JP2005161187A - ガス分離回収装置及び分離回収方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、混合ガスからSFガスなどのガスを予め設定した濃度に自動的に制御して精度よく分離回収することができるガス分離回収装置及びガス分離回収方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率でガス分離膜モジュールの圧力又は流量の調節手段が応答動作(操作量)をおこなうガス分離回収装置及びガス分離回収方法。
【選択図】 図7

Description

本発明はガス分離膜を用いたガス分離回収装置に関し、混合ガスから特定のガス成分を予め設定した濃度に自動的に制御して精度よく分離回収することができるガス分離回収装置に関する。特にSFガスなどのハロゲン化合物ガスを再利用できる程度の高濃度に自動的に制御して精度よく分離回収することができるガス分離回収装置に関する。
クロロフルオロカーボン(CFC)ガス、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)ガス、ハイドロフルオロカーボン(HFC)ガス、パーフルオロカーボン(PFC)ガス、SFガス、NFガスなどのハロゲン化合物ガスは、その化学的特性を利用して、冷媒、発泡剤、噴射剤、電気絶縁ガス、金属の精錬工程用ガス、半導体製造工程のエッチング剤ガスや洗浄用ガスとして広く用いられてきた。しかし、これらハロゲン化合物ガスのうち、CFCやHCFCなどはオゾン層破壊物質であるため、またHFCやPFCやSFなどは非常に強力な温室効果を持った物質であるために、1980年代後半以降、使用規制、使用量削減、代替物質への転換などが順次進められてきた。
しかし、いまだに満足できる代替物質がなくてハロゲン化合物ガスを使用し続けている用途が残っている。例えば、ガス絶縁開閉装置、ガス遮断器、ガス絶縁変圧器等のガス絶縁電気機器用の電気絶縁ガスは満足できる代替ガスが見つかっていない。
そのため、電力業界では、ハロゲン化合物ガスの使用量を削減するために、ハロゲン化合物ガスの純ガスに代えて、SF(六フッ化イオウ)ガス、フロンガス、四塩化炭素ガスなどのハロゲン化合物ガスとNガスなどの希釈剤ガスとからなる混合ガスを電気絶縁ガスとして使用する試みがなされており、特にSFガスとNガスとからなる混合ガス、とりわけSFガスの濃度が3〜60体積%程度の混合ガスが代替の電気絶縁ガスとして大変有力である。
また、半導体製造工程では、エッチング剤ガスや洗浄用ガスとしてパーフルオロカーボン(PFC)ガス、ハイドロフルオロカーボン(HFC)ガス、SFガス、NFガスなどのハロゲン化合物ガスを用いており、ハロゲン化合物ガスとNガスなどの希釈剤ガスとからなる混合ガスが排出されている。
HFCやPFCやSFなどのハロゲン化合物ガスは、化学的安定性が高いので極めて長期間分解しないで大気中に存続する。従って、少量であってもハロゲン化合物ガスが大気中に放出されると大気中に蓄積されて、地球環境へ極めて大きな悪影響与える。このため、ハロゲン化合物ガスを大気中へ放出することは極力抑制されなければならない。
電力業界や半導体業界では、ハロゲン化合物ガスの使用量を削減すると共に、ハロゲン化合物ガスの排出を抑制するために具体的な目標を設定して、分離回収し更に分離回収したハロゲン化合物ガスを再利用するための種々の取り組みが進められている。
例えば、日本の電気事業連合会によるSFガスの回収目標値は、2005年において機器点検時97%、機器撤去時99%である。また、再利用のガイドラインでは、SFガス濃度(純度)として、日本では97体積%以上を要求しており、世界電力システム会議(CIGRE)では98体積%以上を要求している。(非特許文献1参照)
この様な状況から、ハロゲン化合物ガスを含む混合ガスからハロゲン化合物ガスを再利用できる程度の高濃度(高純度)で且つ回収ロスを極力少なくして経済的に分離回収する装置および方法が望まれている。
本願発明者らは既にハロゲン化合物ガスを高濃度且つ高回収率で分離回収する装置および方法について提案している。(特許文献1参照)この方法は、少なくとも一段目と二段目の分離膜モジュールとを備えたハロゲン化合物ガスを含む混合ガスからハロゲン化合物ガスを分離回収する装置において、一段目の分離膜モジュールのガス供給口へハロゲン化合物ガスを含む混合ガスを供給し、二段目以降のガス分離膜モジュールのガス供給口へ前段のガス分離膜モジュールの透過ガスをそれぞれ供給し、二段目以降のガス分離膜モジュールの非透過ガスを一段目のガス分離膜モジュールのガス供給口へリサイクルさせ、一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口に接続された流量制御弁によって一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガスのガス流量を制御して、前記非透過ガスとしてハロゲン化合物ガスを所定の高濃度で分離回収する方法である。ところで、この方法では、一段目および二段目のガス分離膜モジュールで処理された混合ガスの一部が一段目のガス分離膜モジュールへリサイクルされるために、一段目のガス分離膜モジュールへ供給される混合ガスのガス組成は常に時間と共に変動する。
供給される混合ガスのガス組成が常に変動すると、分離回収して得られるガスの濃度も常に変動する。(分離回収して得られるガスの濃度に影響を与える他の要因としてガスの圧力や流量更に温度等があるが、これらは比較的程度容易に一定に制御できる。しかし、供給される混合ガスのガス組成の変動は避けられない。)このため、前記特許文献1では所定のガス濃度のガスを回収するために、一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口にガス濃度検出器とガス流量制御弁を接続し、前記非透過ガス排出口から排出される非透過ガスのハロゲン化合物のガス濃度をガス濃度検出器で測定し、前記ガス濃度検出器の測定値によって前記非透過ガスの流量を前記流量制御弁で制御する方法を提案している。しかしながら、特に自動的に制御する場合に前記流量制御弁をどのような方法でどのように制御するのが好ましいかについての具体的な説明はされていなかった。
特願2002−331219 世界電力システム会議(CIGRE)23.10 TASK FORCE01,SF6 RECYCLING GUIDE 「Re−use of SF6 gas in electrical power equipment and final disposal」,1997
分離膜モジュールを用いてガスを分離回収するとき、供給される混合ガスの圧力、流量、温度、ガス組成などの条件が変化すると回収されるガスの濃度が変動する。このように条件が変化して回収されるガスの濃度が変動する場合で、しかも所定濃度特に所定の高濃度又は所定の低濃度でガスを分離回収する必要があるときに、回収ガスの濃度を自動的に精度よく所定濃度に制御できる制御方法及び装置が求められていた。
本発明は、混合ガスからSFガスなどの特定のガスを予め設定した濃度に自動的に制御して精度よく分離回収することができるガス分離回収装置及びガス分離回収方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガス供給口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有するガス分離膜モジュールと、前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口のいずれかから回収される回収ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス分離膜モジュールのガス供給口へ供給されるガスの圧力又は流量、又は前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口から排出されるガスの圧力又は流量のいずれかを調節する調節手段とを備え、前記調節手段を調節することによって前記回収ガスのガス濃度を設定濃度に自動的に制御するように構成されたガス分離回収装置であって、
前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作をおこなうように構成したことを特徴とするガス分離回収装置に関する。
特に、ガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口がガス濃度検出手段及びガス流量調節手段を介して回収容器に接続され、前記ガス流量調節手段によってガス流量を調節することによって、非透過ガス排出口から得られる回収ガスのガス濃度を制御するように構成されたガス分離回収装置であって、
前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記ガス流量調節手段が応答動作をおこなうように構成したことを特徴とする前記ガス分離回収装置に関する。
また、ガス濃度検出手段が赤外線式ガス分析計であること、赤外線式ガス分析計に一定流量の回収ガスが流れるように構成したこと、ガス流量調節手段がピエゾバルブであること、SF6ガスを3〜60体積%含有する混合ガスを供給して、濃度が90体積%以上のSFガスを分離回収することに関する。
また、少なくとも一段目と二段目の分離膜モジュールを備え、一段目の分離膜モジュールのガス供給口は混合ガス源に接続され且つ非透過ガス排出口はガス流量調節手段とガス濃度検出手段とを介して回収容器に接続され、二段目の分離膜モジュールのガス供給口は一段目の分離膜モジュールの透過ガス排出口に接続され且つ非透過ガス排出口は混合ガス源に接続されて構成されたガス分離回収装置であって、
前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作をおこなうように構成したことを特徴とするガス分離回収装置に関する。
更に、ガス供給口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有するガス分離膜モジュールと、前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口のいずれかから回収される回収ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス分離膜モジュールのガス供給口へ供給されるガスの圧力又は流量、又は前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口から排出されるガスの圧力又は流量のいずれかを調節する調節手段とを備え、前記調節手段を調節することによって前記回収ガスのガス濃度を設定濃度に自動的に制御するように構成されたガス分離回収装置において、
前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作をおこなうことを特徴とするガス分離回収方法に関する。
本発明によって、混合ガスからSFガスなどの特定のガスを予め設定した濃度に自動的に制御して精度よく分離回収することができる。
分離膜モジュールを用いてガスを分離回収するとき、供給される混合ガスの圧力、流量、温度、ガス組成などの条件が変化すると分離回収するガスの濃度が変動する。逆に、前述の条件を変化させれば、分離回収するガスの濃度を制御することができる。本発明は圧力又は流量を調整して分離回収するガスの濃度を一定に制御することができる装置及び方法に関する。
ところで、ガス分離膜モジュールにおいて圧力又は流量を調節したとき、それに対する応答は極めて特異的な挙動を示す。
以下、図1の例によって説明する。図1では、供給された混合ガス(ガス成分A+ガス成分B)のうち分離膜を選択的に透過するガス成分Bが透過ガス排出口から高濃度化されて排出され、ガス成分Aは非透過ガス排出口から高濃度化されて排出される。図1では流量調節によって非透過ガス排出口から排出されるガス成分Aを所定の濃度に制御しようとしている。供給される混合ガスの圧力は一定に保たれている。
非透過ガス排出口から得られるガス成分Aの濃度が目的濃度以下になった場合、非透過ガス排出口に接続された流量制御手段を絞ってガス分離膜モジュールに供給される混合ガス量を減らす。そうすると混合ガス中のより多量のガス成分Bが分離膜を透過して透過ガス排出口から排出されるから、非透過ガス排出口から回収させるガス成分Aの濃度を高くできる。一方、非透過ガス排出口から得られるガス成分Aの濃度が目的濃度以上になった場合には、非透過ガス排出口に接続された流量制御手段を開いてガス分離膜モジュールに供給される混合ガス量を増加させれば、非透過ガス排出口から回収させるガス成分Aの濃度を低くできる。
ガス分離膜モジュールにおいて流量制御操作を行うと、操作してから流量が所定量になるまでに一定の応答遅れが生じる。これは分離膜モジュールに通じる配管などがバッファになっているためであり、ガスを取り扱う場合には通常生じるものである。ガス分離膜モジュールではこれに加えて更に特異的な応答挙動を示す。この特異的な応答挙動は、ガス分離膜モジュールが通常は数百ミクロン程度の外径を持った多数本の中空糸を密閉容器に収納しており、分離膜を挟んだ非透過側と透過側の空間がいずれも狭くて複雑な形態の流路空間からなること、分離膜自身がしばしば多孔性構造からなり膜内に極めて微細で複雑な形態の流路空間を有すること、更に最も特徴的であるが、透過するガス成分が分離膜中に溶解・拡散して透過することに起因している。すなわち、分離膜モジュールでは、例えば流量調節してガス濃度を制御する場合の応答は極めてゆっくりとした特異的な挙動になり、容易には平衡状態に至らない。
前記特異的な挙動について説明する。図2、図3はガス分離膜モジュールにおいて流量調節操作を行ったときのガス濃度の応答挙動である。ここでは、まず流量調節操作後48秒まで応答遅れがあり、その後ガス濃度が応答して低濃度化(高濃度化)し始め、操作後48〜100秒(48〜130秒)まで徐々に応答する。更に100秒(130秒)以降も完全な平衡状態にならないで極めてゆっくりではあるが応答し続ける。
制御を自動化する場合、通常は設定値と測定値との差異すなわち偏差に基づいて応答動作を行わせる。しかしながら、ガス分離膜モジュールを用いたガスの分離回収において、ガス濃度の制御を自動化しようとすると、前述のような特異的な応答挙動のために得られるガスのガス濃度はしばしばオーバーシュートを繰り返して不安定になるし、たまたま安定したとしても設定値に対して定常偏差が残って設定値とは異なるガス濃度になり、所定のガス濃度特に所定の高濃度又は所定の低濃度に精度よく制御することが困難であった。
本発明は前述のようなガス分離膜モジュールの特異的な応答挙動を考慮して、種々検討した結果得られたものであり、ガス分離膜モジュールにおいて圧力又は流量を調節して分離回収するガス濃度を自動的に制御するときに、ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作(操作量)をおこなうようにすれば、オーバーシュートを繰り返して不安定になることがなく、設定値に対して定常偏差が残って設定値とは異なるガス濃度になることもなく、設定ガス濃度に精度よく制御することができることを見出してなされたものである。
具体的には、時間tにおける回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差をε(t)、応答動作(操作量)をy(t)とし、応答動作を下記数式1で表したときに、
y(t)=Kp{ε(t)+ki∫ε(t)dt+kd(dε(t)/dt)} (数式1)
積分動作に対する配分比率kiを1〜3の範囲内にし、微分動作に対する配分比率kdを0.1〜0.3の範囲内にして応答動作y(t)を決定することである。ここで、kpは比例感度であって、装置の大きさや使用条件などによって設定されるべきものである。
この方法は、圧力又は流量の調節が混合ガスの供給側、透過ガス排出側、非透過ガス排出側のいずれで行われる場合にも適用できる。また濃度を制御する対象にする回収ガスが透過ガス排出口から排出される場合及び非透過ガス排出口から回収される場合のいずれの場合でも適用できる。
本発明は、ガス供給口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有するガス分離膜モジュールと、前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口のいずれかから回収される回収ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス分離膜モジュールのガス供給口へ供給されるガスの圧力又は流量、又は前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口から排出されるガスの圧力又は流量のいずれかを調節する調節手段とを備え、前記圧力又は流量を調節する調節手段によって前記回収ガスのガス濃度を設定濃度に自動的に制御するように構成されたガス分離回収装置であって、前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作(操作量)をおこなうように構成したことを特徴とするガス分離回収装置又はガス分離回収方法である。
本発明で用いられる分離膜モジュールは、ガス選択透過性のガス分離膜を、ガス供給口、透過ガス排出口、非透過ガス排出口を備えた容器内にガス分離膜のガス供給側とガス透過側の空間が隔絶するようにして装着されたものである。このガス分離膜は、平膜などでもよいが、厚みが薄く径が小さい多数本の中空糸が、小型装置でも高膜面積にできて分離効率を高められるし経済的でもあるから好適である。また、ガス分離膜は、均質性でもよく、複合膜や非対称膜などの不均一性でもよく、また微多孔性でも非多孔性でもよい。前記中空糸の膜厚は10〜500μmで外径は50〜2000μmのものを好適に挙げることができる。
ガス分離膜は、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、セルロース系ポリマーなどのポリマー材料、ゼオライトなどのセラミックス材料などで形成されたものを好適に挙げることができる。特に、芳香族ポリイミド中空糸分離膜とりわけ芳香族ポリイミド非対称中空糸分離膜は、以下で説明するハロゲン化合物ガスとNガスなどの希釈剤ガスとの分離性能が高く、ハロゲン化合物ガスに対して耐久性が優れ、十分な耐熱性がある。従って、芳香族ポリイミド非対称中空糸分離膜はハロゲン化合物ガスを所定の高濃度(高純度)で分離回収するうえで好適である。また分離温度を高温にして更に分離効率を高めることができ、更にハロゲン化合物による劣化や高温による劣化を受けにくいので長期間に亘って安定した分離をおこなうことができる。本発明においては、芳香族ポリイミド非対称中空糸分離膜からなる分離膜モジュールが特に好適に用いられる。芳香族ポリイミド非対称中空糸分離膜は、例えば特開平5−68859号公報、特開平6−254367号公報に示された方法によって好適に製造することができる。
本発明のガス分離膜モジュールが中空糸によって構成される場合には、通常中空糸膜の多数本(例えば、数百本から数十万本)を集束して中空糸束とし、その中空糸束の少なくとも一方の端部をエポキシ樹脂のような硬化性樹脂やポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂などで前記端部において中空糸膜が開口状態となるように固着して中空糸分離膜エレメントを構成し、更に単数個又は複数個の前記中空糸エレメントを少なくともガス供給口、透過ガス排出口、及び非透過ガス排出口を有する容器内に、中空糸の内側へ通じる空間と中空糸の外側へ通じる空間が隔絶するように装着されて構成されている。容器はステンレスなどの金属材料、プラスチック材料、繊維強化プラスチック材料などの複合材料で製造される。
ガス分離膜モジュールの形態は特に限定はなく通常用いられているものが好適に用いられる。中空糸束の配糸形態は平行配列でも交叉配列でも織物状でもスパイラル状などでも構わない。また中空糸束は略中心部に芯管を備えていてもよく、中空糸束の外周部にフィルムが巻き付けられていても構わない。更に中空糸束の形態は円柱状、平板状、角柱状などでよく、容器内に前記形態のままで、又はU字状に折り曲げたり、スパイラル状に巻き付けて収納されてもよい。また本発明のガス分離膜モジュールは中空フィードタイプでもシェルフィードタイプでもよい。
本発明の好ましい実施形態の一つは、ハロゲン化合物ガスとNガスなどの希釈ガスとからなる混合ガスからハロゲン化合物ガスを高濃度で精度よく分離回収するものである。ハロゲン化合物ガスとしては特にSFガスを挙げることができる。また、SFガスの濃度としては特に3〜60体積%を挙げることができる。
以下、特に限定するものではないが、ハロゲン化合物ガス特にSFガスとNガスとの混合ガスからハロゲン化合物ガス特にSFガスを所定濃度で精度よく分離回収する場合について説明する。
ハロゲン化合物ガスを分離回収する場合、本発明は前記特許文献1に記載された装置に本発明の特徴である自動化制御の方法を適用することによって好適に得ることができる。すなわち、本発明の好ましい実施形態の一例としては、少なくとも二段からなるガス分離膜モジュールを備え、一段目のガス分離膜モジュールのガス供給口はハロゲン化合物ガスを含む混合ガス源(原料ガスタンク)に接続され且つ非透過ガス排出口はガス流量調節手段とガス濃度検出手段を介してガス回収容器に接続され、また、二段目のガス分離膜モジュールのガス供給口は一段目のガス分離膜モジュールの透過ガス排出口に接続され且つ非透過ガス排出口はハロゲン化合物ガスを含む混合ガス源(原料ガスタンク)に接続されて構成された装置であって、前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記ガス流量調節手段が自動的に応答動作をおこなうように構成したことを特徴とするガス分離回収装置である。
本発明では、前記のガス濃度検出手段とガス流量調節手段とが制御装置によって結合されており、ガス濃度検出手段の測定値によってガス流量調節手段が制御されて一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口から回収されるガス量を調節するように構成されている。
本発明の装置の実施形態の一例を図4に示す。図4において、11はハロゲン化合物ガスを含む混合ガス源であり、ガス絶縁開閉装置、ガス遮断機、ガス絶縁変圧器等のガス絶縁電気機器や半導体製造装置でもよく、それらの装置からハロゲン化合物ガスを含む混合ガスを取り出して貯蔵した原料ガスタンクでもよい。ハロゲン化合物ガスを含む混合ガス源11の混合ガスは導管を通じて本発明の装置内に導入される。図4には記載されていないが必要に応じて真空装置や送風機によってガス源11の混合ガスを装置内に導入してもよい。導入された混合ガスはコンプレッサー12によって加圧される。13はバッファタンク、14は圧力調整弁である。これらによって混合ガスが一定の圧力に制御されて一段目のガス分離膜モジュール15のガス供給口へ供給される。混合ガスは一段目のガス分離膜モジュール15内を流れる間に、混合ガス中の希釈剤ガス(例えば、Nガス)が選択的にガス分離膜を透過する。混合ガス中のハロゲン化合物ガス(例えば、SFガス)は、一部がガス分離膜を透過するが、希釈剤ガスよりも透過速度が小さいので濃縮されて非透過ガス排出口から回収される。前記非透過ガス排出口は、ガス濃度検出手段17とガス流量調節手段16とを介してガス回収容器18に接続されている。ガス濃度検出手段17は濃縮されて非透過ガス排出口から回収されるハロゲン化合物ガスの濃度を測定する。また、ガス流量調節手段16は非透過ガス排出口から回収されるガス量を制御する。ガス流量調節手段16を絞って非透過ガス排出口から回収されるガス量を少なくするとガス分離膜を透過する透過ガス(希釈剤ガスと比較的少量のハロゲン化合物ガス)の量がより多くなるので非透過ガス排出口から回収されるハロゲン化合物ガスの濃度を高くすることができる。逆にガス流量調節手段16を開いて非透過ガス排出口から回収されるガス量を多くすると、ガス分離膜を透過する希釈剤ガスの量が減り非透過ガス中に残留する希釈剤ガス量が比較的多量になって、非透過ガス排出口から回収されるハロゲン化合物ガスの濃度が低下する。
一段目の分離膜モジュールの非透過ガス排出口から回収されるハロゲン化合物ガスの濃度は所定の高濃度(高純度)に調整することができるので、ハロゲン化合物ガスとして再利用することが容易である。また、高濃度化すると液化が容易になるので、回収されたハロゲン化合物ガスは加圧冷却によって容易に液化してもよい。ガス回収容器18がハロゲン化合物ガスを液化して貯蔵するように構成されていると、ガス状態で貯蔵するときに比較して極めて小型にすることができるので好適である。例えば、加圧冷却によって液化して貯蔵すると、液化したハロゲン化合物が更に高純度になるので貯蔵後の再利用に特に好適である。
一方、一段目のガス分離膜モジュール15の透過ガスは、濃縮された希釈剤ガスとより低濃度になったハロゲン化合物ガスとを含んでいる。一段目のガス分離膜モジュール15の透過ガス排出口は、コンプレッサー19を介して、二段目のガス分離膜モジュール22のガス供給口と通じている。前記一段目のガス分離膜モジュール15の透過ガスはコンプレッサー19によって加圧されて二段目のガス分離膜モジュール22のガス供給口へ供給される。20はコンプレッサー19をバイパスする導管の流量を調節する制御弁であり、21はバファタンクである。これらによって、二段目のガス分離膜モジュール22へ供給されるガスの圧力や流量を調節することができる。二段目のガス分離膜モジュール22の非透過ガス排出口は制御弁23と逆止弁24を介して混合ガス源11へリサイクルされるように構成されている。また、二段目のガス分離膜モジュール22の透過ガス排出口は回収タンク25に接続されている。
本発明の装置に供給された混合ガスは、一段目のガス分離膜モジュール15の非透過ガス排出口に接続されたガス流量調節手段16のガス流量の制御によって、所定の高純度のハロゲン化合物ガスとして分離回収することが可能である。一段目のガス分離膜モジュール15の透過ガス排出口からは、濃縮された希釈剤ガスと希釈剤ガスに同伴してガス分離膜を透過したハロゲン化合物ガスの混合ガスが排出される。特に、一段目のガス分離膜モジュール15の非透過ガスとして高純度のハロゲン化合物ガスを分離回収するために、前記ガス流量調節手段16を絞ってガス流量をより小さくした時には、一段目のガス分離膜モジュール15の透過側へ希釈剤ガスに同伴して透過するハロゲン化合物ガスはより多量になる。もし、この透過ガスを大気中へ排出すると、ハロゲン化合物ガスの回収率を高くすることはできないし、地球環境に対して悪影響を与える。本発明の装置では、一段目のガス分離膜モジュール15の透過ガスは二段目のガス分離膜モジュール22に供給され、二段目のガス分離膜モジュール22によって更に希釈剤ガスとハロゲン化合物ガスとが分離されるので、二段目の分離膜モジュール22の透過ガス中のハロゲン化合物ガスの含有量を著しく減少させ、より高濃度の希釈剤ガスを回収できる。更に、二段目のガス分離膜モジュール22の非透過ガス中にはハロゲン化合物ガスが残留しているが、この非透過ガスは混合ガス源11へリサイクルされ、再び一段目のガス分離膜モジュールへ供給されるために回収ロスとはならず、ハロゲン化合物ガスの回収率を高くすることが可能である。
本発明の装置においては、ガス濃度検出手段17とガス流量調節手段16とが制御装置26によって結合されており、測定値が設定値のガス濃度以下になった時にはガス流量制御弁16が絞られて一段目のガス分離膜モジュール15の非透過ガス排出口から回収されるガス量を少なくして回収されるハロゲン化合物ガス濃度をより高濃度に自動制御する。また測定値が設定値のガス濃度以上になった時には制御装置26の制御によってガス流量調節手段16が開かれて一段目のガス分離膜モジュール15の非透過ガス排出口から回収されるガス量を多くして回収されるハロゲン化合物ガス濃度をより低濃度に自動制御する。本発明では、この自動制御として、ガス濃度の設定値とガス濃度検出手段17の測定値との差異すなわち偏差を求め、その偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3特に1.1〜2、微分動作が0.1〜0.3特に0.1〜0.2の配分比率でガス流量調節手段16が応答動作を行うように構成されている。
応答動作を前記範囲外にすると、例えば比例動作が積分動作よりも大きな配分比率を持つと制御系の安定度が悪くなり極端な場合振動する。少なすぎると定常偏差が大きくなり設定値のガス濃度が難しくなる。また、微分動作に対する配分比率が大きすぎると偏差をなくすことが困難となりまたノイズの影響を受けやすくなる。少なすぎると急激な外乱に対応できなくなる。したがって、応答動作を前記範囲外にすると、ハロゲン化合物ガスを所定の高濃度で精度よく回収できなくなるから、回収率が低くなったり、その都度変動したり、分離回収したハロゲン化合物ガスの濃度が低くて再生利用することが困難になる。
本発明において、ガス濃度検出手段は、その測定値によって一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口から回収されるガス量を制御することが目的であるから、測定に長時間を要しないで迅速に測定でき更に測定値が電気的な信号に変換可能なものが好適である。この様な検出手段として、赤外線式ガス分析計を好適に挙げることができる。赤外線式ガス分析計は、分離回収されたガスが導かれる配管中のガスを直接分析しても構わないが、前記配管からバイパス回路を形成して常に一定量のガスを分析するように構成するとより精度よく分析結果を得ることができるので特に好適である。
また、ガス流量調節手段は、電気信号によって迅速に弁の開閉量を制御できるものが好適である。この様なガス流量制御弁として、ピエゾバルブを好適に挙げることができる。
また、ガス圧力制御手段は、通常の減圧弁のようなもので構わないが、電気信号によって迅速に弁の開度を制御できるものが好適である。
また、制御装置としては、設定値と測定値との差である偏差、その積分値及び微分値を算出可能であり、それらから予め設定した配分比例に基づいた応答動作をさせるための電気信号を算出して、その信号を送付できるものであれば特に限定するものではなく、通常のPID調節器であっても構わない。
本発明の実施形態の別の例を図5、図6に示す。図5及び図6は、二段目のガス分離モジュールの透過ガス排出口から排出されるガスの濃度を測定するためのガス濃度検出手段30、32と、二段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口又は透過ガス排出口に接続されたガス流量調節手段23、33とが制御装置31、34によって夫々結合されており、ガス濃度の測定値と設定値との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3特に1.1〜2、微分動作が0.1〜0.3特に0.1〜0.2の配分比率でガス流量調節弁16が応答動作を行うように構成されている。この自動制御によって、二段目のガス分離膜モジュールの透過ガス排出口から排出されるSFガスのガス濃度を精度よく所定の低濃度に制御できるので、一段目のガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口からは予め設定した回収率でSFガスを回収することが可能になるし、二段目のガス分離膜モジュールの透過ガス排出口からは所定の低濃度で例えば大気中へ排出できるなどの後処理が容易な排ガスとして精度よく回収することができる。
本発明において、ガス分離膜モジュールを40℃〜200℃の温度範囲のいずれかの温度で一定に保持されてガス分離がおこなわれることが望ましい。
ガス分離性能は温度の影響を受けるので、一定の温度に保持されない場合は、温度変化に対応してガスの圧力又は流量を制御する必要が生じるから、制御がより複雑化して所定の高濃度に制御するのが困難になり易い。
また、ガス分離膜は通常より高温でガス透過速度が大きくなるので効率よく分離するうえで好適である。更に、分離膜モジュールを長期間使用すると、ハロゲン化合物ガスが分離膜に吸着して分離性能を低下させることがある。ハロゲン化合物ガスの分離膜への吸着は、分離膜モジュールの温度を高く保つことによって抑制できる。保持される温度は40℃以上、好ましくは80℃以上が好適である。一方、より高温にすると、分離膜モジュールは膜以外の部品も含めて耐熱性が必要になるしエネルギー消費によって経済性も低くなるから、保持される温度は200℃以下、好ましくは180℃以下、更に150℃以下が好適である。
したがって、本発明においては、供給する混合ガスやガス分離膜モジュールの温度を調節するための温調手段、例えば温度センサーとヒーターとが好適に備えられる。
本発明の装置においては、必要に応じて、ダストフィルター、オイルセパレーター、ミストセパレーター、スクラバー、温度計、圧力計、吸着剤処理装置、濃度計、減圧弁、流量制御弁、加熱装置、冷却装置、加圧装置、減圧装置、タンクなどを備えて構成される。ハロゲン化合物ガスを含む混合ガス中に微量の不純物(例えば、使用中にハロゲン化合物ガスが劣化したガス)を含む場合には、一段目の分離膜モジュールへ供給する前に吸着剤処理装置やスクラバーによって除去するように構成してもよい。混合ガス中のハロゲン化合物ガスの濃度が極めて低い場合には、一段目の分離膜モジュールへ供給する前に1体積%程度好ましくは3体積%程度になるまでの予備濃縮手段が配置されても構わない。
本発明において、ハロゲン化合物ガスを分離回収する場合には、分離回収するハロゲン化合物ガスの濃度が90体積%以上特に95体積%以上更に98体積%以上に精度よく自動制御することが可能になる。また、回収ロスは10%以下特に3%以下更に2%以下まで精度よく自動制御することが可能になる。
尚、本発明において、ハロゲン化合物ガスの回収ロス、回収率は、次式のようにして求めたものである。
Figure 2005161187
次に、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではない。
使用した装置は概略が図4に示されたものであって、一段目の分離膜モジュール、原料ガスタンク、二段目の分離膜モジュール、コンプレッサー、バッファタンク、バイパス回路、ヒータ及び温度調整器、圧力センサー、圧力調整器、ニードルバルブ、流量計、赤外線式ガス濃度分析計、流量制御器(ピエズバルブ、流量コントローラ付き)などから構成されている。
分離膜モジュール15、22はいずれも、内径が約400μmの非対象芳香族ポリイミド中空糸膜からなる宇部興産株式会社製NM−B05型(モジュール外径50mm、中空糸有効長さ500mm、実効膜面積2.3m、耐圧1.0MPaG)を用いた。これらの分離膜モジュールはヒーターと温度調節器とによって100℃に温調された。
原料ガスタンク11は容積が205l、耐圧が0.6MPaGである。バッファタンク13、21は容量がそれぞれ50lと15lの耐圧容器である。
コンプレッサー12はDILO社製のTM2.5E型であり、原料ガスタンク11と分離膜モジュール15の間に取り付けてあり、モジュールへの供給ガス圧を一定の圧力まで昇圧するために用いる。このコンプレッサーの処理量は最大86l/min、最高供給圧力は1.0MPaGである。これは真空ポンプを備えており、ともにオイルレスである。
コンプレッサー19はアネスト岩田社製のOFP−02B型であり、分離膜モジュール15と分離膜モジュール22の間に取り付けてあり、分離膜モジュール15の透過ガス排出口から排出されるガスを昇圧して分離膜モジュール22へ供給するために用いる。このコンプレッサーもオイルレスであり、最高供給圧力は0.69MPaGであり、処理流量は最大22l/mimである。コンプレッサー19は分離膜モジュール22の透過ガス排出口から排出されるガス流量が小さい場合に吸気量が排気量を上回ってしまい、コンプレッサーとして働かない可能性が有るから、コンプレッサー19の排気側から吸気側にバイパス回路を設け、その経路に設けたニードル弁によって吸気量を調節して、分離膜モジュール15とコンプレッサー19の間の圧力を−0.03〜0.03MPaGの範囲に設定できるように構成されている。
ガス濃度検出手段としては赤外線式ガス分析計(島津製作所社製のURA−107型)が用いられて、分離膜モジュール15の非透過ガス排出口から排出されるガス濃度を測定している。この赤外線式ガス分析計は波長が2.5〜12μmの赤外線スペクトル領域における、分子固有の赤外線吸収効果を利用するものであり、10秒間で1回の測定が可能であり、資料ガス中のSFガス濃度を連続的に測定することができる。測定範囲はSFガス濃度が0〜100体積%であり、その濃度に対して0〜16mAの出力信号を出す。この出力信号を312.5Ωの抵抗によって0〜5Vの電圧に変換し、ガス流量調節手段を制御するための制御信号として用いた。
更に、赤外線式ガス分析計は、分離膜モジュール15の非透過ガス排出口からガス回収タンクへ導かれる配管からバイパス回路を形成して常に一定量(0.5l/mim)のガスを分析するように構成した。
制御装置26としてはSTEC社製のPCU−2100を用いた。これに赤外線式ガス分析計の出力信号を入力し、回収するSFガスの設定値(100体積%が5V)と比較して偏差を算出し、その偏差に基づいて比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で応答動作をおこなうように応答動作の大きさを決定し、その応答動作が行われるようにガス流量調節手段に対して0〜5Vの制御信号を出力する。
ガス流量調節手段16としては、エステック社製のPV−1202を用いている。このバルブはピエゾ効果を利用したピエゾバルブであって、積層した圧電素子に直流電圧を加えて結晶を歪ませ、この伸縮をバルブ開度の制御に応用したものである。赤外線式ガス分析計の信号が制御装置に入力され、制御装置26で比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で応答動作が行われるように出力信号(0〜5V)が決定され、その信号をピエゾバルブが受けてその開度が制御される。但し、PV−1202では0〜約3.5Vの初期信号に対してバルブが全開状態になるように設定されている。このために目的とする回収ガス濃度の制御に不都合が生じるので、3.5Vよりも0.25Vだけ低い3.25Vをバイアス電圧として与えるための付加回路を追加した。0.25Vは外来ノイズなどに対してバルブの誤動作を防ぐための裕度とした。この結果、制御電圧が3.25Vを越えるとバルブが開き始め、制御電圧が5Vで開度が100%となった。
〔参考例1〕
一定濃度の混合ガスを分離膜モジュール15に供給し、非透過ガス排出口から回収されるガス濃度を測定し、透過ガス排出口から排出されるガスは外部に開放してガス分離膜モジュールに供給される混合ガスの流量を変化させたときに分離回収されるガス濃度がどのように変化するかを確認した。
すなわち、ピエゾバルブの開度を手動により80%に設定して赤外線式ガス分析計の出力信号が一定になったことを確認した後で、瞬時にピエゾバルブの開度を0%(閉)にした。このときの、ピエゾバルブ制御電圧及び分離膜モジュール15の非透過ガス排出口から回収されるSFガス濃度と運転時間との関係を図2に示した。また、ピエゾバルブの開度が0%(閉)の状態から瞬時に開度を80%に変化させたときの、前記制御電圧及びSFガス濃度と運転時間との関係を図3に示した。尚、原料ガスはNガスが90体積%とSFガスが10体積%からなる混合ガスであり、分離膜モジュール15への供給圧力は0.7MPaGである。
〔実施例1〕
図4の装置において、二段目の分離膜モジュール22の非透過ガス排出口から排出されるガスを原料ガスタンク11へ循環させるようにした。また、分離膜モジュール22の非透過ガス排出口から排出されるガス流量はガス流量調節手段23によって1.1l/minの一定に保った。原料の混合ガスはNガスが90体積%とSFガスが10体積%からなる混合ガスであり、原料ガスタンクの初期圧力は0.2MPaG、バッファタンク13には0.8MPaGまで原料ガスを充填した。分離膜モジュール15へ供給するガスの圧力は圧力調整弁によって0.7MPaGに制御した。更に、赤外線式ガス分析計へバイパスされる回収ガスの流量をニードル弁によって0.5l/mimに制御した。
また、流量制御は、回収するSF6ガスの設定値(98体積%)と比較して偏差を算出し、その偏差に基づいて比例動作が1、積分動作が1.56、微分動作が0.16の配分比率で出力信号が形成されるように調整した。
前記条件下で、流量制御装置の操作を開始させて、制御電圧の変化と分離膜モジュール15の非透過ガス回収口から回収されるSFガス濃度と運転時間との関係を図7に示した。
この図から判るように、バルブ操作を開始してから約800秒の後には設定ガス濃度の98体積%が達成され、その後98体積%で安定してSFガスが分離回収できた。回収率98.8体積%、回収ロスは1.2体積%であった。
〔比較例1〕
比例動作が1、積分動作が1、微分動作が1.5の配分比率で出力信号が形成されるように調節したこと以外は実施例1と同様の操作をおこなったところ、オーバーシュートを繰り返して(振動状態になって)設定ガス濃度の98体積%で安定してSFガスが分離回収することはできなかった。
〔比較例2〕
比例動作が1、積分動作が0.15、微分動作が0.16の配分比率で出力信号が形成されるように調節したこと以外は実施例1と同様の操作をおこなったところ、回収ガスされたガスのSFの濃度は、設定した98体積%にならないで、96体積%であった。
本発明は、取り扱いを厳密におこなう必要があり、大気中に排出することが抑制されなければならないハロゲン化合物ガスなどのガスを含む混合ガスから、高濃度で且つ高回収率(低回収ロス)で精度よく前記ガスを分離回収することが可能になる。また、分離回収したガスは再利用するなどの目的に応じて好適に処理することが容易になる。
ガス分離膜モジュールにおいて流量制御操作をおこなったときの挙動を説明するための、ガス分離膜モジュールを用いたガス分離の概念図である。 ガス分離膜モジュールにおいて流量制御操作をおこなったときの挙動の一例である。具体的には、参考例1における、制御電圧及び回収SF6ガス濃度と運転時間との関係を測定した図である。 ガス分離膜モジュールにおいて流量制御操作をおこなったときの挙動の一例である。具体的には、参考例1における、制御電圧及び回収SF6ガス濃度と運転時間との関係を測定した図である。 本発明の装置の一実施形態の構成を示す概略図である。 本発明の装置の別の一実施形態の構成を示す概略図である。 本発明の装置の別の一実施形態の構成を示す概略図である。 実施例1における、制御電圧及び回収SF6ガス濃度と運転時間との関係を測定した図である。
符号の説明
10:本発明の装置を構成する部分(範囲を示している。)
11:ハロゲン化合物ガスを含む混合ガス源(原料ガスタンク)
12、19:加圧装置(コンプレッサー)
13、21:バッファタンク
14:圧力調整弁
15:一段目のガス分離膜モジュール
16、20、23、33:ガス流量調節手段(弁)
17、30、33:ガス濃度検出手段
18:ガス回収容器
22:二段目のガス分離膜モジュール
24:逆止弁
25:回収タンク
26、31、33:制御装置

Claims (8)

  1. ガス供給口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有するガス分離膜モジュールと、前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口のいずれかから回収される回収ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス分離膜モジュールのガス供給口へ供給されるガスの圧力又は流量、又は前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口から排出されるガスの圧力又は流量のいずれかを調節する調節手段とを備え、前記調節手段を調節することによって前記回収ガスのガス濃度を設定濃度に自動的に制御するように構成されたガス分離回収装置であって、
    前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作をおこなうように構成したことを特徴とするガス分離回収装置。
  2. ガス分離膜モジュールの非透過ガス排出口がガス濃度検出手段及びガス流量調節手段を介して回収容器に接続され、前記ガス流量調節手段によってガス流量を調節することによって、非透過ガス排出口から得られる回収ガスのガス濃度を制御するように構成されたガス分離回収装置であることを特徴とする請求項1に記載のガス分離回収装置。
  3. ガス濃度検出手段が赤外線式ガス分析計であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のガス分離回収装置。
  4. 赤外線式ガス分析計に一定流量の回収ガスが流れるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のガス分離回収装置。
  5. ガス流量調節手段がピエゾバルブであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス分離回収装置。
  6. SF6ガスを3〜60体積%含有する混合ガスを供給して、濃度が90体積%以上のSFガスを分離回収することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス分離回収装置。
  7. 少なくとも一段目と二段目の分離膜モジュールを備え、一段目の分離膜モジュールのガス供給口は混合ガス源に接続され且つ非透過ガス排出口はガス流量調節手段とガス濃度検出手段とを介して回収容器に接続され、二段目の分離膜モジュールのガス供給口は一段目の分離膜モジュールの透過ガス排出口に接続され且つ非透過ガス排出口は混合ガス源に接続されて構成される前記請求項1〜6のいずれかに記載のガス分離回収装置。
  8. ガス供給口、透過ガス排出口及び非透過ガス排出口を有するガス分離膜モジュールと、前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口のいずれかから回収される回収ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス分離膜モジュールのガス供給口へ供給されるガスの圧力又は流量、又は前記ガス分離膜モジュールの透過ガス排出口又は非透過ガス排出口から排出されるガスの圧力又は流量のいずれかを調節する調節手段とを備え、前記調節手段を調節することによって前記回収ガスのガス濃度を設定濃度に自動的に制御するように構成されたガス分離回収装置において、
    前記ガス濃度検出手段で検出された回収ガス濃度と予め設定した設定濃度との偏差に基づいて、比例動作が1、積分動作が1〜3、微分動作が0.1〜0.3の配分比率で前記調節手段が応答動作をおこなうことを特徴とするガス分離回収方法。

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