JP2005194301A - インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法 - Google Patents

インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194301A
JP2005194301A JP2003434951A JP2003434951A JP2005194301A JP 2005194301 A JP2005194301 A JP 2005194301A JP 2003434951 A JP2003434951 A JP 2003434951A JP 2003434951 A JP2003434951 A JP 2003434951A JP 2005194301 A JP2005194301 A JP 2005194301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
head
atmosphere
integer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003434951A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Nagashima
聡 永嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003434951A priority Critical patent/JP2005194301A/ja
Publication of JP2005194301A publication Critical patent/JP2005194301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 一般オフィスで使用される普通紙に対し、良好な記録が行え、かつ耐固着性も良好で、インクジェット記録に用いた場合でも長期短期的に何ら問題のないインクを提供する。
【解決手段】 大気と接すると膜状の相を気液界面に発現する液媒体に色材を溶解又は分散させたことを特徴とする水系インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用として特に好適なインク、それを用いた記録ユニット及び記録方法に関する。
従来から筆記具用インクやインクジェット用インクについては、実に様々な組成のものが報告されている。特に近年は、オフィス等で使用されるコピー紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙などの普通紙を用いた場合の画像品位の他に、画像の耐水性、耐光性、耐擦過性などの特性の向上も要求されており、かかる要求に対応するためのインク組成の検討がなされている。また、インクジェット記録装置では、画像の解像度や品位の向上などに応じてインクジェットヘッド(略称する場合は単にヘッドと記載する)の構造の微細化と高密度化が行われており、ヘッド内の流路やこれに連通する吐出口も微細化されており、それに伴って流路や吐出口でのインクの目詰まりの防止のための技術の検討も行われいる。
インクの目詰まり防止には、インクの吸引手段を含むヘッドの吐出回復システムを用いる方法や、インクとして流路壁などへの固着成分の放出のない耐固着性を有するインクを用いる方法などが有効な手段として用いられている。
インクの対固着性を良好にする方法としては、高沸点の多価アルコールを用いる方法が一般的である。しかしながら、この方法において、耐固着性を良好にするためには、高沸点多価アルコールを多量にインク中に含有させる必要がある場合が多く、このことによりインクの粘度が上昇していまい、インクの吐出性、例えばインクジェット記録においては、インク吐出特性が低下する場合がある。
この問題を解決するために、特開昭62−10547号公報(特許文献1)、特開平4−18465号公報(特許文献2)及び特開平4−18468号公報(特許文献3)等に、グリセリン等の多価アルコールにエチレンオキサイドを付加した化合物をインク中に含有させることが提案されている。これらの方法は、従来の高沸点多価アルコールのもつ、インクにおける色材の溶解性、溶媒成分の蒸発調節、吸湿性などの特性を更に向上させ、かつインクの粘度上昇を抑える点に特徴を有する。
特開昭62−10547号公報 特開平4−18465号公報 特開平4−18468号公報
上記の多価アルコールのエチレンオキサイド付加物を用いたインクでは、高湿低温環境下で用いた場合、色材濃度を高めた場合、水性媒体への溶解度があまり高くない色材を用いた場合などにおいて、水分の蒸発により色材などの成分が固形分として析出し易くなり、耐固着性が十分でない場合がある。
一方、インクジェットヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクにおけるインクの供給特性についても、インクの耐固着性が良好でなく固形分が析出し易いと、インクタンク内でのインクの循環や流れ、インクタンクからヘッドへのインクの供給不良や目詰まりなどを生じる場合があり、インクタンク側での良好なインクの流れを確保できる耐固着性も求められている。
本発明の目的は、ヘッド内の流路や吐出口での目詰まりの発生防止機能を有し、かつインクタンク内でも目詰まりを起さず、良好な流れが得られるインク、それを用いた記録ユニットお及び記録方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、微細孔を通してインクを記録媒体に供給するフェルトペンなどの筆記具においても目詰まりを防止できるインクを提供することにある。
本発明にかかるインクは、水性媒体と、色材と、環状構造を有する糖アルコール縮合体と、糖アルコールと、を少なくとも含む液状組成物からなり、該液状組成物が大気との接触面近傍での膜形成能を有することを特徴とするインクである。このインクは、更に、インクの液面が大気と遮断された状態では膜形成が生じない特性を有するものが好ましい。また、この糖アルコール縮合体としては、環状構造を有するものが好ましい。
本発明にかかる記録ユニットは、インクを吐出するインクジェット方式によるヘッドと、該ヘッドに供給されるインクを貯留するインクタンクと、を有する記録ユニットにおいて、該インクが、上記構成のインクであることを特徴とする記録ユニットである。また、本発明にかかる記録装置は、インクを吐出するインクジェット方式によるヘッドと、該ヘッドに供給されるインクを貯留するインクタンクと、を有するインクジェット装置において、該インクが上記構成のインクであることを特徴とするインクジェット装置である。
また、本発明にかかるインクジェット記録方法は、インクを記録ヘッドから吐出して記録媒体に付着させることで記録を行うインクジェット記録方法において、該インクが上記構成のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明のインクは大気と接触した液面近傍での膜形成能を有し、インクジェット記録ヘッド内に充填された場合、吐出口などの大気と接触する場所において気相と接する液面近傍に膜を形成し、これによって液面からのインク中の溶媒成分などの蒸発を防ぎ、吐出口などにおけるインク中の色材の析出による固着物の形成や目詰まりの発生を防止することができる。また、このインクをインクタンクに充填した場合、インクタンク内においても、大気と連通する気相に接する液面近傍で膜形成が生じ、これによってインクタンク内でインクが途切れて孤立する部分が形成されずに、インクが効率よく移動する。また、このインクタンク内でもインクの溶媒成分などの蒸発は抑えられ、インクタンク内での色材の析出による固着物の発生やインクタンク内での目詰まりが防止される。更に、本発明のインクは、大気と接触しない密閉状態にある気相との接触面ではかかる膜形成が行われず、記録ヘッドの吐出口よりも上流側やインクタンクの大気と連通する気相部分よりも下流側では膜が生じてこれらの部材の機能を損なうことがない。従って、本発明のインクによれば、長期または短期的にも目詰まりが発生しにくく、吐出性能が良好に維持されるインクジェット記録ヘッド、それを用いた記録ユニット及びインクジェット装置を提供することができる。
本発明のインクは、大気との接触面に膜を形成するという機能を有するものであり、インクジェットヘッドに充填した場合には、大気と接触する吐出口で吐出口を覆うように膜が形成され、この部分からのインクの溶媒成分、主として水の蒸発が抑制されて、濃度上昇により析出する可能性のある成分が固形分としてインクから析出することによる目詰まりの発生を防止することができる。更に、この大気との接触面での膜形成は、インクタンク中でも水を主体とする溶媒成分のインクからの蒸発を抑制して、固形分の析出による目詰まりや不安定なインクの流れを防止することができる。
本発明にかかるインクが膜を形成し得る状態は、大気と接触する液面を形成している状態であり、この状態には、インクの液面が直接大気に開放されている状態や液面と接する気相が大気と連通している状態が含まれる。また、膜を形成しない密閉状態には、インクが気相と接する液面を有していない状態や、液面と接する気相が密閉された状態が含まれる。本発明のインクは、液面が大気と接触した状態にある場合に液面近傍に、液面を覆うように膜が形成され、液面の接する気相が大気と遮断されて密閉状態では膜が形成されず、一旦形成された膜も消失する。本発明者らは、この膜形成が、本発明のインクの独特な組成に基づいて、液面が大気と接触している状態での溶媒成分の蒸発とインク液内での物質移動に伴って、液面方向に表層が形成され、この表層と液体内部との液液界面に層状の膜は形成されるものと考えている。
このような膜形成能を有する本発明のインクは、水性媒体と、色材と、環状構造を有する糖アルコール縮合体と、糖アルコールと、を少なくとも含む液状組成物からなる。
色材としては、水性媒体に溶解または分散して目的とするインクの色濃度を達成できるものであればよい。例えば、水溶性基としてスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等を有した水溶性染料、スチレン・マレイン樹脂等の樹脂により水に分散し得る顔料、界面活性剤により水に分散し得る顔料や染料、水溶性化合物に色材を吸着または付加させることで水に分散し得る顔料や染料、顔料や染料のまわりを水溶性化合物でカプセル化した色材、表面に水溶性基を有し水に分散しやすい酸性カーボンブラックのような顔料を挙げることができ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも好ましいのは、色材自体が水溶性基を有する染料や顔料、表面を水溶性化合物でカプセル化した色材などの、単独で水に溶解または分散する色材である。
具体的には、C.I.アシッドレッド94、C.I.ダイレクトレッド227、C.I.ダイレクトイエロー142、C.I.デイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトブルー199等の染料、キャボット200、キャボット300やDicojet(商品名:ダイコ社製)に用いられているマイクロカプセル顔料等を挙げることができる。
色材のインク中での含有量は目的とする画像濃度を達成できるように選択され、特に限定されない。
本発明のインクが含有する糖アルコールはカルボン酸基を有する化合物と糖との縮合体であり、環状構造を有するものが好ましい。また、そのHLBは10以上であることが好ましい。糖アルコール縮合体としては、例えば一般式(B)〜(D)で示される化合物を挙げることができ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2005194301
一般式(B)において、
(A)は〔OCαH2αO)aH〕lから選択された1種以上を示し、αは2又は3、aは0又は1〜10の整数、lは1〜3の整数を、
(B)は〔OCβH2βCOOR〕bH〕m及び〔CγH2γ−1{O(CπH2πO)bH}(COOR’)n(OH)pから選択された1種以上を示し、βは0または1〜3の整数、Rは1〜10の整数、mは0または1〜3の整数、γは0または1〜3の整数、πは2または3、bは0または1〜10の整数、R’は1〜10の整数、nは0または1〜3の整数、pは0または1〜2の整数を示す。
一般式(B)の化合物としては、具体的には
Figure 2005194301
(化合物1)
Figure 2005194301
(化合物2)
Figure 2005194301
(化合物3)
Figure 2005194301
(化合物4)
を挙げることができる。
Figure 2005194301
一般式(C)において、
(A)は〔OCαH2αO)aH〕lから選択された1種以上を示し、αは2又は3、aは0又は1〜10の整数、lは1〜3の整数を、
(B)は〔OCβH2βCOOR〕bH〕m及び〔CγH2γ−1{O(CπH2πO)bH}(COOR’)n(OH)pから選択された1種以上を示し、βは0または1〜3の整数、Rは1〜10の整数、mは0または1〜3の整数、γは0または1〜3の整数、πは2または3、bは0または1〜10の整数、R’は1〜10の整数、nは0または1〜3の整数、pは0または1〜2の整数を示す。
一般式(C)の化合物としては、具体的には
Figure 2005194301
(化合物5)
Figure 2005194301
(化合物6)
Figure 2005194301
(化合物7)
を挙げることができる。
Figure 2005194301
一般式(D)において
(A)は〔OCαH2αO)aH〕lから選択された1種以上を示し、αは2又は3、aは0又は1〜10の整数、lは1〜3の整数を、
(B)は〔OCβH2βCOOR〕bH〕m及び〔CγH2γ−1{O(CπH2πO)bH}(COOR’)n(OH)pから選択された1種以上を示し、βは0または1〜3の整数、Rは1〜10の整数、mは0または1〜3の整数、γは0または1〜3の整数、πは2または3、bは0または1〜10の整数、R’は1〜10の整数、nは0または1〜3の整数、pは0または1〜2の整数を示す。
一般式(D)の化合物としては、具体的には
Figure 2005194301
(化合物8)
Figure 2005194301
(化合物9)
Figure 2005194301
(化合物10)
などを挙げることができる。
糖アルコール縮合体のインク中での含有量は、0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%とすることができる。
上記の化合物のなかでも、一般式(A)の化合物が好ましく、その1種以上をインクに含有させることが望ましい。更に好ましい一般式(A)の化合物はn=2〜5の化合物、よリ好ましい化合物はn=2〜3の化合物である。
本発明のインクに含有させる糖アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリンなどを挙げることができ、その1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。糖アルコールのインク中での含有量は1質量%〜50質量%、好ましくは3質量%〜30質量%とすることができる。
本発明のインクに水性媒体としては、水、または水と水溶性有機溶剤との混合物が利用される。この水溶性有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル、ブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の環状アミド類、スクシンイミド、カプロラクタム等のイミド類を挙げることができる。これらの化合物もこれらから選択された1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、1質量%〜50質量%、好ましくは3質量%〜30質量%とすることができる。
水のインク中での含有量は、30質量%〜98質量%、好ましくは50質量%〜90質量%の範囲から選択することができる。
本発明のインクの表面張力は、25℃において30〜681mN/m、粘度が15cp以下、好ましくは10cp以下、より好ましくは5cp以下とすることができる。
また、本発明に用いる液体組成物は前記の成分の外に必要に応じて、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、防カビ剤、防錆剤等を添加しても良い。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの液室内のインクに記録信号に対応した吐出エネルギー、例えば熱エネルギーを付与して吐出口(ノズル)から記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット方式を用いた方法及び装置を挙げることができる。
図1、2及び3にそのような方法に適用できる装置の一例を示す。図において、インクを通す溝14を有するガラス、セラミックまたはプラスチック板などの部材に、発熱部nを備えた基板15が接合されて、ヘッド13が構成されている。基板15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基体20を有する。インク21は、吐出口(オリフィス)22まできており、大気と接する面(メニスカス)を形成している。電極17−1、17−2に電気信号が加わると、基板15のnで示された領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に膜沸騰が生じ、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出口から吐出されて、インクの小滴24となり、記録媒体25に向かって吐出される。図3は図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチ溝26を有するガラス板27と、発熱部が図1に示した構成を有する基板28を接合して作製されている。なお、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図である。
図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されていて、固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61はヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。さらに63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面と対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接する領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、 ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動において記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えばインク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面が、ポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如き、ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如く、それらが一体になったものも好適に用いられる。
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えばインク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが、複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルアセタール、ポリプロピレンを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
また、本発明のインクは、インクタンクとヘッドが一体型となっている記録ユニット、インクタンクとヘッドが着脱自在に構成されている記録ユニット、これらの記録ユニットを着脱自在に装着して記録を行う記録装置、インクタンクとヘッドとが別途設けられていてこれらがインク供給系で接続されている記録装置にも好適に利用可能である。このような装置において、本発明のインクをインクタンクに充填して使用すると、インクタンク内での大気と連通する気相部分とインクとの接触界面で膜が形成される。この膜形成によって、それによってインクタンクからヘッドへのインク供給の進行に応じてインクの気相と接する部分がヘッド方向の下流側へ移動する際に、インクが孤立して取り残されて残部を形成することなどによるインク移動不良を生じさせることなく、インクタンク内での良好なインク移動を達成することができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、文中、部及び%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜5
以下の各組成により各実施例及び各比較例のインクを調整した。
(実施例1のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック195 2%
ジグリセリン 10%
化合物1 5%
純水 83%
(参考例1のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック168 3%
エチレングリコール 10%
化合物6 5%
純水 82%
(実施例2のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック154 2.5%
グリセリン 10%
化合物6 3%
純水 84.5%
(実施例3のインク組成)
C.I. ダイレクトブブルー199 2%
グリセリン 10%
化合物3 6%
純水 82%
(実施例4のインク組成)
Cabojet200(商品名:キャボット社) 3%
グリセリンの4量体 5%
化合物6 3%
純水 89%
(実施例5のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック195 2%
グリセリン 10%
チオジグリコール 10%
化合物6 6%
純水 72%
(比較例1のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック195 2%
ジエチレングリコール 10%
純水 88%
(比較例2のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック154 3%
チオジグリコール 10%
純水 87%
(比較例3のインク組成)
C.I. ダイレクトブル−199 2%
ジエチレングリコール 10%
純水 88%
(比較例4のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック195 2%
ジエチレングリコール 10%
純水 88%
(比較例5のインク組成)
C.I. ダイレクトブラック154 3%
ジエチレングリコール 30%
純水 67%
次に、上記実施例1〜5、参考例1と比較例1〜5の各インクを用いて、インクジェット記録装置として発熱素子をインクの吐出エネルギー源とし使用したオンデマンド型インクジェットプリンターBJC ―4300(製品名、キャノン(株)製)を用いて以下の評価を行った。また、得られた評価結果を後記表1に示す。
評価方法及び評価基準は次の通りである。
(1)膜状の相の評価A
実施例1〜5、参考例1、比較例1〜5のインクより色材のみを除き、40℃環境下に大気に対し、開放系で5日間放置し、膜状の相の有無を確認した。
(2)耐固着性の評価
実施例1〜5、参考例1、比較例1〜5のインクを、インクジェット記録プリンターとしてBJC―4300(商品名:キャノン(株)製)に用いて、30℃環境下に1ヶ月放置後、吐出口の観察及び英数文字を印字し、下記基準で評価した。
○:全ノズル吐出が良好にされ、又吐出口まわりにも異物がない。
△:一部のノズルからインクが吐出しない、又は吐出口まわりに異物が少し見られた。
×:殆どのノズルからインクが吐出しない、又は吐出口まわりに異物が多く見られた。
(3)周波数応答性
実施例1〜5、参考例1、比較例1〜5のインクを、インクジェット記録プリンターとしてBJC―5500(商品名:キャノン(株)製)に用いて、気温10℃、湿度5%の環境で英数文字を印字し、得られた印字物のカスレや白抜け状態及びスプラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で以下基準で評価した。
◎:周波数に対するインクの追従状態はほぼ良好であり、キャラクター印字ではカスレや白抜け等の着弾不良は認められない。
○:キャラクター印字での周波数に対するインクの追従状態はほぼ良好であり、カスレや白抜け等の着弾不良はないが、ベタ印字では少しカスレが見られる。
△:キャラクター印字ではカスレや白抜けは見られないが、一部着弾不良がある。ベタ印字では白抜け、カスレ等が目立つ。
×:キャラクター印字、ベタ印字ともにカスレ、白抜けが目立つ。又、着弾不良も多く見られる。
(4)膜状の相の評価B
実施例1〜5、参考例1、比較例1〜5のインクを、それぞれプラスチックの容器に入れた後、容器の口を火で溶かして密閉した後、40℃環境下に5日間放置し、膜状の相の有無を評価した。
(5)印字品位
実施例1〜5、参考例1、比較例1〜5のインクを、インクジェット記録プリンターとしてBJC―4300(商品名:キャノン(株)製)に用いて、連続で英数文字をキャノンコピー用紙としてPP紙に印字し、下記基準で評価した。
○:英数字がシャープで、インク滴のヨレ等は見られない。
△:英数字が少しシャープさをかけている、又はインク滴のヨレ等の着弾不良が見られる。
×:英数文字にシャープさがない、又はインク滴のヨレ等の着弾不良が見られる。
評価結果
Figure 2005194301
インクジェット記録装置のインク流路に沿ったインクジェットヘッドの断面図である。 図1のA―B線での切断図である。 図1に示すインクジェットヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図である。 インクジェットヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す外観図である。 インクジェットヘッドにチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す断面図である。 インクジェットヘッドとインクカートリッジとが一体になったものの外観図である。
符号の説明
13 ヘッド
14 溝
15 基板
16 保護膜
17−1、17−2 アルミニウム電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 オリフィス
23 メニスカス
24 インク小滴
25 記録媒体
26 マルチ溝
27 ガラス板
28 基板
40 インク収容部
42 栓
44 吸収体
51 給紙部
52 紙送りローラ
53 排紙ローラ
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通口

Claims (6)

  1. 水性媒体と、色材と、環状構造を有する糖アルコール縮合体と、糖アルコールと、を少なくとも含む液状組成物からなり、該液状組成物が大気との接触面近傍での膜形成能を有することを特徴とするインク。
  2. 前記インクの液面が大気と遮断された状態では前記膜形成が生じない請求項1に記載のインク。
  3. 前記糖アルコール縮合体が環状構造を有する請求項1に記載のインク。
  4. インクを吐出するインクジェット方式によるヘッドと、該ヘッドに供給されるインクを貯留するインクタンクと、を有する記録ユニットにおいて、該インクが、請求項1〜3のいずれかに記載のインクであることを特徴とする記録ユニット。
  5. 前記インクを吐出するインクジェット方式によるヘッドと、該ヘッドに供給されるインクを貯留するインクタンクと、を有するインクジェット装置において、該インクが、請求項1〜3のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェット装置。
  6. インクを記録ヘッドから吐出して記録媒体に付着させることで記録を行うインクジェット記録方法において、該インクが請求項1〜3のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2003434951A 2003-12-26 2003-12-26 インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法 Pending JP2005194301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003434951A JP2005194301A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003434951A JP2005194301A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005194301A true JP2005194301A (ja) 2005-07-21

Family

ID=34815229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003434951A Pending JP2005194301A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005194301A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8500264B2 (en) 2006-12-25 2013-08-06 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method
US9309421B2 (en) 2006-12-25 2016-04-12 Seiko Epson Corporation Inkjet recording method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8500264B2 (en) 2006-12-25 2013-08-06 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method
US9309421B2 (en) 2006-12-25 2016-04-12 Seiko Epson Corporation Inkjet recording method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3005058B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器
JP3005059B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器
JPH0586315A (ja) インク、これを用いたインクジエツト記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3416192B2 (ja) インクジェット記録方法、吐出安定化方法、記録ユニットおよびインクジェット記録装置
JPH04211467A (ja) インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JPH06128515A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH0726178A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び染料の会合防止方法
JP2005194301A (ja) インク、これを用いた記録ユニット及び記録方法
JPH0625573A (ja) インクジェット用インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
EP0447784B1 (en) Ink, Ink-jet recording process, and instrument making use of the ink
JP3412938B2 (ja) インク
JP3715728B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3554292B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法及び装置類、及びインク吐出特性の安定化方法
JPH06248211A (ja) インク、それを用いた記録方法、及びそれを用いた機器
JPH0995637A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び記録装置
JP3039877B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP2980995B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3796365B2 (ja) 記録ユニット、画像記録方法、及び画像記録装置
JP3009064B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH0586314A (ja) インクジエツト記録方法
JP3008215B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3123000B2 (ja) インクジェット記録用インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3252049B2 (ja) インクジェット記録用インク、それを用いた記録方法及びそれを用いた機器
JP3055810B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
JPH0517714A (ja) インクジエツト記録用インク、これを用いたインクジエツト記録方法及びかかるインクを用いた機器