JP2005177227A - 車両用シートのヘッドレスト - Google Patents
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Abstract
【構成】 車両用シート1の背凭シート2の上部に該背凭シート2の支持部材9に装着するピラー8に対して平行リンク機構Lにより前後動自在にヘッドレスト3を設け、該平行リンク機構Lはモータ16により位置調節リンクAを作動させて前後位置調節自在に構成し、前記車両用シート1を設けた車体には所望位置に設けたレーダー等により後方からの衝突を事前に予測する予測システムSを搭載し、該予測システムSからの衝突予測信号によりモータ16に通電して、前記位置調節リンクAに優先させて衝突予測時作動リンクBを作動させてヘッドレスト3を最前方位置に移動するように構成した車両用シートのヘッドレスト。
【選択図】 図1
Description
このヘッドレストのヘッドレストフレームとピラーとの間に平行リンク機構を設け、平行リンク機構によりヘッドレストは背凭シートに対して前後移動可能に構成する。平行リンク機構にはラッチとラチェットを設けて、一段ずつ前側に移動させ、一段ずつ移動させるためのヘッドレストの前側への移動は可能であるが、ヘッドレストの後側の移動は阻止して頭部を支持するようにしている。
ヘッドレストは前後位置調節操作により最前方位置まで前進すると、ラチェットを開放させ、一旦最後方位置に戻る。
一方、ヘッドレスト内には後突を感知するセンサー部を設け、センサー部が後突を感知すると、ヘッドレストを最前方位置まで強制移動させるようにした車両用シートのヘッドレストは公知である(特許文献1参照)。
また、センサー部の後突感知後のヘッドレストの移動では、既に頭部も後方移動を開始しており、むち打ち症予防の十分な効果を期待できない。
本願は、無段階のヘッドレストの位置調節をしつつ、この無段階の位置調節機構によって、予想される後突に対応させてヘッドレストを支持位置に移動させるように工夫したものである。
本発明は、前記位置調節リンクAは、前記モータ16の出力回転軸18の一端に設けた位置調節用アーム19と、該位置調節用アーム19に取付けられ平行リンク機構Lの後側リンクアーム12aのピン23に係合する長孔22を有する調節ロッド20とを有して構成し、前記衝突予測時作動リンクBは、前記モータ16の出力回転軸18の他端に設けたワンウエイクラッチ27と、該ワンウエイクラッチ27により回動する後突作動アーム35と、該後突作動アーム35の軸37に継脱する上部フック部48を有するロックリンク45と、該ロックリンク45の下部係合部46に係合する前側係合フック43を有するドライブリンク39とを有して構成し、前記ドライブリンク39は前記前側係合フック43が前記ロックリンク45の下部係合部46に係合して前後調節時には回動停止し、予測システムSからの衝突予測信号によりモータ16に通電されると、前記後突作動アーム35の軸37との係合が外れたロックリンク45の下部係合部46がドライブリンク39の前側係合フック43から外れ、ドライブリンク39の後側係合フック部42が後側リンクアーム12aのピン23に係合して前記長孔22内を移動させるように構成した車両用シートのヘッドレストとしたものである。
本発明は、前記平行リンク機構Lは常時バネ24によりヘッドレスト3を後方移動させるように付勢され、前記ドライブリンク39は前側係合フック43が下部係合部46より外れるとピン23を前方移動させるように常時バネ50により付勢し、該バネ50は前記バネ24より弾力を強くした車両用シートのヘッドレストとしたものである。
また、一個のモータ16により全ての操作(作動)を可能にでき、コストを低くできる。
請求項2の発明では、位置調節リンクAと衝突予測時作動リンクBにより構成しているので、簡単な構成でモータ16を含めて機構部を小型にしてヘッドレスト3内に設けられる。
ヘッドレスト3は、ヘッドレストフレーム4にクッション材5を設けて構成する。実施例のヘッドレスト3はクッション材5の周囲を表皮部材6で被覆しているが表皮部材6は要件ではない。
8はヘッドレスト3を背凭シート2の支持部9に装着するピラーであり、実施例では左右一対の脚部10を所定間隔を置いて設けているが、平板形状に形成してもよい。
また、背凭シート2の支持部材9には公知の構成の脚部10に設けた係合部に係合する係合体を設け、ピラー8を上下所定位置にて保持するようにして、ヘッドレスト3の高さ調節を行えるようにすると、ヘッドレスト3の位置を着座者の体格に合わせられて、好適である。
前記固定部材11には、モータ16を取付け、モータ16の出力回転軸18の一端には位置調節用アーム19の基部を取付け、位置調節用アーム19には調節ロッド20の一端を軸21により取付ける。調節ロッド20の他端には長孔22を形成し、長孔22には前記後側リンクアーム12aのピン23を係合させる。
モータ16は位置調節用アーム19を正逆何れかの方向に回転させて、位置調節用アーム19の長孔22の先端側に係合しているピン23を押し引きし、後側後側リンクアーム12aのピン23を軸13中心に前後回動させ、ピン23の前後回動によりヘッドレストフレーム4をピラー8に対して前後移動させる。
したがって、位置調節用アーム19と調節ロッド20とにより位置調節リンクAを構成する。
前記モータ16の出力回転軸18の他端にはロータ26をワンウエイクラッチ27を介して正逆何れか一方向に回転するように取付ける。ロータ26の外周には突起30、31を設け、突起30、31の移動路にはスイッチ32を設ける。
前記出力回転軸18の他端にはワンウエイクラッチ27を介して後突作動アーム35の基部を取付ける(なお、理解を容易にするため、後突作動アーム35は側面図で位置調節用アーム19と一緒に記載している。)。後突作動アーム35の先端には後突作動ロッド36の一端を軸37により取付ける。後突作動ロッド36の他端には長孔38を形成し、長孔38にはドライブリンク39の一端に設けたピン40を係合させる。ドライブリンク39は、その前後中間部を固定部材11に軸13により回動自在に取付ける。ドライブリンク39は後端には後側係合フック部42を設ける。後側係合フック部42はドライブリンク39が軸13中心に回動すると、ピン23に当接するように配置する。
この場合、ロックリンク45の下部係合部46とドライブリンク39の前側係合フック43の夫々には案内面46aと案内面43aの夫々を形成し、ドライブリンク39の前側係合フック43が下部係合部46に係合するのを案内誘導する。
また、ロックリンク45には、ドライブリンク39の前側係合フック43に係合する方向に常時回動するように付勢するバネ49を設ける。バネ49は一端をロックリンク45に係止し、他端は図示は省略するが、固定部材11に係止する。
51は前記ドライブリンク39の後側係合フック部42が後側リンクアーム12aのピン23に当接するように付勢するバネであり、バネ51の弾力はバネ24の弾力より強く設定し、バネ51はバネ24の弾力に抗して平行リンク機構Lを介してヘッドレスト3を前方移動させる。
このように、後突作動アーム35とドライブリンク39とロックリンク45とにより衝突予測時作動リンクBを構成する。
実施例では、ヘッドレスト3のピラー8にモータ16に一端を接続した接続コード55の他端に設けた接続端子56を設け、背凭シート2の支持部9に前記接続端子56が接続する接続端子57を設け、接続端子57には前記接続コード58を接続し、接続コード58から接続端子56および接続端子57を介してモータ16に通電するように構成し、モータ16への通電は前後調節スイッチ59および予測システムSからの衝突予測信号により行われるように構成している。
また、予測システムSが作動して、ヘッドレスト3を後突予知作動によって前方移動させると、一旦、通電を切り、タイマー60により所定時間経過後、自動的に通電するように構成する。
(前後調節モード)
図3は、ヘッドレスト3が最も後方に位置しており、後側リンクアーム12aは、調節ロッド20の長孔22の後端に位置している。
この状態で、モータ16に通電すると、図3において、出力回転軸18が回転し、出力回転軸18の一端に固定の位置調節用アーム19は時計回転方向に回動する(出力回転軸18の他端側のロータ26はワンウエイクラッチ27により図において時計方向の回転は伝達されず、位置調節用アーム19が回動している間、後突作動アーム35は位置不動で停止している。)。
更に、モータ16により位置調節用アーム19を回動させると、ヘッドレスト3が最前方位置に位置し、このとき、位置調節用アーム19は調節ロッド20を最大に牽引する最大牽引位置に位置する(図5)。
この状態から更に、モータ16により位置調節用アーム19を回動させると、位置調節用アーム19が調節ロッド20の最大牽引位置を通過し、調節ロッド20を戻すように作用する。
このように、前後調節するときの位置調節用アーム19は常時時計回転し、調節ロッド20は前後に往復移動し、ピン23は調節ロッド20の長孔22の後端内周に当接したまま前後移動させ、ヘッドレスト3はモータ16の回転力により前側に移動し、バネ24の弾力で後側に移動し、その結果、ヘッドレスト3は前後往復移動して途中の所望位置のときモータ16の通電を切ると、前後位置調節操作が終了する。
車体所望位置に設けたレーダー等により後方からの衝突を事前に予測する予測システムからの衝突予測信号がモータ16に送られ、モータ16は出力回転軸18を図6において反時計回転させる。
出力回転軸18の回転はワンウエイクラッチ27を介して後突作動アーム35に伝達され、後突作動アーム35は反時計方向に回動し、後突作動アーム35の軸37が反時計方向に回動し、軸37はロックリンク45の上部フック部48との係合を外ずすように、ロックリンク45を時計回転方向に軸47中心に回動させる。
そのため、後側リンクアーム12aの前方回動によりヘッドレスト3を前側に移動させる。
この場合、ピン23は調節ロッド20の長孔22内を前方移動するので、瞬時に後側リンクアーム12aは前方回動する。
一方、ワンウエイクラッチ27を介して出力回転軸18の回転がロータ26に伝達され、スイッチ32に接触しているロータ26の突起30が離れ、ロックリンク45の下部係合部46からドライブリンク39の前側係合フック43が外れて、ドライブリンク39が後側リンクアーム12aを前方回動させると、31がスイッチ32に接触して、モータ16を停止させる。
後突予知作動モードにおいて、モータ16が作動してヘッドレスト3が緊急前側移動すると、ロータ26の突起31がスイッチ32に接触し、モータ16の通電を切り、その後、タイマータイマー60により所定時間経過すると自動的にモータ16に通電し、ロータ26および後突作動アーム35は反時計方向に回転する。
後突作動アーム35は軸37を反時計方向に回転させ、軸37は後突作動ロッド36を上方に牽引し、後突作動ロッド36の長孔38に係合しているドライブリンク39のピン40を上方に引き上げる。
また、ドライブリンク39の前側係合フック43がロックリンク45の下部係合部46に係合すると、ドライブリンク39の後側係合フック部42は後側リンクアーム12aのピン23より退避し、そのまま、位置調節用アーム19の反時計方向の回動により調節ロッド20は元の位置に戻り、後側リンクアーム12aのピン23も長孔22の後側に移動する。
そして、位置調節用アーム19および調節ロッド20が初期位置に復帰すると、後突作動アーム35の軸37はロックリンク45の上部フック部48に当接する。
この状態で、ロータ26の突起30がスイッチ32に当接してモータ16への通電を切る。
Claims (3)
- 車両用シート1の背凭シート2の上部に該背凭シート2の支持部材9に装着するピラー8に対して平行リンク機構Lにより前後動自在にヘッドレスト3を設け、該平行リンク機構Lはモータ16により位置調節リンクAを作動させて前後位置調節自在に構成し、前記車両用シート1を設けた車体には所望位置に設けたレーダー等により後方からの衝突を事前に予測する予測システムSを搭載し、該予測システムSからの衝突予測信号によりモータ16に通電して、前記位置調節リンクAに優先させて衝突予測時作動リンクBを作動させてヘッドレスト3を最前方位置に移動するように構成した車両用シートのヘッドレスト。
- 請求項1において、前記位置調節リンクAは、前記モータ16の出力回転軸18の一端に設けた位置調節用アーム19と、該位置調節用アーム19に取付けられ平行リンク機構Lの後側リンクアーム12aのピン23に係合する長孔22を有する調節ロッド20とを有して構成し、前記衝突予測時作動リンクBは、前記モータ16の出力回転軸18の他端に設けたワンウエイクラッチ27と、該ワンウエイクラッチ27により回動する後突作動アーム35と、該後突作動アーム35の軸37に継脱する上部フック部48を有するロックリンク45と、該ロックリンク45の下部係合部46に係合する前側係合フック43を有するドライブリンク39とを有して構成し、前記ドライブリンク39は前記前側係合フック43が前記ロックリンク45の下部係合部46に係合して前後調節時には回動停止し、予測システムSからの衝突予測信号によりモータ16に通電されると、前記後突作動アーム35の軸37との係合が外れたロックリンク45の下部係合部46がドライブリンク39の前側係合フック43から外れ、ドライブリンク39の後側係合フック部42が後側リンクアーム12aのピン23に係合して前記長孔22内を移動させるように構成した車両用シートのヘッドレスト。
- 請求項2において、前記平行リンク機構Lは常時バネ24によりヘッドレスト3を後方移動させるように付勢され、前記ドライブリンク39は前側係合フック43が下部係合部46より外れるとピン23を前方移動させるように常時バネ50により付勢し、該バネ50は前記バネ24より弾力を強くした車両用シートのヘッドレスト。
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