JP2005194923A - コンプレッサ動翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンプレッサ動翼先端のクリアランスを少なくすることなく、空力的性能を向上させ、振動を抑制することができるガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼を提供する。
【解決手段】 ガスタービンエンジン1のコンプレッサ動翼51において、上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の先端部51Bの近傍で、上記コンプレッサ動翼51の腹側51Eに、上記コンプレッサ動翼51の翼厚の方向に突出し上記コンプレッサ動翼51のコード長方向に長く延びた突起53を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼に係り、特に、翼面に突起を設けたものに関する。
航空用、産業用のガスタービンエンジンのコンプレッサ(ガスタービン軸流圧縮機)の動翼で発生するパネルモードの振動(動翼のコード長方向で振動の位相が異なる振動モード;動翼のスパン長方向に延伸した節を有する振動モード)を低減する技術として、従来、動翼のコード長や動翼の翼厚を変更することによって動翼の形状を変更して共振を回避し、また、振動応力を低減する技術が知られている。
一方、コンプレッサの動翼、特にコンプレッサの後段の動翼の空力性能(たとえば、圧縮効率)を高めるべく、動翼の先端とエンジンケースとの間での、空気等の流体の漏れ流れを少なくする技術として、動翼先端のクリアランス(動翼の先端とエンジンケースとの間の距離)を少なくし、また、動翼先端部でコード長を長くするフレア翼が知られている(たとえば特許文献1参照)。
なお、動翼の先端部だけではなく、動翼のスパン長方向の全長にわたって、コード長を増加させることもある。
特開平09−032501号公報
ところで、動翼のコード長を短くし動翼の翼厚を増やすことで、パネルモードでの共振を回避しまた振動応力を低減すると、上記動翼の形状変更によって、空力的性能が低下するという問題がある。
つまり、動翼の翼厚を増やすと、流れに正対する断面積が増して抵抗が増えると共に、翼面の曲率が増して流れが剥がれやすくなり、また、動翼のコード長を短くすると上記動翼先端のクリアランスの、コンプレッサの前後方向の長さが短くなり、上記動翼先端のクリアランスを通過する空気の漏れ流れが増え、圧力損失が増加するのである。
一方、動翼の形状を変更することなく、動翼先端のクリアランスを少なくすることが考えられるが、動翼先端のクリアランスを少なくすると、ガスタービンエンジンの過渡状態での運転時、環境の変化、長期の運転による経時変化によって、上記動翼先端のクリアランスがなくなり、動翼でタービンケースをこすってしまうことがあるので、動翼先端のクリアランスを少なくすることは困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コンプレッサ動翼先端のクリアランスを少なくすることなく、空力的性能を向上させ、振動を抑制することができるガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼において、上記コンプレッサ動翼のスパン長方向の先端部の近傍で、上記コンプレッサ動翼の腹側に、上記コンプレッサ動翼の翼厚の方向に突出し上記コンプレッサ動翼のコード長方向に長く延びた突起を有するコンプレッサ動翼である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンプレッサ動翼において、上記突起の突出高さは、上記コンプレッサ動翼の最大翼厚の50%〜80%であり、上記突起では、上記突起の上記スパン長方向の中心位置と上記コンプレッサ動翼のスパンの基端との間の距離が、上記コンプレッサ動翼のスパン全長に対して85%〜90%になっており、上記突起では、上記コンプレッサ動翼のスパン長方向の幅が、上記コンプレッサ動翼のスパン全長に対して、5%〜10%になっているコンプレッサ動翼である。
本発明によれば、コンプレッサ動翼先端のクリアランスを少なくすることなく、空力的性能を向上させ、振動を抑制するガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係るコンプレッサ動翼51が設けられているガスタービンエンジン1の概略構成を示す断面図である。
ガスタービンエンジン1は、例えばジェットエンジンとして航空機に使用されるものであり、高温高圧の燃焼ガスを噴出させることによって推進力または回転力を得るエンジンである。
ガスタービンエンジン1は、エンジン外筒3と、エンジン外筒3の内側に、エンジン外筒3と一体的にほぼ同心状に設けられた中空のエンジンケース5とをベースとして備えている。エンジンケース5の内側には環状のエンジン流路7が形成され、エンジン外筒3とエンジンケース5との間には、環状のバイパス流路9が形成されている。
エンジンケース5の内側前部(ガスの流れ方向からみての上流側の部分)には、エンジン流路7を隔てて、前支持フレーム11Aがエンジンケース5に一体的に設けられており、エンジンケース5の内側後部には、エンジン流路7を隔てて、後支持フレーム11Bがエンジンケース5に一体的に設けられており、前支持フレーム11A、後支持フレーム11Bは、ベアリングを介して低圧タービン軸13を回転可能なように支持し、また、前支持フレーム11A、後支持フレーム11Bは、ベアリングを介して、中空の高圧タービン軸15を回転可能かつ低圧タービン軸13と同心になるように支持している。
低圧タービン軸13の前端側には、エンジン流路7およびバイパス流路9に空気を送り込むファン17が設けられている。
エンジン流路7の上流側には、低圧圧縮器19が設けられている。低圧圧縮器19は、空気を低圧圧縮しつつ下流側(ガス流れ方向からみて下流側であり、図1の右側)へ送るものである。
低圧圧縮器19は、ファン17の下流側で、低圧タービン軸13に一体的に設けられた環状の翼支持部材21と、翼支持部材21の外周部にエンジン流路7に沿って設けられた複数段の低圧圧縮動翼列23と、エンジンケース5の内側にエンジン流路7に沿って、複数段の低圧圧縮動翼列23と交互に設けられた複数の低圧圧縮静翼列25とを具備する。
エンジン流路7における低圧圧縮器19の下流側には、高圧圧縮器27が設けられ、高圧圧縮器27は、低圧圧縮器19で低圧圧縮された空気を高圧圧縮しつつ下流側へ送るようになっている。
高圧圧縮器27は、エンジン流路7に沿って高圧タービン軸15に設けられた複数段の高圧圧縮動翼列29と、エンジンケース5の内側に、エンジン流路7に沿って、複数段の高圧圧縮動翼列29と交互に設けられた複数段の高圧圧縮静翼列31とを具備する。
エンジン流路7における高圧圧縮器27の下流側には、環状の燃焼室33が設けられ、この燃焼室33は、圧縮空気中で燃料を燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを発生させるものである。
エンジン流路7における上記燃焼室33の下流側には、高圧タービン35が設けられ、この高圧タービン35は、上記燃焼室33からの高温高圧の燃焼ガスの膨張によって回転力を得て、高圧タービン軸15を回転駆動させるものである。
上記高圧タービン35は、高圧タービン軸15にエンジン流路7に沿って設けられかつ高温高圧の燃焼ガスによって回転する複数段の高圧タービン動翼列37と、エンジンケース5の内側にエンジン流路7に沿って、上記複数段の高圧タービン動翼列37と交互に設けられた高圧タービン静翼列39とを具備する。
エンジン流路7における上記高圧タービン35の下流側には低圧タービン41が設けられ、この低圧タービン41は、上記燃焼室33からの高温高圧の燃焼ガスの膨張によって回転力を得て、低圧タービン軸13を回転駆動させるものである。
上記低圧タービン41は、低圧タービン軸13にエンジン流路7に沿って設けられ、かつ高温高圧の燃焼ガスによって回転する複数段の低圧タービン動翼列43と、エンジンケース5の内側にエンジン流路7に沿って、上記複数段の低圧タービン動翼列43と交互に設けられた複数段の低圧タービン静翼列45とを具備する。
次に、高圧圧縮器(高圧コンプレッサ)27の高圧圧縮動翼列29を構成しているコンプレッサ動翼51について説明する。
図2は、図1におけるIIA−IIB断面を示す矢視図であり、また、高圧圧縮動翼列29の一部を拡大した図である。
図3は、図2におけるIIIA−IIIB矢視を示す図であり、図4は、図3におけるIV部の拡大図であり、図5は、図3におけるV部の拡大図である。
図6は、図3におけるVIA−VIB断面を示す図であり、動翼51の先端部51B側の断面を示す図である。
コンプレッサ動翼51は、基端部51A側で、高圧タービン軸15に保持されており、この基端部51A側が保持されたコンプレッサ動翼51が、上記高圧タービン軸15の円周方向に複数配置されている。
上記コンプレッサ動翼51の先端部51Bと、上記エンジンケース5との間には、上記コンプレッサ動翼51と上記エンジンケース5とが互いに干渉することを避けるために僅かなクリアランスT1が形成されている(図2参照)。
上記コンプレッサ動翼51の翼部51Cにおいて、上記高圧タービン軸15の半径方向の長さL1(図2参照)をスパン長とし、上記翼部51Cの幅L3をコード長とし、上記翼部51Cの厚さL5(図3参照)を翼厚とする。なお、図3では、コンプレッサ動翼51は、矢印AR1で示す方向に回転する。また、上記コンプレッサ動翼51の翼部51Cにおいて、前側を背51Dとし、後側を腹51Eとする。
上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の先端部51Bの近傍であって、上記コンプレッサ動翼51の腹側51Eには、上記コンプレッサ動翼51の翼厚の方向に突出した突起(リブ)53が設けられている。
なお、上記突起53は、たとえば、上記コンプレッサ動翼51の先端部51Bの流線(上記コンプレッサ動翼51をスパン長方向およびコード長方向に直角な方向から眺めた場合に、上記コンプレッサ動翼51の先端面のところに形成される線)51Fに沿ってほぼ平行に、上記コンプレッサ動翼51(翼部51C)のコード長方向に長く延びて形成されている。
また、上記突起53の突出高さL7は、上記コンプレッサ動翼51の最大翼厚の50%〜80%(好ましくは60%〜70%であり、より好ましくは65%)である(図3参照)。
また、上記突起53では、上記突起53の、上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の中心CL1の位置と上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の基端51Gとの間の距離L9が、上記コンプレッサ動翼51のスパン全長L1に対して85%〜90%(好ましくは88%)になっている(図2参照)。
さらに、上記突起53では、上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の幅L11が、上記コンプレッサ動翼51のスパン全長L1に対して、5%〜10%(好ましくは8%)になっている(図2参照)。
また、上記突起53では、上記コンプレッサ動翼51のコード長方向の長さL13が、上記コンプレッサ動翼のコード長L3に対して90%程度になっており、しかも、効率良く流体を腹側51Eに導入するために、上記コンプレッサ動翼51のコード長方向の前端から後側に向かって、上記コード長L3の5%の長さに相当する部位51Hには、突起が形成されていない(図3参照)。
また、上記腹側51Eに導入した流体を効率良く後側に流出するために、上記コンプレッサ動翼51のコード長方向の後端から前側に向かって、上記コード長の5%の長さに相当する部位51Iには、突起が形成されていない(図3参照)。
さらに、上記突起53の裾野部(基端部)51Jは、たとえば3次曲線により形成される曲面によって補間され、滑らかに形成されている。そして、上記突起53は、腹側51Eの突起が設けられていない面から滑らかに立ち上がっている。このように形成されていることによって、応力集中の発生を抑制できると共に、流体が滑らかに流れるようになっている。
また、上記突起53の先端51K側の縁も、流体が滑らかに流れるように、たとえば3次曲線により形成される曲面によって滑らかに形成されている(図3〜図6参照)。
次に、コンプレッサ動翼51が採用されているガスタービンエンジン1を運転した場合におけるコンプレッサ動翼51の振動について説明する。
図7は、コンプレッサ動翼51が採用されているガスタービンエンジン1を運転した場合におけるコンプレッサ動翼51の振動について説明する図である。
なお、図7の横軸は、コンプレッサ動翼51が用いられているロータ(高圧タービン軸)15の回転数を示し横軸の右に向かうにしたがって、回転数が高くなる。また、縦軸は、コンプレッサ動翼51の固有振動数を示し、縦軸の上に向かうにしたがって、振動数が高くなる。
グラフG1は、静翼列31における静翼の枚数と、ロータ15の回転数とによって、コンプレッサ動翼51に加えられる振動を示すグラフである。
グラフG3Aは、3次のパネルモードにおけるコンプレッサ動翼51の固有振動数を示すグラフであり、グラフG3Bは、3次のパネルモードにおける従来のコンプレッサ動翼(突起53が設けられていないコンプレッサ動翼)の固有振動数を示すグラフである。
グラフG4Aは、4次のパネルモードにおけるコンプレッサ動翼51の固有振動数を示すグラフであり、グラフG4Bは、4次のパネルモードにおける従来のコンプレッサ動翼(突起53が設けられていないコンプレッサ動翼)の固有振動数を示すグラフである。
なお、コンプレッサ動翼51に発生する振動モードは他にも存在するが、圧縮空気の漏れを少なくするためにコード長を長くしたコンプレッサ動翼51を用いたガスタービンエンジン1を、アイドル回転数と最大回転数との間で実際に運転した場合、特に問題になるのは、上記3次のパネルモードの振動と上記4次のパネルモードの振動である。したがって本件明細書では、上記3次のパネルモードの振動と上記4次のパネルモードの振動とについて説明する。
ここで、グラフG1とグラフG3Aとが互いに交差する点P3Aで、上記3次のパネルモードでの共振振動がコンプレッサ動翼51に発生し、グラフG1とグラフG3Bとが互いに交差する点P3Bで、上記3次のパネルモードでの共振振動が上記従来のコンプレッサ動翼に発生することになる。
ガスタービンエンジン1では、突起53を設けたことによって、コンプレッサ動翼51の振動のレベル(たとえば振幅)を、従来のコンプレッサ動翼に比べて約半分に低減することができた。
また、上記4次のパネルモードにおいては、コンプレッサ動翼51の共振周波数を引き上げることによって、ガスタービンエンジン1の運転領域での共振の発生を回避することができた。
すなわち、グラフG4AをグラフG4Bよりも、上側に引き上げることによって、グラフG1とグラフG4Aとが、アイドル回転数と最大回転数との範囲内で互いに交差しないようにすることができた。
ここで、パネルモードの振動について説明する。
図8は、コンプレッサ動翼51における3次のパネルモードの振動について説明する図であり、図9は、コンプレッサ動翼51における4次のパネルモードの振動について説明する図である。
なお、図8、図9は、図3に示す矢印AR3の方向からコンプレッサ動翼を眺めた図である。
3次のパネルモードの振動では、スパン長方向に延伸した3本の各節CL5が、コード長方向に間隔をあけて現れ、コンプレッサ動翼51が振動する。すなわち、図8に示す「+」や「−」の部位では、位相が互いに異なった振動が発生する。
また、4次のパネルモードの振動では、スパン長方向に延伸した4本の各節CL7が、コード長方向に間隔をあけて現れ、コンプレッサ動翼51が振動する。すなわち、図9に示す「+」や「−」の部位では、位相が互いに異なった振動が発生する。
次に、コンプレッサ動翼51を用いたコンプレッサ27の空力的性能について説明する。
図10は、図1におけるX部の拡大図であり、従来のコンプレッサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の流れを示す図であり、図11は、図1におけるX部の拡大図であり、コンプレッサ動翼51が採用されているコンプレッサの空気の流れを示す図である。
なお、図10や図11に示す矢印は、空気が流れる方向と流速を示し、矢印が長いほど流速が高くなっている。
コンプレッサ動翼51に突起53を設けたことによって、図11に示すXI部(突起53が設けられた近傍の部位)の空気の流れが、図10に示すものとは異なっている。
すなわち、図11に示すXI部では、エンジンケース5側に向かう流れF1と、ロータ15側に向かう流れF3とが発生している。また、突起53の後ろ側では、空気の流れが速くなっている(F5参照)。
図12は、図1に示すIIA−IIB断面における空気の速度を示す図であり、従来のコンプレッサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の速度を示す図であり、図13は、図1に示すIIA−IIB断面における空気の速度を示す図であり、コンプレッサ動翼51が採用されているコンプレッサの空気の速度を示す図である。
ここで、図12や図13に示す部位PT1は、空気の流速が小さく、部位PT3、部位PT5に向かうにしたがって、空気の流速が大きくなる。なお、部位PT1は、コンプレッサ動翼51の腹側から背側に、クリアランスを通って漏れた空気の領域に対応する。
図12と図13とを互いに比較してわかるように、従来のコンプレッサ動翼を用いたものに比べ、コンプレッサ動翼51を用いたものでは、エンジンケース5側に発生する流速の低い領域が、小さくなっていると共に、図12、図13には示していないが、流速の最低値も、従来のコンプレッサ動翼を用いたものの方に現れる。これは、漏れ空気の量が減少したことを示している。
ここで、従来のコンプレッサ動翼を用いたものに比べ、コンプレッサ動翼51を用いたコンプレッサで、空力的性能、すなわち、漏れが減少する理由を次に述べる。
突起53を設けたことによって、上記コンプレッサ動翼51の腹側51Eで、上記突起53から上記エンジンケース5側へ向かう流れF1と、上記突起53から上記コンプレッサ動翼51の基端部51A側に向かう流れF3とが生じる(図11参照)。
そして、これらの流れF1、F3のうちで、上記突起53から上記エンジンケース5側へ向かう流れF1で、上記コンプレッサ動翼51と上記エンジンケース5との間のクリアランスの下流側(腹側)での空気の流速が、突起が存在していない場合よりも増し、この流速が増したところでは、突起が存在していない場合よりも下流側(腹側)の圧力が低下し、したがって、コンプレッサ動翼51の腹側51Eから背側51Dへ、クリアランスT1を通って漏れる空気の量が、突起53が存在していない場合よりも減少する。
また、上記突起53から上記コンプレッサ動翼51の基端部51A側に向かう流れF3によって、遠心力により上記コンプレッサ動翼51の基端部51A側から先端部51B側へ向かう、すなわち、ロータ15側から上記コンプレッサ動翼51とエンジンケース5との間のクリアランスへ向かう空気の流れが相殺されて少なくなり、上記クリアランスから漏れる空気の量が、突起が存在していない場合よりも減少する。
また、突起53を設けたことによって、この突起53が設けられた部位では、空気の流路が、突起が設けられていない場合よりも狭くなり、この狭くなったことに応じて、空気の流速が速くなり、この流速が増したことにより、突起が存在していない場合よりも下流側(腹側)の圧力が低下し、したがって、コンプレッサ動翼51の腹側51Eから背側51Dへ、クリアランスT1を通って漏れる空気の量が、突起が存在していない場合よりも減少する。
コンプレッサ動翼51によれば、上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の先端部の近傍で、上記コンプレッサ動翼51の腹側51Eに、上記コンプレッサ動翼51の翼厚の方向に突出し、上記コンプレッサ動翼51のコード長方向に長く延びた突起53が設けられているので、コンプレッサ動翼51のコード長を短くしなくてもパネルモードの振動に対する剛性を高くすることができ、上述したように、上記コンプレッサ動翼51が設けられたコンプレッサの運転中における上記コンプレッサ動翼51の振動を抑制することができる。
また、コンプレッサ動翼51によれば、コード長を短くしていないので、コンプレッサ動翼51とエンジンケース5との間のクリアランスを少なくしなくても、上記クリアランスを通過して、コンプレッサ動翼51の腹側51Eから背側51Dへ漏れる空気量を少なくすることができると共に、上記コンプレッサ動翼51のスパン長方向の先端部の近傍に突起53が設けられているので、上述したように、上記クリアランスを通過して、コンプレッサ動翼51の腹側51Eから背側51Dへ漏れる空気の量を一層低減することができ、上記コンプレッサ動翼51が設けられたコンプレッサの空力的性能を向上させることができる。
すなわち、コンプレッサ動翼51によれば、振動を抑制することができると共に、空力的性能を向上させることができる。
さらに、コンプレッサ動翼51によれば、上記突起53が、上記コンプレッサ動翼51の腹側51Eに設けられているので、上記コンプレッサ動翼51が設けられたコンプレッサの稼動時(ガスタービンエンジン1の運転時)において、上記コンプレッサ動翼51から上記背側51Dで空気が剥離しにくくなっている。なお、腹側51Eは、空気が圧縮される側であるので、突起53が存在していても、この突起53によって、コンプレッサ動翼51の翼面から空気が剥離することはほとんど無い。
なお、突起53を背側51Dに設けた場合でも、上記コンプレッサ動翼51が設けられたコンプレッサの運転中における振動を抑制することは可能である。
上記実施形態では、高圧軸と低圧軸とを有する2軸のガスタービンエンジンのコンプレッサに用いる動翼を例に掲げて説明したが、1軸のガスタービン、3軸等のガスタービンのコンプレッサに用いる動翼にも、上記実施形態に係るコンプレッサ動翼を適用することができる。
本発明の実施形態に係るコンプレッサ動翼が設けられているガスタービンエンジンの概略構成を示す断面図である。 図1におけるIIA−IIB断面を示す矢視図であり、また、高圧圧縮動翼列の一部を拡大した図である。 図2におけるIIIA−IIIB矢視を示す図である。 図3におけるIV部の拡大図である。 図3におけるV部の拡大図である。 図3におけるVIA−VIB断面を示す図であり、コンプレッサ動翼の先端部側の断面を示す図である。 コンプレッサ動翼が採用されているガスタービンエンジンを運転した場合におけるコンプレッサ動翼の振動について説明する図である。 コンプレッサ動翼における3次のパネルモードの振動について説明する図である。 コンプレッサ動翼における4次のパネルモードの振動について説明する図である。 図1におけるX部の拡大図であり、従来のコンプレサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の流れを示す図である。 図1におけるX部の拡大図であり、コンプレサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の流れを示す図である。 図1に示すIIA−IIB断面における空気の速度を示す図であり、従来のコンプレサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の速度を示す図である。 図1に示すIIA−IIB断面における空気の速度を示す図であり、コンプレサ動翼が採用されているコンプレッサの空気の速度を示す図である。
符号の説明
1 ガスタービンエンジン
51 コンプレッサ動翼
51B 先端部
53 突起

Claims (2)

  1. ガスタービンエンジンのコンプレッサ動翼において、
    上記コンプレッサ動翼のスパン長方向の先端部の近傍で、上記コンプレッサ動翼の腹側に、上記コンプレッサ動翼の翼厚の方向に突出し上記コンプレッサ動翼のコード長方向に長く延びた突起を有することを特徴とするコンプレッサ動翼。
  2. 請求項1に記載のコンプレッサ動翼において、
    上記突起の突出高さは、上記コンプレッサ動翼の最大翼厚の50%〜80%であり、
    上記突起では、上記突起の上記スパン長方向の中心位置と上記コンプレッサ動翼のスパンの基端との間の距離が、上記コンプレッサ動翼のスパン全長に対して85%〜90%になっており、
    上記突起では、上記コンプレッサ動翼のスパン長方向の幅が、上記コンプレッサ動翼のスパン全長に対して、5%〜10%になっていることを特徴とするコンプレッサ動翼。
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