JP2005179718A - 高強度製品用ステンレス鋼線材および耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルト - Google Patents

高強度製品用ステンレス鋼線材および耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルト Download PDF

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Abstract

【課題】 冷間鍛造性に優れた高力ボルト用の安価ステンレス鋼線材を提供し、高力ボルトの生産コストを大幅に低減させると共に、高力ボルトの耐久性(信頼性)を確保する。
【解決手段】 質量%で、C;0.02〜0.09%,Si;0.1〜1.0%,Mn;0.1〜1.5%,Ni;0.1〜1.5%,Cr;10.5〜15%,N;0.01〜0.06%を含有し、炭窒化物生成元素であるNb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5,V;0.05〜0.5,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を含有し、更に、2C+Nが0.07〜0.16%であり、かつ、引張強さが400〜700N/mm2であることを特徴とする高強度ボルト用ステンレス鋼線材である。また、上記成分を有し,引張強さが800〜1200N/mm2であることを特徴とする耐久性に優れたステンレス鋼製の高力ボルトである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐久性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼製の高強度製品に係わり、更には、建築や機械用の高力ボルトに使用され、特に耐久性(耐遅れ破壊性)に優れた高強度ステンレス鋼製の高力ボルトに関するものである。
これまで、ステンレス鋼の高強度製品,特に高力ボルト材としてSUS630鋼が使用されてきた。しかしながら、SUS630鋼線材は冷間鍛造性が悪い等の問題がある。最近、温間鍛造を実施して生産性を上げようとする試みがある(たとえば、特許文献1)が、やはり、鍛造性が悪く、製造コストが高いため、殆ど市場に受け入れられてこなかった。
一方、不純物元素を低減して高冷間鍛造性を付与した安価なSUS410系材料も提案されている(たとえば、特許文献2)が、耐遅れ破壊性等の耐久性に懸念があるため、該材料も殆ど使用されてこなかった。
一方、最近、軟化抵抗を増大して、ディスクブレーキ用材の耐摩耗性を向上させること等を目的にSUS410系材料にNb,TiやMn,Cu等を添加した高強度鋼が提案されている(たとえば、特許文献3)。
また、スイート環境用途にSUS410系にNb,Ni等を添加し、更にクロム窒化物を分散させた高強度鋼が提案されている(たとえば、特許文献4)。
しかしながら、上記鋼は高力ボルトとして設計されておらず、機械的性質や特に耐久性(耐遅れ破壊性)のパフォーマンスおよび冷間鍛造性等のボルト製造性の観点から十分ではない。
以上のことから、従来、安価なステンレス鋼製の高力ボルトおよびその素材(線材)は実質的に存在していなかった。
特開平09−314276号公報 特開昭62−238351号公報 特開2001−192779号公報 特開2002−241902号公報
本発明の目的は、冷間鍛造性に優れた高力ボルト用の安価ステンレス鋼線材を提供し、高力ボルトの生産コストを大幅に低減させると共に、高力ボルトの耐久性(信頼性)を確保することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、Cr炭窒化物を抑制してマルテンサイト組織を確保するためにC,N量およびCr,Mn,Ni量を適正化して、旧オーステナイト粒径を微細化するためにNb,Ti等を添加することで、冷間鍛造性を向上させ、且つ、熱処理で高強度と耐久性(耐遅れ破壊性)の両特性を付与でき、コストパフォーマンスに優れるステンレス鋼製高力ボルトが得られることを見出した。本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1) 質量%で、C;0.02〜0.09%,Si;0.1〜1.0%,Mn;0.1〜1.5%,Ni;0.1〜1.5%,Cr;10.5〜15%,N;0.01〜0.06%を含有し、炭窒化物生成元素であるNb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5%,V;0.05〜0.5%,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を含有し、更に、2C+Nが0.07〜0.16%で残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり、かつ、引張強さが400〜700N/mm2であることを特徴とする高強度ボルト用ステンレス鋼線 材である。
(2) さらに、質量%で、Mo;0.1〜2.0%,Cu;0.1〜1.5%,Co;0.1〜1.5%,Sn;0.01〜0.3%の1種以上を含有することを特徴とする前記(1)記載の冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材である。
(3) さらに、質量%で、B;0.001〜0.015%を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材である。
(4) さらに、質量%で、Al;0.005〜0.1%,Mg;0.0005〜0.01%,Ca;0.0005〜0.01%の1種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)記載のいずれかの冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材である。
(5) 質量%で、C;0.02〜0.09%,Si;0.1〜1.0%,Mn;0.1〜1.5%,Ni;0.1〜1.5%,Cr;10.5〜15%,N;0.01〜0.06%を含有し、炭窒化物生成元素であるNb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5%,V;0.05〜0.5%,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を含有し、更に、2C+Nが0.07〜0.16%で残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり、,旧オーステナイト粒径の平均値が30μm以下,引張強さが800〜1200N/mm2であり、実質的にマルテンサイト相にNb,Ti,V,W,Ta,Zr系の1種以上の炭窒化物が分散している組織を有することを特徴とする耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルトである。
(6) さらに、質量%で、Mo;0.1〜2.0%,Cu;0.1〜1.5%,Co;0.1〜1.5%,Sn;0.01〜0.3%の1種以上を含有することを特徴とする前記(5)記載の耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルトである。
(7) さらに、質量%で、B;0.001〜0.015%を含有することを特徴とする前記(5)又は(6)記載の耐久性に優れたステンレス鋼製の高力ボルトである。
(8) さらに、質量%で、Al;0.005〜0.1%,Mg;0.0005〜0.01%,Ca;0.0005〜0.01%の1種以上を含有することを特徴とする前記(5)〜(7)記載のいずれかの耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルトである。
本発明による冷間鍛造用のステンレス鋼線材は、ボルトへの冷間鍛造性を向上してボルト製造コストを大幅に低減し、且つ、その後の熱処理でボルトの強度と高耐久性(耐遅れ破壊性)を付与して高力ボルト製品のコストパフォーマンスを飛躍的に向上する効果を発揮する。
以下に、先ず、本発明の請求項1記載の限定理由について説明する。
Cは、高力ボルトの熱処理(焼入れ・焼戻し)後の強度を確保するために、0.02%以上添加する。しかしながら、0.09%を超えて添加するとCr炭化物の析出のため、耐久性(耐遅れ破壊性)が劣化する。そのため、上限を0.09%とする。好ましい範囲は、0.035%〜0.06%である。
Nは、高力ボルトの熱処理(焼入れ・焼戻し)後の強度を確保するために、0.01%以上添加する。しかしながら、0.06%を超えて添加するとCr窒化物の析出のため、耐久性(耐遅れ破壊性)が劣化する。そのため、上限を0.06%とする。好ましい範囲は、0.02〜0.05%である。
(2C+N)量は、上記のC,Nの理由から0.07%〜0.16%にする。なお、Cの方がNよりも強度への寄与率が2倍大きいことからCの係数をNの2倍にした。好ましい範囲は、0.08〜0.14%である。
Mnは、焼入れした時に安定してマルテンサイト組織を得るため、また、脱酸のために0.1%以上添加する。しかしながら、1.5%を超えて添加すると冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化することから上限を1.5%とする。好ましい範囲は、0.3〜1.2%である。
Niは、マルテンサイト組織を得て、且つ、耐久性を確保するために、0.1%以上添加する。しかしながら、1.5%を超えて添加すると、冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化することから上限を1.5%とする。好ましい範囲は、0.1〜0.5%である。
Crは、耐食性を向上して耐久性を確保するために10.5%以上添加する。しかしながら、15%を超えて添加するとマルテンサイト単相組織が得られず、δフェライトが生成し、その界面にCr炭窒化物が析出するため耐久性の劣化を引き起こす。そのため、上限を15%とする。好ましい範囲は、11.5〜13.5%である。
Siは、脱酸のために0.1%以上添加する。しかしながら、1.0%を超えて添加すると冷間鍛造性が劣化するばかりか、δフェライトが生成し、その界面にCr炭窒化物が析出するため耐久性が劣化する。そのため、上限を1.0%とする。好ましい範囲は、0.1〜0.4%である。
Nb,Ti,V,W,Ta,Zrは、炭窒化物を生成させて旧オーステナイト粒径を30μm以下に微細化するために、Nb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5%,V;0.05〜0.5%,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を添加する。なお、過度の添加は炭窒化物による冷間鍛造性(ボルト製造性)を劣化させるばかりか、耐久性をも劣化させるため、上限値を設けた。好ましい範囲は、各々、Nb;0.1〜0.5%,Ti;0.2〜0.5%,V;0.1〜0.5%,W;0.1〜0.5%,Ta;0.1〜0.5%,Zr;0.1〜0.5%である。
冷間鍛造性を確保してボルト製造コストを低減させるために、その素材であるステンレス鋼線材の引張強さを、通常のマルテンサイト系ステンレス鋼線材の焼鈍操業範囲(たとえば、800〜900℃−2h,徐冷)で700N/mm2以下にする。しかしながら、400N/mm2以下にするには工業的に困難であり、逆に不経済でありトータルコストが高くなる。そのため、下限を400N/mm2とする。好ましい範囲は、450〜600N/mm2である。
次に、請求項2記載の限定理由について説明する。
Mo,Cu,Co,Snは必要に応じて添加する。
Moは、耐食性改善のために0.1%以上添加するが、2.0%を超えると冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化するばかりか、δフェライト組織が生成し耐久性をも劣化させる。そのため上限を2.0%とする。好ましい範囲は、0.5〜1.5%である。
Cuは、耐食性改善のために0.1%以上添加するが、1.5%を超えると冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化する。そのため上限を1.5%とする。好ましい範囲は、0.2〜0.8%である。
Coは、耐食性改善のために0.1%以上添加するが、1.5%を超えると冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化する。そのため、上限を1.5%とする。好ましい範囲は、0.2〜0.8%である。
Snは、耐食性改善のために0.01%以上添加する。しかしながら、0.3%を超えて添加すると冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化する。そのため、上限を0.3%に限定する。好ましい範囲は、0.05〜0.2%である。
次に、請求項3記載の限定理由について説明する。
Bは、不可避的不純物の粒界偏析を防止して、耐久性を向上するため、必要に応じて0.001%以上添加する。しかしながら、0.015%を超えて添加するとボライドが生成し、逆に耐久性が劣化する。そのため、上限を0.015%に限定する。好ましい範囲は、0.002〜0.01%である。
次に、請求項4記載の限定理由について説明する。
Al,Mg,Caは必要に応じて添加する。
Al,Mg,Caは、強力な脱酸元素であるため、必要に応じて、Al;0.005〜0.1%,Mg;0.0005〜0.01%,Ca;0.0005〜0.01%の1種以上を添加して脱酸を強化して、耐久性を向上させる。但し、各元素共に上限を超えて添加すると、粗大な硬質介在物が生成し、冷間鍛造性(ボルト製造性)が劣化する。そのため上限を設定した。好ましい範囲は、Al;0.01〜0.06%,Mg;0.0005〜0.005%,Ca;0.001〜0.005%である。
次に、請求項5記載の限定理由について説明する。
本発明の高冷間鍛造性・高強度・高耐久性の特性は、ステンレス鋼製の高力ボルトへ工業的に適用された場合、その経済的効果が著しく大きく、意味あるものとなる。そのため、高力ボルトに用途限定する。
また、前述したボルトの化学組成の限定に加え、旧オーステナイト粒径は、耐久性(耐遅れ破壊性)に寄与するため、平均粒径を30μm以下に限定する。好ましくは、20μm以下である。
ボルトの引張強さは、建築構造向け摩擦接合用ボルトとしてF8T(JIS B 1186)以上の機械的性質を確保して経済的効果を最大限に発揮するために、800N/mm2以上とする。しかしながら、1200N/mm2を超えると耐久性(耐遅れ破壊性)が著しく劣化する。そのため上限を1200N/mm2とする。好ましい範囲は、900〜1150N/mm2である。
ボルトの金属組織は、強度と耐久性を両立するため、実質的にマルテンサイト相に、旧オーステナイト組織を微細化する1種以上のNb,Ti,V,W,Ta,Zr系の炭窒化物が分散した組織とする。なお、数%程度の不可避的な残留オーステナイト組織は無害であるため含有できるが、δフェライト組織やM236型のCr炭窒化物は耐久性を劣化させるため、含有しないことを意味する。
なお、ボルトにおける請求項6〜8記載の限定理由については、請求項2〜4記載の限定理由と同じである。
以下に本発明の実施例について説明する。
表1、表2に実施例の鋼の化学組成を示す。
Figure 2005179718
Figure 2005179718
これら化学組成の鋼は、150kgの真空溶解炉にて溶解し、φ180mmの鋳片に鋳造した。鋳片を表面ピーリング加工した後にφ16.5mmまで熱間で線材圧延し、1000℃で熱延を終了して室温まで冷却した。次に、線材をバッチ炉にて通常の焼鈍で880℃−120分間の保定・徐冷した後、酸洗を行いボルト用素材(線材)とした。線材からサンプルを採取し、引張強さを評価し、その後、残りはボンデ被膜処理してφ15.6mmまでスキンパス伸線を行い、冷間鍛造および転造加工によりM16サイズの六角頭ボルトを製造し、製造性を評価した。続いて、Cr炭窒化物を溶解させる目的で900℃まで温度を上げて無酸化炉で1h保持し、その後、空冷にて焼入れ処理を行った。その後、Cr炭窒化物が析出しない温度;250℃(大気)で1hの低温焼戻し処理を行った。
その後、ボルト製品から引張試験片,耐久性試験片および金属組織観察片を切り出し、引張強さ,旧オーステナイト粒径,金属組織および耐久性を評価した。
引張強さ,ボルト製造性,旧オーステナイト粒径,金属組織および耐久性の評価結果を表3,表4に示す。
Figure 2005179718
Figure 2005179718
引張試験は、線材およびボルト片で実施した。JIS Z 2201に従い、線材から9号片,ボルトから10号片の引張試験片を切り出し、JIS Z 2241に従って引張強さを測定した。本発明線材の引張強さは、400〜700N/mm2の範囲内にあり、本発明例のボルト製品の引張強さは800〜1200N/mm2の範囲内にあった。
製造性は、冷間のダブルヘッダーによりM16の六角頭に冷間鍛造加工を行い、1000本圧造加工ができるか否かで評価した。頭部加工割れを発生せず、且つ、工具が破損しない場合、製造性を○として評価し、加工割れ、または、工具が破損した場合、製造性を×として評価した。本発明例の製造性はいずれも○であった。
耐久性は、最終の熱処理後のM16製品ボルトから、平行部がφ6mm×50mmで両端がM8のねじ切り加工を施した引張試験片を切り出し、平行部の中央部に60°,1mm深さ,先端R0.1mmのノッチ加工を施し(ノッチ部の直径:φ4mm)、その後、pH2の塩酸+酢酸ナトリウム溶液中に浸漬し、1.7tonの引張力(ノッチ部の応力;約1300N/mm2)を負荷して応力腐食割れを促進させて、その破断時間で評価した。破断時間が1000時間に達すれば、評価は○とし、1000時間未満であれば、評価は×とした。本発明例の耐久性はいずれも○であった。
金属組織は、最終の熱処理後のM16製品ボルトを縦断面中心に埋め込み研磨し、王水にてエッチングして、光顕観察よりマルテンサイト組織の生地にδフェライトが存在するかを判定した。本発明例にはマルテンサイト組織であり、δフェライト組織は存在しなかった。
更に、炭窒化物については、最終の熱処理後のM16ボルトにおいて、頭の表層を#500研磨し、非水溶液中(3%のマレイン酸+1%のテトラメチルアンモニウムクロイド+残部メタノール)で電解(100mV定電圧)して、マトリックスを溶解し、0.2μm穴径のフィルターでろ過して、炭窒化物を抽出し、その後、SEM・EDSにて炭窒化物の種類を同定した。本発明例にはCr系炭窒化物は認められず、Nb,Ti,V,W,Ta,Zr系の炭窒化物のみが認められた。
旧オーステナイト粒径は、最終の熱処理後のM16ボルトを縦断面中心に埋め込み研磨し、王水にてエッチングして、100倍の光学顕微鏡の画像解析により中心部付近を10箇所測定し、平均の旧オーステナイト粒径を求めた。本発明の平均の旧オーステナイト粒径は、いずれも30μm以下であった。
一方、比較例No.25,27は、C,N量がそれぞれ低過ぎであり、製品の引張強さが低く、高力ボルトとしての商品価値がない。
比較例No.26,28は、C,N量がそれぞれ高く、製品の引張強さが高すぎるため、ボルト製品の耐久性に劣る。
比較例No.29は、Si量が高く、ボルト製造性(冷間鍛造性)に劣るばかりかδフェライト組織が生成するため耐久性にも劣る。
比較例No.30,31は、Mn,Ni量がそれぞれ高く、線材の引張強さが高すぎるためボルト製造性(冷間鍛造性)に劣る。
比較例No.32は、Cr量が低く、耐食性に劣るため、耐久性に劣る。
比較例No.33は、Cr量が高く、δフェライト組織が生成してCr炭窒化物が生成するため、耐久性に劣る。
比較例No.34〜39は、Nb,Ti,V,W,Ta,Zr量がそれぞれ高過ぎるため、ボルト製造性(冷間鍛造性)のみならず耐久性に劣る。
比較例No.40は、Mo量が高過ぎるため、ボルト製造性(冷間鍛造性)に劣るばかりか、δフェライトが生成してCr炭窒化物が生成するため、耐久性にも劣る。
比較例No.41,42は、それぞれCu,Co量が高過ぎるため、ボルト製造性(冷間鍛造性)に劣る。
比較例No.43は、Sn量が高いため、ボルト製造性(冷間鍛造性)に劣る。
比較例No.44は、B量が高く、ボライドが生成するため耐久性に劣る。
比較例No.45〜47は、Al,Mg,Ca量がそれぞれ高過ぎるため、粗大硬質介在物が生成し、ボルト製造性(冷間鍛造性)に劣る。
次に、線材の引張強さ,すなわちボルト製造性に及ぼす線材の焼鈍条件の影響を調査するための実施例について説明する。
表5に、線材の焼鈍条件を変化させた時の線材の引張強さおよびボルトの冷間鍛造性を示す。
Figure 2005179718
本発明例では、線材の引張強さが400〜700N/mm2の範囲にあり、ボルトの冷間鍛造性に優れている。
一方、比較例No.54〜58では、本発明鋼の化学組成であるが、線材の焼鈍条件が適正でなく、線材の引張強さが高いため、ボルトの冷間鍛造性(製造性)に劣る。
このことから、経済的効果を発揮するために線材の引張強さも重要である。
次に、製品の旧オーステナイト粒径,炭窒化物等の金属組織,耐久性に及ぼすボルトの熱処理条件の影響を調査するための実施例について説明する。
表6に、鋼AおよびBを使用して900℃で焼鈍された線材から製造されたボルトの特性に及ぼすボルトの熱処理条件の影響を示す。
Figure 2005179718
本発明例No.59,60,64,65では、焼入れおよび焼き戻し条件が適正であり、旧オーステナイト粒径が30μm以下,δフェライト組織無し,Nb,Ti系の炭窒化物が分散したマルテンサイト組織であり、耐久性に優れている。
一方、比較例No.61では、焼入れ温度が高く、旧オーステナイト粒径が大きいため、耐久性に劣る。
比較例No.62では、焼入れ温度が低く、Cr炭窒化物が析出するため、耐久性に劣る。
比較例No.63では、焼入れ温度が高過ぎてδフェライトが現れ、且つ、界面にCr炭窒化物が析出するため、耐久性に劣る。
比較例No.66,67では、焼き戻し温度が高過ぎ、Cr炭窒化物が析出するため、耐久性に劣る。
比較例No.68では、更に焼き戻し温度が高過ぎ、Cr炭窒化物が析出すると同時に引張強さも低いため、ボルトとしての機械的性質の価値がないばかりか、耐久性にも劣る。
このことから、ボルトの性能として成分のみならず熱処理条件も重要である。
以上の実施例から分かるように本発明例の優位性が明らかである。
以上の各実施例から明らかなように、本発明により、冷間鍛造性に優れる高力ボルト等の締結部品用のステンレス鋼線材を安価に提供することで、耐久性に優れる高力ボルト等の高強度ステンレス鋼部品の製造コストを著しく低減することが可能であり、産業上極めて有用である。

Claims (8)

  1. 質量%で、C;0.02〜0.09%,Si;0.1〜1.0%,Mn;0.1〜1.5%,Ni;0.1〜1.5%,Cr;10.5〜15%,N;0.01〜0.06%を含有し、炭窒化物生成元素であるNb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5%,V;0.05〜0.5%,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を含有し、更に、2C+Nが0.07〜0.16%で残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり、かつ、引張強さが400〜700N/mm2であることを特徴とする高強度ボルト用ステンレス鋼線材。
  2. さらに、質量%で、Mo;0.1〜2.0%,Cu;0.1〜1.5%,Co;0.1〜1.5%,Sn;0.01〜0.3%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材。
  3. さらに、質量%で、B;0.001〜0.015%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材。
  4. さらに、質量%で、Al;0.005〜0.1%,Mg;0.0005〜0.01%,Ca;0.0005〜0.01%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかの冷間鍛造性に優れた高強度ボルト用ステンレス鋼線材。
  5. 質量%で、C;0.02〜0.09%,Si;0.1〜1.0%,Mn;0.1〜1.5%,Ni;0.1〜1.5%,Cr;10.5〜15%,N;0.01〜0.06%を含有し、炭窒化物生成元素であるNb;0.05〜0.5%,Ti;0.005〜0.5%,V;0.05〜0.5%,W;0.05〜0.5%,Ta;0.05〜0.5%,Zr;0.05〜0.5%の1種以上を含有し、更に、2C+Nが0.07〜0.16%で残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であり、旧オーステナイト粒径の平均値が30μm以下,引張強さが800〜1200N/mm2であり、実質的にマルテンサイト相にNb,Ti,V,W,Ta,Zr系の1種以上の炭窒化物が分散している組織を有することを特徴とする耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルト。
  6. さらに、質量%で、Mo;0.1〜2.0%,Cu;0.1〜1.5%,Co;0.1〜1.5%,Sn;0.01〜0.3%の1種以上を含有することを特徴とする請求項5記載の耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルト。
  7. さらに、質量%で、B;0.001〜0.015%を含有することを特徴とする請求項5又は6記載の耐久性に優れたステンレス鋼製の高力ボルト。
  8. さらに、質量%で、Al;0.005〜0.1%,Mg;0.0005〜0.01%,Ca;0.0005〜0.01%の1種以上を含有することを特徴とする請求項5〜7記載のいずれかの耐久性に優れたステンレス鋼製高力ボルト。
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