JP2005160274A - 動力装置およびそれを用いた冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータ特性を損なわない箇所に隔壁部を設けると共に、高効率で高トルクのモータ特性を有するモータを用いた動力装置を提供すること。
【解決手段】 動力装置10は、ローターマグネット41と外側カップリングマグネット25を軸方向に離間して設けた回転軸31と、電機子コイル34と、一部に軸受部21と円筒状で薄い壁厚の隔壁部19とを備え密封構成のケーシング13と、ケーシング13の軸受部21に軸支し、内側カップリングマグネット27を備えた出力軸30とからなり、前記ローターマグネット41と前記電機子コイル34とを回転可能に対向配置し、前記外側カップリングマグネット25と前記内側カップリングマグネット27とを前記隔壁部19を介して対向配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、密封される隔室の構成が必要な産業機器に適用するための動力源として、出力用回転軸を隔壁部によって密封状態に分離するように構成したマグネットカップリング機構を備えたブラシレス直流モータからなる動力装置およびそれを用いた冷凍機に関する。
超電導磁石、各種分析装置、各種測定用基材等を極低温に維持するために、高性能な極低温冷凍機が用いられている。この極低温冷凍機において不良率を極限まで下げようとする場合は、可動部分周りを重視する傾向にある。
例えば、
(1)製造及び組立時に混入したり、或いは連続運転時に作動ガスや構成部品等から発生する水分、不純物ガス、例えば二酸化炭素等のコンタミ(不純物)を完全に除去することができない場合があった。このため、冷凍装置本体内のコンタミが金属メッシュ部材等からなる蓄冷材を通過する際に集積・凝固して、金属メッシュ部材等に目詰まりを引き起こしていた。この結果、作動ガスが蓄冷材を通過する際に圧力損失が生じて、膨張空間での膨張仕事が減少すると共に、蓄冷材での熱交換効率の低下を引き起こし、冷凍特性が大きく低下することになる。
(2)また、駆動源にモータを用いる場合には、冷却ガスの漏洩を防止するためにモータも含めてクランクケースを密封することが行われている。しかし、モータには金属材料以外の各種材料からなるコイル巻線等が用いられているため、このコイル巻線等が主にコンタミを発生することになる。
これらコンタミによる悪影響を抑制するために、モータ内に、コイル巻線とローターとの間をガス密に隔離するカップ状の隔壁を設け、該隔壁とクランクケースを相互に連通するように一体に連結する先行技術(例えば、特許文献1参照)が既に提案されている。
前記特許文献1記載のスターリング冷凍機は、クランクシャフト、結合ロッドを駆動する偏芯カム、クランクケース、クランクケースに係止される非磁性カップ状カバーを有し、非磁性カップ状カバーは直接クランクシャフトに連結されるモーターの回転子(ローター)を収容している。ブラシレスモーターの電機子(ステータ)と位置センサ組立体は、非磁性カップ状カバーおよびローター上に同軸配置される。シリンダーはヘッドから突出配置される。
この先行技術には、このようなスターリング冷凍機において、電機子からなる固定子組立体をガス雰囲気の外に配置する配置構成が、ガスの汚濁を妨ぎ、冷却機としての寿命を長くすることが記載されている。
米国特許第4769997号明細書
この先行技術の第1の欠点は、ブラシレス直流モータのステータと永久磁石よりなるローターの間に、ガス室を大気から密封するための隔室として非磁性のカップ状カバーを設けている点にある。この隔壁を内蔵したブラシレス直流モータは動力装置を構成する。
このカップ状カバーの厚みにより電機子と回転子との間の磁気的ギャップが増大されることになり、回転子と鎖交する電機子コイルの有効鎖交磁束が減少する。さらにカップ状カバーの材質が非磁性ではあるが金属などの場合には、その導電性のために鉄損を増大せしめ、その結果、出力トルクを低下させるとともに電機子コイルの電流を増加し、効率が劣化する不都合が発生する。
また、第2の欠点として、出力トルクを増大するために電機子コイルの巻き数を多くすると、スロットルの容積が決まっているので、細線を使用せざるをえず、このため、抵抗が増大して効率が劣化する不都合があると同時に、コイルスロットヘ収納する工程、およびコイルエンドの処理の作業が煩雑となる問題がある。
第3の欠点としては、有効鎖交磁束を増大するために前記カップ状のカバーからなる隔壁の厚みを薄くすると、高圧の作動ガスに対して耐圧強度が劣化するので、これを改善するためには隔壁の内径を小さくしなければならず、隔壁の内径を小さくするとマグネットローター径も小さくなり、マグネットローター径が小さくなると有効鎖交磁束が減少して出力トルクが減少するという不都合が循環して発生する。
また、第4の欠点としては、短形の電機子コイルを貫挿するようにマグネット回転子を設けているので、短形の電機子コイルの磁束を有効に閉じるために磁性体として珪素鋼板が使用され、このため鉄損が多くなり、高速時の効率も劣化して、用途が制限される。
さらに、第5の欠点として、非磁性であり導電体である隔壁での鉄損は、磁束が差交する隔壁の実効体積即ち隔壁のラジアル方向の厚み、軸方向の長さ及びカップ状円筒部内径と、鎖交磁束数とその時間的変化率(モータの回転数)等に関係する。そのために、モータ出力を増大しようとすると、即ち、回転数を増大すると共にトルクを増大しようとすると、鉄損を増大せしめるという矛盾した問題が生じる。
本発明の目的は、前記各欠点に鑑み、モータ特性を損なわない箇所に隔壁部を設けると共に、高効率で高トルクのモータ特性を有するモータを用いた動力装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の動力装置をコンタミの影響がでないように適用した冷凍機を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、動力装置を、ブラシレス直流モータとマグネチックカップリング機構を備え、モータ駆動部と出力取り出し部とをマグネットカップリング機構により密封状態に分離しながら回転駆動力を伝達するように構成する。これにより、密封状態を保持しながら、モータの構造および諸特性を任意のものに設計することができ、モータの諸特性を従来例のものより改善する。また、マグネットカップリング機構と組み合わされるモータの構成は、任意に設計できる。例えば実施例1〜3の3種類のモータ構成を選択採用することができる。
本発明の冷凍機は、上記特徴を有する動力装置を動力源とするので、冷却効率を向上することができ、さらに、各種応用装置に用いられて装置の効率を改善する。
具体的には、
(1)動力装置において、ローターマグネットと外側カップリングマグネットを軸方向に離間して設けた回転軸と、電機子コイルと、一部に軸受部と円筒状で薄い壁厚の隔壁部とを備えた密封構成のケーシングと、前記ケーシングの軸受部に軸支し、内側カップリングマグネットを備えた出力軸とからなり、前記ローターマグネットと前記電機子コイルとを回転可能に対向配置し、前記外側カップリングマグネットと前記内側カップリングマグネットとを前記隔壁部を介して対向配置することを特徴とする動力装置。
(2)上記(1)記載の動力装置において、前記円筒状の隔壁部に円筒状の補強カラーを密着して設けることを特徴とする。
(3)上記(2)記載の動力装置において、前記ケーシングは非磁性体で形成され、前記補強カラーが強化樹脂で形成されることを特徴とする。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の動力装置において、前記回転軸における前記外側カップリングマグネットを設ける略円筒状部に連設して前記電機子コイルの外側に前記回転軸の長さ方向に外側円筒軸部を設けることを特徴とする。
(5)上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の動力装置において、前記ローターマグネットは2個の板状の環状磁石からなり、前記両環状磁石は前記回転軸の長さ方向に所定距離離間して該回転軸に前記板状の面が直交するように設け、前記両環状磁石の間に電機子コイルを設けることを特徴とする。
(6)シリンダとピストンからなる圧縮室と、シリンダと蓄冷器を備えたディスプレーサからなる膨張室と、前記両室を作動流体の移動が可能に連結する配管と、前記ピストンを駆動する回転−直線変換機構と、前記回転−直線変換機構に回転出力を伝達する動力装置とからなるスターリング冷凍機において、前記動力装置を上記(1)乃至(5)のいずれか1項記載の動力装置とし、前記ピストンを含み前記回転−直線変換機構を収納する筺体と前記動力装置のケーシングにより前記筐体内の作動流体を漏れないように構成することを特徴とする。
本発明の効果は以下のとおりである。
(1) 従来例のスターリング冷凍機のモータは、密封のための隔壁となるカップ状カバーによりローターとステータが分離されるため、カップ状カバーのためにモータの構造に制約がでると共に、ローターとステータの距離がカップ状カバーの分だけ離れることから、トルク特性等のモータの諸特性が劣化することになる。
これに対し、本発明の動力装置を構成するブラシレス直流モータは、同じく動力装置を構成するマグネットカップリング機構と、構造上2部分に分離されていて、密封構造はマグネットカップリング機構に設けてあるので、1つのマグネットカップリング機構に対して任意の構造のブラシレス直流モータを設計し用いることができ、モータの特性を向上させると共に任意の構成を採用することができるようになる。
また、出力軸を含み作動ガス(冷媒)で満たされる空間と、動力源のモータにより形成される空間を密封隔壁となるマグネットカップリング機構により隔離したので、上記従来例のようにモータのステータとローターの間に、冷媒ガス室を大気から密封するための隔室としての非磁性のカップ状カバーを設ける必要がなくなり、ステータとローターの間隔を近づけて巻線の発生磁束を有効に利用することができるようになる。
(2) 駆動力伝達機構にマグネットカップリング機構を用いたので、モータの回転軸と出力軸との間に適切なすべりを発生することでき、例えば、モータの起動時にモータの回転軸とマグネットカップリング機構の出力軸の間にすべりを発生することができて起動が容易にでき、また、モータの定常運転時にはすべりをほとんど無くして回転力を伝達することができるので回転制御が容易になり、モータに無理な力を作用させずに適切に駆動することができるようになる。
(3) モータをブラシレス直流モータとしたので、耐久性が高く、ノイズが少なく、制御性がよく、ブラシ等のコンタミを発生する部品を少なくすることができ、また、交流モータのように高周波ノイズを発生するインバータを使用することが無く、電圧制御による回転数制御、トルク制御を行うことができるので、ノイズが少なく、冷却特性を向上する低速・高トルク制御を行うことができるようになる。
(4) 本発明の冷凍機は、上記特徴を有する動力装置を動力源とするので、冷却効率を向上することができ、さらに、各種応用装置に用いられて装置の効率を改善することができる。
本発明の動力装置に用いられるブラシレス直流モータは、耐久性が高く、ノイズが少なく、制御性がよく、ブラシ等のコンタミを発生する部品が少なくなり、トルク−電流特性および回転数−電流特性がリニアなので制御性がよい、
また、交流モータのように高周波ノイズを発生するインバータを使用することが無く、電圧制御による回転数制御、トルク制御を行うことができるので、ノイズが少なく、冷却特性を向上する低速・高トルク制御を行うことができるようになる。
例えば、低速・高トルクの特性は全ての電機子巻線を直列に接続することにより達成できる。
また、隔壁部を備えたケーシングにより分離されるマグネットカップリング機構をモータ外に配置すると、前記隔壁部がモータ内にある従来技術と比べ、隔壁部の厚み分だけステータとローターの間隔が縮まり、電機子巻線が発生する駆動磁束の漏れが少なくなり、モータの特性が改善される。また、マグネットカップリング機構は入れ子式になっているので、収納スペースが少なくてすむ。
このような動力装置を用いた冷凍機は、動力装置の特徴を有しながら、さらに冷凍機の特性を改善する。例えば、モータの回転数を下げて発生する熱を減少させ、発生するノイズを少なくする。
冷凍機に隔壁部を備えたケーシングにより分離されるマグネットカップリング機構とブラシレス直流モータからなる動力装置を適用することにより、作動ガスの隔離を確保しながらコンタミの作動ガス空間への混入を防止することができるようになる。
また、各種応用装置に前記冷凍機を適用することにより、上記作動ガスの隔離を確保しながらコンタミの作動ガス空間への混入を防止することができるようになる。
その他の作用・効果は実施例の説明において説明する。
図1は、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例1を示す一部断面図である。
図1の動力装置10は、大きく分けてブラシレス直流(DC)モータ9とマグネットカップリング機構15から構成される。
ブラシレス直流モータ9は、ローター11、ステータ12、筐体を構成するケーシング13とカバー14からなる。
ケーシング13は、ブラシレス直流モータ9の筐体の一部分を構成すると共に、マグネットカップリング機構15における筐体の一部分を構成する。
ケーシング13は、周辺部から中心に向かって、フランジ部16、外側円筒状部17、外側環状板部18、隔壁部19、内側環状板部20、コ字状の軸受部21、軸部22から構成される。
ケーシング13は、非磁性金属であれば基本的に使用可能であるが、例えば、SUS305、SUS309、SUS310、SUS314およびSUS316等のオーステナイト系の非磁性ステンレス鋼の内の一種並びにNi又はCr残Feを主成分とし、Mn、Mo、NおよびAlの内の少なくとも一種を添加した非磁性ステンレス鋼が好ましい。この内、薄くした隔壁部の強度を保つために耐食生、耐久性に優れ丈夫な材料として、ステンレスSUS310は、加工を施したとしても比透磁率は1から殆ど変化せず、着磁を起こしたりすることなく、高い熱膨張係数を示すので好ましく、他にチタンでも使用可能である。
フランジ部16は、後述するカバー14のフランジ部23と組み合わされて両者を固着するためのネジ止め部を構成すると共に、これらケーシング13およびカバー14を収納するハウジング(図示省略)へ固着するための取付部となる。
外側円筒状部17は、カバー14の円筒状部24と対応して形成され、外側円筒状部17に連設される外側環状板部18および隔壁部19と共に、外側カップリングマグネット25の移動空間を構成する。
外側環状板部18は、カバー14の底部26に対向して環状平板で形成される。
隔壁部19は、薄い円筒状に形成され、円筒状の面と直角方向に延びる外側環状板部18および内側環状板部20により軸方向の両端で一体的に支持されている。
ケーシング13に圧力が加わる場合には、全体を円筒体とみると、円筒状部に相当する隔壁部19と略円形の蓋部に相当する「内側環状板部20およびコ字状軸受部21」並びに「外側環状板部18」とでは応力(抗張力)の加わり方が異なる。即ち、円筒状部に比べその蓋部はより大きな応力(抗張力)が加わることが知られている。このことから、円筒状部に相当する隔壁部19の厚み(出力軸を中心とした時の半径方向厚み)は前記蓋部に対して薄く形成することができる。
これにより、隔壁部19の両側に設ける内側カップリングマグネット27および外側カップリングマグネット25は近接して配置することができるようになり、カップリング機構15の磁石による結合が強固になり、負荷が大きくなってもカップリング機構15の出力軸側の磁石がすべりや遅れを生じることなくモータ側の磁石に追従して回転することができるようになる。さらには、冷凍機の効率が向上することになる。
隔壁部19の半径方向外側には補強カラー28が粘着されている。
補強カラー28は、非磁性且つ非導電性で、軽くて丈夫で、耐食生、耐久性に優れている材料、例えばFRP(繊維強化プラスチック)からなる。プラスチックとしては、ナイロン、ポリエステル、エポキシ等が用いられる。強化用繊維としては、ガラスの他に、ホウ素、炭化珪素、アルミナ、炭素、アラミド、鋼等の繊維が用いられる。
補強カラーは所定厚み(出力軸を中心とした時の半径方向厚みが一定)の円筒体として形成される。
補強カラー28は隔壁部19の抗張力を補強するように機能する。
隔壁部19は、耐圧の関係から上記ステンレスの場合、その厚みが板厚0.2mm〜1mmの範囲内で設計される。この板厚の範囲の内、好ましくは、0.25〜0.3mmの板厚が最適である。
ケーシング13のうち、特に磁束を透過する隔壁部19は、完全に渦電流損をゼロにはできないため、内側カップリングマグネット27および外側カップリングマグネット25により形成される磁束が隔壁部19を透過するのに応じて、渦電流による熱を発生する。しかし、ケーシング13における厚みのある外側環状板部18と内側環状板部20を隔壁部19に連続して形成してあるので、隔壁部19で発生した熱は次の2経路を通って外部へ放出される。第1経路は、隔壁部19−外側環状板部18−外側円筒状部17−フランジ部16−ハウジング(図示省略)の経路であり、第2経路は、隔壁部19−内側環状板部20−コ字状の軸受部21−ベアリング29−出力軸30の経路である。
更には、ケーシング13を雰囲気温度の低い、例えば、冷凍機の冷媒に接して配置する場合には、隔壁部19で発生した熱はかなりの部分が直接冷媒中に放出される。
内側環状板部20は、内側カップリングマグネット27の配置空間を確保するために設けられる。
コ字状の軸受部21は、出力軸30用のベアリング29を収納するように上向きのコ字状に形成される。
補強カラー28を備えた隔壁部19、内側環状板部20およびコ字状の軸受部21により、内側カップリングマグネット27を備えた出力軸30を収納する空間を形成する。
軸部22は、円柱状に形成され、回転軸31の軸受部32をベアリング33を介して回転自在に支持する。
カバー14は、ブラシレス直流モータにおける筐体のケーシング13を除いた残り部分を構成する。
カバー14は、周辺から中心に向かって、フランジ部23、円筒状部24、底部26からなる。
フランジ部23は、ケーシング13のフランジ部16と組み合わされてモータの筐体を構成すると共に、これらを収納するハウジング(図示省略)への取付部として構成される。
円筒状部24と底部26によりカップ状を形成し、モータの構成要素を収納する。
円筒状部24には電機子コイル34を備えた鉄心35が取り付けられている。
底部26は、円筒状部24の蓋になる円板に上向きのコ字状の軸受部36を設けて構成される。コ字状の軸受部36にはベアリング37を介して回転軸31の軸端部38を回転自在に支持する。コ字状の軸受部36の外側には、環状に段部39が形成されている。この段部39には、電機子コイル34の端面から所定距離離間して環状のプリント基板40が装着される。このプリント基板40には、ローターマグネット41に近接して回転センサー168が設けられる。回転センサー168は、例えば、ホールIC(インテグレートサーキット)等からなり、界磁磁極の位置等を検出する。
マグネットカップリング機構15は、外側カップリングマグネット25と出力軸30を備えた内側カップリングマグネット27から構成される。出力軸30には環状の出力軸ヨークを介して環状の内側カップリングマグネット27を設ける。マグネットカップリング機構15は、モータの回転軸31を原動軸として、磁石の吸引力により従動軸となる出力軸30に回転力を伝達するものである。両カップリングマグネット25、27は、円環状に形成され、側面にS極とN極が交互に現れるように形成される。マグネットカップリング機構15としたので、機械的に直結するときのような芯ずれを防止できる。
ローター11は、主に、回転軸31と、ローターマグネット41からなる。
回転軸は、基本的に、軸端部、ローターマグネット支持部、軸受軸部、外側カップリングマグネット支持部からなり、金属製で、好ましくは非磁性材から形成される。
実施例1の場合、回転軸31は、具体的には、一端から順に、軸端部38、中央軸部となるローターマグネット支持部42、軸受部32、外側カップリングマグネット支持部となる環状板部43および円筒状部44から構成される。
ローターマグネット支持部42は軸端部38に連なる円板部45とそれに連なりローターマグネット41を支持する円筒状部46からなる。
この円筒状部46の端部に軸受部32が連設される。円筒状部46は中空の円筒形に形成されるので、中実構造に比べて軽量にできる。軸受部32にはベアリング33が収納される。
軸受部32の先には、環状板部43を介して円筒状部44が連設される。
軸受部32と環状板部43は、ケーシング13の補強カラー28を設けた隔壁部19、内側環状板部20、およびコ字状の軸受部21と、電機子コイル34との間の空間に適合する形状に形成される。
この空間は円筒状部46の外側にローターマグネット41を配置したので、このローターマグネット41の幅の分だけ鉄心35および電機子コイル34が外側へズレて形成される。
軸受部32はケーシング13のコ字状の軸受部21に対応した形状とできるので省スペース化できる。
また、出力軸30とコ字状の軸受部21の組み合わせは、ケーシング13の軸部22と軸受部21の組み合わせを入れ子式に収納するので、省スペース化できる。
円筒状部44はその内側に段部47が形成される。この段部47に外側カップリングマグネット25が嵌合位置決めされる。
ローターマグネット41は、例えばネオジウムー鉄―ホウ素(NdFeB)等の希土類系磁石等の保持力の大きな磁性材料が用いられる。
ローターマグネット41は、各磁極の挟角を後述する電機子コイル34における複数のコイルの挟角との関係で決まる角度に設定される。
ローターマグネット41の周方向に連なる複数の磁極は、例えば回転方向(周方向)に同極となるように半径方向に着磁される。
ローターマグネット41は、回転軸31の中央軸部となるローターマグネット支持部42の外側面に固着される。ローターマグネット支持部42は、回転軸31の長さ方向に長く形成されているので、磁束の作用する面積を大きく形成することができる。
ステータ12は、電機子コイル34と鉄心35からなる。
電機子コイル34は、短形に巻回されると共にトルクに有効な導体部の挟角が、ローターマグネット41の磁極の挟角より設計により設定した角度だけ大きくして鞍型に整形される。
鉄心35は、珪素鋼板等の磁性板の積層構造として形成され、電機子コイル34により巻回される。巻き上がった鉄心35と電機子コイル34は、絶縁性の耐熱樹脂により含浸固化される。
鉄心35をカバー14の円筒状部に固着する。
鉄心35とローターマグネット41の間の間隔は、両者が接触することなく、磁気抵抗が最も少なく、且つ、ローターマグネット41の回転を阻害することが無い空間(ギャップ)とする。
これにより、前記従来例におけるようなステータ12とローター11の間に密封するための隔壁としてのカップ状カバーを設けることが無いので、有効鎖交磁束を減少することなく、モーターの効率を高い状態に維持することができるようになる。
電機子コイル34の印加電圧を制御することにより、回転磁界を制御し、ローターマグネット41に回転力を作用し、回転軸31の回転を制御する。
このため、ローターマグネット41の界磁磁極の位置を回転センサー168で検出し、電機子コイル34の印加電圧を制御する電機子電圧制御装置を備えている。
モータにおける電圧の振幅はローター速度に比例する。従って、モータ速度は、ステータ巻線である電機子コイルに印加される信号の電圧振幅を制御することにより制御される。
(実施例1の効果)
(1)密封のためのケーシング13を、マグネットカップリング機構15における両カップリングマグネット25、27間に隔壁部として配置したので、従来技術のように、モータのステータとローターの間に密封するための隔壁としてのカップ状カバーを設けることが無くなり、コイルの有効鎖交磁束を減少することなく、モーターの効率を高い状態に維持することができる。
(2)隔壁部19に補強カラー28を設けるので、隔壁部19の抗張力を補強することができる。
(3)隔壁部19は、円筒状に形成するので、上で述べたように、その厚みを薄くでき、この隔壁部19での渦電流損を小さくすることができる。
(4)回転軸31の円筒状部46は中空の円筒形に形成されるので、中実構造に比べて軽量にできる。
(5)回転軸31の軸受部32はケーシング13のコ字状の軸受部21に対応した形状とできるので省スペース化できる。
(6)ケーシング13の軸部22と軸受部32の組み合わせは、出力軸30とコ字状の軸受部21の組み合わせを、入れ子式に収納するので、省スペース化できる。
(7)補強カラー28を備えた隔壁部19、内側環状板部20およびコ字状の軸受部21により、内側カップリングマグネット27を備えた出力軸30を収納する空間を形成することができる。
(8)ケーシング13の外側円筒状部17は連設される外側環状板部18および隔壁部19と共に、外側カップリングマグネット25の移動空間を構成することができる。
図2は、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例2を示す一部断面図である。
実施例2は、実施例1と比べ、以下の点で相違し、その余の構成は実施例1の構成と相違しない。相違しない構成は図1の説明を援用しここでは説明を省略する。
(1)回転軸31の中央軸部となるローターマグネット支持部42が、実施例1では中空軸構造になっていたのに対し、実施例2では中実構造になる点、
(2)実施例2の回転軸31は、実施例1には無い構成を採用した点、即ち、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44に連設して回転軸31の長さ方向に外側円筒軸部48を設け、ローターマグネット41と外側円筒軸部48の間に電機子コイルブロック49を配置した点。
具体的には、上記(1)の点は、回転軸31の中心部分を中実構造とする構成を採る。これにより、回転軸の機械的強度を高め、外側円筒軸部48の支持を可能とすることができる。
上記(2)の点は以下のように構成される。回転軸31の外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44に連設して回転軸31の長さ方向に外側円筒軸部48を設ける。外側円筒軸部48の長さ方向端は、回転軸31の軸端部近傍まで延びる。外側円筒軸部48の半径方向の厚みは、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44の半径方向厚みよりも薄くする。
回転軸31に外側円筒軸部48を設けることにより、回転軸31の慣性質量を増加しフライホイールの作用をさせることができる。また、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44と外側円筒軸部48とを連設することにより、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44に働く力伝達時の芯ずれを抑制することができる。
外側円筒軸部48とローターマグネット41の間に形成された空間には、電機子コイルブロック49を配置する。
電機子コイルブロック49は、実施例1における鉄心35を除いた電機子コイル34と回転センサー168を封止樹脂で略円筒形にモールド整形する。回転センサー168はローターマグネット41の下端近傍に配置される。電機子コイルブロック49は、カバー14の底部26に取り付ける。
電機子コイルブロック49は、実施例1のような鉄心35を備えないので、ローターマグネット41に近接配置することができる。これにより、磁気抵抗を小さくして、発生磁束を有効にローターマグネット41に作用させることができる。
なお、外側円筒軸部48に電機子コイル34で発生した磁束を短絡するための磁性体を設けることも可能である。
(実施例2の効果)
実施例1と同じ構成については、同じ効果を奏するので説明を省略する。
回転軸31の中心部分を中実構造とする構成を採ることにより、回転軸の機械的強度を高めることができる。
回転軸31に外側円筒軸部48を設けることにより、回転軸31の慣性質量を増加しフライホイールの作用をさせることができる。また、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44と外側円筒軸部48とを連設することにより、外側カップリングマグネット25を支持する円筒状部44に働く力伝達時の芯ずれを抑制することができる。
図3は、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力伝達装置の実施例3を示す一部断面図である。
実施例3は、実施例1と比べ、以下の点で相違し、その余の構成は実施例1の構成と相違しない。相違しない構成は図1の説明を援用しここでは説明を省略する。
(1)ブラシレス直流モータの構成をディスク型にする点。
図3に示すように、薄型の電機子コイル51を挟んで環状平板の上部ローターマグネット52と下部ローターマグネット53を回転軸の軸方向に対して直角面で回転するように配置するディスク回転型機構を採用する。
薄型の電機子コイル51と回転センサー168により電機子コイルブロック50を構成する。
ローター11は、回転軸31とローターマグネット41とからなる。回転軸31は、第1軸部54、第2軸部55からなる。第1軸部54は、一端から他端に向かって一体成形された、中央軸部56、軸受部32、環状板部43、円筒状部44からなる。第2軸部55は、中空の円筒軸の一端に軸端部57を備え、その軸方向途中に外側へ延びる環状板部58を備えてなる。第1軸部54の中央軸部56を第2軸部55の円筒軸内に嵌合固定して両者を一体化する。
一体化した回転軸31には、第1軸部54の円筒状部44の内側の段部47に外側カップリングマグネット25を固着し、環状板部43の下面側に環状平板の上部ローターマグネット52を固着し、第2軸部55の環状板部58の上面側に環状平板の下部ローターマグネット53を固着し、軸端部57をカバー14の底部26のコ字状の軸受部36にベアリング37を介して支持する。
上部および下部のローターマグネット52、53間に、電機子コイル51をプリント基板59に搭載し樹脂固定した電機子コイルブロック50を挿入し、この電機子コイルブロック50をプリント基板ベースを介してケーシング13のフランジ部16に固定する。プリント基板59には回転センサー168も設けられている。回転センサー168は、ホールIC(インテグレートサーキット)等からなり、両ローターマグネット52、53の界磁磁極の位置を検出する。
上部ローターマグネット52および下部ローターマグネット53は、例えば、希土類系磁石等の保持力の大きな磁性材料が用いられ、例えば、周方向に交互に異極となるように着磁されている。両ローターマグネット52、53は、その磁極の挟角を後述する電機子コイル51における複数のコイルの挟角との関係で決まる角度に設定されている。
電機子コイル51は、平面上で扇形に整列巻きされると共にトルクに有効なコイル部分の挟角が、電気角で180度より大きくされた扁平なユニットコイルの組み合わせから形成されている。
電機子コイル51は、前記ユニットコイルを平面内で放射状にかつその外側部が互いに隣接するように等しいピッチで配設し、樹脂で固化して構成する。電機子コイル51は全体でリング状に形成される。
上部ローターマグネット52とこれに対向配置される下部ローターマグネット53は、異極間の磁気的吸引力で対抗させ、同期回転せしめる構成とする。例えば、上部ローターマグネット52の対向面が順にN−S−N−・・・極に、下部ローターマグネット53の対向面が反対に順にS−N−S−・・・極に着磁される場合に、上部から下部方向へまた逆に下部から上部方向へ磁界が生じる。
電機子コイル51の印加電圧を制御することにより、回転磁界を制御し、上部ローターマグネット52および下部ローターマグネット53に回転力を作用し、回転軸の回転を制御する。
このため、上部ローターマグネット52又は下部ローターマグネット53の界磁磁極の位置を回転センサー168で検出し、電機子コイル51の印加電圧を制御する電機子電圧制御装置を備えている。
(実施例3の効果)
実施例1と同じ構成については、同じ効果を奏するので説明を省略する。
ブラシレス直流モータの回転部分をディスク型に構成したので、モータ部分の回転軸の長さ方向の高さが実施例1および実施例2の円筒型に対して短く、換言すると薄く構成することができる。
ローターとコンタミの発生源となる電機子コイルとを隔壁部で密封状態に分離遮蔽すると共に、上部ローターマグネット52の発生磁束をトルク発生のために有効に利用するように、該上部ローターマグネット52とで磁路を形成する下部ローターマグネット53を設ける構成としたので、上部ローターマグネット52とその磁路を閉じるための下部ローターマグネット53との間の漏洩磁束を減少させることができると共に、低速・高効率・高トルク特性を達成することができる。
図4は、本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだスターリング冷凍機の概略図である。即ち、図4は本発明の隔壁部を有する動力装置を、隔壁を必要とするスターリング冷凍機に適用した実施例を示す概略図である。ブラシレス直流モータ以外の構成は略図で示す。この実施例に用いるブラシレス直流モータは実施例1のタイプの構成を用いて説明する。なお、ブラシレス直流モータは他の実施例のタイプの構成でも適用可能である。
スターリング冷凍機61は、ピストン62の作動端とクランクケース63の第1シリンダ部77との間に圧縮室64が形成され、ディスプレーサ65の作動端とクランクケース63の第2シリンダ部78との間には膨張室66が形成され、ディスプレーサ65の内部に蓄冷材67が設けられている。また、圧縮室64と膨張室66とはガス移送経路68によって接続されている。クランクケース63のディスプレーサ65を収納する空間は、ガス移送経路68およびシャフトを除いて環状パッキング79により密封されている。ピストン62とディスプレーサ65とをクランクシャフト69を介して動力装置10によって同期駆動する。マグネットカップリング機構15の隔壁部19を含むケーシング13をその凹溝に設けたOリング等のゴムパッキング70を介して、クランクケース63に密封状態に取り付ける。
ゴムパッキング70を備えたケーシング13は、クランクケース63のケース壁に直接又はケース壁から突出する取付部に取り付ける。これにより、クランクケース63内をクランクシャフト69側とモータ側に密封状態に隔離する。
運転時、圧縮室64と膨張室66とガス移送経路68によって形成される密閉空間内に作動ガス(Heガス)を封入し、その作動ガスをピストン62で圧縮した後に膨張室66に送り込んでディスプレーサ65で断熱膨張させ、膨張後に圧縮室64に送り返して再度圧縮し、前記同じ行程を繰り返す。以上のサイクルを繰り返すことによって、膨張室66を形成するケース端に極低温のコールドヘッド71を形成する。
クランクケース63内のクランクシャフト側の作動ガスはクランクケース63、Oリング等のゴムパッキング70、隔壁部19を有するケーシング13によりモータ側の空間72に侵入することが阻止される。
なお、点線内は、スターリング冷凍機以外の装置であり、コールドヘッド71に測定用素子又は測定装置を設けた際、測定用素子等からの測定データを採取し処理する測定装置である。この種の測定装置は、一般にコンピュータ75およびモニター76から構成される。測定データの採取および処理は、アプリケーションソフトウエアに基づきコンピュータで実行する。
(実施例4の効果)
動力装置10の出力軸30はケーシング13により隔離されるクランクシャフト側の空間73内に収納されるので、出力軸30はダイナミックシールなしでクランクシャフト69と接続することができ、モータはケーシング13により隔離される空間72内に配設されるので、モータ用の冷却手段をクランクシャフト側の空間の中に持ち込む必要がなくなる。
クランクケース63、Oリング等のゴムパッキング70、隔壁部19を有するケーシング13によりクランクケース63内を密封状態に2分割し、その一方にディスプレーサを含むスターリング冷凍機側機構、他方にモータ側機構を収納することができるので、モータの発生するコンタミがスターリング冷凍機構に混入することを防止できる。
〔小型スターリング冷凍機を使用した赤外線カメラ〕
実施例4に示すようなスターリング冷凍機の適用対象として、そのコールドヘッドにおける極低温の温度特性から、赤外線カメラがある。コールドヘッドに設ける光導電形素子としては、InSb(インジウム錫)、Ge(ゲルマニウム)やSi(シリコン)等の半導体結晶、およびGeやSiにAu(金)、Zn(亜鉛)、Hg(水銀)等の重金属を添加した材料等を用いる。前記InSbは、一般に液体窒素以下の温度で使用され、動作温度が低いほど感度は増すが、応答速度は逆に遅くなる。一方、GeやSi等の半導体結晶、およびGeやSiにAu、Zn、Hg等の重金属を添加した材料は、一般に液体窒素以下の温度で使用され、応答速度はマイクロ秒或いはそれ以下と速い。
これら光導電形素子をコールドヘッドに搭載して液体窒素以下の温度に冷却することにより、分光感度のダイナミックレンジを広くとることが可能となる。
コールドヘッドに搭載した光導電形素子の出力は、素子アレイの面出力として、図4に示されるように、コンピュータ75に取り込まれ、必要なA/D変換、直交変換、フィルタリング、画像変換等が施されて遠赤外域の画像等としてモニター76に表示することが可能になる。コンピュータ75を1チップまたはボード1枚のマイクロコンピュータとし、モニター76をスモールサイズの液晶画面で構成することにより、携帯可能な赤外線カメラを構成できる。
〔小型スターリング冷凍機を使用したガスモニター〕
スターリング冷凍機の適用対象として、実施例5の赤外線カメラ以外に、ガスモニターがある。コールドヘッドにはガスセンサーが設けられ、液体窒素近辺の温度まで冷却される。
ガスセンサーとしては、温度を室温から−80度以下の任意の温度まで変えることができる反射鏡に被測定ガスを接触させ、そのガスが接触する反射鏡の部分に前記集光光線又はレーザー光を放射し、その反射鏡とそのガスとを接触前又はその反射鏡とそのガスとを接触させながら、その反射鏡の温度を除々に低下させ、その反射鏡上に露及び/又は霜を形成させ、結露点及び/又は結露点付近で露及び/又は霜を鏡面上から完全に昇華させない程度に反射鏡の温度を除々に加熱し、それによって散乱光の強さの極大となる温度及び/又は反射光の強さが極小となる温度、或はさらに反射鏡を冷却させて、散乱光の強さが極小となる温度及び/又は反射光の強さが極大とする温度を検出し、その極大温度及びその極小温度をそのガスの露点及び/又は霜点とすることを含む微量水分を含むガスの露点又は霜点を決定することにより、低水分量含有ガスを温度変化可能な反射鏡に接触させ、反射鏡の温度を低下させ氷の層を形成し、その付近の温度で加熱及び冷却を繰返し、昇華点及び積層凝固点からそのガスの正確な露点及び/又は霜点を知るものがある。
これにより、本発明のスターリング冷凍機を用いたガスモニターは、携帯可能で使い勝手のよいものとなる。
〔小型スターリング冷凍機を使用した半導体放射線検出器〕
スターリング冷凍機の適用対象として、半導体放射線検出器がある。コールドヘッドには半導体放射線検出素子が設けられ、液体窒素近辺の温度まで冷却される。半導体放射線検出素子としては、Ge検出素子あるいはSi検出素子等であり、例えばクローズドエンド型Geガンマ線検出素子が用いられる。
従来は液体窒素を入れた冷却槽によって半導体放射線検出素子を冷却していたため、液体窒素を使用の度に入手する必要があり、使用場所が限られていた。本発明のスターリング冷凍機を用いると、半導体放射線検出素子はコールドヘッドに設ければ良くなり、持ち運びが容易で使い勝手が良いものとなる。
本発明の動力装置は、上で述べたとおりであるから、コンタミの隔離が完全で、ブラシレス直流モータの特性を有効に発揮でき、外部装置への不要ノイズの発生を抑制でき、低速、高トルク制御により小さい形状で良好な冷却能力を発揮できるので、このような特性を必要とする冷却、空調分野への適用が可能である。
本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例1を示す一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例2を示す一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置の実施例3を示す一部断面図である。 本発明のブラシレス直流モータを用いた動力装置を動力源とし、この動力装置を組み込んだスターリング冷凍機の概略図である。
符号の説明
9 ブラシレス直流(DC)モータ
10 動力装置
11 ローター
12 ステータ
13 ケーシング
14 カバー
15 マグネットカップリング機構
16、23 フランジ部
17 外側円筒状部
18 外側環状板部
19 隔壁部
20 内側環状板部
21、32、36 軸受部
22 軸部
24、44、46、49 円筒状部
25 外側カップリングマグネット
26 底部
27 内側カップリングマグネット
28 補強カラー
29、33、37 ベアリング
30 出力軸
31 回転軸
34、51 電機子コイル
35 鉄心
38、57 軸端部
39、47 段部
40 プリント基板
41 ローターマグネット
42 ローターマグネット支持部
43、58 環状板部
45 円板部
48 外側円筒軸部
50 電機子コイルブロック
52 上部ローターマグネット
53 下部ローターマグネット
54 第1軸部
55 第2軸部
56 中央軸部
59 プリント基板
61 スターリング冷凍機

Claims (6)

  1. ローターマグネットと外側カップリングマグネットを軸方向に離間して設けた回転軸と、電機子コイルと、一部に軸受部と円筒状で薄い壁厚の隔壁部とを備えた密封構成のケーシングと、前記ケーシングの軸受部に軸支し、内側カップリングマグネットを備えた出力軸とからなり、前記ローターマグネットと前記電機子コイルとを回転可能に対向配置し、前記外側カップリングマグネットと前記内側カップリングマグネットとを前記隔壁部を介して対向配置することを特徴とする動力装置。
  2. 前記円筒状の隔壁部に円筒状の補強カラーを密着して設けることを特徴とする請求項1記載の動力装置。
  3. 前記ケーシングは非磁性体で形成され、前記補強カラーが強化樹脂で形成されることを特徴とする請求項2記載の動力装置。
  4. 前記回転軸における前記外側カップリングマグネットを設ける略円筒状部に連設して前記電機子コイルの外側に前記回転軸の長さ方向に外側円筒軸部を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の動力装置。
  5. 前記ローターマグネットは2個の板状の環状磁石からなり、前記両環状磁石は前記回転軸の長さ方向に所定距離離間して該回転軸に前記板状の面が直交するように設け、前記両環状磁石の間に前記電機子コイルを設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の動力装置。
  6. シリンダとピストンからなる圧縮室と、シリンダと蓄冷器を備えたディスプレーサからなる膨張室と、前記両室を作動流体の移動が可能に連結する配管と、前記ピストンを駆動する回転−直線変換機構と、前記回転−直線変換機構に回転出力を伝達する動力装置とからなるスターリング冷凍機において、
    前記動力装置を請求項1乃至5のいずれか1項記載の動力装置とし、前記ピストンを含み前記回転−直線変換機構を収納する筺体と前記動力装置のケーシングにより前記筐体内の作動流体を漏れないように構成することを特徴とするスターリング冷凍機。
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