JP2005154261A - ボルト定着剤及びボルト定着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリートや岩盤などの母材に対してアンカーボルトなどのボルトを定着させるに当たり、母材に形成した孔の内表面の微細な凹凸を埋めることができ、且つ大きな強度、特に経時的に大きな強度を維持することができるボルト定着剤及びボルト定着方法を提供する。
【解決手段】 必須の成分として酸化マグネシウムと、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩と、水とを含有してなるボルト定着剤である。また、このボルト定着剤を用いて、母材にボルトを固定させる母材へのボルト定着方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ボルト定着剤及び母材へのボルト定着方法に関するものであり、詳しくは、コンクリートや岩盤などの母材に対してアンカーボルトなどのボルトを定着させるためのボルト定着剤及び母材へのボルト定着方法に関するものである。
天然の岩石や岩盤、コンクリート等を母材として、これに形成した孔内にボルト定着剤を用いてアンカーボルトなどのボルトを定着させることが従来から行われている。例えば、特許文献1においては、ポルトランドセメント、アルミン酸塩セメント、アルミナ溶融セメント等のセメントと硬化剤としての水ガラスをボルト定着剤としてボルトを定着させることが提案されており、実際にはポルトランドセメントが用いられている。
特開2000−128619号公報
しかしながら、このような従来のセメント組成物は粘性が高く、母材表面(正確には母材に形成した孔の内表面)の微細な凹凸を埋めることができないために、大きな強度、特に経時的に大きな強度を維持することができないものであった。この問題に対し、例えば、低濃度とすることにより粘度を下げることは可能であるが、この場合、母材表面の微細な凹凸を埋めることはできてもセメント自体の強度が不足してしまうという問題があった。
従って本発明の目的は、母材に形成した孔の内表面の微細な凹凸を埋めることができ、且つ大きな強度、特に経時的に大きな強度を維持することができるボルト定着剤及びボルト定着方法を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解消するために鋭意研究の結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、必須の成分として酸化マグネシウムと、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩と、水とを含有してなることを特徴とするボルト定着剤であり、また、本発明は、このボルト定着剤を用いて、母材にボルトを固定させることを特徴とする母材へのボルト定着方法である。
本発明の効果は、母材に形成した孔の内表面の微細な凹凸を埋めることができ、且つ大きな強度、特に経時的に大きな強度を維持することができるボルト定着剤及びボルト定着方法を提供したことにある。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明のボルト定着剤に使用される酸化マグネシウムは、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムを焼成して得られる酸化マグネシウム粉末を使用することができるが、ボルト定着剤としての硬化性及び本発明の上記効果を得る観点から、硬化剤の種類にもよるが、好ましくはBET比表面積0.2m2/g以上、より好ましくは1m2/g以上の酸化マグネシウム粉末(BET比表面積100m2/g以上のものは活性マグネシアと呼ばれることもある)である。
但し、酸化マグネシウムのBET比表面積が極端に大きいと、ハンドリング性が悪化する場合があるので、好ましくは300m2/g以下とする。また、ボルト定着剤が硬化後にひび割れやすくなることを防止する観点からは、250m2/g以下とすることが好ましい。
また、酸化マグネシウムの最も好ましいBET比表面積は、酸化マグネシウムとともに用いられるマグネシウム塩及び/又はリン酸塩の種類によって異なる。即ち、比較的反応性の穏やかなマグネシウム塩及び/又はリン酸塩を用いる場合は比較的BET比表面積の大きな酸化マグネシウムが好ましく、比較的反応性の激しいマグネシウム塩及び/又はリン酸塩を用いる場合は比較的BET比表面積の小さい酸化マグネシウム塩を用いることが好ましい。
尚、酸化マグネシウムは、異なるBET比表面積のものを混合して使用することができ、この場合には、全体としての平均のBET比表面積を勘案すればよい。同様に、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩についても、複数種のマグネシウム塩及び/又はリン酸塩を使用する場合には、全体として平均した反応性を勘案すればよい。
ここで、比較的反応性の穏やかなマグネシウム塩としては、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム等を例示することができ、比較的反応性の激しいマグネシウム塩としては、硝酸マグネシウム等を例示することができる。例えば、硝酸マグネシウムを用いる場合には、平均20〜140m2/g、特には35〜80m2/g程度のBET比表面積を有する酸化マグネシウムを用いることが好ましく、硫酸マグネシウムを用いる場合には、平均80〜250m2/g、特には100〜200m2/g程度のBET比表面積を有する酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
また、比較的反応性の穏やかなリン酸塩としては、トリポリリン酸ソーダなどのポリリン酸塩類等を例示することができ、比較的反応性の激しいリン酸塩としてはリン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素アンモニウム等のオルトリン酸塩等を例示することができる。例えば、トリポリリン酸ソーダを硬化剤として使用する場合には、平均80〜250m2/g、特には100〜200m2/g程度のBET比表面積を有する酸化マグネシウムを用いることが好ましく、リン酸アンモニウムを硬化剤として使用する場合には、平均0.2〜20m2/g、特には1〜10m2/g程度のBET比表面積を有する酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
なお、充填剤(骨材と言う場合もあり、例えば、砂、石英、ガラス、白墨、カオリン、ベントナイト等を例示することができ、形態としては限定されず、粒状であっても破片状であっても繊維状であってもよい)を併用すると強度特性の向上、あるいはボルト定着剤の硬化時の耐クラック性の向上が期待できるので、そのような効果を望む場合には充填剤を併用することが好ましい。なお、強度特性の向上効果は硬化剤の種類に無関係に得ることができる。一方、耐クラック性の向上効果は硬化剤の種類によって異なる。即ち、硬化剤としてリン酸塩を使用する場合には、反応性の激しいリン酸塩を使用してもクラック発生の可能性は低いが、硬化剤としてマグネシウム塩を使用した場合には、反応性の激しいマグネシウム塩を使用すると硬化時にクラックが発生する場合があるので、硬化剤としてマグネシウム塩を使用した場合には、充填剤の併用による耐クラック性の向上効果はより顕著に得ることができる。従って、充填剤を使用することにより、反応性が高く、よりクラックの生じやすい比較的BET比表面積の大きい酸化マグネシウムを使用することが可能となる。例えば、硝酸マグネシウムを用いる場合においてBET比表面積が60m2/g以上、好ましくは80m2/g以上の酸化マグネシウムを使用する場合に、あるいは硫酸マグネシウムを用いる場合においてBET比表面積が150m2/g以上、好ましくは200m2/g以上の酸化マグネシウムを使用する場合に、充填剤の併用による効果を良好に得ることができる。
この場合、充填剤併用の効果を顕著なものとするには、充填剤を、酸化マグネシウムに対して質量比で0.5〜3倍量程度で使用すればよい。
また、比較的反応性の激しいマグネシウム塩及び/又はリン酸塩と比較的反応性の穏やかなマグネシウム塩及び/又はリン酸塩を混合して用いる場合には、前記したような好ましい組み合わせと同様な結果を呈するように、その配合量と酸化マグネシウムのBET比表面積を勘案すればよい。
このような酸化マグネシウムは、例えば、炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムを焼成温度600〜1400℃で焼成して得ることができ、比較的低温で焼成することによりBET比表面積の比較的大きい酸化マグネシウムを得ることができ、反対に比較的高温で焼成することによりBET比表面積の比較的小さい酸化マグネシウムを得ることができる。
上記比表面積の酸化マグネシウム粉末であれば、特に粒子径は限定されるものではないが、概ね1μm〜100μm、好ましくは1μm〜40μm程度であれば差し支えない。
本発明のボルト定着剤に使用されるマグネシウム塩は特に限定されず、水溶性であって上記酸化マグネシウムとの反応性を有する化合物であればよく、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、臭化マグネシウム、及びこれらから選ばれる2種以上等を例示することができる(マグネシウム塩のうちリン酸マグネシウムは、本発明においては「リン酸塩」として扱う)。但し、本発明のボルト定着剤が腐食性の高いボルトに対して使用される場合には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムは極力少なくし、好ましくは使用しないことがよい。
従って、本発明のボルト定着剤に使用されるマグネシウム塩としては、上記のうち塩化マグネシウム、臭化マグネシウム以外の化合物であることが、高い汎用性を得る点では好ましいということができ、特に硝酸マグネシウムを使用すると、鉄等への防錆性がより向上するため、特に好ましい。
本発明のボルト定着剤に使用されるリン酸塩は特に限定されず、水溶性であって上記酸化マグネシウムに対して反応性を有する化合物であればよい。なお、本発明においてリン酸塩とは、オルトリン酸塩だけでなく、ポリリン酸塩およびメタリン酸塩などの縮合リン酸塩、ホスホン酸塩(亜リン酸塩)、ホスフィン酸塩(次亜リン酸塩)、チオリン酸塩も含み、1種または2種以上の混合物を使用することもできる。好ましくは、ピロリン酸塩(二リン酸塩)及びトリポリリン酸塩(三リン酸塩)等のポリリン酸塩、メタリン酸塩、オルトリン酸塩およびこれらから選ばれる2種以上の混合物であり、更に好ましくは、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩およびこれらから選ばれる2種以上の混合物である。具体例として、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸マグネシウムなどのオルトリン酸塩、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、テトラポリリン酸ソーダなどのポリリン酸塩、およびこれらから選ばれる2種以上等を例示することができる。しかし酸化マグネシウムとリン酸塩を混合した際に瞬時に苛烈な反応をする組み合わせもあるので、BET比表面積が大きく反応性が高い酸化マグネシウムにはポリリン酸類といった反応性の低いリン酸塩を使用することが好ましい。また、BET比表面積が小さく反応性が低い酸化マグネシウムにはリン酸アンモニウム、リン酸マグネシウムといった反応性の高いリン酸塩を使用することが好ましい。なお、本発明においてリン酸塩は中和塩である必要はなく、酸性塩であってもよい。
本発明のボルト定着剤におけるマグネシウム塩及び/又はリン酸塩の配合割合は特に限定されず、ボルト定着剤全体が十分な硬化性、強度、取り扱い性を備える割合とすればよいが、好ましくは、酸化マグネシウム100質量部に対して10〜300質量部、より好ましくは20〜200質量部とすればよい。尚、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩を、結晶水等の水分を含有する形態で使用するときは、このような水分を除いたマグネシウム塩純分の量を勘案するものとする。
マグネシウム塩及び/又はリン酸塩の割合が少なすぎるとボルト定着剤の硬化が不十分となる場合があり、逆に多すぎると硬化に関与せずに残存する割合が多くなるので、いずれの場合においても強度が不足となりやすい。
また、本発明のボルト定着剤は、更に、水を含有するものである。上記マグネシウム塩及び/又はリン酸塩は水溶性であるので、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩と水をあらかじめ混合して、水溶液として用いることもできる。
水の割合が少なすぎるとボルト定着剤にムラができやすく、逆に多すぎるとセメント成分が希薄となるので、いずれの場合においても強度が不足となりやすい。
従って、水の量(結晶水等の水を含有するマグネシウム塩及び/又はリン酸塩を使用した場合、これに含まれる水の量も包含する)は、必ずしも限定されるものではないが、好ましくは本発明のボルト定着剤の固形分含量が50〜90質量%、より好ましくは60〜85質量%となるように選択する。
本発明のボルト定着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で所望により他の添加剤を含有させることができる。例えば、粘度調整剤(例えば、ガム質、セルロース、ウレタン結合含有ポリエーテル、石灰類等を例示することができる)、分散剤、揺変剤、安定剤、硬化速度調整剤、湿潤剤、AE剤、AE減水剤などを使用することができる。
本発明のボルト定着剤は、粘度については特に限定されるものではないが、その使用状態(ボルトの角度等)によっては極端に粘度が低くないことが好ましく、概ね0.1〜10Pa・s程度であればよく、好ましくは0.5〜5Pa・sである。
次に本発明のボルト定着方法について説明する。本発明のボルト定着方法は、上記本発明のボルト定着剤を用いて、母材にボルトを固定させることを特徴とする母材へのボルト定着方法である。
具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のボルト定着剤と同様に本発明のボルト定着剤を用いればよい。
例えば、天然の岩石、岩盤、人工岩石、コンクリート、レンガ等の母材にドリル等によってボルト挿入に適した孔をあけ、この孔に上記本発明のボルト定着剤を注入した後にボルトを挿入、もしくは該孔にボルトを挿入した後に該孔の該ボルトとの隙間に上記本発明のボルト定着剤を注入すればよい。または、上記本発明のボルト定着剤の原料を該孔に投入した後、ボルト挿入時に該孔内で本発明の上記ボルト定着剤を製造してもよい。
ボルト定着剤の量は特に限定されないが、極端に少ないと強度が不足する場合があり、一方、極端に多くすることは、工業化適正を損ねるだけでなくやはり強度の悪化を来たすので、ボルトを単純円筒形とみなし孔内に位置するその表面積1cm2あたり、概ね0.01〜1cm3、特には0.05〜0.5cm3とすることが好ましい。
尚、母材に設ける、ボルトを挿入するための孔は、好ましくはボルト自体の孔内部分の体積と上記した量のボルト定着剤容量との合計が、ほぼ孔の容積と等しくなるようにすればよいが、作業性等を考慮して、通常の工業的に適正な範囲内であれば、多少ボルト定着剤が孔から溢れても差し支えない。但し、この場合は、溢れた分のボルト定着剤は本発明において用いたボルト定着剤の量には算入しない。
本発明においては、その後適切な硬化時間ボルトを保持することにより、母材にボルトを定着させることができるものである。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜7〕
平均粒子径1.9μm、BET比表面積137m2/gの酸化マグネシウム(1)、平均粒子径2.1μm、BET比表面積21m2/gの酸化マグネシウム(2)、硝酸マグネシウム六水塩、硫酸マグネシウム七水塩、水、及び骨材(5号硅砂)を、下記の表1に示す割合で混合して、本発明の各ボルト定着剤を得た。
一方、一辺2mのコンクリート表面に、ドリルによって直径12mm、深さ100mmの孔をあけ、この孔に下記表1に示す組成の各ボルト定着剤を5cm3を流し込み、次いで直径10mm、長さ150mmのボルトをこの孔に挿入した。そのまま20分間保持して、ボルトをコンクリートに定着させた。
各ボルト定着剤によるボルト定着性を試験するために、ボルトの引き抜き強度を、定着1日後及び定着後1ヵ月屋外に放置した後についてそれぞれ測定した。この結果を下記の表1中に示す。尚、試験体の強度試験後の状況は、いずれの場合も、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。
Figure 2005154261
(*)定着剤は破壊されず、躯体自体が破壊された。
〔実施例8〕
実施例1〜7と同様にしてコンクリートに孔をあけ、実施例1〜7と同様のボルトをまず孔に挿入しておき、実施例2と同様の組成のボルト定着剤を製造して、直ちにこの孔のボルトとの隙間に該ボルト定着剤5cm3を注入した。
実施例1〜7と同様にボルト定着性試験を行ったところ、定着1日後の強度は14kNであり、定着後1ヵ月屋外放置後の強度は27kNであった。また、試験体の状況は、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。
〔実施例9〕
実施例1〜7と同様にしてコンクリートに孔をあけ、これに本発明のボルト定着剤の原料である酸化マグネシウム(平均粒子径2.1μmでBET比表面積21m2/gのもの75質量%と、平均粒子径1.9μmでBET比表面積137m2/gのもの25質量%との混合物。平均した全体のBET比表面積は50m2/g)100質量部、硝酸マグネシウム六水塩100質量部、骨材としての5号硅砂200質量部、水38.5質量部を投入した(定着剤体積として実施例1〜8と同量となるようにした)。
その後、直ちに実施例1〜7と同様のボルトを上記孔に挿入して攪拌し、この孔内にて本発明のボルト定着剤を製造した。そのまま20分間保持して、ボルトを定着させた。
このボルト定着剤について、実施例1〜7と同様に試験を行ったところ、定着1日後の強度は13kNであり、定着後1ヵ月屋外放置後の強度は30kN以上(定着剤は破壊されず躯体自体が破壊された)であった。また、試験体の状況は、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。
〔実施例10〜18〕
上記で使用した酸化マグネシウム(1)、平均粒子径30μm、BET比表面積7m2/gの酸化マグネシウム(3)、リン酸アンモニウム[(NH4)3PO4・3H2O]、トリポリリン酸ソーダ [Na5P3O10・6H2O]、水、骨材(5号硅砂)を下記の表2に示す割合で混合して、本発明の各ボルト定着剤を得た。実施例1〜7と同様にしてボルトをコンクリートに定着させ、実施例1〜7と同様に試験した。結果を表2に示す。
Figure 2005154261
(*)定着剤は破壊されず、躯体自体が破壊された。
〔実施例19〕
実施例1〜7と同様にしてコンクリートに孔をあけ、実施例1〜7と同様のボルトをまず孔に挿入しておき、実施例11と同様の組成のボルト定着剤を製造し、直ちに該孔のボルトとの隙間に該ボルト定着剤5cm3を注入した。
実施例1〜7と同様に試験したところ、定着1日後の強度は26kNであり、定着後1ヵ月屋外放置後の強度は30kN以上であった。また、試験体の状況は、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。
〔実施例20〕
実施例1〜7と同様にしてコンクリートに孔をあけ、これに本発明のボルト定着剤の原料である酸化マグネシウム(平均粒子径30μmでBET比表面積7m2/g)100質量部、リン酸アンモニウム[(NH4)3PO4・3H2O]50質量部、水50質量部を投入した(定着剤体積として実施例1〜8と同量になるようにした)。
その後、直ちに実施例1〜7と同様にボルトを上記孔に挿入して撹拌し、該孔内にて本発明のボルト定着剤を製造した。そのまま20分間保持しボルトを定着させた。
このボルト定着剤について、実施例1〜7と同様に試験したところ、定着1日後の強度は25kNであり、定着後1ヵ月屋外放置後の強度は30kN以上であった。また、試験体の状況は、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。
〔実施例21〕
上記で使用した酸化マグネシウム(1)を75質量部、上記で使用した酸化マグネシウム(3)を25質量部、リン酸アンモニウム[(NH4)3PO4・3H2O]を10質量部、硫酸マグネシウム七水塩40質量部、水50質量部を混合して、本発明の各ボルト定着剤を得た。
実施例1〜7と同様にしてボルトをコンクリートに定着させ、実施例1〜7と同様に試験を行ったところ、定着1日後の強度は24kNであり、定着後1ヵ月屋外放置後の強度は30kN以上であった。また、試験体の状況は、1日後がマグネシアセメントの破壊、1ヵ月後がコンクリートの機材破壊であり、マグネシアセメントとコンクリートの接着面の剥離はなかった。

Claims (2)

  1. 必須の成分として酸化マグネシウムと、マグネシウム塩及び/又はリン酸塩と、水とを含有してなることを特徴とするボルト定着剤。
  2. 請求項1に記載のボルト定着剤を用いて、母材にボルトを固定させることを特徴とする母材へのボルト定着方法。
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