JP2005200500A - 液晶添加物、液晶組成物、液晶装置、投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に好適で、添加により液晶組成物の配向の経時安定性及び熱安定性を向上させることが可能な液晶添加物を提供する。
【解決手段】 本発明の液晶組成物は、無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に適用され、誘電異方性が負の液晶組成物に添加されるものであって、側鎖にフッ素置換基と、一方の末端基に水素結合が可能な極性基を有する液晶類似化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の液晶組成物は、無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に適用され、誘電異方性が負の液晶組成物に添加されるものであって、側鎖にフッ素置換基と、一方の末端基に水素結合が可能な極性基を有する液晶類似化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、液晶添加物、液晶組成物、液晶装置及び投射型表示装置に関する。
近年、垂直配向タイプの液晶装置が液晶テレビ(直視型表示装置)、液晶プロジェクタ(投射型表示装置)等で実用化されている。これら垂直配向タイプの液晶装置に用いられる垂直配向膜としては、例えば液晶テレビには有機配向膜が、液晶プロジェクタには無機配向膜が多用されている。
無機配向膜としては、SiO、SiO2、TiO2等の無機化合物、MgF等の無機塩等からなるものが知られており、例えばSiO2の場合には、基板面に対して30°以上の適当な角度でSiO2を斜方蒸着することにより、プレチルトを持った垂直配向膜を得ることができる。このような無機配向膜は、一般に短波長の可視光及び紫外線による光劣化速度が遅く、耐光性に優れる一方で、配向の経時安定性及び熱安定性に欠けることが知られている。そこで、液晶配向の経時安定性及び熱安定性を改良する方法として、無機配向膜及び/又は液晶材料の改良が考えられる。
無機配向膜の改良としては、SiO2等の酸化物表面のOH基をアルキルトリエトキシシラン等の末端に有機基をもつカップリング剤で処理する方法が考えられている。しかし、垂直配向が可能な無機材料は限られているため、配向特性の改良は困難な場合が多い。一方、液晶材料の改良としては、複数の液晶化合物を適切な割合に混合することにより行う方法があり、垂直配向タイプの液晶装置に用いられる負の誘電異方性を有する液晶化合物としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特開2000−96058号公報
上記特許文献1では、フッ素系の負の誘電異方性を有する液晶化合物であって、熱、可視光及び紫外光照射に対して耐久性を有するものが開示されている。しかしながら、無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に好適な液晶化合物についての記載はなく、特に液晶組成物に添加物を添加し、液晶配向の経時安定性及び熱安定性を追及した従来例は見当たらない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、垂直配向タイプの液晶装置に適用可能な液晶組成物に添加される添加物であって、特に無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に好適で、添加により液晶組成物の配向の経時安定性及び熱安定性を向上させることが可能な液晶添加物を提供することを目的としている。
また、本発明は、このような液晶添加物を含む液晶組成物、さらには、このような液晶組成物を有した光等に対する耐久性の高い液晶装置、及びこの液晶装置を備えた信頼性の高い投射型表示装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、このような液晶添加物を含む液晶組成物、さらには、このような液晶組成物を有した光等に対する耐久性の高い液晶装置、及びこの液晶装置を備えた信頼性の高い投射型表示装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の液晶添加物は、無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に適用され、誘電異方性が負の液晶組成物に添加される液晶添加物であって、下記化1、化2、化3にて表されるフッ素化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする。但し、下記化4の条件が付与されるとともに、化1〜化4において、R11,R21,R31は、互いに独立して炭素数1〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Y1,Y2,Y3は、互いに独立して−OH,−COOH,−NH2,−NH−CH3,−NH−C2H5,−NH−COCH3,−NH−COC2H5,−CO−NH2であり、Z11,Z21,Z22,Z31,Z32,Z33は、互いに独立して単結合、−CH2−CH2−、−CH2−O−、−CF2−O−、−C≡C−であり、X1,X2,X11,X12,X21,X22,X31,X32は互いに独立してH又はFである。
このような添加物を添加した液晶組成物は、無機材料からなる垂直配向膜を用いた液晶装置に適用した場合にも、配向の経時安定性及び熱安定性が得られるものとなる。
一般的に、無機材料からなる垂直配向膜は、その配向安定性が有機材料からなる配向膜に比して劣ることが知られている。その原因は、液晶のアンカリングエネルギーが小さいためと考えれる。アンカリングエネルギーは、配向膜と液晶の表面エネルギーの差が小さいほど大きくなる。
一方、液晶分子は細長い分子であり、安定な垂直配向を得るためには配向膜面と液晶分子側面の表面エネルギー差をできるだけ大きく、配向膜面と液晶分子末端の表面エネルギー差をできるだけ小さくすれば良い。
無機材料からなる垂直配向膜の表面エネルギーは、液晶分子の表面エネルギーに比して大きいため、液晶分子側面の表面エネルギーをできるだけ小さくする一方、液晶分子末端の表面エネルギーをできるだけ大きくするのが好ましい。
ここで、上記液晶添加物は誘電異方性が負の液晶材料と類似の構造を有しているため、該添加物を構成する分子(以下、添加剤分子とも言う)に添って液晶分子を配向させることが可能である。すなわち、添加剤分子側面の表面エネルギーをできるだけ小さくする一方、添加剤分子末端の表面エネルギーをできるだけ大きくすることで、液晶分子の配向安定性を高めることができる。
添加剤分子側面の表面エネルギーを小さくできる置換基としては、フッ素原子が最適であり、また、フッ素原子の置換数を増やすほど表面エネルギーが小さくなることが知られている。したがって、添加剤分子を構成するフェニレン基等の環構造の側鎖にフッ素基を多数導入した上記液晶添加物は安定した垂直配向性を有するものとなる。
そして、このような液晶添加物を添加した液晶組成物は、液晶分子が添加物分子に沿って安定した垂直配向性を示すものとなる。
一方、液晶分子は細長い分子であり、安定な垂直配向を得るためには配向膜面と液晶分子側面の表面エネルギー差をできるだけ大きく、配向膜面と液晶分子末端の表面エネルギー差をできるだけ小さくすれば良い。
無機材料からなる垂直配向膜の表面エネルギーは、液晶分子の表面エネルギーに比して大きいため、液晶分子側面の表面エネルギーをできるだけ小さくする一方、液晶分子末端の表面エネルギーをできるだけ大きくするのが好ましい。
ここで、上記液晶添加物は誘電異方性が負の液晶材料と類似の構造を有しているため、該添加物を構成する分子(以下、添加剤分子とも言う)に添って液晶分子を配向させることが可能である。すなわち、添加剤分子側面の表面エネルギーをできるだけ小さくする一方、添加剤分子末端の表面エネルギーをできるだけ大きくすることで、液晶分子の配向安定性を高めることができる。
添加剤分子側面の表面エネルギーを小さくできる置換基としては、フッ素原子が最適であり、また、フッ素原子の置換数を増やすほど表面エネルギーが小さくなることが知られている。したがって、添加剤分子を構成するフェニレン基等の環構造の側鎖にフッ素基を多数導入した上記液晶添加物は安定した垂直配向性を有するものとなる。
そして、このような液晶添加物を添加した液晶組成物は、液晶分子が添加物分子に沿って安定した垂直配向性を示すものとなる。
また、垂直配向膜を構成する無機材料として用いられるSiOやSiO2等の酸化物の表面には、OH基等の極性基が多数存在するため、添加剤分子の末端に酸化物表面のOH基と水素結合が可能な極性基を置換することにより、添加剤分子の末端が配向膜に対し垂直に強く吸着するため、アンカリングエネルギーを大きくすることができる。そして、この添加剤に添って負の誘電異方性を有する液晶材料が垂直に配向し、長時間安定な垂直配向が得られることとなる。
上述のような酸化物表面のOH基と水素結合が可能な極性基は、例えば酸素、窒素等の電気陰性度が大きな元素に水素が結合した基であり、−OH,−COOH,−NH2,−NH−CH3,−NH−C2H5,−NH−COCH3,−NH−COC2H5,−CO−NH2等が該当し、なかでも−OH基は最も強い水素結合を示すため好ましい。
添加剤の添加量と配向安定性の関係は、添加量が少ないと配向膜表面への吸着密度が低く、必要なアンカリングエネルギーが得られないため配向安定性は不十分となる。0.1重量%〜10重量%の範囲では吸着密度は飽和し、必要なアンカリングエネルギーが得られて満足な配向安定性が得られる。10重量%以上では配向安定性は変化なく、余分な添加剤が析出し、液晶組成物の特性を変化させる惧れがある。
次に、上記課題を解決するために、本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶装置であって、各基板の液晶層側には、無機材料からなる垂直配向膜が形成されるとともに、前記液晶層が上記本発明に係る液晶添加物を含んだ液晶組成物を備えてなることを特徴とする。このような液晶装置は、液晶配向の経時安定性及び熱安定性に優れ、非常に信頼性に優れたものとなり、特に光源として光強度の強いものを用いた場合にも、十分な耐久性を有するものとなる。
次に、本発明の投射型表示装置は、上記液晶装置を光変調装置として備えることを特徴とする。具体的には、光源装置と、該光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射装置とを含み、前記光変調装置が上記液晶装置にて構成されてなるものとすることができる。このような投射型表示装置は、光変調装置として本発明の液晶装置を備えるため、経時使用による不具合発生の少ない信頼性に優れた投射型表示装置となる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、本発明に係る添加物を含む液晶組成物にて液晶層が構成され、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置である。図1は本実施形態の液晶装置の画素領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等価回路図である。図2はデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構造を示す平面図である。図3は本実施形態の液晶装置の構造を示す断面図である。
本実施形態の液晶装置において、図1に示すように、マトリクス状に配置された複数の画素には、画素電極123と、当該画素電極123への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30とがそれぞれ形成されており、データ信号が供給されるデータ線6aが当該TFT素子30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込むデータ信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給される。
また、走査線3aがTFT素子30のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印加される。また、画素電極123はTFT素子30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンすることにより、データ線6aから供給されるデータ信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極123を介して液晶に書き込まれた所定レベルのデータ信号S1、S2、…、Snは、後述する共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調可能にする。ここで、保持されたデータ信号がリークすることを防止するために、画素電極123と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。
次に、図2に基づいて、本実施形態の液晶装置の平面構成について説明する。図2に示すように、後述する透明基板上に、インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と略す。)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極123(点線部123Aにより輪郭を示す)が複数、マトリクス状に設けられており、画素電極123の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。本実施形態において、各画素電極123及び各画素電極123を囲むように配設されたデータ線6a、走査線3a、容量線3b等が形成された領域が画素であり、マトリクス状に配置された各画素毎に光変調を行うことが可能な構造になっている。
次に、図3に基づいて、本実施形態の液晶装置の断面構成について説明する。図3に示すように、本実施形態の液晶装置100の断面構成は、一対の基板間に液晶層104が挟持されてなるものであって、図示下側に配設される光源からの光を当該液晶装置100により変調可能とするものである。
液晶装置100は、対向して配置された上基板101と下基板102との間に液晶層104を挟持してなり、該液晶層104をシール材105で封止した構成を具備している。上基板101の内面側(液晶層104側)には、基板全面にベタ状に配設された共通電極113と、配向膜115とが形成されており、上基板101の外面側(図示上面側)には、位相差板118と、偏光板119とがこの順で積層されている。
一方、下基板102の内面側(液晶層104側)には、平面視マトリクス状に配列された複数の画素電極123と、配向膜125とが備えられている。また、下基板102の外面側には、位相差板128と、偏光板129とがこの順で設けられており、例えばこの偏光板129の更に下方側(外面側)に設けられた光源(図示略)からの光を選択透過して光変調を行うものとされている。なお、上下基板101,102に配設された各偏光板119,129は、それぞれ透過偏光軸が互いに垂直に交わるように配設されている。
本実施形態の液晶装置100では、液晶層104を構成する液晶組成物として、誘電異方性が負の液晶材料に、以下に示す添加物を添加したものを用いている。つまり、下記化5、化6、化7にて表されるフッ素化合物を少なくとも1つ含む添加物を含む液晶組成物にて、液晶層104が構成されている。但し、下記化8の条件が付与されるとともに、化5〜化8において、R11,R21,R31は、互いに独立して炭素数1〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Y1,Y2,Y3は、互いに独立して−OH,−COOH,−NH2,−NH−CH3,−NH−C2H5,−NH−COCH3,−NH−COC2H5,−CO−NH2であり、Z11,Z21,Z22,Z31,Z32,Z33は、互いに独立して単結合、−CH2−CH2−、−CH2−O−、−CF2−O−、−C≡C−であり、X1,X2,X11,X12,X21,X22,X31,X32は互いに独立してH又はFである。
また、各基板101,102の間に対向するように配設された配向膜115,125は、それぞれSiOx又はTiOx(xは自然数を示す)からなる無機材料を蒸着法により成膜したものである。このように本実施形態では、垂直配向膜115,125を無機材料にて構成してなるため、例えばポリイミド等の有機材料にて構成した配向膜に比して高い耐光性や耐熱性を具備するものとなっている。
上記垂直配向膜115,125を基板上に形成する蒸着方法について説明する。図4は蒸着装置の構成を模式的に示す説明図であって、本実施形態では、この蒸着装置300を用いて、基板に対して所定方向から無機材料(例えば酸化ケイ素)を斜方蒸着するものとしている。
蒸着装置300は、酸化ケイ素の蒸気を生じさせる蒸着源302と、酸化ケイ素の蒸気が流通可能な開口部303aを備える蒸気流通部303と、基板Sを蒸着源302に対して所定角度傾斜させて配設する基板配設部307とを具備する蒸着室308、さらには蒸着室308を真空にするための真空ポンプ310を備えている。
本実施形態の場合の蒸着方法は以下の通りである。まず、真空ポンプ310を作動させると、蒸着室308が真空化し、さらに加熱装置(図示略)により蒸着源302を加熱すると蒸着源302から酸化ケイ素の蒸気が発生する。そして、蒸着源302から発生した酸化ケイ素の蒸気流は、開口部303aを通過し、所定の角度(蒸着角)で基板Sの表面に蒸着されるものとされている。ここで、本実施形態では垂直配向性を付与するために、蒸着源と基板Sとのなす角度θが例えば30°となるように蒸着角を定めている。
以上のような液晶装置100によると、液晶層104を構成する液晶組成物として、上記化5〜化7で表される化合物であって、上記条件を具備した添加物を含む液晶組成物を用いているため、無機材料からなる垂直配向膜を用いた液晶装置に適用した場合にも、配向の経時安定性及び熱安定性を有したものとなり、非常に信頼性の高い液晶装置となっている。
つまり、上記添加物は、側鎖にフッ素置換基と、一方の末端基に水素結合が可能な極性基を有する液晶類似化合物であって、該液晶類似化合物が安定して配向した上で、液晶材料が液晶類似化合物に沿って安定に配向するものとなっている。なお、液晶類似化合物とは、末端基としてアルキル基、アルコキシ基、シアノ基等の適切な置換基を導入したときに液晶となる化合物のことである。
本実施の形態では、このような液晶添加物が、液晶層104を構成する液晶組成物中に0.1重量%〜10重量%含まれている。0.1重量%以下では、配向膜上への吸着量が不足して十分な配向安定性が得られない場合がある。また、10重量%を超えると、安定性はそれ以上改善されず、場合によっては添加物の析出、特性値の変化等の悪影響が出る惧れがある。
なお、本実施形態の液晶装置の液晶層104に適用した液晶組成物に添加する添加物のうち、化5で表される化合物としては、下記化9で表される(1a)〜(1f)の化合物を例示できる。
また、本実施形態の液晶装置の液晶層104に適用した液晶組成物に添加する添加物のうち、化6で表される化合物としては、下記化10で表される(2a)〜(2h)の化合物を例示できる。
また、本実施形態の液晶装置の液晶層104に適用した液晶組成物に添加する添加物のうち、化7で表される化合物としては、下記化11で表される(3a)〜(3e)の化合物を例示できる。
(実施例)
本発明の効果を確認するために、以下の実施例及び比較例について比較検討を行った。
まず、2枚のガラス基板を用意し、それぞれの片面に基板面に対して30度の方向からSiO2を100Å〜200Åの厚さに斜方蒸着し、蒸着膜付き基板を作成した。
一方の蒸着膜付き基板に対し、SiO2の蒸着面外周の液晶注入口以外の部分に直径約3μmのシリカ球を混合したエポキシ系の熱硬化型接着剤を印刷し、他方の蒸着膜付き基板のSiO2の蒸着面を内側にして、2枚の蒸着膜付き基板の蒸着方向が180度となるように配置して140℃で1時間加熱して貼り合わせた。
本発明の効果を確認するために、以下の実施例及び比較例について比較検討を行った。
まず、2枚のガラス基板を用意し、それぞれの片面に基板面に対して30度の方向からSiO2を100Å〜200Åの厚さに斜方蒸着し、蒸着膜付き基板を作成した。
一方の蒸着膜付き基板に対し、SiO2の蒸着面外周の液晶注入口以外の部分に直径約3μmのシリカ球を混合したエポキシ系の熱硬化型接着剤を印刷し、他方の蒸着膜付き基板のSiO2の蒸着面を内側にして、2枚の蒸着膜付き基板の蒸着方向が180度となるように配置して140℃で1時間加熱して貼り合わせた。
これら2枚の基板を貼り合わせた内側の空間に、注入口から負の誘電異方性の液晶材料と添加物とを含む液晶組成物を真空注入した。その後、注入口をアクリル系のUV接着剤を用いて、波長365nmのUVを3000mJ/cm2照射して封止し、無機材料の配向膜を用いた垂直配向タイプの液晶セルを作成した。
このようにして作成した液晶セルを80℃の恒温槽内に放置し、所定の時間毎に取り出し、平行配置した偏光板間に挟んで配向状態を観察し、垂直配向状態が乱れ始める時間を測定した。
なお、表1には用いた液晶材料(母液晶組成物A)の組成を示す一方、表2には各比較例及び実施例において液晶材料(母液晶組成物A)に添加した添加物(a)〜(d)の種類と重量比を、また各比較例及び実施例の測定結果(配向の乱れが始まった時間(単位:hour))を示す。なお、組成の数値の単位は重量%である。
なお、表1には用いた液晶材料(母液晶組成物A)の組成を示す一方、表2には各比較例及び実施例において液晶材料(母液晶組成物A)に添加した添加物(a)〜(d)の種類と重量比を、また各比較例及び実施例の測定結果(配向の乱れが始まった時間(単位:hour))を示す。なお、組成の数値の単位は重量%である。
比較例1では、液晶組成物に添加剤が含まれておらず、表1に示した母液晶組成物Aのみで液晶層104を構成しているため、アンカリングエネルギーが小さく、安定な垂直配向が得られなかった。
比較例2では、母液晶組成物Aに表2の化合物(a)を0.01重量%添加したが、添加量が少なくSiO2表面への吸着量が不十分なため、必要なアンカリングエネルギーが得られず、垂直配向性は不十分であった。
実施例1,2,3では、母液晶組成物Aに表2の化合物(a)をそれぞれ0.1重量%、3重量%、10重量%添加しており、SiO2表面への十分な吸着量が得られ、アンカリングエネルギーが増加し十分な垂直配向の安定性が得られた。
実施例4,5,6では、母液晶組成物Aに表2の化合物(b)、(c)、(d)をそれぞれ3重量%、1重量%、1重量%添加しており、SiO2表面への十分な吸着量が得られ、アンカリングエネルギーが増加し十分な垂直配向の安定性が得られた。
また、実施例7では、母液晶組成物Aに表2の化合物(b)及び(c)を1.5重量%ずつ添加しており、この場合も、SiO2表面への十分な吸着量が得られ、アンカリングエネルギーが増加し十分な垂直配向の安定性が得られた。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。ここでは、第1実施形態の液晶装置100を光変調装置として用いたプロジェクタ(投射型表示装置)の一例を説明する。第1実施形態の液晶装置100は、高い耐光性及び耐熱性を有しているため、プロジェクタ(投射型表示装置)の光変調装置として用いるのが好適である。
以下、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。ここでは、第1実施形態の液晶装置100を光変調装置として用いたプロジェクタ(投射型表示装置)の一例を説明する。第1実施形態の液晶装置100は、高い耐光性及び耐熱性を有しているため、プロジェクタ(投射型表示装置)の光変調装置として用いるのが好適である。
図5は、本実施形態の投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図5において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は液晶光変調装置、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投写レンズを示す。
光源810はメタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー813は、光源810からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、第1実施形態の液晶装置100を備えた赤色光用液晶光変調装置822に入射される。
一方、ダイクロイックミラー813で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー814によって反射され、第1実施形態の液晶装置100を備えた緑色光用液晶光変調装置823に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー814も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられ、これを介して青色光が第1実施形態の液晶装置100を備えた青色光用液晶光変調装置824に入射される。
各光変調装置822,823,824により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
このような構造を有する本実施形態の投射型表示装置は、第1実施形態の液晶装置100を備えたものであるので、光や熱に対する耐久性に優れ、表示品質を長期に渡って維持することができる表示装置となる。
101…上基板、102…下基板、104…液晶層、113…共通電極、115,125…垂直配向膜(配向膜)、123…画素電極
Claims (5)
- 無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に適用され、誘電異方性が負の液晶組成物に添加される液晶添加物であって、
下記化1、化2、化3にて表されるフッ素化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする液晶添加物。
但し、下記化4の条件が付与されるとともに、化1〜化4において、R11,R21,R31は、互いに独立して炭素数1〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Y1,Y2,Y3は、互いに独立して−OH,−COOH,−NH2,−NH−CH3,−NH−C2H5,−NH−COCH3,−NH−COC2H5,−CO−NH2であり、Z11,Z21,Z22,Z31,Z32,Z33は、互いに独立して単結合、−CH2−CH2−、−CH2−O−、−CF2−O−、−C≡C−であり、X1,X2,X11,X12,X21,X22,X31,X32は、互いに独立してH又はFである。
- 無機材料からなる垂直配向膜を備えた液晶装置に適用される誘電異方性が負の液晶組成物であって、請求項1に記載の液晶添加物を含んでなることを特徴とする液晶組成物。
- 前記液晶添加物を0.1重量%〜10重量%含んでなることを特徴とする請求項2に記載の液晶組成物。
- 一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶装置であって、
各基板の液晶層側には、無機材料からなる垂直配向膜が形成されるとともに、前記液晶層が請求項2又は3に記載の液晶組成物を含んでなることを特徴とする液晶装置。 - 請求項4に記載の液晶装置を光変調装置として備えることを特徴とする投射型表示装置。
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