JP2005164663A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005164663A
JP2005164663A JP2003399889A JP2003399889A JP2005164663A JP 2005164663 A JP2005164663 A JP 2005164663A JP 2003399889 A JP2003399889 A JP 2003399889A JP 2003399889 A JP2003399889 A JP 2003399889A JP 2005164663 A JP2005164663 A JP 2005164663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
unsubstituted
group
charge transport
photosensitive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003399889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4217588B2 (ja
Inventor
Kenichi Kako
賢一 加来
Takakazu Tanaka
孝和 田中
Harunobu Ogaki
晴信 大垣
Yuka Ishizuka
由香 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003399889A priority Critical patent/JP4217588B2/ja
Publication of JP2005164663A publication Critical patent/JP2005164663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4217588B2 publication Critical patent/JP4217588B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 本発明の目的は、耐摩耗性の機械的強度が強く、かつ、光メモリーが小さく、かつ、繰り返し安定性に優れた電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、支持体上の感光層に、特定の構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質を有し、該電荷輸送物質全質量に対して該電荷輸送物質の占める割合が90質量%以上100質量%以下であり、さらに特定の構造を有する添加化合物の総和の質量の特定の電荷輸送物質の質量に対する比の値が0.05以上0.20以下含有することを特徴とする電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、特定の電荷輸送物質と特定の添加化合物を感光層中に含有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真技術に用いられる電子写真感光体は、近年その光導電性材料として、容易に成膜ができること、低コストな生産が可能であること等の利点から有機材料を用いた有機電子写真感光体が実用化され、現在もなお盛んな研究開発が行われている。有機電子写真感光体の中でも、感光層を電荷発生層及び電荷輸送層に分離して積層した機能分離型の有機電子写真感光体は、良好な電子写真特性を示すこと、さらに各層に関して幅広い有機材料の中から適した材料を選択することができることから、広く用いられるに至った。しかしながら、有機電子写真感光体としての高感度化、高耐久化、繰り返し使用時における画像の安定性については、更なる改善が望まれている。
これらの課題に対し、電子写真感光体の高感度化及び高耐久化については、高分子量の電荷輸送物質を使用することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1に記載されている高分子量電荷輸送物質は、低分子モノマーを重合させることにより製造される分子量分布を有する高分子量電荷輸送物質であり、この電荷輸送物質を電子写真感光体に使用することにより、耐久性の向上と電荷輸送能の向上による高感度化を達成できることを示している。さらに、特許文献1には多数個のトリフェニルアミンを含有するポリマー型の高分子量電荷輸送物質を分子量フラクションに分離し、ポリマー型の高分子量電荷輸送物質の分子量分布を狭くする方法が提案されており、そのなかで、ポリマー型の高分子量電荷輸送物質の分子量分布を狭くすることで電荷輸送能の向上が達成されることが記載されている。この特許文献1の中においても、分離して得られた分子量分布を有するポリマー型の高分子量電荷輸送物質を含有する電子写真感光体が開示されている。特に、特許文献2では、ポリマー型の高分子電荷輸送物質を使用することで、電子写真感光体の耐久性が向上することが記載されている。
また、長期の繰り返し使用時での電位安定性を向上させる目的で、添加化合物を感光層中に含有する提案がなされている(例えば、特許文献3参照。)。さらに、感光層中に高分子量の電荷輸送物質とともに添加化合物を使用する提案もなされている(例えば、特許文献4、特許文献5、及び特許文献6参照。)。特許文献4〜6において、電荷輸送層に対して高分子電荷輸送物質と特定構造の添加化合物を使用した場合に繰り返し使用時における画像安定性が向上することが記載されている。
国際公開番号 WO00/078843 国際公開番号 WO99/32537 特公昭50−33857号公報 特開平9−319106号公報 特開平9−319112号公報 特開平9−319121号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているような電子写真感光体では、ポリマー型の高分子量電荷輸送物質であることで酸化劣化しやすいことから電位変動が起こり、電位安定性の面で十分ではない場合がある。また、特許文献4〜6に記載されているような電子写真感光体では、感光層を構成する樹脂としてポリマー型の高分子量電荷輸送物質を使用するため、感光層用塗布液に含まれる溶媒との相溶性が不十分で電荷輸送機能を有する官能基が均一に感光層中に配置されず感度が不十分になる場合があり、また、光照射時において電荷輸送物質中に生じるキャリアの寿命が長く、光メモリーが大きくなる場合がある。
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決し、特定の電荷輸送物質と特定の添加化合物を感光層中に含有することにより、耐摩耗性の機械的強度が強く、かつ、光メモリーが小さく、かつ、長期の繰り返し使用時において良好で安定した電子写真特性を有し、繰り返し使用時においても良好な品質の画像を安定して提供する電子写真感光体を提供することである。
すなわち、本発明は、
支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
下記式(1)
Figure 2005164663
(式中、Ar101〜Ar108は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z15はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
下記式(1−1)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物
あるいは
下記式(1−2)
Figure 2005164663
(式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物であり、
該感光層に含有される上記式(1−1)で示される構造を有する化合物の質量(X1−1)と上記式(1−2)で示される構造を有する化合物の質量(X1−2)の総和の質量(X1−1+X1−2)の該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X1−1+X1−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
ことを特徴とする電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、
支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
下記式(2)
Figure 2005164663
(式中、Ar201〜Ar209は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z21〜Z26はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
下記式(2−1)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物、
あるいは
下記式(2−2)
Figure 2005164663
(式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物であり、
該感光層に含有される上記式(2−1)で示される構造を有する化合物の質量(X2−1)と上記式(2−2)で示される構造を有する化合物の質量(X2−2)の総和の質量(X2−1+X2−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X2−1+X2−2)/Y)が、0.05以上0.20以下であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、
支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
下記式(3)
Figure 2005164663
(式中、Ar301〜Ar310は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z31〜Z37はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
下記式(3−1)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物
あるいは
下記式(3−2)
Figure 2005164663
(式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物であり、
該感光層に含有される上記式(3−1)で示される構造を有する化合物の質量(X3−1)と上記式(3−2)で示される構造を有する化合物の質量(X3−2)の総和の質量(X3−1+X3−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X3−1+X3−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
ことを特徴とする電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、
支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
下記式(4)
Figure 2005164663
(式中、Ar401〜Ar411は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z41〜Z48はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
下記式(4−1)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、R10は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物、
あるいは
下記式(4−2)
Figure 2005164663
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物であり、
該感光層に含有される上記式(4−1)で示される構造を有する化合物の質量(X4−1)と上記式(4−2)で示される構造を有する化合物の質量(X4−2)の総和の質量(X4−1+X4−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X4−1+X4−2)/Y)が、0.05以上0.20以下であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
また、本発明は、
支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
下記式(5)
Figure 2005164663
(式中、Ar501〜Ar512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z51〜Z59はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
下記式(5−1)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、R13は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物、
あるいは
下記式(5−2)
Figure 2005164663
(式中、R14及びR15は、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物であり、
該感光層に含有される上記式(5−1)で示される構造を有する化合物の質量(X5−1)と上記式(5−2)で示される構造を有する化合物の質量(X5−2)の総和の質量(X5−1+X5−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X5−1+X5−2)/Y)が、0.05以上0.20以下であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。
上記のいずれかの電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
また、本発明は、上記のいずれかの電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置を提供する。
本発明において、上記電子写真感光体を使用することにより、高い機械的強度、高い摩耗性、高い耐光メモリー性、良好な電子写真特性を有することにより、長期の繰り返し使用時においても良好な品質の画像を形成する電子写真感光体を提供可能となる。
本発明における電荷輸送物質は、分子量分布を有するポリマー型の高分子量電荷輸送物質とは異なる、特定の化学構造式で記述できる高分子量電荷輸送物質(Macro−Molecular Charge Transfer Materials)を指す。
感光層に含有される電荷輸送物質とは、上記式(1)〜(5)のいずれかで示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質に加えて、低分子量の電荷輸送物質や高分子量の電荷輸送物質を同時に含有してもよいが、電子写真感光体の機械的強度や電子写真特性の点から、上記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であって、さらに好ましくは100質量%である。
または、上記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であって、さらに好ましくは100質量%である。
または、上記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であって、さらに好ましくは100質量%である。
または、上記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であって、さらに好ましくは100質量%である。
または、上記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上100質量%以下であって、さらに好ましくは100質量%である。
また、上記式(1)中のAr101〜Ar108、上記式(2)中のAr201〜Ar209、上記式(3)中のAr301〜Ar310、上記式(4)中のAr401〜Ar411、及び上記式(5)中のAr501〜Ar512で示される置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などが挙げられ、置換あるいは無置換の一価の芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられる。なかでも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基が好ましい。これらが有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8のいずれかであるアルキル基、炭素数が3〜12のいずれかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8のいずれかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
上記式(1)中のZ11〜Z15、上記式(2)中のZ21〜Z26、上記式(3)中のZ31〜Z37、上記式(4)中のZ41〜Z48、及び、上記式(5)中のZ51〜Z59で示される置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基としてはフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基、などが挙げられ、置換または無置換の二価の芳香族複素環基としては、ピリジニレン基、インドーリレン基、キノリニレン基、ベンゾフラニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾチオフェンニレン基、などが挙げられる。また、上述の二価の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基が、単結合、置換または無置換の炭素数が1〜4のおずれかであるアルキレン基、アルキリデン基、置換または無置換のケイ素数が1〜4のいずれかであるシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成されるものも置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基として挙げられる。置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基のうち、ビフェニレン基、フルオレニレン基、ピリジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基が好ましい。
より好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(2)中のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(3)中のZ31〜Z37が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(4)中のZ41〜Z48が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(5)中のZ51〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基である。
更に好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z15が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(2)中のZ21〜Z26のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(3)中のZ31〜Z37のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ31〜Z37が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(4)中のZ41〜Z48のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ41〜Z48が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(5)中のZ51〜Z59のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ51〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基である。
これらの二価の芳香族炭化水素環基または二価の芳香族複素環基が有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8のいずれかであるアルキル基、炭素数が3〜12のいずれかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8のいずれかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
次に、本発明の電荷輸送物質の具体的な例を挙げるが、必ずしも提示した構造に限定されない。
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
本発明における電荷輸送物質の分子量は、1500以上4000以下が好ましく、より好ましくは1500以上3500以下である。
本発明における電荷輸送物質は、特定の化学構造式のみによって示される単一性の高い高分子量の電荷輸送物質であることを特徴としているため、モノマーの繰り返し重合反応による製造法では製造困難である。従って、低分子量電荷輸送物質の製造で使用していた合成法を繰り返し行なう逐次合成法によって合成された電荷輸送物質を用いることが好ましい。逐次合成法とは、原材料と反応対象物との化学反応により主生成物として単一の化合物を生成する反応を多段階で行う合成法であり、重合反応により分子量分布を有する化合物を合成する製造法とは異なり、分子量分布を持たないほどの単一性の高い電荷輸送物質が選択的に製造できる。
逐次合成法に用いられる合成反応は、従来からの低分子電荷輸送物質の製造で使用していた合成法が用いられる。すなわち、ウルマン反応や金属触媒による合成方法が利用される。また、多段階の合成を順次連続して製造してもよく、また、合成の一工程終了後、次段階の合成までの工程の間に精製工程をいれてもよい。また、最終工程終了後、従来から一般に用いられている精製方法を使用することができる。すなわち、活性白土、活性炭、シリカ、アルミナといった吸着剤による処理や、シリカあるいはアルミナなどによるカラムクロマトグラフィー、ポリスチレン微粒子などを利用したゲルパーミッションカラムクロマトグラフィーなどの精製、再結晶や晶析などの結晶化による精製手法を使用してもよい。
次に、本発明における電荷輸送物質の製造例を示すが、本発明はこれらに限定はされない。
(製造例1)電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は189g、収率は84%であった。得られた化合物を元素分析器(CHNコーダー MT−5、YANACO(株)製)を用いて測定した。なお、以下の元素分析による実測値及び計算値の単位は質量%である。実測値:C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、4,4’−ジブロモビフェニル156g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は155.2g、収率は68質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,73.44、H,5.62、N,2.98(計算値:C,73.68、H,5.74、N,3.07)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミン91.3g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は83.4g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.03、H,7.26、N,5.71(計算値:C,87.05、H,7.31、N,5.64)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミン49.7g(0.1mol)、4,4’−ジブロモビフェニル31.2g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は50.9g、収率は70質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて実測値を測定した。実測値:C,79.26、H,5.98、N,3.83(計算値:C,79.22、H,5.96、N,3.85)。
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンを得た。得られた化合物の収量は71.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−10)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は39.1g、収率は89質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。また、得られた化合物の質量分析をレーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−MASS)装置(REFLEX III、BRUKER社製、マトリックス;9−ニトロアントラセン)を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図1に示す。図1において、m/e=1699.1に電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)のピークを観測した。その他のm/e=1699.1付近に観測された複数のピークは電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)の同位体によるものである。なお、この質量スペクトルの横軸は質量電荷比(生成イオンの質量(m)/生成イオンの電荷の価数(z))、縦軸は検出した生成イオンの強度を示す。
(製造例2)電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン68.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造を得た。得られた化合物の収量は71.0g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,79.60、H,6.24、N,6.52(計算値:C,79.58、H,6.20、N,6.63)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミン10.6g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−17)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は37.3g、収率は87質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,86.80、H,6.40、N,4.86(計算値:C,86.78、H,6.46、N,4.90)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図2に示す。図2において、m/e=1715.4に電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)のピークを観測した。その他のm/e=1715.4付近に観測された複数のピークは電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)の同位体によるものである。
(製造例3) 電荷輸送物質の例示化合物(CT−39)の製造
<(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−4−メチルベンゼン171g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的の(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は189.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,85.27、H,8.09、N,6.64(計算値:C,85.26、H,8.11、N,6.63)。
<(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
空気冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン105.7g(0.5mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル215.4g(0.6mol)、銅粉50g、炭酸カリウム60g、o−ジクロロベンゼン600mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は165.9g、収率は75質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,73.33、H,5.48、N,3.17(計算値:C,73.30、H,5.47、N,3.17)。
<N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン88.5g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン26.7g(0.22mol)、酢酸パラジウム2.2g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.8g(0.28mol)、キシレン400mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は71.4g、収率は74質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.05、H,7.14、N,5.81(計算値:C,87.10、H,7.10、N,5.80)。
<N4’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
空気冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン48.3g(0.1mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル39.5g(0.11mol)、銅粉20g、o−ジクロロベンゼン200mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN4’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は45.0g、収率は63質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,78.88、H,5.69、N,3.96(計算値:C,79.09、H,5.79、N,3.92)。
<N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、4、4’−ジブロモビフェニル62.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は62.7g、収率は80質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,85.66、H,7.18、N,7.16(計算値:C,85.67、H,7.19、N,7.14)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT−39)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N4’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン35.7g(0.05mol)、N,N4’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミン9.8g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−39)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は34.4g、収率は83質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,88.40、H,6.51、N,5.09(計算値:C,88.37、H,6.56、N,5.07)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図3に示す。図3において、m/e=1573.3に電荷輸送物質の例示化合物(CT−39)のピークを観測した。その他のm/e=1573.3付近に観測された複数のピークは電荷輸送物質の例示化合物(CT−39)の同位体によるものである。
本発明における添加化合物の少なくとも1種は、下記式(A)
Figure 2005164663
(式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物、あるいは下記式(B)
Figure 2005164663
(式中、RB1及びRB2は、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
で示される構造を有する化合物が用いられる。
本発明の添加化合物として用いられる上記式(A)で示される構造を有する化合物、または、上記式(B)で示される構造を有する化合物の具体的な例を以下に挙げるが、必ずしも提示した構造に限定されない。
Figure 2005164663
Figure 2005164663
上記式(AO−1)〜(AO−8)中、tBuはターシャリーブチル基を示し、上記式(AO−11)中のnは構造単位の繰り返し回数を示す。また、上記式(AO−11)の数平均分子量(Mn)は3000以上5000以下が好ましい。
上記添加化合物の中でも、(AO−2)、(AO−6)、(AO−7)、(AO−8)、(AO−10)、及び(AO−11)の構造を有する化合物が特に好ましい。
感光層に含有される上記式(A)で示される構造を有する化合物の質量(X)と上記式(B)で示される構造を有する化合物の質量(X)の総和の質量(X+X)の電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X+X)/Y)が、0.05以上0.20以下であることが好ましく、より好ましくは0.05以上0.15以下である。感光層に含有される上記式(A)で示される構造を有する化合物の質量と上記式(B)で示される構造を有する化合物の質量の総和の質量の感光層に含有される上記式(1)〜(5)のいずれかで示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の質量に対する比の値が0.05未満であると、添加化合物を含有させたことによる光メモリーの低減などの効果が十分に発揮されない。感光層に含有される上記式(A)で示される構造を有する化合物の質量と上記式(B)で示される構造を有する化合物の質量の総和の質量の感光層に含有される上記式(1)〜(5)のいずれかで示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の質量に対する比の値が0.20を越えてしまうと、感度の悪化が生じる。
このとき、感光層に上述の比の値の範囲を満たすように上記添加化合物を含有していれば、上記式(A)で示される構造を有する化合物のみ、上記式(B)で示される構造を有する化合物のみ、または上記式(A)で示される構造を有する化合物と上記式(B)で示される構造を有する化合物の両方を含有していてもよい。
また、電子写真特性改善の目的で、本発明の上記式(A)で示される構造を有する化合物、あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物より選ばれる化合物に加え、1種類以上の他の添加化合物を含有することも可能である。中でも(AO−1)〜(AO−11)より選択された添加化合物と組み合わせて用いた場合において特に効果的である。その際の混合の割合は任意であり、電子写真感光体使用時のプロセス条件、環境等によって適正化することができる。
本発明における特定の電荷輸送物質と特定の添加化合物を含有した感光層を利用することにより、電子写真感光体の高感度化が達成されている点、および長期にわたる繰り返し使用時における電位安定性、すなわち画像安定性が優れている点に関しては以下のように考えられる。
本発明で使用した特定の構造を有する電荷輸送物質を単独で用いた場合でも、良好な感度で、繰り返し使用による電位変動が比較的小さい電子写真感光体が得られるが、さらに上記式(A)で示される構造を有する化合物、あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物を含有させることにより、長期においてさらに安定した電位を示し、特に光メモリーがさらに小さくなることで、高品質な画像をさらに長期にわたり提供できる。この原因は詳細には解明されていないが、特定の構造を有する電荷輸送物質に対して、上記式(A)で示される構造を有する化合物、あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物との間の相互作用が大きく、互いの分子がより近接した配置を取りやすくなるために光照射等によって生じたキャリアの授受が起こりやすくなり、感光層におけるキャリアの滞留によって生じるとされている光メモリーが非常に小さくできると考えられる。
以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体の感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型感光層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層に機能分離した機能分離型(積層型)感光層のどちらでも構わないが、電子写真特性の点で、機能分離型(積層型)が好ましく、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した機能分離型(積層型)感光層がより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いる支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成型したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したものなどが挙げられる。
LBPなどのように画像入力がレーザー光の場合は、散乱による干渉縞防止、または、支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは、カーボンブラック、金属粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
また、支持体または導電層の上に、接着機能を有する中間層を設けてもよい。
中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。
中間層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
電荷発生層を構成する電荷発生物質としては、通常知られているものが使用可能であり、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクドリン化合物などの各顔料が挙げられる。
これらの顔料は0.3〜4倍の質量の結着樹脂および溶剤ともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ミル、サンドミルアトライター、ロールミル、液衝突型高速分散機などを使用して、良く分散した分散液とする。この液を塗布し、乾燥することによって電荷発生層が得られる。
電荷輸送層は、上記電荷輸送物質との上記式(A)で示される構造を有する化合物、あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物を溶剤に溶解させ電荷輸送層用塗布液とし、この塗布液を電荷発生層上に塗布後、乾燥することによって作製される。また、電荷輸送層は、電荷輸送物質自身が結着性を有している場合は、結着樹脂は必ずしも必要としないが、機械的強度や電子写真特性の観点から、電荷輸送層に結着樹脂を含有していることが好ましい。また、結着樹脂は絶縁性であることが好ましい。
塗布液中の電荷輸送物質と結着樹脂の比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、質量比で1/10〜12/10が好ましく、電子写真感光体の電荷輸送特性、あるいは電荷輸送層の強度といった観点より、2/10〜10/10がより好ましい。
電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、通常、電荷輸送層に使用できる樹脂ならば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂など、いずれの樹脂においても使用可能であるが、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合には、樹脂の透過性、成膜性、耐摩耗性の観点からも、ポリカーボネートあるいはポリアリレート樹脂が好ましく、より好ましくはポリアリレート樹脂である。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、20000以上80000以下であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂を構成する二価の有機残基部分は、置換あるいは無置換の二価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルエーテル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルチオエーテル残基など、二価の有機残基であればどのような構造であっても可能であるが、置換あるいは無置換の二価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
以下に、ポリカーボネート樹脂の繰り返し構造単位の具体例を示すが、これらの構造に特に限定はされない。
Figure 2005164663
また、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂中の二価の有機残基部分に異種の二価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
ポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50000以上200000以下であることが好ましく、強度、生産性などの面から、80000以上150000以下であることがより好ましい。
ポリアリレート樹脂に用いられるフタル酸部位の構造に関しては、イソフタル酸、テレフタル酸が使用される。樹脂中におけるテレフタル酸、イソフタル酸の比率はイソフタル酸/テレフタル酸=0/100〜100/0まで任意に可能であるが、ポリアリレート樹脂の溶媒に対する溶解性の観点から、イソフタル酸/テレフタル酸=20/80〜80/20であることが好ましい。さらには、あるいは樹脂の強度の観点より、イソフタル酸/テレフタル酸=30/70〜70/30が好ましい。
ポリアリレート樹脂を構成する二価の有機残基部分は、置換あるいは無置換の二価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルエーテル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルチオエーテル残基など、二価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換あるいは無置換の二価のビフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビスフェニル残基、置換あるいは無置換の二価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
以下に、ポリアリレート樹脂の繰り返し構造単位の具体例を示すが、これらの構造に特に限定はされない。
Figure 2005164663
Figure 2005164663
また、溶解性の向上などのために、ポリアリレート樹脂中の二価の有機残基部分に異種の二価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
さらに、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂、あるいはポリアリレート樹脂に、他構造のポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂をブレンドすることも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合、必要に応じて、潤滑剤や微粒子を使用してもよい。潤滑剤あるいは微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、ポリスチレン微粒子といった樹脂微粒子、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子といった金属酸化物微粒子、およびそれら微粒子に表面処理を施した微粒子、ステアリン酸亜鉛といった固体潤滑剤、アルキル基により置換されたシリコーン、フッ化アルキル基を有する脂肪族系オイル、ワニスなどが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、15〜30μmが好ましい。
また、電子写真感光体の表面層として、感光層を保護するための層、すなわち、保護層を感光層上に別途設けてもよい。
保護層に使用する樹脂としては、高分子量の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が好ましく、さらには、高分子量ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。また、残留電位の低減あるいは膜強度の向上を目的として、導電性粒子や潤滑剤を含有させてもよい。
保護層の成膜方法は、熱、光あるいは電子線での硬化が可能であり、必要に応じて重合開始剤や添加化合物を含有してもよい。
電子写真感光体の各層の形成工程において、使用する溶剤としては、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。
また、上記の電子写真感光体の電荷発生層や電荷輸送層などの各層を形成するための塗布の方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法が使用できる。
次に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置について説明する。
図4に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図4に接触帯電方式の電子写真装置の一例を示した。本例は転写式複写機もしくはプリンターである。
1は電子写真感光体でドラム型のものである。この電子写真感光体1は矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
2は帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラである。この帯電ローラ2は該帯電ローラに圧設した電子写真感光体1の回転に従動して回転し、バイアス電源2AからDC電圧が印加される。この帯電ローラ2により電子写真感光体1の周面が所定の極性・電位にかつ一様に接触帯電方式で帯電処理される。
その電子写真感光体1の帯電処理面に不図示の露光手段(原稿像の結像露光手段、レーザービームスキャナなど)により目的画像情報の露光光3が照射されて電子写真感光体1の面に目的画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。
その形成静電潜像は現像器4の荷電粒子(トナー)5で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)5aとして顕画化される。
次いでそのトナー像は電子写真感光体1と該電子写真感光体に圧設している転写手段としての転写ローラ7とのニップ部(転写部)に給紙カセット9から給紙ローラ10およびレジストローラ11により所定のタイミングで一枚ずつ給送された用紙6に被転写粒子5bが付着する。転写ローラ7にはバイアス電源7Aからトナー5の保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。
トナー像転写を受けた用紙6は電子写真感光体1の面から分離されて不図示の定着手段へ搬送されてトナー像の定着処理を受ける。
トナー像転写後の電子写真感光体1面はクリーナー(クリーニング装置)8により転写残りトナーなどの付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて繰返して作像に供される。
尚、複数の電子写真感光体、帯電ローラおよび現像装置を有する、接触帯電方式のフルカラー電子写真装置の例を図5に示す。このフルカラー電子写真装置は各色のトナー(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を収容した図4と同様のプロセスカートリッジを縦置きに並列に配列し、それぞれの転写手段によって順次転写を行い、最後に定着を行うタンデム型と呼ばれるカラー電子写真装置である。20K、20C、20M、20Yは各色プロセスカートリッジ、21K、21C、21M、21Yは電子写真感光体、22K、22C、22M、22Yは帯電ローラ、23は転写ローラ、24は紙搬送ベルト、25はレーザー光源、26はトナー、27は定着器、28は給紙ローラである。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下に本発明の感光層の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
SnOコート処理硫酸バリウム10部、酸化チタン2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル0.001部を20部のメタノール/メトキシプロパノール=2/8混合溶剤に加えた塗料を作製し、その塗料を直径30mm×長さ260.5mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布法にて塗布し、140℃で30分熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、この導電層上に、N―メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部及びn−ブタノール30部の混合溶剤に溶解した溶液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次にCuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°の7.4°、28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4部と、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部と、シクロヘキサノン60部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散後、エチルアセテート100部を加えて、電荷発生層用分散液を調製した。これを中間層上に浸漬法で塗布し、膜厚が0.23μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として上記式(CT−42)で示された化合物5部と、結着樹脂として上記式(PA−2)および(PA−9)で示された繰り返し構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂(重量平均分子量(Mw)=125000、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50、共重合比=(PA−2)/(PA−9)=7/3)を10部と、上記式(A)で示される構造を有する化合物として上記式(AO−1)で示された2,6−ジ−ターシャリーブチル−p−クレゾール(商品名:BHT、東京化成工業(株)製)0.50部を、モノクロロベンゼン100部に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。これを電荷発生層上に浸漬法で塗布し、120℃、1時間乾燥して、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、本発明の電子写真感光体を作製した。
次に電子写真感光体の評価法について説明する。
評価装置はキヤノン(株)製LBP−2510(一次帯電:接触帯電方式、プロセススピード:94.2mm/sec)を電子写真感光体の帯電電位を調整できるように改造して用いた。評価は、高温高湿環境下(30℃、80%RH)で行った。作製した電子写真感光体の暗部電位(Vd)、光を照射して暗部電位Vdから光減衰させた明部電位(Vl)、2000枚の繰り返し使用時の暗部電位(Vd2000)の初期からの変動分(Vd2000−Vd=ΔVd)、及び、2000枚の繰り返し使用時の明部電位(Vl2000)の初期からの変動分(Vl2000−Vl=ΔVl)の評価は、装置の光源を像露光量が電子写真感光体表面上での光量が0.3μJ/cmとなるように設定し、電子写真感光体の非露光部の暗部電位(Vd)が、Vd=−500Vとなるように設定し、A4サイズの普通紙を連続して画像出力を2000枚行い、その前後での表面電位を測定することにより行なった。電子写真感光体の表面電位の測定は、電子写真感光体端部より130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。結果を表1に示す。
また、電子写真感光体の光メモリーの評価法については、1cm×5cmの穴をあけた黒色フィルムを、その穴が電子写真感光体端部より130mmの位置にくるように貼り付けて遮光し、電子写真感光体表面において1500Luxの露光量になるようにハロゲンランプの位置を調節し、その1500Luxの白色光を電子写真感光体に5分間照射した後、黒色フィルムを取り除いて1分後に遮光部(Vd(遮光部))と非遮光部(Vd(非遮光部))の暗部電位の差(Vd(非遮光部)−Vd(遮光部)=光メモリー)を測定することにより行なった。結果を表1に示す。
また、A4サイズの普通紙を1枚画像出力ごとに1度停止する間欠モードにて1000枚の画像出力を行い、1000枚の画像出力後、電子写真感光体の初期からの削れ量の評価を行った。その際の膜厚測定は、フィッシャー(株)製、膜厚測定機 フィッシャーMMS 渦電流法プローブEAW3.3で行なった。結果を表1に示す。
(実施例2〜19)
電荷輸送物質として表1の「電荷輸送物質」の欄に示した化合物と、添加化合物として表1の「添加化合物」の欄に示した上記式(A)で示される構造を有する化合物あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
なお、添加化合物として用いた上記式(AO−2)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 1330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−3)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 1035、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−4)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 259、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−5)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−6)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 565、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−7)で示される化合物は、商品名:サノール LS−2626、三共ライフテック(株)製、上記式(AO−8)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 144、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−9)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 765、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−10)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 123、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−11)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 622LD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のものである。
(実施例20)
添加化合物の含有量を0.50部から0.25部に変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例21)
添加化合物の含有量を0.50部から0.75部に変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例22)
添加化合物の含有量を0.50部から1.00部に変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例23〜34)
電荷輸送物質として表1の「電荷輸送物質」の欄に示した化合物と、添加化合物として表1の「添加化合物」の欄に示した上記式(A)で示される構造を有する化合物あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例35〜37)
電荷輸送物質として上記式(CT−17)で示された化合物を5部、添加化合物として表1の「添加化合物」の欄に示した上記式(A)で示される構造を有する化合物、あるいは上記式(B)で示される構造を有する化合物を0.5部使用し、結着樹脂として上記式(PA−2)で示された繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量(Mw)=120000、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例38〜40)
結着樹脂として上記式(PC−5)で示された繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を使用した以外は実施例35〜37と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例41〜43)
電荷輸送物質として上記式(CT−10)で示された化合物を5部、結着樹脂として上記式(PA−10)で示された繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量(Mw)=130000、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=70/30)を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表1に示す。
(実施例44〜50)
電荷輸送物質として上記式(CT−17)で示された化合物を5部、表2で示した添加化合物を混合して添加化合物の総質量を0.5部として使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表2に示す。ここで表2の中の「添加化合物の混合比」とは、添加化合物A及び添加化合物Bが混合されて用いられている場合、「添加化合物Aの質量部/添加化合物Bの質量部」を示す。例えば、実施例44の場合、上記式(AO−2)で示される添加化合物が0.45質量部、上記式(AO−15)で示される添加化合物が0.05質量部を混合して用いていることを示す。
(実施例51〜61)
電荷輸送物質として表3の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表3の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
(実施例62〜72)
電荷輸送物質として表4の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表4の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
(実施例73〜83)
電荷輸送物質として表5の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表5の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表5に示す。
(実施例84〜94)
電荷輸送物質として表6の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表6の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表6に示す。
(比較例1〜10)
電荷輸送物質として表7の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表7の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。なお、表7の「添加化合物」の欄に示した添加化合物(AO−12)〜(AO−20)は下記の構造を有する化合物である。
Figure 2005164663
上記式(AO−12)、(AO−15)、及び(AO−17)中、tBuはターシャリーブチル基を示し、上記式(AO−19)のnは構造単位の繰り返し回数を示す。
なお、添加化合物として用いた上記式(AO−12)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 245、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−13)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 770DF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−14)で示される化合物は、商品名:TINUVIN 234、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−15)で示される化合物は、商品名:IRGAFOS 168、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−16)で示される化合物は、商品名:Sumilizer GS、住友化学工業(株)製、上記式(AO−17)で示される化合物は商品名:Antage W500、川口化学工業(株)製、上記式(AO−18)で示される化合物は、商品名:IRGANOX 1520、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−19)で示される化合物は、商品名:CHIMASSORB 944LD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、上記式(AO−20)で示される化合物は、商品名:Sumilizer TPS、住友化学工業(株)製のものである。
また、表7の「添加化合物」の欄に「無添加」と記載されている比較例は、添加化合物を含有していないことを示す。
(比較例11)
添加化合物の含有量を0.50部から0.20部に変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作成し、同様の評価を行った。結果を表7に示す。
(比較例12)
添加化合物の含有量を0.50部から1.25部に変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作成し、同様の評価を行った。結果を表7に示す。
(比較例13〜24)
電荷輸送物質として表7の「電荷輸送物質」の欄に示した電荷輸送物質と、添加化合物として表7の「添加化合物」の欄に示した添加化合物を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
(比較例25)
電荷輸送物質として下記式(PCT−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリマー型の高分子電荷輸送物質15部をクロロベンゼン100部に溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この電荷輸送層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表7に示す。なお、通常のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)による測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)では、下記式(PCT−1)で示される化合物の重量平均分子量(Mw)は2000であった。
Figure 2005164663
(比較例26〜36)
電荷輸送物質として上記式(PCT−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリマー型の高分子電荷輸送物質を15部、添加化合物として表7の「添加化合物」の欄に示した添加化合物0.3部を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
(比較例37)
電荷輸送物質として、特許文献2に記載されている重合反応によって合成した下記式(PCT−2)で示される化合物を用いた。下記式(PCT−2)で示される化合物は通常のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)による測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)のピーク面積比により、繰り返し回数n=4:n=5:n=6:n=7:n=8が7:23:50:17:3の比率で混合されている電荷輸送物質であった。また、GPCによる測定では、下記式(PCT−2)で示される化合物の重量平均分子量(Mw)は1700であった。この下記式(PCT−2)で示される化合物5部を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
Figure 2005164663
(比較例38〜48)
電荷輸送物質として下記式(PCT−2)で示される繰り返し構造単位を有するポリマー型の高分子電荷輸送物質を5部、添加化合物として表7の「添加化合物」の欄に示した添加化合物0.5部を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
(比較例49)
電荷輸送物質として下記式(SCT−1)で示される化合物を5部使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
Figure 2005164663
(比較例50)
電荷輸送物質として上記式(SCT−1)で示される化合物を5部、添加化合物として(AO−11)を0.5部を使用した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。結果を表7に示す。
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
Figure 2005164663
実施例と比較例を比較すると、本発明における特定の電荷輸送物質と特定の添加化合物とを併用した感光層において、他の電荷輸送物質と添加化合物を併用した感光層を用いた場合よりも、同露光量における感度が良好で、かつ明部電位の繰り返し使用前後の変動が小さくなって電位安定性が向上しており、長期繰り返し使用時にも電荷輸送層の削れ量が小さく、さらに光メモリーも小さい。表中でΔVlが負の値になっているのは、削れ量が大きいことによるものである。本発明の電子写真感光体を使用することにより、初期使用時と繰り返し使用時での濃度変化をすることのない安定した画像を長期にわたり提供することが可能になると考えられる。
本発明の例示化合物(CT−10)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。 本発明の例示化合物(CT−17)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。 本発明の例示化合物(CT−39)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。 接触帯電方式のプロセスカートリッジおよび電子写真装置の一例を示す図である。 フルカラー接触帯電方式の電子写真装置の一例を示す図である。図4で示したプロセスカートリッジを下からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に縦型にタイデム式に並列した方式である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 帯電ローラ
2A バイアス電源
3 露光光
4 現像器
5 荷電粒子(トナー)
5a 可転写粒子像(トナー像)
5b 被転写粒子
6 用紙
7 転写ローラ
7A バイアス電源
8 クリーナー(クリーニング装置)
9 給紙カセット
10 給紙ローラ
11 レジストローラ
20K、20C、20M、20Y 各色プロセスカートリッジ
21K、21C、21M、21Y 電子写真感光体
22K、22C、22M、22Y 帯電ローラ
23 転写ローラ
24 紙搬送ベルト
25 レーザー光源
26 トナー
27 定着器
28 給紙ローラ

Claims (12)

  1. 支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
    下記式(1)
    Figure 2005164663
    (式中、Ar101〜Ar108は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z15はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
    で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
    かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
    該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
    下記式(1−1)
    Figure 2005164663
    (式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物
    あるいは
    下記式(1−2)
    Figure 2005164663
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物であり、
    該感光層に含有される上記式(1−1)で示される構造を有する化合物の質量(X1−1)と上記式(1−2)で示される構造を有する化合物の質量(X1−2)の総和の質量(X1−1+X1−2)の該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X1−1+X1−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
    下記式(2)
    Figure 2005164663
    (式中、Ar201〜Ar209は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z21〜Z26はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
    で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
    かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
    該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
    下記式(2−1)
    Figure 2005164663
    (式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物、
    あるいは
    下記式(2−2)
    Figure 2005164663
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物であり、
    該感光層に含有される上記式(2−1)で示される構造を有する化合物の質量(X2−1)と上記式(2−2)で示される構造を有する化合物の質量(X2−2)の総和の質量(X2−1+X2−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X2−1+X2−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  3. 支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
    下記式(3)
    Figure 2005164663
    (式中、Ar301〜Ar310は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z31〜Z37はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
    で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
    かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
    該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
    下記式(3−1)
    Figure 2005164663
    (式中、tBuはターシャリーブチル基、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物
    あるいは
    下記式(3−2)
    Figure 2005164663
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物であり、
    該感光層に含有される上記式(3−1)で示される構造を有する化合物の質量(X3−1)と上記式(3−2)で示される構造を有する化合物の質量(X3−2)の総和の質量(X3−1+X3−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X3−1+X3−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
    下記式(4)
    Figure 2005164663
    (式中、Ar401〜Ar411は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z41〜Z48はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
    で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
    かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
    該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
    下記式(4−1)
    Figure 2005164663
    (式中、tBuはターシャリーブチル基、R10は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物、
    あるいは
    下記式(4−2)
    Figure 2005164663
    (式中、R11及びR12は、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物であり、
    該感光層に含有される上記式(4−1)で示される構造を有する化合物の質量(X4−1)と上記式(4−2)で示される構造を有する化合物の質量(X4−2)の総和の質量(X4−1+X4−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X4−1+X4−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  5. 支持体及び該支持体上に感光層を有し、該感光層は1種または2種以上の電荷輸送物質を含有し、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の少なくとも1種は、
    下記式(5)
    Figure 2005164663
    (式中、Ar501〜Ar512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z51〜Z59はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
    で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質であり、
    該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、90質量%以上100質量%以下であり、
    かつ、該感光層は1種または2種以上の添加化合物を含有し、
    該感光層に含有される添加化合物の少なくとも1種は、
    下記式(5−1)
    Figure 2005164663
    (式中、tBuはターシャリーブチル基、R13は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物、
    あるいは
    下記式(5−2)
    Figure 2005164663
    (式中、R14及びR15は、それぞれ独立して置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換の水酸基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のアミノ基、または、置換または無置換のシクロアルキル基を示す。)
    で示される構造を有する化合物であり、
    該感光層に含有される上記式(5−1)で示される構造を有する化合物の質量(X5−1)と上記式(5−2)で示される構造を有する化合物の質量(X5−2)の総和の質量(X5−1+X5−2)の、該感光層に含有される電荷輸送物質の全質量(Y)に対する比の値((X5−1+X5−2)/Y)が、0.05以上0.20以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  6. 前記式(1−1)〜(5−1)のいずれかで示される構造を有する化合物、または、前記式(1−2)〜(5−2)のいずれかで示される構造を有する化合物が、下記式(AO−1)〜(AO−11)
    Figure 2005164663
    Figure 2005164663
    (式(AO−1)〜(AO−8)中、tBuはターシャリーブチル基を示し、式(AO−11)中、nは構造単位の繰り返し回数を示す。)
    で示される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記式(1)中のZ11〜Z15のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z15が置換または無置換のビフェニレン基である、
    あるいは、前記式(2)中のZ21〜Z26のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基である、
    あるいは、前記式(3)中のZ31〜Z37のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ31〜Z37が置換または無置換のビフェニレン基である、
    あるいは、前記式(4)中のZ41〜Z48のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ41〜Z48が置換または無置換のビフェニレン基である、
    あるいは、前記式(5)中のZ51〜Z59のうち、少なくとも1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ51〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質の占める割合が、100質量%である、
    あるいは、前記感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質が占める割合が、100質量%である、
    あるいは、前記感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質が占める割合が、100質量%である、
    あるいは、前記感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質が占める割合が、100質量%である、
    あるいは、前記感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して、上記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質が占める割合が、100質量%である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 上記式(1)〜(5)のいずれかで示される構造を有し、かつ、分子量が1500以上4000以下である電荷輸送物質は、逐次合成法によって合成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 前記感光層にポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
JP2003399889A 2003-11-28 2003-11-28 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Expired - Fee Related JP4217588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003399889A JP4217588B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003399889A JP4217588B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005164663A true JP2005164663A (ja) 2005-06-23
JP4217588B2 JP4217588B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=34724310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003399889A Expired - Fee Related JP4217588B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4217588B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046441A1 (ja) * 2004-10-29 2006-05-04 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族アミン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2018010236A (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 シャープ株式会社 電子写真感光体、それを備える画像形成装置および電荷輸送物質含有層形成用塗工液

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08225639A (ja) * 1994-12-20 1996-09-03 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート系の重合体、それを用いた樹脂塗工液及びそれを用いた電子写真感光体
JPH11143107A (ja) * 1997-11-13 1999-05-28 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000206721A (ja) * 1999-01-13 2000-07-28 Konica Corp 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット
JP2001051434A (ja) * 1999-08-16 2001-02-23 Fuji Denki Gazo Device Kk 電子写真用感光体
JP2003503519A (ja) * 1999-06-18 2003-01-28 アベシア・リミテッド ポリマーフラクションの分離方法
EP1357436A2 (en) * 2002-04-26 2003-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2003316043A (ja) * 2002-04-26 2003-11-06 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004109999A (ja) * 2002-08-30 2004-04-08 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08225639A (ja) * 1994-12-20 1996-09-03 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート系の重合体、それを用いた樹脂塗工液及びそれを用いた電子写真感光体
JPH11143107A (ja) * 1997-11-13 1999-05-28 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000206721A (ja) * 1999-01-13 2000-07-28 Konica Corp 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット
JP2003503519A (ja) * 1999-06-18 2003-01-28 アベシア・リミテッド ポリマーフラクションの分離方法
JP2001051434A (ja) * 1999-08-16 2001-02-23 Fuji Denki Gazo Device Kk 電子写真用感光体
EP1357436A2 (en) * 2002-04-26 2003-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2003316043A (ja) * 2002-04-26 2003-11-06 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004109999A (ja) * 2002-08-30 2004-04-08 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046441A1 (ja) * 2004-10-29 2006-05-04 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 芳香族アミン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2018010236A (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 シャープ株式会社 電子写真感光体、それを備える画像形成装置および電荷輸送物質含有層形成用塗工液

Also Published As

Publication number Publication date
JP4217588B2 (ja) 2009-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4174391B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4983993B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成装置、およびカートリッジ
JP2007122036A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成装置、およびカートリッジ
WO2014021341A1 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、画像形成装置、及びトリアリールアミン化合物
CA2444180C (en) Imaging members
JP2008262232A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP3684068B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2013064992A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置、及び電子写真カートリッジ
JP6160370B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、画像形成装置、及びトリアリールアミン化合物
JP2007065164A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4217588B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4227536B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4914042B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2005208111A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2008203528A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP3949592B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2006330713A (ja) 電子写真感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP2005162620A (ja) 電荷輸送物質の精製方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置
WO2018062518A1 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP2007058052A (ja) 電子写真装置
JP5258409B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2007003800A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007192904A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2000162810A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3944028B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees