JP2005161457A - 主軸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 わずかな振動振幅においても効果的にその振動エネルギーを吸収することができる減衰機能をもつ主軸装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の主軸装置10は、回転自在な回転軸11と、内輪13が回転軸11の一端に外嵌され、外輪14がハウジング16に固定された固定側軸受12と、回転軸11の他端側に配され、ハウジング16に内挿されて回転軸11の軸方向に移動可能なスリーブ16と、内輪18が回転軸11の他端に外嵌され、外輪19がスリーブ16に固定されて定圧予圧された反固定側軸受17と、を備え、スリーブ16の外径に、40℃における油の動粘度5000〜30000mm2/sであるシリコン油が塗布されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械等の高速回転する主軸装置に関する。
従来の主軸装置の一例として、スリーブに減衰特性を与え、振動特性を改善するようにした主軸装置が知られている。このような主軸装置は、油圧シリンダ装置等からなる予圧設定手段により、主軸を支承する軸受に所定の予圧を付与した後、この予圧負荷状態にある軸受を、その構成材料よりも減衰特性に優れる一定圧力の圧油等の予圧保持手段によって保持している(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の主軸装置の他の一例として、摩擦を利用してスリーブの振動を抑えるようにした主軸装置が知られている。このような主軸装置は、ハウジングと、ハウジングの前側内部に装着された前側軸受と、ハウジングの後側内部にその軸線方向に所定範囲移動可能に装着されたスリーブと、スリーブの前側内部にスリーブと一体に移動可能に装着された後側軸受と、ハウジングの内部に前側軸受と後側軸受とを介して回転自在に支持されたシャフトと、後側軸受にその軸方向への予圧を付与する予圧バネとを具備した予圧型スピンドルにおいて、スリーブの後側軸受とその軸方向に離間した位置にハウジングと一体に設けられ且つ円周上等間隔または円周上全周に亘って振動防止作用を行なう振動防止手段を設けている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−177406号公報 特開平10−238538公報
ところで、通常、定圧予圧の主軸装置では、軸受の予圧荷重を一定に保つため、反固定側軸受が軸方向にスライドする構造となっている。その際、軸受が傾き、引っ掛からないように、軸受スリーブを使うことが多い。
この場合、軸受スリーブは予圧を一定にするためにスライドさせているので、逆に振動を発生しやすいことが問題となる。さらに、定位置予圧の主軸装置に比べて、同じ予圧荷重を付加しても、軸のアキシャル剛性が略半分になることから、アキシャルの共振点が低くなり振動しやすくなる。そこで、特許文献1や特許文献2に挙げたように減衰特性を与えて振動を低減する方法が提案されている。
高速回転する主軸装置においてスリーブが振動する変位量は、スリーブの共振点においても、実際のところ数μmであり、この数μmの振動が問題となっている。工作機械用の主軸装置であれば、びびり、の発生や、加工面の品質の低下や、騒音の増加といった問題が発生する。このような、わずか数μmの振動に対して効果的に減衰特性を与えて振動を低減することは難しかった。
上記特許文献1では、軸受ケースが振動した場合にシリンダ室内の減衰特性によって、振動を減衰させることを期待しているが、実際にはシリンダ内の油は弾性的に振る舞うので、振動のエネルギーを吸収する量はわずかであり、振動を確実に減衰するには至らない。
また、上記特許文献2では、振動振幅が小さく、摩擦板がスリーブを弾性支持していることになり、その結果、減衰要素とはならない場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、わずかな振動振幅においても効果的にその振動エネルギーを吸収することができる減衰機能をもつ主軸装置を提供することにある。
1)本発明の主軸装置は、回転自在な回転軸と、内輪が前記回転軸の一端に外嵌され、外輪がハウジングに固定された固定側軸受と、前記回転軸の他端側に配され、前記ハウジングに内挿されて前記回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌され、外輪が前記スリーブに固定されて定圧予圧され、前記固定側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持する反固定側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記スリーブの外径に、40℃における動粘度が5000〜30000mm2/sであるシリコン油が塗布されていることを特徴とする。
前記構成の主軸装置によれば、スリーブの外径に塗布された、高い粘度である、40℃における動粘度が5000〜30000mm2/sであるシリコン油により減衰性を得ている。
従って、スリーブが振動すると、スリーブの外径とハウジングのすきまとに介在する油の粘性によりせん断抵抗が発生するが、計算および試験の結果、主軸系として実際に振動が低減するために必要な動粘度は5000mm2/s以上であることがわかった。また、必要以上に大きな粘性を持たせると、動的な振動モデルが変化し、別の共振点が現れるために、動粘度は30000mm2/s以下としなければならないことがわかった。これらの特性を実現するために、シリコン油が適していることがわかった。これにより、わずかな振動振幅においても効果的にその振動エネルギーを吸収することができる減衰機能をもつ主軸装置を提供することができる。
なお、シリコン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチコーン、シリコンゴムから界面活性を持たせた変成シリコンでジメチコーンコポリオールを例示できる。シリコン油は、高い粘度を実現できるほか、密度が高く、温度粘度特性が平坦(例えばVI値120以上)であるため、冬場の低温においても急激な粘度上昇がなく、さらに使用中の発熱による高温においても粘度低下が少ないため、減衰特性に変化が少なく幅広い温度条件で使用可能である。
2)本発明の主軸装置は、回転自在な回転軸と、内輪が前記回転軸の一端に外嵌され、外輪がハウジングに固定された固定側軸受と、前記回転軸の他端側に配され、前記ハウジングに内挿されて前記回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌され、外輪が前記スリーブに固定されて定圧予圧され、前記固定側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持する反固定側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記スリーブが、弾性支持された質量部材を付加されていることを特徴とする。
前記構成の主軸装置によれば、質量部材として動吸振器を用いることにより振動を吸収している。このようにすると、従来のようにスリーブとハウジングとの間に直接減衰を与えるのではなく、スリーブに付加した質量を振動させてエネルギーを吸収することができる。この動吸振器の設計を適切に行うことにより、付加質量のみ振動振幅を大きして振動エネルギーを吸収することが可能となる。付加質量の振幅はスリーブの振動振幅に比して大きいので、この振動エネルギーはダンパにより容易に吸収することが可能である。これにより、スリーブのスライド特性を全く犠牲にすることなく、振動を確実に吸収することができる。
本発明によれば、従来のような、振動を確実に減衰することができない、という問題を解消でき、これにより、わずかな振動振幅においても効果的にその振動エネルギーを吸収することができる減衰機能をもつ主軸装置を提供することができる。
以下、本発明に係る複数の好適な実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る主軸装置の第1実施形態を示す断面図、図2は図1に示す主軸装置のアキシャル振動モデル、図3は油の動粘度を変更した場合の振動の大きさを調べたグラフ、図4は軸のアキシャル振動の周波数応答特性図、図5は油の動粘度と温度との関係を示すグラフ、図6は主軸装置を回転させた時のスリーブのアキシャル振動測定値のグラフである。
また、図7は本発明に係る主軸装置の第2実施形態を示す断面図、図8は図7に示す主軸装置のアキシャル振動モデル、図9は図7に示す主軸装置における振動特性の解析結果表である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態である主軸装置10は、回転自在な回転軸(以下、単に軸とも言う。)11と、内輪13,13が回転軸11の一端に外嵌され、外輪14,14がハウジング15に固定された固定側軸受12,12と、回転軸11の他端側に配され、ハウジング15に内挿されて回転軸11の軸方向に移動可能なスリーブ(後側スリーブ)16と、内輪18,18が回転軸11の他端に外嵌され、外輪19,19がスリーブ16に固定されて定圧予圧され、固定側軸受12,12と共働して回転軸11を回動自在に支持する反固定側軸受17,17と、を備えた主軸装置10であって、スリーブ16の外径に、40℃における動粘度が5000〜30000mm2/sであるシリコン油が塗布されている。
ハウジング15は、内ハウジング24と、外筒21と、後側スリーブハウジング22と、リアカバー23と、からなる。
フロントカバー20は、前方端部に配されている。外筒21は、円筒形状に形成されており、前段の固定側軸受12,12を内嵌した内ハウジング24に外嵌されているとともに、ビルトインモータのステータ25を内周部に固定している。内ハウジング24には、潤滑油ノズル26,26が組付けられている。ステータ25は、モータ電源線(不図示)から所定の電流を供給されることにより、内周部に回転磁界を発生する。
後側スリーブハウジング22は、円筒形状に形成されており、反固定側軸受17,17に外嵌された後側スリーブ16に外挿されている。リアケース23は、後方端部に配されている。
回転軸11は、ドローバ27を内装しており、このドローバ27を、戻しばね28に抗して進退移動させることにより、工具(不図示)をクランプまたはアンクランプする。また、回転軸11は、ビルトインモータのロータ29を、ステータ25の内周部に非接触に固定している。ロータ29は、ステータ25が発生した回転磁界により回転力を与えられて、回転軸11を回転させる。
固定側軸受12,12は、内径が65mmのセラミック玉アンギュラ軸受を並列組合せで用いており、内輪13,13が回転軸11の前端側に外嵌され、外輪14,14が前側スリーブ24に内嵌されている。
反固定側軸受17,17は、固定側軸受12,12と同様の、内径が55mmのセラミック玉アンギュラ軸受を並列組合せで用いており、内輪18,18が回転軸11の後端側に外嵌され、外輪19,19が後側スリーブ26に内嵌されている。
後側スリーブ16は、反固定側軸受17,17の外輪19,19に外挿されており、潤滑油ノズル30,30が組付けられている。後側スリーブ16は、Oリング31,31を介して後側スリーブハウジング22とのスライド面32に組付けられている。また、後側スリーブ16は、後方側に、予圧ばね33が内蔵された予圧ピストン34がホルダ35を介して組付けられている。
ここで、予圧は、予圧ばね33により、図1中の右方側に後側スリーブ16が押圧されることにより負荷されている。また、外部装置(不図示)によって、リアカバー23に設けられた予圧油圧入口36から油圧を入れることで、予圧ピストン34が、図1中の右方向に押されて予圧を加えることもできる。この場合、予圧荷重を外部からコントロールすることが可能である。
後側スリーブハウジング22の内径と、後側スリーブ16の外径と、の直径すきまは、約35μmである。この大きさは、主軸装置10が回転中の温度条件(後側スリーブ16が高温になっても、後側スリーブハウジング22の温度はそれほど上昇しない)においても、すきまが確保されて、スライドすることが可能な値である。
高速回転するビルトインモータ式の主軸装置10においては、直径すきまの設定値としては、後側スリーブ16の直径の1/5000〜1/3000とすることが好ましく、すきまが小さすぎれば熱膨張によってスライドできなくなり、逆に、すきまが大きすぎればアキシャル方向のみならずラジアル方向にも振動してしまう。
スライド面32は、摩耗やフレッチングを防ぐため、表面処理が施されており、この場合には、硬質クロームメッキを施している。スライド面32に対しては、同様な効果を得るために、無電解ニッケルメッキを施したり、高周波焼入れによって表面硬度を上げたりすることもできる。
そして、スライド面32には、40℃における動粘度が10000mm2/sであるシリコン油が塗付されている。Oリング31,31は、スライド面32に塗布したシリコン油が外部に逃げないようにシールする機能を持つ。
図2に示すように、主軸装置10は、アキシャル振動モデルにおいて、固定側軸受12,12、反固定側軸受17,17の2つのばね要素と、回転軸11と後側スリーブ(スリーブ)16の2つの質量と、を持つ2自由度系の振動モデルとみなすことができる。
この場合の条件は、
回転軸質量 約15kg
後側スリーブ質量 約6kg
固定側軸受アキシャル剛性 50N/μm
反固定側軸受アキシャル剛性 50N/μm
である。
軸受のアキシャル剛性は予圧荷重を1000N、回転速度を40000min-1として遠心力や玉(転動体)の弾性近接などの釣り合い条件から計算により求めた。
本モデルにより共振周波数を計算すると、
共振周波数=13000min-1(1次)、35000min-1(2次)
となり、最高回転速度である40000min-1以下に共振点がある。特に2次の共振点は、最高回転速度の近くに存在するために、振動エネルギーが大きくなり、問題である。これは、高速回転する定圧予圧の主軸装置一般に言えることで、高速側の共振点における振動を小さくする工夫が必要である。
また、後側スリーブハウジング(固定)22と、後側スリーブ16と、の間に減衰要素Dがある。減衰定数は、後側スリーブ16が後側スリーブハウジング22の軸心の中心に浮いており、すきまに存在する油がニュートン流体であると仮定することによって、以下のように近似することができる。
C=ρνA/dr
C:減衰定数N/(m/s)
dr:半径すきまm
ρ:油比重kg/m3
ν:油粘度m2/s
A:後側スリーブの外径面積m2
図3に示すように、図2のアキシャル振動モデルにおいて、40℃における油の動粘度を変えたときの35000min-1(アキシャル共振点)での振動の大きさの度合いを計算した。結果において、振動の大きさの度合いを示すのに、回転軸11の振幅比を用いており、減衰無限大における回転軸11の振動振幅を1としている。油の動粘度が約5000mm2/s以上となると、35000min-1の共振点において振幅が大きくならずに振動制御の効果があらわれることがわかる。
また、減衰要素が非常に大きい場合、動的には後側スリーブ16は固定とみなすことができ、一自由度系の振動モデルとみなせ、別の共振点があらわれる(例えば100000mm2/s
の40Hz付近のピーク)。転がり軸受自体には大きな減衰が期待できないために、この共振点では振動が大となってしまう。
図4に示すように、後側スリーブ16の減衰定数をパラメータに軸のアキシャル振動の周波数応答を計算した。
計算の結果、振動を抑える最適な粘度は約15000mm2/sであり、5000〜30000mm2/sの範囲であれば実用上問題ない減衰効果が得られることがわかった。
なお、サイズの違いによる一般性を持たせるために無次元数である、
減衰比=C/√(m・k)
m:後側スリーブ質量
k:反固定側軸受ばね定数
を用いると、減衰比=0.6〜3.5程度が良好な範囲となる。なお、軸受のばね定数のサイズ効果、後側スリーブの面積と質量、すきま等を考慮すると、回転軸径φ30〜φ120mm度の主軸においては、減衰比は油の動粘度にほぼ比例することがわかり、5000〜30000mm2/sの粘度範囲が有効であることがわかった。
図5に示すように、油の動粘度と温度の関係を調べたところ、シリコン油は他の合成油やVG680(動粘度(40℃)において680mm2/s、粘度範囲が612〜748)などのISOグレードと比べて、温度の変化に対して動粘度の変化が小さい。主軸装置10では、冬場の始動時−10℃程度から、40000min-1の定常温度である60℃程度までの使用温度が想定される。既に図4により明らかであるように、粘度が変わると振動特性も変わることから、粘度変化の少ないシリコン油が適していることがわかる。
図6に示すように、実際に主軸装置10を回転させたときの後側スリーブ16のアキシャル振動値を測定した結果では、比較例として、VG680を塗付したときの振動値を載せた。
測定の結果、40℃における動粘度が10000mm2/sであるシリコン油を用いることによって、実際に、振動を抑えることが可能なことがわかった。
第1実施形態の主軸装置10によれば、後側スリーブ16の外径に塗布された、高い粘度である、40℃度における動粘度が5000〜30000mm2/sであるシリコン油により減衰性を得ている。従って、後側スリーブ16が振動すると、後側スリーブ16の外径と後側スリーブハウジング22とのすきまに介在する油の粘性によりせん断抵抗が発生するが、計算および試験の結果、主軸系として実際に振動が低減するために必要な40℃における油の動粘度は5000mm2/s以上であることがわかった。また、必要以上に大きな粘性を持たせると、動的な振動モデルが変化し、別の共振点が現れるために、40℃における油の動粘度は30000mm2/s以下としなければならないことがわかった。これらの特性を実現するために、シリコン油が適していることがわかった。これにより、わずかな振動振幅においても効果的にその振動エネルギーを吸収することができる減衰機能をもつ主軸装置を提供することができる。
次に、図7,図8,図9を参照して、本発明に係る主軸装置の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付することにより、説明を簡略化或いは省略する。
図7に示すように、第2実施形態の主軸装置40は、回転自在な回転軸11と、内輪13、13が回転軸11の一端に外嵌され、外輪14、14がハウジング15に固定された固定側軸受12、12と、回転軸11の他端側に配され、ハウジング15に内挿されて回転軸11の軸方向に移動可能なスリーブ(後側スリーブ)16と、内輪18、18が回転軸11の他端に外嵌され、外輪19、19がスリーブ16に固定されて定圧予圧され、固定側軸受12,12と共働して回転軸11を回動自在に支持する反固定側軸受17,17と、を備えた主軸装置40であって、スリーブ16が、弾性支持された質量部材41を付加されている。
質量部材41は、金属製であり、付加質量としてOリング42,樹脂ロッド43を介して後側スリーブ16に取付けられており、樹脂ロッド43の軸方向剛性が設計したばね定数となるように調整されている。質量部材41は樹脂ロッド43のつば部αに圧入固定されており、樹脂ロッド43のl部弾性とで、ばね質量系を構成している。ロッド43の樹脂ロッド43の周りにはグリース等の封入油が塗布されていて、減衰要素をなしている。
ばね定数のオーダは1N/μmであるが、樹脂ロッド43を用いる他、ボールのヘルツ接触を用いる(玉軸受など)ことでも具体的に構成することができる。減衰器は、Oリングと封入油によって構成されている。減衰定数は、動吸振器単体にてあらかじめ周波数分析をおこない、実験的に調整することもできる。
主軸装置40では、後側スリーブ16の外径に抵抗となるOリングはなく、グリースが塗付されているのみなので、スライド性を重視している。これにより精密に予圧荷重を負荷でき、高精度な主軸装置が構成できる。このような構成では、従来振動が大きくなったが、スライド性を全く犠牲にせず振動を抑えることが出来る。
図8に示すように、主軸装置40のアキシャル振動モデルでは、後側スリーブ16に動吸振器44を取付けている。そのため、付加質量とばねおよび減衰要素を適切に設計することにより、付加質量のみを大きく振動させてエネルギーを吸収させ、後側スリーブ16と回転軸11の振動を制御することができる。
主軸装置40では、主軸装置10と比べて、後側スリーブ16と後側スリーブハウジング22との間に直接減衰要素を入れる必要性がなくなり、後側スリーブ16のスライド性を重視した設計が可能である。主軸装置10では、シリコン油を保持するために、Oリング31,31を用いたが、Oリングを使用すると、Oリングの摺動抵抗があるために、軸受にかかる予圧荷重が摺動抵抗分変動する恐れがあり、精密な予圧コントロールの妨げとなる。それに対して、主軸装置40では、後側スリーブ16と後側スリーブハウジング22との間はスライド性のみを考慮すればよく、減衰は動吸振器44によって行うことができる。
図9に示すように、主軸装置10に対して、付加質量1kg、ばね0.5N/μm、減衰器C=1000N/(m/s)の動吸振器44を取付けたときの、振動特性の解析結果を、回転軸11に振動外力が加わったときの軸アキシャル変位の比率(静的値を1とする)を示すと、動吸振器無しと、動吸振器有りと、の値を比較すると、動吸振器44によって振動を確実に低減することができるのがわかる。
第2実施形態の主軸装置40によれば、質量部材41として動吸振器44を用いることにより振動を吸収している。このようにすると、従来のように、スリーブとハウジングとの間に直接減衰を与えるのではなく、スリーブに付加した質量を振動させてエネルギーを吸収することができる。この動吸振器44の設計を適切に行うことにより、付加質量のみ振動振幅を大きして振動エネルギーを吸収することが可能となる。付加質量の振幅が大きいので、この振動エネルギーはダンパにより容易に吸収することが可能である。これにより、スリーブのスライド特性を全く犠牲にすることなく、振動を確実に吸収することができる。
尚、本発明に係る主軸装置は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、軸受は、セラミック玉アンギュラ軸受に限らず、深溝玉軸受等の各種転がり軸受を適用しても良い。
本発明に係る主軸装置の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示した主軸装置のアキシャル振動モデルである。 図1に示した主軸装置において油の動粘度を変更した場合の振動の大きさを調べたグラフである。 図1に示した主軸装置において軸のアキシャル振動の周波数応答特性図である。 図1に示した主軸装置において油の動粘度と温度との関係を示すグラフである。 図1に示した主軸装置を回転させた時のスリーブのアキシャル振動測定値のグラフである。 本発明に係る主軸装置の第2実施形態を示す断面図である。 図7に示した主軸装置のアキシャル振動モデルである。 図7に示した主軸装置における振動特性の解析結果表である。
符号の説明
10,40 主軸装置
11 回転軸
12 固定側軸受
13 内輪
14 外輪
16 後側スリーブ(スリーブ)
17 反固定側軸受
18 内輪
19 外輪
21 外筒(ハウジング)
22 後側スリーブハウジング(ハウジング)
41 質量部材

Claims (2)

  1. 回転自在な回転軸と、
    内輪が前記回転軸の一端に外嵌され、外輪がハウジングに固定された固定側軸受と、
    前記回転軸の他端側に配され、前記ハウジングに内挿されて前記回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、
    内輪が前記回転軸の他端に外嵌され、外輪が前記スリーブに固定されて定圧予圧され、前記固定側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持する反固定側軸受と、
    を備えた主軸装置であって、
    前記スリーブの外径に、40℃における動粘度が5000〜30000mm2/sであるシリコン油が塗布されていることを特徴とする主軸装置。
  2. 回転自在な回転軸と、
    内輪が前記回転軸の一端に外嵌され、外輪がハウジングに固定された固定側軸受と、
    前記回転軸の他端側に配され、前記ハウジングに内挿されて前記回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、
    内輪が前記回転軸の他端に外嵌され、外輪が前記スリーブに固定されて定圧予圧され、前記固定側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持する反固定側軸受と、
    を備えた主軸装置であって、
    前記スリーブが、弾性支持された質量部材を付加されていることを特徴とする主軸装置。
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