JP2005186597A - 導電性パターンの製造方法 - Google Patents

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Makoto Sugitani
信 杉谷
Atsushi Ochi
淳 越智
Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Jun Nishibayashi
純 西林
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Abstract

【課題】 微細かつ厚膜の導電性パターンを高い精度でもって、効率よく短時間で、しかも低コストで製造する方法を提供する。
【解決手段】
円筒状の凹版(凹版胴10)にインキを供給する工程と、ブランケット胴15に装着してなるシリコーンブランケット16を凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケット16へインキを転移させる工程と、シリコーンブランケット16を凹版から離間させて、これを基材(被転写体)20に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケット16から基材20へとインキを転写する工程と、を含む一連の印刷工程を実行し、当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、シリコーンブランケット16を凹版から離間させて、シリコーンブランケット16の表面を乾燥させる工程を実行する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性パターンの製造方法に関し、より詳しくは、輪転式凹版オフセット印刷法を用いて導電性パターンを印刷形成する方法に関する。
近年、カラーテレビやコンピュータのディスプレイといった表示デバイスには、ブラウン管(CRT)に代えて、液晶ディスプレイ(LCD)、電界発光(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)等の、いわゆるフラットパネルディスプレイ(FPD)が用いられている。
このフラットパネルディスプレイには、例えばPDP用の前面基板(フロント基板)や背面基板(リア基板)、ELディスプレイ用の電極基板のように、主としてストライプ状の電極パターンをガラス等の透明基板上に形成してなる電極基板が用いられているが、かかる電極基板においては、導電性物質を含有するインキを用いて、線幅が10〜500μm程度の微細なストライプパターンを、0.1〜10μm程度の厚みでもって形成することが要求されている。
従来、微細かつ厚膜の導電性パターンを高い精度で形成する方法には、主としてフォトリソグラフィーが採用されているが、プロセスが複雑で、パターン形成に必要な材料や製造設備等が高価であることから、製造コストが極めて高くなるという問題がある。また、現像処理等によって生じる有害な廃液を処理するためのコストも高く、しかも、その廃液には環境上の問題もある。しかも、フォトリソグラフィーによって大型の電極基板を形成するには露光装置や現像エッチング装置を大型化する必要があり、コスト的に極めて不利であることから、近年のディスプレイの大型化に対応しにくいという問題もある。
そこで、低コストでかつ有害な廃液を生じることなく導電性パターンを形成する方法について研究がなされており、凹部の深さによって印刷形成されるインキパターンの厚みを自在に制御することができ、しかも数十から数百μm幅の細線パターンを形成することのでき、被転写体の大型化にも容易に対応することのできる凹版オフセット印刷法が、フォトリソグラフィーの代替法として注目されている。なかでも、表面ゴムにシリコーン系エラストマーを用いたブランケット(シリコーンブランケット)を用いた凹版オフセット印刷法によれば、インキをブランケットから被転写体である基板へと略100%転移させることができることから、非常に微細なパターンを正確に印刷再現することが可能になる。すなわち、シリコーンブランケットを用いた凹版オフセット印刷法を採用することで、導電性パターンの印刷精度を向上させ、かつその製造コストの削減を図ることができる。
しかしながら、通常の凹版は、特許文献1に記載されているように、平板状のガラス基板や金属基板にエッチング等によって凹部を形成したものであることから、これを使用する印刷機には、平台の印刷機が用いられる。平台印刷機による印刷では、(i)スキージおよびドクターによる凹版へのインキの供給、(ii)ブランケットの移動、(iii)凹版上でのブランケットの当接・転動、(iv)ブランケットの移動、および(v)基板上でのブランケットの圧接・転動の各工程が逐次行われることから、印刷速度を大きく向上させることは困難である。なお、上記の各工程を並行して実行させる印刷機も提案されているが、機構が極めて複雑なものとなることから、コスト上不利である。
それゆえ、微細かつ厚膜の導電性パターンを備える電極基板について、製造コストを抑えつつ、大量生産することが困難であるのが現状である。
特開2002−245931号公報 特開平4−33858号公報
本発明の目的は、微細かつ厚膜の導電性パターンを高い精度でもって、効率よく短時間で、しかも低コストで製造する方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る導電性パターンの製造方法は、
円筒状の凹版にインキを供給する工程と、
ブランケット胴に装着してなるシリコーンブランケットを上記凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケットへインキを転移させる工程と、
上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、これを被転写体に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケットから被転写体へとインキを転写する工程と、
を含む一連の印刷工程を実行し、
当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、当該シリコーンブランケットの表面を乾燥させる工程を実行する
ことを特徴とする。
本発明に係る導電性パターンの製造方法によれば、シリコーンブランケットを用いた凹版オフセット印刷によって導電性パターンを印刷形成することから、微細かつ厚膜の導電性パターンを形成することが求められている場合であっても、これを高い精度で形成することができる。さらに、導電性パターンを印刷法によって形成することから、従来のようにフォトリソ法によってパターンを形成する場合に比べて、製造コストを著しく低減させることができる。
また、本発明に係る導電性パターンの製造方法においては、導電性パターンの印刷形成に、円筒状の凹版を用いた輪転式凹版オフセット印刷法を採用している。ここで、平台印刷機による印刷では、前述のように、(i)スキージおよびドクターによる凹版へのインキの供給、(ii)ブランケットの移動、(iii)凹版上でのブランケットの当接・転動、(iv)ブランケットの移動、および(v)基板上でのブランケットの圧接・転動の各工程を経ることから、印刷速度を大きく向上させることは困難であった。これに対し、円筒状の凹版を用いた輪転式凹版オフセット印刷によれば、印刷機の機構を複雑にすることなく、上記(i)〜(iii)の工程に要する時間を短縮することができる。それゆえ、導電性パターンの製造全体に要する時間を大幅に短縮することができる。
凹版オフセット印刷法によって連続印刷を行った場合には、シリコーンブランケットがインキの溶剤によって徐々に膨潤して、最終的にシリコーンブランケットのインキの受理性が低下したり、印刷パターンの形状が乱れたりするなど、印刷精度の低下につながる問題が生じるところ、本発明に係る導電性パターンの製造方法によれば、印刷工程を1回または所定回数終えた後で、シリコーンブランケットの表面を乾燥させる工程を実行していることから、シリコーンブランケットの膨潤に伴う上記問題の発生を防止することができる。しかも、シリコーンブランケットの乾燥処理は、ブランケットを凹版から離間させて行われることから、凹版が乾燥したり、昇温したりすることがなく、それに伴って凹版からブランケットへのインキの転移性が低下したり、凹版が膨張して印刷精度が低下したりするといった問題を引き起こすことがない。
ところで、特許文献2には、インキ転移時にのみ円筒状凹版面がブランケットシリンダに接触する輪転式凹版オフセット印刷機が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の発明は版シリンダの乾燥防止を主目的とするものであって、この目的を達成するために、版へのインキの供給を常時行い、版シリンダとブランケットシリンダとを離接可能なものとしているにすぎない。また、特許文献2にはブランケットの表面を乾燥することが記載されているものの(同文献の図2および図3参照)、ブランケットを乾燥させるための加熱処理が版シリンダに影響を及ぼすことについて何ら考慮されていない。
フラットパネルディスプレイ(FPD)の電極基板における電極パターン(導電性パターン)の印刷法による形成に本発明の方法を採用する場合には、被印刷体である電極基板(基材)がガラス等であることから、凹版やブランケットを固定して被印刷体である基材を移動させるよりも、被印刷体(基材)を固定してブランケットを移動させる方が、印刷処理に必要となるスペースを節約することができる。近年、FPDの大画面化が進んでおり、電極基板にも大型のものを製造することが求められていることから、印刷処理に必要となるスペースを節約できる本発明の方法は、FPDの大画面化に伴う製造設備への投資の負担を軽減させることができるという点からも好適である。
本発明に係る導電性パターンの製造方法は、後述する実施例の結果からも明らかなように、微細かつ厚膜の導電性パターンを高い精度でもって製造し、なおかつ大量生産するという用途において好適である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(凹版)
本発明に使用する凹版としては、円筒状または円柱状の版胴に取り付けて使用するものや、円筒状または円柱状の部材(版胴)の表面に印刷パターンに応じた凹部を直接形成したものが挙げられる。
凹版は、導電性パターンの印刷精度を高める上で、その表面の平滑性が非常に重要となる。凹版表面の平滑性が乏しいと、インキを充填してドクターでかき取る際に、凹版表面にインキのかき残りが生じて、非画線部分の汚れ(地汚れ)の発生を招くからである。
表面平滑性に優れた凹版を安価に製造するには、凹版の基板としてガラスを使用し、エッチングによって凹部を形成するのが好ましいが、本発明で使用する凹版のように、円筒状の版胴に取り付けて使用するものや、凹版自体が円柱状であるものについては、製造コストがかかる。また、ガラスシリンダで凹版を製造した場合には、機械的強度が不足して耐久性に欠けるため、実用には適さない。
従って、本発明においては、金属薄板の表面に、フォトエッチングによって凹部を形成し、次いでその表面に研磨加工を施して、鏡面仕上げを行ったものを凹版とし、これを円柱状の版胴に巻きつけて使用するのが好ましい。また、これに代えて、金属シリンダにあらかじめ鏡面加工を施しておき、その表面にレーザ加工によって凹部を彫刻して凹版胴としてもよい。ここで、金属薄板や金属シリンダの具体的な材質としては、これに限定されるものではないが、例えば42アロイ、ステンレス等を挙げることができる。表面に硬質クロムメッキを施した金属薄板や金属シリンダを用いた場合は、凹版の耐久性を優れたものとすることができる。
凹版の凹部の深さは、目的とするインキ膜の厚みに応じて設計すればよく、通常は1〜50μmの範囲で設定される。なお、シリコーンブランケットから被転写体(基材)へのインキの転写では略100%の転移を実現できるのに対し、凹版からブランケットへのインキの転移では、転移されるインキの量が凹部の深さに対して約半分の厚みであることに考慮する必要がある。
(シリコーンブランケット)
本発明に使用するシリコーンブランケットは、前述のように、表面ゴムとしてシリコーンゴム等のシリコーン系エラストマーを用いたものである。シリコーンゴムには、大きく分けて常温硬化型シリコーンゴム(RTV)と加熱硬化型シリコーンゴム(HTV)とがあるが、本発明においてはいずれのタイプのシリコーンゴムも使用可能である。但し、硬化の際に副生成物が全く発生しないタイプである、常温硬化型でかつ付加型のシリコーンゴムを使用するのが、シリコーンブランケットの寸法精度の観点からより好ましい。
シリコーン系エラストマーの硬度が高すぎると、凹版からのインキの転移および被転写体へのインキパターンの転写の際にブランケットの表面が十分に変形しなくなるおそれがあり、インキ転移性の低下を招く原因となる。逆に、シリコーン系エラストマーの硬度が低すぎると、転移および転写時におけるブランケット表面の変形が大きくなりすぎて、印刷精度の低下を招くおそれがある。シリコーン系エラストマーの硬度はJIS A硬度で20〜70であるのが好ましく、30〜60であるのがより好ましい。
シリコーンブランケットの表面形状は、印刷パターンが微細になるにつれて、印刷精度(特にパターンの形状)に及ぼす影響が大きくなる。一般に、印刷用ブランケットの表面粗さは小さいほど好ましく、例えば電極基板の導電性パターンを印刷形成する際に求められる、ライン幅が20μm程度の微細パターンを形成する場合には、シリコーンブランケットの表面粗さ(10点平均粗さ)を1.0μm以下とするのが好ましく、0.5μm以下とするのがより好ましい。
シリコーンブランケットの表面ゴムの厚みについては特に限定されるものではないが、一般に、表面ゴムが1.5mmを超えて厚くなると、ゴムの変形が大きくなって印刷精度が低下するおそれがあることから、1.5mm以内で設定するのが好ましい。
(印刷インキ)
本発明に使用する印刷インキは、導電性パターンの用途、要求される特性等によって配合が異なり、それゆえ特に限定されるものではなく、導電性パターンの用途、特性のほか、印刷適性等を考慮した上で、従来公知の種々のインキから適宜選択すればよい。印刷インキは、樹脂と溶剤のほか、導電性パターンの用途、要求される特性等に応じて導電性粉末、顔料等を適量配合し、3本ロール等によって混合攪拌することによって作製される。
印刷インキの溶剤は、オフセット印刷の印刷適性を支配する重要な因子であることから、シリコーンブランケットに対する膨潤の程度、ブランケット表面の濡れ特性に及ぼす影響等を考慮して選択する必要がある。一般的には、シリコーンブランケットに対する膨潤の少ない溶剤を用いることで、当該ブランケットの表面の濡れ特性の変化を小さくすることができ、安定した印刷を実現することができる。特に、本発明は輪転印刷機によって導電性パターンの印刷形成を連続的に行うことを想定していることから、膨潤の少ない溶剤を用いるのが好ましい。連続印刷では、ブランケットの膨潤に伴って表面濡れ特性の変化が大きくなり易く、その結果、印刷パターンの線幅が拡がったり、凹版表面の微小な汚れをブランケットの表面に転移させたり、被転写体への転写性が低下したりする等の問題が生じて、安定した印刷が困難になるからである。一方、シリコーンブランケットのインキ受理性の観点からは、シリコーンブランケットをある程度膨潤させ得る溶剤を選択するのが好ましい。
印刷インキを形成する樹脂には、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の、各種の樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、アクリル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂等が挙げられえる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、所望の印刷適性に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
本発明では印刷用ブランケットとしてシリコーンブランケットを用いることから、印刷インキ中にシリコーンオイルを添加するのが好ましい。シリコーンブランケットに含まれる低分子のシリコーンオイル成分は、印刷インキと接触することによって抽出されて、経時的にその含有量が減少するところ、印刷インキ中にシリコーンオイルを含有させることで、ブランケットからシリコーンオイル成分が抽出されるのを抑制、防止したり、ブランケットの内部へシリコーンオイル成分を供給したりできるからである。シリコーンブランケット中のシリコーンオイル成分の含有量が減少すると、印刷パターンの線幅がばらつく等の問題が生じるところ、シリコーンオイル成分を添加してなる印刷インキを用いることで、かかる問題が生じるのを抑制、防止することができる。
この場合において、印刷インキ中に添加するシリコーンオイルの量は、インキの樹脂分100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。シリコーンオイルの配合量が上記範囲を下回ると十分な効果を得ることができない。逆に、上記範囲を超えてシリコーンオイルを配合してもその効果に変化はなく、コスト上不利である。
印刷インキ中に添加されるシリコーンオイルについては特に限定されるものではなく、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等や、種々の変性シリコーンオイルを採用することができる。
(被転写体)
本発明に用いられる被転写体としては、製造の目的となる製品に応じて、当該製品に使用可能な基材の中から適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
本発明の製造方法を採用してフラットパネルディスプレイ用の電極基板を形成する場合には、被転写体を形成する材質として、例えばソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを用いればよい。また、その他の用途のパターンを形成する場合においては、上記例示のガラスのほか、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン等のビニル類;ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂といった樹脂からなるフィルムを被転写体として用いたり、金属フィルム、セラミック等を被転写体として用いたりすることも可能である。
(本発明の具体的実施形態)
次に、本発明に係る導電性パターンの製造方法を、図1を参照しつつ説明する。
図1(a)〜(c)に示す導電性パターンの製造方法では、凹版として、シリンダの表面に印刷パターンに対応した凹部を形成してなる凹版胴10を使用しており、ブランケットとして、ブランケット胴15の表面に平板状のシリコーンブランケット16を巻きつけたものを使用している。
図1に示す導電性パターンの製造方法では、まず、凹版胴10とブランケット胴15とを互いに逆方向に回転させており、凹版胴10の表面の凹部(図示せず)にスキージ11によってインキ12が供給される。凹部に充填されたインキ12は、ブランケット胴15に装着されたシリコーンブランケット16に転移される〔図1(a)〕。
次いで、シリコーンブランケット16を被転写体としての基材20上へと移動し、これを回転させつつ、基材20の表面に転動させることによって、凹部に充填されたインキ(図示せず)が基材20の表面に転写される〔図1(b)〕。図1(b)中、符号16’は、凹版胴10からインキを転移させる際のシリコーンブランケット16の基準位置を示し、符号16''は、基材20の表面にて転動させたシリコーンブランケット16の停止位置を示す。
こうして基材20の表面にインキパターン(図示せず)を転写した後、シリコーンブランケット16を凹版胴10からインキを転移させる際の基準位置16’へと復帰させることにより、新たな印刷工程を実行することができる。
凹版胴10からシリコーンブランケット16へのインキの転移およびシリコーンブランケット16から基材20の表面へのインキパターンの転写(一連の印刷工程)を終えた後においては、シリコーンブランケット16の表面を乾燥させる処理を行うのが好ましい。この乾燥処理は、前述のように、一連の印刷工程を1回終える毎に行ってもよく、シリコーンブランケット16の表面状態を考慮して、所定回数繰り返した後に行ってもよい。
シリコーンブランケット16の乾燥は加熱によるものが好ましく、例えば図1(c)に示すように、温風噴射器25からの温風の噴射や、赤外線ヒータ26からの赤外線の照射によって行うことができる。また、シリコーンブランケット16の裏面やブランケット胴15の内部にヒータを配置して、このヒータでシリコーンブランケット16を加熱してもよい。なかでも、温風の噴射と赤外線の照射とを併せて行うのが、加熱・乾燥の効率や、加熱設備の取扱性の観点から好ましい。
シリコーンブランケット16を加熱して乾燥させた後には、当該ブランケット16の表面を冷却する処理を施すのが好ましい。シリコーンブランケット16の冷却は、例えば冷風を噴射したり、低温のローラまたは金属等の熱伝導性に優れた材質からなるローラ27をブランケット16の表面に当接させたりすることによって行うことができる。
シリコーンブランケット16の乾燥処理(加熱および冷却処理)は、当該ブランケット16を、凹版胴10から離間させた状態で(さらに好ましくは、基材20およびそれを固定する定盤21からも離間させた状態で)実行するのが、凹版胴10の乾燥や基材20の熱膨張を防止し、印刷精度の低下を防止するという観点から好ましい。
次に、本発明の製造方法によって基材上に導電性パターンを印刷形成した実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。
〔導電性パターンの印刷形成〕
(実施例1)
導電性パターンを印刷形成する基材には、縦、横各500mm、厚さ2.8mmのガラス板を使用し、印刷インキには、アクリル樹脂100重量部に、銀粉末(平均粒径2μmの球状のもの)1000重量部と、ガラスフリット50重量部とを混合し、溶剤としての酢酸ブチルカルビトールを30〜50重量部の割合で混合、攪拌してなる導電性ペーストを使用した。
凹版には、金属製の円筒(幅500mm、直径400mm)に硬質クロムメッキを施し、さらに表面に鏡面加工(ポリッシャーによる研磨)を施したものを使用した。印刷により形成する導電性パターンは線幅180μm、線間隔360μmのストライプパターンであって、当該パターンに応じた凹部を、上記金属製円筒の表面にレーザ加工によって彫刻した。
シリコーンブランケットには、厚さ0.35mmのPETフィルム上に、厚さ0.6mmのシリコーンゴム層(JIS A硬さ40、10点平均粗さ0.1μm)を形成したものを使用した。シリコーンゴム層は、常温硬化型・付加型のシリコーンゴムをPETフィルム上に塗布した後、セルフレベリングによって平滑化させつつ硬化させることによって作製した。このシリコーンブランケットは、幅500mm、直径400mmのブランケット胴に装着して使用した。
基材上への導電性パターンの印刷形成は、円筒状の凹版を用いた輪転式凹版オフセット印刷法によって行った。印刷時の環境は室温23℃、湿度55%RHであって、凹版からシリコーンブランケットのインキ転移時には、凹版胴とブランケット胴の線速度をそれぞれ50mm/sに設定し、シリコーンブランケットのニップ幅を15mmに調節した。一方、シリコーンブランケットから被転写体への転写時には、ブランケット胴の線速度を200mm/sに設定し、シリコーンブランケットのニップ幅を15mmに調節した。
こうして基材の表面に導電性ペーストからなるストライプパターン(導電性パターン)を形成し、次いで、これをクリーンオーブンにて200℃で30分間加熱、硬化させることによって、線幅180μm、膜厚(硬化後)5μmの電極パターンを得た。
輪転式凹版オフセット印刷法による一連の印刷工程を1サイクル終了する毎に、シリコーンブランケットと凹版とを離間させた状態で、シリコーンブランケットに対する乾燥処理を行った。具体的には、シリコーンブランケットの表面に、温風の噴射と赤外線の照射とを同時に施して加熱することにより、当該表面を乾燥させた。その際、シリコーンブランケットの表面温度が120℃になるように加熱の程度を調節した。加熱処理後には、シリコーンブランケットの表面に、直径100mm、幅500mmの金属製ロールを当接させて、シリコーンブランケットの表面を冷却した。冷却処理後のブランケットの表面温度は40℃となるように調節した。
(比較例1)
導電性パターンを印刷形成する基材、印刷インキおよびシリコーンブランケットには実施例1と同じものを使用した。
凹版には、幅500mm、長さ500mmの42アロイ板にクロムメッキを施し、さらに表面に鏡面加工 (ポリッシャーによる研磨)を施したものを使用した。印刷により形成する導電性パターンは、線幅180μm、線間隔360μmのストライプパターンであって、当該パターンに応じた凹部をフォトリソ法−エッチング処理によって彫刻した。
基材上への導電性パターンの印刷形成は、平板状の凹版を用いた凹版オフセット印刷法によって行った。印刷時の環境は実施例1の場合と同様とした。凹版からシリコーンブランケットのインキ転移時には、インキの転移速度を15mm/sに設定し、シリコーンブランケットのニップ幅を12mmに調節した。一方、シリコーンブランケットから被転写体への転写時には、インキパターンの転写速度を200mm/sに設定し、シリコーンブランケットのニップ幅を12mmに調節した。
こうして基材の表面に導電性ペーストからなるストライプパターン(導電性パターン)を形成し、これを実施例1と同様にして加熱、硬化させることによって、線幅180μm、膜厚(硬化後)5μmの電極パターンを得た。
凹版オフセット印刷法による一連の印刷工程を1サイクル終了する毎に、実施例1と同様にして、シリコーンブランケットに対する乾燥処理(加熱および冷却)を行った。
〔性能評価〕
上記実施例および比較例について、基材10枚に対して導電性パターンを製造するのに要した時間(印刷時間)を計測した。
また、10枚目の基材について、その表面に形成された導電性パターン(硬化前)を顕微鏡で観察して、その印刷形状を評価した。印刷形状の評価は、主として、パターンの直線性やパターン表面の平滑性を確認した上で、印刷形状が(i)良好である、(ii)直線性や平滑性が多少劣っている箇所があったものの、実用上問題がない程度である、または(iii)直線性や平滑性が劣っており、実用上不適当である、の3段階で評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005186597
表1より明らかなように、輪転式凹版オフセット印刷法によって導電性パターンを印刷形成した実施例1では、比較例1に比べて印刷時間を概ね1/3程度に短縮することができた。しかも、導電性パターンの印刷形状は良好であった。
従って、本発明に係る導電性パターンの製造方法によれば、例えばフラットディスプレイパネル用電極基板のように、微細かつ厚膜の導電性パターンを形成する用途において、当該パターンの印刷精度を維持しつつ、当該パターンの形成に要する時間を大幅に短縮することができ、大量生産を実現することができる。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明に係る導電性パターンの製造方法の一実施形態を示す模式図である。
符号の説明
10 凹版胴
15 ブランケット胴
16 シリコーンブランケット
20 基材

Claims (1)

  1. 円筒状の凹版にインキを供給する工程と、
    ブランケット胴に装着してなるシリコーンブランケットを上記凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケットへインキを転移させる工程と、
    上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、これを被転写体に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケットから被転写体へとインキを転写する工程と、
    を含む一連の印刷工程を実行し、
    当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、当該シリコーンブランケットの表面を乾燥させる工程を実行する
    ことを特徴とする導電性パターンの製造方法。
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