JP2005195934A - 電子写真用カラートナー - Google Patents

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Abstract

【課題】環境安全性、発色性や透明性、耐久性が良好であると共に、低温定着性や流動性に優れ保管時の固着/凝集を解消できる、電子写真用カラートナーを提供する。
【解決手段】環状構造を持ったポリオレフィン樹脂を結着樹脂として含み少なくとも着色剤を混合してなるトナーであって、上記結着樹脂と着色剤との混合物に、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂をその含有量が、0.1〜5質量%となるよう内添して混練して得た組成物を粉砕および分級して製造されることを特徴とする。このシリコーン樹脂またはフッ素樹脂の内添が、固着/凝集を著しく防止し、低温定着性を満足させ、環境問題のないポリオレフィン樹脂使用のトナーの実用化を可能にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真用トナーに係り、特に環境安全性に優れるとともに、発色性や透明性、耐久性が良好で、低温定着性や流動性に優れ保管時の固着/凝集を解消できる、電子写真用カラートナーに関する。
電子写真方式による画像形成は、一般に、静電潜像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写後、定着することにより行われる。このような画像形成に用いるトナーは、通常、結着樹脂と着色剤とを混練して得られた組成物を粉砕し、分級することにより製造されている。また、定着性や離型性を向上させるためにワックス類を内添したり、ブロッキング(固着/凝集)防止や流動性向上を目的として、分級後に疎水性シリカ等の無機微粒子を外添して製造することが広く行われている。
トナーに用いる結着樹脂としては、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が使用されるが、近年の印刷物のカラー化や高速化、環境への負荷低減の観点から、発色性やOHP用紙に印字した場合の透明性はもとより高耐久性さらには低温定着性に優れたトナーの要求が高まり、それらに適した分子量分布の結着樹脂や低融点の離型剤の添加が種々検討されている。
上記結着樹脂の内、ポリエステル樹脂は、透明性を満足させるために低分子量化しても耐久性が高く、樹脂末端にカルボキシル基を有しているので顔料分散性も良好なことから、カラー画像形成用に多用される傾向となっている。また、離型剤として例えばポリエチレンワックス等が用いられている。しかしながら、ポリエステル樹脂の多くは、ビスフェノールAを含み、近年の環境安全性の観点から好ましくない報告もあり、これに代わる結着樹脂が求められている。
そこで、新規な樹脂の一つとして環状構造を持ったポリオレフィン樹脂をトナーの結着樹脂に用いることが提案されている。この先行技術において、環状構造を持ったポリオレフィン樹脂は、高安全性、無色透明、高防湿特性、高リサイクル性を有することから当該ポリオレフィン樹脂を用い且つ高分子量樹脂成分の含有量を結着樹脂全体中で50質量%未満とすることにより、定着性や透明性等に優れるカラートナーを提供できる、とされている(特許文献1参照)。
また、ポリオレフィン樹脂をトナーの結着樹脂として用いる場合に非オフセット温度幅が狭いという欠点に鑑み、低分子量樹脂成分を加えることで非オフセット温度幅を広くでき高速化にも十分な定着性を得られることも知られている(特許文献2参照)。
特開平9−101631号公報 特開2000−284528号公報
しかしながら、上記環状構造を持ったポリオレフィン樹脂は、ポリエステル樹脂の長所を引き継くことのできる結着樹脂として有望であるが、上記従来の技術のままでは実用上依然として解決すべき問題が存在した。
すなわち、環状構造を持ったポリオレフィン樹脂を結着樹脂として用いるに当たり、高分子量樹脂成分の割合が高いと所謂高温オフセットには効果があるものの、低温オフセット傾向や、OHPに印字した際の透明性が低いため、プロジェクターに出力すると発色のない画像となってしまい、低温定着に不向きである。
また、低温定着性や透明性を改善しようとして高分子量樹脂成分を減らしたり、逆に低分子量樹脂成分を増やしたりすると、定着時の溶融粘度が下がり、高温オフセット現象が発生してしまう不具合が依然存在する。更に、環状ポリオレフィン樹脂は摩擦係数が高く摺擦性が劣るため現像装置内において固着や融着等が生じ易く、また、流動性が劣る不具合があった。
本発明は、このような事情の下になされ、環境安全性、発色性や透明性、耐久性が良好であると共に、低温定着性や流動性に優れ保管時の固着/凝集を解消できる、電子写真用カラートナーを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の電子写真用カラートナーは、環状構造を持ったポリオレフィン樹脂を結着樹脂として含み少なくとも着色剤を混合してなるトナーを前提とする。本発明の電子写真用カラートナーにおいては、固着/凝集防止剤としてシリコーン樹脂またはフッ素樹脂を更に含有、より詳しくは内添することを特徴としている。このシリコーン樹脂またはフッ素樹脂の内添は、固着/凝集を著しく防止する。
また、本発明の電子写真用カラートナーにおいては、上記結着樹脂と着色剤との混合物に、上記シリコーン樹脂またはフッ素樹脂を内添して混練して得た組成物を粉砕および分級して製造される。
また、上記シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の含有量は、0.1〜5質量%であることが望ましい。
なお、本発明に係るトナーには、定着離型性向上のために、ポリエチレンワックスやカルナバワックス等の離型剤も好適に併用される。
また、公知の帯電制御剤を内添することもできる。帯電制御剤としては、例えば、正帯電性トナーを得るためには、四級アンモニウム塩やそれらの造塩化合物等が、負帯電性トナーを得るためにはサリチル酸あるいはアルキルサリチル酸の金属錯体や金属錯塩、硼素含有カリウム塩化合物等が好ましい。
更に、本発明の電子写真用カラートナーには、上記分級後、必要に応じてシリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物の外添剤が添加混合される。これらの無機酸化物は上記内添樹脂と協働して流動性向上剤として機能する。
本発明の電子写真用カラートナーは、次のような方法により製造される。まず、樹脂、着色剤、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等をヘンシェルミキサー等により均一に混合する。次いで、この混合物を、ニーダー、エクストルーダー、ロールミル等を用い、溶融混練する。
次に、混練物をハンマーミル、カッターミル等を用いて粗粉砕した後、ジェトミル、1式ミル等で微粉砕する。その後、微粉砕物をDS(分散式分級機)、ジクザグ分級機等により分級する。分級により得るトナーの平均粒径としては、3〜18μmが好適である。
この分級されたトナー粒子に対し、必要に応じてシリカ等を添加してヘンシェルミキサー等により均一に混合し、トナーが製造される。シリカは、シリコーンオイル等を用いて、表面が疎水化処理されたものであってもよい。
本発明によれば、環状構造を持ったポリオレフィン樹脂を結着樹脂として含み少なくとも着色剤を混合してなるトナーに、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂を更に含有させることにより、発色性や透明性、耐久性が良好で、且つ低温定着性や流動性に優れ保管時の固着/凝集を解消できる画像形成装置に好適なトナーが提供でき、環境問題のないポリオレフィン樹脂使用の電子写真用カラートナーの実用化が可能となる。
(実施形態)
以下、本発明の実施の形態を示し、本発明をより具体的に説明する。図1には、本発明により製造されたトナーを用いて画像形成を行う上で好適なカラー画像形成装置(プリンタ装置)の内部構成が模式的に示されている。先ず、同図を用いて本発明に係わるカラー画像形成装置の全体構成について説明する。
図1のプリンタ装置1の内部構成は、画像形成部2、両面印刷用搬送ユニット3、および給紙部4等で構成されている。ここで、画像形成部2は、4個の画像形成ユニット5〜8を並設した構成であり、同図の紙面右側から左側に向かってマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に配設されている。ここで、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の画像形成ユニット5〜7は、減法混色によりカラー印刷を行う構成であり、ブラック(K)の画像形成ユニット8は、モノクロ印刷用であり、単独でも使用できる構成となっている。
上記各画像形成ユニット5〜8は、それぞれドラムユニットDUとトナーユニット(現像装置)TUで構成され、トナーユニットTUの現像ホッパに収容されたトナーを除いて同じ構成である。画像形成ユニット5〜8のトナーユニットTUには、M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、ブラック(K)の各色トナー(非磁性一成分トナー)がそれぞれ収容されている。各色トナーはいずれも、本発明の方法により製造されたトナー特性に優れたカラートナーである。
そこで、本発明の現像装置を含む画像形成ユニット8を例にして、更に詳しく説明する。ドラムユニットDUには、感光体ドラム9、帯電器10a、クリーナ10e等が収容され、また、ドラムユニットDUの上方には印字ヘッド10bが配置されている。トナーユニットTUは、現像装置44内に現像ローラ10cや本発明の方法により製造されたトナーが収容され構成される。
感光体ドラム9は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成され、感光体ドラム9の周面近傍には、帯電器10a、印字ヘッド10b、現像ローラ10c、転写器10d、クリーナ10eが順次配設されている。感光体ドラム9は、矢印方向に回動し、まず、帯電器10aからの電荷付与により、感光体ドラム9の周面を一様に帯電する。そして、印字ヘッド10bからの印字情報に基づく光書き込みにより、感光体ドラム9の周面に静電潜像を形成し、現像ローラ10cによる現像処理によりトナー像を形成する。このようにして、感光体ドラム9の周面に形成されるトナー像は、感光体ドラム9の矢印方向の回動に伴って転写器10dの位置に達し、感光体ドラム9の真下を矢印方向に移動する用紙に転写される。
一方、用紙の搬送は、前述の給紙部4を構成する給紙カセット11、待機ローラ対12、搬送ベルト13、駆動ローラ14等で構成され、給紙コロ11aの回動により、給紙カセット11から搬出された用紙は、待機ローラ対12まで送られ、更に、トナー像に一致するタイミングで搬送ベルト13上に送られ、各転写器10dに達する。そして、各転写器10dにおいてトナー像が転写され、トナー像が転写された用紙は搬送ベルト13の移動に従って、搬送ベルト13上を矢印方向に移動し、定着ユニット15において熱定着処理が施される。
なお、上述の用紙は給紙カセット11から搬出される用紙のみならず、MPFトレイ16から供給される用紙も含まれ、この場合には、用紙は給紙コロ16aによって搬入され、前述の経路によって印刷処理が行われる。
また、上記定着ユニット15は、熱ローラ15a、プレスローラ15bおよびオイル塗布ローラ15c等で構成され、用紙が上述の熱ローラ15aとプレスローラ15bの間を挟持搬送される間、用紙に転写された例えば複数色のトナー像は溶融して用紙に熱定着する。また、オイル塗布ローラ15cは、熱ローラ15a周面に離型性オイルを塗布すると共に熱ローラ15aに残るトナーを除去する機能を有する。なお、本発明の方法により製造されたトナーを使用する場合、上記オイル塗布ローラ15cは必ずしも必要ではない。
定着ユニット15によってトナー像が定着された用紙は切換フラップ17を介して上方、又は、紙面左方向に搬送される。切換フラップ17は、通常、破線位置にあり、用紙は排紙ローラ対20を介して排紙部21へ案内される。
一方、両面印刷用搬送ユニット3は、装置本体に対して着脱自在に構成され、本例のプリンタ装置1によって両面印刷を行う際、装着するユニットであり、内部に複数の逆搬送ローラ対18a〜18eが配設されている。両面印刷の場合には、上記切換フラップ17によって一旦上方に用紙が送られ、例えば用紙の後端が搬送ローラ対19に達したとき、用紙の搬送を停止し、更に用紙を逆方向に搬送する。この制御によって、用紙は下方位置の両面印刷用搬送ユニット3の用紙搬送路に搬入され、逆搬送ローラ対18a〜18eによって用紙が逆方向に送られ、再度待機ローラ対12に達し、前述したように、トナー像と一致するタイミングで転写部に送られ、トナー像が用紙の裏面に転写される。
図2に図1のプリンタ装置1の外観斜視図を示す。図2においてプリンタ装置1は、装置本体上部22と装置本体下部23によって構成され、装置本体上部22には、操作パネル33が配設され、また、その上面には印字用紙の排出部21も形成されている。操作パネル33は、複数のキーが配設されたキー操作部33aと、後述する図3のCPU30から出力される表示情報に基づき表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部33bとで構成されている。また、排紙部21には、排紙ローラ対20の回動によって、各画像形成部にて作成された印刷用紙が出力され、排紙部21上に順次積載される。
また、装置本体下部23には、その前面に開閉可能なフロントカバー24が設けられている。このフロントカバー24は例えばジャム処理やメンテナンス時に開放される。
図3は、上記構成のプリンタ装置1における回路ブロック図である。図3において、回路ブロックは、インターフェイスコントローラ(以下I/Fコントローラという)26、プリンタコントローラ28、プリンタ印字部29、CPU30、ROM31、操作パネル33、EEPROM32で構成されている。I/Fコントローラ26は、ホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ27に展開する。フレームメモリ27は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)ごとに記憶エリアが設定され、対応するエリアに各色のデータが展開される。
フレームメモリ27に展開されたデータはプリンタコントローラ28に出力され、CPU30の制御に従ってプリンタ印字部29に出力される。このとき、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデータは、それぞれ対応する図1の印字ヘッド10bに供給される。
なお、ROM31には、本例のシステムプログラムが記憶され、CPU30は、このシステムプログラムに従って処理を行う。
次に、以上説明したプリンタ装置1の基本的な動作について説明する。まず、電源が投入され、使用する用紙の紙質、枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると、不図示の駆動機構により給紙コロ11aが一回転して、給紙カセット11に載置収容されている用紙を待機ロール対12方向へ給送する。待機ロール対12は、回転を一時停止して、一対のローラで形成される挟持部に用紙先端を当接させた状態で、搬送タイミングを待機する。
続いて、駆動ローラ14が反時計回り方向に回転し、従動ローラ14´が従動して、同じく反時計回り方向に回転する。これにより、搬送ベルト13は、上循環部が4個の感光体ドラム9に当接して、全体が反時計回り方向へ循環移動する。
これと共に、各ドラムユニットDUとトナーユニットTUが印字タイミングに合わせて順次駆動される。感光体ドラム9は時計回り方向に回転し、帯電器10aは、感光体ドラム9周面に一様な高マイナス電荷を付与し、印字ヘッド10bは、その感光体ドラム9周面に画像信号に応じて露光を行って、低電位部を形成する。
これにより、上記帯電器10aによる高マイナス電位部と、露光による低マイナス電位部からなる静電潜像が形成される。現像装置44の現像ローラ10cは、その静電潜像の低電位部にトナーを転移させて、感光体ドラム9周面上にトナー像を形成(反転現像)する。
最上流の感光体ドラム9の周面上のトナー像の先端が、搬送ベルト13との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に用紙の印字開始位置が一致するように、待機ローラ対12が回転を開始して、用紙を用紙搬入部へ給送する。用紙は、搬送ベルト13に吸着され、感光体ドラム9と転写器10dにより形成されている最初の転送部へ搬送される。
転写器10dは、転写バイアス電源から出力される転写電流を搬送ベルト13を介して用紙に印加する。この転写器から印加される転写電流により、感光体ドラム9上のM(マゼンタ)のトナー像が用紙に転写される。続いて、上流から2番目の転写部においてC(シアン)のトナー像が転写され、更に上流から3番目の転写部においてY(イエロー)のトナー像が転写される。そして、上流から4番目(すなわち、最下流)の転写部においてK(ブラック)のトナー像が順次転写される。
このようにして、4色のトナー像を転写された用紙は、搬送ベルト13から分離して定着ユニット15に搬入される。定着ユニット15は、トナー像を用紙に熱定着させる。この画像定着後、用紙は、例えば排紙ローラ対20によって上部の排紙部21上にトナー像を下にして排出される。
本発明に係わるプリンタ装置1は、4つの画像形成部が作動されてフルカラー画像を形成するためのフルカラーモードと、1つの画像形成部のみ作動されるモノクロモードを備えている。なお、上記M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)の3つの画像形成部を作動させてフルカラーモードを構成することもできる。
以上のように動作するプリンタ装置1において、上記各現像装置44は、感光体ドラム9上に安定したトナー像を形成するために、以下のような構成とされている。
図4は、本発明の現像装置44の主要部を模式的に示す側断面図である。同図に示す現像装置44は、プリンタ装置1に着脱自在であり、ドラムユニットDUと共に1つの画像形成ユニット8を構成するトナーユニットTUとされている。現像装置44は、ホッパ61を備え、そのホッパ61の下部開口に導電性ゴムローラからなる現像ローラ10cを回転可能に保持し、ホッパ61の内部には、トナー62を収容し、このトナー62に埋没するように配設されトナーを攪拌する攪拌部材63を備えている。
また、現像装置44の最下部には、スポンジ体から成る供給ローラ64が現像ローラ10cに圧接して配置されている。現像ローラ10cには、その斜め右上周面に圧接して金属製の板バネ状のドクターブレード65が配設され、下部周面に当接してスクイシート(導電性規制シート)66が配設されている。このスクイシート66には、バイアス電源71を含む導電性規制シートバイアス手段が設けられている。ドクターブレード65の両側部には、ホッパ61開口部の内部と外部を隔絶してトナー62の漏出を防止するための封止部材67が配設されている。
上記現像ローラ10cは、芯金とこの芯金を取り巻く円筒状の半導電性(106Ωcm)のウレタンゴムとで構成され、芯金にはバイアス電源68から「略−250V」の現像バイアスが印加される。また、供給ローラ64は、芯金とこの芯金を取り巻く円筒状の半導電性(106Ωcm)のウレタンスポンジとで構成され、芯金にはバイアス電源69から「略−500V」の供給バイアスが印加される。
ドクターブレード65は弾性金属板で形成され、このドクターブレード65にも上記バイアス電源69から「略−500V」のドクターバイアスが印加される。また、供給ローラ64の上流側に位置するスクイシート66が導電性部材(103Ωcm)で構成され、これに0V(0ボルト)〜上記現像バイアス電圧までの範囲のシートバイアス電圧がバイアス電源71により印加されるよう構成されている。
スクイシート66を導電性部材で構成して、これに0Vから上記現像バイアス電圧までの範囲のシートバイアス電圧を印加すると現像ローラ10c上に付着するトナー62の電荷を減少させることができる。これにより、供給ローラ64による弱い摺擦力によっても、容易に現像ローラ10c上に付着して戻ってきた非現像部分のトナーを掻き取ることができる。
このように、本発明に係わる現像装置44では、弾性ゴムからなる現像ローラ10cを感光体ドラム9の表面に圧接させる接触現像(ローラ)方式を採用している。そして、上記のような装置構成により非磁性一成分トナーによる高速且つ高品質の現像が得られている。
ところで、現像装置44のホッパ61内に収容されるトナー62の特性によって、ホッパ61内においてトナーの固着/凝集等の不具合が発生することがある。本発明が前提とする結着樹脂に使用する環状ポリオレフィン樹脂は、上述のように摩擦係数が高く摺擦性が劣るため現像装置44のホッパ61内において固着や融着等が生じ易く、また、流動性が劣る不具合があった。
そこで、本発明者らは上記固着や融着の問題の無いトナーを得るべく鋭意検討した結果、特定の樹脂成分としてシリコーン樹脂とフッ素樹脂を内添することにより、上記問題点を解消できることを見出した。このメカニズムは不明であるが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂の持つ非粘着性、低摩擦係数、撥水・撥油性が環状ポリオレフィン樹脂との組み合わせにおいて好適に作用したものと思われる。
以下、本発明の実施の形態において、本発明の電子写真用カラートナーを製造する実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
<実施例1>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)72.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例2>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)69.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例3>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)69.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、離型剤(三井化学社製ポリプロピレンワックス「NP056」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例4>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)72.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル R910」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例5>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)72.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(喜多村社製PTFE粒子「KTL−500F」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例6>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)71.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(喜多村社製PTFE粒子「KTL−500F」)2.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例7>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)71.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(喜多村社製PTFE粒子「KTL−500F」)2.0質量%、離型剤(加藤洋行社輸入品「カルナバワックス1号粉末」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<実施例8>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)72.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、固着/凝集防止剤(セイシン企業社製PTFE粒子「TFW−3000F」)2.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<比較例1>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)73.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)22.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<比較例2>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)70.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<比較例3>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)70.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、離型剤(三井化学社製ポリプロピレンワックス「NP056」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
<比較例4>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)70.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)21.0質量%、着色剤(C.Iピグメントレッド57:1)4.0質量%、離型剤(加藤洋行社輸入品「カルナバワックス1号粉末」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、マゼンタ色トナーを得た。
次に、以上の実施例1〜8および比較例1〜4により得られた各トナーについて、以下の固着/凝集/流動性評価試験、低温定着性評価試験の方法に基いて各評価を行った結果、実施例1〜8において良好な結果が得られた。
<固着/凝集/流動性評価試験>
得られた各トナーサンプルを、それぞれ、定量して専用トナーカートリッジに充填した後、図1のプリンタ装置1(カシオ計算機製プリンタ装置:カラーページプレストN5:A4横29枚/分機)にトナーユニットTU(本例ではマゼンタトナーを例としているので、画像形成ユニット5のトナーユニットTU)としてセットした。なお、プリンタ装置1のプロセス速度は129.3mm/sec、定着温度は180℃に設定されている。
そして、通常環境(25℃、50%RH)において、印字率5%にて10,000枚印字した。次に、10000枚印字後のトナーユニットTU内の残留トナー50gを秤量し、目開き50μmの篩を通して吸引し、篩上の残分を測定して固着/凝集物量とした。
(評価基準)
◎:固着/凝集物量が0.1g以下で、実用上非常に良好である。
○:固着/凝集物量が0.1〜1.0gで、実用上問題ない。
×:固着/凝集物量が1.0g以上で、実用上問題がある。
<低温定着性評価試験>
上記プリンタ装置1の定着ユニット15において、定着温度を130〜180℃の範囲で10℃毎に可変できるように改造した。また、本試験において、オフセットが発生し易いように定着ユニット15のオイル塗布ローラ15cは取り外した。
そして、得られた各トナーサンプルを、上記同様、それぞれ定量してトナーユニットTUに充填した後、130℃から180℃まで10℃毎昇温させた各設定温度にてそれぞれ印字を行い、未定着画像が定着ユニット15で定着される際の非オフセット領域を測定して低温定着特性とした。
印字は通常環境(25℃、50%RH)にて、普通用紙(ゼロックス社製:L紙A4サイズ:質量64g/m2)上に一定の印字パターンを印字するようにし、得られた画像を観察すると共に定着ユニット15の熱ローラ15a、プレスローラ15bを観察し評価基準とした。
(評価基準)
◎:定着設定温度130℃でも問題なく定着していて、且つ非オフセット領域が30℃以上であり、低温設定において実用上非常に良好である。
○:定着設定温度130℃でも問題なく定着していて、且つ非オフセット領域が20〜30℃であり、低温設定において実用上問題ない。
×:定着設定温度130℃で定着しない。または、非オフセット領域が20℃以下であり、低温設定において実用上問題がある。
表1に評価結果を纏めて示す。なお、表1中では、環状ポリオレフィン樹脂をCOC樹脂と略記してある。
Figure 2005195934
表1から、実施例1〜8のトナーは、固着/凝集防止剤として本発明のシリコーン樹脂またはフッ素樹脂を2質量%内添したものであるが、いずれも固着/凝集物量が極めて少なく低温定着性においても良好な結果を示しているのが判る。また、実施例1と4、実施例5と8は、それぞれシリコーン樹脂またはフッ素樹脂の種類(銘柄)を替えた例であるが、その違いは認められなかった。
これらの結果に対して、比較例1〜4は、本発明のシリコーン樹脂またはフッ素樹脂を内添させていないために実用上問題の有る結果となっている。
ところで、実施例1〜8および比較例1〜4のうち、離型剤を含有させていない実施例1、4、5、8および比較例1のグループと、離型剤を含有させた実施例2、3、6、7および比較例2、3、4のグループとでは、固着/凝集物量と定着性評価で相関関係が見られている。すなわち、離型剤の添加は定着時のオフセット防止に効果があり、一方で固着/凝集物量を増加させる傾向に有る事がわかる。
従って、本発明のシリコーン樹脂またはフッ素樹脂の内添をベースに、適量の離型剤の添加が最も好ましいと考えられる。
なお、上記実施例1〜8では、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の内添量を2質量%としたものを例示したが、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の内添量としては、種々の追試の結果、0.1質量%程度から効果が確認され、5質量%程度まで増量しても問題はないことが判明している。5質量%を超える添加は結着樹脂である環状ポリオレフィン樹脂との相溶性(元々完全に溶け合っているわけではない)が著しく低下し、トナーの帯電性等の特性にも影響が見られてくる。従って、好ましくは0.1〜5質量%が臨界量と考えられた。
ところで、上記実施例1〜8では、いずれもマゼンタ色トナーについて説明したが、実際のカラー画像形成においては少なくとも三原色のカラートナーを使用する。従って、他の色のトナーについても本発明が適用されることが必要である。
そこで、着色剤の影響と、実際にカラー画像形成を行う上で必要な他の着色剤についても本発明の効果を確認すべく実験を行った結果を別実施例として以下に説明する。なお、この別実施例では、例えば上記実施例2をベースに、着色剤のみ変更している。
<別実施例1>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)69.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントブルー15:3)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、シアン色トナーを得た。
<別実施例2>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)69.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(C.Iピグメントイエロー17)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、イエロー色トナーを得た。
<別実施例3>
結着樹脂A(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TM」:Mw=6,500、Mw/Mn=2)69.0質量%、結着樹脂B(ティコナ社製環状ポリオレフィン樹脂「TB−15」、Mw=140,000、Mw/Mn=28)20.0質量%、着色剤(カーボンブラック)4.0質量%、固着/凝集防止剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シリコーン粒子「トレフィル E600」)2.0質量%、離型剤(クラリアント・ジャパン社製ポリエチレンワックス「Ceridust 3620」)4.0質量%、帯電制御剤(オリエント化学社製サルチル酸金属錯体「E−84」)1.0質量%をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて混合し、二軸連続混練機により溶融混練した。その後、冷却し、衝突板式粉砕機にて粉砕分級して、質量平均粒径約9μmの着色微粒子を得た。次いで、この着色微粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル社製シリカ「R972」)1質量部を、ヘンシェルミキサで混合し、ブラック色トナーを得た。
次に、以上の別実施例1〜3により得られた各色トナーについて、上述の試験方法に基いて印字を行った結果、いずれも上記評価項目で良好な結果が得られた。そこで、最後に、上記実施例2のマゼンタトナーと上記別実施例1〜3の各色トナーを図1のプリンタ装置1の各トナーユニットTU(画像形成ユニット5〜8)に充填して各トナーユニットTUをセットし、種々の画像率のフルカラー画像を10,000枚印字したところ、良好なカラー画像出力が得られた。
本発明に係わるプリンタ装置の内部構成を模式的に示す図である。 本発明に係わるプリンタ装置の外観斜視図である。 本発明に係わるプリンタ装置の回路ブロック図である。 本発明に係わるプリンタ装置の現像装置の主要部を模式的に示す図である。
符号の説明
1 プリンタ装置
2 画像形成部
3 両面印刷用搬送ユニット
4 給紙部
5〜8 画像形成ユニット
9 感光体ドラム
10a 帯電器
10b 印字ヘッド
10c 現像ローラ
10d 転写器
10e クリーナ
11 給紙カセット
11a 給紙コロ
12 待機ローラ対
13 搬送ベルト
14 駆動ローラ
14´ 従動ローラ
15 定着ユニット
15a 熱ローラ
15b プレスローラ
15c オイル塗布ローラ
16 MPFトレイ
16a 給紙コロ
17 切換フラップ
18a〜18e 逆搬送ローラ対
19 搬送ローラ対
20 排紙ローラ対
21 排紙部
22 装置本体上部
23 装置本体下部
24 フロントカバー
26 I/Fコントローラ
27 フレームメモリ
28 プリンタコントローラ
29 プリンタ印字部
30 CPU
31 ROM
32 EEPROM
33 操作パネル
33a キー操作部
33b 表示部
44 現像装置
61 ホッパ
62 トナー
63 攪拌部材
64 供給ローラ
65 ドクターブレード
66 スクイシート
67 封止部材
68 バイアス電源
69 バイアス電源
71 バイアス電源

Claims (3)

  1. 環状構造を持ったポリオレフィン樹脂を結着樹脂として含み少なくとも着色剤を混合してなるトナーであって、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂を更に含有することを特徴とする電子写真用カラートナー。
  2. 前記結着樹脂と着色剤との混合物に、前記シリコーン樹脂またはフッ素樹脂を内添して混練して得た組成物を粉砕および分級して製造されたことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用カラートナー。
  3. 前記シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の含有量が、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用カラートナー。
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