JP2005162914A - 紫外線遮断膜、紫外線遮断用金属酸化物粒子および紫外線遮断材料形成用組成物 - Google Patents

紫外線遮断膜、紫外線遮断用金属酸化物粒子および紫外線遮断材料形成用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 長波長UV、すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUVを効果的に吸収しカットでき、可視光に対する透明性に優れる紫外線遮断膜、この膜に用いることのできる紫外線遮断用金属酸化物粒子、および、この膜を得させることのできる紫外線遮断材料形成用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の紫外線遮断膜のうち、第1の膜は、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなる。第2の膜は、金属酸化物粒子を必須構成成分としてなり、前記金属酸化物粒子はビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紫外線遮断膜、紫外線遮断用金属酸化物粒子および紫外線遮断材料形成用組成物に関する。
従来から、金属酸化物は、どのような金属元素を含有金属元素とする金属酸化物であるか、または、その金属酸化物が単一酸化物であるか複合酸化物であるかなどによって、種々の優れた機能を発揮し得ることが知られており、そういった特性を活かして様々な用途に利用されている。なかでも、そのような金属酸化物を基材の表面に膜として形成したり膜の必須成分として用いたりし、各種機能性用途に利用することが近年多く提案され現に実施されているものもある。例えば、紫外線(UV)をカットする機能性膜(紫外線遮断膜)としての利用がよく知られており、より効果的に紫外線をカットできる機能性膜の開発が種々なされている(例えば、特許文献1参照。)。
また、粒子径5〜200nmのBi微粒子粉体を配合することにより400nm以下の紫外線の遮断性に優れる化粧料(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開平1−217084号公報 特許第3441553号公報
しかしながら、長波長UV、すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUVを効果的に吸収しカットし得る機能性膜はなかった。また、Biは強い着色(黄色)を有するため、Biを含む紫外線遮断膜を窓ガラスなどの用途に供することは、見た目も良くなく、可視光に対する透明性に劣るなど、実用性に乏しかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記長波長UVを効果的に吸収しカットでき、可視光に対する透明性に優れる紫外線遮断膜、この膜に用いることのできる紫外線遮断用金属酸化物粒子、および、この膜を得させることのできる紫外線遮断材料形成用組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、ビスマス元素またはその酸化物を含む金属酸化物を必須としてなる機能性膜であれば、上記課題を一挙に解決できることを見出し、それを確認して、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる紫外線遮断膜のうち、第1の膜は、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなる。
第2の膜は、金属酸化物粒子を必須構成成分としてなり、前記金属酸化物粒子はビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。
本発明にかかる紫外線遮断材料形成用組成物のうち、第1の組成物は、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を必須構成成分とする。
第2の組成物は、金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。
第3の組成物は、金属酸化物粒子と、金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分とを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。
本発明にかかる紫外線遮断用金属酸化物粒子のうち、第1の粒子は、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなる。
第2の粒子は、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体を必須構成成分としてなる。
本発明によれば、長波長UV、すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUVを効果的に吸収しカットでき、可視光に対する透明性に優れる紫外線遮断膜、この膜に用いることのできる紫外線遮断用金属酸化物粒子、および、この膜を得させることのできる紫外線遮断材料形成用組成物を提供することができる。
以下、本発明にかかる紫外線遮断膜、紫外線遮断用金属酸化物粒子および紫外線遮断材料形成用組成物について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔紫外線遮断膜〕
本発明にかかる紫外線遮断膜は、前述のように、第1の膜が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマス(Bi)を含む(ビスマスを必須の金属元素として含む)金属酸化物の混晶(以下、Bi混晶と称することがある。)を必須構成成分とし、第2の膜が、金属酸化物粒子を必須としてなり、前記金属酸化物粒子がビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。第2の膜においては、上記金属酸化物の共存体からなる金属酸化物は、粒子状で膜中に存在している。
以下では、本発明の紫外線遮断膜の構成材料となり得る各種金属酸化物について説明し、引き続き、第1の膜および第2の膜それぞれにおける個別事項について説明する。
金属酸化物は、一般に、結晶性を示すもの(結晶体)と、結晶性を示さないもの(非結晶体)とに分類される。上記結晶体とは、規則的な原子配列が周期性をもって認められる結晶子からなる金属酸化物であると定義することができ、電子線回折学的および/またはX線回折学的に、格子定数および/または回折パターンから金属酸化物の同定ができるものを言い、そうでないものは非結晶体であると定義できる。UV等の光の吸収能に優れる点で、またその他の機能(導電性、半導体特性、熱伝導性、(光)磁気特性、誘電特性、発光特性、反射特性などの電気機能、磁気機能、半導体機能、光機能など)にも優れる点で、結晶体が好ましいと言える。
本明細書においては、上記結晶体は、金属元素(金属成分)として1種の金属元素のみを含む単一金属酸化物(単一酸化物)や、金属元素(金属成分)として2種以上の金属元素を含む複合金属酸化物(複合酸化物)や、単一酸化物または複合酸化物に異種金属元素が固溶されてなる固溶体金属酸化物(固溶体酸化物)などに分類されるものとし、これらは金属元素と酸素とが定比組成であっても不定比組成であってもよく、限定はされない。また、上記複合酸化物や固溶体酸化物などで例示される、単一酸化物以外の結晶性の金属酸化物を、金属酸化物混晶(単に、混晶と言うことがある。)と称することとし、これに対して上記単一酸化物を非混晶と称することがあるとする。なお、上記非結晶体においても、結晶体の分類に挙げられる酸化物と同様の酸化物があり得るが、すべて結晶性を示さないものである場合を言うとする。
上記結晶体は、単結晶体であっても多結晶体であってもよく、これらを構成する結晶子の形状としては、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、柱状、チューブ状、りん片状、(六角)板状等の薄片状や、過飽和度の高い条件下で結晶の稜や角が優先的に伸びて生成した樹枝状、骸晶状などが挙げられる。結晶子の大きさは、限定はされず、具体的には、結晶子の結晶軸方向の大きさは、通常1nm〜10μmであることが好ましい。結晶子の配向性については、限定はされないが、例えば、結晶子の結晶軸方向が膜形成の対象となる基材表面に対して垂直に配向していても特定の角度をもって配向していても、あるいは、基材表面に沿うように該表面に対して平行に配向していてもよい。また、全ての結晶子の配向性が揃っていても、ランダムであっても、一部が同じ配向性で残りがランダムであってもよく、限定はされない。
Bi混晶とは、ビスマス以外の金属元素を金属元素とビスマスとを金属成分とする金属酸化物の結晶体と定義される。例えば、下記一般式(1)や(2)で表される化合物の結晶体が例示できる。
Bi (1)
Bi y1 y2 y2 (2)
(但し、Biはビスマスを表し、M、M、MおよびMはビスマス以外の金属元素を表す。また、x、y、y1、y2およびy3はそれぞれ1以上の整数を表す。)
特に、Bi混晶が定比組成である場合については、上記一般式(1)では下記式(1’)を、上記一般式(2)では下記式(2’)を満足する。
X・nBi+y・n=2Z (1’)
X・nBi+y1・nM1+y2・nM2+y3・nM3=2Z (2’)
(但し、nBiはビスマスの価数を表し、n、nM1、nM2およびnM3はそれぞれビスマス以外の金属元素であるM、M、MおよびMの価数を表す。)
なお、ビスマスの価数(nBi)は、限定はされないが、正3価であることが好ましい。
上記Bi混晶としては、具体的には、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする結晶性の金属酸化物(金属酸化物結晶)中にビスマス(例えばビスマスイオン(Bi(III))が固溶されてなる固溶体酸化物(a)であるか、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む結晶性の複合酸化物(b)であるものが好ましく例示され、これら固溶体酸化物(a)および複合金属酸化物(b)等が混在してなるものであってもよいが、少なくとも一部に固溶体酸化物(a)を含むものであることが特に好ましい。
Bi混晶においては、金属元素として含有されるビスマス以外の金属元素とビスマスとの総量に対するビスマスの割合が、0.01〜90原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜60原子%である。上記割合が、0.01原子%未満であると、Biに基づくUV遮断性が不十分となるおそれがあり、90原子%を超えると、着色が著しく、例えば窓やフィルム等への膜形成を考慮した場合、UV遮断膜として好ましくない色調となるおそれがある。
固溶体酸化物(a)については、いわゆる侵入型の固溶体酸化物であってもよいし置換型の固溶体酸化物であってもよく、限定はされない。
固溶体酸化物(a)において、ビスマスが固溶される、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物としては、例えば、1A族、2A族、3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、ランタノイド元素、アクチノイド元素、1B族、2B族、3B族、4B族、5B族(Biは除く)、6B族に含まれる金属元素の1種または2種以上を含有金属元素とする単一酸化物または複合酸化物が好ましく挙げられ、これら金属酸化物は1種のみ用いても2種以上併用していてもよいが、より好ましくは、Sr、Ce、Y、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、SbおよびLa等の1種または2種以上を含有金属元素とする単一酸化物または複合酸化物である。さらに好ましくは、UV領域にバンドギャップを有するZnO、TiO、CeO、ZnMgO、SnOおよびInであり、これらを用いて得られた膜は、広範囲のUVを効果的にカットすることができるとともに、さらにBiの含有に基づき、特に長波長UV(すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUV)を効果的に吸収しカットし、450nm以上の可視光を透過することができる。これらUV領域にバンドギャップを有するものの中でも、特に好ましくは、可視光透過性に優れ、360nm以下のUVの吸収能が高い点でZnO、TiOおよびCeOであり、最も好ましくは、前記ビスマス以外の金属元素が亜鉛である場合、すなわちZnOである。なお、本明細書においては、周期表は、改訂5版「化学便覧(日本化学会編)」(丸善株式会社より出版)に掲載されている「元素の周期表(1993年)」を用い、族番号は亜族方式により表記する。
固溶体酸化物(a)においては、固溶されるビスマスの含有割合は、限定はされないが、具体的には、固溶体酸化物中のビスマス以外の金属元素に対して、0.01〜20原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10原子%、さらに好ましくは0.5〜10原子%、特に好ましくは下限が1原子%、最も好ましくは下限が3原子%である。固溶体酸化物におけるビスマスの含有割合が、0.01原子%未満であると、Biの固溶効果である400〜450nmから短波長にかけての光吸収性能が不十分となるおそれがあり、20原子%を超えると、固溶体としての結晶性が低下し、上記固溶効果が不十分となるおそれがある。
複合酸化物(b)としては、ビスマスとともに、ビスマス以外の金属元素として1A族、2A族、3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、ランタノイド元素、アクチノイド元素、1B族、2B族、3B族、4B族、5B族(Biは除く)、6B族に含まれる金属元素の1種または2種以上を含む複合酸化物が好ましく挙げられ、これらは1種のみ用いても2種以上併用してもよい。より好ましくは、ビスマスとともに、Sr、Ce、Y、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、SbおよびLa等の1種または2種以上を含む複合酸化物である。さらに好ましくは、ビスマスとともに、Zn、Ti、Ce、SnおよびInの1種または2種以上を含む、UV領域にバンドギャップを有する複合酸化物であり、これらを用いて得られた膜は、広範囲のUVを効果的にカットすることができるとともに、さらにBiの含有に基づき、特に長波長UV(すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUV)を効果的に吸収しカットし、450nm以上の可視光を透過することができる。これらUV領域にバンドギャップを有するものの中でも、特に好ましくは、可視光透過性に優れ、360nm以下のUVの吸収能が高い点で、ビスマスと、Zn、TiおよびCeの1種または2種以上とを含む複合酸化物であり、最も好ましくは、前記ビスマス以外の金属元素が亜鉛である場合、すなわちビスマスとZnとを含む複合酸化物である。
Bi混晶以外の金属酸化物(単に、非Bi混晶と言うことがある。)としては、非混晶体(単一酸化物)、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする混晶、および、非結晶体が挙げられる。これらのうち、非混晶体としては、ビスマスを金属元素とするものと、ビスマス以外の金属元素を金属元素とするものとが挙げられ、非結晶体としては、ビスマス以外の金属元素および/またはビスマスを金属元素とするものが挙げられる。
本明細書においては、非Bi混晶のうちビスマスを金属元素として含むものを非Bi混晶(a)と言うこととし、具体的には、ビスマスを金属元素とする非混晶体(単一酸化物:例えばBi(III)の酸化物が好ましく、具体的にはBiおよびこれの不定比組成の酸化物)と、ビスマスのみを金属元素とするか又はビスマス以外の金属元素およびビスマスを金属元素とする非結晶体とが挙げられる。また、非Bi混晶のうちビスマスを金属元素として含まないものを非Bi混晶(b)と言うこととし、具体的には、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする非混晶体(単一酸化物)と、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする混晶と、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする非結晶体とが挙げられる。
上記非Bi混晶(a)および(b)において言う、ビスマス以外の金属元素としては、1A族、2A族、3A族、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、ランタノイド元素、アクチノイド元素、1B族、2B族、3B族、4B族、5B族(Biは除く)、6B族に含まれる金属元素の1種または2種以上が好ましく挙げられ、より好ましくは、Sr、Ce、Y、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、SbおよびLa等の1種または2種以上である。さらに好ましくは、酸化物がUV領域にバンドギャップを有するZn、Ti、Ce、SnおよびInの1種または2種以上であり、これらの酸化物を用いて得られた膜は、広範囲のUVを効果的にカットすることができるとともに、さらにBiの含有に基づき、特に長波長UV(すなわち波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUV)を効果的に吸収しカットし、450nm以上の可視光を透過することができる。これらの、UV領域にバンドギャップを有する酸化物となるものの中でも、特に好ましくは、可視光透過性に優れ、360nm以下のUVの吸収能が高い点でZn、TiおよびCeの1種または2種以上であり、最も好ましくは、Znである。
より具体的には、非Bi混晶(b)のうち、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする非混晶体(単一酸化物)としては、限定はされないが、ZnO、TiO、CeO、SnO、SiO、ZrO、AlおよびInが好ましく、より好ましくはZnO、TiOおよびCeOであり、最も好ましくはZnOである。
非Bi混晶(b)のうち、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする混晶としては、具体的には、固溶体酸化物であるか、および/または、複合酸化物であるが、そのうち固溶体酸化物に当たるものとしては、InおよびAl等の3価あるいはそれ以上の価数の金属元素またはフッ素を固溶したZnO;NaおよびLi等の1価の金属元素を固溶したZnO;MgおよびBe等の2価の金属元素を固溶したZnO;Sn、TiおよびZr等の4価あるいはそれ以上の価数の金属元素またはフッ素を固溶したIn;SbおよびP等の5価あるいはそれ以上の価数の金属元素またはフッ素等を固溶したSnO;Fe、SbおよびV等を固溶したTiOやCeO;などが好ましく挙げられる。なかでも、ZnO系、TiO系およびCeO系の固溶体酸化物がより好ましい。複合酸化物に当たるものとしては、MgIn、GaInO、ZnIn、ZnIn、InSn12、ZnSnO、ZnSnOおよびGaInOなどが好ましく挙げられる。
第1の膜は、前述したBi混晶を必須構成成分としてなるものであるが、膜中のBi混晶の含有割合は、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは50重量%以上、最も好ましくは80重量%以上である。上記含有割合が0.1重量%未満であると、UV遮断性が不十分となるおそれがある。
第1の膜の必須構成成分であるBi混晶は、1種のみからなるものであっても2種以上からなるものであってもよく、限定はされない。2種以上からなる場合は、例えば、それぞれのBi混晶が一体化してなる共存体である形態でもよいし、一体化せずに膜中に存在している形態でもよい。なかでも前者の形態が、2種以上のBi混晶の含有効果を相乗的に発揮できる点で好ましい。なお、2種以上からなる場合(なかでも特に後述する共存体である場合)、互いのBi混晶の構成元素(ビスマス以外の金属元素)の種類や、各々の構成元素の存在割合等は、少なくとも一部が同じであってもよいし全て異なっていてもよく、限定はされない。
第1の膜においては、構成成分として、上述したBi混晶のほかに、非Bi混晶をさらに含んでいてもよい。具体的には、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物(すなわち非Bi混晶(b))、および/または、ビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)(すなわち非Bi混晶(a))をさらに含んでいてもよい。さらに含有させる金属酸化物(非Bi混晶)に付随する機能的効果、例えば、膜の耐水性や耐酸性・耐アルカリ性が高くなる等の効果を発揮させることができ、好ましい。なかでも非Bi混晶(a)をさらに含む場合は、波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUVをより一層効果的に吸収しカットすることができるため、より好ましい。なお、非Bi混晶も混晶である場合(なかでも特に後述する共存体である場合)、互いの混晶の構成元素(特にビスマス以外の金属元素)の種類や、各々の構成元素の存在割合等は、少なくとも一部が同じであってもよいし全て異なっていてもよく、限定はされない。
第1の膜において、非Bi混晶をさらに含む場合、この非Bi混晶の含有割合は、具体的には、Bi混晶全体に対して、0.1〜300重量%であることが好ましく、より好ましくは上限が60重量%であり、さらに好ましくは上限が30重量%である。上記含有割合が、0.1重量%未満であると、Bi混晶と非Bi混晶との併存効果、特にこれらが共存している場合の共存効果が、実質的に十分に現れないおそれがあり、300重量%を超えると、膜の450nm以上の可視光透過率が低下し、不透明な膜となるおそれがある。
第1の膜において、非Bi混晶をさらに含む場合の膜形態としては、膜中にBi混晶と非Bi混晶とが併存していればよく、限定はされないが、例えば、Bi混晶と非Bi混晶とが共存し一体化してなる共存体となって膜中に存在している形態でもよいし、Bi混晶と非Bi混晶とが一体化せずに膜中に存在している形態でもよい。なかでも前者の形態が、非Bi混晶の含有効果を相乗的に発揮できる点で好ましい。
第1の膜におけるBi混晶の存在形態は、限定はされず、Bi混晶の単結晶体や多結晶体そのものが膜として形成されている形態であってもよいし、Bi混晶の少なくとも一部が、該少なくとも一部を必須構成成分とし粒子状となって膜中に存在している形態であってもよい。後者の場合においては、詳しくは、Bi混晶のみを構成成分として粒子状となっていてもよいし、Bi混晶と非Bi混晶とを構成成分とする共存体として粒子状となっていてもよく、限定はされない。
第2の膜は、前述した非Bi混晶の粒子、詳しくは、非Bi混晶(a)と非Bi混晶(b)とが共存して一体化してなることを必須とする金属酸化物の共存体の粒子を、必須構成成分としてなるものである。すなわち、第2の膜は、該共存体を必須構成成分としてなり、かつ、その少なくとも一部が該少なくとも一部を必須構成成分とし粒子状となって膜中に存在している膜である。
第2の膜においては、非Bi混晶(a)と非Bi混晶(b)との相互含有割合については、限定はされないが、具体的には、非Bi混晶(a)の含有割合が、非Bi混晶(b)に対して、0.2〜300重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜170重量%であり、さらに好ましくは2〜60重量%である。非Bi混晶(a)の含有割合が、0.2重量%未満であると、非Bi混晶(a)の共存効果が実質的に十分に現れないおそれがあり、300重量%を超えると、膜の450nm以上の可視光透過率が低下し、不透明な膜となるおそれがある。この含有割合の範囲は、少なくとも上記共存体の粒子において満たされていることが好ましい。
第2の膜においては、ビスマス以外の金属元素に対するビスマスの割合が、0.1〜100原子%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜60原子%、さらに好ましくは1〜20原子%である。上記ビスマスの割合が、0.1原子%未満であると、波長400〜450nmから短波長側にかけての波長領域のUVの遮断性が不十分となるおそれがあり、100原子%を超えると、不透明な膜となるおそれがある。この割合の範囲は、少なくとも上記共存体の粒子において満たされていることが好ましい。
第2の膜においては、上記共存体の粒子は、非Bi混晶(a)と非Bi混晶(b)のほかに、さらにBi混晶も共存してなる粒子であってもよい。
第1および第2の膜における前記共存体の共存形態としては、一方の結晶体または非結晶体の表面に他方の結晶体または非結晶体が存在していてもよいし、上記一方が多結晶体または非結晶体である場合は、結晶子同士の界面や非晶質部分の内部に上記他方が存在していてもよく、限定はされない。例えば、前記粒子状である共存体の場合は、一方の結晶体または非結晶体の粒子表面の少なくとも一部に、他方の結晶体または非結晶体が存在しているか、および/または、上記一方が多結晶体または非結晶体である場合は、粒子内部の少なくとも一部に上記他方が存在していることが好ましく、限定はされないが、特に上記他方が金属元素としてビスマスを含むものである場合は、450nm以上の可視光に対する透明性が高い点で粒子表面に存在していることが好ましい。
第1および第2の膜において、Bi混晶または共存体の少なくとも一部が前記粒子状となって膜中に存在している場合、その粒子形状は、限定はされないが、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、柱状、チューブ状、りん片状、(六角)板状等の薄片状などが挙げられる。粒子の大きさについては、超微粒子や微粒子と称されるものまですべて含むこととし、限定はされないが、通常、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは5〜30nm、さらに好ましくは5〜20nmである。
第1および第2の膜において、Bi混晶または共存体が、前述のごとくその少なくとも一部が粒子状となって膜中に存在している場合の膜形態としては、該Bi混晶または共存体の一部が粒子状であるか、全部が粒子状であるかによって異なるが、例えば、一部が粒子状である場合は、Bi混晶または共存体からなる膜中に、該膜と同構成成分からなる粒子が分散等されてなる形態が挙げられ、一方、全部が粒子状である場合は、粒子同士が凝集等して膜を形成している形態や、粒子が各種バインダー中に分散等されて膜を形成している形態や、粒子がその構成成分と同じかまたは異なる構成成分からなる他の金属酸化物の膜中に分散等されてなる形態などが挙げられる。なお、上記他の金属酸化物は、結晶性であっても非結晶性であってもよく、また単一金属酸化物、複合金属酸化物および固溶体酸化物のいずれであってもよく、限定はされない。
前記全部が粒子状である場合、形成された膜中における該粒子の割合は、限定はされないが、例えば、10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80重量%である。上記割合が、10重量%を未満であると、UV遮断性を得るために厚膜にする必要があり、特に該粒子以外に無機バインダーや金属酸化物を膜成分とした場合等では、得られた膜にクラックが入りやすくなるおそれがあり、90重量%を超えると、膜の機械的強度が不十分となるおそれがある。
第1および第2の膜は、基材表面に形成され得る膜であるが、その形態は、基材表面上の所望の面積部分に切れ目なく連続的に広がって存在している形態(以下、連続膜と言うことがある。)であってもよいし、基材表面上の所望の面積部分に不連続的に存在している形態(以下、不連続膜と言うことがある。)であってもよく、限定はされない。不連続膜では、膜の構成成分が基材表面に部分的に存在(点在)しているが、それらの大きさ、面積、厚みおよび形状等は、限定はされない。不連続膜の具体的な形態としては、例えば、膜の構成成分が、基材表面に微細なドット状で存在している形態や、いわゆる海島構造のように存在している形態や、縞模様状に存在している形態や、これら形態を合わせた形態等が挙げられる。
上記連続膜および不連続膜が金属酸化物成分のみからなる場合、該金属酸化物(Bi混晶や共存体)の構造としては、限定はされないが、具体的には、所望の大きさの空間を有する多孔質構造であってもよいし、マクロ的に見てこのような多孔質構造ではない一体的な密実構造(すなわち実質的に緻密な構造)であってもよいが、より緻密な構造である方が、UV遮断性に優れ且つ散乱による可視光に対する透明性の低下がない膜が得られる点で好ましい。また、上記いずれの構造においても、膜が金属酸化物粒子からなる場合は、マクロ的に見て、1次粒子としての金属酸化物が集合してなる構造であっても、2次粒子化した金属酸化物が集合してなる構造であっても、さらに大きく粒子化した金属酸化物が集合してなる構造であっても、これら形態が混在してなる構造であってもよく、限定はされない。なお、不連続膜においては、上述したような金属酸化物の構造は、部分的に存在している個々の膜部分のうちの全てが備えていてもよいし一部のみが備えていてもよい。
第1および第2の膜の実施態様としては、基材上に形成された膜そのものを意味する態様と、基材上に形成された膜と該基材とから構成されるものを意味する態様、とのいずれをも含むとする。
第1および第2の膜に用い得る上記基材としては、その材質等は限定されず、例えば、酸化物、窒化物、炭化物等のセラミクス、ガラスなどの無機物;PET、PBT、PENなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマーなどの耐熱性樹脂フィルムとして知れられる樹脂フィルム、シートのほか、従来公知の(メタ)アクリル樹脂、PVC樹脂、PVDC樹脂、PVA樹脂、EVOH樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PTFE、PVF、PGF、ETFE等のフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種樹脂からなるフィルムやシート各種樹脂高分子、および、これら各種樹脂高分子にアルミ、アルミナ、シリカなどを蒸着したフィルム等の加工品、などの有機物;各種金属類などが好ましく挙げられる。
上記基材の形状・形態としては、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状、積層体状などが挙げられるが、用途・使用目的等に応じて選択すればよく、限定はされない。また、上記基材は、機能面においても、特に限定はされず、例えば、光学的には透明、不透明;電気的には絶縁体、導電体、p型またはn型の半導体あるいは誘電体;磁気的には磁性体、非磁性体;など、用途・使用目的等に応じて選択すればよい。
本発明にかかる紫外線遮断膜は、例えば、建物用窓ガラス、自動車および電車等の車両用窓ガラス、飛行機およびヘリコプター等の空輸機用窓ガラス、農業用フィルム、各種包装用フィルムなどに用いることができるが、用途はこれらに限定されず、各種機能性フィルムへの紫外線遮機能の付与のほか、耐光性や耐候性を付与する目的で、各種用途に用いることができる。
〔紫外線遮断用金属酸化物粒子〕
本発明にかかる紫外線遮断用金属酸化物粒子は、前述のように、第1の粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなり、第2の粒子が、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物(すなわち非Bi混晶(b))とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)(すなわち非Bi混晶(a))とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体を必須構成成分としてなる。
第1の粒子は、Bi混晶のみを構成成分としてなる粒子であってもよいし、Bi混晶と非Bi混晶とを構成成分とし、これらが共存してなる共存体からなる粒子であってもよく、限定はされない。第1の粒子に関する説明としては、前記第1の膜の必須構成成分であるBi混晶が、それ自体を必須構成成分とする粒子状となっている場合の該粒子に関する説明を、すべて同様に適用できる。
第2の粒子は、非Bi混晶(a)と非Bi混晶(b)とが共存してなる金属酸化物の共存体のみを構成成分としてなる粒子であってもよいし、該共存体にさらにBi混晶が共存してなる金属酸化物の共存体を構成成分としてなる粒子であってもよく、限定はされない。第2の粒子に関する説明としては、前記第2の膜の必須構成成分である金属酸化物粒子の説明を、すべて同様に適用できる。
本発明にかかる紫外線遮断用金属酸化物粒子は、例えば、本発明にかかる紫外線遮断膜や紫外線遮断材料形成用組成物の構成成分として好ましく用いることができるが、用途はこれらに限定されず、従来公知の各種膜の構成成分や、化粧品等の各種組成物の構成成分として用いてもよいし、あるいは、従来公知の各種基材(ガラス等)や各種材料中に直接含有させ存在させて用いてもよい。各種基材や各種材料中に含有させた場合、紫外線遮断能を有する各種基材や各種材料を容易に得ることができる。
〔紫外線遮断材料形成用組成物〕
本発明にかかる紫外線遮断材料形成用組成物は、前述のように、第1の組成物が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を必須構成成分とし、第2の組成物が、金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体であり、第3の組成物が、金属酸化物粒子と、金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分とを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である。
第1の組成物でいう複合金属カルボン酸塩は、金属元素としてビスマスとそれ以外の金属元素を含有するものである。具体的には、(i)分子内に、カルボキシル基の水素原子がビスマス原子で置換された結合とビスマス以外の金属元素の金属原子で置換された結合とをそれぞれ少なくとも1つずつ有する化合物や、(ii)分子内にカルボキシル基の水素原子がビスマス原子で置換された結合を少なくとも1つ有する化合物と、分子内にカルボキシル基の水素原子がビスマス以外の金属元素の金属原子で置換された結合を少なくとも1つ有する化合物とが複合一体化してなる化合物、などが例示される。例えば、飽和モノカルボン酸、不飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸および不飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸;環式飽和カルボン酸;芳香族モノカルボン酸および芳香族不飽和多価カルボン酸などの芳香族カルボン酸;さらにこれらカルボン酸の分子内にヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン基、シアノ基およびハロゲン原子等の官能基または原子団を有する化合物;などの複合金属塩が好ましく挙げられるが、これらに限定はされない。なかでも、後述のカルボキシル基含有化合物の複合金属塩や、塩基性複合金属酢酸塩などを好ましく挙げることができる。なかでも、後述のカルボキシル基含有化合物の複合金属塩であって複合金属飽和カルボン酸塩または複合金属不飽和カルボン酸塩であるものがより好ましく、さらに好ましくは、複合金属酢酸塩や複合金属プロピオン酸塩であり、ビスマス以外の金属元素がZnである場合は複合金属酢酸塩が特に好ましい。なお、上記複合金属カルボン酸塩は、結晶水を含む複合金属カルボン酸塩の水和物であってもよいが、無水物であることが好ましい。
上述したカルボキシル基含有化合物としては、分子内にカルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物であれば、限定はされず、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸(飽和モノカルボン酸);アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸(不飽和モノカルボン酸);シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、β,β−ジメチルグルタル酸等の飽和多価カルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の不飽和多価カルボン酸等の鎖式カルボン酸類;シクロヘキサンカルボン酸等の環式飽和カルボン酸類;安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等の不飽和多価カルボン酸等の芳香族カルボン酸類;無水酢酸、無水マレイン酸、ピロメリット酸無水物等のカルボン酸無水物;トリフルオロ酢酸、o−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、アニス酸(p−メトキシ安息香酸)、トルイル酸、乳酸、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)等の分子内にカルボキシル基以外のヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン酸基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基または原子団を有する化合物;などを挙げることができる。
上記複合金属カルボン酸塩に含まれる、ビスマス以外の金属元素に関する説明については、前記本発明の紫外線遮断膜について述べた中の「非Bi混晶(a)および(b)において言うビスマス以外の金属元素」についての説明が、すべて同様に適用できる。
上記複合金属カルボン酸塩は、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属カルボン酸塩(b)と、ビスマスを含む金属カルボン酸塩(a)と、をカルボン酸含有溶液(例えば水溶液)で加熱する工程を経て得られたものであることが好ましい。具体的には、例えば、上記複合金属カルボン酸塩は、金属カルボン酸塩(a)と(b)とを、上記カルボン酸含有溶液に加熱し撹拌すること等により溶解させ、その後冷却したり貧溶媒を用いることにより析出させて得られたものであることが好ましい。析出させた後は、通常スラリー状となるが、その後、減圧等により溶媒成分を除去し、必要に応じて加熱乾燥や真空乾燥することにより、粉末状で複合金属カルボン酸塩を得ることが好ましい。
上記金属カルボン酸塩(a)は、ビスマスのみを金属元素とする金属カルボン酸塩であってもよいし、ビスマス以外の金属元素とビスマスとを金属元素とする金属カルボン酸塩であってもよく、限定はされない。前者のビスマスのみを金属元素とする金属カルボン酸塩に関する説明については、ビスマスのみを金属元素とする単一金属カルボン酸塩である以外は、第1の組成物でいう複合金属カルボン酸塩の説明が、すべて同様に適用できる。後者の金属カルボン酸塩に関する説明については、第1の組成物でいう複合金属カルボン酸塩に関する説明が、すべて同様に適用できる。
金属カルボン酸塩(a)としては、限定はされないが、例えば、酢酸ビスマス、塩基性酢酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマスおよびシュウ酸ビスマス等が好ましく挙げられる。
上記金属カルボン酸塩(b)は、ビスマス以外の金属元素の1種のみを金属元素とする金属カルボン酸塩であってもよいし、2種以上を金属元素とする金属カルボン酸塩であってもよく、限定はされない。上記金属カルボン酸塩(b)ビスマス以外の金属元素の1種または2種以上を金属元素とする以外は、第1の組成物でいう複合金属カルボン酸塩の説明が、すべて同様に適用できる。
金属カルボン酸塩(b)としては、限定はされないが、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、シュウ酸インジウム、塩基性2−エチルヘキサン酸インジウムおよび酢酸インジウム無水物等が好ましく挙げられる。
カルボン酸含有溶液としては、限定はされず、上述したカルボキシル基含有化合物の溶液あるいは水溶液が好ましく用いることができ、例えば、酢酸水溶液などが好ましい。
金属カルボン酸塩(a)と(b)とをカルボン酸含有溶液中で加熱する際の、加熱温度(反応温度)については、カルボン酸含有溶液におけるカルボン酸や溶媒の種類によっても異なるが、金属カルボン酸塩(a)および(b)ならびに得られる複合金属カルボン酸塩の熱分解を起こさない温度であり、且つ、金属カルボン酸塩(a)と(b)との溶解状態を維持させ得る温度に制御することが好ましく、例えば、50〜200℃であることが好ましく、より好ましくは80〜150℃である。加熱時間は、限定はされないが、具体的には、0.1〜5時間であることが好ましい。前述のように、複合金属カルボン酸塩を、析出させて得、さらにその後、粉末状で得るまでの各種手順および条件等についても、限定はされず、公知の方法や条件を適宜採用できる。
第1の組成物でいうアルコールとしては、限定はされないが、例えば、脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチルフェニルカルビノール等)、フェノール類(エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレノール、グアヤコール、p−クミルフェノール、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエチルフェノール等)、複素環式1価アルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、脂環式グリコール(シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、および、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の上記グリコール類のモノエーテルまたはモノエステル等の誘導体;グリセリンやトリメチロールエタン等の3価アルコール、エリスリトールやペンタエリスリトール等の4価アルコール、リピトールやキシリトール等の5価アルコール、ソルビトール等の6価アルコール等の3価以上の多価アルコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルアルコール等の多価芳香族アルコール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノールや、ピロガロール、フロログルシン等の3価フェノール等の多価フェノール、および、これら多価アルコール類におけるOH基の一部(1〜(n−1)個(ただし、nは1分子当たりのOH基の数))がエステル結合またはエーテル結合となった誘導体;等を挙げることができる。
上記アルコールとしては、より低い温度状態で金属酸化物を生成し易いアルコールが好ましく、アルコール性水酸基に関して1級または2級、特に1級の水酸基を有するアルコールが、より低い温度状態で金属酸化物が得られるため最も好ましい。同様の理由で、脂肪族アルコールも好ましい。
第1の組成物において、上記複合金属カルボン酸塩とアルコールとの使用量に関しては、限定はないが、複合金属カルボン酸塩の金属換算原子数に対するアルコール中の(アルコール由来の)水酸基の数の比が、0.8〜1000となるようにすることが好ましい。また、上記使用量に関しては、複合金属カルボン酸塩の有するカルボキシル基の総数に対するアルコール中の(アルコール由来の)水酸基の総数の比が、0.8〜100となるようにすることも好ましく、より好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。
第1の組成物においては、複合金属カルボン酸塩とアルコールとを別々に備えていてもよいし、予め混合した状態でもよく、限定はされないが、複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合系については、ペースト状、懸濁液状および溶液状などの流動性のある液状であることが好ましく、特に溶液状が好ましい。さらに、必要に応じて、後述する反応溶媒をも混合することによって、上記液状としてもよい。通常、上記混合系においては、複合金属カルボン酸塩は、粒子状で分散した状態、溶解した状態、または、一部が溶解した状態で残りが粒子状で分散している状態等の状態で存在し得るが、好ましくは少なくとも一部が溶解した状態、より好ましくは全部溶解した状態である。なお、第1の組成物においては、複合金属カルボン酸塩とアルコールとを出発原料と言うことがある。
出発原料となる複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合系とは、複合金属カルボン酸塩およびアルコールをそれぞれ少なくとも一部ずつ混ぜ合わせた段階以降の系を意味する。この混合系の内部状態としては、複合金属カルボン酸塩およびアルコールのいずれもが原料状態の化学構造を変化させずに存在している状態であることに限らず、例えば、複合金属カルボン酸塩およびアルコールの少なくとも1つが溶解状態下で特有の化学構造に変化して存在している状態であってもよいし、複合金属カルボン酸塩とアルコールとがこれらの予備反応物となって存在している状態であってもよく、つまり、出発原料そのままの状態から別の状態に変化して存在していてもよい。このように、混合後に出発原料が別の状態に変化して存在している場合、これを「出発原料の混合物に由来する成分」と言うとする。
第1の組成物においては、さらに反応溶媒を含んでいてもよい。つまり、金属カルボン酸塩とアルコールとを出発原料として金属酸化物を得る際には、さらに反応溶媒を用いてもよい。具体的には、これら出発原料を混合するか、または、これら出発原料の混合系を高温状態にするにあたり、さらに反応溶媒を加えた上で行うようにしてもよい。
反応溶媒の使用量については、限定はないが、出発原料として用いた複合金属カルボン酸塩およびアルコールと反応溶媒との合計使用量に対する、複合金属カルボン酸塩の使用量の割合が0.1〜50重量%となるようにすることが好ましく、金属酸化物を経済的に得ることができる。
上記反応溶媒としては、水以外の溶媒、すなわち、非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例えば、炭化水素、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール(フェノール類や、多価アルコールおよびその誘導体で水酸基を有する化合物なども含む)、エーテルおよびアセタール、ケトンおよびアルデヒド、カルボン酸エステルおよびリン酸エステル類等のエステル、アミド類、多価アルコール類のすべての水酸基の水素がアルキル基やアシル基で置換された誘導体化合物、カルボン酸およびその無水物、シリコーン油ならびに鉱物油などを挙げることができる。反応溶媒としては、親水性溶媒が特に好ましい。具体的には、常温(25℃)において、水を5重量%以上含み溶液状態になり得る溶媒が好ましく、任意の量の水を含み均一な溶液状態になり得る溶媒がより好ましい。反応溶媒としてのアルコールとしては、出発原料となるアルコールとして先に列挙したものと同様のものを好ましく挙げられる。
第2の膜および第3の膜の必須構成成分である金属酸化物粒子としては、限定はされないが、前記第1の粒子および/または第2の粒子を好ましく用いることができる。
第2の組成物においては、さらに分散溶媒および/またはバインダーを必須構成成分とする。上記分散溶媒とバインダーとの使用量の相互割合については、限定はされず、必須構成成分である金属酸化物粒子の種類や使用量や、形成させる膜の形態に応じて、適宜設定することができる。
上記分散溶媒としては、例えば、水、(各種ハロゲン化)炭化水素、アルコール、エーテル、アセタール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸エステル、アミド類およびカルボン酸(無水物)等の有機溶剤や、シリコーン油、鉱物油などが挙げられる。これらは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記バインダーとしては、例えば、シリコンアルコキシド系バインダー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂など、熱可塑性または熱硬化性(熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性、湿気硬化性、これらの併用等も含む)の各種合成樹脂や天然樹脂等の有機系バインダーや、無機系バインダー等を挙げることができる。合成樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。天然樹脂としては、例えば、セラック、ロジン(松脂)、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、白セラック等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。合成樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天然または合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用する成分として、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。
バインダー成分の形態については、限定はなく、溶剤可溶型、水溶性型、エマルション型、分散型(水/有機溶剤等の任意の溶剤)等を挙げることができる。
水溶性型のバインダー成分としては、例えば、水溶性アルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性オイルフリーアルキド樹脂(水溶性ポリエステル樹脂)、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性メラミン樹脂等を挙げることができる。
エマルション型のバインダー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディスパージョン;酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマルション、フッ素樹脂エマルション等を挙げることができる。
無機系バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、アルカリケイ酸、シリコンアルコキシド等の金属アルコキシド、これらの(加水分解)縮合物、リン酸塩等を挙げることができる。
第2の組成物において必須構成成分である、金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとの使用量については、限定はされないが、具体的には、上記金属酸化物粒子の使用量割合が、該組成物中の全固形分量に対して、10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80重量%である。上記使用量割合が、10重量%未満であると、例えば該組成物を紫外線遮断膜の形成に用いる場合に、十分なUV遮断性を得るために厚膜にする必要があり、特に該粒子以外に無機バインダーや硬化性樹脂を膜成分とした場合等では、得られた膜にクラックが入りやすくなるおそれがあり、90重量%を超えると、例えば該組成物を膜の形成に用いた場合に、膜の機械的強度が不十分となるおそれがある。ただし、上記第2の組成物として、分散溶媒を必須構成成分とする組成物を用い、これを基材に塗布し、高温に加熱して焼成(焼結)することにより膜形成を行う場合は、該組成物における金属酸化物粒子の割合は、該組成物中の全固形分量に対して90重量%を超えていてもよいし、特に100重量%であってもよい。
第3の組成物においては、さらに金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を必須構成成分とする。
上記金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/またはそれに由来する成分に関する説明については、該金属カルボン酸塩が複合金属塩に限らず単一金属塩であってもよい点を除いては、前記第1の組成物でいう「複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/またはそれに由来する成分」の説明が、すべて同様に適用できる。
第3の組成物において必須構成成分である、金属酸化物粒子と、金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分との使用量については、限定はされないが、具体的には、上記金属酸化物粒子の使用量が、金属カルボン酸塩の使用量に対する重量比で、0.05〜5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1である。上記金属酸化物粒子の使用量が、上記重量比で0.05未満であると、例えば該組成物を紫外線遮断膜の形成に用いた場合に、得られた膜のUV遮断性が不十分となるおそれがあり、5を超えると、例えば該組成物を膜の形成に用いた場合に、膜の機械的強度が不十分となるおそれがある。
本発明にかかる紫外線遮断材料形成用組成物は、さらに他の構成成分を含むものであってもよく、例えば、分散剤などを含んでいてもよい。
本発明にかかる紫外線遮断材料形成用組成物は、例えば、本発明にかかる紫外線遮断膜や紫外線遮断用金属酸化物粒子の製造に用いる原料組成物として好ましく用いることができるが、用途はこれらに限定されない。本発明の紫外線遮断材料形成用組成物は、紫外線遮断膜製造用の塗布液や紫外線カット塗料として取り扱うこともできる。
〔紫外線遮断膜の形成方法〕
本発明にかかる紫外線遮断膜は、例えば、前記本発明の紫外線遮断材料形成用組成物を原料組成物として用いて好ましく形成することができるが、これに限定はされない。以下では、本発明の紫外線遮断材料形成用組成物を用いた膜の形成方法について説明する。
第1の組成物を用いて膜を形成する方法としては、出発原料となる複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を高温状態にする方法、すなわち、上記出発原料を混合すると同時かまたはその後に該混合系を高温状態にする方法を用いる。このように高温状態にすることにより金属酸化物が生成される。
上記混合系を高温状態にするとは、上記混合系の温度を常温よりも高い温度であって金属酸化物が生成し得る温度、またはそれ以上の温度に昇温させることである。上記高温状態の温度(金属酸化物が生成し得る温度)は、得ようとする金属酸化物の種類などによって異なるが、通常50℃以上であり、結晶性の高い金属酸化物を得るためには、80℃以上が好ましく、100〜300℃がより好ましく、100〜200℃がさらに好ましく、120〜200℃が特に好ましく、120〜150℃が最も好ましい。具体的には、例えば、得ようとする金属酸化物が、第1の膜のようにBi混晶(または、非Bi混晶との共存体)であるか、または、第2の膜のように非Bi混晶どうしの共存体(または、さらにBi混晶との共存体)であるか、などによって上記高温状態の温度を適宜設定すればよい。また、得られた金属酸化物について、残存する有機基を除去したり、あるいは、より結晶成長を促すことを目的とし、必要に応じて、得られた金属酸化物を300〜800℃で加熱してもよい。
上記混合系を高温状態にする際の具体的な昇温手段としては、ヒーター、温風や熱風による加熱が一般的であるが、これらに限定はされず、例えば、紫外線照射などの手段を採用することもできる。上記混合系を高温状態にする際は、常圧下、加圧下、減圧下のいずれの圧力下で行ってもよく、限定はされないが、加圧下で出発原料を加熱等により高温状態にすることがより好ましい。また、出発原料や併用する反応溶媒等の沸点が金属酸化物が生成される反応温度よりも低い場合は、耐圧反応装置を用いて行うことも好ましい。通常、反応温度、反応時の気相圧は、溶媒となる成分の臨界点以下で行うが、超臨界条件で行うこともできる。
金属酸化物を生成させる場合においては、上記混合系に含まれる水分が少ない方が、得られる金属酸化物の欠陥が少なくなるため好ましい。具体的には、上記混合系中に、出発原料として使用した複合金属カルボン酸塩中の金属原子に対してモル比で4未満のわずかな水分しか含有しないことが好ましく、水分がモル比で1未満であるとさらに好ましく、0.5未満であると特に好ましく、0.1未満が最も好ましい。
上記混合系の高温状態は、出発原料となる複合金属カルボン酸塩とアルコールとを混合すると同時かまたは混合した後に得られていればよく、すなわち、上記混合系を得るための出発原料の混合と、該混合系を高温状態にするための昇温とは、別々となるようにしてもよいし、同時(一部同時も含む)となるようにしてもよく、限定はされない。より詳しくは、上記混合系の昇温のための具体的手段(例えば加熱等)は、上記出発原料の混合に関わらず任意の方法・タイミングで行うことができ、例えば、混合前の出発原料の少なくとも一方を加熱等しておくことで混合と同時に該混合系を昇温させるようにしてもよいし、混合して得られる混合系に対して、該混合をしながらか又は該混合を終了した後で、加熱等を施し該混合系を昇温させるようにしてもよく、限定はされない。したがって、この混合と、昇温のための加熱等とのタイミングとしては、限定はされないが、具体的には、1)複合金属カルボン酸塩とアルコールとを混合しておいて、これを加熱等により昇温し高温状態にする、2)アルコールを所定温度に加熱等しておき、これに複合金属カルボン酸塩を混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、3)反応溶媒と複合金属カルボン酸塩とを混合して所定温度に加熱等しておき、これにアルコールを混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、4)各成分(複合金属カルボン酸塩およびアルコール、および必要に応じて反応溶媒)を別々に加熱等しておいた後、これらを混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、等が好ましく挙げられる。
第1の組成物を用いて膜を形成する方法においては、前述のように、混合系を高温状態にする工程を必要とするが、より詳しくは、上記出発原料の混合系を基材に接触させ、この接触系を高温状態にする工程が必要であり、この工程により、上記基材の表面に金属酸化物を膜として生成させ定着させるようにすることが好ましい。具体的には、上記接触系を高温状態にすることが、上記混合系を表面に塗布してなる基材を高温状態にするか、または、上記混合系に基材を漬けておいて高温状態にすることにより、基材の表面に金属酸化物を膜として生成させ定着させるようにすることがより好ましく、前者はいわゆる塗布法に属し、後者はいわゆる液中析出法(浸漬法)に属する方法である。また、上記混合系を、高温状態にしながらかまたは高温状態にしておいて、上記基材の表面に塗布することにより、基材の表面に金属酸化物を膜として生成させ定着させるようにすることもより好ましく、これはいわゆる塗布法に属する方法である。上記において、液中析出法(浸漬法)および塗布法の具体的手順等の詳細については、例えば、特開2003−267705公報の段落0078〜0095に記載の説明等が好ましく適用できるが、限定はされない。
第2の組成物を用いて膜を形成する方法としては、限定はされないが、該組成物を、基材表面にバーコーター法、ロールコーター法、ナイフコーター法、ダイコーター法およびスピンコート法などの従来公知の成膜方法を用いて塗布し膜形成する方法や、該組成物に、基材の一部または全部を漬けた後取り出すことで塗布し膜形成する、いわゆるディッピング法を用いることができる。また、該組成物の必須構成成分として分散溶媒を用いた場合などでは、塗布した後に高温で焼成することにより成膜することもでき、例えば、金属酸化物粒子の少なくとも一部が融合した結晶性の膜を得ることができる。
第3の組成物を用いて膜を形成する方法に関しては、限定はされないが、該組成物の必須構成成分である金属酸化物粒子の存在下で膜を形成すること以外は、前記第1の組成物を用いて膜形成を行う方法の説明が、すべて同様に適用できる。
〔紫外線遮断用金属酸化物粒子の製造方法〕
本発明にかかる紫外線遮断用金属酸化物粒子は、例えば、前記本発明の紫外線遮断材料形成用組成物(具体的には第1の組成物)を原料組成物として用いて好ましく製造することができるが、これに限定はされるわけではない。以下では、第1の組成物を用いた金属酸化物粒子の製造方法について説明する。
前記第1の組成物を用いて本発明の紫外線遮断用金属酸化物粒子(第1および第2の粒子)を製造する場合の具体的手順および条件等の説明に関しては、基材を用いずに金属酸化物の生成反応を行うようにして粒子を得るようにする以外は、前記第1の組成物を用いて本発明の紫外線遮断膜を製造する場合の説明が、すべて同様に適用できる。金属酸化物粒子を得る場合は、出発原料を混合する時、あるいは、出発原料の混合系を高温状態にする時や該高温状態にするための昇温を行う時などの、前述した全ての過程は撹拌下で行うことが好ましい。常に撹拌下で行うことにより、金属酸化物含有率が高く、金属酸化物結晶性に優れた金属酸化物粒子を容易に得ることができる。また、粒子径や粒子形状等が均一な金属酸化物粒子を容易に得ることができる。なお、得ようとする金属酸化物が、第1の粒子のようにBi混晶(または、非Bi混晶との共存体)の粒子であるか、または、第2の粒子のように非Bi混晶どうしの共存体(または、さらにBi混晶との共存体)の粒子であるか、などによって上記高温状態の温度を適宜設定すればよい。
また特に、第1および第2の粒子が前記共存体からなる場合の製造方法としては、共存体の一構成成分となる金属酸化物を粒子(母粒子)として予め得ておき、その母粒子の存在下で他の構成成分となる金属酸化物の生成反応を行うことにより、母粒子表面の少なくとも一部に他の構成成分となる金属酸化物を存在させる方法も好ましく挙げられる。ここで、上記母粒子の製造方法、および、他の構成成分となる金属酸化物の生成方法としては、従来公知の金属酸化物(粒子)の方法を適宜用いることができるが、前記第1の組成物を用いて製造・生成する方法も好ましく用いることもでき、限定はされない。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。また、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<平均粒子径>
透過型電子顕微鏡像より、1次粒子30個の粒子径を数平均して求めた。
<結晶の同定>
粉末試料について、粉末X線回折装置(リガク社製、製品名:RINT2400)によりX線回折パターンを評価し、結晶の同定および結晶構造を解析した。
<単結晶か多結晶か>
微粒子の場合は、透過型電子顕微鏡像における格子縞の観察、透過型電子顕微鏡像による平均粒子径と、粉末X線回折パターンにおける各ピークの半値幅を用いてシェラー法により求められる結晶子径の対比などから、微粒子が単結晶からなるか多結晶からなるかについて判定した。
膜の場合は、粉末X線回折パターンにおける各ピークの半値幅を用いてシェラー法により求められる結晶子径、薄膜X線回折法による結晶配向性の有無、膜の断面構造の電子顕微鏡解析の結果を総合して、膜が単結晶からなるか多結晶からなるかについて判定した。
<微粒子の組成(Bi含有割合、金属元素の組成)>
分解能1nmφのXMA装置(X線マイクロアナライザー)を附帯してなるFE−TEM(電解放射型透過型電子顕微鏡)により観察しながら、粒子の表面部分から中心部分までの各部分における局所元素分析を行った結果と、粉末試料の蛍光X線分析(平均組成評価)の結果とを踏まえて判定した。また、各粒子の局所元素分析を行う際は、Biの単一酸化物の偏析の有無なども評価した。
<膜の組成(Bi含有割合、金属元素の組成)>
試料が膜である場合、その一部を削り取るなどして採取し、これを樹脂に包埋したものからミトクロームを用いて薄切片試料を作製し、さらに必要に応じて、イオンミリング法により超薄膜試料を作製して、これを上記微粒子の場合と同様の装置を用い同様の方法で判定・評価した。
<微粒子の拡散反射スペクトル>
積分球付き自記分光光度計((株)島津製作所製、製品名:UV−3100)を用いて、試料の拡散反射スペクトルを測定した。
<膜の分光特性>
積分球付き自記分光光度計((株)島津製作所製、製品名:UV−3100)を用いて、試料の分光透過率曲線を測定した。
<可視光に対する透明性>
濁度計(日本電色工業社製、製品名:NDH−1001 DP)を用いて、試料の全光線透過率、拡散光透過率、平行線透過率およびヘイズを測定し、透明性を以下の基準で評価した。膜部分のみのヘイズ値は、膜付き基材のヘイズ値から基材のヘイズ値を差し引いた値として評価した。
ヘイズ<3% :透明性「○」
ヘイズ≧3% :透明性「×」
<着色>
外観より目視で着色の程度が強いか否かを評価した。
「Bi含有複合金属カルボン酸塩の合成」
〔合成例1〕
(Bi含有酢酸亜鉛の合成)
撹拌機、添加口および温度計を備えた、外部より加熱し得るガラス製反応器に、80wt%酢酸水溶液250部、酢酸亜鉛36.7部および塩基性酢酸ビスマス2.84部を混合して仕込み、撹拌しながら加熱して昇温させ、100℃で5時間撹拌することにより均一透明な溶液を得た。その後、内温120℃まで昇温させた後、冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーについて、エバポレーターを用いてバス温度50℃で減圧下で溶媒成分を除去し、さらに、得られた白色粉末を真空乾燥機を用いて40℃で10時間、加熱乾燥し、粉末(1)を得た。
得られた粉末(1)について、蛍光X線分析による元素分析および粉末XRDによる結晶解析した結果、BiをZnに対して5原子%含有する酢酸亜鉛であることが確認された。
〔合成例2〕
(Bi・In含有酢酸亜鉛の合成)
合成例1において、塩基性酢酸ビスマスの使用量を1.7部とし、さらに酢酸インジウム無水物1.8部を用いた以外は、同様にして、粉末(2)を得た。
得られた粉末(2)について、蛍光X線分析による元素分析および粉末XRDによる結晶解析した結果、BiおよびInを共にZnに対して3原子%含有する酢酸亜鉛であることが確認された。
「Bi含有金属酸化物結晶微粒子(紫外線遮断用金属酸化物粒子)の合成」
〔実施例1−1〕
(Biが固溶したZnO超微粒子の合成)
撹拌機、添加槽に直結した添加口、温度計、留出ガス出口および窒素ガス導入口を備えた、外部より加熱し得る耐圧ガラス製反応器を用意した。
この反応器内に、合成例1で得られた粉末(1)18部とメタノール180部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージし、撹拌しながら、20℃より150℃まで昇温させ、150℃±1℃で5時間保持した後、冷却することにより、黄色微粒子を含む反応液(1a)を得た。
反応液(1a)は、Bi(III)がZnに対して5原子%の割合で固溶したZnO結晶からなる微粒子(平均粒子径:10nm)が、4wt%で含有分散したものであることが確認された。
反応液(1a)中の微粒子の拡散反射スペクトルを評価した結果、Biを含有することに基づく422nmを吸収極大とする吸収と、ZnO結晶に基づくバンド端吸収(400nmを長波長側の吸収端とする吸収)とを示すことが確認された。また、該微粒子は、650nm付近より長波長側(赤外波長域)に吸収能としては弱いが吸収を示すこと、紫外線吸収端波長(短波長側)がBiを含有しないZnOの拡散反射スペクトルと比較してブルーシフト(短波長側に吸収端がある)していること等が確認され、3価のBiイオンが固溶していることが間接的に裏付けられた。
得られた反応液(1a)を加熱溶媒置換することにより、上記微粒子が2−プロパノールに20wt%で含有分散してなる分散体(1b)を得た。
〔実施例1−2〕
(Biで被覆されたCeO超微粒子の合成)
実施例1−1と同様の反応器に、CeO超微粒子(平均粒子径:8nm)10部がn−ブタノール190部に分散してなる分散体を仕込み、撹拌しておいた。
一方、プロピオン酸とn−ブタノールとの混合溶媒に塩基性酢酸ビスマスを20wt%となるように溶解させた溶液44部を用意し、添加槽に仕込んだ。
上記CeO超微粒子の分散体を撹拌しながら、昇温させ、200℃に保持した。
添加層から、塩基性酢酸ビスマス溶液を添加した。添加終了後も、200℃で5時間保持した後、冷却することにより、黄色微粒子を含む反応液(2a)を得た。
反応液(2a)は、CeO超微粒子の表面が厚み1nm程度のBiの酸化物(Bi)層で被覆された微粒子(平均粒子径:10nm)が、主溶媒をn−ブタノールとする溶媒に7wt%で分散含有したものであり、該微粒子の平均金属組成はBi/Ce=0.53/1(原子比)であることが確認された。
得られた反応液(2a)を加熱溶媒置換することにより、上記微粒子が酢酸ブチルに20wt%で含有分散してなる分散体(2b)を得た。
〔実施例1−3〕
(Biで被覆されたTiO超微粒子の合成)
実施例1−2において、CeO超微粒子の代わりにTiO超微粒子(平均粒子径:12nm)を用い、n−ブタノールをすべてエタノールとした以外は、同様にして、黄色微粒子を含む反応液(3a)を得た。
反応液(3a)は、TiO超微粒子の表面が厚み1nm程度のBiの酸化物(Bi)層で被覆された微粒子(平均粒子径:14nm)が、主溶媒をエタノールとする溶媒に7wt%で分散含有したものであり、該微粒子の平均金属組成はBi/Ti=0.25/1(原子比)であることが確認された。
得られた反応液(3a)を加熱溶媒置換することにより、上記微粒子が水に20wt%で含有分散してなる分散体(3b)を得た。
〔実施例1−4〕
(Biが固溶したZnOで被覆された、Inが固溶したZnO超微粒子の合成)
実施例1−1と同様の反応器に、酢酸亜鉛無水物粉末18部、酢酸インジウム無水物粉末0.9部および2−ブトキシエタノール160部からなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージし、撹拌しながら昇温させた。200℃で3時間保持した(この時点でInが固溶したZnO超微粒子が生成)後、合成例1で得られた粉末(1)18部を2−ブトキシエタノール18部に分散させた懸濁液を添加槽から添加した。添加後、200℃で3時間保持した後、冷却することにより、微粒子を含む反応液(4a)を得た。
反応液(4a)は、Bi(III)がZnに対して2.5原子%、In(III)がZnに対して1.5原子%の割合で固溶したZnO結晶からなる微粒子であって、Bi(III)はその表面ZnO層に局在して固溶している微粒子(平均粒子径:18nm)が、7.4wt%で含有分散したものであることが確認された。
反応液(4a)中の微粒子の拡散反射スペクトルを評価した結果、Biを含有することに基づく422nmを吸収極大とする吸収と、ZnO結晶に基づくバンド端吸収(400nmを長波長側の吸収端とする吸収)とを示すことのほか、主にInが固溶していることによるプラズマ吸収に起因すると考えられる近赤外領域に強い吸収を示すことが確認された。
得られた反応液(4a)をエバポレーターにより減圧下で加熱濃縮し、上記微粒子の濃度が20wt%の分散体(4b)を得た。
〔実施例1−5〕
(Bi・Inが固溶したZnO超微粒子の合成)
実施例1−1と同様の反応器に、合成例2で得られた粉末(2)18部と2−ブトキシエタノール160部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージし、撹拌しながら昇温させた。200℃で3時間保持した後、冷却することにより、微粒子を含む反応液(5a)を得た。
反応液(5a)は、Bi(III)およびIn(III)が共にZnに対して3原子%の割合で固溶したZnO結晶からなる微粒子(平均粒子径:8nm)が、4.5wt%で含有分散したものであることが確認された。
得られた反応液(5a)をエバポレーターにより減圧下で加熱濃縮し、上記微粒子の濃度が20wt%の分散体(5b)を得た。
〔比較例1−1〕
実施例1−1において、粉末(1)の代わりに酢酸亜鉛無水物18部を用いた以外は、同様にして、白色微粒子を含む反応液(C1a)を得た。
反応液(C1a)中の微粒子は、金属元素としてBiを含有しない平均粒子径20nmの微粒子であり、拡散反射スペクトルを評価した結果、ZnO結晶のバンド間遷移に基づく吸収は認められたが、400nm以上の波長域における吸収は示さないことが確認された。
得られた反応液(C1a)を加熱溶媒置換することにより、上記微粒子が2−プロパノールに20wt%で含有分散してなる分散体(C1b)を得た。
「Bi含有金属酸化物薄膜(紫外線遮断膜)の形成」
〔実施例2−1〕
合成例1で得られた粉末(1)10部、2−ブトキシエタノール180部および酢酸10部を混合し、これを100℃で加熱することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(1)(均一溶液)を得た。
組成物(1)を、基材としてのガラス板(アクリルガラス)にスピンコーターで塗布した後、加熱炉中で昇温させ、500℃に達した後30分間保持する操作を10回繰り返すことにより、ガラス板の表面に膜厚0.5μmの膜を形成した。
形成された膜を解析した結果、粉末XRD的にZnO結晶からなり、Bi(III)をZnに対して5原子%含有するZnO膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、紫外線を広範囲に吸収するものであり、具体的には、370nm以下をZnOのバンドギャップに基づく吸収(第1の吸収)により遮断し、さらに、416nmを吸収端とする長波長側に、Biを含有することに基づく吸収(第2の吸収)を示すものであった。各波長の光の透過率は、600nm:88%、500nm:86%、410nm:62%、370nm:1%未満、であった。(なお、基材としたガラス板のみでの透過率は、600nm:92%、410nm:90%、370nm:90%、であった。)
膜付きガラス板の可視光に対する透明性は「○」であり、着色も目立たない程度であった。
〔実施例2−2〕
実施例1−1で得られた分散体(1b)100部、シリケートバインダー(テトラメトキシシラン加水分解縮合物、シリカ換算濃度:50wt%)40部および触媒としてのアミン1部を混合することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(2)を得た。
組成物(2)を、実施例2−1と同様のガラス板にバーコーターで塗布し、常温で湿気硬化させた後、加熱炉で常温から2℃/minの昇温速度で昇温させ、300℃で2時間保持することにより、ガラス板の表面に膜厚4μmの膜を形成した。
形成された膜は、非結晶シリカ膜中に、Biが固溶したZnO超微粒子が分散含有された膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、実施例2−1の膜付きガラス板と同様に、紫外線を広範囲に吸収するものであって、具体的には前述した第1および第2の吸収を示すものであった。各波長の光の透過率は、600nm:84%、500nm:77%、410nm:37%、370nm:1.5%、であった。
膜付きガラス板の可視光に対する透明性は「○」であり、着色も目立たない程度であった。
〔実施例2−3〕
実施例1−1で得られた分散体(1b)24部、アクリル樹脂バインダー(ポリイソシアヌレート硬化剤を含む)16部および溶媒としての酢酸ブチル−トルエン50部を混合することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(3)を得た。
組成物(3)を、基材としてのPETフィルムに、乾燥膜厚が8μmとなるようにバーコーターで塗布し、100℃で5分間保持することにより、PETフィルムの表面に膜厚8μmの膜を形成した。
形成された膜は、アクリル樹脂膜中に、Biが固溶したZnO超微粒子が分散含有された膜であった。
表面に膜が形成されたPETフィルム(膜付きPETフィルム)の分光特性を評価した結果、実施例2−1の膜付きガラス板と同様に、第1および第2の吸収を示す、優れた紫外線カット性を示すフィルムであった。
膜付きPETフィルムの可視光に対する透明性は「○」であり、着色も目立たない程度であった。
〔実施例2−4、2−5〕
実施例1−2で得られた分散体(2b)100部およびバインダーとしてのシリカゾル(溶媒:IPA、シリカ濃度:20wt%)100部を混合することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(4)を得た。
実施例1−3で得られた分散体(3b)100部およびバインダーとしてのシリカゾル(溶媒:水、シリカ濃度:20wt%)100部を混合することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(5)を得た。
組成物(4)および組成物(5)を、それぞれ別に、実施例2−1と同様のガラス板にバーコーターで塗布し、300℃で加熱することにより、ガラス板の表面に膜厚2μmの膜を形成した。
組成物(4)を用いて形成された膜は、非結晶シリカ膜中に、Biで被覆されたCeO超微粒子が分散含有された膜であった。また、組成物(5)を用いて形成された膜は、非結晶シリカ膜中に、Biで被覆されたTiO超微粒子が分散含有された膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、いずれの膜付きガラス板も、波長360nm以下の紫外線を吸収し、さらに、Biを含有することに基づき波長420nm以下の吸収も示すものであった。
〔実施例2−6〕
実施例1−1と同様の反応器に、酢酸亜鉛無水物粉末18部、メタノール130部およびエチレングリコール12部を仕込み、105℃で加熱することにより均一溶液を得た。この均一溶液100部および実施例1−5で得られた分散体(5b)25部を混合することにより、紫外線遮断材料形成用組成物(6)を得た。
組成物(6)を、実施例2−1と同様のガラス板にスピンコーターで塗布し、窒素雰囲気下の加熱炉中で昇温させ、350℃に達した後30分間保持して膜を形成した。この塗布から膜形成の工程を20回繰り返すことにより、ガラス板の表面に膜厚2μmの膜を形成した。
形成された膜を解析した結果、粉末XRD的にZnO結晶からなり、Bi(III)およびIn(III)を共にZnに対して1.5原子%含有するZnO膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、実施例2−1の膜付きガラス板と同様に、紫外線を広範囲に吸収するものであって、具体的には前述した第1および第2の吸収を示すものであり、さらに、近赤外領域の光に対し遮蔽性を示すものであった。
膜付きPETフィルムの可視光に対する透明性は「○」であり、着色も目立たない程度であった。
〔比較例2−1〕
実施例2−2において、分散体(1b)の代わりに、比較例1−1で得られた分散体(C1b)を用いた以外は、同様にして、紫外線遮断材料形成用組成物(C1)を得た。
組成物(C1)を用いて、実施例2−2と同様にして、ガラス板の表面に膜厚4μmの膜を形成した。
形成された膜は、非結晶シリカ膜中に、ZnO微粒子が分散含有された膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、370nm以下の紫外線は吸収するが、400〜800nmの波長域には実質的に吸収を示さないものであった。
〔比較例2−2〕
実施例2−2において、分散体(1b)の代わりに、平均粒子径30nmのBi微粒子を20重量%の割合でn−プロパノールに分散させた分散体を100部用いた以外は、同様にして、紫外線遮断材料形成用組成物(C2)を得た。
組成物(C2)を用いて、実施例2−2と同様にして、ガラス板の表面に膜厚4μmの膜を形成した。
形成された膜は、非結晶シリカ膜中に、Bi微粒子が分散含有された膜であった。
表面に膜が形成されたガラス板(膜付きガラス板)の分光特性を評価した結果、400nm以下の紫外線を遮断するものであったが、この膜付きガラス板の可視光に対する透明性は「×」であり、黄色味の着色が強いものであった。
本発明にかかる紫外線遮断膜は、特に、波長400〜450nmから短波長側にかけての長波長UVを効果的にカットでき、可視光に対する透明性に優れる機能性膜として好適である。本発明にかかる紫外線遮断用金属酸化物粒子や紫外線遮断材料形成用組成物を用いれば、本発明の紫外線遮断膜を容易に得ることができる。

Claims (14)

  1. 金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなる、紫外線遮断膜。
  2. 構成成分として、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物および/またはビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)をさらに含む、請求項1に記載の紫外線遮断膜。
  3. 前記Bi混晶の少なくとも一部が、該少なくとも一部を必須構成成分とし粒子状となって膜中に存在している、請求項1または2に記載の紫外線遮断膜。
  4. 金属酸化物粒子を必須構成成分としてなり、前記金属酸化物粒子はビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である、紫外線遮断膜。
  5. 前記Bi混晶または前記共存体が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を加熱することにより得られるものである、請求項1から4までのいずれかに記載の紫外線遮断膜。
  6. 前記複合金属カルボン酸塩が、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属カルボン酸塩とビスマスを含む金属カルボン酸塩とをカルボン酸含有溶液で加熱する工程を経て得られたものである、請求項5に記載の紫外線遮断膜。
  7. 金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を必須構成成分とする、紫外線遮断材料形成用組成物。
  8. 金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とし、
    前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である、
    紫外線遮断材料形成用組成物。
  9. 金属酸化物粒子と、金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分とを必須構成成分とし、
    前記金属酸化物粒子が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)、および/または、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体である、
    紫外線遮断材料形成用組成物。
  10. 金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む金属酸化物の混晶(Bi混晶)を必須構成成分としてなる、紫外線遮断用金属酸化物粒子。
  11. 構成成分として、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物および/またはビスマスを含む金属酸化物(前記Bi混晶を除く)をさらに含む、請求項10に記載の粒子。
  12. ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属酸化物とビスマスを含む金属酸化物(Bi混晶を除く)とが共存してなることを必須とする金属酸化物の共存体を必須構成成分としてなる、紫外線遮断用金属酸化物粒子。
  13. 前記Bi混晶または前記共存体が、金属元素としてビスマス以外の金属元素およびビスマスを含む複合金属カルボン酸塩とアルコールとの混合物および/または該混合物に由来する成分を加熱することにより得られるものである、請求項10から12までのいずれかに記載の粒子。
  14. 前記複合金属カルボン酸塩が、ビスマス以外の金属元素を金属元素とする金属カルボン酸塩とビスマスを含む金属カルボン酸塩とをカルボン酸含有溶液で加熱する工程を経て得られたものである、請求項13に記載の粒子。
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