JP2005195637A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クリーンルーム用吸音材として好適である、発塵が少なく、複雑な凹凸形状の成形加工性や騒音遮蔽用部材等との密着性が良好で、防音性に優れると共に、安全性、経済性及びリサイクル性に優れた吸音材、及び、難燃剤を含有させることなく、構成繊維溶融時の液状溶融物の液だれ(ドリップ)がなく、低収縮性で、良好な難燃性と吸音性を有する難燃性吸音材を提供する。
【解決手段】 有機繊維不織布の少なくとも片面に、JIS B 9923に基づいて測定される0.3μm以上の発塵数が500個以下である無塵紙を積層してなる吸音材。熱可塑性短繊維からなる不織布を用いることにより、発塵が少なく、軽量で、吸音性、耐久性等に優れた吸音材を提供できる。また、熱可塑性短繊維及びLOI値が25以上の耐熱性短繊維からなる不織布を用いることにより、上記効果に加え難燃性で安全性の高い吸音材を提供できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クリーンルームに設置されるドライ真空ポンプや油圧式真空ポンプ等の騒音発生源の騒音対策に好適に用いられる吸音材に関する。
従来より、電化製品、建築用内装材、自動車、車両などにおける騒音対策として吸音材が用いられている。近年、半導体産業、精密機械工業、写真工業、医薬品産業、食品産業においては、塵や細菌の少ない環境に保たれたクリーンルームにおいて作業が行われているが、このクリーンルームは仕切られた空間であるため、クリーンルーム内で使用される真空ポンプ等の設備機器の騒音対策が問題となっている。
吸音材は、吸音性が良好であることは勿論、火災発生時の延焼防止など防災上の理由から難燃性に優れたものが好ましく、また、吸音材を取り付けた機械装置や部材パネル等の軽量化を図るために軽量な素材で構成され、かつ、廃棄処分時のリサイクル性に優れたものが要求されている。
従って、軽量である点より、不織布を用いた吸音材が多数提案されている。例えば、特開2001−205725号公報には、目付(面密度)が100〜500g/mのポリエステル短繊維不織布の片側一面に、繊度が1.1デシテックス以下で、面密度が20〜100g/mのポリプロピレン製メルトブロー不織布をニードルパンチ法で積層した吸音不織布が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ポリプロピレン製メルトブロー不織布は引張強度が低く、伸縮性が乏しいため、機械装置や部材パネルの形状に十分に密着させて貼り合わせることが出来ず(加工性不良)、遮音・吸音効果が劣る。さらに、文献1記載の吸音材をクリーンルームに用いた場合は、ポンプの振動により発塵数が増える問題点がある。
特開2001−205725号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、発塵が少なく、複雑な凹凸形状の成形加工性、騒音遮蔽用部材等との密着性が良好で、防音性に優れると共に、経済性及びリサイクル性に優れた吸音材を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の特性に加え、難燃剤を含有させることなく、構成繊維溶融時の液状溶融物の液だれ(ドリップ)がなく、低収縮性で、良好な難燃性と安全性を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、不織布に無塵紙を積層することにより、吸音材からの発塵が極端に少なく、しかも驚くべきことに、表皮材として不織布を積層した従来型の吸音材に比べて極めて良好な吸音性が得られ、また、加工性、密着性も良好であることを見出し、本発明を完成するに到った。更には上記の不織布として、熱可塑性繊維に難燃性かつ高融点の有機繊維を混綿したウエブに、ニードルパンチング処理又はウォータージェットパンチング処理を施して接着又は熱融着に拠らずに交絡させて両繊維を一体化してなる不織布を適用することにより、良好な成形加工性と吸音性を有するとともに、火炎が速やかに消失する難燃性の吸音材が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、有機繊維不織布の少なくとも片面に、JIS B 9923に基づいて測定される0.3μm以上の発塵数が500個以下である無塵紙を積層してなることを特徴とする吸音材を提供する。
上記の吸音材においては、前記無塵紙が、JIS L 1096に基づいて測定される通気量が10cc/cm・sec以下であることが好ましい。前記無塵紙が、アラミドペーパーであることがより好ましい。
また、本発明の吸音材は、前記不織布が熱可塑性短繊維からなることを特徴とする。これにより、軽量で、吸音性、成形加工性、密着性、リサイクル性、経済性に優れた吸音材を提供することができる。
また、本発明の吸音材は、前記不織布が熱可塑性短繊維及びLOI値が25以上の耐熱性短繊維からなることを特徴とする。これにより、軽量で、吸音性、成形加工性、密着性に優れると共に、油圧ポンプの防音壁として使用した際にも安全な難燃性吸音材を提供することができる。前記耐熱性短繊維がアラミド繊維であることが好ましい。
また、本発明の吸音材は、高い吸音率を得るためには、前記無塵紙を有機繊維不織布と部分的に接着するように積層してなるものが良い。
以上説明した通り、本発明によれば、発塵が少なく、軽量で、吸音性に優れると共に、成形加工性、騒音遮蔽用部材との密着性、リサイクル性、経済性に優れ、特にクリーンルーム用吸音材として好適な吸音材を提供することができる。また、表皮に使用されている繊維の強度が大きく、繊維相互のバインダーによって強固に接合されているため、振動などの外力がかかっても表皮の単繊維が切れたりはずれたりすることが無く、長期間の使用に耐えやすい、耐久性に優れた吸音材となる。
また、熱可塑性短繊維及び耐熱性短繊維からなる不織布を用いることにより、発塵が少なく、軽量で、吸音性、耐久性、成形加工性、騒音遮蔽用部材との密着性、リサイクル性に優れると共に、構成繊維溶融時の液状溶融物の液だれ(ドリップ)がなく、低収縮性で、燃焼時に有毒ガス発生のおそれのない、難燃性かつ安全性の高い、特にクリーンルーム用吸音材として好適な吸音材を提供することができる。
本発明の吸音材は、有機繊維不織布の少なくとも片面に、JIS B 9923に基づいて測定される0.3μm以上の発塵数が500個以下である無塵紙を積層してなるものである。かかる有機繊維不織布としては、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれであってもよく、例えば、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布などが挙げられる。
本発明において、不織布を構成する有機繊維は、耐久性の点から合成繊維が好ましく使用される。かかる繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の熱可塑性繊維を挙げることができ、前記繊維素材を例えば湿式紡糸、乾式紡糸又は溶融紡糸等の公知の方法に従って製造したものを使用することができる。中でも、耐久性、耐摩耗性に優れる点から、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維が好ましく、これらの繊維は単独で、又は任意の割合で混合して使用することができる。特に、廃不織布の熱溶融により原料ポリエステルを容易にリサイクル使用することが可能で、経済性に優れ、不織布の風合いも良く、成形加工性に優れる点より、ポリエステル繊維が最も好ましい。これらの熱可塑性繊維は、一部または全部が反毛(回収再生繊維)であってもよい。
上記のポリエステル繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするジカルボン酸とグリコールからなるポリエステル繊維をいい、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。上記ジカルボン酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、また、上記のグリコール成分の一部を、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびポリアルキレングリコールなどに置き換えてもよい。このポリエステルには、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来からある抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤などが添加されていてもよい。
熱可塑性繊維の繊維長及び繊度は、特に限定されず、他の合成繊維との相性や難燃性不織布の用途により適宜決定することができるが、繊維長は10mm以上が好ましい。フィラメントでもステープルでもよいが、ステープルの場合は、繊維長10〜100mmが好ましく、特に20〜80mmが好ましい。繊維長10mm以上の短繊維を使用することにより、交絡させた短繊維が不織布から脱落しにくくなる。一方、繊維長が長い程吸音性は良好となるが、カードからの紡出性や難燃性が劣る傾向にあることより100mm以下とすることが好ましい。繊度は0.5〜30dtex、特に1.0〜10dtexのものが好適に用いられる。
前記熱可塑性短繊維は、それぞれ単独で又は二種以上を混合して用いることができる。同種又は異種の繊維で、繊度や繊維長の異なる熱可塑性短繊維を混合して用いることもできる。この場合、繊維の混合比は任意であり、不織布の用途や目的に合せて適宜決定することができる。
難燃性に優れた不織布とするためには、上記の熱可塑性短繊維に耐熱性短繊維を混合し交絡させて一体化させることが好ましい。この耐熱性短繊維は、LOI値(限界酸素指数)が25以上であり、難燃レーヨン繊維や難燃ビニロン繊維、モダクリル繊維などのように難燃剤を添加して難燃化した繊維は含まれない。ここで、LOI値は5cm以上継続して燃えるのに必要な最低酸素濃度を意味するが、LOI値はJIS L 1091法により測定される値である。耐熱性繊維のLOI値が25以上あれば不織布に難燃性を付与できるが、より難燃性に優れた不織布にするためにはLOI値が28以上であることが望ましい。
本発明で用いられる耐熱性短繊維は、不織布が燃焼した際に溶融収縮しない低収縮性の繊維である点で優れている。その280℃における乾熱収縮率が1%以下であることが望ましい。耐熱性繊維の具体例としては、例えば、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリベンズチアゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリアリレート繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維及び耐炎化繊維から選ばれた一種又は二種以上の有機繊維を挙げることができる。これらの繊維は、従来公知のものや、公知の方法又はそれに準ずる方法に従って製造したものを全て使用することができる。ここで、耐炎化繊維は、主としてアクリル繊維を空気などの活性雰囲気中で200〜500℃で焼成して製造されるもので、炭素繊維の前駆体である。例えば、旭化成社製造の商品名「ラスタン」、東邦テナックス社製造の商品名「パイロメックス」などを挙げることができる。
上記の有機繊維の中でも、低収縮性及び加工性の点から、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリアリレート繊維及び耐炎化繊維から選ばれる少なくとも一種の有機繊維が好ましく、特にアラミド繊維が好ましい。
アラミド繊維には、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維とがあるが、加熱収縮が少ない点よりパラ系アラミド繊維が特に好ましい。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン株式会社、東レ・デュポン株式会社製、商品名「KEVLAR」(登録商標))、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名「テクノーラ」(登録商標))等の市販品を用いることができる。
上記のアラミド繊維は、その繊維表面および繊維内部にフィルムフォーマ、シランカップリング剤および界面活性剤が付与されていてもよい。これらの表面処理剤のアラミド繊維に対する固形分付着量は、0.01〜20質量%の範囲であることが望ましい。
上記の耐熱性短繊維における繊維長及び繊度は、特に限定されず、熱可塑性繊維との相性や難燃性不織布の用途により適宜決定することができる。繊度は0.5〜30dtexが好ましく、特に1.0〜10dtexのものが好適に用いられる。本発明で使用する不織布の難燃化メカニズムは明らかではないが、熱可塑性繊維と交絡させた耐熱性繊維が熱可塑性繊維の燃焼を遮断する役割を有すると考えられる。従って、繊維長は特に限定されないが、難燃性及び生産性等を考慮すると繊維長20〜100mm、特に40〜80mmの短繊維であることが好ましい。
前記の耐熱性短繊維は、それぞれ単独で又は二種以上を混合して用いることができる。同種又は異種の繊維で、繊度や繊維長の異なる繊維を混合して用いることもできる。この場合、繊維の混合比は任意であり、不織布の用途や目的に合せて適宜決定することができる。
不織布を構成する熱可塑性短繊維及び耐熱性短繊維は、熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維=95/5〜55/45(質量比)の比率で用いるのがよい。前記の比率が95/5を超える場合は、不織布の難燃性が不十分となり、液ダレ(ドリップ)が生じ易くなる。つまり、耐熱性繊維をウエブ中に5質量%以上含有させて熱可塑性繊維と交絡させることにより、熱可塑性繊維の燃焼及び溶融を防止することができる。一方、前記の比率が55/45未満の場合は、難燃性は良好であるが、不織布を所望のサイズに加工する際の加工性が不良となり、経済性にも劣る。難燃性及び加工性の点より、熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維の比率(質量比)は、より好ましくは88/12〜65/35、さらに好ましくは85/15〜65/35であることが望ましい。
本発明において、不織布の耐摩耗性および吸音特性を向上させるためには、熱可塑性繊維中に細デニールの熱可塑性短繊維を含有させることが好ましい。細デニールの熱可塑性繊維としては、前述のポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、線状低密度ポリエチレン繊維、エチレン−酢酸ビニル共重合体繊維等から選ばれる一種又は二種以上の繊維を挙げることができる。
細デニールの熱可塑性繊維の繊度は、通常、0.0001〜5.0dtexのものを使用するが、好ましくは0.5〜6.6detx、特に1.1〜3.3dtexであることが好ましい。繊度が細すぎると加工性が悪くなり、太すぎると吸音特性が低下する。また、繊維長は特に限定されず、耐熱性繊維との相性や難燃性不織布の用途により適宜決定することができるが、通常、10〜100mm、特に20〜80mmの短繊維であることが好ましい。
ウエブ中に細デニール繊維を配合する場合、少なすぎると配合効果が得られず、多すぎると不織布の難燃性を損なうおそれがあるため、熱可塑性繊維全量に対して30〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%とすることが望ましい。
本発明において、不織布の目付は150〜800g/mであることが好ましい。目付が小さすぎるとウエブ層の形態保持性が不良となり、目付が大きすぎると繊維の交絡に要するエネルギーが大きくなり、あるいは交絡が不十分となり不織布加工時に変形するなどの不都合が生じる。
なお、ウエブは、従来と同様のウエブ形成装置を用いて、従来のウエブ形成方法に従って作製することができる。例えば、混綿された熱可塑性短繊維と耐熱性短繊維とをカード機を用いて開繊された後に、ウエブに形成される。
本発明において好ましく使用される不織布は、熱可塑性短繊維又は熱可塑性繊維と耐熱性短繊維とを混合して得られた繊維ウエブを、ニードルパンチ又はウォータージェットパンチによって交絡させて一体化することにより得られる。パンチング処理を施すことにより、ウエブの繊維を交絡させて不織布の耐摩耗性を向上させることができる。この方法によれば、繊維中のウエブ同士を化学的に接着しないため、使用後の吸音材を回収し、必要に応じて洗浄等をした後、交絡した繊維を解きほぐすだけで容易にリサイクル使用することができる。
ニードルパンチング処理は、ウエブの片面又は両面処理のいずれでもよい。パンチング密度は、少なすぎると不織布の耐摩耗性が不十分となり、多すぎると嵩高度が低下し、不織布中の空気体積率の低下により断熱効果や吸音効果が損なわれるため、好ましくは50〜300回/cm、より好ましくは50〜100回/cmであることが望ましい。
本発明において、ニードルパンチングは、従来と同様のニードルパンチング装置を用いて、従来のニードルパンチング方法に従って行うことができる。
また、ウォータージェットパンチング処理は、例えば孔径が0.05〜2.0mmの噴射孔を、孔間隔0.3〜10mmで一列あるいは複数列に多数配列した装置を用いて、噴射圧力を90〜250kg/cm Gとして高圧水流を噴射させるウォータージェットパンチング装置を用いて、従来のウォータージェットパンチング方法に従って行うことができる。噴射孔とウエブとの距離は、1〜10cm程度とするのがよい。
ニードルパンチング又はウォータージェットパンチングの後、従来と同様に乾燥し、必要に応じてヒートセットすることにより、不織布を得ることができる。
短繊維不織布は、その嵩高度が小さすぎると難燃性、断熱性及び吸音性が低下し、大きすぎても難燃性が低下し、耐摩耗性及び加工性が低下するため、0.01〜0.2g/cmの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.1g/cm、さらに好ましくは0.02〜0.08g/cmであり、特に0.02〜0.05g/cmの範囲であることが望ましい。このように、不織布の嵩高度を制御することによって、不織布中の空気(酸素)の割合が一定範囲内に制御されることで、不織布に優れた難燃性、断熱性及び吸音性が付与される。
本発明において不織布の厚みは、厚いほど吸音性が良くなるが、経済性、扱い易さ、吸音材としてのスペース確保等の点から、好ましくは2〜100mm、より好ましくは3〜50mm、更に好ましくは5〜30mmのものが使用される。
次に、上記の不織布に積層する無塵紙としては、JIS B 9923に基づいて測定される0.3μm以上の発塵数が500個以下のものであれば、制限なく用いることができる。クリーンルーム内における発塵を低減するためには、上記の発塵数は100個以下であることが好ましく、より好ましくは50個以下であるのがよい。より優れた吸音性を得るためには、無塵紙の通気量が10cc/cm・sec以下であることが好ましい。より好ましくは通気量が5cc/cm・sec以下、特に好ましくは通気量が2cc/cm・sec以下であるのがよい。なお、通気量は、JIS L 1096に基づいて測定される値である。
無塵紙の形態は、紙、フィルム、不織布(乾式および湿式)など種々の形態であってよい。紙タイプの無塵紙としては、NBKP、LBKP等の天然パルプを原料とし、必要に応じて填料を使用した通常の紙に、合成樹脂エマルジョン等の樹脂で繊維を固着させた含浸紙等を挙げることができる。このような無塵紙としては、市販の無塵紙、例えば、商品名「OKクリーンペーパー」(富士製紙社製)をそのまま用いることもできる。
フィルムタイプの無塵紙は、ポリプロピレン樹脂等の主原料に無機質充填剤および添加剤を混合した原料を、押出機により溶融押出して縦方向に延伸して基層を形成した後、2台のラミ層用押出機から溶融押出して基層の表裏両面にラミネートして3層構造とし、横方向に延伸する方法などにより得られる。
不織布タイプの無塵紙は、構成繊維がステープル、フィラメントのいずれでもよく、製造コスト、強度特性の観点から、ポリエチレンやポリエステル等の熱可塑性長繊維で構成された不織布も好ましく使用される。特にスパンボンド製法により、繊維相互が部分的に接着されたサーマルボンド製布方法によるものが、吸音性の点で好ましい。このような不織布としては、市販の不織布、例えば、商品名「アクスター」(東レ社製)をそのまま用いることもできる。また、チョップドファイバー、パルプやステープルなどを抄紙してなるペーパーやフェルトなど、短繊維からなる湿式不織布も好ましく使用される。このような不織布としては、市販の不織布、例えば、商品名「KEVLER100%ペーパー」(王子製紙社製)をそのまま用いることもできる。
上記した無塵紙の中でも、吸音特性が良く塵発生が少ないことから、紙または湿式不織布タイプの無塵紙が好ましく、特に湿式不織布タイプの無塵紙が好ましい。湿式不織布タイプの無塵紙としては、耐久性が良く、難燃性に優れる点より、アラミド繊維を原料としたアラミドペーパーが好適に用いられる。
無塵紙の厚さは、薄いものが良く、好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは0.05〜1mm程度のものがよい。厚さが0.01mm未満の場合は、吸音性が低下する傾向があり、厚さが2mmを超える場合は、成形加工性、密着性が低下する。無塵紙重量は、軽い方がよいが、強力の点から、好ましくは坪量(目付)が20〜400g/m、より好ましくは50〜300g/m程度のものを使用するのがよい。
無塵紙と不織布との積層は、非接着状態でもよいが、非接着状態では発塵のおそれ、使用中の剥がれ、取り扱い難さ等の問題があるため、結合したものが好ましい。結合方法としては、融着、縫合、接着剤による接着、さらには熱エンボス、超音波接着、接着樹脂によるシンター接着、熱接着シートによる接着、ウエルダーによる接着などの汎用の方法により結合、積層したものが使用される。なかでも、吸音材の吸音率を低下させない点より、熱溶融接着剤粉末、又は熱接着性の低融点繊維、低融点フィルム、低融点ネット、低融点不織布等を無塵紙と不織布との間に挟みこんで熱処理して低融点物を溶融させ、不織布と無塵紙を部分的に接着する方法が好ましい。
熱溶融接着剤粉末は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂、または該ポリオレフィン系樹脂の変性物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステル共重合体、ポリアミド、ポリアミド共重合体等の単独または二種以上の混合物が用いられる。通常、50〜300メッシュ程度のサイズとされる。熱接着性の低融点繊維、フィルム、ネット、不織布等は上記の熱溶融性樹脂を材料とするもの、あるいは熱接着性不織布等として市販されているものを用いることができる。
本発明の吸音材は、必要に応じて染料や顔料で着色されていてもよい。着色方法として、紡糸前に染料や顔料をポリマーと混合して紡糸した原着糸を使用してもよく、各種方法で着色した繊維を用いてもよい。吸音材を染料や顔料で着色してもよい。
本発明の吸音材は、クリーンルーム内における防音・遮音用として、その目的や使途に合せて公知の方法等を適用して適宜な大きさ、形状等に加工して用いることができる。例えば、クリーンルーム内で用いられるドライ真空ポンプ、油圧式真空ポンプの騒音遮蔽用ステンレス製箱の内側に、本発明の吸音材を貼り付けることで、ポンプ由来の騒音を著しく低減することができる。
また、クリーンルーム以外でも、吸音性、更には難燃性が求められる用途の全てに用いることができ、例えば、自動車、貨車、航空機などの車両や船舶の内装材、土木・建築用の壁材等に好適に使用することができる。その他、自動車の天井材、リアパッケージ、ドアトリム;自動車、電車、航空機などのダッシュボードにおけるインシュレータ;冷蔵庫、掃除機、エアコンなどの電化製品;スピーカー用振動板等の各種用途に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各特性値の測定方法は次の通りである。
〔発塵数〕
不織布に積層する表皮材の発塵度はJIS B 9923 タンブリング法に準じて試験した。まずクリーンルーム中に設置したタンブリング式発塵性試験装置を空運転し、試験機内が無塵状態であることを確認の後、クリーン洗濯なしのサンプル(表皮材用ペーパー)20cm×28.5cmをタンブリング式発塵試験機 CW−HDT101に投入し、発塵ドラム回転数46回転/分で運転し、運転1分経過後から塵の数を0.1ft/分の速度で、1分間づつ計10回連続して測定し、1分間の平均値を発塵数とした。なおダストカウンターは82−3200N、吸引空気量はフィルター使用時の最大量が2.2L/分である。サンプルは20cm×28.5cmを5枚使用し、1×1m角のサンプルの面積から発生したものと換算した。
〔通気量〕
JIS L 1096のフラジール法に基づいて測定した。
〔吸音率〕
自動垂直入射吸音率測定器(電子測器株式会社製)を用い、サンプルの無塵紙部分を音源側にして取り付けた。
〔厚さ〕
圧縮硬さ試験器(株式会社大栄科学精器製作所製)を用い、荷重が0.1g/cm時の厚さを測定した。
(実施例1)
東レ株式会社製ポリエステルステープル(1.7dtex×44mm)60%と、ポリエステルステープル(6.6dtex×51mm)20%、と、融点が110℃の「サフメット」20%を混綿して開繊し、カード行程を経たウェッブをニードルパンチして不織布を得、150℃で3分間熱処理して低融点糸を溶融させて他のポリエステル糸に部分的に接着させ、厚さ10mm、目付400g/m、嵩高度0.04g/cmの不織布を得た。
この不織布に、表皮材として、0.3μm以上の発塵数が41個である富士製紙株式会社製の無塵紙「OKクリーンホワイト」(目付70g/m、厚さ90μm、通気量0.15cc/cm・sec)を接着して吸音材を得た。不織布と表皮材との接着方法は、不織布の上に東京インキ株式会社製のEVAパウダー2030−Mを10g/m振りまき、140℃×1分間連続的に熱処理した後、別に供給される表皮材(クリーンペーパーOKクリーン)を重ね合わせた状態で冷却ロールで押さえて接着した。
(実施例2)
実施例1で得た不織布に、表皮材として、0.3μm以上の発塵数が32個である無塵紙 王子製紙株式会社製KEVLAR(登録商標)100%ペーパー(目付72g/m、厚さ95μm、通気量0.93cc/cm・sec)を用い、実施例1と同様にして表皮材と不織布とを貼り合わせて吸音材を得た。
(実施例3)
実施例1で得た不織布に、表皮材として、0.3μm以上の発塵数が318個である無塵紙東レ株式会社製の長繊維不織布 アクスターG2260−IS(目付260g/m、厚さ620μm、通気量1193cc/cm・sec)を用い、実施例1と同様にして表皮材と不織布とを貼り合わせて吸音材を得た。
(実施例4)
東レ・デュポン株式会社製のパラ系アラミド繊維「ケブラー(登録商標)」ステープル(1.7dtex×51mm、280℃での乾熱収縮率0.1%以下、LOI値29)と、東レ株式会社製のポリエステルステープル(1.7dtex×51mm)を30:70の重量比で混繊し、カード工程を経たウエブをニードルパンチ方式により厚さ10mm、目付400g/m、嵩高度0.04g/cmの不織布を得た。
この不織布に、表皮材として、実施例2と同様の0.3μm以上の発塵数が32個である無塵紙 王子製紙株式会社製KEVLAR(登録商標)100%ペーパー(目付72g/m、厚さ95μm、通気量0.93cc/cm・sec)を用い、実施例1と同様にして表皮材と不織布とを貼り合わせて吸音材を得た
(比較例1)
表皮材としてフジゼロックスオフィスサプライ株式会社のゼロックス用上質紙(目付70g/m、厚さ95μm、通気量0.13cc/cm・sec)を用いたほかは実施例1と同条件で加工し、吸音材を得た。
実施例1〜4及び比較例1で得た接着後の吸音材を、JIS−A−1405「管内法における建築材料の垂直入射吸音率測定方法」により試験して求めた各周波数における垂直入射吸音率を表1に示す。
Figure 2005195637
表1から明らかなように、本実施例の吸音材は比較例の吸音材と同等もしくはそれ以上の吸音特性を有していた。
また、実施例1〜4及び比較例1で得た接着後の吸音材を、上記の方法に準じて発塵数を測定した。その結果、実施例1で得た吸音材の発塵数は41個、実施例2と4で得た吸音材の発塵数は32個、実施例3で得た吸音材の発塵数は373個であった。一方、比較例1で得た吸音材の発塵数は3226個であった。
(実施例5)
クリーンルーム内に設置されたモーターに幅700mm×長さ850mm×高さ600mmで底のない厚さ3mmのステンレス製のカバーをかぶせ、カバーから1.5m離れた場所で騒音計を用いて騒音を測定した。次に、モーターカバーの内側に10mm厚さのポリエステル不織布にケブラーペーパーを表皮材として貼り付けた実施例2の吸音材を、表皮がモーター側(内側)になるように両面テープで5面に固定した後、モーターにカバーをかぶせ、吸音材を貼り付ける前に測定したのと同じ場所で騒音を測定し、次の結果を得た。
モーターカバーのみ(吸音材なし)65dB
モーターカバーに吸音材取り付け 55dB

Claims (7)

  1. 有機繊維不織布の少なくとも片面に、JIS B 9923に基づいて測定される0.3μm以上の発塵数が500個以下である無塵紙を積層してなることを特徴とする吸音材。
  2. 前記無塵紙が、JIS L 1096に基づいて測定される通気量が10cc/cm・sec以下である請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記無塵紙が、アラミドペーパーである請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 前記不織布が、熱可塑性短繊維からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音材。
  5. 前記不織布が、熱可塑性短繊維及びLOI値が25以上の耐熱性短繊維からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音材。
  6. 前記耐熱性短繊維が、アラミド繊維である請求項5に記載の吸音材。
  7. 前記無塵紙を有機繊維不織布と部分的に接着するように積層してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸音材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011052332A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Asahi Kasei Fibers Corp ポリオレフィン系捲縮長繊維不織布及び不織布積層体
CN112848532A (zh) * 2020-12-30 2021-05-28 浙江港流高分子科技股份有限公司 一种超重载块材及其制备方法

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