JP2005199375A - 産業用ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】手首関節の構造に拘わらず、解析的な逆変換を可能にし、かつアームの遊端部の大きな可動範囲を得ることができる産業用ロボットを提供する。
【解決手段】第2〜第4軸L42〜L44が一点Pで交差しており、解析的な逆変換によって、アームの遊端部の位置から各関節部41〜46の角度位置を求めることが可能になる。手首関節29を構成する第4〜第6関節部44〜46の旋回軸である第4〜第6軸L44〜L46の互いの配置関係に影響を与えないので、手首関節29の構造に拘わらず、解析的な逆変換を可能にする。第2〜第4軸L42〜L44が単に一点Pで交差するように構成されるのではなく、第3および第4軸L43,L44が互いに垂直であり、第2軸L42が第1、第3および第4軸L41,L43,L44に対して傾斜するように構成される。これによってアームの遊端部の可動範囲を大きくすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の関節部で旋回可能な多関節の産業用ロボットに関する。
本発明において、用語「旋回」は、360度以上の角変位である回転および360度未満の角変位を含み、用語「傾斜」は、2つの軸線の成す角度が0度を超え90度未満の範囲にある状態を意味する。
図7は、第1の従来の技術の産業用ロボット9を示す正面図である。図8は、産業用ロボット9を模式的に示すスケルトン図である。産業用ロボット9は、スリーロール手首ロボットと呼ばれる塗装用ロボットとして用いられるロボットであり、第1〜第6軸L1〜L6まわりにそれぞれ旋回自在な第1〜第6関節部1〜6を有し、手首関節を構成する第4〜第6関節部4〜6が近接して配置されている。第1軸L1は鉛直であり、第2軸L2は第1軸L1に対して垂直であり、第3軸L3は第2軸L2に対して平行であり、第4軸L4は第3軸L3に対して垂直であり、第5軸L5は第4軸L4に対して傾斜し、第6軸L6は第5軸L5に対して傾斜している。
このような産業用ロボット9は、手首関節がスリーロール手首関節であり、この手首関節をエアホースなどのケーブルが挿通可能な中空構造とし、かつ外径を小さくして小形に形成することができる利点がある。さらに産業用ロボット9は、第1〜第3軸L1〜L3が前述のような関係にあるので、アームの遊端部8の大きな可動範囲S9を得ることができる。図7には、第1軸L1まわりの旋回をしない場合の可動範囲を示して下り、実際には、アームの遊端部8は、この可動範囲S9を第1軸L1まわりに旋回して得られる回転体に相当する範囲で移動することができる。このような利点を生かして、産業用ロボット9は、塗装用のロボットとして好適に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
図9は、第2の従来の技術の産業用ロボット9Aを模式的に示すスケルトン図である。第1の従来の技術と対応する部分は、同一の符号を付す。産業用ロボット9Aは、産業用ロボット9と、第4〜第6関節部4〜6の構成が異なり、第5軸L5が第4および第6軸L4,L6に対して垂直であり、第4〜第6軸L4〜L6が一点で交差している。
図10は、第3の従来の技術の産業用ロボット9Bを模式的に示すスケルトン図である。第1の従来の技術と対応する部分は、同一の符号を付す。産業用ロボット9Bは、産業用ロボット9と、第1〜第3関節部1〜3の構成が異なり、第2軸L2が第1および第3L1,L3に対して垂直であり、第1〜第3軸L1〜L3が一点で交差している。
特開平11−277472号公報
第1の従来の技術の産業用ロボット9は、前述のスリーロール手首関節による効果を確保し、かつアームの遊端部8の大きな可動範囲を得ることができるが、解析的な逆変換が実行できないという課題を有する。したがってアームの遊端部8の位置を各関節部1〜6の角度位置によって表す式を用いて、アームの遊端部8の位置から、各関節部1〜6の角度位置を解析的に求めることができない。スリーロール手首関節を有する垂直多関節ロボットにおいては、隣り合う3軸が一点で交わる構成ではないので、逆変換解を解析的に求めることができないことは、周知の事実である。垂直多関節ロボットとは、一般的に、図7において、第1〜第3軸L1〜L3のような軸構成の関節を有するロボットである。
したがって産業用ロボット9では、収束演算機能を有する制御装置を用いなければならず、制御装置が高コスト化するとともに、高速で高精度な位置決めをすることができない。さらに特異点の把握が困難になるので、開発に時間を要するうえ、実用においても扱いにくくなってしまう。また噴射器などのツールを第6軸と平行に配置し、第4および第6軸を同一角度逆方向へ旋回させるような限定的な動作で使用する場合には、特別に、解析的な逆変換を実行することが可能であるが、このような限定的動作では、産業用ロボット9を十分に活用することができない。
第2の従来の技術の産業用ロボット9Aのように、隣接する3つの旋回軸、具体的には、第4〜第6軸L4〜L6が、一点で交差する構成では、解析的な逆変換が可能であることが周知であり、産業用ロボット9Aでは、解析的な逆変換が可能になることによる効果を達成できる。したがって制御装置の低コスト化を図るとともに、高速で高精度な位置決めをすることができるし、さらに特異点の把握が容易になるので、開発に要する時間を短縮し、かつ実用において扱いやすいロボットを実現することができる。産業用ロボット9Aでは、このような利点はあるが、スリーロール手首関節による効果が得られなくなってしまう。
そこで第3の従来の技術の産業用ロボット9Bのように、スリーロール手首関節を残し、第1〜第3軸L1〜L3が、一点で交差する構成とすることが考えられる。このような構成にすれば、スリーロール手首関節の効果を達成し、かつ解析的な逆変換が可能になる効果を達成することができるが、可動範囲S9Bが極めて小さくなってしまう。図10には、可動範囲S9Bの一部だけを示すが、可動範囲S9Bは、略楕円体面状の領域であり、薄肉の殻のような領域である。可動範囲のS9Bの厚み寸法T9は、第4および第6関節部4,6間の距離D9に依存し、この距離D9を大きくすれば、厚み寸法T9を大きくして、可動範囲を大きくすることができるが、スリーロール手首関節の効果を達成しようとすれば、距離D9を小さくしなければならないので、大きな可動範囲を得ることができない。
したがって本発明の目的は、手首関節の構造に拘わらず、解析的な逆変換を行ってアームの遊端部の位置から各関節部の角度位置を求めることができ、かつアームの遊端部の大きな可動範囲を得ることができる産業用ロボットを提供することである。
本発明は、基台と、
基台から順に並んで直列に設けられる第1〜第6アーム体を含むアームと、
第1アーム体を基台に、第1軸まわりに旋回自在に連結する第1関節部、および第2〜第6アーム体を基台側に隣接するアーム体に、第2〜第6軸まわりに旋回自在に連結する第2〜第6関節部を含み、第3および第4軸は互いに垂直であり、第2軸は第3および第4軸に対して傾斜し、第2〜第4軸は、一点で交差する複数の関節部とを含むことを特徴とする産業用ロボットである。
本発明に従えば、隣接する3つの旋回軸である第2〜第4軸が一点で交差しており、解析的な逆変換によって、アームの遊端部の位置から第1〜第6関節部の角度位置、具体的には各関節部で接続される2つの部材の相対的な角度位置を求めることが可能になる。このような解析的な逆変換を可能にするために、一点で交差するように配置される3つの旋回軸、具体的には第2〜第4軸の相互の配置は、手首関節を構成する第4〜第6関節部の旋回軸である第4〜第6軸の互いの配置関係に影響を与えることない。したがって第4〜第6関節部によって構成される手首関節の構造に拘わらず、解析的な逆変換を可能にすることができる。さらに第2〜第4軸が単に一点で交差するように構成されるのではなく、第3および第4軸が互いに垂直であり、第2軸が第3および第4軸に対して傾斜するように構成される。これによってアームの遊端部の可動範囲を大きくすることができる。
また本発明は、第5軸は、第4軸に対して傾斜し、第6軸は、第5軸に対して傾斜し、
第4〜第6関節部が、近接して配置されることを特徴とする。
本発明に従えば、第5軸は、第4軸に対して傾斜し、第6軸は、第5軸に対して傾斜し、第4〜第6関節部が、近接して配置される。このような構成とすることによって、手首関節を、スリーロール手首関節とすることができる。
本発明によれば、第2〜第4軸が一点で交差するように構成されるので、手首関節の構造に拘わらず、解析的な逆変換を行って、アームの遊端部の位置から各関節部の角度位置を求めることができる。したがって制御装置の低コスト化を図るとともに、高速で高精度な位置決めをすることができ、さらに特異点の把握を容易にして、開発に要する時間を短縮し、かつ実用において扱いやすいロボットを実現することができる。さらに第3および第4軸が互いに垂直であり、第2軸が第3および第4軸に対して傾斜するように構成されるので、手首関節の構造に拘わらず、アームの遊端部の可動範囲を大きくすることができる。
また本発明によれば、手首関節を、スリーロール手首関節とし、スリーロール手首関節の効果を達成したうえで、前述の優れた効果を併せて達成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の産業用ロボット30を部分的に内部構造が現る状態で示す断面図である。図2は、産業用ロボット30の手首関節29を示す正面図である。図3は、産業用ロボット30を模式的に示すスケルトン図である。産業用ロボット30は、基台37と、複数、本実施の形態では第1〜第6アーム体31〜36と、複数、本実施の形態では第1〜第6関節部41〜46と、エンドエフェクタ40とを有する、多関節ロボットである。
この産業用ロボット30は、手首関節29がスリーロール手首関節であるロボットであって、たとえば塗装用ロボットとして好適に用いることができるが、ワークなどの物品を保持または搬送するロボット、溶接などの他の加工を施すロボットなど、各種の用途に適用することができる。本実施の形態では、産業用ロボット30は、塗装用ロボットである。手首関節29は、第3アーム体33の第4アーム体34寄りの端部33a、第4〜第6アーム体34〜36および第4〜第6関節部44〜46を含んで構成される。
基台37は、たとえば工場の床などの設置対象物38に固定される。各アーム体31〜36は、第1アーム体31から第6アーム体36に直列に並んで設けられ、これら各アーム体31〜36によってアーム39が構成される。このアーム39は、アーム39の基端部となる第1アーム体31の一端部で基台37に連結される。
各関節部41〜46は、各アーム体31〜36を第1〜第6軸L41〜L46まわりに旋回自在に連結する。各関節部41〜46は、たとえばベアリングなどを用いて構成される。第1〜第6軸L41〜L46は、旋回軸である。
第1アーム体31は、その一端部が、第1関節部41によって基台37に、第1軸L41まわりに旋回自在に連結される。第1軸L41は、床面などの設置対象物38の表面に垂直であり、本実施の形態では鉛直な軸線である。第1アーム体31は、第1関節部41から第1軸L1に対して傾斜する方向へ延びる。
第2アーム体32は、その一端部が、第2関節部42によって第1アーム体31の他端部に、第2軸L42まわりに旋回自在に連結される。第2軸L42は、第1軸L41に対して傾斜する軸線である。第1軸L41に対する第2軸L42の傾斜角度(以下「第2軸角度」という)θ42は、たとえば0度を超え45度以下の範囲の角度であり、本実施の形態では、22.5度である。第2アーム体32は、第2関節部42から第2軸L42に対して第2軸角度θ42と同一角度傾斜した方向へ延びる。
第3アーム体33は、その一端部が、第3関節部43によって第2アーム体32の他端部に、第3軸L43まわりに旋回自在に連結される。第3軸L43は、第2軸L42に対して傾斜する軸線である。第2軸L42に対する第3軸L43の傾斜角度(以下「第3軸角度」という)θ43は、たとえば90度から第2軸角度θ42を減算した角度であり、本実施の形態では、67.5度である。第3アーム体33は、第3関節部43から第3軸L43に対して垂直な方向へ延びる。
第4アーム体34は、その一端部が、第4関節部44によって第3アーム体33の他端部に、第4軸L44まわりに旋回自在に連結される。第4軸L44は、第3軸L43に対して垂直な軸線である。したがって第3軸L43に対する第4軸L44の成す角度(以下「第4軸角度」という)θ44は、本実施の形態では、たとえば90度である。第4アーム体34は、第4関節部44から第4軸L44に対して傾斜する方向へ延びる。
第5アーム体35は、その一端部が、第5関節部45によって第4アーム体34の他端部に、第5軸L45まわりに旋回自在に連結される。第5軸L45は、第4軸L44に対して傾斜する軸線である。第4軸L44に対する第5軸L45の傾斜角度は、本実施の形態では、たとえば60度である。
第6アーム体36は、その一端部が、第6関節部46によって第5アーム体35の他端部に、第6軸L46まわりに旋回自在に連結される。第6軸L46は、第5軸L45に対して傾斜する軸線である。第6軸L46の第5軸L45に対する傾斜角度は、第5軸L45の第4軸L44に対する傾斜角度と同一である。
産業用ロボット30では、第4〜第6関節部44〜46によって、手首関節29が構成される。この手首関節29は、第4〜第6関節部44〜46が近接して配置され、かつ第4〜第6軸が互いに前述のように傾斜しており、スリーロール手首関節を構成する。このスリーロール手首関節は、中空筒状で外径が小さい手首関節を実現することができる。
また産業用ロボット30では、第2〜第4軸L42〜L44が、一点Pで交差する構成である。また、第2〜第4軸L42〜L44を前述のような第2〜第4軸角度θ42〜θ44として、具体的には第3および第4軸L43,L44を垂直とし、第2軸L42を、第3および第4軸L43,L44に対して傾斜する構成とすることによって、第2〜第4軸L42〜L44が一点Pで交差する構成としたうえで、第2および第3アーム体32,33の軸長、換言すれば第2関節部42と第3関節部43との距離D32および第3関節部43と第4関節部44との距離D33を、長くすることができる。
エンドエフェクタ40は、アーム39の遊端部となる第6アーム体36の他端部に、固定される。エンドエフェクタ40は、産業用ロボット30の用途に応じた機器であって、たとえば溶接用トーチおよびハンドリング装置であってもよい。本実施の形態では、産業用ロボット30は塗装用ロボットであり、エンドエフェクタ40は、ワークに塗装用の流体を噴射する噴射器である。
産業用ロボット30は、各アーム体31〜36を、各関節部41〜46で相対的に旋回駆動するための駆動手段を有する。駆動手段は、1または複数の駆動源48、本実施の形態では複数の電動モータを有する。駆動源48は、各関節部41〜46毎に1つずつ設けられてもよいし、複数の関節部に関して1つの駆動源を共用する構成であってもよい。本実施の形態では、各関節部41〜46毎に、駆動源48がそれぞれ設けられる構成である。図1には、第1〜第3関節部41〜43での旋回駆動のための駆動源48だけを示す。他のモータについては図解を容易にするために省略するが、同様にアーム39内に内蔵されている。
基台37および各アーム体31〜36は、中空筒状に形成されており、駆動手段は、基台および各アーム体31〜36のうちの少なくともいずれか1つに内蔵される。また各アーム体31〜36内を挿通するようにして、1またたは複数のケーブルが設けられる。ケーブルは、産業用ロボットを動作させるために必要な動力および指令信号を伝達するためのケーブルであって、たとえばサーボモータである電動モータに電力を供給するケーブル、センサ信号を受信するケーブル、エンドエフェクタに電力および指令信号を与えるケーブル、エンドエフェクタで利用される流体を導くためのケーブルである。
各アーム体31〜36を駆動手段によって旋回させる旋回機構は、図10に示すような従来の技術の傾斜関節部を有するロボットの機構と、同様の機構であってもよい。具体的一例を挙げると、中空形状の波動歯車機構、たとえばハーモニックドライブ(登録商標)を用いてもよい。波動歯車機構は、入力側部材と出力側部材とを備え、それらが相対的に回転する。入力側部材は、各関節部41〜46によって連結する2つの部材(基台およびアーム体)の一方に連結され、出力側部材は、前記2つの部材のうちの他方に連結される。駆動源からの回転が入力側部材に与えられると、入力側部材と出力側部材とが相対的に回転し、前記2つの部材が相対的に回転される。したがって各アーム体31〜36が旋回される。
駆動手段および駆動のための機構は、種々の構成をとり得るので、前述の具体例の構成に限定されるものではない。
産業ロボット30は、このような基台37、アーム39、各関節部41〜46、および駆動源48を有する駆動手段を含んでロボット本体49が構成され、このロボット本体49を制御する制御装置50をさらに含む。制御装置50は、入力部51および中央演算処理部52を備える。入力部51は、キーボードなどによって実現され、操作者の操作によってアーム39の遊端部の位置および姿勢のいずれか一方を指示する指示情報が入力され、入力される指示情報を中央演算処理部52に与える。中央演算処理部52は、たとえばCPUおよびメモリなどによって実現され、入力される指示情報に基づいて、アーム39の遊端部を移動させるために必要な本体49の動作、具体的には指示情報が表す位置および姿勢となる場合の各関節部41〜46における角度位置およびこの角度位置まで旋回させるための旋回角度を演算して求め、その演算結果を表す情報を、動作指令として多関節ロボット1の駆動手段に与える。
ここで各関節部41〜46における角度位置は、各関節部41〜46によって連結される2つの部材のうち、基台37側の部材に対する第6アーム体36側の部材の基準位置からの角変位角度である。基準位置は、たとえば図1に示すように、アーム39の遊端部が最も設置対象物38から離れた位置にある状態での位置である。
中央演算処理部52における制御動作は、入力部51の操作によって指示情報が入力されると開始される。次にアーム39の遊端部を指示情報の表す位置に変位させた状態の各関節部41〜46の角度位置を演算し、その角度位置に旋回させるために必要な旋回角度を演算する。このとき、第2〜第4軸L42〜L44が、一点Pで交差する構成であるので、解析的な逆変換によって、各関節部41〜46の角度位置を演算することができる。このような演算が終了すると、その演算結果に基づいて、各関節部41〜46において必要な旋回角度だけ旋回駆動するように、駆動手段に動作指令を与えて駆動手段を制御し、制御動作を終了する。ロボット本体49では、動作指令に従って動作し、アーム39の遊端部を移動させる。
図4は、産業用ロボット30を図1の状態からアーム39の遊端部を移動させた状態で示す断面図である。図5は、産業用ロボット30を図1の状態からアーム39の遊端部を移動させた、図4とは異なる他の状態で示す断面図である。図6は、産業用ロボット30の可動範囲S30を示すグラフである。図6の縦軸は、第1軸L41に平行なアーム39の伸縮方向であり、横軸は、第1軸L41に垂直な一方向であって、設置対象物38の表面に一致する。図6には、可動範囲S30の輪郭を破線で示す。図6には、第1軸L41を含む平面での断面をしめしており、実際の可動範囲S30は、図6に示すような形状の面を、図6の縦軸と一致する第1軸L41まわりに回転させた回転体と同様の範囲である。
このように産業用ロボット30は、図4に示すように、第3軸L43まわりに旋回させることによって、アーム39の遊端部を設置対象物38付近に移動させることができる。また産業用ロボット30は、図5に示すように、第2軸L42まわりに旋回させることによって、アーム39の遊端部を第1軸L1に対して垂直な方向へ第1軸L41から遠ざかる位置に移動させることができる。このような産業用ロボット30は、各旋回軸L41〜L46のまわりの旋回動作を組合せることによって、図6に示すような可動範囲を得ることができる。
本実施の形態の産業用ロボット30の可動範囲S30と、図7に示す産業用ロボット9の可動範囲S9とを比較した場合、一見すると、本実施の形態の産業用ロボット30の可動範囲S30は、図7の産業用ロボット9の可動範囲S9より小さいように見受けられるが、本実施の形態の産業用ロボット30は、実質的に利用できる可動範囲としては、図7の産業用ロボット9とほぼ同一の大きな可動範囲S30を得ることができる。つまり、図7の産業用ロボット9では、可動範囲S9のうち、設置対象物と干渉する領域S9aは利用できないし、第1軸L1まわりに旋回させた場合に重複する領域S9bは、可動範囲を大きくすることに寄与しない。したがって利用できる実質的な可動範囲としては、本実施の形態の産業用ロボット30は、図7に示す可動範囲の大きな産業用ロボット9に匹敵するおおきな可動範囲S30を得ることができる。
本実施の形態の産業用ロボット30によれば、隣接する3つの旋回軸である第2〜第4軸L42〜L44が一点Pで交差しており、解析的な逆変換によって、アーム39の遊端部の位置から各関節部41〜46の角度位置、具体的には各関節部41〜46で接続される2つの部材の相対的な角度位置を求めることが可能になる。したがって制御を容易にし、制御装置50の低コスト化を図るとともに、高速で高精度な位置決めをすることができ、さらに特異点の把握を容易にして、開発に要する時間を短縮し、かつ実用において扱いやすいロボットを実現することができる。
このような解析的な逆変換を可能にするために、一点で交差するように配置される3つの旋回軸、具体的には第2〜第4軸L42〜L44の相互の配置は、手首関節29を構成する第4〜第6関節部44〜46の旋回軸である第4〜第6軸L44〜L46の互いの配置関係に影響を与えることない。したがって第4〜第6関節部44〜46によって構成される手首関節29の構造に拘わらず、解析的な逆変換を可能にすることができる。したがって手首関節29をスリーロール手首関節として、小形でケーブルなどを挿通可能とし、このようなスリーロール手首関節の利点を生かして、塗装用ロボットとして好適に用いることができる。
さらに第2〜第4軸L42〜L44が単に一点Pで交差するように構成されるのではなく、第3および第4軸L43,L44が互いに垂直であり、第2軸L42が第1、第3および第4軸L43,L44に対して傾斜するように構成される。これによって第2および第3アーム体32,33の軸長を大きくして、アーム39の遊端部の可動範囲S30を大きくすることができる。前述のように従来の技術の大きな可動範囲が得られるロボットに匹敵する大きな可動範囲S30を得ることができる。
また第2〜第4軸角度θ42〜θ44は、前述のような角度にすることが好ましい。第2〜第4軸角度θ42〜θ44を、前述のような角度にすることによって、可動範囲S30をより大きくすることができる。
また第5軸は、第4軸に対して傾斜し、第6軸は、第5軸に対して傾斜し、第4〜第6関節部が、近接して配置される。このような構成とすることによって、手首関節を、スリーロール手首関節とすることができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば、産業用ロボットは、塗装用ロボットに代えて、ワークを保持する治具ロボット、またはワークを搬送する搬送ロボットとして用いるようにしてもよいし、ワークを溶接するなどワークに他の加工をするためのロボットとして用いてもよい。
本発明の実施の一形態の産業用ロボット30を部分的に内部構造が現る状態で示す断面図である。 産業用ロボット30の手首関節29を示す正面図である。 産業用ロボット30を模式的に示すスケルトン図である。 産業用ロボット30を図1の状態からアーム39の遊端部を移動させた状態で示す断面図である。 産業用ロボット30を図1の状態からアーム39の遊端部を移動させた、図4とは異なる他の状態で示す断面図である。 産業用ロボット30の可動範囲S30を示すグラフである。 第1の従来の技術の産業用ロボット9を示す正面図である。 産業用ロボット9を模式的に示すスケルトン図である。 第2の従来の技術の産業用ロボット9Aを模式的に示すスケルトン図である。 第3の従来の技術の産業用ロボット9Bを模式的に示すスケルトン図である。
符号の説明
30 産業用ロボット
31 第1アーム体
32 第2アーム体
33 第3アーム体
34 第4アーム体
35 第5アーム体
36 第6アーム体
41 第1関節部
42 第2関節部
43 第3関節部
44 第4関節部
45 第5関節部
46 第6関節部
48 駆動源
50 制御装置
52 中央演算処理部
L41 第1軸
L42 第2軸
L43 第3軸
L44 第4軸
L45 第5軸
L46 第6軸
S30 可動範囲

Claims (2)

  1. 基台と、
    基台から順に並んで直列に設けられる第1〜第6アーム体を含むアームと、
    第1アーム体を基台に、第1軸まわりに旋回自在に連結する第1関節部、および第2〜第6アーム体を基台側に隣接するアーム体に、第2〜第6軸まわりに旋回自在に連結する第2〜第6関節部を含み、第3および第4軸は互いに垂直であり、第2軸は第3および第4軸に対して傾斜し、第2〜第4軸は、一点で交差する複数の関節部とを含むことを特徴とする産業用ロボット。
  2. 第5軸は、第4軸に対して傾斜し、第6軸は、第5軸に対して傾斜し、
    第4〜第6関節部が、近接して配置されることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
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