JP2005189762A - 光合分波器、光送受信モジュール及び光合分波器の調整方法 - Google Patents

光合分波器、光送受信モジュール及び光合分波器の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光軸の調整が容易で生産性に優れ、小型化が可能な光合分波器及びそれを備えた光送受信モジュールを提供するものである。
【解決手段】 光合分波器1は、基板2と、その基板2に配置されているレンズ付き光ファイバ3及び4と、基板2の端面2aに設置された光学素子基板6とからなり、光学素子基板6の表面には光フィルタ6aが設けられている。レンズ付き光ファイバ4は、基板2の端面2aに直交する軸を対称軸としてレンズ付き光ファイバ3と線対称の位置に配置されている。端面2aは深さ方向(Y方向)に角度θをなして傾斜している。更に、レンズ付き光ファイバ3及び4の端面も、基板2の端面2aと同様に深さ方向(Y方向)に同じ角度θで傾斜している。光学素子基板6の光フィルタ6aが設置されている面は、端面2aに対して角度θをなして傾斜している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、双方向光通信に用いられる光合分波器及びその光合分波器を備えた光送受信モジュールに関する。
FTTH(Fiber to the home)に代表される加入者系通信システムとして、光ファイバを用いて双方向通信を行なう波長多重方式(WDM:Wavelength Division Multiplexing)や、時間分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)が使用されている。
波長多重方式に用いられる光送受信モジュールおいては、送信光及び受信光がそれぞれ1波長であれば、比較的安価で小型な構造とすることが可能である。しかしながら、今後多様化するサービス及び通信方式に対応するため、送信光及び受信光に更なる波長多重を行うことが考えられる。
波長多重方式に用いられる従来の光送受信モジュールは、光を合分波する光フィルタ(誘電体多層膜)が成膜された光フィルタ基板と、波長が多重化された信号を伝送する光ファイバと、光ファイバから出射された光を受光する受光素子と、光ファイバに光を入射させる発光素子とからなる。そして、レンズを用いて光を制御して、各素子の精密な位置合わせを行い、固定して光送受信モジュールを構成している。(例えば、特許文献1)。
従来の光送受信モジュールについて、図14を参照しつつ説明する。図14に示すように、光送受信モジュールとコモンファイバ21との間では、波長A(例えば1310nm)の光が双方向に伝送されるとともに、コモンファイバ21から光送受信モジュールに対して波長B(例えば1550nm)の光が入射する。
コモンファイバ21の光路には、レンズ22と、光を分波する光フィルタ23と、光を分岐する光フィルタ26と、レンズ27と、受光素子9とが同軸上に配置されている。また、光フィルタ23により分波された光の光路には出力用ファイバ25が配置されている。更に、光フィルタ26により分岐された光の光路にはレンズ29と発光素子8とが配置されている。
コモンファイバ21から出射され発散された波長Bの光は、レンズ22により集光され、次いで光フィルタ23により反射されて、光ファイバ25の端面で結像する。また、コモンファイバ21から出射され発散された波長Aの光は、レンズ22により集光され、次いで光フィルタ23を透過する。そして、光フィルタ26を透過し、レンズ27により集光されて受光素子9の受光面で結像する。
また、発光素子8から出射され発散された波長Aの光は、レンズ29により集光され、次いで光フィルタ26により反射される。そして、光フィルタ23を透過し、レンズ22により集光されてコモンファイバ21の端面で結像する。このように、レンズを使用して発散する光を集光させて、光ファイバや受光素子等の端面で結像させていた。
また、光導波路基板上に光を分岐する光路分岐部を形成し、光導波路基板上に発光素子や受光素子等を実装することにより、小型で量産性の高い光送受信モジュールが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平9−211258号公報(段落[0015]−[0023]、第1図) 特開平10−160977号公報(段落[0021]−[0029]、第1図)
しかしながら、特許文献1に記載されている光送受信モジュールにおいては、レンズを使用して発散光を集光させるため、光送受信モジュールを構成する部品が大型化するとともに、各部品の構造が複雑になる問題があった。更に、光フィルタへの光の入射角を構造上小さくすることができないため、光フィルタの波長特性、アイソレーション、受光素子及び発光素子の設計に制約があり、良好な特性を得ることができなかった。また、光ファイバから出射された光を別の光ファイバに効率よく結合させ、結合損失を小さくするために、光軸方向及び光軸に垂直な方向の位置や角度の光軸調整を行う必要があった。
また、特許文献2に記載されている光送受信モジュールにおいては、光フィルタへの光の入射角度を比較的小さくすることができるが、光導波路の光路内に光フィルタが成膜された光フィルタ基板を埋め込む必要がある。そのため、光損失を抑制する薄型の光フィルタ基板(例えば、ポリイミド基板)を用いる必要があった。
更に、光導波路は、半導体技術等で用いられる高精度のフォトエッチングや薄膜技術を用いて作製される。このような半導体プロセスは、非常に高価な設備を要し、長時間の工程を必要とする。従って、半導体部品と同様に、基板の質、各工程での歩留まり、製品取れ数等が製造コストに大きく影響する。光送受信モジュールに用いられる光導波路を、半導体部品のレベルまで小型化するのは困難であり、工程当たりの部品取れ数も十分ではない。
また、光送受信モジュールを信号伝送用の光ファイバに結合させる必要があり、光導波路を光ファイバに効率良く結合させ、結合損失を小さくするために光軸の調整を行う必要があった。
本願発明は、上記の問題を解決するものであり、光軸の調整が容易で生産性に優れ、小型化が可能な光合分波器及びそれを備えた光送受信モジュールを提供するものである。
請求項1記載の発明は、基板と、該基板に形成され、前記基板の断面に対して所定の角度をなして形成された直線状の第1の位置決め溝と、前記基板に形成され、前記基板の断面に近いほど前記第1の位置決め溝との間の距離が短くなるように形成された直線状の第2の位置決め溝と、前記基板の断面に設けられ、光を合波又は/及び分波する光学素子と、前記第1の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第1のレンズ付き光ファイバと、前記第2の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第2のレンズ付き光ファイバと、を有し、前記基板の断面は、前記第1のレンズ付き光ファイバ及び前記第2のレンズ付き光ファイバが実装されている面と直交する方向に対して、所定の角度をなして傾斜していることを特徴とする光合分波器である。
第1のレンズ付き光ファイバ内を波長多重化された光が伝送してくる場合、伝送してきた光のうち、第1の波長の光は第1のレンズ付き光ファイバから出射された後、基板の断面に設置された光学素子を透過し、光合分波器の外部に出射される。一方、伝送してきた光のうち、第2の波長の光は第1のレンズ付き光ファイバから出射された後、光学素子により反射されて第2のレンズ付き光ファイバに入射する。このように、第1のレンズ付き光ファイバを伝送してくる波長多重化された光を光学素子にて分波する。また、光合分波器の外部から光学素子に第3の波長の光が入射する場合、第3の波長の光は光学素子を透過し、第1のレンズ付き光ファイバに入射する。従って、第1のレンズ付き光ファイバ内では双方向に光が伝送することになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光合分波器であって、前記第2の位置決め溝は、前記断面と直交する軸を対称軸として前記第1の位置決め溝と線対称の位置に形成されていることを特徴とするものである。
波長多重化された光のうち、第2の波長の光は第1のレンズ付き光ファイバから出射された後、光学素子により反射されて第2のレンズ付き光ファイバに入射する。位置決め溝は互いに線対称に形成されているので、第1のレンズ付き光ファイバと第2のレンズ付き光ファイバは、基板の断面と直交する軸を対称軸として線対称に配置されていることになる。従って、第1のレンズ付き光ファイバから出射する際の出射角と第2のレンズ付き光ファイバに入射する際の入射角は等しくなる。そのことにより、第2のレンズ付き光ファイバに入射する反射光の角度ずれをなくし、角度ずれによる結合損失を小さくすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光合分波器であって、前記光学素子は、光学素子基板と該光学素子基板の表面に設置された光フィルタ又はミラーとからなり、前記光学素子基板は、前記光フィルタ又は前記ミラーが設置されている面と反対の面が前記基板の断面に接して設置されていることを特徴とするものである。
基板の断面が斜めに傾斜されているため、光ファイバの光軸合わせのときに、光学素子基板を基板の断面に接触させながら移動させると、基板の断面と光フィルタ又はミラーとの間の距離が変わる。このように距離を変えることにより、第1のレンズ付き光ファイバと第2のレンズ付き光ファイバとの間の光路長を変えることができる。そのことにより、第2の波長の光が、第2のレンズ付き光ファイバに入射する際の位置を変えることができ、位置ずれを容易に補正することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光合分波器であって、前記第1のレンズ付き光ファイバの軸上の屈折率をnとし、前記所定の角度をθとし、前記光学素子基板の屈折率をnとし、前記基板の断面と前記光学素子基板の光フィルタ又はミラーが設置されている面との間の角度をθとした場合、θ=sin−1{(n×sinθ)/n}の関係が成り立つことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光合分波器であって、前記屈折率分布型レンズは、屈折率分布型光ファイバであることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、受光素子とを有し、前記受光素子は、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子を透過した光を受光することを特徴とする光受信モジュールである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、発光素子とを有し、前記光学素子は前記発光素子から出射された光を透過させ、前記第1のレンズ付き光ファイバに入射させることを特徴とする光送信モジュールである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、発光素子と、受光素子とを有し、前記光学素子は前記発光素子から出射された光を透過させ、前記第1のレンズ付き光ファイバに入射させ、前記受光素子は、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子を透過した光を受光することを特徴とする光送受信モジュールである。
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の光合分波器であって、前記光学素子基板における前記光フィルタ又は前記ミラーが設置されている面に、楔型形状の光学素子が設置されていることを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項6、請求項8又は請求項9のいずれかに記載の光合分波器であって、前記光合分波器と前記受光素子との間にカットフィルタが設置されていることを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、基板と、該基板に形成され、前記基板の断面に対して所定の角度をなして形成された直線状の第1の位置決め溝と、前記基板に形成され、前記基板の断面に近いほど前記第1の位置決め溝との間の距離が短くなるように形成された直線状の第2の位置決め溝と、前記基板の断面に設けられ、光を合波又は/及び分波する光学素子と、前記第1の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第1のレンズ付き光ファイバと、前記第2の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第2のレンズ付き光ファイバと、を有し、前記基板の断面が、前記第1のレンズ付き光ファイバ及び前記第2のレンズ付き光ファイバが実装されている面と直交する方向に対して、所定の角度をなして傾斜している光合分波器に対して、前記光学素子を前記基板の断面に接触させながら、前記光学素子を移動させることにより、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子で反射されて前記第2のレンズ付き光ファイバに結合する光の光軸を調整することを特徴とする光合分波器の調整方法である。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の光合分波器の調整方法であって、前記光学素子の移動は、前記基板の傾斜方向に移動させることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、基板の断面に光学素子を設けることにより、光合分波器の小型化が可能となる。また、光学素子が設置されている基板の断面が斜めに形成されているため、光軸を調整する際に、断面に沿って光学素子を移動させることにより、容易に光軸を調整することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、第1のレンズ付き光ファイバと第2のレンズ付き光ファイバとを、光学素子に直交する軸を対称軸として線対称の位置に配置することで、第1のレンズ付き光ファイバから出射される光の出射角と、第2のレンズ付き光ファイバに入射する光の入射角とを等しくすることができる。そのことにより、第2のレンズ付き光ファイバに入射する光の角度ずれをなくし、角度ずれによる結合損失を小さくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、基板の断面が斜めに形成されているため、光ファイバの光軸合わせのときに、光学素子基板を移動させることにより、基板の断面と光フィルタ又はミラーとの間の距離を変えることができる。そのことにより、第2のレンズ付き光フィルタに入射する光の位置を変えることができ、容易に位置ずれを補正することができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1のレンズ付き光ファイバから出射された光を、光フィルタ又はミラーに垂直に入射させることができる。そのことにより、基板の深さ方向の角度については、入射角度と同じ角度で反射され、第2のレンズ付き光ファイバに入射する際に、深さ方向の角度ずれが生じることがない。その結果、角度ずれによる結合損失を減少させることができる。
請求項6乃至請求項10に記載の発明によれば、小型で光軸の調整が容易な光受信モジュール、光送信モジュール又は光送受信モジュールを提供することが可能となる。
請求項11及び請求項12に記載の発明によれば、光学素子を移動させることにより、第2のレンズ付き光ファイバに入射する光の光軸を容易に調整することが可能となる。
以下、本願発明の実施形態に係る光合分波器及び光送受信モジュールについて、図1乃至図13を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器の構成について図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は本願発明の実施形態に係る光合分波器の上面図であり、図2は本願発明の実施形態に係る光合分波器の側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光合分波器1は、断面がV字型のV字溝(図示しない)が形成された基板2と、V字溝(図示しない)に密着して配置されているレンズ付き光ファイバ3及びレンズ付き光ファイバ4と、レンズ付き光ファイバ3及びレンズ付き光ファイバ4を基板2の上から押さえつけて固定する光ファイバ固定板7と、基板2の端面2aに設置された光学素子基板6とからなる。尚、V字溝が本願発明の「第1の位置決め溝」及び「第2の位置決め溝」に相当し、レンズ付き光ファイバ3が「第1のレンズ付き光ファイバ」に相当し、レンズ付き光ファイバ4が「第2のレンズ付き光ファイバ」に相当する。また、基板2の端面2aが本願発明の「基板の断面」に相当する。本実施形態においては、基板2の端面2aに光学素子基板6を設置したが、本願発明はそれに限られない。例えば、基板2に溝を形成し、その溝の断面に光学素子基板6を設置しても良い。
レンズ付き光ファイバ3及び4は、それぞれシングルモード光ファイバ3a及び4aの先端に、分布屈折率型レンズとしてのGIファイバ3b及び4bが融着により固定されている。
また、GIファイバ3b及び4bは、シングルモード光ファイバ3a及び4aとほぼ同じ外径で、光軸の径方向に屈折率分布を有する屈折率分布型の光ファイバであり、このGIファイバの径方向の屈折率分布は、次の式(1)で表される。
n(r)=n(1−(A/2)r)・・・式(1)
但し、rを中心軸からの径方向半径、nを軸上屈折率とする。A1/2は屈折率分布定数であり、屈折率が2乗分布の場合、A1/2=(2Δ)1/2/rとなる。ここで、比屈折率差Δ={n(0)―n(r)}/{2n(0)}となる。
このGIファイバは、シングルモード光ファイバから出射する発散光線束を平行光線束又は収束光線束に変換し、又は光ファイバに入射する光線束を収束光線束に変換させる機能を有する。
光学素子基板6の表面(レンズ付き光ファイバ3及び4に面する表面の反対の面)には誘電体多層膜からなる光フィルタ6aが設けられている。この光学素子基板6には例えばBK7が用いられる。尚、光学素子基板6と光フィルタ6aとをあわせたものが本願発明の「光学素子」に相当する。光フィルタ6aは、誘電体多層膜からなり、所定の波長領域の光を反射させ、別の波長領域の光を透過させる。
レンズ付き光ファイバ3及び4は、その先端の位置が基板2の端面2aの位置と一致するように配置されている。そして、レンズ付き光ファイバ3及び4の先端に接するように、基板2の端面2aに光学素子基板6が設置されている。更に、レンズ付き光ファイバ4は、図1のXZ面内において、基板2の端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対称軸としてレンズ付き光ファイバ3と線対称の位置に配置されている。V字溝(図示しない)が、XZ面内において、端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対称軸として互いに線対称の位置に形成されているからである。
尚、基板2に溝を形成し、溝の断面に光学素子基板6を設置した場合、レンズ付き光ファイバ3及び4は、その先端の位置が溝の断面の位置と一致するように配置される。そして、レンズ付き光ファイバ3及び4の先端に接するように、溝の断面に光学素子基板6を配置することとなる。
また、図2に示すように、YZ面内において、基板2の端面2a及び光ファイバ固定板7の端面7aは深さ方向(Y方向)に傾斜している。端面2a及び端面7aは、YZ面内において、レンズ付き光ファイバ3及び4が実装されている面と直交する方向に対して、角度θをなして傾斜している。更に、レンズ付き光ファイバ3及び4の端面も基板2の端面2aと同様に、YZ面内において、深さ方向(Y方向)に同じ角度θで傾斜している。
また、光学素子基板6の光フィルタ6aが設置されている面(レンズ付き光ファイバ3及び4に面する表面の反対の面)は、YZ面内において、基板2の端面2aに対して角度θをなして傾斜している。尚、点線2bは端面2a及び端面7aに平行な仮想線であり、角度θを説明するために記載されているものである。同図において、角度θは、点線2bと光フィルタ6aとがなす角度として示されているが、点線2bは端面2aと平行であるため、光フィルタ6aが設置されている面は、端面2aに対して角度θをなして傾斜していることになる。このように、側面(YZ面)から見た場合、光学素子基板6は楔型の形状をなしている。
(作用)
以上のような構成をなしている光合分波器1によると、以下のような好適な作用を奏することが可能となる。尚、本実施形態においては、光合分波器1を分波器として使用した場合について説明する。
例えば、レンズ付き光ファイバ3内を、波長A(例えば、波長1490[nm])の光と波長B(例えば、波長1550[nm])の光が伝送してくる場合について説明する。また、光フィルタ6aは波長が1300〜1500[nm]の範囲内の光を透過させ、波長が1540〜1620[nm]の範囲内の光を反射させるものとする。従って、光フィルタ6aは波長Aの光を透過させ、波長Bの光を反射させることとなる。
図1に示すように、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Aの光は、XZ面内において角度θ1(光フィルタ6aに直交する軸Oとの間の角度)でレンズ付き光ファイバ3から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに、XZ面内において角度θ2(光フィルタ6aに直交する軸Oとの間の角度)で入射する。光フィルタ6aは波長Aの光を透過させるため、波長Aの光は光フィルタ6aを透過し、光合分波器1の外部に出射される。
一方、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Bの光は、波長Aの光と同じく、XZ面内において角度θ1(光フィルタ6aに直交する軸Oとの間の角度)でレンズ付き光ファイバ3から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに、XZ面内において角度θ2(光フィルタ6aに直交する軸Oとの間の角度)で入射する。光フィルタ6aは波長Bの光を反射させるため、波長Bの光は光フィルタ6aにより反射される。このとき、反射光は、光フィルタ6aに直交する軸Oに対して、光フィルタ6aへの入射角θ2と同じ角度θ2で反射されることになる。そして、レンズ付き光ファイバ4は、XZ面内において、基板2の端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対称軸として、レンズ付き光ファイバ3と線対称の位置に配置されているため、レンズ付き光ファイバ4にはレンズ付き光ファイバ3からの出射角度と同じ角度θ1で入射する。このように、XZ面内において、レンズ付き光ファイバ3からの出射角度と、レンズ付き光ファイバ4への入射角が等しくなるため、X方向の角度ずれがなくなり、効率よく結合させることが可能となる。
このとき、レンズ付き光ファイバ3及び4の端面(基板2の端面2a)から光フィルタ6aまでの距離(Z方向の距離)を調整することにより、光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射する波長Bの光の位置ずれを最小にすることができる。この作用について、図3に示す上面図を参照しつつ説明する。例えば、図3(a)に示すように、レンズ付き光ファイバ3及び4と光フィルタ6aとの間の距離が短すぎる(距離d1)場合、光フィルタ6aで反射された光はレンズ付き光ファイバ4の光軸からずれてしまい、光軸の位置ずれが生じ、レンズ付き光ファイバ4での結合損失が大きくなってしまう。また、図3(b)に示すように、距離が長すぎる(距離d2)場合も同様に位置ずれが生じ、結合損失が大きくなってしまう。一方、図3(c)に示すように、距離がd3の場合、反射された光はレンズ付き光ファイバ4の光軸からずれることもなくレンズ付き光ファイバ6に入射し、結合損失を小さくすることができる。
つまり、レンズ付き光ファイバ3及び4の端面(基板2の端面2a)から光フィルタ6aまでの距離を変えることにより、レンズ付き光ファイバ6に入射する光の位置ずれを少なくし、位置ずれによる結合損失を減少させることができる。
本実施形態に係る光合分波器1においては、光学素子基板6を例えば深さ方向(Y方向)に移動させることにより、レンズ付き光ファイバ3及び4と光フィルタ6aとの間の距離を変えることができる。
この作用について、図2を参照しつつ説明する。光合分波器1の製造時であって、光軸を調整するときに、光学素子基板6を基板2の端面2aに接触させながら傾斜方向(Y方向)に移動させる。基板2の端面2aは斜めに形成されており、更に、光学素子基板6は楔型形状をなしているため、傾斜方向(Y方向)に移動させることにより、基板2の端面2aに接する面と、その面の反対の面である光フィルタ6aが設置されている面との距離dが変わる。具体的に説明すると、光学素子基板6をY1の方向に移動させることにより、距離dは長くなる。一方、Y2の方向に移動させることにより、距離dは短くなる。このように移動させるだけで、Z方向の距離dを変えることができる。そして、距離d3にすることにより、位置ずれを最も少なくすることが可能となる。その結果、位置ずれによる結合損失を最も小さくすることができる。ここで、距離dの最小値と最大値の差を「距離dの調整可能な量α」とする。つまり、調整可能な量αだけ距離dを変えることができる。
光フィルタ6aが対称軸と直交しているとき、距離dの調整可能な量αは、基板2の端面2aの角度θと光フィルタ6aの深さ方向(Y方向)の幅wに依存し、次の式(2)の関係を満たす。
tanθ=調整可能量α/幅w・・・式(2)
例えば、光フィルタ6aの幅wを一定とした場合、多くの調整量を必要とするときは、端面2aの角度θを大きくする必要がある。必要な調整可能量αに応じて、光合分波器1の製造時に角度θを変え、その調整可能量αの範囲内で距離dの調整を行い、位置ずれ補正を行うこととなる。
以上のように、調整可能量αから端面2aの角度θを決めて、光学素子基板6を移動させることにより、距離dを変えて位置ずれ補正を行うことが可能となる。しかしながら、端面2a(レンズ付き光ファイバ3及び4の端面)の角度θを変えると、レンズ付き光ファイバ3から光学素子基板6に入射する際の深さ方向(Y方向)の角度が変わってしまい、光フィルタ6aに光が垂直に入射しない場合がある。このような場合、光合分波器1の製造時において、角度θを変化させながら光軸の調整を行うことにより、光フィルタ6aに光を垂直に入射させることが可能となる。
この角度θの変化について、図4に示す側面図を参照しつつ説明する。図4(a)に示すように、端面2aと光フィルタ6aとのなす角度が大きすぎると、YZ面内において、光は光フィルタ6aに垂直に入射しない。そのため、光フィルタ6aで反射される波長Bの光は、YZ面内において、光フィルタ6aに入射する際の角度と異なった角度で反射されることとなる。その結果、レンズ付き光ファイバ4に入射する際に、位置ずれがなくなるように調整したとしても、深さ方向(Y方向)の角度ずれが生じてしまい、そのことにより結合損失が大きくなってしまう。また、図4(b)に示すように、角度が小さすぎると、図4(a)と同様に、YZ面内において、光は光フィルタ6aに垂直に入射せず、入射角と異なった角度で反射されることとなる。その結果、角度ずれが生じ、結合損失が大きくなってしまう。一方、図4(c)の場合は、YZ面内において、光は光フィルタ9aに垂直に入射する。このとき図4(c)における角度θの条件が式(3)で表される。
角度θ=sin−1{(n×sinθ)/n}・・・式(3)
ここで、nはGIファイバ3b及び4bの軸上屈折率であり、nは光学素子基板の屈折率である。
軸上屈折率nのGIファイバ3bから出射された光は、屈折率nの光学素子基板6に入射する際に屈折されて入射する。そして、式(3)の条件を満たす角度θにすると、屈折された光は、YZ面内において、光フィルタ6aに垂直に入射することになる。そのことにより、深さ方向(Y方向)の角度については、入射角度と同じ角度で反射され、レンズ付き光ファイバ4に入射する際に、深さ方向(Y方向)の角度ずれが生じることはない。つまり、YZ面内において、レンズ付き光ファイバ3からの出射角度と、レンズ付き光ファイバ4への入射角度が等しくなるため、角度ずれによる結合損失を減少させることができる。
以上のように、角度θを変えることにより調整可能な量αを決定し、その調整可能量αの範囲内で距離dを変え、位置ずれを補正する。また、角度θの変化に伴って角度θを変えることにより、深さ方向(Y方向)の角度ずれを補正する。また、レンズ付き光ファイバ4を、基板2の端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対称軸としてレンズ付き光ファイバ3と線対称の位置に配置することで、X方向の角度ずれの発生を抑えることが可能となる。このように、位置ずれと角度ずれを補正することにより、結合損失を小さくすることができる。
尚、本実施形態においては、誘電体多層膜からなる光フィルタ6aを用いて波長が多重化された光を分波させたが、本願発明はそれに限られない。光フィルタ6aの代わりに、光を分岐するミラーを用いても良い。ミラーを用いた場合は、波長が多重化された光を分波するのではなく、光の光量により光を分岐させることになる。例えば、レンズ付き光ファイバ3から出射されてミラーに入射する光のうち、50[%]の光を反射させ、50[%]の光を透過させる。このように、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた光をミラーにより反射光と透過光に分岐しても良い。
次に、具体的な実施例について説明する。本実施例の光合分波器1の構成について以下に示す。
シングルモード光ファイバ3a及び4aのスポットサイズ(半径):4.5[μm]
シングルモード光ファイバ3a及び4aのクラッド径:125[μm]
GIファイバ3b及び4bのコア径:105[μm]
GIファイバ3b及び4bのクラッド径:125[μm]
GIファイバ3b及び4bの比屈折率差Δ:0.85
GIファイバ3b及び4bの軸上屈折率n:1.458
レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4とがなす角度:12[度](対称軸Oに対してそれぞれ6[度]の角度をなして配置されている。)
光学素子基板6(BK7)の屈折率n1:1.50
レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4とを結合させる際の焦点ずれ量、位置ずれ量及び角度ずれ量に対する結合損失の変化について説明する。ここで、焦点ずれ量について説明する。レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4との間の距離を、レンズ付き光ファイバ3の端面からビームウエストの位置(光のスポットサイズが最も小さくなる位置)までの距離の2倍にすると、焦点ずれに関する結合損失が最も小さくなり、効率よく結合させることができる。光ファイバ間の距離が、ビームウエストまでの距離の2倍からずれると、焦点ずれが生じ、結合損失がその分大きくなる。焦点ずれ量とは、ずれた量のことを意味する。尚、本実施形態においては、ビームウエストの位置に光フィルタ6aを配置する場合が最も結合損失が小さくなる。レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4とは線対称の位置に配置されているため、レンズ付き光ファイバ3から出射されてレンズ付き光ファイバ4に入射する光の光路長は、レンズ付き光ファイバ3からビームウエストまでの距離の2倍になるからである。
レンズ付き光ファイバ3から出射された光のビームウエストが光フィルタ6a面にある場合、レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4を、光フィルタ6aの反射点における垂直軸に対して線対称となるように配置することで、最適な光結合状態とすることが可能となる。
ここで、図8乃至図10を参照しつつ結合損失の変化について説明する。図8はGIファイバ3b及び4bの長さと、焦点ずれ量と、結合損失との関係を示すグラフである。同図に示すように、焦点ずれ量が大きくなると結合損失が大きくなり、GIファイバ3b及び4bの長さを規定するピッチ(P)が、0.25<P<0.5の場合には、長さが長くなると結合損失が大きくなる。
ここで、ピッチ(P)について説明する。一般的に、GIファイバ中の光線はサインカーブの挙動を示すため、GIファイバの長さをその光線挙動の周期に対応させてピッチ(P)で表す。例えば、P=1のときにサインカーブの1周期(2π)に相当し、P=0.25のときに光が最も広がって点光源が平行光となり、P=0.5のときに再度、点に集束する。
図9はGIファイバ3b及び4bと、角度ずれ量と、結合損失との関係を示すグラフである。同図に示すように、角度ずれ量が大きくなると結合損失が大きくなり、GIファイバ3b及び4bの長さが短くなると結合損失が大きくなる。
図10はGIファイバ3b及び4bと、位置ずれ量と、結合損失との関係を示すグラフである。同図に示すように、位置ずれ量が大きくなると結合損失が大きくなり、GIファイバ3b及び4bの長さが長くなると結合損失が大きくなる。
例えば、長さが800[μm]のGIファイバ3b及び4bを用いて、各光軸ずれの結合損失の許容範囲が0.2[dB]以下の光合分波器1を作製するとする。結合損失を0.2[dB]以下に抑えるためには、図8乃至図10から判断して、以下の範囲内に各ずれ量を抑える必要がある。
焦点ずれ量:±150[μm]
角度ずれ量:±0.4[度]
位置ずれ量:±2.3[μm]
ここで、焦点ずれについては、±150[μm]の範囲内に抑えれば良いため、角度ずれ量や位置ずれ量に比べて比較的許容範囲が広いことが分かる。つまり、位置ずれを補正するために距離dを多少変えても、焦点ずれ量は許容範囲内に収まり、その程度では焦点ずれが問題になることはない。
尚、GIファイバ3b(4b)の長さが800[μm]のレンズ付き光ファイバ3及び4の焦点距離(空気中でのビームウエストまでの距離)は0.549[mm]となる。そして、屈折率n1=1.50の光学素子基板6内においては、焦点距離は1.5×0.549=0.8235[mm]となる。従って、レンズ付き光ファイバ3及び4から光フィルタ6a間での距離dを0.823[mm]程度にすることで、レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4との間の光路長は焦点距離の2倍となるため、焦点ずれを少なくすることができる。
角度ずれについては、レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4とを、基板2の端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対象として線対称の位置に配置することにより、X方向の角度ずれはなくなる。また、深さ方向(Y方向)の角度ずれについては、式(3)を満たせば角度ずれがなくなる。
位置ずれについては、距離dを変えることにより補正することが可能となる。つまり、図3に示したように、光学素子基板6を移動させることにより、レンズ付き光ファイバ4に入射する光の入射位置を変えることができるため、その調整により位置ずれを補正することができる。
ここで、端面2aの角度θと調整可能量αとの具体的な関係について図11を参照しつつ説明する。図11は、光学素子基板6(光フィルタ6a)の幅wが2.0[mm]の場合の関係を示すグラフである。同図から、例えば端面2aの角度θを8[度]とすると、調整可能な量αは約280[μm]となる。つまり、この大きさの光学素子基板6においては、距離dを、最大約280[μm]変化させることが可能となり、その範囲内で距離dを変えて位置ずれを補正することとなる。換言すると、距離dの調整量を最大約280[μm]必要とする場合は、角度θを8[度]にすれば良いことになる。このように、必要な調整量αに応じて角度θを決め、光合分波器1を作製する。上記の例以外に、例えば、距離dの調整量を最大約350[μm]必要であれば、角度θを10[度]にすれば良いし、距離dの調整量を最大約175[μm]必要であれば、角度θを5[度]にすれば良い。
次に、端面2aの角度θと角度θとの具体的な関係について図12を参照しつつ説明する。同図は、光学素子基板6の屈折率を1.5とし、レンズ付き光ファイバ3から出射された光が光フィルタ6aに垂直に入射する場合の角度関係を示したグラフである。同図に示すような関係が成り立てば、レンズ付き光ファイバ3から出射された光は光フィルタ6aに垂直に入射する。そのことにより、YZ面内において波長Bの光は垂直に反射され、レンズ付き光ファイバ4に入射する際の深さ方向(Y方向)の角度ずれがなくなる。例えば、端面2aの角度θを8[度]とする場合は、角度θをほぼ7.8[度]にすれば光フィルタ6aに光を垂直に入射させることができる。また、端面2aの角度θを10[度]とする場合は、角度θをほぼ9.7[度]にすれば良い。
以上をまとめると、本実施形態に係る光合分波器1では以下の調整を容易に行うことができる。
(1)焦点ずれの調整
焦点ずれ量の許容範囲が広いため、距離dを多少変えても、その許容範囲内に収まり、焦点ずれによる結合損失が問題となることはない。
(2)角度ずれ
レンズ付き光ファイバ3とレンズ付き光ファイバ4とを、基板2の端面2a(光フィルタ6a)に直交する軸Oを対称軸として線対称の位置に配置することにより、X方向の角度ずれはなくなる。尚、基板2にV字溝を形成し、そのV字溝にレンズ付き光ファイバ3及び4を配置して接着固定することにより、高い精度でレンズ付き光ファイバ3及び4を配置することができ、X方向の角度ずれを少なくすることが可能となる。また、式(3)の条件を満たすように角度θを調整すれば、Y方向の角度ずれを少なくすることができる。そのことにより、角度ずれによる結合損失を減少させることが可能となる。
(3)位置ずれ
光学素子基板6を傾斜方向(Y方向)に移動させることにより、レンズ付き光ファイバ3及び4と光フィルタ6aとの間の距離dを変えることができる。距離dが変わることにより、光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射するまでの光路が変わり、レンズ付き光ファイバ4に入射する位置が変わる。従って、距離dを変えることにより、位置ずれを補正することができ、そのことにより、位置ずれによる結合損失を減少させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る光合分波器1によれば、(1)焦点ずれ、(2)角度ずれ、(3)位置ずれを容易に調整することが可能となるため、光合分波器の生産性が向上する。また、基板2にレンズ付き光ファイバ3及び4を設置し、基板2の端面2aに光学素子基板6を設置することのより、光合分波器1を小型化することができる。
本実施例に係る光合分波器1においては、光学素子基板6の寸法を、X方向の幅が2.0[mm]、幅wが2.0[mm]、距離d=0.823[mm]とし、端面2aの角度θ=8[度]とし、角度θ=7.8[度]とすることにより、焦点ずれ、角度ずれ及び位置ずれを少なくすることができ、そのことにより、結合損失を最小限に抑えることが可能となる。
尚、本実施形態においては、レンズ付き光ファイバ3内を2波長の光(波長Aの光と波長Bの光)が伝送してくる場合について説明したが、本願発明はそれに限られない。3波長以上の光が伝送してきてもよい。
例えば、レンズ付き光ファイバ3内を3波長に多重化された光が伝送してくる場合について説明する。波長A(波長1490[nm])の光と、波長B(波長1550[nm])の光と、波長C(波長1570[nm])の光とが多重化されて伝送してくるとする。この場合、波長Aの光は光フィルタ6aを透過して光合分波器1の外部に出射される。一方、光フィルタ6aは、波長が1540〜1620[nm]の範囲内の光を反射させるため、波長Bの光だけでなく波長Cの光も光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射する。波長Bの光と波長Cの光はレンズ付き光ファイバ4内を伝送していき、別の光合分波器で波長Bと波長Cとは分波されることになる。また、4波長以上に多重化された場合も同じである。4波長以上に多重化されていても、波長が1540〜1620[nm]の範囲内の光は光フィルタ6aで反射され、レンズ付き光ファイバ4に入射することになる。
[第2の実施の形態]
次に、本願発明の第2の実施形態として、光合分波器1を用いた光送受信モジュールについて図5を参照しつつ説明する。図5は本願発明の第2の実施形態に係る光送受信モジュールの上面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る光送受信モジュールは、光合分波器1と、LD(Laser Diode)からなる発光素子8と、PD(Photo Detector)からなる受光素子9と、光学素子基板10とからなる。光学素子基板10は、レンズ付き光ファイバ3から出射される波長Aの光の光路上、かつ、発光素子8から出射される光の光路上に配置されている。
光学素子基板10の光合分波器1に面する表面には、誘電体多層膜からなる光フィルタ10aが設置されている。光フィルタ10aは、所定の波長領域内の光を透過させ、別の波長領域内の光を反射させる。本実施形態においては、波長A(例えば、波長1490[nm])の光を反射させ、波長D(例えば、波長1310[nm])の光を透過させるものとする。また、光学素子基板10には例えばBK7(屈折率=1.50)が用いられる。
次に、以上のような構成を有する光送受信モジュールの作用について説明する。例えば、レンズ付き光ファイバ3内を、波長A(例えば、波長1490[nm])の光と波長B(例えば、波長1550[nm])の光が伝送してきた場合について説明する。また、発光素子8から波長D(例えば、波長1310[nm])の光が出射されるものとする。
レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Aの光は、レンズ付き光ファイバ3の端面から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに入射する。光フィルタ6aは波長Aの光を透過させるため、波長Aの光は光フィルタ6aを透過し、光合分波器1から出射される。
光合分波器1から出射された波長Aの光は、光路上に配置されている光学素子基板10の表面上の光フィルタ10aに入射する。光フィルタ10aは波長Aの光を反射させるため、波長Aの光は光フィルタ10aで反射される。反射された波長Aの光は、光路上に配置されている受光素子9に入射する。
一方、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Bの光は、波長Aの光と同じく、レンズ付き光ファイバ3の端面から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに入射する。そして、波長Bの光は光フィルタ6aにより反射され、光学素子基板6を透過してレンズ付き光ファイバ4に入射する。第1の実施形態で説明したように、角度ずれ及び位置ずれを調整することにより、結合損失を小さくすることが可能となり、効率良く結合させることができる。
また、発光素子8から出射された波長Dの光は、光路上に配置されている光学素子基板10に入射し、屈折されて光フィルタ10aに入射する。光フィルタ10aは波長Dの光を透過させるため、波長Dの光は光フィルタ10aを透過し、光合分波器1の光フィルタ6aに入射する。光フィルタ6aは波長が1300〜1500[nm]の範囲内の光を透過させるため、波長Dの光は光フィルタ6aを透過して光学素子基板6に入射し、屈折されてレンズ付き光ファイバ3に入射する。そして、波長Dの光はレンズ付き光ファイバ3内を伝送していく。
以上のように、レンズ付き光ファイバ3は、波長Aの光と波長Bの光とが伝送するとともに、それらの光と反対方向に波長Dの光が伝送するため、双方向に光が伝送することとなる。そして、光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射する光(波長Bの光)については、焦点ずれ、角度ずれ、位置ずれを小さくすることが可能となり、そのことにより、結合損失を小さくすることができる。
尚、波長A及び波長Dの光については、光送受信モジュールを組み立てる際に発光素子8、受光素子9及び光学素子基板10の配置位置及び角度を調整することにより、位置ずれや角度ずれを調整する。つまり、波長Aの光については、受光素子9及び光学素子基板10の位置及び角度を調整することにより、効率良く受光素子9に入射するようにする。また、波長Dの光については、発光素子8及び光学素子基板10の位置及び角度を調整することにより、レンズ付き光ファイバ3に入射するようにする。本実施形態においては、受光素子9を光合分波器1に対して垂直に配置し、波長Aの光が受光素子9に垂直に入射するように光学素子基板10を配置している。また、波長Dの光がレンズ付き光ファイバ3に入射する際に、位置ずれや角度ずれが生じないように、発光素子8を配置している。従って、光学素子基板10の屈折率や配置角度によって、発光素子8は光合分波器1に対して平行に配置されない場合もある。
また、第1の実施形態と同様に、2波長だけでなく3波長以上の光がレンズ付き光ファイバ3内を伝送してきてもよい。この場合、波長が1300〜1500[nm]の範囲内の光が光フィルタ6aを透過し、波長が1540〜1620[nm]の範囲内の光は光フィルタ6aで反射され、レンズ付き光ファイバ4に入射することとなる。
[第3の実施の形態]
次に、本願発明の第3の実施形態として、光合分波器1を用いた別の光送受信モジュールについて図6を参照しつつ説明する。図6は本願発明の第3の実施形態に係る光送受信モジュールの上面図である。
本実施形態に係る光送受信モジュールは、第2の実施形態に係る光送受信モジュールとほぼ同じ構成をなしているが、光フィルタ10aと受光素子9との間にカットフィルタ11aが設置された光学素子基板11が設けられている点が異なる。このカットフィルタ11aは、光フィルタ10aで反射された光のうち、余分な信号を除去する機能を有する。このカットフィルタ11aを設けることにより、光結合損失、光散乱又は光クロストークの影響を小さくすることが可能となる。尚、光学素子基板11には例えばBK7(屈折率=1.50)が用いられる。
図6に示すように、光学素子基板6の光フィルタ6aが設置されている面に、光学素子基板11が設置されている。この光学素子基板11は、上面からみると楔型形状をなしており、受光素子9に面する表面にはカットフィルタ11aが設置されている。更に、発光素子8から出射される光の光路上に、光フィルタ10aが表面に設置されている光学素子基板10が設置されている。これら光学素子基板6、光学素子基板11及び光学素子基板10は一体化されている。
次に、以上のような構成を有する光送受信モジュールの作用について説明する。例えば、レンズ付き光ファイバ3内を、波長A(例えば、波長1490[nm])の光と波長B(例えば、波長1550[nm])の光が伝送してきた場合について説明する。また、発光素子8から波長D(例えば、波長1310[nm])の光が出射されるものとする。
レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Aの光は、レンズ付き光ファイバ3の端面から出射された後、光学素子基板6及び光フィルタ6aを透過し、光学素子基板11に入射する。光学素子基板11で屈折されて、光路上に配置されている光フィルタ10aに入射する。波長Aの光は光フィルタ10aで反射されて、光路上に配置されているカットフィルタ11aに入射し、その後、受光素子9に入射する。カットフィルタ11aを透過させることにより、余分な信号を除去することが可能となる。
一方、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Bの光は、第1及び第2の実施形態と同様に、光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射し、レンズ付き光ファイバ4内を伝送していく。
また、発光素子8から出射された波長Dの光は、光路上に配置されている光学素子基板10に入射し、屈折されて光フィルタ10aに入射し、光フィルタ10aを透過して光学素子基板11に入射する。そして、屈折されて光フィルタ6aに入射する。光フィルタ6aは、波長が1300〜1500[nm]の範囲の光を透過させるため、波長Dの光は光フィルタ6aを透過し、光学素子基板6で屈折されてレンズ付き光ファイバ3に入射する。
また、本実施形態においては、発光素子8は光合分波器1に対して平行に配置され、受光素子9は光合分波器1に対して垂直に配置されている。そして、波長Aの光が受光素子9に効率良く入射するように、光送受信モジュールの作製時に楔型形状の光学素子基板11の角度を調整する。また、波長Dの光がレンズ付き光ファイバ3に効率良く入射するように、楔型形状の光学素子基板10の角度を調整する。このような構成を有する光送受信モジュールによると、発光素子8を光合分波器1に対して平行に設置し、受光素子9を光合分波器1に対して垂直に配置することができるため、光送受信モジュールの組み立てが容易になる。
[第4の実施の形態]
次に、本願発明の第4の実施形態として、光合分波器1を用いた光送信又は光受信モジュールについて図7を参照しつつ説明する。図7は本願発明の第4の実施形態に係る光送信又は光受信モジュールの上面図である。
本実施形態に係る光送信又は光受信モジュールは、第2の実施形態に係る光送受信モジュールとほぼ同じ構成をなしているが、発光素子8又は受光素子9のいずれか一方の素子のみが設置されている点が異なる。まず、光受信モジュールについて説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る光受信モジュールは、光合分波器1と、受光素子9とからなる。受光素子9は、光合分波器1から出射された波長Aの光の光路上に設置されている。
以上の構成を有する光受信モジュールの作用について説明する。例えば、レンズ付き光ファイバ3内を、波長A(例えば、波長1490[nm])の光と波長B(例えば、波長1550[nm])の光が伝送してきた場合について説明する。レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Aの光は、レンズ付き光ファイバ3の端面から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに入射する。光フィルタ6aは波長Aの光を透過させるため、波長Aの光は光フィルタ6aを透過し、光合分波器1から出射される。そして、光路上に配置されている受光素子9で受光される。
一方、レンズ付き光ファイバ3を伝送してきた波長Bの光は、波長Aの光と同じく、レンズ付き光ファイバ3の端面から出射され、光学素子基板6に入射し、屈折されて光フィルタ6aに入射する。そして、光フィルタ6aで反射され、光学素子基板6を透過してレンズ付き光ファイバ4に入射する。上述したように、角度ずれ及び位置ずれを調整することにより、結合損失を小さくすることができる。
また、受光素子9の代わりに波長Dの光を出射させる発光素子8だけを設置してもよい。この場合は、発光素子8から波長Dの光が出射され、光フィルタ6aに入射する。波長Dの光は光フィルタ6a及び光学素子基板6を透過し、それらで屈折されてレンズ付き光ファイバ3に入射する。
尚、波長Dの光が受光素子9に効率良く入射するように、光送受信モジュールを組み立てる際に受光素子9の位置及び角度を調整する。また、波長Aの光がレンズ付き光ファイバ3に効率良く入射するように、発光素子8の位置及び角度を調整する。従って、光学素子基板6の屈折率によっては、受光素子9又は発光素子8は光合分波器1に対して平行に配置されない場合もある。
[製造方法]
次に、第1の実施形態に係る光合分波器の製造方法について、図13を参照しつつ説明する。
まず、シングルモード光ファイバ3a(4a)にGIファイバ3b(4b)を融着して固定する。融着固定後、GIファイバ3b(4b)が所定の長さ(例えば、900[μm])となるように、GIファイバ3b(4b)を切断する。このようにして、レンズ付き光ファイバ3(4)を作製する。
次に、基板2を用意し、その基板2の表面に、互いに所定の角度(例えば12[度])をなすように、2本のV字溝を形成する。そして、所定の光出射位置となる部分を切断する。このとき、1チップ分としてダイシングしても良いし、効率良く処理するために基板2をアレイ状に配列してダイシングしても良い。
次に、レンズ付き光ファイバ3(4)を基板2のV字溝に接着して固定する。接着時は、図13(a)の上面図に示すように、基板2とレンズ付き光ファイバ3及び4を平面板12の基準面12aに突き当てて位置合わせを行う(矢印の方向に突き当てる)。このように突き当てると、レンズ付き光ファイバ3及び4の先端と、基板2の端面2aの位置とが一致する。そして、接着材を塗付して基板2の上から光ファイバ固定板7で押さえて接着する。
次に、基板2に固定されたレンズ付き光ファイバ3(4)のGIファイバ3b(4b)の先端を100[μm]程度削り、800[μm]となるように長さを調整し、端面2aを角度θとなるように斜めに研磨する。上述した実施例の場合、例えば、角度θ=8[度]となるように端面2aを斜めに研磨する。尚、角度θを変えると調整可能量αも変わるため、必要な調整可能量αに応じて角度θを変えて端面2aを研磨する。
次に、光フィルタ6aが表面に成膜されている、直方体の光学素子基板6を用意する。この光学素子基板6はBK7(屈折率=1.50)からなり、寸法は、例えば、X方向の幅2.0[mm]、幅w=2.0[mm]、厚さ=1.0[mm]となっている。そして、図13(b)の側面図に示すように、光フィルタ6aが成膜されている面の反対の面を研磨し、光フィルタ6aが成膜されている面とその反対の面とがなす角度を角度θとする。上記の実施例の場合、角度θがほぼ7.8[度]で、光学素子基板6の中心部分の厚さがd=0.823[mm]となるように研磨する。
次に、レンズ付き光ファイバ3において、GIファイバ3bの反対側の先端に波長Bの光を出射する光源(図示しない)を接続し、レンズ付き光ファイバ4において、GIファイバ4bの反対側の先端に光パワーメータ(図示しない)を接続する。そして、光学素子基板6に紫外線硬化接着剤を塗付した後、基板2の端面2aに配置する。
次に、図13(c)の側面図に示すように、調整器13に光学素子基板6を固定する。具体的には、調整器13の固着具14を光学素子基板6の光フィルタ6aが成膜されている面に押し当て、更に、その固着具14により光学素子基板6を上下から挟み込んで固定する。固着具14には、Z方向に伸びる可動部14aとばね14bとが設置されており、可動部14aをZ方向に移動させると、その移動に伴って固着具14はZ方向に移動する。固着具14をZ方向に移動させることにより光学素子基板6に力を加え、光学素子基板6が端面2aから離れないようにする。また、固着具14は、上下方向(Y方向)に移動可能な移動手段15に固定されている。従って、この移動手段15を上下方向(Y方向)に移動させることにより、光学素子基板6を端面2aに密着させながら上下方向(Y方向)に移動させることができる。
そして、光源から波長Bの光を出射させ、光フィルタ6aで反射されてレンズ付き光ファイバ4に入射する波長Bの光の光量をモニターする。そして、波長Bの光の光量をモニターしながら光学素子基板6を上下方向(Y方向)に移動させて、光パワーメータからの出力が最大となる位置に光学素子基板6を合わせる。その後、予め塗付してある紫外線硬化型接着剤に紫外線を当て、硬化させて光学素子基板6を固定し、光合分波器1を作製する。このように、光学素子基板6を移動させることにより、簡単に光軸の位置ずれを調整することが可能となる。
以上のようにして作製された光合分波器1を所定の筐体に配置し、目的とするモジュールに応じて素子を実装する。例えば、光送受信モジュールを作製する場合は、光合分波器1が配置された筐体に発光素子及び受光素子を実装する。また、光送信モジュールの場合は発光素子を実装し、光受信モジュールの場合は受光素子を実装する。これらのモジュールは、一般の光軸調芯溶接工程によって製造される。
本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器の上面図である。 本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器の側面図である。 本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器における位置ずれを説明するための上面図である。 本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器における角度ずれを説明するための側面図である。 本願発明の第2の実施形態に係る光送受信モジュールの上面図である。 本願発明の第3の実施形態に係る光送受信モジュールの上面図である。 本願発明の第4の実施形態に係る光送信又は受信モジュールの上面図である。 焦点ずれ量と結合損失との関係を示すグラフである。 角度ずれ量と結合損失との関係を示すグラフである。 位置ずれ量と結合損失との関係を示すグラフである。 端面の角度と調整可能量との関係を示すグラフである。 端面の角度と光フィルタの角度との関係を示すグラフでる。 本願発明の第1の実施形態に係る光合分波器の製造方法を示す概略図である。 従来技術に係る光送受信モジュールの概略図である。
符号の説明
1 光合分波器
2 基板
3、4 レンズ付き光ファイバ
6、10、11 光学素子基板
6a、10a 光フィルタ
7 光ファイバ固定板
8 発光素子
9 受光素子
11a カットフィルタ

Claims (12)

  1. 基板と、
    該基板に形成され、前記基板の断面に対して所定の角度をなして形成された直線状の第1の位置決め溝と、
    前記基板に形成され、前記基板の断面に近いほど前記第1の位置決め溝との間の距離が短くなるように形成された直線状の第2の位置決め溝と、
    前記基板の断面に設けられ、光を合波又は/及び分波する光学素子と、
    前記第1の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第1のレンズ付き光ファイバと、
    前記第2の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第2のレンズ付き光ファイバと、を有し、
    前記基板の断面は、前記第1のレンズ付き光ファイバ及び前記第2のレンズ付き光ファイバが実装されている面と直交する方向に対して、所定の角度をなして傾斜していることを特徴とする光合分波器。
  2. 前記第2の位置決め溝は、前記断面と直交する軸を対称軸として前記第1の位置決め溝と線対称の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光合分波器。
  3. 前記光学素子は、光学素子基板と該光学素子基板の表面に設置された光フィルタ又はミラーとからなり、
    前記光学素子基板は、前記光フィルタ又は前記ミラーが設置されている面と反対の面が前記基板の断面に接して設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光合分波器。
  4. 前記第1のレンズ付き光ファイバの軸上の屈折率をnとし、前記所定の角度をθとし、前記光学素子基板の屈折率をnとし、前記基板の断面と前記光学素子基板の光フィルタ又はミラーが設置されている面との間の角度をθとした場合、
    θ=sin−1{(n×sinθ)/n
    の関係が成り立つことを特徴とする請求項3に記載の光合分波器。
  5. 前記屈折率分布型レンズは、屈折率分布型光ファイバであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光合分波器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、受光素子とを有し、
    前記受光素子は、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子を透過した光を受光することを特徴とする光受信モジュール。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、発光素子とを有し、
    前記光学素子は前記発光素子から出射された光を透過させ、前記第1のレンズ付き光ファイバに入射させることを特徴とする光送信モジュール。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光合分波器と、発光素子と、受光素子とを有し、
    前記光学素子は前記発光素子から出射された光を透過させ、前記第1のレンズ付き光ファイバに入射させ、
    前記受光素子は、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子を透過した光を受光することを特徴とする光送受信モジュール。
  9. 前記光学素子基板における前記光フィルタ又は前記ミラーが設置されている面に、楔型形状の光学素子が設置されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の光送受信モジュール。
  10. 前記光合分波器と前記受光素子との間にカットフィルタが設置されていることを特徴とする請求項6、請求項8又は請求項9のいずれかに記載の光送受信モジュール。
  11. 基板と、
    該基板に形成され、前記基板の断面に対して所定の角度をなして形成された直線状の第1の位置決め溝と、
    前記基板に形成され、前記基板の断面に近いほど前記第1の位置決め溝との間の距離が短くなるように形成された直線状の第2の位置決め溝と、
    前記基板の断面に設けられ、光を合波又は/及び分波する光学素子と、
    前記第1の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第1のレンズ付き光ファイバと、
    前記第2の位置決め溝に設置され、先端に屈折率分布型レンズが装着され、端面が前記基板の断面に面している第2のレンズ付き光ファイバと、を有し、
    前記基板の断面が、前記第1のレンズ付き光ファイバ及び前記第2のレンズ付き光ファイバが実装されている面と直交する方向に対して、所定の角度をなして傾斜している光合分波器に対して、
    前記光学素子を前記基板の断面に接触させながら、前記光学素子を移動させることにより、前記第1のレンズ付き光ファイバから出射され、前記光学素子で反射されて前記第2のレンズ付き光ファイバに結合する光の光軸を調整することを特徴とする光合分波器の調整方法。
  12. 前記光学素子の移動は、前記基板の傾斜方向に移動させることを特徴とする請求項11に記載の光合分波器の調整方法。
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