JP2005197276A - 露光方法、露光装置及び該露光方法を用いた電子デバイスの製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置及び該露光方法を用いた電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループット性を低下させずに、高精度の露光処理が行える露光方法等を提供すること。
【解決手段】センサ100により気圧を検出(測定)し、ロット先頭やレチクル交換時に行った気圧の検出(測定)値との差である、気圧の変動量を算出する。この後、気圧変動量に相当する内焦系レンズ53の結像位置(フォーカス位置)の変動量を求める。このとき実際に結像位置(フォーカス位置)を測定して、前回調整したときの結像位置からどれだけ変動したかを算出するのではなく、メモリ200にストアされている予め実験的に求めた、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態と内焦系レンズ53の結像位置との関係情報から求める。変動量に相当するだけ内焦系レンズ53を駆動し、結像位置(フォーカス位置)を調整する該内焦系レンズ53の位置を調整し、この結像位置(フォーカス位置)を主制御装置23のメモリにストアしておく。この後、レチクルアライメントを実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、結像位置が調整された状態でアライメント(位置合わせ)を行って高精度の露光をする露光方法、該露光方法を実施する露光装置、及び該露光方法を利用した電子デバイスの製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶表示デバイスを、リソグラフィ技術を用いて製造する際には、パターンが形成されたマスク(レチクル)に露光用照明光(露光光)を照射し、このパターンの像を、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウエハやガラステンプレート等の感光性基板上に投影露光する露光方法が採用されている。
この露光方法では、レチクル上に描かれた複数の異なった回路パターンを感光性基板上に順次重ねて露光(重ね合わせ露光)をするため、露光に先立ち、レチクルの基板ステージ座標系に対する位置関係を精度良く求めて、レチクル上の回路パターンと基板の各ショット領域に既に形成された回路パターンとのアライメント(位置合わせ)を正確に行う必要がある。
このため、レチクルの上方に設置された第1のマーク検出光学系(アライメントセンサ)で該レチクル上に形成された位置合わせ用マークを位置計測することによりレチクルの位置を求める一方、基板上方に設置された第2のマーク検出光学系(アライメントセンサ)で該基板上に形成された位置合わせ用マーク位置計測することにより基板上の回路パターンの位置を求め、両者の正確な位置情報に基づいて、両者の相対位置関係を調整することにより、重ね合わせ露光を行うようにしている。
レチクルの位置合わせ(レチクルアライメント)には、第1のマーク検出光学系(アライメントセンサ)でレチクルの位置合わせ用マークと、投影光学系を介して基板が載置されるウエハステージ上の基準マークとを同時に観察し、画像処理技術等を用いて両者の位置関係を求めることにより、レチクルのパターンの投影像と基準マークとの位置関係を調整している。
第1のマーク検出光学系の照明光としては、直接投影光学系を介して基準マークを観察する必要性から、露光光波長と同一波長の照明光を用いている。通常は、レチクルの上方より露光光で照明を行い、レチクル側の位置合わせ用マークとウエハステージ上の基準マークとの観察を行うが、この場合、レチクル側の位置合わせ用マークは照明光の直接反射で観察し、基準マークは投影光学系を介して観察するために、第1の検出光学系のフォーカス位置が正確にレチクルの位置合わせ用マークが形成されたパターン面に合っていないと、検出誤差が生じてしまう。
従来、レチクルアライメントにおいて、フォーカス調整動作は、例えば、25枚の基板を1ロットとして露光処理する場合にあっては、その最初の1枚目の基板を露光処理する直前(以下ロット先頭と記す)に行う、RAAF(Reticle Alignment Auto Focus)計測のみであり、その後は、次の新たなロットの基板を処理する際に、そのロット先頭でRAAF計測を行って、フォーカス調整をする迄は行わない。
なお、2枚のレチクルをレチクルステージ上に同時に保持し、一方のレチクルが使用状態にあるとき、他方のレチクルが待機状態にある、いわゆるダブルレチクルステージを使用する場合にあっては、ロット先頭或いはレチクル交換時にRAAF計測を行って、フォーカス調整をしている。また、ダブルレチクルステージを使用せず、レチクルステージの近傍に配置したレチクル保持部に待機状態のレチクルが保持されていて、使用時にレチクル交換用ロボットにより、レチクルステージ上のレチクルと交換される場合にあっても、ロット先頭或いはレチクル交換時にRAAF計測を行って、フォーカス調整をしている。
このようにロット先頭或いはレチクル交換時にのみRAAF計測を行って、フォーカス調整するのは、RAAF計測に時間と手間がかかり、これを頻繁に行うこと、例えばレチクルアライメント計測毎に行うことは、露光装置のスループット性を低下させるからであり、また一旦RAAF計測をしてフォーカス調整をしておけば、通常、大きく変動することはなく、不都合が生じるおそれが少ないと考えられていたからである。
上述した理由により、従来技術にあっては、フォーカス調整動作はロット先頭或いはレチクル交換時でしか行ず、次のロット先頭或いはレチクル交換時までは行われないので、ロット先頭等でフォーカス調整動作を行った後、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態が変動すると、フォーカス位置がずれたままの状態になっている。
したがって、フォーカス調整動作後のレチクルアライメント計測時において、例えば、1ロット中、複数枚のウエハを処理するたびにベースライン(ベースライン:レチクル中心とウエハアライメント系である第2検出系の計測中心との間の距離)をチェックする時に行われるレチクルアライメント計測や、ダブルレチクルステージの場合のレチクル交換後に行われるレチクルアライメント計測等において、ロット先頭等のフォーカス調整動作後に周囲環境状態が変動していた場合、フォーカス位置がずれた状態の下で行うことになり、この結果、フォーカス位置のずれと、光学系のテレセントリシティ(telecentricity)とによって、位置合わせ用マークの位置計測の際、位置合わせ用マークの像が位置ずれて計測されたり、またフォーカス位置が外れた精度の悪い状態で計測したりする等の不都合が生じていた。
近年の半導体デバイス等の高集積化要求に伴い、より厳しい重ね合わせ精度が求められるようになっており、スループット性を低下させずにレチクルアライメントを高精度で行うことが要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スループット性を低下させずに、高精度の露光処理が行える露光方法及びこの露光方法を実施する露光装置を提供することを目的とする。
また、この露光方法を利用して製品歩留まりのよい電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する、本発明の請求項1に記載の露光方法は、マスク上に形成されたパターンを照明して被露光基板上に転写する露光方法において、計測照明光により前記マスク上に形成された位置合わせ用マーク(レチクルアライメントマークRM1、RM2)を照明し、該照明により該マークから得られたマーク像を、受光素子(CCDセンサ42X、42Y)の受光面上に結像させる結像光学系(レチクル顕微鏡22A、22B)の結像位置と、該結像光学系の結像位置の変動要因となる周囲環境状態との間の関係を示す関係情報を予め記憶し、前記周囲環境状態を検出し、前記検出された周囲環境状態と、前記関係情報とに基づいて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系(内焦系レンズ53)の、該調整光学系の光軸方向における位置を調整することを特徴とする。
また、請求項2に記載の露光方法では、前記マーク像の前記受光面上における所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、前記周囲環境状態の変動によって所定値以上となる場合に、前記調整光学系(内焦系レンズ53)の位置の調整を行うようにしてもよい。
請求項2に記載の露光方法において、前記周囲環境が気圧を含み、前記計測位置の変動量ΔXが、前記気圧の変動量ΔP、係数α、前記結像光学系のテレセントリシティθとすると、ΔX=α・ΔP・θで表される(請求項3)。
前記計測照明光を前記マスク上の前記マークに導くために該計測照明光の光路内に侵入可能であり、且つ該光路内から退出可能な反射部材(落射ミラー54)を有する場合にあっては、前記調整光学系(内焦系レンズ53)の位置の調整動作が、前記反射部材の進入動作又は退出動作と少なくとも一部期間並行して実行してもよい(請求項4)。
また、前記調整光学系(内焦系レンズ53)の位置の調整動作が、前記被露光基板が載置された可動ステージの移動動作と少なくとも一部期間並行して実行してもよい(請求項5)。
前記周囲環境状態の検出は、例えば前記被露光基板上に形成された複数の被露光領域の全ての領域に対する露光処理動作の終了タイミング近傍において実行してもよい(請求項6)。
上記目的を達成する、本発明の請求項7に記載の露光装置は、マスク上に形成されたパターンを照明して被露光基板上に転写する露光装置において、前記マスク上に形成され、計測照明光に照明された位置合わせ用のマーク(レチクルアライメントマークRM1、RM2)の像を、受光素子(CCDセンサ42)の受光面上に結像させる結像光学系(レチクルアライメントセンサ22A、22B)と、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系(内焦系レンズ53)と、前記結像光学系の結像状態を変動せしめる要因となる周囲環境状態を検出する検出手段(センサ100)と、前記結像光学系の結像位置と前記周囲環境状態との関係を示す、関係情報を記憶する記憶手段(メモリ200)と、を有し、前記関係情報と前記検出手段による前記周囲環境状態の検出結果とに基づいて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の、該調整光学系の光軸方向における位置を調整することを特徴とする。
請求項7に記載の露光装置において、前記計測照明光を前記マスク上の前記マークに導くために該計測照明光の光路内に侵入可能であり、且つ該光路内から退出可能な反射部材(落射ミラー54)を有する場合、前記調整光学系(内焦系レンズ53)の位置調整動作が、前記反射部材の進入動作又は退出動作と少なくとも一部期間並行して実行してもよい(請求項8)。
また、前記調整光学系(内焦系レンズ53)の位置調整動作を、前記被露光基板が載置された可動ステージの移動動作と少なくとも一部期間並行して実行してもよい(請求項9)。
また、前記検出手段が、前記被露光基板上に形成された複数の被露光領域の全ての領域に対する露光処理動作の終了タイミング近傍において前記検出を実行してもよい(請求項10)。
上記目的を達成する、本発明の請求項11に記載の電子デバイスの製造方法は、照明光によりマスクを照明し、該マスクに形成されたパターンを基板ステージ上に搭載された被露光基板上に露光転写して電子デバイスを製造する方法において、請求項1乃至6の何れか一項に記載の露光方法により、前記マスクに形成されたパターンを前記被露光基板に露光転写することを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の露光方法又は請求項7に記載の露光装置によれば、マスク上に形成された位置合わせ用マークの像を、受光素子の受光面上に結像させる結像光学系の結像位置と、該結像光学系の結像位置の変動要因となる周囲環境状態との間の関係を示す関係情報を予め記憶しておき、周囲環境状態と関係情報とに基づいて、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の、該調整光学系の光軸方向における位置を調整するようにしてあるので、例えばロット先頭或いはレチクル交換時にRAAF計測を行って、結像位置を調整した後に周囲環境状態が変動することにより結像位置がずれた場合であっても、次のロット先頭等迄の間、手間と時間がかかるFAAF計測を再度行わずに調整光学系の位置を調整することにより結像位置を簡単に調整することができ、スループット性を低下させずに済む。
また、周囲環境状態が変動しても、変動量に応じて調整光学系の位置を調整することにより結像位置を調整することができて、常に正しい結像位置で位置合わせ用マークの像の位置計測が行え、フォーカス位置のずれと、光学系のテレセントリシティ(telecentricity)とによって、位置合わせ用マークの位置計測の際、位置合わせ用マークの像が位置ずれして計測されたり、またフォーカス位置が外れた精度の悪い状態で計測したりする等の不都合が無くなり、計測精度が維持され、この結果、高精度の露光処理を行うことができる。
さらに、調整光学系の位置を調整することにより結像位置を調整する際、周囲環境状態と関係情報とに基づいて行うので、結像レンズを動かしつつ結像位置を探るような動作をしなくても済むために、結像レンズの駆動回数を削減して、結像光学系の耐用年数が短くなるのを防止することが出来る。
請求項2に記載の露光方法によれば、マーク像の受光面上における所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、周囲環境状態の変動によって所定値以上となる場合に、調整光学系の位置の調整を行うようにしているので、必要最小限の調整作業で済む。
請求項4に記載の露光方法又は請求項8に記載の露光装置によれば、調整光学系の位置の調整動作を、反射部材の進入動作又は退出動作と少なくとも一部期間並行して実行するようにしているので、効率よく結像位置調整を行うことが出来る。
請求項5に記載の露光方法又は請求項9に記載の露光装置によれば、調整光学系の位置の調整動作を、被露光基板が載置された可動ステージの移動動作と少なくとも一部期間並行して実行するようにしているので、露光動作を妨げることなく、効率よく調整作業を行うことが出来る。
請求項6に記載の露光方法又は請求項10に記載の露光装置によれば、周囲環境状態の検出を、被露光基板上に形成された複数の被露光領域の全ての領域に対する露光処理動作の終了タイミング近傍において実行するようにしているので、被露光基板上に形成された複数の被露光領域の、例えば初めの部分や中間部分で周囲環境状態を検出して、調整を行う場合のように、その後に周囲環境状態が変動してしまい、せっかく行った調整が無駄になるようなおそれがない。
請求項11に記載の電子デバイスの製造方法によれば、請求項1乃至6の何れか一項に記載の露光方法により、マスクに形成されたパターンを被露光基板に露光転写するようにしているので、スループット性を低下させることなく、高精度の露光が行え、製品の歩留まりをよくすることができる。
以下本発明の露光方法、該露光方法を実施する露光装置及び該露光方法を用いた電子デバイスの製造方法の実施形態について図1乃至図11を参照して説明する。
図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す全体構成図、図2は図1の露光装置に配置された結像光学系(レチクルアライメントセンサ)部分を示す拡大部分構成図、図3はロット先頭等で行われるRAAF計測、RA計測シーケンスを示すフローチャート、図4は本発明の露光方法の一実施態様を示すもので、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の位置の調整シーケンスを説明するフローチャート、図5は本発明の露光方法の別の実施態様を示すもので、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の位置の調整シーケンスを説明するフローチャート、図6は周囲環境状態を検出するタイミングを説明するフローチャート、図7乃至図10は調整光学系の位置の調整のタイミングを説明するタイムチャート、図11は本発明の電子デバイスの製造方法の一実施態様を示すフローチャートである。
先ず、本実施形態の露光装置10の全体構成及び動作について、図1を参照して説明する。
本実施形態においては、露光装置10は、マスクとしてのレチクルR上に形成された回路パターン等のパターンを、ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式により投影光学系PLを介して被露光基板としてのウエハWの各ショット領域上に露光転写する、縮小投影型の露光装置である。図1中、X軸及びZ軸は紙面に並行に設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。
露光装置10は、光源12を備えた照明光学系11と、レチクルRを保持するレチクルステージRSと、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持する可動ステージとしてのウエハステージWSTと、レチクルアライメントRAの際に使用される、結像光学系としてのレチクルアライメントセンサ(レチクル顕微鏡)22A、22Bと、アライメントセンサ24と、フォーカス検出系(図示せず)及び制御系等を備えている。制御系は、露光装置10全体を統括制御する主制御装置23を備える。
照明光学系11は、例えばKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、Fレーザ等からなる光源12と、ビーム整形用レンズ及びオプティカルインテグレータ(フライアイレンズ)等を含む照度均一化光学系13と、照明系開口絞り14と、リレー光学系15と、レチクルブラインド(図示せず)、ミラー16及びコンデンサレンズ系(図示せず)等を有する。
光源12から射出された照明光ILは、照度均一化光学系13によって光束の一様化、スペックの低減等が行われる。光源12のレーザパルスの発光は主制御装置23によって制御される。光源12としてKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ等のエキシマレーザの代わりに超高圧水銀ランプを用いてもよく、g線、i線等の紫外域の輝線が照明光として用いられる。
照度均一化光学系13で照度分布がほぼ均一化された照明光ILは、照明系開口絞り14及びリレー光学系15を介してミラー16に至る。照明系開口絞り14とリレー光学系15との間には、不図示のブラインドが介在されている。このブラインドの設置面はレチクルRと共役関係にあり、ブラインドによってレチクルRの照明領域が制限される。
ミラー16で光路が直角に折り曲げられた照明光ILは、レチクルRの上記照明領域内にあるパターンが形成された領域PA(図2参照)を均一な照度で照明する。
レチクルRは、照明光学系11の下方に配置されたレチクルステージRS上に載置されて、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持される。レチクルステージRSは、水平面(XY平面)内で2次元移動可能に構成されており、レチクルRが載置された後、レチクルRのパターンが形成された領域PAの中心点が光軸AX(図2参照)と一致するように位置決めが行われる。このレチクルRの位置決めのために、前述したレチクル顕微鏡22A、22Bを使用してレチクルアライメント(RA)が行われる(後述する)。
レチクルステージRSには、ダブルレチクルステージとシングルレチクルステージの2つのタイプがある。ダブルレチクルステージタイプを使用する場合、ミラー16の下方に位置する使用中のレチクルR1の他に、待機中のレチクルR2の、2枚のレチクルR1、R2がレチクルステージRS上に載置されている。レチクル交換時には、使用済みのレチクルR1を待機位置に退出させる一方、待機中のレチクルR2をミラー16の下方に移動させる。シングルタイプのレチクルを使用する場合、レチクルステージRSの近傍に不図示のレチクル保持部が設置されていて、このレチクル保持部上に待機中のレチクルR2が載置されている。レチクル交換時には、不図示のレチクル交換用ロボットにより、使用済みのレチクルR1をレチクルステージRSから退出させる一方、待機中のレチクルR2をレチクルステージRSに載置する。
レチクルステージRSには、不図示のレチクル干渉計からのレーザビームを反射する不図示の移動鏡が固定され、レチクルステージRSの移動面内での位置が、所定の分解能で常時検出される。レチクル干渉計からの、レチクルステージRSの位置情報は、主制御装置23に送られる。主制御装置23は、この位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動系を介してレチクルステージRSを駆動する。
投影光学系PLは、複数のレンズエレメントから構成され、これらレンズエレメントが両側テレセントリックな光学配置になるように共通のZ軸方向の光軸AXを有する。投影光学系PLとしては、投影倍率が例えば1/4、1/5又は1/6のものが使用されており、照明光ILによりレチクルRの照明領域PAが照明されると、レチクルRのパターンの像が投影光学系PLによって縮小された状態で感光剤としてのレジストが塗布されたウエハW上に縮小投影され、ウエハW上のあるショット領域にレチクルRのパターンの縮小像が転写される。
ウエハWは、ウエハステージWST上に、ウエハホルダ18を介して真空吸着等により固定されている。ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配置され、水平面(XY面)内を2次元移動可能なXYステージと、このXYステージ上に搭載された光軸方向(Z軸方向)に微動可能なZステージ等から構成される。図1、図2ではXYステージ、Zステージを具体的に図示せず、これらをまとめた形でウエハステージWSTとして表現している。ウエハステージWSTは、不図示の駆動系によりXY2次元方向に駆動されるとともに例えば100μmの微小範囲内で光軸AX方向にも駆動されるように構成されている。
ウエハステージWSTの2次元的な位置は、ウエハステージWST上に固定された移動鏡19を介して干渉計20により所定の分解能(例えば1nm程度)で常時検出される。干渉計20の出力は主制御装置23に送られ、該主制御装置23から不図示の駆動系を介してウエハステージWSTが制御され、例えばウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光が終了すると、次のショット位置までウエハWをステッピングさせるようにウエハステージWSTが制御される。
ウエハWの面のZ軸方向の位置は、前述したフォーカス検出系(図示せず)により測定される。このフォーカス検出系は、例えば投影光学系PLの結像面に向けて結像光束若しくは平行光束を光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系と、この結像光束若しくは平行光束のウエハWの表面(基準板FMの表面)での反射光束を受光する受光光学系とを有する。受光光学系からの信号は、主制御装置23に供給され、主制御装置23は、この信号に基づき、投影光学系PLの最良結像面にウエハWの面が位置するように、ウエハWのZ軸方向の位置を制御する。
ウエハステージWST上には、レチクルアライメント(RA)及びベースライン計測のための基準マークFM1、FM2及びFM3(図2参照 但しFM3は不図示)が形成された基準板FMが固定されている。
前述したアライメントセンサ24として、検出基準となる指標を備え、この指標を基準としてウエハW上のアライメントマーク又は基準板FM上の基準マークFM3の位置を検出する画像処理方式の結像センサが用いられる。このアライメントセンサ24の検出値も主制御装置23に供給される。
前述した、結像光学系としての、レチクルアライメントセンサ22A、22Bの構成を図2に示す。図2は露光装置10に向かって右側のレチクルアライメントセンサ22Aの構成を詳細に図示しているが、実際には投影光学系PLの光軸を挟んだX方向反対側の対称位置に同じ構成のレチクルアライメントセンサ22Bが配置されている(図1参照)。レチクルアライメントセンサ22Aは、アライメント光源41、CCD等の撮像素子42X、42Y、モニタ用撮像素子43、ビームスプリッタ44、44′、45、コンデンサレンズや対物レンズ等の光学素子46〜50、反射ミラー55、56、照野絞り51、絞り52、調整光学系(RAAFレンズ)としての内焦系レンズ53、内焦系レンズ駆動部57、内焦系レンズ位置検出部58等から構成される。これらから構成される各レチクルアライメントセンサ22A、22BとレチクルRとの間には、投影光学系PLに入射する露光光が受けられない(投影光学系PLに入射する露光光の邪魔にならない)退避位置と、レチクルR又はウエハWの位置合わせを行う計測位置との間で駆動される落射ミラー54が設置されている。
アライメント光源41は、ライトガイドで露光用照明光を導くなど、光源12から照射される露光用照明光とほぼ同一の波長の、計測照明光としての検出ビームを出射する構成となっている。
撮像素子42Xは観察したマークのX方向の位置情報を計測するものであり、撮像素子42Yは観察したマークのY方向の位置情報を計測するものである。これら撮像素子42X、42Yが計測した撮像信号は主制御装置23に出力される。モニタ用撮像素子は、撮像素子42X、42Yに比して広い範囲を観察し、撮像信号を不図示の観察用モニタに出力するとともに主制御装置23にも出力する。制御装置23に出力されたモニタ用撮像素子43の撮像信号は、レチクルRのサーチアライメント(ラフアライメント)に用いられる。結像光学系としてのレチクルアライメントセンサ22Aの結像位置を調整する、調整光学系(RAAFレンズ)としての内焦系レンズ53は、主制御装置23の制御の下にアライメント用検出ビームの光路(調整光学系の光軸方向)に沿って内焦系レンズ駆動部57により移動自在に駆動される。内焦系レンズ位置検出部58は内焦系レンズ53の位置を検出し、検出された内焦系レンズ53の位置情報は主制御装置23に出力される。
アライメント光源41から出射された、計測照明光としての検出ビーム(照明ビーム)は、光学素子46、47、50及び内焦系レンズ53を介してレチクルアライメントセンサ22Aから出射し、落射ミラー54で反射されて照野絞り51で規定された照野でレチクルR上のレチクルアライメントマークRM1を照明する。レチクルアライメントマークRM1で反射した反射光は落射ミラー54、内焦系レンズ53、光学素子50、絞り52、ビームスプリッタ44、光学素子48を介して撮像素子43に入射するとともに、ビームスプリッタ44で反射され、光学素子49、ビームスプリッタ45を介して撮像素子42X、42Yに入射する。
一方、レチクルRを透過した検出ビームは、投影光学系PLを介してウエハW上のウエハアライメントマーク又はウエハステージWST上に固定された基準板FMの基準マークFM1(FM2)を照明する。ウエハアライメントマーク又は基準マークFM1(FM2)を反射した反射光は、投影光学系PL、レチクルRを透過した後、レチクルアライメントマークRM1で反射した反射光の場合と同様の光路で撮像素子42X、42Y、43に入射する。
レチクルアライメントセンサ22Aでは、投影光学系PLを介して入射した基準マークFM1の像とレチクルR上のレチクルアライメントマークRM1の像とを同時に、且つX方向、Y方向毎に撮像素子42X、42Yにより撮像し、この撮像信号を主制御装置23に出力する。主制御装置23は、入力した撮像信号に基づいて各方向毎に両マークの位置ずれ量を検出するとともに、レチクルステージRS及びウエハステージWSTの位置を検出する不図示のレチクル干渉計と干渉計20等の測定値を入力してこの位置ずれ量を補正し、補正した両マークの位置ずれ量が所定値、例えば零となるときのレチクルステージRS及びウエハステージWSTの各位置を求める。これにより、ウエハステージ移動座標系XY上でのレチクルRの位置が検出される。換言すれば、レチクルステージ座標系とウエハステージ座標系XYとの対応付け(すなわち、相対位置関係の検出)が行われる。
このようにレチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像の相対位置を検出し、また不図示のレチクル干渉計や干渉計20の測定値からレチクルステージRSの座標系とウエハステージWSTの座標系との関係を求めて、レチクルアライメント(RA)が行われる。
次に、RA−AF(Reticle Alignment Auto Focus)計測手法についてレチクルアライメントセンサ22Aの構成を用いて説明する。
RAAF計測は、撮像素子42X、42Yの出力のコントラストが最大となるときのRAAFレンズ(調整光学系)の位置を特定することを目的として行われるものである。
まず、レチクルステージRS及びウエハステージWSTを駆動して、レチクルアライメントマークRM1と基準マークFM1とが、撮像素子42X、42Yの視野内で観察できる状態にする。この状態でアライメント光源41からの計測照明光を用いてレチクルアライメントマークRM1及び基準マークFM1を照明して、撮像素子42X、42Yで両マークRM1、FM1を撮像する。
このときに、RAAFレンズである内焦系レンズ53をレチクルアライメントセンサ22Aの光軸方向の複数の位置に駆動しながら、撮像素子42X、42Yでそれぞれ該複数の位置毎の撮像信号を取り込む。そして得られた撮像信号のうちで、最も信号のコントラストが大きい信号を識別し、その信号が得られた時の内焦系レンズ53の光軸方向の位置を、ベストフォーカス位置として特定する。なお、この計測時の撮像信号としてはレチクルアライメントマークRM1のマーク成分と、基準マークFM1のマーク成分とが含まれた(合成された)1つの波形信号が得られることになるが、コントラストの最大のものを識別する際には、これら両マークが含まれた信号全体としてのコントラストが最大のものをコントラスト最大信号として抽出しても良いし、或いはレチクルアライメントマークRM1の部分のみの波形(又は基準マークFM1の部分のみの波形)に着目して、そのマーク部分のみの信号波形のコントラストが最大となっているものを抽出するようにしても良い。このようにしてRAAF計測(レチクルアライメントセンサ22Aにおけるフォーカス位置計測)が行われる。そして、このようにして特定されたRAAFレンズとしての内焦系レンズ53の位置(レチクルアライメントセンサ22Aの光軸位置)に該内焦系レンズ53を設定した状態で、通常のレチクルアライメント計測(レチクルアライメントマークと基準マーク、又はウエハアライメントマークとの間の相対位置情報計測)を行うことになる。
RAAFレンズとしての内焦系レンズ53は、上述の如く結像位置を調整する調整光学系で、主制御装置23から不図示の駆動系に制御信号が供給されると、該駆動系によりレチクルアライメントセンサ22Aの光軸方向に駆動されて焦点距離を可変とすることができる。ロット先頭時やレチクル交換時において行ったRAAF計測で結像位置(フォーカス位置)を調整していても(図3参照)、この調整時での周囲環境状態、例えば気圧、温度、湿度がその後変動して空気の屈折率等が変化すると、内焦系レンズ53の結像位置がずれることがある。
露光装置10には、例えば気圧、温度、湿度等の周囲環境状態を検出する検出手段としてのセンサ100が、レチクルアライメントセンサ22A、22Bの近傍に配置されている。センサ100をレチクルアライメントセンサ22A、22B近傍に配置するのは、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態の変動によって最も影響を受けやすい内焦系レンズ53の付近の周囲環境状態の変動を直接的に検出するためである。センサ100は、レチクルRや投影光学系PLの近傍に配置してもよい。いずれにしても、センサ100で気圧、温度、湿度等の周囲環境状態を検出するのは、レチクルアライメントセンサ22A(22B)の結像位置を調整する、内焦系レンズ53の調整位置にずれが生じるか否かを調べるためであるから、この調整位置に影響を与えるものの近傍にセンサ100が配置されていればよい。
センサ100の出力は主制御装置23に供給され、主制御装置23では、例えばロット先頭時やレチクル交換時において測定され、ストアされた周囲環境状態のデータと新たに入力したセンサ100からの出力とから周囲環境状態の変動量を算出する。また、主制御装置23には、記憶手段としての記憶手段としてのメモリ200が接続されている。このメモリ200には、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態と内焦系レンズ53の結像位置との関係を予め実験的に求めて得られた関係情報がストアされている。このメモリ200にストアされた関係情報は必要に応じて主制御装置23により読み出され、主制御装置23では、この関係情報とセンサ100からの出力に基づいて周囲環境状態の変動量に相当する結像位置(フォーカス位置)の変動量を求め、内焦系レンズ53の内焦系レンズ駆動部57に制御信号を送る。内焦系レンズ53は、これによりレチクルアライメントセンサ22Aの光軸方向に駆動され、位置の調整が行われる。
主制御装置23は、センサ100からの出力に基づいて演算を行って内焦系レンズ53の調整位置のずれ量を求めるのではなく、予め実験的に求めた、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態と内焦系レンズ53の結像位置との関係から求めるようにしており、演算処理速度に何ら影響されずに済む。内焦系レンズ53の位置が調整されたか否かは、前述した内焦系レンズ位置検出部58によって確認することができる。
なお、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態とレチクルアライメントセンサ22A、22Bの結像位置とを関連づける際、露光装置10の設計値を入れるようしてもよく、これによってより実情に近い内容の関係情報を得ることが出来る。
また、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態とレチクルアライメントセンサ22A、22Bの結像位置との関係は露光装置10によって微妙に異なるので、露光装置10毎に求めるようにしてもよく、これによってさらにより実情に近い内容の関係情報を得ることが出来る。
次に、図3乃至図10を参照して本発明の露光方法の一実施態様について説明する。なお、以下の説明では周囲環境状態の検出(測定)対象として気圧を選択した場合を示している。温度又は湿度或いは気圧、温度、湿度の全てを対象としても同じ操作により行われる。
先ず、図3を参照して、ロット先頭やレチクル交換時で行われるRAAF計測について説明する。
先ず、ステップ301でRAAF計測が行われ、内焦系レンズ53の位置が調整され、このときの位置はステップ302で例えば主制御装置23のメモリにストアされる。続いてステップ303でRAAF計測実行時における気圧をセンサ100で検出(測定)し、同じく主制御装置23のメモリにストアしておく。このように準備してからステップ304でレチクルアライメントを実行する。この後、露光動作に移行する。
次に、図4を参照して、RAAF計測後に気圧が変動し、これによって結像位置がずれた場合、内焦系レンズ53の位置の調整作業について説明する。
先ず、ステップ401でセンサ100により気圧を検出(測定)し、続いてステップ402でロット先頭やレチクル交換時に行った気圧の検出(測定)値との差である、気圧の変動量を算出する。続いて、ステップ403で気圧変動量に相当する結像位置(フォーカス位置)の変動量を求める。このとき実際に結像位置(フォーカス位置)を測定して、前回調整したときの結像位置からどれだけ変動したかを算出するのではなく、メモリ200に予めストアされている、気圧と内焦系レンズ53の結像位置との関係情報から求める。次いで、ステップ404において、ステップ403で求めた変動量に相当するだけ内焦系レンズ53を駆動し、結像位置(フォーカス位置)を調整し、この結像位置(フォーカス位置)を主制御装置23のメモリにストアしておく。次いで、ステップ405でレチクルアライメントを実行する。この後、露光動作に移行する。
従来技術にあっては、一旦ロット先頭やレチクル交換時に内焦系レンズ53の位置を調整した後は、次回のロット先頭やレチクル交換時に内焦系レンズ53の位置を調整するまでの間は内焦系レンズ53の位置を調整しておらず、気圧、温度、湿度等の周囲環境状態が変動して、内焦系レンズ53の位置がずれた場合であってもその状態のままでCCDセンサ42X、42Yの受光面にレチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像を写し、これらの像の相対位置を検出してレチクルアライメントを行っていた。本実施形態では、内焦系レンズ53の位置を調整し直してCCDセンサ42X、42Yの受光面にレチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像を結像させて、これらの像の相対位置を検出して計測精度の良い状態でレチクルアライメントを行っており、レチクルRの位置合わせを精度良く実行出来る。また、手間と時間のかかる、RAAF計測で結像位置を調整する場合と異なり、スループット性を低下させることもない。
次に、CCD42X、42Yの受光面上におけるレチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像の所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、周囲環境状態の変動によって所定値以上となる場合に、結像位置の調整を行う場合を、図5を参照して説明する。
計測位置の変動量をΔXとし、気圧の変動量ΔP、係数α(αは単位気圧変動あたりの結像位置(フォーカス位置)変動量を表す係数)、結像光学系のテレセントリシティθとすると、ΔX=α・ΔP・θで表現することが出来る。
図5において、ステップ501でセンサ100により気圧を検出(測定)する。続いてステップ502で前回結像位置の調整を行ったときからどの程度気圧が変動した、すなわち気圧の変動量を算出する。ステップ503でレチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像の所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、許容量(所定値)以内か否かを判断する。許容量以内であるならば、内焦系レンズ53の位置のずれも少なく何ら支障が生じないので、ステップ507に移行し、レチクルアライメントを実行し、この後露光動作に移行する。
許容量を越えた場合には、内焦系レンズ53の位置のずれが無視できない状態にあるので、ステップ504に移行し、気圧変動量に相当する結像位置(フォーカス位置)の変動量を求める。次いで、ステップ505において、ステップ504で求めた変動量に相当するだけ内焦系レンズ53を駆動し、結像位置(フォーカス位置)を調整し、ステップ506で気圧及び結像位置(フォーカス位置)を主制御装置23のメモリにストアしておく。次いで、ステップ507に移行してレチクルアライメントを実行し、この後露光動作に移行する。
このようにレチクルアライメントマークRM1、RM2等の像の所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、許容量(所定値)以内か否かを判断して、内焦系レンズ53の位置を調整するようにした場合、必要最小限の位置調整で済み、レチクルアライメントセンサ22A、22Bにかかる負担を軽減することができる。また、スループット性を低下させずに済む。
前述した結像位置の調整作業は、RAAF計測で行う場合に比して手間と時間がかからず、スループット性を低下させずに済むが、さらにスループット性を低下させずに済むように、結像位置の調整作業を行うタイミングを工夫することも可能である。
図6ではウエハW上に形成された複数のショット領域についてのショットマップ情報に基づいて周囲環境状態の検出(測定)のタイミングを判断する場合を示している。具体的には、ウエハW上の複数のショット領域中の最終ショット付近で周囲環境状態の検出(測定)を行って、結像位置の調整を行う場合を示している。
先ず、ステップ601で現在露光処理を行っているショット領域を把握する。続いて、ステップ602で現在露光処理を行っているショット領域が最終ショット付近か否かを判断する。ウエハW上の複数のショット領域中の初めの部分や中間部分では、その後気圧等の周囲環境状態が変動すると、これらの時点で行った結像位置の調整作業が無駄となることがある。最終ショット付近である場合には、図4で示した場合と同じように、ステップ603でセンサ100により気圧を検出(測定)し、続いてステップ604でロット先頭やレチクル交換時に行った気圧の検出(測定)値との差である、気圧の変動量を算出する。この後、ステップ605で気圧変動量に相当する結像位置(フォーカス位置)の変動量を求める。次いで、ステップ606において、ステップ605で求めた変動量に相当する分だけ内焦系レンズ53を駆動し、結像位置(フォーカス位置)を調整し、この結像位置(フォーカス位置)を主制御装置23のメモリにストアしておく。次いで、ステップ607でレチクルアライメントを実行する。
次に、図7乃至図10を参照し、内焦系レンズ53を駆動する時間と落射ミラー28の挿入時間との対比に基づいて何時結像位置の調整作業(内焦系レンズ53の位置の調整作業)を行う方が効率良く行えるかを説明する。
図7及び図8では、内焦系レンズ53を駆動する時間が落射ミラー54の挿入時間に比して短い場合を示している。
図7では、所定間隔毎に行われるベースラインをチェックする時に行われるレチクルアライメントの場合を示している。すなわち、露光後、落射ミラー54の挿入時間内で内焦系レンズ53を駆動し、すなわち落射ミラー54の挿入動作と並行して内焦系レンズ53を駆動して、結像位置を調整し、落射ミラー54の挿入動作終了後に直ぐにレチクルアライメント(RA)計測が出来るようにしている。
図8では、レチクル交換時に行われるレチクルアライメントの場合を示している。すなわち、露光後、レチクル交換があった後、図7に示す場合と同様に、落射ミラー54の挿入動作と並行して内焦系レンズ53を駆動して、結像位置を調整し、落射ミラー28の挿入動作終了後に直ぐにレチクルアライメント(RA)計測が出来るようにしている。
図9及び図10では、内焦系レンズ53を駆動する時間が落射ミラー54の挿入時間に比して長い場合を示している。
図9では、所定間隔毎に行われるベースラインをチェックする時に行われるレチクルアライメントの場合を示している。すなわち、ウエハWの全ショット領域に対する露光動作の終了タイミング近傍から内焦系レンズ53の駆動を開始して、結像位置を調整し、落射ミラー54の挿入終了時に同時に結像位置の調整が終了し、落射ミラー54の挿入動作終了後に直ぐにレチクルアライメント(RA)計測が出来るようにしている。
図10では、レチクル交換時に行われるレチクルアライメントの場合を示している。すなわち、露光後、レチクル交換動作の終了タイミング近傍から内焦系レンズ53の駆動を開始して、結像位置を調整し、落射ミラー54の挿入終了時に同時に結像位置の調整が終了し、落射ミラー54の挿入動作終了後に直ぐにレチクルアライメント(RA)計測が出来るようにしている。
上記実施態様では周囲環境状態の検出(測定)対象として気圧を選択した場合したが、温度又は湿度を選択してもよく、また気圧、温度、湿度の3つを選択してもよい。CCD42X、42Yの受光面上における、レチクルアライメントマークRM1、RM2と基準マークFM1、FM2の像の所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXは、温度を選択した場合、温度の変動量をΔTとすると、ΔX≒−β・ΔT・θで表現することが出来る。βは単位温度変動あたりの結像位置(フォーカス位置)変動量を表す係数である。
また、湿度を選択した場合、湿度の変動量をΔHとすると、ΔX≒−γ・ΔH・θで表現することが出来る。γは単位湿度変動あたりの結像位置(フォーカス位置)変動量を表す係数である。
また、気圧、温度、湿度の3つの周囲環境状態の変動量を利用する場合には、
ΔX≒(α・ΔP−β・ΔT−γ・ΔH)・θで表現することが出来る。
また、上記実施態様では、ウエハW上の複数のショット領域中の最終ショット付近で結像位置の調整作業を行う場合と、落射ミラー54の挿入時やレチクル交換時にこれらの作業中或いはこれらの作業と並行する状態(両作業の期間が一部重複した状態)で行う場合を示したが、これに限定されず、例えば、可動ステージである、ウエハステージWSTの移動操作中あるいはこの移動操作と一部並行する状態で結像位置の調整を行うようにしてもよい。
次に、図11を参照して本発明の電子デバイスの製造方法の一実施態様について説明する。
本実施態様では、図1に示す露光装置10を使用して、ICやLSI等の半導体デバイス、液晶表示デバイス等の電子デバイスを製造する。
図11に示すように、まずステップ701(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ702(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したレチクル(マスク)を製作する。また、ステップ703(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ704(ウエハ処理ステップ)において、ステップ701乃至S703で準備したレチクルとウエハを、図1の露光装置10のレチクルステージRST、ウエハステージWSTに載置し、リソグラフィ技術によりウエハ上にレチクルのパターンを露光転写し、ウエハ上に実際の回路等を形成する。このステップ704において、図4乃至図10で示したようにRAAFレンズ30の結像位置を調整してレチクルアライメント(RA)を行う。次いで、ステップ705(デバイス組立ステップ)において、ステップ704で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップ705には、ダイシング工程、ボンディング工程及びパッケージ工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ706(検査ステップ)において、ステップ705で製造された電子デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。このような工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、出荷される。
本発明の露光装置の一実施形態を示す全体構成図である。 図1の露光装置に配置された結像光学系(レチクルアライメントセンサ)部分を示す拡大部分構成図である。 ロット先頭等で行われるRAAF計測、RA計測シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の露光方法の一実施態様を示すもので、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の位置の調整シーケンスを説明するフローチャートである。 本発明の露光方法の別の実施態様を示すもので、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の位置の調整シーケンスを説明するフローチャートである。 周囲環境状態を検出するタイミングを説明するフローチャートである。 調整光学系の位置の調整のタイミングを説明するタイムチャートである。 調整光学系の位置の調整のタイミングを説明するタイムチャートである。 調整光学系の位置の調整のタイミングを説明するタイムチャートである。 調整光学系の位置の調整のタイミングを説明するタイムチャートである。 本発明の電子デバイスの製造方法の一実施態様を示すフローチャートである。
符号の説明
10 露光装置
22A、22B レチクルアライメントセンサ(結像光学系)
23 主制御装置
54 落射ミラー(反射部材)
53 内焦系レンズ(調整光学系)
42X、42Yセンサ(受光素子)
100 ンサ(検出手段)
200 メモリ(記憶手段)
R レチクル(マスク)
RS レチクルステージ
W ウエハ(被露光基板)
WST ウエハステージ(可動ステージ)
RM1、RM2 レチクルアライメントマーク
FM1、FM2 基準マーク

Claims (11)

  1. マスク上に形成されたパターンを照明して被露光基板上に転写する露光方法において、
    計測照明光により前記マスク上に形成された位置合わせ用マークを照明し、該照明により該マークから得られたマーク像を、受光素子の受光面上に結像させる結像光学系の結像位置と、該結像光学系の結像位置の変動要因となる周囲環境状態との間の関係を示す関係情報を予め記憶し、
    前記周囲環境状態を検出し、
    前記検出された周囲環境状態と、前記関係情報とに基づいて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の、該調整光学系の光軸方向における位置を調整することを特徴とする露光方法。
  2. 前記マーク像の前記受光面上における所定の計測方向での計測位置の変動量ΔXが、前記周囲環境状態の変動によって所定値以上となる場合に、前記調整光学系の位置の調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記周囲環境が気圧を含み、
    前記計測位置の変動量ΔXが、前記気圧の変動量ΔP、係数α、前記結像光学系のテレセントリシティθとすると、
    ΔX=α・ΔP・θ
    で表されることを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記計測照明光を前記マスク上の前記マークに導くために該計測照明光の光路内に侵入可能であり、且つ該光路内から退出可能な反射部材を有し、
    前記調整光学系の位置の調整動作が、前記反射部材の進入動作又は退出動作と少なくとも一部期間並行して実行されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の露光方法。
  5. 前記調整光学系の位置の調整動作が、前記被露光基板が載置された可動ステージの移動動作と少なくとも一部期間並行して実行されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の露光方法。
  6. 前記周囲環境状態の検出が、前記被露光基板上に形成された複数の被露光領域の全ての領域に対する露光処理動作の終了タイミング近傍において実行されることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の露光方法。
  7. マスク上に形成されたパターンを照明して被露光基板上に転写する露光装置において、
    前記マスク上に形成され、計測照明光に照明された位置合わせ用のマークの像を、受光素子の受光面上に結像させる結像光学系と、
    前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系と、
    前記結像光学系の結像状態を変動せしめる要因となる周囲環境状態を検出する検出手段と、
    前記結像光学系の結像位置と前記周囲環境状態との関係を示す、関係情報を記憶する記憶手段と、を有し、
    前記関係情報と前記検出手段による前記周囲環境状態の検出結果とに基づいて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系の、該調整光学系の光軸方向における位置を調整することを特徴とする露光装置。
  8. 前記計測照明光を前記マスク上の前記マークに導くために該計測照明光の光路内に侵入可能であり、且つ該光路内から退出可能な反射部材を有し、
    前記調整光学系の位置調整動作が、前記反射部材の進入動作又は退出動作と少なくとも一部期間並行して実行されることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記調整光学系の位置調整動作が、前記被露光基板が載置された可動ステージの移動動作と少なくとも一部期間並行して実行されることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  10. 前記検出手段が、前記被露光基板上に形成された複数の被露光領域の全ての領域に対する露光処理動作の終了タイミング近傍において前記検出を実行することを特徴とする請求項7乃至9のうちの何れか一項に記載の露光装置。
  11. 照明光によりマスクを照明し、該マスクに形成されたパターンを基板ステージ上に搭載された被露光基板上に露光転写して電子デバイスを製造する方法において、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の露光方法により、前記マスクに形成されたパターンを前記被露光基板に露光転写することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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