JP2005179258A - シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を開発すること
【解決手段】
非ハロゲン系モノフェニルエーテルを含有して成る組成物をシロアリ又は(及び)キクイムシの防虫用組成物として使用すること
【選択図】なし

Description

本発明はシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫剤に関する
シロアリやヒラタキクイムシ等の木材害虫の防除、及びオオウズラタケやイドタケ等の木材腐朽菌による汚染を防止するため、種々の木材保存剤が知られている。その有効成分としては、防虫作用、木材防腐作用、殺菌作用、防黴作用等を有する種々の化合物が知られている。しかし、これら従来より知られている木材防腐剤は、人畜に対する安全性及び環境に及ぼす影響が高く、自然の生態系を破壊することがある。シロアリやヒラタキクイムシ等を初めとする木材害虫用の防除剤としては、一般の殺虫剤が使用されている。例えば(社)木材保存協会「木材保存ガイドライン」(平成6年10月)によると有機リン系としては、ホキシム、クロルホピリス、ピリダフェンチオン、テトラクロルビンホス、フェニトロチオン、プロペンタンホス、 ピレスロイド系としてはペルメトリン、トラロメスリン、アレスリン、ピレスロイド様化合物としてはシラフルオフェン、エントフェンブロックス、カーバメイト系としてはプロボクスル、バッサ、トリジアン系としてはトリプロピルイソシアヌレート、ナフタリン系としてはモノクロルナフタリン、タール系としてはクレオソート油、塩素化ジアルキルエーテル添加系としてはオクタクロロジプロピルエーテル(S‐421)、クロルニコチニル系としてはイミダクロプリド、有機ヨード系としては4‐クロルフェニル‐3‐ヨードブロバキルフォルマール(1F‐1000)、3‐エトキシカルビニルオキシ‐1‐ブロム‐1、2‐ヨードプロペン(サンプラス)、3‐ヨード‐2 ‐ユーピロベニルブチルカーバメート(トロイサン)、ナフテン酸金属塩系としてはナフテンサン銅、ナフテンサン亜鉛、ヒドロキシルアミン系としてはN‐ニトロン‐シクロヘキシルヒドロキシルアミンアルミニウム(キシラザンAL)などが例示できる。
前記化合物の殆どのものは比較的低毒性であるが、有機リン系やカルバメート系の殺虫剤のなかには人体に対するコリンエステラーゼ活性阻害作用を有するものがあり、ピレスロイド系殺虫剤では魚毒性の高いものが多く、環境汚染の点から十分に安全であるとは言い難くその使用を疑問視する声が出ている。 また、フェノール系化合物のなかで、リグニン、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩等を特定の1種類以上の化合物と併用して、防腐および防虫剤として使用することが知られている(特開2003−160402)。
但し上記防腐並びに防虫剤として使用される特定の化合物としては、アルキレングリコール系第4級アンモニウム化合物の少なくとも1種とを併用するものである。
しかし上記の防腐防虫剤に於いては、リグニン、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩等は必ず他の特定の上記2種類の化合物と併用する必要があり、単独で防カビや防虫効果として使用する場合は全く想定していないものである。
また一般に白蟻防除用化学物質としてシラフルオフェン(特開2003-63902)等ハロゲン系農薬が幅広く使われているが、近年それらの持つ強い毒性の人体に対する影響が懸念されている。
そこで、最近では、人畜に対する安全性が高く、環境にやさしい害虫防除剤が求められるようになってきている。
そのためショウガ科植物Aframomum meleguetaの種子の抽出物を有効成分として含むシロアリ防除剤。(特開平9−194318)アオガンピ(Wiskstroemia retusa A.Gray)からの抽出、製造される、新規フラトキシン誘導体である1,2-β−アセトキシ−フラトキシン、1,2-β−アセトキシ−フラトキシンの同族体及びベンゾイル基が付加した環状フラトキシン、並びに、フラトキシン及びこれらの新規フラトキシン誘導体を有効成分とするシロアリ防除剤、殺シロアリ剤及び殺虫、殺菌剤。(特開平7−48378)バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物から単離された新規ケイ皮酸アミド誘導体、その製造法及び該化合物を有効成分とするシロアリ防除剤。(特開平6−16609)また、特開平3−41011号公報には、安全性の高いシロアリ防除剤として、ニームの有機溶媒または含水溶媒による抽出物を有効成分として含有する防除剤が開示され、さらに、特開平6−329514号公報には、モリンガ属、マラー属等の植物より抽出又は滲出した成分を害虫防除剤として用いることが開示されているがいずれも優れた効果のある物ではなく抜本的解決にはなっていなかった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、木材害虫に対して摂食阻害作用、忌避作用、殺虫作用等の活性を有すると共に、人畜に対する安全性が高く、環境にやさしく、しかも木材等を着色するおそれのない木材害虫防除剤を提供することを目的としている。
本発明者は広く防虫剤に関し、従来から研究を続けて来たが、この研究に於いて、特にシロアリ又は(及び)キクイムシの防虫剤についてその開発を検討して来た。そしてこの研究に於いて、フェノール系化合物の中で特に非ハロゲン系モノフェニルエーテルが、これ単独もしくは2種以上の組み合わせにより、シロアリ又は(及び)キクイムシに極めて有効に防虫作用を発揮することを見出した。
本発明者らは、種々の薬剤のシロアリ又は(及び)キクイムシに対する影響について鋭意研究の結果、特定の薬剤がシロアリやキクイムシの木質摂食行動を防止することを見いだし本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、非ハロゲン系モノフェニルエーテルをシロアリ及び(又は)キクイムシ用の防虫剤の有効成分として使用することにより解決される。
本発明組成物はシロアリ及び(又は)キクイムシに対して極めて優れた防虫作用を発揮する。
本発明防虫用組成物には、上記非ハロゲン系モノフェニルエーテルが有効成分として含有されている限り、他の成分が含有されていても良い。
本発明の防虫組成物は、非ハロゲン系モノフェニルエーテルを、水や水系樹脂、有機溶剤、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム等各種の担体と混合し、さらに場合により界面活性剤、他の木材防腐剤、防黴剤、防虫剤、防炎剤、撥水剤等の薬剤と共に使用することができる。他の防黴剤としては、(ア)ハロゲン化フェノール系、 (イ) イミダゾール系、 (ウ) フタルイミド系、 (エ) チアゾール系、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メルカプトベンゾチアゾール、 (オ) フェノールエーテル系、 (カ) 有機スズ系、 (キ) ヨード系、 (ク) 有機銅系、 (ケ) ピリジン系、 (コ) スルホン系、等があげられる。他の防虫剤としては、 (a) 有機塩素系、 (b) 有機リン系、(c) カーボメート系、 (d) ピレスロイド系、防炎剤では例えばリン化合物、重金属化合物、ハロゲン化合物、撥水剤では天然ワックス、パラフィンワックス、シリコン系撥水剤、フッ素系撥水剤等を添加して使用できるが、かならずしも上記化合物に限定されるものではない。
本発明の防虫組成物は種々の剤型で使用でき、使用目的に応じ、油剤、乳剤、懸濁剤、ペースト剤、水分剤、粉剤等の各種形態にして使用できる。 ア)油剤として油性塗料、油性接着剤、油性接着剤等に添加したり、 イ) 乳剤・懸濁剤・水溶剤としてエマルジョン樹脂、水溶性樹脂、水性金属加工油、エマルジョン接着剤、ワックス、エマルジョン塗料、水溶性塗料、水性接着剤、水性粘着剤、カラーディスパージョン、増粘剤、糊、サイズ剤、冷房用循環水、製紙用白水、コーティングカラー、湿潤パルプ、木材チップ等に添加したり、 ウ) 粉剤として、壁材、パーティクルボード、ハードボード等に添加して使用することもできる。
本発明に於ける防虫用組成物とは、殺虫及び防虫用の組成物を含み、防虫用組成物には忌避用組成物を含む。
本発明防虫用組成物は、有効成分として非ハロゲン系フェノキシエーテルを含有する組成物が使用される。
この際使用される非ハロゲン系フェノキシエーテルとしては好ましいものとして下記の化合物を例示することが出来る。
上記非ハロゲン系モノフェニルエーテルが、バニリン、エチルバニリン、バニリンアルキレンアセタールバニリン酸、バニリン酸エチル、バニリンプロピレングリコールアセタール、バニリルアルコール、バニリルメチルエーテル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルアミルエーテル、バニリルイソアミルエーテル、バニリルヘキシルエーテル、バニリルアリルエーテル、バニリルシクロペンチルエーテル、バニリルシクロヘキシルエーテル、バニリルテトラヒドロフルヒルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-2-ブチルエーテル、バニリル4-ヒドロキシ-1-ブチルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-1-プロピルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-1-ブチルエーテル、バニリル2-ヒドロキシ-1-プロピルエーテル、バニリルエトキシエチルエーテル、メトキシアニリン、メトキシフェノール、2-メトキシ-5-メチル-ベンゼンアミン、エトキシフェノール、エトキシアニリン、エチルフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ酢酸、1,2-ジメトキシベンゼン、アルキルフェノールエトキシレート、3,4-ジメトキシベンズアルデヒドの群から選ばれる少なくとも1種または2種以上が好ましく、就中バニリン、バニリルブチルエーテル、バニリルメチルエーテル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、メトキシフェノール、エトキシフェノール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、1,2-ジメトキシベンゼン、が、特に好ましい。
本発明の有効成分の非ハロゲン系フェノキシエーテルの含有量は、0.01〜80重量%、好ましくは、0.5〜30重量%である。また前記した他の添加成分との混合割合は、非ハロゲン系フェノキシエーテル1重量部に対し、他の添加成分0.01〜100部、好ましくは0.01〜10部である。本発明の防止用組成物は、シロアリ又は(及び)キクイムシの摂食対象とする物、例えば木質物(木材,板,柱)、セルロース製品(紙類など)植木,コンクリート,被覆電線,発泡断熱材(ウレタン樹脂,ポリスチレン樹脂)に対して浸漬,噴霧,塗布,ねりこみ,注入等の任意の方法で付着させれば良い。その付着量は、非ハロゲン系フェノキシエーテルとして400〜50000ppm 、好ましくは1000〜10,000ppm である。
本発明の防止用組成物は、例えば健全な木材等への塗布,浸漬,注入等の処理を行なうことにより、シロアリ又は(及び)キクイムシの摂食被害を長期間に渡り未然に防止することができるという予防効果を有し、更にすでにシロアリ又は(及び)キクイムシの被害のある所例えば柱などに対しては前記した様な速効性及び非残留性の防虫剤を混合して使用することにより、シロアリ又は(及び)キクイムシを駆除した上で長期に渡る予防効果を達成することができる。又、本防止剤は、処理物からの溶出や土壌残留性がなく、焼却後の有害金属残留等の問題もない為、従来の薬剤に比べて安全に使用できる優れた防止剤である。更に、本発明防止剤は、木材腐朽菌の生育を押さえる(殺菌性)効果があるので木材等の保存剤(保護剤)としても有用である。
本発明で用いられる無機多孔質微粒子には、本発明者らが開発したカプセル強度の強い無機多孔質微粒子(特公昭57−055454)(商品名:ゴッドボール B-6C、A-11C、B-16C、B-25C、E-6C、D-11C、E-16C、E-2C等 鈴木油脂工業株式会社製)を用いることができ、その外に、ニプシルシリーズあるいはラポナイトシリーズ(商品名、日本シリカ工業株式会社製)、アエロジル 50、90G、130、200、200FAD、300、R202、R812R、OX50、MOX170等(商品名、日本アエロジル株式会社製)、サイリシア250、256、310、320、430、530、730、770等(商品名、富士シリシア化学株式会社製)、スメクタイト SWN、SAN、STN、SEN、SPN等(商品名、コープケミカル株式会社製)、タルク、カオリン、活性白土、ケイソウ土、パーライト、ベントナイトなども用いることができる。無機多孔質微粒子(特公昭57−055454)が特に好適である。無機多孔質微粒子(特公昭57−055454)は加熱によって多孔性を構成する骨格が変化を受けず、従って、製品化に当たって加熱工程処理を必要とする製品においてもシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性を維持し得るという優れた利点を有する。
本発明に好適な無機多孔質微粒子(特公昭57−055454)は、無機多孔質微粒子の製造過程で忌避活性化合物を坦持させる方法と、無機多孔質微粒子を製造後に忌避活性化合物を坦持させる方法がある。
先に無機多孔質微粒子を製造した後、忌避活性化合物を坦持させる方法は、無機化合物(化合物A:例えば、アルカリ金属の珪酸塩、炭酸塩などの無機化合物)の水溶液の中で、有機溶媒と界面活性剤により油中水滴型乳濁液(エマルション)を調製し、これを上記無機化合物と不溶性沈澱を生じさせ得る無機化合物(化合物B:例えば、アルカリ土類金属のハロゲン化物、無機酸もしくは有機酸など)の水溶液と混合することにより、水滴界面で沈殿反応を起こさせ、無機質殻を形成した後、副生物や界面活性剤などを除去することにより、中空部を有するかまたは、中空部を有しない非中空の無機多孔質微粒子を得るものである(特公平05−009133号、特公昭57−055454号など参照)。
製造過程で忌避活性化合物を坦持させる方法は、初めに無機化合物の水溶液に忌避活性化合物を分散させておけばよい。この無機多孔質微粒子に忌避活性化合物を含浸させる。
有機多孔質微粒子としては、サイクロデキストリン、多孔質ナイロン微粒子、多孔質アクリル微粒子、多孔質ポレエチレン微粒子等が例示できる。
多孔性微粒子に忌避活性組成物であるシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫剤を坦持させることによって、効果を持続的に長時間持たせ、徐放性忌避活性微粒子とすることが出来る。
本発明に於いて用いる有機高分子微粒子としては、各種の有機高分子から成る微粒子が使用されるが、その代表的なものは有機ゲルであって、この有機ゲルについては特に限定されるものではなく、架橋する物質であればいずれでも良く、液体状態からゲル化を起こすことが可能なものであれば特に問わない。さらに詳しくは、架橋の方法が共有結合、イオン結合、分子間力結合のいずれでもよく、あるいは、絡み合いによるゲル化を起こす物質でもよい。すなわち、包摂する薬剤をゲル化もしくは造膜することにより固形化する物で有れば特にその形態は問わない。
共有結合による架橋は単量体と架橋剤、開始剤等を用いてゲルを形成させるが、その際に用いる単量体としては、通常のラジカル重合を行なうものであれば良く特に限定されない。例えば、アクリルアミド,メタクリルアミド,N-ビニルピロドン,N-ビニルアセトアミド,N-ビニルフォルムアミド,アクリル酸,メタクリル酸,スチレン,P-スチレンスルホン酸,ビニルスルホン酸,2-メタアクリロイルオキシエチルスルホン酸,3-メタアクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホン酸,アリルスルホン酸,メタクリルスルホン酸,並びにこれらの酸のアンモニウム塩,及びアルカリ金属塩,ジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,2ビニルピリジン及び4ビニルピリジンの塩酸,硝酸,ジメチル硫酸,ジエチル硫酸又は塩化エチルの4級化物、2ヒドロキシエチルメタクリレート,2ヒドロキシエチルアクリレート,2アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、またはこれらの共重合体が例示できる。
重合性官能基を2個以上有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N′-メチレンビスアクリルアミド、N,N-メチレン-ビス-Nビニルアセトアミド、N,N-ブチレン-ビス-Nビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が例示できる。
開始剤としては特に限定されるものではなく、ゲル化にあった開始剤を選択すればよいが、その例としては過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系開始剤、例えば2,2′-アゾビス(2-ミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′-アゾビス(N,N′-ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2′-アゾビス{2-メチル-N-〔1,1,-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2′-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4′-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、2,2′-アゾビス(2,4′-ジメチルバレロニトリル)等が例示できる。また、過酸化水素あるいは過硫酸塩は、例えば亜硫酸塩、L-アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用することができる。
イオン結合による架橋は、例えば、アンモニウム塩やカルボキシル基のようなカチオンやアニオンを持つ高分子電解質をカルシウムのような多価イオン物質でイオン結合で架橋させてゲル化させた物質などである。
分子間力による架橋は天然高分子などに多く、例えば、デンプン、ガラクトマンナン、ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン酸、アルギン酸、寒天、カラギーナン、プロテクオグリカン、グリコプロテイン、ゼラチン、アクチン、チューブリン、ヘモグロビンS、インスリン、フィブリン、卵白アルブミン、血清アルブミン、ミオシン、コラーゲン、ポリペプチド等が挙げられる。合成高分子ではポリビニルアルコール等が例示できる。
ゲル化に用いる溶媒としては特に限定されるものではなく、ゲル化にあった溶媒を選択すればよいが、例えば、水、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を例示できる。
液滴の周辺に膜を形成させるには、界面重合法、In−situ重合法等の通常のマイクロカプセル化法が用いられる。界面重合法によるマイクロカプセル化法を行うには、忌避活性成分の懸濁液中に、予め多価イソシアナート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアナート)、多価カルボン酸クロリド(例えば、セバシン酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、アゼライン酸ジクロリド、テレフタル酸ジクロリド、トリメシン酸ジクロリド)、多価スルホニルクロリド(例えば、ベンゼンスルホニルジクロリド)等のマイクロカプセルの膜形成原料を添加しておき、該懸濁液の液滴を分散させる水中には、必要により多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール)、多価アミン(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペラジン)等の水溶性の膜形成原料を添加しておく。膜形成反応は通常0〜80℃、好ましくは40〜80℃の温度範囲内で0.5〜48時間程度かけて行われ、反応を促進するために触媒を用いることもできる。このようにして、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホナート、ポリスルホンアミド等の膜が形成される。
In−situ重合法によるマイクロカプセル化法を行うには、懸濁液の液滴を分散させる水中にアミノプラスト、尿素ホルマリン縮合物、メラミンホルマリン縮合物等の水溶性プレポリマーを予め添加しておき、攪拌下、通常40〜80℃の範囲内に加熱し、0.5〜48時間程度保持することにより行うことができる。
このようにして製造されるマイクロカプセル化忌避剤のスラリーは、そのまま忌避剤として使用することもできるが、通常は増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤等を加えた水性懸濁剤として使用される。増粘剤としては、キザンタンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェラントガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、乾式シリカ等の鉱物質粉末、アルミナゾルなどが挙げられる。凍結防止剤としては、プロピレングリコールなどが挙げられる。防腐剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体などが挙げられる。比重調節剤としては、硫酸ナトリウム等の水溶性塩、尿素等の水溶性肥料などが挙げられる。また、スプレードライ等の手法により粉末状製剤として使用することもできる。
本発明のゲルにおいて使用されるゲル基材としては、更に光エネルギーによって硬化し得る不飽和結合を有するオリゴマー及びモノマーを主体とするものがある。
このゲル基材として使用されるオリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アルキッド樹脂アクリレート、スピラン樹脂アクリレートなどが挙げられる。
またモノマーとしては、単官能、二官能、多官能のモノマーを使用することができる。それらの例を挙げるならば、単官能モノマーとしては、2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3-ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレートなどが、二官能モノマーとしては、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレートなどが、また多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のトリアクリレート、1,3-ジオキサンペンタノールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のヘキサアクリレートなどを挙げることができる。
オリゴマーとモノマーとの混合比は特に限定されるものではないが、一般にオリゴマーが多いと未硬化の状態での粘度が高くなり、容器への充填時に気泡が抜けにくく、作業性が悪くなる。また硬化の際の収縮率が大きくなり、ゲル基材が容器から脱落し易くなる。

またモノマーが多いと柔かくなり過ぎてシロアリ又は(及び)キクイムシ用忌避組成物の揮散が早くなり、また硬化しにくくなる。
従ってオリゴマーとモノマーとの比率は、未硬化ゲル基材の流動性、作業性、容器の材質、形状、香料の揮散時間などを考慮し、またオリゴマー及びモノマーの種類に応じて調整すべきである。一般には、オリゴマー:モノマーの比率を、5:95〜70:30、より好ましくは10:90〜50:50程度とするのが適当である。
またこれらのオリゴマー及びモノマーを主体とするゲル基材には、これらが光エネルギーによって重合してゲル化し得るように、光重合開始剤又は光増感剤などが配合される。

光重合開始剤又は光増感剤の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエートル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1-フェニル1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、ベンゾフェノン、p-クロロベンゾフェノン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどを挙げることができる。
これらの光重合開始剤又は光増感剤の配合量は、通常、ゲル基材に対して3重量%程度が適当である。
有機高分子微粒子に忌避活性化合物である非ハロゲン系モノフェニルエーテルを坦持させることによって、効果を持続的に長時間持たせ、徐放性忌避活性微粒子とすることが出来る。
本発明では、徐放性忌避活性有機高分子微粒子を含有する接着・粘着剤またはインキを調製するに当たって、該微粒子の沈降を防止して均一な粒子分散液として、これを用いることができる。
この際の微粒子分散液は、該微粒子以外に水または有機溶剤+沈降防止剤を含む。微粒子分散液は、有機溶剤もしくは水系エマルションに比重の重い忌避活性化合物を坦持する微粒子を分散させるため、沈降防止剤を使用することが極めて望ましい。沈降防止剤としては、タンパク質、多糖類、各種合成樹脂、アクリル酸重合体、および無機系物質を用いることができる。
例えば特開昭53−84881、特開昭53−84882、特開昭60−28819、特開昭60−216838号公報に記載の様に、尿素ホルムアルデヒド樹脂またはメラミンホルムアデヒド樹脂を膜材とするマイクロカプセルおよび特開昭61−40188号公報に記載の様に不飽和二重結合からなるモノマー成分(例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、架僑剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミド等)のラジカル重合体を膜材とするマイクロカプセル等が挙げられる。
本発明に使用する疎水性有機溶媒としてはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット等の炭化水素、が例示でき、これらの溶剤は単独又は混合して使用でき場合によっては水と混合してもよい。
本発明のマイクロカプセル組成物の組成比は、一般的にマイクロカプセル100重量部に疎水性物質(非ハロゲン系モノフェニルエーテル等)2〜30重量部、有機溶剤30〜100重量部の範囲で使用する。
本発明のマイクロカプセル組成物は疎水性有機溶剤に疎水性物質(非ハロゲン系モノフェニルエーテル)を混合溶解して、マイクロカプセル液を加え共沸脱水により水を系外に除去することにより得られる。
本発明のマイクロカプセル組成物に必要に応じて接着剤、保護材料、緩衝材料としてのスティルト等を使用することにより印刷インキ・塗料を製造できる。
接着剤とてしては天然樹脂および天然樹脂を変性したものとしてセラック、ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、マレイン酸変性ロジン等の変性ロジン、或いは合成樹脂として石油樹脂、硝化綿、エチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル重合体、塩化ビニル酢酸ビニル重合体、アクリル樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
スティルトとしてはセルロース粉末、小麦、トウモロコシ、馬鈴薯、さつまいも、タピオカなどの原料から製造された澱粉、それらと酸化剤から得られる酸化澱粉、アセチル化澱粉で代表されるエステル化澱粉、エーテル化澱粉、アルデヒド澱粉等の澱粉誘導体、変性澱粉などの澱粉粒子、タルク、炭酸カルシウム、ポリスチレン樹脂の粒子などの汚染防止用スティルト類等が挙げられる。その他必要に応じて顔料、増粘剤、ワックス等を加えることはインキ・塗料物性を良くするという理由から何ら差し支えない。
以上の組み合わせにより調製されるマイクロカプセル組成物を含有した印刷インキは通常の印刷方法、例えばフレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷方法によりマイクロカプセルをスポット印刷により、部分塗布した印刷紙を製造することが可能となる。
有機微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:アクリル酸重合体)
水または有機溶剤100重量部に対してアクリル酸重合体が0.1〜5.0重量部、好ましくは0.1〜0.4重量部を混合し、沈降防止剤溶液(1)とする。非ハロゲン系モノフェニルエーテルと、忌避剤液全量1重量部に対して、溶解補助剤としての界面活性剤約1.0〜5.0重量部、好ましくは2.5〜3.5重量部を良く混和し、忌避剤液(2)とする。
減圧高速攪拌機中に忌避剤液(2)100重量部に対して約50〜200重量部の有機高分子微粒子を入れ、これに忌避剤液100重量部を加えて十分混合し、減圧約10torrにし10分間放置後、静かに常圧にもどす。この操作を1〜10回繰り返して忌避剤液(2)担持微粒子、MC(3)(すなわち、忌避活性徐放性有機高分子微粒子)を得る。得られたMC(3)を沈降防止剤溶液(1)に静かに添加しよく混合分散させる。ついで、水酸化ナトリウムを適量加えpHを6.5〜7.5に調整し、微粒子分散液を得る。
微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:タンパク質)
微粒子分散液全重量に対して、沈降防止剤としてカゼインナトリウム 約0.1〜15.0重量部、好ましくは約・1.0〜7.0重量部、より好ましくは約3.0〜5.0重量部を用いて前記と同様にして沈降防止剤溶液(1)を調製し微粒子分散液を得る。
微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:無機系物質)
微粒子分散液全重量対して、例えば、沈降防止剤としてベントナイト約0.1〜15重量部、好ましくは約3.5〜10.5重量部、より好ましくは約6.5〜8.5重量部用いて前記と同様にして沈降防止剤溶液(1)を調製し微粒子分散液を得る。
本発明では、徐放性忌避活性無機多孔質微粒子を含有する接着・粘着剤またはインキを調製するに当たって、徐放性忌避活性無機多孔質微粒子の沈降を防止して均一な粒子分散液を用いることができる。
無機微粒子分散液の製造方法
無機微粒子分散液は、無機多孔質微粒子以外に水または有機溶剤と沈降防止剤を含む。微粒子分散液は、有機溶剤もしくは水系エマルションに比重の重い忌避活性化合物を坦持する無機多孔質微粒子(例えば、シリカを成分とする無機多孔質微粒子 真比重 2.1)を分散させるので沈降防止剤が必要である。沈降防止剤としては、タンパク質、多糖類、合成樹脂、アクリル酸重合体、および無機系物質を用いることができる
無機多孔質微粒子(特公昭57−055454)の製造過程で忌避活性化合物を坦持させる方法は、例えば、珪酸ナトリウムなどのアルカリ金属の珪酸塩(化合物A)を含む濃度0.3mol/リットル〜飽和の水溶液に、忌避活性化合物を分散させる。次いで水に対する溶解度が好ましくは5%以下で、ソルビタンモノステアレートなどの界面活性剤を溶解させた有機溶媒、例えばトルエンに混合してW/O型乳濁液とした後、化合物Iと水不溶性の沈殿(即ち壁物質)を形成することができる塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化物(化合物B)の水溶液(濃度0.05mol/リットル〜飽和濃度、好ましくは0.1〜2mol/リットルを、上記W/O型乳濁液と前者100重量部に対し後者と化学当量またはそれ以上の割合で混合する。かくして、忌避活性化合物を内包する球状の無機質壁の多孔質微粒子(忌避活性化合物−珪酸カルシウム)が得られる。
無機多孔質微粒子の製造に用いる上記化合物Bとしては、水溶性であり、かつ忌避化合物になんら悪影響を与えず、化合物Aと反応して、水不溶性沈澱を生成する化合物が化合物Iの種類に応じて次のように選択される。すなわち、化合物Iとして、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の珪酸塩を用いる場合には、化合物IIとして、(1)カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化物、例えば、塩化物、臭化物などを用いて、珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウムなどの無機多孔質微粒子を得ることができる。また(2)硫酸、塩酸などを用いて、シリカの無機多孔質微粒子が得られる。
上記化合物Aと化合物Bの組合せはこれを逆にすることも可能であり、化合物Iとして、カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化物、例えば、塩化物、臭化物などを用いる場合は、化合物IIとして、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩もしくは炭酸水素塩を有利に用いることができる。これらの反応によって、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの無機多孔質微粒子が得られる。
好ましくは、シリカ(無水珪酸)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、より好ましくは、シリカ、珪酸カルシウムの多孔質微粒子である。
第二の方法としては、先に無機多孔質微粒子を製造後、忌避化合物を坦持させる方法は、上記で最初に忌避化合物を分散させずに無機多孔質微粒子のみを形成させた後、無機多孔質微粒子(1.5kg)に非ハロゲン系モノフェニルエーテル(1.0kg)を添加し、十分混合後減圧10torrにし、10分間放置後、静かに常圧に戻す。これによって、非ハロゲン系モノフェニルエーテル坦持無機多孔質微粒子が得られる。なお、この方法はその外の無機多孔質微粒子であるタルク、カオリン、活性白土、ケイソウ土、パーライト、ベントナイトなどにも用いることができる。
この無機多孔質微粒子は、中空および非中空を含め、次のような特徴をもっている。すなわち、粒径は0.05〜25μm、表面平均細孔直径は2〜30nm、比表面積は10〜1000m2 /g、嵩密度は0.1〜0.8g/cm3である。中空無機多孔質微粒子にあっては、液状の害虫忌避剤または溶媒に溶解または分散した害虫忌避剤を100〜180ml/100g内包させることができ、非中空の無機多孔質微粒子にあっては、溶媒に溶解または分散した害虫忌避剤を50〜175ml/100g含浸させることができる。
微粒子分散液に含まれる多孔質微粒子の沈降防止剤として用いられるアクリル酸重合体としては、ポリアクリル酸とも呼ばれアクリル酸を2以上重合したもので、特に架橋型アクリル酸重合体を用いることができる。そのアクリル酸重合体の具体的な例は、ジュンロンシリーズ(PW−110、PW−150(日本純薬(株))、カーボポールシリーズ(907、910など、昭和電工(株))等が例示できる(特開平9−77605号公報参照)。そのアクリル酸重合体の薬剤分散液中の含有量としては、0.0001〜6重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。
上記アクリル酸重合体に対して、アクリル酸重合体を中和するために、アルカリ剤を加え、アクリル酸重合体に混合して増粘させ、水不溶性もしくは水難溶性とする。その具体的なアルカリ塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、モルフォリンなどを挙げることができる(特開平9−77605号公報参照)。
そのアルカリ塩の含有量としては、アクリル酸重合体を中和してpHを5.0〜9.0、好ましくは、pH6.5〜7.5に調整するのに必要な量であり、架橋型アクリル酸重合体の含有量にもよるが0.00001〜20重量%を、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。
沈降防止剤としてのタンパク質としては水溶性のゼラチン等が用いられ、水不溶性のカゼイン、カゼインナトリウム、グルテン等が挙げられる。また多糖類としては多糖類単体やその誘導体が用いることができ、それには水溶性のアラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、サイリウムシードガム等が有り、水不溶性のメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、カードラン等が挙げられる。さらに、合成樹脂では水溶性のポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、等が用いられる。微粒子分散液100重量部に対して、0.1〜20.0、好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは、3.0〜8.0を用いる。
沈降防止剤としての無機系物質としては、カオリン、セリサイト、蛙目粘土、雲母、合成雲母、疎水化合成雲母、ベントナイト、疎水化ベントナイトなどのカードハウス凝集やカードパック凝集をする粘土鉱物、超微粒子シリカ、超微粒子アルミナを挙げることができる。微粒子分散液100重量部に対して、0.1〜20.0、好ましくは5.0〜12.0、より好ましくは、8.0〜9.0用いる。
微粒子分散液に用いられる水または有機溶剤およびその混合物は、徐放性忌避活性無機多孔質微粒子を分散させ得る液体であり、有機溶媒として、アルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、石油エーテル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン等の芳香族類なども用いることができるが特に限定するものではない。
この微粒子分散液を粘着剤の構成成分に適量添加しテープ基剤に塗布し、忌避活性化合物含有粘着剤とする。また、この微粒子分散液をインキ・塗料構成成分に適量添加し、忌避活性組成物含有インキ・塗料とする。
本発明の微粒子分散液は、公知の通常用いられるラベル(タック)または梱包用テープ、マスキングテープなどのテープに用いられる溶剤または水性タイプの粘着剤に、または多層フィルム用の接着剤に添加して忌避活性化合物含有粘着・接着剤とする。
本発明の微粒子分散液は通常用いられる粘着・接着剤に添加することができる。通常用いられる粘着・接着剤はアクリル系樹脂を主成分とする天然ロジン(松ヤニ)を含んでいてもよい。これらの公知の通常用いられる組成の粘着・接着剤に本発明の微粒子分散液を、粘着・接着剤の全重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは、3〜5重量%を添加する。
忌避活性化合物含有粘着・接着剤は、当分野で通常用いられる保持材に展着することができ、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。紙(上質紙・ミラコート・アート・再生紙・ホイル・合成紙・感熱紙・和紙)、フィルム(PP・PET・OPP他 ラミネート用/PET・OPP他)、合成紙・化繊紙およびホイルなどに展着保持させて、シート・ラベル(タック)として製造する。クラフト紙・和紙・合成紙、布・不織布、フィルム(PP・PET・OPP他)に展着保持させて、梱包用テープ、マスキングテープとして製造する。また、布・不織布、紙類・合成紙・化繊紙、フィルムなどに展着して傷保護テープを製造することができる。接着剤として、合成フィルム(ホットメルト接着など)および多層フィルムに用いることもできる。さらに、木工用接着剤としては水分散形接着剤(アクリル・合成ゴム等)、α-シアノアクリレート系接着剤(α-シアノアクリレート)、合成ゴム系接着剤(クロロプレン・ニトリルゴム・合成ゴム・SBRラテックス・再生ゴム等)、酢酸ビニル・ABS樹脂溶剤系接着剤(ABS・酢酸ビニル・塩ビ/酢酸ビニル等)、α-オレフィン樹脂系木材接着剤(α-オレフィン・変性エポキシ等)、共重合樹脂エマルション系設置薬剤(エチレン/酢酸ビニル・酢酸ビニル樹脂系エマルション木材接着剤(酢酸ビニル)・水性高分子-イソシアネート系木材接着剤、フェノール樹脂木材接着剤(フェノール・フェノール/メラミン等)、レジルシノール樹脂木材接着剤(レシルシノール・レシルシノール/フェノール等)、ユリア/メラミン樹脂木材接着剤(ユリア/メラミン・ユリア・ユリア/メラミン/フェノール等)などに配合して合板などに使用される。これらの製品の製造にあたって、忌避活性組成物が接着・粘着剤から放出され得るように、保持材の少なくとも一面は通気性であってもよい。
本発明の微粒子分散液を含ませる通常用いられるインキ又は(及び)塗料は、当分野で通常用いられるインキ又は(及び)塗料であれば特に限定されない。これらのインキ又は(及び)塗料は主としてアクリル樹脂系であり、溶剤系または水系(エマルション)である。例えば、フレキソ、プリスロ、グラビア、シルク、表面コートなどに用いられる水性インキ(エマルション系)、フレキソ、グラビア、シルク、オフセット、UV加工・表面コートなどに用いられる油性インキ(溶剤系) 又は(及び)塗料などがある。さらに、撥水作用を有する分散剤にも添加することができる。また、蛋白質を基材とするインキや大豆油などの脂肪油を基材とする植物性インキ又は(及び)塗料であってもよい。
これらの公知の通常用いられる組成のものに本発明の微粒子分散液を、インキ又は(及び)塗料の全重量に対して、0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは、3〜5重量%を添加する。
本発明の防虫用組成物はシロアリ又は(及び)キクイムシに対して極めて有効に作用し、優れた防虫剤である。また殆んど無臭に近く、使用し易いものである
分散液(A)の製造 重量%
バニリルアルコール 3
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
精製水 適量
100
分散液(B)の製造 重量%
バニリン酸エチル 2
アルギン酸ナトリウム 1
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 2
メタリン酸ナトリウム 2
精製水 適量
100
上記の組成によって、上記と同様にして行った。
分散液(C)の製造 重量%
エトキシアニリン 4
メチルセルロース 1
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1
ポリグリセリン脂肪酸エステル 1
メタリン酸カリウム 1
ポリビニルピロリドン 3
精製水 適量
100
上記の組成によって、上記と同様にして行った。
分散液 (D)の製造 重量%
フェノキシ酢酸 5
ジンクピリチオン 5
芳香族系カルボン酸ジアルキルエステル 25
疎水化雲母 10
トルエン 適量
100
分散液(E)の製造 重量%
バニリン 5
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1
酢酸エチル 適量
100
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例1で製造した分散液を、3重量%添加し、よく混和してシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例2で製造した分散液を、3重量%添加し、よく混和してシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例3で製造した分散液を、3重量%添加し、よく混和してシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例4で製造した分散液を、3重量%添加し、よく混和してシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例5で製造した分散液を、3重量%添加し、よく混和してシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性水性フレキソインキの製造 重量%
顔料(赤色) 20
アクリル系樹脂(主成分) 30
水 49
ジエタノールアミン 1
上記の成分を混合して得た水性フレキソインキに、実施例1で製造した分散液(A)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソインキを製造した。
忌避活性フレキソクリアインキの製造 重量%
アクリル系樹脂(主成分) 40
水 60
上記の成分を混合して得た水性フレキソクリアインキに、実施例2で製造した分散液(B)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソクリアインキを製造した。
忌避活性プリスロインキの製造 重量%
顔料(青色) 20
アクリル系樹脂(主成分) 20
エチレングリコール 20
グリコール類 20
フミノアルコール類 5
エチルアルコール類 12
その他助剤 3
上記の成分を混合して得られたプリスロインキに実施例3で製造した分散液(C)を5重量%または10重量%添加して忌避活性プリスロインキを製造した。
油性フレキソインキの製造 重量%
顔料 20
ポリアミド系樹脂 15
トルエン 35
メチルエチルケトン 10
イソプロピルアルコール 20
上記の成分を混合して得られた油性フレキソインキに実施例4で製造した分散液(D)を5重量%または10重量%添加して忌避活性油性フレキソインキを製造した。
オーバープリント用UVインキの製造 重量%
エポキシアクリレート(オリゴマー) 50
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート 8
トリメチロールプロパントリアクリレート 30
2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン 6
2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン 4
ワックス 1
ジエタノールアミン 1
上記の成分を混合して得られたオーバープリント用UVインキに実施例5で製造した分散液(E)をバニリルアルコールを5重量%または10重量%添加して忌避活性油性フレキソインキを製造した。
忌避活性塗料の製造 重量%
酢ビ−エチレン−アクリル系樹脂(主成分) 20
青森ヒバ油 30
水 50
上記の成分に、エチレングリコールモノフェニルエーテルを5重量%または10重量%添加して忌避活性塗料を製造した。
微粒子の製造例1
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にバニリルアルコール100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約31重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業製ホモジナイザー)で常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたジニコナゾールが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水175gを加え、10重量%のバニリルアルコールカプセル組成物を得た。
微粒子の製造例2
フェニルキシリルエタン200gにバニリン酸エチル50gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約19重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 10gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタン中に懸濁されたブロモブチドがポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水240gを加え、5重量%のバニリン酸エチルカプセル組成物を得た。
微粒子の製造例3
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にエトキシアニリン100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約31重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gを含む水490gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたジニコナゾールが、ポリウレア膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水185gを加え、10重量%エトキシアニリン組成物を得た。
微粒子の製造例4
アジピン酸ジイソデシル200gにフェノキシ酢酸100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約30重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水325gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、アジピン酸ジイソデシル中に懸濁されたプロシミドンが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水350gを加え、10重量%のフェノキシ酢酸カプセル組成物を得た。
微粒子の製造例5
フェニルキシリルエタン150gとアジピン酸ジイソデシル50gとの混合液にバニリン100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約32重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 50gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール30gとを含む水530gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたコパイバ油が、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水120gを加え、10重量%のバニリン組成物を得た。
微粒子の製造例6
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にバニリン80gとバニリルブチルエーテル20gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約30重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、ポリビニルアルコール15gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたプロシミドンが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水175gを加え、10重量%のバニリンとバニリルブチルエーテルカプセル組成物を得た。
微粒子の製造例7
アクリル酸、アクリロニトリル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体の5%水溶液120部を10%NaOH水溶液でpHを4.0とし、この中にエチルバニリンを50部加えホモミキサーで乳化した後、不揮発物80wt%のメチル化メチロールメラミン水溶液(三井東圧化学「ユーラミンT−30」)24部を加えた後、攪拌下80℃で2時間保持して平均粒子径5.0μのマイクロカプセル液を得た。
微粒子の製造例8
商品名)メトキシフェノールを63部、エポキシ樹脂としてアラルダイト6060(商品名)を8.11部、ケチミンとしてヴェルサミンK−11(商品名)の0.97部、及び、促進剤399(商品名)の0.20部と混合した。この混合物を、乳化剤として3%の水性タモールL/ヴィノール523(ともに商品名)(95:5)の溶液の130部にいれて乳化させた。前記スラリーを75℃に4時間加熱してマイクロカプセルを製造した。
得られた製品は、電子顕微鏡によって球体マイクロカプセルが形成されていることが確認でき、平均粒径は、約5ミクロンであった。
微粒子の製造例9
エポキシ樹脂としてアラルダイト3336(商品名)を6.87部、ケチミンとしてのヴェルサミンK−11(商品名)を2.20部使用した以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造し、実施例1と同様にして諸試験を行ない、球体マイクロカプセルが平均粒径約6ミクロンで形成されていることが認められた。
微粒子の製造例10
水酸化ナトリウム20gの水溶液を80℃まで昇温した後、スチレン無水マレイン酸共重合体(スクリプセット520;モンサント社製)100gを加え、2時間撹拌混合し、スチレン無水マレイン酸共重合体のpH5.5、5重量%の水溶液を調製する。
前記の調製液150g中に、25重量%メトキシアニリン縣濁シリコンKF−96の分散液200gを分散して、この縣濁液の回りに、スチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物を吸着させる。
前記で得た溶液中に、メラミン9.9gを分散させ、よく撹拌する。
前記で得た溶液を、70℃に昇温し、25重量%グルタールアルデヒドを5回に分けて、30分毎に25.7gを加え、芯物質の回りにメチロール化メラミンとスチレンマレイン酸共重合体を反応させ、芯物質を被膜する。
微粒子の製造例11
前記[実施例26]と同様な方法で水溶液を調製する。
前記で得た溶液中に、メラミン12.8gとレゾルシン5.7gを分散/溶解させ、よく撹拌する。
前記で得た溶液を、70℃に昇温し、25重量%グルタールアルデヒドを3回に分けて、40分毎に27.2gを加え、芯物質の回りにメチロール化メラミンとフェノールレジン、およびスチレンマレイン酸共重合体を反応させ、芯物質を被膜する。
微粒子の製造例12
加熱装置を備えた攪拌混合容器中に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117,クラレ社製)の3%水溶液 150部を加え、カプセル製造用水性媒体とした。別に、バニリルヘキシルエーテル100部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(商品名:ミリオネートMR400、日本ポリウレタン工業社製) 5部と2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートヘキサエート(商品名:T−100,東レ社製) 2部を溶解して得た溶液をカプセル芯物質として、上記カプセル調製用水性媒体中にT.K.ホモミキサーを用いて毎分10000回転で1分間分散した。
この乳化分散液にジエチレントリアミン1部を加え、室温下で30分間攪拌した後、系の温度を70℃まで昇温して攪拌を続けながら3時間反応させた。室温まで温度を下げて平均粒子径が5.7μmで、平均膜厚が0.16μmのポリウレア樹脂/ポリウレタン樹脂壁膜よりなるマイクロカプセルを調製した。
微粒子の製造例13
オリゴマー、モノマー、光重合開始剤、非ハロゲン系モノフェニルエーテル、紫外線吸収剤、光安定剤及び染料を、表1に従って配合した。なお表1に示される各配合剤の物質は、次の通りである。
オリゴマーA:エポキシアクリレートB:ポリエステルアクリレートC:ウレタンアクリレートD:アルキッド樹脂アクリレート
モノマーE:2-エチルヘキシルアクリレートF:ジエチレングリコールジアクリレートG:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤H:ベンジルジメチルケタールI:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン
紫外線吸収剤L:2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンM:2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
光安定剤N:4-ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジンO:ジ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4- イル)-セバシン酸エステル
染料P:アントラキノン系染料(ブルー)(0.5%ブタノール溶液)Q:アゾ系染料(レッド)(0.5%ブタノール溶液)
表1に示される各物質を十分混合した後、直径7cm、深さ2cmの透明ガラス容器に深さ1cmまで充填し、高圧水銀ランプで光を照射して硬化させ、着色防虫忌避剤微粒子を得た。
エトキシアニリンを坦持する徐放性無機多孔質微粒子の製造
エトキシアニリン15gをポリオキシエチレン(n=9)高級アルコール系非イオン界面活性剤(レオコール SC-90 ライオン(株)製)5gを溶解させておいた珪酸ナトリウム水溶液(5M)50ml中に混合し、ホモジナイザー等を用いて毎分10000回転以上の攪拌速度で3分間乳化しO/W型(水中油滴型)エマルションを形成させる。このエマルションをソルビタンモノオレート(レオドール SP-O10 花王(株)製)5gを溶解させたトルエン100mlと混合し、ホモジナイザーを用いて毎分10000回転の速度で5分間乳化し、O/W/O型エマルションを形成させる。このエマルションを攪拌している3モル/リットル硫酸アンモニウム水溶液中に注入し、1時間攪拌を継続させ、エトキシアニリンを内包したシリカを形成させる。シリカ形成後、反応液を濾過し、水20mlを加え濾過、さらにエタノール20ml加え濾過するとエトキシアニリンが坦持された無機多孔質微粒子が30g得られる。
エトキシアニリンをすでに調製された徐放性無機多孔質微粒子に坦持させる忌避活性化合物担持徐放性無機多孔質微粒子の製造
まず無機多孔質微粒子(ゴッドボール シリカB−6C 鈴木油脂工業(株)製)100gを真空チャンバー内にセットし、リークバルブ、導入バルブを閉じるとともに排気バルブを開いて、真空チャンバー内を1.0×10-2torrに減圧する。つぎに排気バルブを閉じて真空チャンバー内の排気を終了し、導入バルブを開く。この時、エトキシアニリンが100g入ったタンク内は大気圧であるため、圧力差によってエトキシアニリンが真空チャンバー内に導入される。真空チャンバー内の排気によってゴッドボールの空隙部も減圧状態にあるので、真空チャンバー内に導入された忌避活性化合物はゴッドボールの空隙部に浸透する。続いてリークバルブを開いて真空チャンバーを大気圧に戻した後に濾過等によって過剰のエトキシアニリンの溶解液を分離し、エトキシアニリンを内包した無機多孔質微粒子が200g得られる。
バニリルメチルエーテルを坦持する徐放性有機多孔質微粒子の製造
サイクロデキストリン(商品名;デキシーパール K−100、塩水港精糖(株)製)1部に対し、0.2部のバニリルメチルエーテルを添加し、さらに1部の水を加えてホモジナイザーで30分間撹拌した。その後、60℃にて約3時間の温風乾燥を行ない、バニリルメチルエーテルを包接させ忌避活性化合物坦持サイクロデキストリンを得た。
微粒子分散液(F)の製造 重量%
ゴッドボール シリカ微粒子 15
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
ヒノキチオール 5
バニリルブチルエーテル 15
プロピオン酸カルシウム 3
精製水 適量
100
バニリルブチルエーテル15gとヒノキチオール5gをポリオキシエチレン(n=9)高級アルコール系非イオン界面活性剤(レオコール SC-90 ライオン(株)製)5gを溶解させておいた珪酸ナトリウム水溶液(5M)50ml中に混合し、ホモジナイザー等を用いて毎分10000回転以上の攪拌速度で3分間乳化しO/W型(水中油滴型)エマルションを形成させる。このエマルションをソルビタンモノオレート(レオドール SP-O10 花王(株)製)5gを溶解させてトルエン100mlと混合し、ホモジナイザーを用いて毎分10000回転の速度で5分間乳化し、O/W/O型エマルションを形成させる。このエマルションを攪拌している3モル/リットル硫酸アンモニウム水溶液中に注入し、1時間攪拌を継続させ、バニリルブチルエーテルを内包したシリカを形成させる。シリカ形成後、反応液を濾過し、水20mlを加え濾過、さらにエタノール20ml加え濾過するとバニリルブチルエーテルが坦持されたゴッドボール シリカ微粒子が30g得られる。
あらかじめポリアクリル酸ナトリウム0.5gおよびプロピオン酸カルシウム3.5gを溶解させた精製水に薬剤を内包させたシリカ微粒子を加え、ホモジナイザーあるいはプロペラ攪拌機を用いて均一に分散させて、分散液を100g得る。
微粒子分散液(G)の製造 重量%
ゴッドボール B−6C 20
ヒバ油抽出液 3
エチルフェニルエーテル 3
ジンクピリチオン 5
芳香族系カルボン酸ジアルキルエステル 25
疎水化雲母 10
トルエン 適量
100
まず、下記のようにしてエチルフェニルエーテル3g、ヒバ油抽出液3gおよびジンクピリチオン5gをゴッドボールB−6C20gに内包させる。エチルフェニルエーテル3g、ヒバ油抽出液3g、ジンクピリチオン5gおよびをポリオキシエチレン(n=9)高級アルコール系非イオン界面活性剤(レオコール SC-90 ライオン(株)製)5gを溶解させておいた珪酸ナトリウム水溶液(5M)67ml中に混合し、ホモジナイザー等を用いて毎分10000回転以上の攪拌速度で3分間乳化しO/W型(水中油滴型)エマルションを形成させる。このエマルションをソルビタンモノオレート(レオドール SP-O10 花王(株)製)5gを溶解させたトルエン100mlと混合し、ホモジナイザーを用いて毎分10000回転の速度で5分間乳化し、O/W/O型エマルションを形成させる。このエマルションを、攪拌しながら3モル/リットル硫酸アンモニウム水溶液中に注入し、1時間攪拌を継続させ、エチルフェニルエーテルを担持したシリカを形成させる。シリカ形成後、反応液を濾過し、水20mlを加え濾過、さらにエタノール20ml加え濾過するとエチルフェニルエーテルが坦持された無機多孔質微粒子が56g得られる。
あらかじめ疎水化雲母10gおよび芳香族系カルボン酸ジアルキルエステル25gを分散させたトルエン34gに薬剤を担持させたB−6Cを31g加え、ホモジナイザー用いて毎分5000回転速度で30分攪拌し、分散液100gが得られる。
微粒子分散液(H)の製造 重量%
ゴッドボール B−25C 15
カルボキシメチルセルロース 1
ヒノキチオール 5
エチレングリコールモノフェニルエーテル 10
プロピオン酸カルシウム 3
精製水 適量
100
上記の組成を用いて、実施例34と同様にして行った。ただし、pHの調整は行わなかった。
微粒子分散液(I)の製造 重量%
ゴッドボール E−16C 15
カルボキシメチルセルロース 1
ヒノキチオール 5
1、2-ジメトキシベンゼン 10
アルキルフェノールエトキシレート 1
プロピオン酸カルシウム 3
精製水 適量
100
上記の組成によって、実施例4と同様にして行った。
微粒子分散液(J)の製造 重量%
サイリシア250 15
カルボキシメチルセルロース 1
ヒノキチオール 5
エトキシフェノール 10
メトキシフェノール 3
プロピオン酸カルシウム 3
精製水 適量
100
上記の組成によって、実施例34と同様にして行った。
微粒子分散液(K)の製造 重量%
ニプシルE220A 15
カルボキシメチルセルロース 1
ヒノキチオール 5
バニリルエチルエーテル 10
エチレングリコールモノフェニルエーテル 5
プロピオン酸カルシウム 3
精製水 適量
100
上記の組成を用いて、実施例18と同様にして行った。
実施例34で得た微粒子分散液(B)をゴム系粘着剤に対して3重量%添加してよく混和し、衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例33で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例34で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例35で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例36で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例37で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性粘着剤
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例38で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
忌避活性水性フレキソインキの製造
顔料(赤色) 20
アクリル系樹脂(主成分) 30
水 49
ジエタノールアミン 1
上記の成分を混合して得た水性フレキソインキに、実施例33で製造した微粒子分散液(F)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソインキを製造した。
忌避活性フレキソクリアインキの製造 重量%
アクリル系樹脂(主成分) 40
水 60
上記の成分を混合して得た水性フレキソクリアインキに、実施例34で製造した微粒子分散液(G)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソクリアインキを製造した。
プリスロインキの製造 重量%
顔料(青色) 20
アクリル系樹脂(主成分) 20
エチレングリコール 20
グリコール類 20
フミノアルコール類 5
エチルアルコール類 12
その他助剤 3
上記の成分を混合して得られたプリスロインキに実施例35で製造した微粒子分散液(H)を5重量%または10重量%添加して忌避活性プリスロインキを製造した。
油性フレキソインキの製造 重量%
顔料 20
ポリアミド系樹脂 15
トルエン 35
メチルエチルケトン 10
イソプロピルアルコール 20
上記の成分を混合して得られた油性フレキソインキに実施例36で製造した微粒子分散液(I)を5重量%または10重量%添加して忌避活性油性フレキソインキを製造した。
<木部用防シロアリ剤の製造>
・ 青森ヒバ油 6.0部
・ ヒノキチオール 0.1部
・ バニリン 3.0部
・ ポリオキシエチレンヒマシ油 2.0部
・ シリカマイクロカプセル 5.0部
・ 精製水 83.9部
上記成分を混合して木部用防シロアリ剤を製造した。
また比較例1として上記成分中でバニリンの代わりにコパイバ油3.0部を加え、バニリン非含有木部用防シロアリ剤を製造した。
比較例1
<木部用防シロアリ剤の製造>
・ 青森ヒバ油 6.0部
・ ヒノキチオール 0.1部
・ コパイバ油 3.0部
・ ポリオキシエチレンヒマシ油 2.0部
・ シリカマイクロカプセル 5.0部
・ 精製水 83.9部
<土壌用防シロアリ剤の製造>
・ 吉野ヒノキ油 8.0部
・ エチルフェニルエーテル 1.0部
・ ヤシ油脂肪酸ソルビタン 2.0部
・ シリカマイクロカプセル 4.0部
・ 精製水 85.0部
上記成分を混合して土壌用防シロアリ剤を作成した。
<木部用防キクイ虫剤の製造>
・ 青森ヒバ油 5.0部
・ 1,2-ジメトキシベンゼン 1.0部
・ ショ糖脂肪酸エステル
(ミリスチン酸スクロール) 2.0部
・ シリカマイクロカプセル 5.0部
・ 精製水 87.0部
上記成分を混合して木部用防キクイ虫剤を作成した。
試験例1
木部総合試験
<(1)供試木材片>
(イ)試験に供する木材片は、正常なクロマツ或いはアカマツの辺材で年輪数が10のもの
(ロ)木材片は温度60±2℃の恒温温器で24時閻乾燥する。
<(2)試験体>
(イ)試験体は木材片を指定濃度の試料で処理した処理試験体と、試料処理をしない無処理試験体の2穫類とする。さらに処理試験体は試料処理をした後、下記(2)(ニ)に規定する耐候操作を行ったものと、行わないものとに別ける。
(ロ)試験体の数は耐候操作を行った処理試験体、耐候操作を行わない処哩試験
体および無処理試験体についてそれぞれ5個とする。
(ハ)木材片に刷毛を用いて指定濃度の試料を110±10g/mの割合で塗布した後、
室温で20日間以上放置した後、耐候操作を行うもの5個と行わないもの5個の2グループにわける。
(ニ)耐候操作は湿潤操作と揮散操作を交互に10回くり返す。
湿潤操作:耐候操作を行う試料処理木材片をまとめて室温で静水に30秒浸せきした後.底部に水をはったデシケータ中に入れ、温度26±2℃の恒温室に4時開放置する。
揮散操作:湿潤操作を終った試料処理木材片は,ただちに温度40±2℃の循環式熱風恒温器中に20時間放置する。
(ホ)耐候操作を行った試料処理木材片、耐候操作を行わない試料処理木材片および無処理木材片は、温度60±2℃で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,その質量(W1)を0.01gまではかり、試験体とする。
<(3)飼育容器>
飼育容器としては直径8cm、長さ6cmのアクリル樹脂製円筒の一部に、硬石こうを厚さ約5mmに固めたものを用い、これをあらかじめ約2cmの厚さに湿潤綿を散きつめた蓋付き容器中に10〜15個おく。
注(4) 脱脂綿100 gに水130〜150mlを加える。
注(5) 蓋には通気のため小孔をあけておく。
<(4)飼育>
(イ)前項で製された飼育容器中の硬石こうの上に、試験体のマサ目面を上下にして、処理試験体あるいは無処理試験体を1個づつ水平におき、無作為に巣から取り出した職蟻150頭と兵蟻15頭を投入する。
(ロ)蓋付き容器は、温度28±2℃の暗所に21日間静置して飼育する。
試験結果の算出は以下の通り行う。
(A)21日間経過したら試験体を飼育容器より取り出し、試験体表面の付着物をていねいに取り除き、温度60±2℃で48時間乾燥し、約30分間デシケータ中に放置した後0.01gまで秤量して質量(W2)を求める。
(B)シロアリの職蟻の死亡頭数を記録する。
又以下の計算式により算出する。
質量減少率(%)=(W1-W2)/W1×100
死虫率(%)=死虫数/150×100
実施例1〜16、33〜50で作成した試料を用いて木部総合試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2005179258
Figure 2005179258
Figure 2005179258
耐候操作あり、耐候操作なしのいずれの場合においても質量減少率は無処理試験体と比較して大幅に減少したことより、各試料は防蟻性に優れていることが判明した。一方、比較例1において、非ハロゲン系モノフェニルエーテルの代わりにコパイバ油を用いた防蟻剤については、重量減少率が比較的高かったことより、防蟻性が低いことが判明した。以上のことより、非ハロゲン系モノフェニルエーテルを含まない防蟻剤については、防蟻性が低いことが明らかとなった。
試験例2
土壌処理試験
<試験方法>
・ 20メッシュのふるいを通過した砂壌土を温度60±2℃で恒量になるまで乾燥したものを無処理乾燥土壌とする。
・ 無処理乾燥土壌12.0gに試験しようとする濃度の試料3.0gを加え、十分に混合した後3週間室内に放置したものを試供処理土壌の単位とする。
・ 供試処理土壌は以下に規定する耐候操作を行うものと行わないものとにわける。
・ 耐候操作は以下の揮散操作による。
揮散操作:供試処理土壌を40±2℃の恒温器中に4週間放置する。
・ 耐候操作を行わない供試処理土壌及び耐候操作を行った供試処理土壌の各単位が15.0gになるまで水を加えた後十分に混合する。
・ 無処理乾燥土壌12.0gに水3.0gを加えたものを、供試無処理土壌とする。
・ 試験容器は、内径約5cm、高さ約12cmのガラス円筒2本を、底面から約2cmの所で内径約1.5cm、長さ約10cmのガラス管(両端の擦りあわせ部分を除いた透明部の長さが5cmで、5mmおきに目盛りをつけたもの)で連結したものとする。
・ あらかじめ乾燥殺菌した試験容器のガラス円筒の一方に含水率約25%に調整した無処理土壌約60g、他方にアカマツ砕片約3g入れる。ガラス管の中央透明部に(5)及び(6)に規定した供試土壌をそれぞれ詰め、ガラス円筒に連結する。
・ 無処理土壌を入れたガラス円筒に、巣から取り出したイエシロアリの職蟻200頭と兵蟻20頭を投入する。
・ 試験容器を温度28±2℃、湿度70%以上の恒温室に3週間静置する。
・ 各試験濃度につき3回の繰返し試験を行う。
<結果>
・ 3週間後各試験容器ごとに供試土壌内へのしりありの進行状態を観察し、以下の基準により供試土壌穿孔度を求める。
穿孔度0:供試土壌への穿孔が全く認められない。
穿孔度1:穿孔距離1cm未満
穿孔度2:穿孔距離2cm未満
穿孔度3:穿孔距離3cm未満
穿孔度4:穿孔距離4cm未満
穿孔度5:穿孔距離4cm以上
・ 投入シロアリの全数が試験期間内に死滅したと判断される場合は、それに要した時間または日数を記録する。
実施例51で作成した試料を用いて土壌処理試験を行った結果を表2に示す。
Figure 2005179258
耐候操作あり、耐候操作なしのいずれの場合においても処理土壌については穿 孔が全く見られなかったことより、試料は防蟻性に優れていることが判明した。
試験例3
<木部防虫試験>
試験方法
・ ヒラタキクイムシの人工飼育により、産卵後約60日を経過した幼虫の中から体長2〜3mm(体重3〜5mg)で健全なもの60頭を選び供試虫とする。試験片としてラワンの辺材で、厚さ4mmの単板から50×50mmの木材片を作成する。この木材片に減圧下で栄養液(麦芽抽出物150gとペプトン30gを水820mlに溶解したもの)を注入する。注入量は木材片の質量の約100%とする。栄養液の注入を終えた木材片は、通風乾燥器で40〜50℃で約24時間乾燥してその質量を0.01gまではかる。
・ 試験体は、処理試験体と無処理試験体の2種とする。
・ 木材片の処理は減圧下で注入を行い、その質量を0.01gまではかる。注入量は木材片の質量の約100%とし、防虫剤の吸収量及び吸収率を下記の式より求める。
防虫剤吸収量(g)=(注入後の質量-注入前の質量)×濃度(%)×1/100
防虫剤の吸収率(%)=防虫剤吸収量(g)/注入前の質量(g)×100
・ 処理木材片は室温で14日放置した後、40℃の恒温器中で30日間揮散を行う。さらに25℃、関係湿度70〜75%で7日間以上放置したものを処理試験体とする。試験体の数はそれぞれ5枚とする。
・ 試験体には両木口面に直径2〜2.5mm、深さ15mmの穴をそれぞれ3個あける。
・ それぞれの穴に供試虫を一頭投入し、フラスをつめ木栓した後飼育ビン1個に5枚の試験体を入れ、約25℃、関係湿度70〜75%で飼育する。
・ 全ての試験体について飼育を開始してから21日を経過した後、軟X線装置により観察を行い、無処理試験体から成虫の脱出がほぼ完了するまで観察を継続する。
・ 観察を終了した後、処理試験体を破砕して供試虫の生死を確認し、次式によって平均死中率を求める。この結果を表3に示す。
平均死中率(%)=死虫数の合計/30(供試虫数の合計)×100
実施例52で作成した試料を用いて木部処理試験を行った結果を表3に示す。
Figure 2005179258
処理試験体中のヒラタキクイムシは全て死亡していたことより、試料は防キクイムシ性に優れていることが判明した。
試験例4
防白蟻剤のゴキブリ忌避試験
実施例50におけるバニリンを含む分散液及びバニリンの代わりにコパイバ油を含む分散液に対して、ゴキブリ忌避試験を行った。
試験方法
直径10cmの円の形状にした「試料紙」を直径30cmの容器に置床する。試料紙には、約0.1gの各分散液が塗布されている。アルミホイルで覆った侵入口のあるプラスチィック円筒容器をこの試料にかぶせた。容器の内にチャバネゴキブリの成虫を30匹放ち、25度の室温下、24時間放置して紙上でのゴキブリの個体数を調べ、対照処理区(試料紙を設置した所)と、対照無処理区(ブランク)の忌避率(%)を算出する。試験は、同条件下で2回行いそれぞれを平均した値を提示する。プラスチィック容器をかぶせることは、ゴキブリが暗所を好むので、明条件下に放置された直径30cmの容器内に置かれた遮光されたプラスチィック容器内に入り込む性質を利用している。
試験結果
24時間後の試験結果を表4に示す。
Figure 2005179258
バニリンを含有している分散液のゴキブリに対する忌避活性は極めて低いことが分かった。以上の結果より、非ハロゲン系モノフェニルエーテルを含む分散液は白蟻、キクイムシ以外には忌避効果を有さない事が明らかとなった。

Claims (13)

  1. 非ハロゲン系モノフェニルエーテルを含有して成るシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物
  2. 上記非ハロゲン系モノフェニルエーテルが、バニリン、エチルバニリン、バニリンアルキレンアセタールバニリン酸、バニリン酸エチル、バニリンプロピレングリコールアセタール、バニリルアルコール、バニリルメチルエーテル、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルアミルエーテル、バニリルイソアミルエーテル、バニリルヘキシルエーテル、バニリルアリルエーテル、バニリルシクロペンチルエーテル、バニリルシクロヘキシルエーテル、バニリルテトラヒドロフルヒルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-2-ブチルエーテル、バニリル4-ヒドロキシ-1-ブチルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-1-プロピルエーテル、バニリル3-ヒドロキシ-1-ブチルエーテル、バニリル2-ヒドロキシ-1-プロピルエーテル、バニリルエトキシエチルエーテル、メトキシアニリン、メトキシフェノール、2-メトキシ?5?メチル?ベンゼンアミン、エトキシフェノール、エトキシアニリン、エチルフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ酢酸、1,2-ジメトキシベンゼン、アルキルフェノールエトキシレート、3,4-ジメトキシベンズアルデヒドの群から選ばれる少なくとも1種または2種以上からなる請求項1に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用組成物
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を坦持する有機高分子微粒子又は(及び)無機質微粒子。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を含有してなる分散液。
  5. 請求項3に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を坦持する有機高分子微粒子又は(及び)無機質微粒子を含有してなる微粒子分散液。
  6. 請求項5記載の微粒子分散液がさらに沈降防止剤を含む、微粒子分散液。
  7. 請求項1又は請求項2に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を含有してなる、シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性接着・粘着剤。
  8. 請求項3に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を坦持する有機高分子微粒子又は(及び)無機質微粒子を含有してなるシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性接着・粘着剤。
  9. 請求項4〜請求項6のいずれかに記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫剤分散液を含有してなる、シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性接着・粘着剤。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれかに記載の接着・粘着剤を用いた接着・粘着剤製品。
  11. 請求項1又は(及び)請求項2に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を含有してなる、シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性インキ乃至塗料。
  12. 請求項3に記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫組成物を坦持する有機高分子微粒子又は(及び)無機質微粒子を含有してなるシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性インキ乃至塗料。
  13. 請求項4〜請求項6のいずれかに記載のシロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫剤分散液を含有してなる、シロアリ又は(及び)キクイムシ用防虫忌避活性インキ乃至塗料。
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