存在は、特定クラスのビーズを含有する選別されたそれぞれのプールについての検出可能な標識の存在に基づいて、定性的または定量的に判定され得る。捕獲プローブとハイブリダイズしたポリヌクレオチドに含まれる粒子と標識の両方を検出することができる任意のフローサイトメーターが用いられ得る。複数の励起レーザーおよび検出器を備えたフローサイトメーターが好ましい。1つの実施形態においてルミネックス100フローサイトメーターが用いられる。当該分野で既知であるとおり、最適な検出に必要な正確な設定は、用いるフローサイトメーター、用いるポリヌクレオチド標識、および用いる粒子などの要因で変化するだろう。本明細書中開示される方法を実施するためにフローサイトメーターを用いるための設定および条件の最適化は必要以上の実験をすることなしに当業者により達成され得る。フローサイトメーターを用いる上での一般的な手引きは、 Shapiro,「 実践フローサイトメトリー(Practical Flow Cytometry)」、第三版, Wiley-Liss, 1995 および Jaroszeski et al., 「フローサイトメトリープロトコル( Flow Cytometry Protocols)」, Humana Press, 1998などの教科書に見いだされ得る。蛍光マイクロビーズおよびフローサイトメトリーの使用例は、Smith et al., Clin. Chem., 44:2054-2056 (1998)に見いだされ得る。フローサイトメトリーの使用は、特に、複数の標的ポリヌクレオチドの存在を判定するために1つより多いクラスの粒子および複数の捕獲プローブが同時に用いられる状況(多重分析)において有用である。
1つの実施形態において、核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルの検出および定量は、蛍光色素などの色素と複合したマイクロビーズの使用を含む。例えば、核酸分子上の1箇所の定義されたCpG部位について、MSPE産物はメチル化起原および非メチル化起原両方の核酸を含む。それゆえ、1つのCpG部位の相対的メチル化レベルの検出において、所定の蛍光サインは、特定の捕獲プローブに結合したマイクロビーズと複合しており、ここで捕獲プローブは特定のアダプター配列と相補的であり、言及のアダプター配列は核酸分子上の特定のCpG部位のメチル化状態に対応し、一方、別の所定の蛍光サインは別の特定の捕獲プローブに結合した別のマイクロビーズと複合しており、ここで言及の捕獲プローブは別の特定のアダプター配列と相補的であり、言及のアダプター配列は同じ核酸分子上の同じCpG部位のメチル化状態に対応している。相対的メチル化レベルの検出は、最初にマイクロビーズ上の蛍光サインを同定すること、次いで標識MSPE伸長産物上の蛍光シグナルの強度を判定および定量することを含む。言及のCpG部位での相対的メチル化レベルは、メチル化MSPE伸長産物の蛍光シグナルを非メチル化MSPE伸長産物の蛍光シグナルと比較することにより計算される。上記で記載したように、MSPE伸長産物は一次標識または二次標識のいずれかで標識される。
あるいは、核酸分子上の、または異なる核酸分子上であってさえも、複数CpG部位での相対的メチル化レベルは、複合マイクロビーズを用いて、同様の検出工程に従うことにより同時に判定され得る。例えば、識別可能なアダプター配列それぞれが、1つのCpG部位を含有する核酸分子のメチル化状態または非メチル化状態のいずれかと結合する。さらに、識別可能なアダプター配列それぞれが、各定義されたCpG部位に対応するように設計される。最終的に、識別可能なマイクロビーズは、各識別可能なアダプター配列に特異的な色素と複合する。同様に、検出工程は、最初にマイクロビーズ上の識別可能な蛍光サインを同定すること、次いで標識MSPE伸長産物上の蛍光シグナルの強度を判定および定量することを含む。上記で記載したように、MSPE伸長産物は一次標識または二次標識のいずれかで標識される。
別の実施形態において、核酸分子上の複数CpG部位での相対的メチル化レベルの検出および定量はまた、高処理様式で、例えばマイクロアレイで行われ得る。マイクロアレイに基づく相対的メチル化レベルの分析は、1回に1つまたはいくつかのCpG部位ではなく、多数のCpG部位を同時に処理することを可能にする。DNAマイクロアレイは、標準的な顕微鏡スライドフォーマットに、1cm2などの小スペース中、通常は直角配置で配列された、既知の配列のDNA分子の順序づけられたセットで構成される。例えば、200×200のアレイは、各点が既知の配列のプローブに対応する40,000点を含む。そのようなマイクロアレイは、様々な条件下、所定の細胞型の40,000個の核酸の発現を同時にモニタリングするのに使用される可能性がある。プローブは通常、cDNA、ESTまたはオリゴヌクレオチドの形態をとる。30〜200塩基対の長さの範囲のESTおよびオリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーション用の理想的な基質を提供するので、最も好ましい。チップとしても既知の、これらのマイクロアレイを構築する2つのアプローチが存在し、一方はあらかじめ合成したプローブの共有結合付加を含み、他方はチップ上に直接プローブを構築または合成することを含む。試料または検査材料は、通常、PCRにより増幅されている核酸から成る。PCRは、出発物質を増幅すること、ならびに蛍光タグを導入させることの二重の目的を果たす。マイクロアレイ技法の詳細な記載については、例えば、Graves, Trends Biotechnol. 17: 127-134 (1999)を参照。
メチル化はまた、高密度マイクロアレイにより検出され得る。高密度マイクロアレイは、その多くが市販されている高精度機械を用いて、極めて少量のDNA溶液をアレイ上の正確な場所に堆積させることにより構築される。Packard Instrumentsにより開発された代替アプローチは、インクジェットプリンターが紙に点を堆積させるのとほとんど同じ方法で、DNAの堆積を可能にする。高密度DNAマイクロアレイは、Affymetrix, Incyte, Mergen, Genemed Molecular Biochemicals, Sequenom, Genomic Solutions, Clontech, Research Genetics, Operon および Stratageneなどの多数の供給元から市販されている。最近では、DNAマイクロアレイ分析のための標識に蛍光が関与しており、これは同時に複数の独立したシグナルが読まれることを可能にする。これにより、異なる蛍光色素で標識された2つの試料を持つ同一チップの同時ハイブリダイゼーションが可能となる。各点での蛍光比の計算は、2種の異なる条件下での、各遺伝子の発現、またはその中の相対的メチル化レベルの相対的変化の判定を可能にする。例えば、このアプローチを用いた、正常組織と対応する腫瘍組織との比較は、発現が著しく変わった遺伝子の同定を助ける。したがって、この方法は、2種またはそれより多くの条件下、同一細胞の遺伝子発現プロファイルが比較されるべきである場合に特に強力な道具を提供する。様々な波長で蛍光をモニタリングする性能を持つ高分解能スキャナは市販されている。
それぞれが1つの標的CpG部位に特異的である、多数のクラスのアダプター配列が同時に使用可能であるため、1つの実験で数百のまたは数千のCpG部位の相対的メチル化レベルを定性的または定量的に検出することが可能である。例えば、異なるアダプター配列に相補的な異なる捕獲プローブは、固体支持体に固定されて、異なるアダプター配列がアレイ上の異なる位置に配置されているようにして、アレイを形成する。検出目的のため、異なるCpG部位に由来するMSPE伸長産物の混合物がアレイに塗布され、各特定CpG部位はアレイ上の特定位置で特定捕獲プローブに結合する。特定位置での標識MSPE産物のシグナル強度は、当該分野で既知の方法で判定され得り、そしてこれらCpG部位での相対的メチル化レベルは、1つの特定CpG部位のメチル化状態および非メチル化状態に対応する2か所の位置でのシグナル強度を比較することにより計算され得る。上記で記載したように、MSPE伸長産物は一次標識または二次標識のいずれかで標識される。
本発明の別の態様はまた、核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルの検出用キットを提供する。キットは、(1)非メチル化シトシンヌクレオチドを修飾する薬剤、(2)核酸分子の増幅用プライマー、(3)メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー(標識または未標識のいずれか)、(4)非メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー(標識または未標識のいずれか)、(5)標識dNTPおよび未標識dNTP、(6)標識ddNTPおよび未標識ddNTP、ならびに(7)標識または未標識逆プライマーを含み得る。キットはさらに、核酸増幅緩衝液およびMSPE反応用試薬を含み得る。好ましくは、非メチル化シトシンを修飾する薬剤は重亜硫酸化合物である。
本発明の別の態様はまた、核酸分子上の1つまたは複数のCpG部位での相対的メチル化レベルを判定すること、および被検体の相対的メチル化レベルを、疾患または障害の素因を有さない対照被検体(または標準)からの言及の核酸分子の相対的メチル化レベルと比較することを含み、相対的メチル化レベルにおける有意差が、被検体における疾患または障害の素因を示す、被検体において、疾患または障害の素因を判定するための、あるいは疾患または障害を診断および/または予知するための、あるいは薬物または化合物の治療的応答をモニタリングするための方法を提供する。
p16遺伝子のプロモーター配列をモデル系として用いた。その配列は以下に記載される:
5’GAAGAAAGAGGAGGGGCTGGCTGGTCACCAGAGGGTGGGGCGACCGCGTGCGCTCGGCGGCTGCGGAGAGGGGGAGAGCAGGCAGCGGGCGGCGGGGAGCAGCATGGAGCCGGCGGCGGGGAGCAGCATGGAGCCTTCGGCTGACTGGCTGGCCACGGCCGCGGCCCGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGGCGCTGCTGGAGGCGGGGGCGCTGCCCAACGCACCGAATAGTTACGGTCGGAGGCCGATCCAGGTGGGTAGAGGGTCTGCAGCGGGAGCAGGGGATGGCGGGCGACTCTGGAGGACGAAGTTTGCAGGGGAATTGGAATCAGGTAGCGC3’(配列番号3)
細胞株、HT29およびLNCaPからのゲノムDNAは、既に実験的に確認されたとおり、メチル化陽性対照および陰性対照として用いた。
Frommer法に従って、ゲノムDNAを最初に修飾した(Frommer, M., L. E. McDonald, D. S. Millar, C. M. Collis, F. Watt, G. W. Grigg, P. L. Molloy, and C. L. Paul, 「個々のDNA鎖における5−メチルシトシン残基の陽性表示をもたらすゲノム配列決定プロトコル(A genomic sequencing protocol that yields a positive display of 5-methylcytosine residues in individual DNA strands)」, Proc. Natl. Acad. Sci U. S. A. 89:1827-1831 (1992))。簡単に述べると、細胞株HT29およびLNCaPのそれぞれから得られた1μgのゲノムDNAを蒸留H2Oで50μlに希釈し、5.5μlの2MNaOHを加え、そして37℃で10分間インキュベートした(一本鎖DNAを作成するため)。30μlの新たに調製した10mMのヒドロキノン(Sigma)を各管に加えた。次いで、520μlの新たに調製したpH5.0の3M重亜硫酸ナトリウム(Sigma S−8890)を加えた。試薬を完全に混合し、次いで鉱物油で覆って50℃で16時間インキュベートした(より長いほどメチル化CがTに変換し始める)。鉱物油を除去した後、1mlのWizard DNA Cleanup樹脂 (PromegaA7280)を各管に加えてから、DNA Wizard Cleanupキットのミニプレップカラムに混合物をかけた。カラムを2mlの80%イソプロパノールで洗い、そして50μlの熱水(60℃〜70℃)で溶出させた。5.5μlの3MNaOHを各管に加えて、室温で5分間インキュベートした。次いで、キャリアとして1μlのグリコーゲン、33μlの10MNH4Ac、そしてDNA沈澱用の3倍体積のエタノールを加えた。ぺレットを遠沈させて70%エタノールで洗い、乾燥させ、そして20μlの水に再懸濁させた。各PCR反応に1μlのDNAを用いた。
重亜硫酸塩修飾後、配列は、以下:
5’GAAGAAAGAGGAGGGGTTGGTTGGTTATTAGAGGGTGGGGYGGATYGYGTGYGTTYGGYGGTTGYGGAGAGGGGGAGAGTAGGTAGYGGGYGGYGGGGAGTAGTATGGAGTYGGYGGYGGGGAGTAGTATGGAGTTTTYGGTTGATTGGTTGGTTAYGGTYGYGGTTYGGGGTYGGGTAGAGGAGGTGYGGGYGTTGTTGGAGGYGGGGGYGTTGTTTAAYGTATYGAATAGTTAYGGTYGGAGGTYGATTTAGGTGGGTAGAGGGTTTGTAGYGGGAGTAGGGGATGGYGGGYGATTTTGGAGGAYGAAGTTTGTAGGGGAATTGGAATTAGGTAGYGT3’(配列番号4)
に変化した(非メチル化シトシンはウラシルに変換されてしまってチミンとして認識され、メチル化シトシンはシトシンとして無処置のままであるので、YはC/Tを表す)。
標準プロトコルを用いてPCR反応を行った。1μlの化学処理したDNAをPCR増幅テンプレートとして用いた。PCR反応において、95℃で10分間の初期変性、続いて95℃で30秒、60℃で30秒間、72℃で30秒間のサイクルを合計40サイクルという手順を用いた。約20ngの重亜硫酸塩変換DNA、15mMのTris−HCI(pH8.0)、2.0mMのMgCl2、50mMのKCl、200μMの各dNTP、0.4μMの最終濃度の各プライマー、および1単位のAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼを含んだ50μlの体積中、PCR反応を行った。プライマーは、pl6HmodlF 5’GAAGAAAGAGGAGGGGTTGG3’(配列番号5)/pl6HmodlR 5’CTACAAACCCTCTACCCACC3’(配列番号6)であった。単位複製配列をAgrilent BioAnalyzer(登録商標)で定量した。
様々な比での2種の単位複製配列の一連の混合物(表1)を、ビオチン化dGTPの組み込みを用いて、ツープレックス(two-plex)MSPE反応でのテンプレートとして用いた。反応を95℃で10分間の初期変性で開始し、95℃で30秒、60℃で30秒間、72℃で30秒間のサイクルを合計30サイクル続けた。25μlの反応系は、以下、様々な比であらかじめ混合した単位複製配列2.5μl(表1に記載される)、10mMのTris−HCI(pH8.3)、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、8μMの各未標識dNTP、4μMのビオチン化dGTP、100nMの最終濃度の各MSPEプライマー、および25nMの各逆プライマー、および0.5単位のAmpliTaq Goldポリメラーゼを含んだ。プライマーは、以下:
15183 CE−メチル_136U22 5’ GAF GCT JTJ ACC TFA JAG CJT TCG TTT CGG TTG ATT GGT TGG TTA C 3’ (配列番号7)(式中、最初の24ヌクレオチドはジップコード配列である)、
15184 メチル_252L23 5’ GCT ACA AAC CCT CTA CCC ACC TA 3’ (配列番号8)
15185 CE−非メチル_134U24 5' JCG JCA TFA GCF TCT JGA GFA CGT TTT TGG TTG ATT GGT TGG TTA T 3’ (配列番号9)(式中、最初の22ヌクレオチドはジップコード配列である)、
15186 非メチル_252L24 5’ CAC TAC AAA CCC TCT ACC CAC CTA 3’ (配列番号10)
(J=イソG、F=イソC、2つのAEGIS(商標)塩基(イソCおよびイソG)、独自の非標準塩基対、開発元EraGen Biosciences、Bayer Corporationにより許可。「J」および「F」の両方を、WIPO標準に準拠して記載される配列上の「n」として表す。記号「J」および「F」の使用は配列番号10および配列番号11にも適用される。)であった。
Figure 2005204652
反応後、MSPE産物を、アミン誘導化オリゴ(それぞれ、15189 CP32−3a 5’ CGA AFG CTF TJA GGT FAF AGC JTC Sp−LCA 3’ (配列番号11)/15190 CP33−3a 5’ GTJ CTC FAG AJG CTJ ATG FCG F−Sp−LCA 3’ (配列番号12))と複合させてあるルミネックス(登録商標)ビーズを含むビーズプールに移した。標準プロトコルを用いて、複合を行い、そしてビーズを1×TE緩衝液(10mMのTris、1mMのEDTA、pH8.5)中5,000μlに再懸濁させた。同時に四重(Quadruplicate)ハイブリダイゼーションを行った。基本的には、4μlのMSPE産物を、0.5×ハイブリダイゼーション緩衝液ならびにルミネックス(登録商標)ビーズ8およびルミネックス(登録商標)ビーズ9(各2,000個のビーズ)を含む50μlハイブリダイゼーション反応系中に移した。緩衝液は、13.0g/LのHEPES(ナトリウム塩)、12.0g/LのHEPES(遊離酸)、10g/Lのラウリル硫酸リチウム、21.2g/LのLiCI、10.0g/Lのウシ血清アルブミン、1.5g/Lのカゼイン、10.0g/LのBRIJ−35、2.0g/LのMgCl2、0.00136g/LのZnCl2、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300、pH7.5で作られた。反応系を、96℃で2分間、40℃で30分間インキュベートした。ビーズを、それぞれ100μlおよび200μlの洗浄緩衝液(0.4×SSC、1.0g/LのSDS、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300、pH7.7)で1回ずつ洗った。50μlの1:500に希釈したストレプトアビジン−フィコエリトリン(SA−PE、1mg/ml)を各反応系に加え、室温で15分間(遮光して)穏やかに混合し、そして100μlの洗浄緩衝液で再度洗った。ビーズを、80μlのTTL緩衝液(50mMのTris、0.1%Tween−20、400mMのLiCl、pH8.0)に再懸濁させ、そしてルミネックス(登録商標)100(商標)機器で測定を行った。
Figure 2005204652
結果は、限られた量のテンプレートでメチル化および非メチル化シグナルの両方について優れた読み出しを示した(ngレベル、表2を参照)。メチル化および非メチル化シグナルのバックグラウンドは、それぞれ最小の、1.03MFUおよび18.03MFUであった。シグナル対ノイズ比は、>22倍であった(401.48/18.03、表2を参照)。メチル化および非メチル化シグナルの両方が、四重(quadruplet)反応間で最小のばらつき(<9.53%)で明らかに判別された。両方のシグナル強度は同等の範囲にあり、そして二項(binomal)曲線に厳密に一致する(R2>0.995)。
p16遺伝子のプロモーター配列をモデル系として用いた。その配列は以下に記載される:
5’GAAGAAAGAGGAGGGGCTGGCTGGTCACCAGAGGGTGGGGCGACCGCGTGCGCTCGGCGGCTGCGGAGAGGGGGAGAGCAGGCAGCGGGCGGCGGGGAGCAGCATGGAGCCGGCGGCGGGGAGCAGCATGGAGCCTTCGGCTGACTGGCTGGCCACGGCCGCGGCCCGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGGCGCTGCTGGAGGCGGGGGCGCTGCCCAACGCACCGAATAGTTACGGTCGGAGGCCGATCCAGGTGGGTAGAGGGTCTGCAGCGGGAGCAGGGGATGGCGGGCGACTCTGGAGGACGAAGTTTGCAGGGGAATTGGAATCAGGTAGCGC3’(配列番号3)
細胞株、HT29およびLNCaPからのゲノムDNAは、既に実験的に確認されたとおり、メチル化陽性対照および陰性対照として用いた。
Frommer法に従って、ゲノムDNAを最初に修飾した(Frommer, M., L. E. McDonald, D. S. Millar, C. M. Collis, F. Watt, G. W. Grigg, P. L. Molloy, and C. L. Paul, 「個々のDNA鎖における5−メチルシトシン残基の陽性表示をもたらすゲノム配列決定プロトコル(A genomic sequencing protocol that yields a positive display of 5-methylcytosine residues in individual DNA strands)」, Proc. Natl. Acad. Sci U. S. A. 89:1827-1831 (1992))。簡単に述べると、細胞株HT29およびLNCaPのそれぞれから得られた1μgのゲノムDNAを蒸留H2Oで50μlに希釈し、5.5μlの2MNaOHを加え、そして37℃で10分間インキュベートした(一本鎖DNAを作成するため)。30μlの新たに調製した10mMのヒドロキノン(Sigma)を各管に加えた。次いで、520μlの新たに調製したpH5.0の3M重亜硫酸ナトリウム(Sigma S−8890)を加えた。試薬を完全に混合し、次いで鉱物油で覆って50℃で16時間インキュベートした(より長いほどメチル化CがTに変換し始める)。鉱物油を除去した後、1mlのWizard DNA Cleanup樹脂 (PromegaA7280)を各管に加えてから、DAN Wizard Cleanupキットのミニプレップカラムに混合物をかけた。カラムを2mlの80%イソプロパノールで洗い、そして50μlの熱水(60℃〜70℃)で溶出させた。5.5μlの3MNaOHを各管に加えて、室温で5分間インキュベートした。次いで、キャリアとして1μlのグリコーゲン、33μlの10MNH4Ac、そしてDNA沈澱用の3倍体積のエタノールを加えた。ぺレットを遠沈させて70%エタノールで洗い、乾燥させ、そして20μlの水に再懸濁させた。各PCR反応に1μlのDNAを用いた。
重亜硫酸塩修飾後、配列は、
5’GAAGAAAGAGGAGGGGTTGGTTGGTTATTAGAGGGTGGGGYGGATYGYGTGYGTTYGGYGGTTGYGGAGAGGGGGAGAGTAGGTAGYGGGYGGYGGGGAGTAGTATGGAGTYGGYGGYGGGGAGTAGTATGGAGTTTTYGGTTGATTGGTTGGTTAYGGTYGYGGTTYGGGGTYGGGTAGAGGAGGTGYGGGYGTTGTTGGAGGYGGGGGYGTTGTTTAAYGTATYGAATAGTTAYGGTYGGAGGTYGATTTAGGTGGGTAGAGGGTTTGTAGYGGGAGTAGGGGATGGYGGGYGATTTTGGAGGAYGAAGTTTGTAGGGGAATTGGAATTAGGTAGYGT3’(配列番号4)
に変化した(非メチル化シトシンはウラシルに変換されてしまってチミンとして認識され、メチル化シトシンはシトシンとして無処置のままであるので、YはC/Tを表す)。
標準プロトコルを用いてPCR反応を行った。1μlの化学処理したDNAをPCR増幅テンプレートとして用いた。PCR反応において、95℃で10分間の初期変性、続いて95℃で30秒、60℃で30秒間、72℃で30秒間のサイクルを合計40サイクルという手順を用いた。約20ngの重亜硫酸塩変換DNA、15mMのTris−HCI(pH8.0)、2.0mMのMgCl2、50mMのKCl、200μMの各dNTP、0.4μMの最終濃度の各プライマー、および1単位のAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼを含んだ50μlの体積中、PCR反応を行った。プライマーは、pl6HmodlF 5’GAAGAAAGAGGAGGGGTTGG3’(配列番号5)/pl6HmodlR 5’CTACAAACCCTCTACCCACC3’(配列番号6)であった。単位複製配列をAgilent BioAnalyzer(登録商標)で定量した。
様々な比での2種の単位複製配列の一連の混合物(表1)を、ビオチン化dGTPの組み込みを用いて、ツープレックスMSPE反応でのテンプレートとして用いた。反応を95℃で10分間の初期変性で開始し、95℃で30秒、60℃で30秒間、72℃で30秒間のサイクルを合計30サイクル続けた。25μlの反応系は、以下、様々な比であらかじめ混合した単位複製配列2.5μl(表1に記載される)、10mMのTris−HCI(pH8.3)、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、8μMの各未標識dNTP、4μMのビオチン化dGTP、100nMの最終濃度の各MSPEプライマー、および25nMの各逆プライマー、および0.5単位のAmpliTaq Goldポリメラーゼを含んだ。プライマーは、
15183 CE−メチル_136U22 5’ GAF GCT JTJ ACC TFA JAG CJT TCG TTT CGG TTG ATT GGT TGG TTA C 3’ (配列番号7)(式中、最初の24ヌクレオチドはジップコード配列である)、
15184 メチル_252L23 5’ GCT ACA AAC CCT CTA CCC ACC TA 3’ (配列番号8)
15185 CE−非メチル_134U24 5' JCG JCA TFA GCF TCT JGA GFA CGT TTT TGG TTG ATT GGT TGG TTA T 3’ (配列番号9)(式中、最初の22ヌクレオチドはジップコード配列である)、
15186 非メチル_252L24 5’ CAC TAC AAA CCC TCT ACC CAC CTA 3’ (配列番号10)
であった。
反応後、MSPE産物を、アミン誘導化オリゴ(それぞれ、15189 CP32−3a 5’ CGA AFG CTF TJA GGT FAF AGC JTC Sp−LCA 3’ (配列番号11)/15190 CP33−3a 5’ GTJ CTC FAG AJG CTJ ATG FCG F−Sp−LCA 3’ (配列番号12))と複合させてあるルミネックス(登録商標)ビーズを含むビーズプールに移した。標準プロトコルを用いて、複合を行い、そしてビーズを1×TE緩衝液(10mMのTris、1mMのEDTA、pH8.5)中5,000μlに再懸濁させた。同時に四重ハイブリダイゼーションを行った。基本的には、4μlのMSPE産物を、0.5×ハイブリダイゼーション緩衝液ならびにルミネックス(登録商標)ビーズ8およびルミネックス(登録商標)ビーズ9(各2,000個のビーズ)を含む50μlハイブリダイゼーション反応系中に移した。緩衝液は、13.0g/LのHEPES(ナトリウム塩)、12.0g/LのHEPES(遊離酸)、10g/Lのラウリル硫酸リチウム、21.2g/LのLiCI、10.0g/Lのウシ血清アルブミン、1.5g/Lのカゼイン、10.0g/LのBRIJ−35、2.0g/LのMgCl2、0.00136g/LのZnCl2、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300、pH7.5で作られた。反応系を、96℃で2分間、40℃で30分間インキュベートした。ビーズを、それぞれ100μlおよび200μlの洗浄緩衝液(0.4×SSC、1.0g/LのSDS、0.50g/Lのナトリウムアジド、0.50g/LのProclin−300、pH7.7)で1回ずつ洗った。50μlの1:500に希釈したストレプトアビジン−フィコエリトリン(SA−PE、1mg/ml)を各反応系に加え、室温で15分間(遮光して)穏やかに混合し、そして100μlの洗浄緩衝液で再度洗った。ビーズを、80μlのTTL緩衝液(50mMのTris、0.1%Tween−20、400mMのLiCl、pH8.0)に再懸濁させ、そしてルミネックス(登録商標)100(商標)機器で測定を行った。
Figure 2005204652
予測比対インプットテンプレート比は、二項曲線に厳密に一致し(R2=0.9994)、アッセイの高い定量能力を示す。比は、標準曲線を用いて、ルミネックス(登録商標)100(商標)読み出しから直接計算した。予測力(predictive power)は、標的の組成(0%〜100%のメチル化)から独立して、ほぼ100%である。
他の実施形態
他の実施形態は当業者に明らかであるだろう。上述の詳細な記載が明瞭化のためにのみ提供され、かつ例にすぎないことが理解されるはずである。本発明の精神および範囲は、上記の例に制限されないが、以下の特許請求の範囲により包括される。
メチル化および非メチル化DNAテンプレート両方の蛍光読み出しを示す。 観測に対して予測されるメチル化の比を示す。 アッセイの予測力(計算された比対予測される比)を示す。 本発明の概略図を示す。

Claims (9)

  1. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  2. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位の該シトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  3. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、dNTP、標識ddCTPおよびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  4. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のメチル化特異的プライマー伸長(MSPE)プライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  5. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、標識dNTPとddNTPとの混合物、未標識dNTPとddNTPとの混合物、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、かつ該第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、該対の第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNA配列の該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズし、かつ該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含む、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることてあって、ここで該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と相補的であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と相補的である、ハイブリダイズさせると、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  6. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの上の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべきCpG部位の該シトシン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該上の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は分析されるべき該CpG部位の該シトシンに由来するチミン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  7. 核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法であって、
    (a)分析されるべき試料からDNAを得ること、
    (b)該DNAを、どの5’−メチル化シトシンも未変化のまま残しながら非メチル化シトシンをウラシルに修飾する薬剤と接触させること、
    (c)該DNAを、鎖特異的プライマーを用いて増幅させること、
    (d)該増幅DNAの下の鎖とハイブリダイズする少なくとも1対のMSPEプライマー、少なくとも1種の標識逆プライマー、dNTP、およびDNAポリメラーゼを用いてプライマー伸長反応を行うことであって、該対の第一のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第一のユニーク配列を含み、かつ該第一のMSPEプライマーの3’末端は該メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は上の鎖上のCpG部位のシトシンと相補的なグアニン残基でハイブリダイズし、該第二のMSPEプライマーの5’末端は該試料中のどのDNA配列ともハイブリダイズしない第二のユニーク配列を含み、かつ該対の該第二のMSPEプライマーの3’末端は該非メチル化DNAの該下の鎖に特異的なポリヌクレオチド配列を含み、該プライマーの3’最末端は該上の鎖上の該CpG部位の該シトシンに由来するアデニン残基でハイブリダイズする、プライマー伸長反応を行うこと、
    (e)(d)からの該プライマー伸長産物を少なくとも1対のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることであって、該対の第一のオリゴヌクレオチドは該第一のユニーク配列と同一であり、かつ該対の第二のオリゴヌクレオチドは該第二のユニーク配列と同一である、ハイブリダイズさせること、および
    (f)該CpG部位の該シトシン残基での5’−メチル化状況を、該試料中の、該メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度と該非メチル化DNAのハイブリダイゼーション強度とを比較することにより判定すること、
    を含む、核酸配列中のCpG部位のシトシン残基でのDNA5’−メチル化の検出法。
  8. 被検体における疾患または障害の検出法であって、
    (a)被検体から生体試料を得ること、
    (b)該被検体における1つまたは複数のDNA配列の1つまたは複数の選択されたCpG部位でのDNA5’−メチル化状況を判定すること、および
    (c)(b)からの該メチル化状況を、疾患または障害の無い正常な被検体からの対照メチル化状況と比較することであって、有意差は該被検体における疾患または障害を示す、比較すること、
    を含む、被検体における疾患または障害の検出法。
  9. (1)非メチル化シトシンヌクレオチドを修飾する薬剤、(2)核酸分子の増幅用プライマー、(3)メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー(primersmethylated)、(4)非メチル化CpG含有核酸用MSPEプライマー、(5)標識dNTPおよび未標識dNTP、(6)標識ddNTPおよび未標識ddNTP、ならびに(7)標識または未標識逆プライマーを含む、試料からメチル化CpG含有核酸を検出するためのキット。

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