JP2005186597A - 導電性パターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
円筒状の凹版(凹版胴10)にインキを供給する工程と、ブランケット胴15に装着してなるシリコーンブランケット16を凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケット16へインキを転移させる工程と、シリコーンブランケット16を凹版から離間させて、これを基材(被転写体)20に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケット16から基材20へとインキを転写する工程と、を含む一連の印刷工程を実行し、当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、シリコーンブランケット16を凹版から離間させて、シリコーンブランケット16の表面を乾燥させる工程を実行する。
【選択図】 図1
Description
このフラットパネルディスプレイには、例えばPDP用の前面基板(フロント基板)や背面基板(リア基板)、ELディスプレイ用の電極基板のように、主としてストライプ状の電極パターンをガラス等の透明基板上に形成してなる電極基板が用いられているが、かかる電極基板においては、導電性物質を含有するインキを用いて、線幅が10〜500μm程度の微細なストライプパターンを、0.1〜10μm程度の厚みでもって形成することが要求されている。
円筒状の凹版にインキを供給する工程と、
ブランケット胴に装着してなるシリコーンブランケットを上記凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケットへインキを転移させる工程と、
上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、これを被転写体に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケットから被転写体へとインキを転写する工程と、
を含む一連の印刷工程を実行し、
当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、当該シリコーンブランケットの表面を乾燥させる工程を実行する
ことを特徴とする。
(凹版)
本発明に使用する凹版としては、円筒状または円柱状の版胴に取り付けて使用するものや、円筒状または円柱状の部材(版胴)の表面に印刷パターンに応じた凹部を直接形成したものが挙げられる。
凹版は、導電性パターンの印刷精度を高める上で、その表面の平滑性が非常に重要となる。凹版表面の平滑性が乏しいと、インキを充填してドクターでかき取る際に、凹版表面にインキのかき残りが生じて、非画線部分の汚れ(地汚れ)の発生を招くからである。
本発明に使用するシリコーンブランケットは、前述のように、表面ゴムとしてシリコーンゴム等のシリコーン系エラストマーを用いたものである。シリコーンゴムには、大きく分けて常温硬化型シリコーンゴム(RTV)と加熱硬化型シリコーンゴム(HTV)とがあるが、本発明においてはいずれのタイプのシリコーンゴムも使用可能である。但し、硬化の際に副生成物が全く発生しないタイプである、常温硬化型でかつ付加型のシリコーンゴムを使用するのが、シリコーンブランケットの寸法精度の観点からより好ましい。
(印刷インキ)
本発明に使用する印刷インキは、導電性パターンの用途、要求される特性等によって配合が異なり、それゆえ特に限定されるものではなく、導電性パターンの用途、特性のほか、印刷適性等を考慮した上で、従来公知の種々のインキから適宜選択すればよい。印刷インキは、樹脂と溶剤のほか、導電性パターンの用途、要求される特性等に応じて導電性粉末、顔料等を適量配合し、3本ロール等によって混合攪拌することによって作製される。
印刷インキ中に添加されるシリコーンオイルについては特に限定されるものではなく、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等や、種々の変性シリコーンオイルを採用することができる。
本発明に用いられる被転写体としては、製造の目的となる製品に応じて、当該製品に使用可能な基材の中から適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
本発明の製造方法を採用してフラットパネルディスプレイ用の電極基板を形成する場合には、被転写体を形成する材質として、例えばソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを用いればよい。また、その他の用途のパターンを形成する場合においては、上記例示のガラスのほか、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン等のビニル類;ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂といった樹脂からなるフィルムを被転写体として用いたり、金属フィルム、セラミック等を被転写体として用いたりすることも可能である。
次に、本発明に係る導電性パターンの製造方法を、図1を参照しつつ説明する。
図1(a)〜(c)に示す導電性パターンの製造方法では、凹版として、シリンダの表面に印刷パターンに対応した凹部を形成してなる凹版胴10を使用しており、ブランケットとして、ブランケット胴15の表面に平板状のシリコーンブランケット16を巻きつけたものを使用している。
次いで、シリコーンブランケット16を被転写体としての基材20上へと移動し、これを回転させつつ、基材20の表面に転動させることによって、凹部に充填されたインキ(図示せず)が基材20の表面に転写される〔図1(b)〕。図1(b)中、符号16’は、凹版胴10からインキを転移させる際のシリコーンブランケット16の基準位置を示し、符号16''は、基材20の表面にて転動させたシリコーンブランケット16の停止位置を示す。
凹版胴10からシリコーンブランケット16へのインキの転移およびシリコーンブランケット16から基材20の表面へのインキパターンの転写(一連の印刷工程)を終えた後においては、シリコーンブランケット16の表面を乾燥させる処理を行うのが好ましい。この乾燥処理は、前述のように、一連の印刷工程を1回終える毎に行ってもよく、シリコーンブランケット16の表面状態を考慮して、所定回数繰り返した後に行ってもよい。
シリコーンブランケット16の乾燥処理(加熱および冷却処理)は、当該ブランケット16を、凹版胴10から離間させた状態で(さらに好ましくは、基材20およびそれを固定する定盤21からも離間させた状態で)実行するのが、凹版胴10の乾燥や基材20の熱膨張を防止し、印刷精度の低下を防止するという観点から好ましい。
〔導電性パターンの印刷形成〕
(実施例1)
導電性パターンを印刷形成する基材には、縦、横各500mm、厚さ2.8mmのガラス板を使用し、印刷インキには、アクリル樹脂100重量部に、銀粉末(平均粒径2μmの球状のもの)1000重量部と、ガラスフリット50重量部とを混合し、溶剤としての酢酸ブチルカルビトールを30〜50重量部の割合で混合、攪拌してなる導電性ペーストを使用した。
輪転式凹版オフセット印刷法による一連の印刷工程を1サイクル終了する毎に、シリコーンブランケットと凹版とを離間させた状態で、シリコーンブランケットに対する乾燥処理を行った。具体的には、シリコーンブランケットの表面に、温風の噴射と赤外線の照射とを同時に施して加熱することにより、当該表面を乾燥させた。その際、シリコーンブランケットの表面温度が120℃になるように加熱の程度を調節した。加熱処理後には、シリコーンブランケットの表面に、直径100mm、幅500mmの金属製ロールを当接させて、シリコーンブランケットの表面を冷却した。冷却処理後のブランケットの表面温度は40℃となるように調節した。
導電性パターンを印刷形成する基材、印刷インキおよびシリコーンブランケットには実施例1と同じものを使用した。
凹版には、幅500mm、長さ500mmの42アロイ板にクロムメッキを施し、さらに表面に鏡面加工 (ポリッシャーによる研磨)を施したものを使用した。印刷により形成する導電性パターンは、線幅180μm、線間隔360μmのストライプパターンであって、当該パターンに応じた凹部をフォトリソ法−エッチング処理によって彫刻した。
凹版オフセット印刷法による一連の印刷工程を1サイクル終了する毎に、実施例1と同様にして、シリコーンブランケットに対する乾燥処理(加熱および冷却)を行った。
上記実施例および比較例について、基材10枚に対して導電性パターンを製造するのに要した時間(印刷時間)を計測した。
また、10枚目の基材について、その表面に形成された導電性パターン(硬化前)を顕微鏡で観察して、その印刷形状を評価した。印刷形状の評価は、主として、パターンの直線性やパターン表面の平滑性を確認した上で、印刷形状が(i)良好である、(ii)直線性や平滑性が多少劣っている箇所があったものの、実用上問題がない程度である、または(iii)直線性や平滑性が劣っており、実用上不適当である、の3段階で評価した。
従って、本発明に係る導電性パターンの製造方法によれば、例えばフラットディスプレイパネル用電極基板のように、微細かつ厚膜の導電性パターンを形成する用途において、当該パターンの印刷精度を維持しつつ、当該パターンの形成に要する時間を大幅に短縮することができ、大量生産を実現することができる。
15 ブランケット胴
16 シリコーンブランケット
20 基材
Claims (1)
- 円筒状の凹版にインキを供給する工程と、
ブランケット胴に装着してなるシリコーンブランケットを上記凹版に当接させて凹版からシリコーンブランケットへインキを転移させる工程と、
上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、これを被転写体に圧接しつつ転動させて、シリコーンブランケットから被転写体へとインキを転写する工程と、
を含む一連の印刷工程を実行し、
当該印刷工程を1回または所定回数終えた後に、上記シリコーンブランケットを凹版から離間させて、当該シリコーンブランケットの表面を乾燥させる工程を実行する
ことを特徴とする導電性パターンの製造方法。
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