JP2005188153A - 防災型地中構造、及び、シェルタ - Google Patents

防災型地中構造、及び、シェルタ Download PDF

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Abstract

【課題】シェルタと地中構造の融合とシェルタの自律化。
【解決手段】生活空間を形成する地中多層構造物(4)と、地中多層構造物(4)に接合するシェルタ(10)と、シェルタ(10)を冷却する冷却手段とから構成されている。冷却手段は、シェルタの外側面に接合する水槽(18)と、水槽(18)の中で発生する熱蒸気の温度を低下させる熱交換器(21又は21’)とから形成されている。地中多層構造物の中で発生する火災によりもたらされる熱流は、地中多層構造物の部分層を上昇し更に地上多層構造物に向かう。避難者が上層に向かうことは、かえってその危険性が高い。下位層に配置されるシェルタ(10)の存在は、決定的に有効である。熱交換器は、シェルタの外壁を積極的に冷却する。シェルタの冷蔵庫化により、シェルタの内部の温度を低下させることはその安全性を更に確実にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防災型地中構造、及び、シェルタに関し、特に、大深度型の防災型地中構造、及び、シェルタに関する。
大深度工法の技術の進展は、大規模地下(地中)空間の創出を実現する。公知の防災システムは、大規模地中空間で発生する災害には無力であると考えられる。警報の種類が多く警報器の数が多く、多数の警報器の多様な警報内容から災害の状況を迅速に且つ的確に判断することは、人又はコンピュータにとって困難である。可燃物貯蔵箇所の煙感知器の作動は、必ずしも火災を知らせていることにならず、可燃物、電源がない箇所の煙感知器の煙関知信号は誤作動に基づく可能性が小さくなく、煙センサとともに熱センサが作動している場合には、放火の可能性が高い。放火であるかどうかは、人又はコンピュータでは判断が困難である。
火災発生に対する適正な避難と消防活動のためには、煙の挙動の認識が重要である。大深度地中構造物では、その挙動を予測することが困難であり、被害の拡大程度(延焼程度)を予測することが困難である。人又はコンピュータにより推定される現状に対して仮に対策が採られる場合に、その効果の予測は困難であり、又は、逆効果的である。1台の排風機には複数のダクトが接続され、その複数のダクトは網目状に枝分かれし、更には、1つの部屋と他の部屋はドアで繋がっていて、扉、ダンパの開閉状態の変更は施設全体に予測不可能の影響を与えて、逆効果を招く恐れが強い。高深度の地下鉄、複雑構造物の大深度構造物では、避難者は現在位置を確認することが困難であり、避難経路の認識が乏しい。地中構造物内の避難者は、上方に流れる煙流が充満する避難経路に迷い込む恐れが大きい。避難時の混乱は、災害弱者の優先避難を困難にする。このように、公知の防災システムは、地中構造物に対して無力である。
予測困難に発生する地震は、そのような地下空間に火災のような二次的災害を招く。空中から消火剤を投入することが困難である地下空間の消火活動は困難である。燃焼の原因の1つは、温度である。発火温度を越える温度まで上昇する燃焼領域に消火剤を投入して発火温度以下に低下させることは、煙と有害揮発物質の量をかえって増加させる。地下空間の火災に対する対策のうち、温度低下は最も重要である。環境温度を煙が出る温度まで上昇させないことが第1義的に重要である。
地下空間は、高深度化と複雑化が進んでいる。そのような地下空間から緊急的に脱出することは困難である。火災時の現実の避難速度が想定されている避難速度より遅い場合には、設備されている排煙能力が間に合わず、避難者が煙に巻き込まれることを回避することが困難である。現実の避難時間が想定されている避難時間より長い場合には、発生する煙が拡散して避難路に流出する。そのような状況で脱出行動をとることは、困難であり又は不可能である。化学物質が拡散している状況でその拡散空間が室温に維持されている場合には、分子量又は比重が空気より大きい化学物質は、普通には上方部位に配置される排煙装置により排出する排煙効果が薄い。
排煙性と延焼性は、相矛盾する。排煙ダクトの入り口に防火ダンパ(熱ヒューズダンパ)が設置される。排煙ダクトの温度が規定温度を越える時には、防火ダンパが閉止する。防火ダンパの閉止は、排煙ダクトに付随する排煙機を熱から保護する。このような排煙性の抑制は、排煙ダクトを設ける趣旨に反する。排煙性が良好であることは、新鮮な空気の導入を促進し、延焼性を増大させ、飛び火が生じて、新たな火源の数を増大させる。
このような矛盾の回避のために、一時的な避難設備である防災シェルタの重要性が再考される。断熱性二重構造のシェルタは、後掲特許文献1で知られている。冷却手段を持つシェルタは、後掲特許文献2で知られている。熱風発生に対処するための一時的避難構造のシェルタは、後掲特許文献3で知られている。避難口が複数に配置されるシェルタは、後掲特許文献4で知られている。
防災システムは、シェルタ、排煙ダクトのネット配置、多数の位置に配置される多数の温度計・煙探知器、計測器、スプリンクラーを駆動する電気的駆動源、多数の多様な計測器の計測信号に連動する多数の排煙ダクトの開閉と多数の防火扉の開閉を統括的に制御するコンピュータ、避難誘導の通信系のような複雑な機器系統の集まりである。地震に伴う火災の発生時には、そのような多様に複雑に絡み合う機器の制御系の一部又は全部は、その制御が不能になることが予想される。
被害の拡大範囲の予測は困難である。網の目のように繋がる排煙ダクトに多数の位置で介設(又は開設)されているダンパの適正な開閉制御を予測することはコンピュータでも困難である。知的に高度であり安全に保護される場所に設置されるコンピュータは、通信線が途絶えれば無用の長物である。
シェルタと地中構造との融合が重要である。シェルタの適正配置が次に重要である。シェルタの高温化を防止することが更に求められる。シェルタ内の電源、動力源の自律化が望まれる。
特許第3018402 特開平11−141173号 特開2000−34848号 特許第2926470号
本発明の課題は、シェルタが地中構造に融合する防災型地中構造、及び、シェルタを提供することにある。
本発明の他の課題は、シェルタが適正に配置される防災型地中構造、及び、シェルタを提供することにある。
本発明の更に他の課題は、冷却性が付与されるシェルタを提供することにある。
本発明の更に他の課題は、自律型のシェルタを提供することにある。
本発明による防災型地中構造は、生活空間を形成する地中多層構造物(4)と、地中多層構造物(4)に接合するシェルタ(10)と、シェルタ(10)を冷却する冷却手段とから構成されている。冷却手段は、シェルタの外側面に接合する水槽(18)と、水槽(18)の中で発生する熱蒸気の温度を低下させる熱交換器(21又は図4の21’)とから形成されている。
地中多層構造物の中で発生する火災によりもたらされる熱流は、地中多層構造物の部分層を上昇し更に地上多層構造物に向かう。避難者が上層に向かうことは、かえってその危険性を増大させる。上層階に向かうことが危険であると判断される場合には、より下位層に向かうことが賢明である。この場合に、下位層に配置されるシェルタの存在は、決定的に有効である。熱交換器は、シェルタの外壁を積極的に冷却する。シェルタの冷蔵庫化により、シェルタの内部の温度を低下させることは、その安全性を更に確実にする。
より下方に避難することが安全であるから、シェルタを地中多層構造物の最下層側に配置することは安全性をより確実にする。シェルタは、地中多層構造物に含まれる最下層の中、又は、地中多層構造物を支持する地盤の面に配置される。
シェルタ(10)は、第1シェルタと第2シェルタとから形成されている。シェルタの数を更に増加することは好ましい。第1シェルタは地中多層構造物の最下層に接合して配置され、第2シェルタは地中多層構造物の中層に接合して配置される。複数のシェルタを互いに高さ位置が異なる複数階層に配置することは、避難に柔軟性を付与する。
地中多層構造物(4)に多層状に配置される排煙ネットワーク(6)と、地中多層構造物(4)に分散的に配置される状況感知センサ(12)と、シェルタ(10)の内部に配置されるコンピュータ(15)が更に効果的に追加される。状況感知センサ(12)は状況感知センサ(12)が検出する温度と状況感知センサ(12)が配置されている位置とをコンピュータ(15)に送信する。コンピュータ(15)は火災発生領域特に火災発生階層を検出し、その規模と延焼方向を判断することにより、避難者に避難方向を適正に通知し、特に、火災発生階層より下位の階層に配置されるシェルタを避難者に教えることができる。
熱交換器は、熱蒸気で回転するタービンと、タービンに結合する発電機(21)と、タービンの下流側の熱蒸気を液化する復水器(24)とから形成されている。発電機(21)に付属するタービンは熱水を冷却する熱交換作用を有し、シェルタ(10)を冷却するとともに電力をシェルタの中に供給し、自律型に形成される。その電力は、新鮮な空気の導入とコンピュータの動作のために用いられ、シェルタ内の避難者又は救助隊員は、救助隊が到着するまで自律的に生活し、救助隊に火災状況を知らせる救助支援を安全に実行することができる。シェルタに救助隊本部を設置することができる。熱交換のためには、熱蒸気と冷却水との間で熱交換を行う多様な形式の熱交換器が用いられる。
地中多層構造物として、高層ビルディングの一部又は地下鉄駅構造物が適正に例示される。
本発明によるシェルタは、内部空間を密閉的に形成する本体殻(17)と、本体殻(17)を冷却する冷却手段とから構成されている。冷却手段は、本体殻の外側面に接合する水槽(18)と、水槽(18)の中で発生する熱蒸気の温度を低下させる熱交換器(21,21’)とから形成されている。シェルタの外側面は冷却され、内部の温度の上昇を有効に抑制する。
熱交換器は、熱蒸気で回転するタービンと、タービンに結合する発電機(21)と、タービンの下流側の熱蒸気を液化する復水器とから形成されることが特に有効である。発電と冷却を同時に実行することにより、シェルタは周囲環境が危険である間の自律的避難を可能にする。
本体殻(17)は、外側殻と内側殻とから形成され、外側殻と内側殻との間には断熱層が形成されることが好ましい。この場合には、外側殻が冷却され、外側殻から内側殻に漏洩的に伝達される熱量は格段に少なくなる。
本発明による防災型地中構造、及び、シェルタは、自律化し、避難時の安全性を確立することができる。
本発明による防災型地中構造とシェルタの実現態は、図に対応して、詳細に記述される。シェルタ10は、図1に示されるように、大深度地中構造物1の一部分として建造されている。大深度地中構造物1は、岩盤又は岩盤等価構造物2の上に支持されている。大深度地中構造物1は、地上生活層3と地中生活層4とシェルタ配置層5とから形成され、岩盤2の上に高層化されて建設されている。大質量物体として建造されているシェルタ10は、大深度地中構造物1の最下層領域に配置され上層の地中生活層4に地中生活層4の下側で接合していることが特に好ましい。
地中生活層4は、多層化されている。地中生活層4の多数の層には、それぞれに、多数本の水平方向排煙ダクトライン6が縦横に又はネット状に配列されている。各層の水平方向排煙ダクトライン6は、複数本の鉛直方向共通排煙ダクトライン7に接続されている。水平方向排煙ダクトライン6には、排煙機8が介設されて装備されている。水平方向排煙ダクトライン6の中の煙と有害ガス(以下、煙流気体)は、排煙機8により鉛直方向共通排煙ダクトライン7に送り込まれる。鉛直方向共通排煙ダクトライン7の最上端は、地面上に設置される大型排煙機11に接続している。排煙機8と大型排煙機11は、それぞれに、送風翼を内蔵している。排煙機8と大型排煙機11は、地中生活層4の中で大域的に又は局所的に発生する煙流気体を大気中に排出する。煙粒子を除去するサイクロンと有害ガスを燃焼させて無害化する煙流気体無害化装置(図示されず)を大型排煙機11に付属させることは望ましい。状況検知センサユニット12は、水平方向排煙ダクトライン6の複数の適正箇所の内部に配置され、又は、水平方向排煙ダクトライン6の複数の適正箇所の外側近傍に配置され、更には、鉛直方向共通排煙ダクトライン7に沿ってそれの内外に配置される。状況検知センサユニット12は、排煙機8の内部、排煙機8の近傍、又は、各階層の天井部位に設置される。状況検知センサユニット12は、温度センサ(図示されず)と煙感知センサ(図示されず)と煙流気体流速センサ(図示されず)、その他のセンサ(例示:流量センサ)を形成している。状況検知センサユニット12は、階層に位置対応して鉛直方向共通排煙ダクトライン7に介設されることは更に好ましい。
シェルタ10には、避難入口用ハッチ13と昇降機の昇降ユニットが内部に対して出入りすることができる昇降ユニット通過用ハッチ14とが形成されている。避難入口用ハッチ13は、シェルタ10の天井面、円筒状側面、鉛直側面、脱出トンネルに向かうトンネル対向面に複数箇所で配置されることが好ましい。シェルタ10の中には、防災システム用コンピュータ15が格納されている。状況検知センサユニット12がそれぞれに出力する検出信号は、有線16又は無線により防災システム用コンピュータ15に送信される。防災システム用コンピュータ15は、その検出信号を解析して多数の排煙機8を群制御する。
図2は、シェルタ10の冷却方法の詳細を示している。シェルタ10は、耐震強度の確保の点で円筒状殻17として構造化されることが好ましい。シェルタ10の両端部分は、図1に示されるように、それぞれに半球殻に形成されることが好ましい。円筒状殻17は、外部から煙流気体が侵入しないように、気密構造に形成されている。円筒状殻17の下方部位は、水槽18に取り込まれている冷却水19の水面下に没している。水槽18は、常態的に水を貯留し、又は、災害発生時にスプリンクラーが放出する水を補充的に取り込むことができる。円筒状殻17の下方部位と水槽18の外壁とで囲まれる貯水空間は、密閉的に形成されている。
円筒状殻17の内部に、発電機21が配置されている。発電機21は、蒸気タービン(図示されず)を含んでいる。蒸気タービンが介設される蒸気流路は、蒸気導入配管22と蒸気排出管23とから形成されている。蒸気排出管23は、復水器24に接続している。復水器24は、注入ポンプ25に接続している。注入ポンプ25に代えられて、逆止弁が用いられる。復水器24で生成される液体(水)は、注入ポンプ25で吸引されて、水槽18の内部に戻される。水槽18と蒸気導入配管22と発電機21と復水器24と注入ポンプ25とで形成される発電用媒体循環路は、極めて重要な流体回路であり、シェルタ10の中でその安全性が十分に確保されている。
給水源として、スプリンクラー27が用いられる。スプリンクラー27は、補助的給水源として用いられる。地中生活層4の中の多数のスプリンクラー27から放出される水の一部は、適正箇所に配置される漏斗で集められフィルタで浄化されて給水管28と復水器24を介して発電用媒体循環路に補充される。発電用媒体量が多くなれば、発電用媒体循環路の発電用媒体は放水管29を介して円筒状殻17の外に放出される。
円筒状殻17の外側に、圧力逃し弁31が配置されている。圧力逃し弁31は、規定圧力以上の蒸気圧を受け、その蒸気圧に対応する開度で開閉する。その開閉に対応する蒸気量Qの蒸気は、機械的制御機構32を動作させる。蒸気量Qに対応する機械的制御機構32の動作力は、注入ポンプ25に付属する連動弁33の開閉度を制御する。補給水は、スプリンクラー27から連動弁33を介して注入ポンプ25に注入されて補給される。機械的制御機構32に代えられて電子的制御機構が用いられ得る。
状況検知センサユニット12の出力信号は、防災システム用コンピュータ15に集められる。その出力信号は、温度、煙量の他に位置信号を含んでいる。防災システム用コンピュータ15の解析コード(アルゴリズム)は、多数の位置から送信されて来る時系列信号(温度、煙量、位置)に対応して、単数又は複数の火災発生領域、火災規模(温度と範囲)、延焼方向を計算し、各階層の各区画単位の避難対象者に避難行動を指示する。上層階に避難することが危険である避難対象者、又は、逃げ遅れの可能性がある避難対象者には、避難用エレベータの乗り込み位置が案内され、又は、適正場所の階段による避難行動が指示される。避難者が乗り込んでいるエレベータシステムの昇降箱は、防災システム用コンピュータ15により又は手動により開放される昇降ユニット通過用ハッチ14を通過して、円筒状殻17の中に吊り降ろされる。階段を用いる避難者は、防災システム用コンピュータ15又は手動により開放される避難入口用ハッチ13から円筒状殻17の中に避難する。
避難完了により避難入口用ハッチ13と昇降ユニット通過用ハッチ14とその他の脱出扉は閉じられ、円筒状殻17の中は密閉状態に維持される。円筒状殻17の中の気体と新鮮な空気の置換は、公知の技術により実行される。避難完了後に又は避難完了前に、防災システム用コンピュータ15は、スプリンクラー27から復水器24と注入ポンプ25と循環配管の中に水を充満させる。地中生活層4の中の熱気流は水平方向排煙ダクトライン6と鉛直方向共通排煙ダクトライン7を介して大気中に排出され続けていて、大深度地中構造物1の最下層に配置されているシェルタ10の天井面に届く熱風の熱量は設計通りに少ない。火災規模が大きく延焼が円筒状殻17に届く場合には、円筒状殻17の天井側に届く熱は、熱伝導率が高い鋼鉄の円筒状殻17の上方部位からその下方部位に速やかに熱伝導34により伝達される。円筒状殻17のそのような熱伝導層の内側に貼られている断熱層は、円筒状殻17の中に対する熱伝導を抑制する。円筒状殻17の下方部位に伝達される熱は、水槽18の中の冷却水に奪われる。その冷却水は沸点まで高温化して蒸気化する。熱蒸気は、蒸気導入配管22を介して発電機21に送り込まれる。発電機21の低圧蒸気タービンは、発電を開始し、その蒸気の熱は電力に変換される。電気エネルギーとして熱を奪われる発電媒体の熱水は冷却され、復水器24で液体に戻る。その液体は、上流側蒸気の圧力で押され、又は、注入ポンプ25のポンプ作用により復水器24から吸引されて冷却水19の中に循環的に戻される。
発電用媒体は、冷却水19を冷却する冷却作用を有し、その冷却に対応して発電機21で生成される電力は、シェルタ10の中の電気機器特に防災システム用コンピュータ15に供給される。このように、自己冷却機能と自己発電機能を有するシェルタ10は、自律型避難空間を提供する。自己冷却するシェルタ10は、その上層空間の温度を低下させる冷却性を有し、延焼を抑制する。その冷却効果は、徐々に高層階に伝播し、高層階の延焼を緩和する。
シェルタ10は、分割的に構造化されることができる。単一の巨大な避難空間を形成するシェルタ10に基礎に等価である支柱35(図1参照)が貫通することが可能である。シェルタ10に避難用トンネルに通じる非常出口が設けられることは有効である。シェルタ10は、緊急時に冷蔵庫化する。平常時には、通常の居住空間、オッフィスとして利用されることが可能である。
図3は、本発明によるシェルタの冷却方法の他の実現態を示している。本実現態では、水槽18’は円筒状殻17の上方部位特に天井部位の外側に接合している。本実現態では、初期に熱くなる天井部位の熱が直ちに発電機21で奪い取られ、初期冷却効果が大きく、周囲の温度を速やかに低下させ、延焼がシェルタ10に及ぶ確率を低下させることができる。本実現態では、発電機21と復水器24と注入ポンプ25と水槽18’から形成される発電用媒体循環路は、円筒状殻17の外側に配置されることが可能である。円筒状殻17をスプリンクラーの水で直接に冷却することが好ましい。
図4は、本発明によるシェルタの冷却方法の更に他の実現態を示している。既述の発電機21に代わる冷却機器として、熱交換器21’が用いられている。熱交換器21’は、水槽18又は水槽18’の中で生成される熱蒸気36を循環的に通す蒸気管37と、冷却媒体38を通し蒸気管37の中の熱蒸気に接触する接触面積が大きい熱交換面を形成する冷却媒体管39とから構成されている。冷却媒体38とし、スプリンクラー27から放出される水が用いられる。熱蒸気36は熱交換器21’で冷却され液化し、液化する液体の水41は水槽18の内部に戻される。冷却媒体管39を通り温度上昇する冷却媒体38は放水管29を介して放出される。
図5は、放水管29の配置を具体的に示している。復水器24の中の水又は冷却媒体管39を通る水は、複数本の放水管29の開口端から放出される。複数の放水管29は、円筒状殻17の中心線を通る鉛直面42に対して対称に配置されている。放水管29は、それぞれに、鉛直方向に円筒状殻17の天井面から立ち上がっている。蒸気圧により放水管29の上端開口から放出される放出水の一部43は、円筒状殻17の天井面の中央領域を有効に冷却し、それの他の一部44は円筒状殻17の周囲に放出される。他の一部44は、円筒状殻17の周囲の雰囲気温度を低下させ、円筒状殻17に対する延焼を防御する。
円筒状殻17は、内外二重殻で構成されることが好ましい。この場合に、内外二重殻の間は、真空層として形成され、内外方向の熱伝導率を極端に低下させることが重要である。外側殻の表面には、セラミックコーティングの処理が行われる。熱伝導率が低く耐熱性に優れるセラミックコーティング層は、上方から落下する物体に対して耐衝撃性があり、且つ、耐食性に優れ、長期間にわたって化学物質による腐食を受けにくい。セラミックコーティングに代えられて、耐熱性と耐食性と耐衝撃性に優れるニッケル基合金の層が用いられることは有効である。
円筒状殻17の内部には、食料、飲料水、空気呼吸器又は酸素ボンベの他に、空気浄化装置が装備される。その電力は、発電機21又は燃料電池発電機から供給される。防災システム用コンピュータ15は、内外双方向の通信機能を兼備していることが好ましい。通信線として、有線とともに無線が設備されることが望ましい。防災システム用コンピュータ15の緊急時の動作のために、円筒状殻17の内部にバッテリが常備されることは好ましい。
大型のシェルタ10は最下層に配置されるが、小型の複数のシェルタ10が中層階に分散的に配置されることは有効である。小型の複数のシェルタ10は、自己の安全を確立して中層階の状況を救助隊本部と防災システム用コンピュータ15に報告する重要な任務を持つことができる。
図1は、本発明による防災型地中構造の実現態を示す断面図である。 図2は、本発明によるシェルタの実現態を示す断面図である。 図3は、本発明によるシェルタの他の実現態を示す断面図である。 図4は、本発明によるシェルタの更に他の実現態を示す断面図である。 図5は、本発明によるシェルタの更に他の実現態を示す断面図である。
符号の説明
4…地中多層構造物
6…排煙ネットワーク
10…シェルタ
12…状況感知センサ
15…コンピュータ
17…本体殻
18…水槽
21…熱交換器(発電機)
21’…熱交換器
24…復水器

Claims (12)

  1. 生活空間を形成する地中多層構造物と、
    前記地中多層構造物に接合するシェルタと、
    前記シェルタを冷却する冷却手段とを具え、
    前記冷却手段は、
    前記シェルタの外側面に冷却水が接合する水槽と、
    前記水槽内で発生する熱蒸気の温度を低下させる熱交換器とを備える
    防災型地中構造。
  2. 前記シェルタは前記地中多層構造物の最下層側に配置されている
    請求項1の防災型地中構造。
  3. 前記シェルタは、
    第1シェルタと、
    第2シェルタを備え、
    前記第1シェルタは前記地中多層構造物の最下層に接合して配置され、前記第2シェルタは前記地中多層構造物の中層に接合して配置される
    請求項1の防災型地中構造。
  4. 前記地中多層構造物に多層状に配置される排煙ネットワークと、
    前記地中多層構造物に分散的に配置される状況感知センサと、
    前記シェルタの内部に配置されるコンピュータとを更に具え、
    前記状況感知センサは前記状況感知センサが検出する温度と前記状況感知センサが配置されている位置とを前記コンピュータに送信する
    請求項1の防災型地中構造。
  5. 前記熱交換器は、
    前記熱蒸気で回転するタービンと、
    前記タービンに結合する発電機と、
    前記タービンの下流側の前記熱蒸気を液化する復水器とを備える
    請求項1の防災型地中構造。
  6. 前記熱交換器は、前記熱蒸気と冷却水との間で熱交換を行う
    請求項1の防災型地中構造。
  7. 前記地中多層構造物に多層状に配置される排煙ネットワークと、
    前記地中多層構造物に分散的に配置される状況感知センサと、
    前記シェルタの内部に配置されるコンピュータとを更に具え、
    前記状況感知センサは前記状況感知センサが検出する温度と前記状況感知センサが配置されている位置とを前記コンピュータに送信し、
    前記熱交換器は、
    前記熱蒸気で回転するタービンと、
    前記タービンに結合する発電機と、
    前記タービンの下流側の前記熱蒸気を液化する復水器とを備え、
    前記発電機は前記コンピュータに電力を供給する
    請求項1の防災型地中構造。
  8. 前記地中多層構造物は、高層ビルディングの一部又は地下鉄駅構造物である
    請求項1の防災型地中構造。
  9. 内部空間を密閉的に形成する本体殻と、
    前記本体殻を冷却する冷却手段とを具え、
    前記冷却手段は、
    前記本体殻の外側面に接合する水槽と、
    前記水槽内で発生する熱蒸気の温度を低下させる熱交換器とを備える
    シェルタ。
  10. 前記熱交換器は、
    前記熱蒸気で回転するタービンと、
    前記タービンに結合する発電機と、
    前記タービンの下流側の前記熱蒸気を液化する復水器とを備える
    請求項9のシェルタ。
  11. 前記熱交換器は、前記熱蒸気と冷却水との間で熱交換を行う
    請求項1のシェルタ。
  12. 前記本体殻は、
    外側殻と、
    内側殻とを備え、
    前記外側殻と前記内側殻との間には断熱層が形成される
    請求項9のシェルタ。
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