JP2005161104A - 有害物質吸着体およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】液体中に溶解したダイオキシン類等の有害物質を効率良くかつ低費用で除去し得る有害物質吸着体を提供する。
【解決手段】ポリアクリルアミドヒドロゲルに二本鎖DNAを固定してなることを特徴とする有害物質吸着体。有害物質吸着体は成形体またはビーズ状であることができ、有害物質は特にダイオキシン類である。有害物質吸着体は、二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとを混合し、そして重合することにより製造でき、特に、二本鎖DNA、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドおよび水を含んでなる水相と、シクロヘキサンを含んでなる油相を懸濁しつつ、重合開始剤を添加することからなる逆懸濁重合が好ましい。また有害物質吸着体を充填して有害物質吸着カラムとすることもできる。
【選択図】無し

Description

本発明は、廃水の処理に用いる吸着体およびその製造方法に関する。より特には、水や牛乳、母乳等の液体中から有害物質、特にダイオキシン類を効率良く濃縮および/または除去できる二本鎖DNAが固定された有害物質吸着体、およびその製造方法に関する。
ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(PCB)は、それらの類似した構造、化学特性、および生態系中での作用機構のために、しばしば“ダイオキシン類”として一緒に扱われ、食物連鎖を通して取り込まれて多くの生物中に蓄積される有害物質である。これらのダイオキシン類は極微量でも人体に悪影響を及ぼす惧れがあるため、ダイオキシン類の発生抑制と汚染された環境からのダイオキシン類の除去は重要な課題である。特に、川や湖沼等の水中に存在するダイオキシン類は、不溶性微粒子表面に付着しているものと、水に溶解しているものとがあり、前者は微粒子と共に凝集して除去することができるが、後者の除去は非常に困難であった。
ところで、魚類の白子はDNAおよびタンパク質を多量に含んでおり、非常に栄養価の高い食材であることが知られている。しかしながら魚類の白子はごく一部が鮮食用として利用されているのみで、加工の困難さ、短い保存可能期間等の理由からその利用分野は限られており、大部分は廃棄処分されていた。特に、北海道で大量に水揚げされる鮭の白子は年間1万トン以上が飼料や肥料に使われるか廃棄処分されている。
ダイオキシン類を除去する手段としては、被処理液を活性炭が流動している膜分離装置内に投入し、該活性炭に水中に溶解したダイオキシン類を吸着させ、活性炭や浮遊物質などの固形分を膜分離によって除去してダイオキシン類を除去することが挙げられる。該手段では、溶解性のダイオキシン類を活性炭に吸着させ、その活性炭と固形分に吸着されているダイオキシンを膜によって濾過することにより、ダイオキシン類を除去することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−239347
本発明は、水や牛乳、母乳等の液体中に溶解したダイオキシン類等の有害物質を、効率良くかつ低費用で除去し得る有害物質吸着体の提供を目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとを混合し重合させる単純な操作により、直線状のDNAと、アクリルアミドおよびメチレンビスアクリルアミドが重合して形成されるポリマーネットワークとが、所謂semi−IPN(semi-interpenetrating polymer network)をなし、それによりDNAをポリアクリルアミドヒドロゲルに安定かつ優れた有害物質の吸着能を奏する状態で固定し得ることを見出した。そして係るDNA固定ポリアクリルアミドヒドロゲルを有害物質の吸着体として使用すると、二本鎖DNAの塩基対の間に平面構造を有する芳香族化合物が入り込む、所謂インターカレーションが生じて、水や牛乳、母乳等の液体中に溶解した有害物質、特にダイオキシン類を効率良く濃縮および/または除去することができることを確認して本発明を完成させた。
また前記のDNAを固定したポリアクリルアミドヒドロゲルからなる有害物質吸着体は、ダイオキシン類等の有害物質の吸着後、有機溶媒により容易に有害物質を脱着できることも見出した。
従って本発明は、ポリアクリルアミドヒドロヒドロゲルに二本鎖DNAを固定してなることを特徴とする有害物質吸着体に関する。
また本発明は、二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとを混合し、そして重合することを特徴とする有害物質吸着体の製造方法にも関する。
さらに本発明は、ポリアクリルアミドヒドロゲルに二本鎖DNAを固定してなる有害物質吸着体を充填したことを特徴とする有害物質吸着カラムに関する。
本発明の有害物質吸着体は、有害物質を含有する溶液と接触させることにより、有害物質をポリアクリルアミドヒドロゲル中に浸透させDNAにインターカレーションさせて除去することができる。特に、本発明の有害物質吸着体では、吸着にDNA中へのインターカレーションを利用するため、平面構造を有するダイオキシン類を効率良く濃縮分離することができる。さらに本発明の有害物質吸着体は、DNAにインターカレーションした有害物質を、有機溶媒で抽出してDNAから脱着することができ、有害物質吸着体を再生させて再利用することが可能である。
また、本発明の有害物質吸着体の製造方法では、二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとからなる混合物を重合することにより、粒状、粉状または異形の成形体である有害物質吸着体を容易かつ効率的に製造することができる。また、逆懸濁系を用いて該重合を行うことにより、得られる粒状または粉状の有害物質吸着体の寸法を様々に変化させて製造を行うことができる。
本発明の有害物質吸着体は、ポリアクリルアミドヒドロゲルに二重螺旋構造を有するDNAを固定してなることを特徴とする。
本発明で用いる二重螺旋構造を有するDNAは、右巻き螺旋型を有する二本のポリヌクレオチド鎖からなる。二本のポリヌクレオチド鎖の糖−リン酸骨格では、構造的相補性を有する平面的な塩基同士が螺旋の軸に対して垂直にらせんの中央部に向かって突出し合い水素結合で結合している。DNAの二本鎖の塩基対と塩基対の間には、B型構造の場合、幅約1.1nm、高さ約0.34nmの隙間があり、平面構造を有する小分子はこの隙間に入り込むことが可能であって、これをインターカレーションと呼ぶ。この現象は小分子の電荷や疎水性により促進される場合がある。ダイオキシン類は複数のベンゼン環からなる平面構造を有し、疎水性を示すことから、DNAへのインターカレーションは水中からダイオキシンを除去するし得る有効な手段である。
前記DNAとしては例えば、魚類の白子を原料としたものを使用することができる。魚類の白子の核はDNAを多く含み、また従来は廃棄されていた材料であることから、DNAの安価な大量生産のための原料として適している。該魚類としては例えば鮭、鰊、鱒、鱈等を挙げることができ、これらの白子から皮、筋、血管等を除去した後、油分を除き精製することによってDNAを得ることができる。
本発明の有害物質吸着体は様々な形状を有することができる。例えば、円柱状、角柱状、板状、円形状の形状とした成形体であることができ、また略球形のビーズ状であること
もできる。
本発明の有害物質吸着体で処理可能な有害物質は多岐にわたるが、DNAへのインターカレーションを利用することから、平面的な立体構造を有する有機化合物、例えば芳香族環を有する化合物を好ましく処理することができる。特にジベンゾ−p−ダイオキシン(DD)、ジベンゾフラン(DF)、ビフェニル(BP)、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(PCB)等のダイオキシン類の処理に本発明の有害物質吸着体は有効である。
本発明の有害物質吸着体は、二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとを混合し、重合開始剤の添加によって、メチレンビスアクリルアミドを架橋剤としてポリアクリルアミドヒドロゲルを形成することによって製造することができる。ここでポリアクリルアミドヒドロゲルの形成時に、二本鎖DNAは、安定かつ有害物質を効率的に吸着し得る状態でポリアクリルアミドヒドロゲルに固定される。
前記重合として特に有利なものは逆懸濁重合である。逆懸濁重合は例えば、二重螺旋DNA、過硫酸アンモニウム、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドおよび水を含んでなる水相と、シクロヘキサンおよび界面活性剤を含んでなる油相を激しく攪拌することによって逆懸濁状態を形成し、ここに開始剤を添加することによって行うことができる。この重合方法で得られる有害物質吸着体はビーズ状となり、ビーズの寸法は重合条件を変化させることにより適宜調節可能である。
また、本発明の有害物質吸着体を適当な容器に充填することにより、有害物質吸着カラムとすることができる。カラムの形状、材質、寸法、カラムへの有害物質吸着体の充填量等は従来技術に既知のものから適宜選択することができる。
本発明の有害物質吸着体による被処理水からの有害物質の除去は、有害物質吸着体と非処理液とを接触することにより行われる。例えば、非処理液を接触槽に収容し、そして該収容槽に前記吸着体が投入することによりバッチ式で行うことができ、また有害物質吸着体を充填した接触槽中に非処理液を循環させることにより連続式で行うことができる。
本発明の有害物質吸着体を用い、被処理水からの有害物質の除去を連続式で行うための装置の一例を図1に図示する。図1に図示する態様の有害物質除去装置は、有害物質吸着体2を充填した接触槽1と、接触槽1に接続された被処理液循環手段3とを含んでなる。
上記構成の有害物質除去装置を用いた有害物質の除去では、接触槽1に有害物質吸着体2を充填し、被処理液を被処理液循環手段3により接触槽1に循環させる。すると、被処理液中に含まれるダイオキシン類等の有害物質が有害物質吸着体2に固定されたDNAにインターカレーションし、その結果、被処理液中から有害物質が除去される。
こうして有害物質を吸着した有害物質吸着体2は、接触槽1から取り除き、そして焼却等の既知の方法により最終的に処理することができる。また、有害物質吸着体2の有害物質の吸着能が低下した場合に被処理液の循環を停止し、そして接触槽1に有機溶媒を循環させことにより、有害物質吸着体2から有害物質を脱着して有機溶媒へと移動させることもできる。有害物質が脱着された有害物質吸着体2は再生され、当初の有害物質吸着能を奏することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:円柱状有害物質吸着体の製造
1.5mLマイクロチューブを成形型として使用して、DNAを含有する円柱状のポリアクリルアミドヒドロゲルを製造した。
二本鎖DNA(鮭白子から製造、平均分子量:約6.6×106、10kbp、日本化学飼料株式会社より購入)、アクリルアミド、およびメチレンビスアクリルアミドを様々に変化させた量で混合し、混合物を成形型に充填した。該混合物に過硫酸アンモニウム10μL(10w/v%)を添加し、混合物を2分間振盪攪拌した。
次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン2μLの添加により、25℃で4時間重合させた。最後に、得られた円柱状のヒドロゲルを成形型から除去し、そして蒸留水10mLで洗浄して、本発明の有害物質吸着体を得た。
実施例2:ビーズ状有害物質吸着体の製造
DNAを含有するポリアクリルアミドヒドロゲルビーズを逆懸濁重合により製造した。
水相として、所望量の二本鎖DNA(鮭白子から製造、平均分子量:約6.6×106、10kbp、日本化学飼料株式会社より購入)、過硫酸アンモニウム0.1g、アクリルアミド9.0g、およびメチレンビスアクリルアミド1.0gを含有する水溶液50mLを調製し、また油相として、シクロヘキサン50mLおよび界面活性剤であるソルビタンモノステアレート5mgを含有する混合物を製造した。
こうして得た水相を、100mLエレンマイヤーフラスコ中で油相中に分散させ、直径15mmおよび長さ140mmの寸法の磁気攪拌器を約800rpmの速度で回転させて激しく攪拌し逆懸濁を形成した。その後、系を窒素でパージし、0℃に5分間冷却した。
次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン200μLの添加により、室温で4時間重合させた。形成したヒドロゲルビーズを濾過により分離し、そしてシクロヘキサン20mLおよび蒸留水100mLで洗浄して、本発明の有害物質吸着体を得た。
以下の表1に、製造条件およびDNAの残存率を示す。
Figure 2005161104
1:各場合において、アクリルアミド2.5Mおよびメチレンビスアクリルアミド0.13を使用した。
2:前記量のアクリルアミドおよびメチレンビスアクリルアミドのみを含む溶液の粘度は1.34±0.03cPであった。
表1から明らかなように、水相中のDNA濃度は得られる有害物質吸着体の直径に影響を及ぼし、DNA濃度の上昇につれて有害物質吸着体の直径は増加した。これはDNA濃度の上昇が水相の粘度の増加を引き起こすためであると考えられる。
得られた有害物質吸着体の顕微鏡写真を図2に図示する。図2(A)は3.8mMのDNA濃度で製造した有害物質吸着体であり、図2(B)は7.6mMのDNA濃度で製造した有害物質吸着体であり、また図2(C)は15.2mMのDNA濃度で製造した有害物質吸着体である。各顕微鏡写真において、白色の棒体は2.0mmを表す。
試験例1:有害物質吸着体中のDNA残存量の測定
有害物質吸着体中のDNAの安定性を評価するために、実施例1で製造した円柱状有害物質吸着体について、水性環境下で定温放置した後に有害物質吸着体中のDNA残存率を
測定した。ここで実施例1で製造した有害物質吸着体を用いた理由は、有害物質吸着体の形状および寸法を均一にするためである。
有害物質吸着体1.0mLを、蒸留水20mL中で6日間、毎日水を交換しながら定温静置した。その後、試料を水中から取り出し、濃硫酸(98%)1.0mL、過酸化水素溶液(30v/v%)4.0mL、およびCuSO4水溶液(5w/v%)約4滴を含む30mLケルダールフラスコ中で蒸解した。間欠的に数滴の過酸化水素溶液を添加しつつ、混合物を透明な溶液が得られるまで加熱した。得られた溶液を蒸留し、そしてホスホモリブドナバナデート法によりP元素分析を行い、DNA残存率を決定した。
結果を図3に図示する。図3(A)は、DNA濃度3.8mMおよびアクリルアミドとメチレンビスアクリルアミドとのモル比1:19.5で、アクリルアミド濃度を変化させた場合を図示し、図3(B)は、DNA濃度3.8mMおよびアクリルアミド濃度2.5(白丸)または1.3(黒丸)で、アクリルアミドとメチレンビスアクリルアミドとのモル比を変化させた場合を図示し、そして図3(C)は、アクリルアミドとメチレンビスアクリルアミドとのモル比1:19.5およびアクリルアミド濃度2.5で、DNA濃度を変化させた場合を図示する。
図3(A)に図示されるように、アクリルアミド濃度はDNA残存率と強い相関を有していた。有害物質吸着体中のDNA残存率は、アクリルアミド濃度が0.5Mである場合と1.0Mである場合との間で顕著な差異を示した。一方、アクリルアミド濃度が1.0より大きいものでは、DNAは有害物質吸着体中でより安定に存在していた。
また図3(B)に図示される例では、モル比が5.1/100であるとき(重量比率で1:9)、有害物質吸着体は白色となり、一方、2.4/200であるときには透明となった。この現象は、モル比が5.1/100より高い場合に有害物質吸着体の構造が不均一になっていることを示唆した。不均一な構造はDNAを不安定にし、これはモル比が11.5/100の場合に特に顕著であった。
図3(C)に示される結果によれば、DNA残存率は、重合に用いるDNA濃度の増加と共に低下した。
試験例2:有害物質吸着体からのDNAの溶離
実施例1で製造した有害物質吸着体を、試験例1と同じ条件で定温静置し、有害物質吸着体から溶離するDNAの量を測定した。
溶離液中のDNA濃度は、残留するアクリルアミドモノマーの影響を排除するために、CDスペクトルを使用して評価した。
結果は、DNAの溶離は静置3日後に最大に達し、そして静置6日後に溶離が検出されなくなることを示した。
さらに、DNA着色剤として既知である臭化エチジウムを使用して、有害物質吸着剤中の二重螺旋DNAを検出した。
その結果、本発明の有害物質吸着剤は赤く着色され、このことからも有害物質吸着剤に二重螺旋DNAが固定されていることが解った。
試験例3:有害物質吸着体によるダイオキシンの吸着
ジベンゾ−p−ダイオキシン(DD)、ジベンゾフラン(DF)およびビフェニル(BP)のエタノール溶液(1mg/mL)10μLを蒸留水10mLと混合した。次いで、実施例1で製造した有害物質吸着体(アクリルアミド:メチレンビスアクリルアミド=9:1(重量)、DNA2.5g含有)1.0mLまたは純ポリアクリルアミドヒドロゲル(アクリルアミド:メチレンビスアクリルアミド=9:1(重量)、DN未含有)1.0mLを、蒸留水中で6日間定温静置した後にダイオキシン類を含む溶液と混合した。これらを振盪混合しながら24時間定温静置し、その後、溶液から有害物質吸着体および純ポリアクリルアミドヒドロゲルを除去した。それらをヘキサン5mL中に12時間浸漬してダイオキシン類を抽出し、そしてヘキサン中のDD、DFおよびBPをそれらの紫外線吸収を利用して分光計により測定した。
結果を図4に図示する。図4では、有害物質吸着体についての結果を黒色の棒グラフで、純ポリアクリルアミドヒドロゲルについての結果を白色の棒グラフで図示する。
図4から明らかなように、DD、DFおよびBPについて、本発明の有害物質吸着体はDNAを固定していないポリアクリルアミドヒドロゲルと比較して遥かに大きい吸着能を示した。これは、有害物質吸着体に固定された二重螺旋DNAへダイオキシン類がインターカレーションしたことを示している。
試験例4:有害物質吸着体の再生
有害物質吸着体10mLをガラスカラム(φ16×200mm)に充填し、DD、DFおよびBPを50μg含む溶液(水:エタノール99.5:0.5)100mLをカラムに5mL/分の流速で流した。そして、カラムから流出した溶液についてHPLCによる分析を行い、ダイオキシン類の除去率を決定した。
次いで、ヘキサン50mLおよび混合溶液(水:エタノール99.5:0.5)100mLを2mL/分の流速でカラムに流し、有害物質吸着体の再生処理を行った。
前記のダイオキシン類の吸着および有害物質吸着体の再生を5回繰り返した。
結果を図5に図示する。図5では、DDについての結果を黒色の棒グラフで、DFについての結果を斜線を引いた棒グラフで、またBPについての結果を白色の棒グラフで図示する。
図5から明らかなように、有害物質吸着体は4回の再生処理を行っても、ダイオキシン類の除去率は約90%と高く維持されていた。これは、ヘキサンを用いた有害物質吸着体からのダイオキシンの抽出は、有害物質吸着体に固定された二重螺旋DNAに損傷を与えないことを示す。
図1は、本発明の有害物質吸着体を使用する装置の態様を図示する模式図である。 図2は、本発明の有害物質吸着体の顕微鏡写真である。 図3は、試験例1の結果を図示するグラフである。 図4は、試験例3の結果を図示するグラフである。 図5は、試験例4の結果を図示するグラフである。
符号の説明
1 接触槽
2 有害物質吸着体
3 被処理液循環手段

Claims (7)

  1. ポリアクリルアミドヒドロゲルに二本鎖DNAを固定してなることを特徴とする有害物質吸着体。
  2. 前記有害物質吸着体は、粒状、粉状または異形の成形体であることを特徴とする、請求項1記載の有害物質吸着体。
  3. 前記有害物質はダイオキシン類であることを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか一項に記載の有害物質吸着体。
  4. 二本鎖DNAと、アクリルアミドと、メチレンビスアクリルアミドとを混合し、そして重合することを特徴とする有害物質吸着体の製造方法。
  5. 前記重合は逆懸濁重合で行い、前記逆懸濁重合は、二本鎖DNA、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドおよび水を含んでなる水相が、シクロヘキサンを含んでなる油相に分散する系から逆懸濁させ、その逆懸濁系に重合開始剤を添加することによって行うことを特徴とする、請求項4記載の有害物質吸着体。
  6. ポリアクリルアミドヒドロゲルに二本鎖DNAを固定してなる有害物質吸着体を充填したことを特徴とする有害物質吸着カラム。
  7. 前記有害物質はダイオキシン類であることを特徴とする、請求項6記載の有害物質吸着カラム。
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