JP2005162400A - 乗客コンベアの油受け清掃装置 - Google Patents

Abstract

【課題】踏段チェーンの直下に配設される油受け部を自動的に清掃できる乗客コンベアの油受け清掃装置の提供を目的とする。
【解決手段】踏段チェーン１１の直下に配設され、踏段チェーン１１に注油された油１３を受ける油受け部１４を有するエスカレータ１に備えられるものであって、踏段２の前輪軸５にボルト１７によって取付けられ、踏段２の移動に応じて油受け部１４上を摺動し、この油受け部１４を清掃する弾性体から成る清掃部、たとえば刷毛１６ａを有する清掃装置１６を備えた。
【選択図】図１

Description

本発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアに備えられ、踏段チェーンに注油された油を受ける油受け部の清掃を行なう乗客コンベアの油受け清掃装置に関する。

図３は、油受け清掃装置を備えた従来技術の一例を示すエスカレータの要部側面図である。

この図３に示すエスカレータ１は、上部機械室１ａで反転した踏段２の反転走行路に沿って延設される油受け板３を備えている。所定の踏段２の前輪軸５には、油受け板３の清掃を行なう清掃装置６が取付けられている。

この従来技術では、前輪軸５に清掃装置６を取付けた状態で、エスカレータ１を低速走行させることにより、清掃装置６が油受け板３上を摺動し、この油受け板３の清掃が行なわれる（例えば、特許文献１参照。）。

図２は図１に示すエスカレータに備えられるチェーン注油機構を示す正面図である。

図１に示すエスカレータ１は、一般に、上述した踏段２等の他に、移動手摺８、欄干９、踏段２を案内するローラ１０、踏段２を走行させる踏段チェーン１１等も備えられている。

このようなエスカレータ１に備えられるチェーン注油機構は、踏段チェーン１１に注油を行なう注油ノズル１２と、この注油ノズル１２から噴出され、踏段チェーン１１から滴下した油１３を受ける油受け部１４とによって構成されている。この油受け部１４には油１３の他にごみも溜まりやすい。

上述した特許文献１に示される油受け板３の他に、図２に示す油受け部１４も定期的な清掃が必要になっている。
特開平９−１９４１７４号公報（段落番号０００５，０００６，００１１、図１，２）

上述した油受け部１４の清掃は、従来、作業者が前かがみになってウェス等を用いて手作業で行っていた。すなわち、エスカレータ１を停止させて、踏段２を外し、この踏段２のあった油受け部１４の部分に溜まっている油及びごみ１５をウェス等で清掃する。清掃後は、踏段２を取付け、エスカレータ１を起動させる。続いて別の踏段２を外し、該当する油受け部１４の部分に溜まった油及びごみ１５を清掃する。以下、同様の作業が繰り返えされる。

１台のエスカレータ１の油受け部１４を清掃するために、数１０回あるいは数１００回の踏段２の移動を実施するためのエスカレータ１の停止、起動をしなければならない。このために、多数回のスイッチ操作、及び電源の遮断、投入操作が必要になる。また、３０ｋｇｆの重い踏段２の取外し、取付け作業が必要となる。

このようなことから、従来にあっては、作業負荷が大きく、多大な作業時間を要し、清掃作業効率の向上を見込めない問題がある。また、この清掃作業の間、乗客はエスカレータ１を使用することができず、したがって乗客に対するサービス性が低下する問題もある。

本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、踏段チェーンの直下に配設される油受け部を自動的に清掃できる乗客コンベアの油受け清掃装置を提供することにある。

前記目的を達成するために、本発明は、踏段を移動させる踏段チェーンと、この踏段チェーンの直下に配設され、前記踏段チェーンに注油された油を受ける油受け部を有する乗客コンベアに備えられるものであって、前記踏段に取付けられ、この踏段の移動に応じて前記油受け部上を摺動し、この油受け部を清掃する弾性体から成る清掃部を備えたことを特徴としている。

このように構成した本発明は、踏段に取付けられた状態で乗客コンベアを駆動することにより、清掃部が油受け部上を摺動し、この油受け部に溜まった油及びごみを自動的に清掃できる。この清掃の際に、油受け部上に、この油受け部を固定するボルトの頭部等が突出していても、清掃部の保有する弾性によりこの清掃部がボルトの頭部等に引っ掛かることなく、円滑に清掃を実施させることができる。

また本発明は前記発明において、前記清掃部が刷毛から成ることを特徴としている。

また本発明は前記発明において、前記油受け部から溢れた油及びごみを収納する収納部を備えたことを特徴としている。

このように構成した本発明は、清掃が行なわれる間に、油受け部に溜まった油及びごみが油受け部から溢れようとするときには、溢れ出た油及びごみを収納部に収納させることができる。

本発明は、注油された踏段チェーンから滴下される油を受ける油受け部を清掃部を介して自動的に清掃でき、したがって、踏段の取外し、取付け作業が少なくなって作業者に与える作業負荷を軽減でき、短時間で清掃を行なうことができ、従来に比べてこの油受け部における清掃効率を向上させることができる。また、清掃が短時間で済むことから、油受け部の清掃に伴う乗客コンベアの停止時間を短縮でき、これにより乗客に対するサービス性を向上させることができる。

以下、本発明に係る乗客コンベアの油受け清掃装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。

図１は本発明に係る乗客コンベアの油受け清掃装置の一実施形態の要部を示す斜視図である。

この図１に示すように、本実施形態の清掃装置１６は、ボルト１７によって、前述した踏段２の前輪軸１５に固定してある。油受け部１４側に位置する端部には、踏段２の移動に伴って油受け部１４上を摺動する弾性体から成る清掃部、例えば刷毛１６ａを設けてある。

このように構成した本実施形態は、油受け部１４の摺動に際し、所定の踏段２を外し、清掃装置１６をボルト１７によって前輪軸５に固定する。この状態で、エスカレータ１を駆動する。これにより、踏段チェーン１１及び踏段２が移動し、これと一体に前輪軸５が移動し、前輪軸５に取付けた清掃装置１６の刷毛１６ａが油受け部１４上を摺動し、この刷毛１４ａによって油受け部１４内の油及びごみ１５が集められる。そして例えば、本実施形態の清掃装置１６が、取外された踏段２の位置に至ったときにエスカレータ１の駆動が停止される。ここで、集められた油受け部１４の油及びごみ１５が例えばウェス等を使用して除去される。清掃後は、外されていた踏段２が再び取付けられ、エスカレータ１は通常運転に復帰される。

なお、油受け部１４上に、この油受け部１４を他の部材に固定するボルト１９の頭部等が突出していても、刷毛１６ａの保有する弾性により、刷毛１６ａがボルト１９の頭部等に引っ掛かることなく円滑に清掃作業を実施できる。

このように構成した本実施形態によれば、油受け部１４を刷毛１６ａを介して自動的に清掃でき、したがって踏段２の取外し、取付け作業が少なくなって作業者に与える作業負荷を軽減でき、短時間でこの清掃作業を実施できる。これにより、清掃効率を向上させることができる。また、清掃が短時間で済むことから、油受け部１４の清掃に伴うエスカレータ１の停止時間を短縮できる。これにより、乗客に対するサービス性を向上させることができる。

図４は本発明の別の実施形態の要部を示す斜視図である。

この別の実施形態は、前述した図１に示す構成に加えて、油受け部１４から溢れた油及びごみ１５を収納する収納部１８を備えた構成にしてある。

このように構成した別の実施形態は、特に、清掃が行なわれる間に、油受け部１４に溜まった油及びごみ１５が油受け部１４から溢れようとするときには、その溢れた油及びごみ１５を収納部１８に収納させることができ、油及びごみ１５によるこの油受け部１４の周囲への汚染を防ぐことができる。

油受け清掃装置を備えた従来技術の一例を示すエスカレータの要部側面図である。 図１に示すエスカレータに備えられるチェーン注油機構を示す正面図である。 本発明に係る乗客コンベアの油受け清掃装置の一実施形態の要部を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態の要部を示す斜視図である。

符号の説明

５ 前輪軸
１１ 踏段チェーン
１４ 油受け部
１５ 油及びごみ
１６ 清掃装置
１６ａ 刷毛（清掃部）
１７ ボルト
１８ 収納部
１９ ボルト

Claims (3)

1. 踏段を移動させる踏段チェーンと、この踏段チェーンの直下に配設され、前記踏段チェーンに注油された油を受ける油受け部を有する乗客コンベアに備えられるものであって、
   前記踏段に取付けられ、この踏段の移動に応じて前記油受け部上を摺動し、この油受け部を清掃する弾性体から成る清掃部を備えたことを特徴とする乗客コンベアの油受け清掃装置。
2. 前記請求項１記載の発明において、
   前記清掃部が刷毛から成ることを特徴とする乗客コンベアの油受け清掃装置。
3. 前記請求項１または２記載の発明において、
   前記油受け部から溢れた油及びごみを収納する収納部を備えたことを特徴とする乗客コンベアの油受け清掃装置。
   

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