JP2005158400A - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大形で漏液しにくく、電解液の成層化による劣化が少なく、長寿命な制御弁式鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】 負極板2に用いる負極用集電体11には、約10mm間隔の横中骨15の全てを表面よりも約0.5mm突出させた凸部16を設ける。セパレータ3の負極板2の負極用集電体11の凸部16に対向する部分には、エポキシ樹脂を含浸した樹脂含浸部17を設ける。これらの負極板2、セパレータ3及び従来から使用をされている正極板1を用いて極板群を製造する。そして、この極板群を用い、従来からの手法で制御弁式鉛蓄電池を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】 負極板2に用いる負極用集電体11には、約10mm間隔の横中骨15の全てを表面よりも約0.5mm突出させた凸部16を設ける。セパレータ3の負極板2の負極用集電体11の凸部16に対向する部分には、エポキシ樹脂を含浸した樹脂含浸部17を設ける。これらの負極板2、セパレータ3及び従来から使用をされている正極板1を用いて極板群を製造する。そして、この極板群を用い、従来からの手法で制御弁式鉛蓄電池を製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、制御弁式鉛蓄電池に関するものである。
制御弁式鉛蓄電池は、安価で信頼性が高いという特徴を有するために、無停電電源装置や自動車用バッテリーなどに広く使用されている。ここで、近年の需要者からは、放電容量の大きな大形の制御弁式鉛蓄電池が強く求められており、電極板の寸法も大型化している。
なお、電極板寸法の大型化に伴って、電解液の成層化を防止するために極板群を構成する電極板の板面を水平方向に設置した状態で使用をする場合が増えている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、制御弁式鉛蓄電池を横倒しにした状態で設置して、使用をすることによって、電解液の成層化を防止するものである。
しかしながら、極板群を構成する電極板の板面を水平方向に設置した状態で長期間にわたって使用をすると、使用中に制御弁式鉛蓄電池の電解液が端子付近から漏液しやすいという問題点が認められている。
本発明は上記した課題を解決するものであり、漏液しにくく、電解液の成層化による劣化が少なく、長寿命な制御弁式鉛蓄電池を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明に係わる制御弁式鉛蓄電池は、負極用集電体の横中骨とセパレータとを改良したものである。
すなわち、請求項1の発明は、正極板、負極板及びセパレータにより極板群が構成されており、該極板群を構成する電極板の板面が垂直方向に配列された状態で使用される制御弁式鉛蓄電池において、前記負極板の負極用集電体の横中骨は、前記セパレータに向けて凸部を有することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記セパレータの前記凸部に対向する部分には、樹脂が含浸されていることを特徴とするものである。
本発明の効果として、漏液しにくく、電解液の成層化が起こりにくい長寿命な大形の制御弁式鉛蓄電池を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
1.制御弁式鉛蓄電池の作製
従来から使用されている比較的大形の制御弁式鉛蓄電池(例えば、定格容量が1000Ahの制御弁式鉛蓄電池。)は、一般的には図3に示されるような内部構造をしている。すなわち、10mm程度の間隔の中骨により仕切られた格子状をしており、耳部18を有する正極用集電体10及び負極用集電体11を鋳造方式で作製し、それぞれにペースト状活物質を充填する。これらの複数枚の正極板1及び負極板2をセパレータ3を介して積層をした後に、それぞれの耳部18を溶接して一体化して、極柱9及びストラップ6を有する極板群を形成する。
1.制御弁式鉛蓄電池の作製
従来から使用されている比較的大形の制御弁式鉛蓄電池(例えば、定格容量が1000Ahの制御弁式鉛蓄電池。)は、一般的には図3に示されるような内部構造をしている。すなわち、10mm程度の間隔の中骨により仕切られた格子状をしており、耳部18を有する正極用集電体10及び負極用集電体11を鋳造方式で作製し、それぞれにペースト状活物質を充填する。これらの複数枚の正極板1及び負極板2をセパレータ3を介して積層をした後に、それぞれの耳部18を溶接して一体化して、極柱9及びストラップ6を有する極板群を形成する。
そして、開口部を有し、有底の電槽4に極板群を挿入した後に、電槽4上部の開口部と蓋5の下面に、例えば熱板等を当てて加熱し、蓋5を電槽4に突き合わせて溶着し、電槽化成をするものである。以下の実施例では、縦が135mm、横が155mm、高さが420mmの制御弁式鉛電池(2V−400Ah)を作製して比較した。
2.制御弁式鉛蓄電池のサイクル寿命試験
制御弁式鉛蓄電池の完成後に補充電をし、極板群を構成する電極板の板面が垂直方向に配列された状態でサイクル寿命特性を測定した。試験環境は約30℃で、満充電状態から80A(0.2CA)での放電を3.75時間(定格容量の75%)行った後に、2.45Vの定電圧(ただし、制限電流が80A(0.2CA))で4時間する充電を1サイクルとし、100サイクル毎の放電末期電圧を測定して、1.6Vを切った時点を寿命とした。
2.制御弁式鉛蓄電池のサイクル寿命試験
制御弁式鉛蓄電池の完成後に補充電をし、極板群を構成する電極板の板面が垂直方向に配列された状態でサイクル寿命特性を測定した。試験環境は約30℃で、満充電状態から80A(0.2CA)での放電を3.75時間(定格容量の75%)行った後に、2.45Vの定電圧(ただし、制限電流が80A(0.2CA))で4時間する充電を1サイクルとし、100サイクル毎の放電末期電圧を測定して、1.6Vを切った時点を寿命とした。
本発明に係わる実施例1〜実施例4として、図1に示すように、セパレータ3に向けて横中骨15に凸部16を有する負極用集電体11を用いている負極板2を用いた。そして、凸部16に対向するセパレータ3の部分に樹脂、例えばエポキシ樹脂を含浸した樹脂含浸部17を設けた。一方、正極板1としては、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている正極用集電体10を用いた。
これらの正極板1と負極板2とを使用し、セパレータ3を介して積層・溶接をして、図1に示すような極板群を組み立てて、上記した仕様で制御弁式鉛蓄電池を作製した後に寿命試験をした。
(1)実施例1
本発明に係わる実施例1として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(2)実施例2
本発明に係わる実施例2として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15のうちで、50mmの間隔ごとに表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(3)実施例3
本発明に係わる実施例3として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15のうちで、100mmの間隔ごとに表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(4)実施例4
本発明に係わる実施例4として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.2mm突出させた凸部16を設けた。
(5)実施例5
本発明に係わる実施例5として、図1に示すように、横中骨15に凸部16を有する負極用集電体11を有する負極板2を用いた。そして、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
これらの正極板1と負極板2とを使用し、セパレータ3を介して積層・溶接をして、図1に示すような極板群を組み立てて、上記した仕様で制御弁式鉛蓄電池を作製した後に寿命試験をした。
(1)実施例1
本発明に係わる実施例1として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(2)実施例2
本発明に係わる実施例2として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15のうちで、50mmの間隔ごとに表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(3)実施例3
本発明に係わる実施例3として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15のうちで、100mmの間隔ごとに表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(4)実施例4
本発明に係わる実施例4として、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.2mm突出させた凸部16を設けた。
(5)実施例5
本発明に係わる実施例5として、図1に示すように、横中骨15に凸部16を有する負極用集電体11を有する負極板2を用いた。そして、負極用集電体11の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
一方、樹脂含浸部17を有しない図2で示されるような、従来から使用されているセパレータ3を用いた。また、正極板1としても、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている正極用集電体10を用いた。
これらの正極板1と負極板2とを使用し、セパレータ3を介して積層・溶接をして、極板群を組み立て、上記した仕様で制御弁式鉛蓄電池を作製した後に寿命試験をした。
(6)比較例1
比較例1として、図2に示すように、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている負極用集電体11を有する負極板2を用いた。また、樹脂含浸部17を有しない従来から使用されているセパレータ3を用いた。また、正極板1としては、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている正極用集電体10を用いた。
(6)比較例1
比較例1として、図2に示すように、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている負極用集電体11を有する負極板2を用いた。また、樹脂含浸部17を有しない従来から使用されているセパレータ3を用いた。また、正極板1としては、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている正極用集電体10を用いた。
これらの正極板1と負極板2とを使用し、セパレータ3を介して積層・溶接をして、図2に示すような極板群を組み立て、上記した仕様で制御弁式鉛蓄電池を作製した後に寿命試験をした。
(7)比較例2
比較例2として、図示されていないが、横中骨15に凸部16を有する正極用集電体10を用いている正極板1を用いた。そして、正極用集電体10の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
(7)比較例2
比較例2として、図示されていないが、横中骨15に凸部16を有する正極用集電体10を用いている正極板1を用いた。そして、正極用集電体10の約10mm間隔の横中骨15の全てを表面より約0.5mm突出させた凸部16を設けた。
そして、凸部16に対向するセパレータ3の部分に樹脂、例えばエポキシ樹脂を含浸した図1に示すような樹脂含浸部17を設けた。一方、負極板2としては、横中骨15に凸部16を有しない従来から使用されている負極用集電体10を用いた。
これらの正極板1と負極板2とを使用し、セパレータ3を介して積層・溶接をして、極板群を組み立てて、上記した仕様で制御弁式鉛蓄電池を作製した後にサイクル寿命試験をした。
表1にサイクル寿命試験をした結果を示す。本発明を用いた実施例1〜実施例5は、比較例1,2に比べて長寿命であることがわかる。この詳細な理由は明らかではないが、負極用集電体11の横中骨15に凸部16を設けると、硫酸イオンの下部への移動を抑制できるために成層化を防止できるためと考えられる。
また、凸部16に対向するセパレータ3の部分に樹脂含浸部17を設けることによって、さらに成層化防止ができるためと考えられる。加えて、本発明を用いると、電極板の板面を鉛直方向に正立させた状態で使用をすることができるために、端子7付近からの電解液の漏液をしにくくすることができる。
本発明は、主に、電解液をセパレータや電極板に染み込ませた状態で使用をする大形の制御弁式鉛蓄電池に用いることができる。
1:正極板、2:負極板、3:セパレータ、4:電槽、5:蓋、6:ストラップ、
7:端子、8:安全弁部、9:極柱、10:正極用集電体、11:負極用集電体、
12:縦枠骨、13:縦中骨、14:横枠骨、15:横中骨、16:凸部、
17:樹脂含浸部、18:耳部
7:端子、8:安全弁部、9:極柱、10:正極用集電体、11:負極用集電体、
12:縦枠骨、13:縦中骨、14:横枠骨、15:横中骨、16:凸部、
17:樹脂含浸部、18:耳部
Claims (2)
- 正極板、負極板及びセパレータにより極板群が構成されており、該極板群を構成する電極板の板面が垂直方向に配列された状態で使用される制御弁式鉛蓄電池において、
前記負極板の負極用集電体の横中骨は、前記セパレータに向けて凸部を有することを特徴とする制御弁式鉛蓄電池。 - 前記セパレータの前記凸部に対向する部分には、樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項1記載の制御弁式鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393719A JP2005158400A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 制御弁式鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393719A JP2005158400A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 制御弁式鉛蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005158400A true JP2005158400A (ja) | 2005-06-16 |
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ID=34720003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003393719A Pending JP2005158400A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 制御弁式鉛蓄電池 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005158400A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020119134A1 (zh) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 超威电源有限公司 | 板栅及其制造方法、极板和铅酸蓄电池 |
-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393719A patent/JP2005158400A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020119134A1 (zh) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 超威电源有限公司 | 板栅及其制造方法、极板和铅酸蓄电池 |
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